(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記計測指示部は、前記目標時間までの計時であるタイマを開始する第1の計時開始手段と、前記時間計測部が時間を計測するストップウォッチを開始する第2の計時開始手段とを有する
ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電子時計。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態では、電子機器の一例として、電子時計の例を用いて説明する。
図1は、本実施形態における電子時計100の外観構成を示す正面図である。電子時計100は、現在の日時を計時する時計機能と、操作に応じて時間を計測するストップウォッチ機能と、目標時間までの時間を計測するタイマ機能とを有する時計である。電子時計100は、目標時間と事前報知時間とを設定可能であり、ストップウォッチ機能で計測中に、設定した目標時間より事前報知時間だけ早い時間なると報知する。
【0022】
電子時計100は、計時した日時を表示するための時計モードと、ストップウォッチ機能で時間を計測するためのストップウォッチ計測モードと、目標時間と事前報知時間とを設定するためのストップウォッチ修正モードとの3つの動作モードを有する。図示するように、電子時計100は、複数(本実施形態では4つ)のボタンA〜Dと、表示装置104とを含んで構成される。ボタンA〜Dは、操作入力を受け付ける入力装置である。各ボタンA〜Dの機能は後述する。表示装置104は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等の表示装置である。
【0023】
図2は、本実施形態における電子時計100の構成を示したブロック図である。図示する例では、電子時計100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、表示装置104と、入力装置105と、報音装置106と、発振素子107と、電源108とを備える。
【0024】
CPU101は、電子時計100を構成する各電子回路要素の制御や計時動作等を行う。CPU101は、発振素子107とともに構成する発振回路が発生する所定周波数の信号(計時の基準となる時計信号)を計数して計時動作を行う。CPU101及び発振素子107は、時間を計測する時間計測部(ストップウォッチ機能)と、目標時間までの残時間を計測するタイマ部(タイマ機能)と、日時を計時する計時部(時計機能)とを構成する。また、CPU101(表示制御部)は、目標時間までの残時間と、時間計測部が計測した計測時間とを表示装置104に表示する。
【0025】
入力装置105は、ボタンA〜Dを備え、ストップウォッチ機能による計時を開始するストップウォッチ計時開始操作や、ストップウォッチ機能による計時を停止するストップウォッチ停止操作、ラップタイムの記録を指示するラップ時間計測操作等の操作入力を受け付ける。入力装置105は、CPU101とともに、目標地点までの目標時間(制限時刻や制限時間)を設定する目標時間設定部、目標時間に対する報知時間を設定する報知時間設定部、ストップウォッチ機能による時間の計測を指示する計測指示部、ラップタイムの記録を指示するラップタイム指示部を構成する。
【0026】
表示装置104には、ストップウォッチ機能による計測時間や目標時間、目標時間までの残り時間(以下、残時間とする。)等を表示する。目標時間までの残時間は、制限時間と計測時間(もしくは制限時刻と現時刻)からCPU101によって演算される。報音装置106(報知部)は、ストップウォッチ機能により時間が計測されている際に、目標時間より事前報知時間だけ早い時間になると報音する。また、ストップウォッチ機能により時間が計測されている際に、制限時間と計測時間(もしくは制限時刻と現時刻)から演算された残時間がゼロになった時に報音する。
【0027】
ROM102は、CPU101が実行するプログラム等を記憶する読み出し専用メモリである。RAM103は、計測したデータや設定したデータ等を記憶するランダムアクセスメモリである。ROM102及びRAM103は記憶部を構成している。記憶部には、目標時間(制限時間または制限時刻)、事前報知時間、ストップウォッチ機能による計測時間、目標時間までの残時間(制限時間から計測時間を差し引いた時間または制限時刻から現時刻を差し引いた時間)を記憶することができる。また記憶部には、ラップタイム指示部によって指示された時点のラップタイムを記憶することができる。電源108は、電子時計100を構成する各電子回路要素に電力を供給する。
【0028】
次に、
図3を参照して、目標時間と事前報知時間の設定方法について説明する。
図3は、本実施形態による電子時計100における目標時間および事前報知時間の設定方法を説明するための図である。まず、各動作モード時における電子時計100の状態について説明する。電子時計100は、時計モード(状態1)において、時計モードを示すマーク「TIME」と、現在の日時「MON-25 10:08:59」とを表示装置104に表示する。また、時計モードにおいて、ボタンAは、動作モードをストップウォッチ計測モードに遷移させる操作入力を受け付ける。また、時計モードにおいて、ボタンBは、現在の日時を修正する操作入力を受け付ける。また、時計モードにおいて、ボタンCおよびボタンDは無機能である。
【0029】
電子時計100は、時計モードにおいて、ボタンAが押下されると、ストップウォッチ計測モード(状態2)に遷移する。電子時計100は、ストップウォッチ計測モードにおいて、ストップウォッチ計測モードを示すマーク「STW」と、残時間「00:00'(時:分)」と、計測時間「00:00':00"(時:分:秒)」とを表示装置104に表示する。また、ストップウォッチ計測モードにおいて、ボタンAは、動作モードを遷移させる操作入力を受け付ける。また、ストップウォッチ計測モードにおいて、ボタンBは、動作モードをストップウォッチ修正モードに遷移させる操作入力を受け付ける。また、ストップウォッチ計測モードにおいて、ボタンCは、ストップウォッチ機能による計測のスタート(開始)またはストップ(終了)の操作入力を受け付ける。また、ストップウォッチ計測モードにおいて、ボタンDは、ラップタイムの記録またはリセットの操作入力を受け付ける。
【0030】
電子時計100は、ストップウォッチ計測モードにおいて、ボタンBが押下されると、ストップウォッチ修正モード(状態3)に遷移する。電子時計100は、ストップウォッチ計測モードにおいて、ストップウォッチ修正モードを示すマーク「STW」と、目標地点を示すマーク「CP1」と、目標地点までの目標時間「00:00'(時:分)」とを表示装置104に表示する。また、ストップウォッチ修正モードにおいて、ボタンAは、無機能である。また、ストップウォッチ修正モードにおいて、ボタンBは、ストップウォッチ計測モードに戻る操作入力を受け付ける。また、ストップウォッチ修正モードにおいて、ボタンCは、選択する操作入力を受け付ける。また、ストップウォッチ修正モードにおいて、ボタンDは、セットする操作入力を受け付ける。
【0031】
次に、電子時計100において、ストップウォッチ計測モード(状態2)から目標時間および事前報知時間を設定する手順を説明する。なお、目標時間は、時刻で設定できるようにしてもよいし、時間で設定できるようにしてもよい。以下、使用者が参加するマラソン大会の各関門(目標地点)の閉鎖時間(制限時間)を目標時間として設定する場合を例に説明する。(A1)まず、使用者は、ストップウォッチ計測モード時にボタンBを押下し、電子時計100をストップウォッチ修正モードに遷移させる(状態3)。(A2)続いて、使用者は、1つ目の関門(CP1)の制限時間を設定する。具体的には、使用者は、制限時間「00:00'」の時桁が点滅するため、制限時間の時桁をDボタンでセットする。(A3)そして、使用者は、制限時間の時桁をセットしCボタンを押下すると、制限時間の分桁が点滅するため、制限時間の分桁をDボタンでセットする(状態4)。
【0032】
(A4)続いて、使用者は、1つ目の関門(CP1)の第1の事前報知時間を設定する。本例では、事前報知時間の最大値は59分である。なお、本例では、事前報知時間の最大値を59分としたが、これに限らず、事前報知時間の最大値を1時間以上にしてもよい。制限時間の分桁をセットしCボタンを押下すると、事前報知時間の時桁に「b1」、分桁に「00」が表示され、分桁は点滅する。使用者は、Dボタンで0〜59分のいずれかをセットする(状態5)。
【0033】
(A5)続いて、使用者は、1つ目の関門(CP1)の第2の事前報知時間を設定する。第2の事前報知時間の設定手順は、第1の事前報知時間の設定手順と同様である。設定する事前報知時間の数は、1つでもよいし複数でもよい。ただし、各事前報知時間は、異なる時間に設定される。例えば、第1の事前報知時間を「30分」に設定し、第2の事前報知時間を「10分」に設定する等が考えられる。(A6)続いて、使用者は、Cボタンを押下して、2つ目の関門(CP2)の制限時間と事前報知時間とを設定する。2つ目の関門の制限時間と事前報知時間との設定手順は1つ目の関門の制限時間と事前報知時間との設定手順と同様である。制限時間を設定する関門の数は、1つでもよいし複数でもよい。
【0034】
使用者は、全ての関門の制限時間と事前報知時間とを設定すると、Bボタンを押下して電子時計100をストップウォッチ計測モードに戻す(状態6)。電子時計100は、制限時間と事前報知時間が設定されている場合、ストップウォッチ計測モードにおいて、設定された制限時間「02:00'」と、事前報知時間が設定されているマーク「TARGET:on」とを表示装置104に表示する。
【0035】
次に、ストップウォッチの計測手順について説明する。まず、目標時間を制限時刻で設定した場合について説明する。(A11)使用者は、ストップウォッチ計測モードにおいて、スタート地点通過時にCボタンを押下してストップウォッチ計時開始操作をする。電子時計100は、上段に1番目の関門までの制限時間までの残時間(制限時刻から現時刻を減算した時間)を表示装置104に表示するとともに、下段にストップウォッチ機能による計測時間(スタート地点通過時からの経過時間)を表示装置104に表示する。
【0036】
(A12)電子時計100は、現在時刻が、制限時刻の事前報知時間になると報音装置106により報音する。これにより、使用者は、マラソン大会の距離掲示により何キロ地点を通過し、あと何キロで関門か把握できているので、事前報知時間が設定されていれば、自身の走力と残時間、残距離から走行ペースを上げずに走行を続けても、制限時間内に関門を通過できるか、ペースをあげないと通過できないのか、通過の可能性が無いのか判断することができる。(A13)使用者は、第1の関門を通過する際にDボタンを押下してラップ時間計測操作を行う。この操作に応じて、電子時計100は、上段の表示を第2の関門までの残時間に切り替える。以下、ゴールまで(A11)から(A13)までの操作を繰り返し、ゴール地点通過時にCボタンを押下してストップウォッチ停止操作をする。
【0037】
次に、目標時間を制限時間で設定した場合におけるストップウォッチの計測手順について説明する。(B11)使用者は、ストップウォッチ計測モードにおいて、マラソン大会の号砲に合わせてCボタンを押下してストップウォッチ計時開始操作を行う。電子時計100は、上段に第1の関門までの制限時間までの時間(制限時間から計測時間を減算した時間)を表示装置104に表示するとともに、下段にはストップウォッチ機能による計測時間(号砲からの経過時間)を表示する。(B12)電子時計100は、制限時間までの残時間が事前報知時間になると報音装置106により報音する。(B13)使用者は、第1の関門を通過する際にDボタンを押下してラップ時間計測操作を行う。この操作に応じて、電子時計100は、上段の表示を第2の関門までの残時間に切り替える。以下、ゴールまで(B11)から(B13)までの操作を繰り返し、ゴール地点通過時にCボタンを押下してストップウォッチ停止操作をする。
【0038】
次に、
図4および
図5を参照して、本実施形態における電子時計100が実行する処理について説明する。
図4は、本実施形態における電子時計100が実行する設定処理の処理手順を示したフローチャートである。本図に示す設定処理は、
図3に示す制限時間および事前報知時間の設定の際に電子時計100が実行する処理である。
【0039】
(ステップS101)CPU101は、変数Nおよび変数Mに0を代入する。その後、ステップS102の処理に進む。
(ステップS102)CPU101は、Nに1を加算する。その後、ステップS103の処理に進む。
(ステップS103)CPU101は、第Nの関門の制限時間の設定を受け付ける。使用者は、入力装置105を操作して制限時間を設定する。その後、ステップS104の処理に進む。
【0040】
(ステップS104)CPU101は、Mに1を加算する。その後、ステップS105の処理に進む。
(ステップS105)CPU101は、第Nの関門の第Mの事前報知時間の設定を受け付ける。使用者は、入力装置105を操作して第Mの事前報知時間を設定する。その後、ステップS106の処理に進む。
【0041】
(ステップS106)CPU101は、全ての事前報知時間を設定したか否かを判定する。具体的には、CPU101は、入力装置105により事前報知時間の設定を終了する操作がされた場合は全ての事前報知時間を設定したと判定し、入力装置105により次の事前報知時間の設定をする操作がされた場合は全ての事前報知時間を設定していないと判定する。全ての事前報知時間を設定した場合はステップS107の処理に進み、全ての事前報知時間を設定していない場合はステップS104の処理に戻る。
【0042】
(ステップS107)CPU101は、設定した第Nの関門の制限時間と事前報知時間とをRAM103に書き込んで記憶する。その後、ステップS108の処理に進む。
(ステップS108)CPU101は、全ての関門について制限時間と事前報知時間とを設定したか否かを判定する。具体的には、CPU101は、入力装置105により制限時間の設定を終了する操作がされた場合は全ての関門について設定したと判定し、入力装置105により次の関門の設定をする操作がされた場合は全ての関門について設定していないと判定する。CPU101は、全ての関門について設定した場合は設定処理を終了し、全ての関門について設定していない場合はステップS102の処理に戻る。
【0043】
図5は、本実施形態における電子時計100が実行する計測処理の処理手順を示したフローチャートである。本図に示す計測処理は、例えば、使用者がマラソン大会で自己タイムを計測する際等に実行する処理である。
【0044】
(ステップS201)CPU101は、ストップウォッチ計時開始操作を受け付ける。使用者は、入力装置105を操作してストップウォッチ計時操作を行う。CPU101は、ストップウォッチ計時開始操作がされると、ストップウォッチ機能により時間の計測を開始する。その後、ステップS202の処理に進む。
(ステップS202)CPU101は、変数Nに0を代入する。その後、ステップS203の処理に進む。
【0045】
(ステップS203)CPU101は、Nに1を加算する。その後、ステップS204の処理に進む。
(ステップS204)CPU101は、第Nの関門の制限時間(もしくは、制限時刻から現時刻を減算した時間)から事前報知時間を減算した時間を、第Nの関門までの残時間タイマとしてセットし、タイマ機能により残時間タイマの減算を開始する。また、CPU101は、フラグ事前報知を「未」に設定する。そして、CPU101は、制限時間までの残時間(「第Nの関門の制限時間−計測時間」または「第Nの関門の制限時刻−現時刻」)とストップウォッチ機能による計測時間とを表示装置104に表示する。その後、ステップS205の処理に進む。
【0046】
(ステップS205)CPU101は、入力装置105においてストップウォッチ停止操作がされたか否かを判定する。CPU101は、ストップウォッチ停止操作がされた場合は計測処理を終了し、ストップウォッチ停止操作がされていない場合はステップS206の処理に進む。
(ステップS206)CPU101は、フラグ事前報知が「未」であるか否かを判定する。CPU101は、事前報知が「未」である場合はステップS207の処理に進み、事前報知が「済」である場合はステップS209の処理に進む。
【0047】
(ステップS207)CPU101は、残時間タイマが0になったか否かを判定する。CPU101は、残時間タイマが0である場合はステップS208の処理に進み、残時間タイマが0でない場合はステップS209の処理に進む。
(ステップS208)CPU101は、報音装置106により報音を行い、フラグ事前報知を「済」に書き換える。その後、ステップS209の処理に進む。
【0048】
(ステップS209)CPU101は、入力装置105においてラップ時間計測操作がされたか否かを判定する。CPU101は、ラップ時間計測操作がされた場合はステップS210の処理に進み、ラップ時間計測操作がされていない場合はステップS205の処理に戻る。
(ステップS210)CPU101は、ストップウォッチ機能により計測したラップ時間と、タイマ機能により計測した制限時間までの残時間(もしくは制限時間を超えた時間)とをRAM103に記録する。その後、ステップS211の処理に進む。
【0049】
(ステップS211)CPU101は、使用者が、制限時間の設定された全ての関門を通過したか否かを判定する。具体的には、CPU101は、制限時間の設定された関門の数だけラップ時間計測操作がされた場合に使用者が全ての関門を通過したと判定し、ラップ時間計測操作の数が設定された関門の数より小さい場合は使用者が全ての関門を通過していないと判定する。CPU101は、使用者が全ての関門を通過した場合はステップS205の処理に戻り、使用者が全ての関門を通過していない場合はステップS203の処理に戻る。
【0050】
上述したとおり、本実施形態では、電子時計100は、各関門(目標地点)の制限時間と事前報知時間とを設定可能であり、制限時間から事前報知時間だけ早い時間に使用者に報知する。例えば、事前報知時間を「10分」と「30分」に設定すると、関門の制限時間の30分前と、10分前に報知される。これにより、使用者は、制限時間までの残時間(30分もしくは10分)を知ることができるため、努力可能な時間を認識でき完走率を高めることができる。また、本実施形態では、CPU101は、各関門(目標地点)までの残時間を表示装置104に表示する。これにより、使用者は、関門までの残時間をしることができる。
【0051】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態における電子時計100の構成は、第1の実施形態における電子時計100と同様の構成である。本実施形態と第1の実施形態とで異なる点は、CPU101(ペース算出部、表示制御部)が、ストップウォッチ機能による計測の指示がされると、目標地点を目標時間までに通過するためのペースを算出して表示装置104に表示する点である。CPU101は、設定された距離を制限時間(もしくは制限時刻から現時刻を減算した時間)で除算することによりペースを算出する。入力装置105(距離設定部)は、各目標地点までの距離を設定可能である。記憶部は、入力装置105により設定された各目標地点までの距離を記憶する。
【0052】
次に、本実施形態による電子時計100が実行する処理について説明する。
図6は、本実施形態における電子時計100が実行する設定処理の処理手順を示したフローチャートである。本図に示す設定処理は、制限時間および事前報知時間の設定の際に電子時計100が実行する処理である。
【0053】
ステップS301〜S306までの処理は、上述したステップS101〜S106までの処理と同様であるため、説明を省略する。
(ステップS307)CPU101は、第Nの関門までの距離(第N−1の関門から第Nの関門までの距離。ただし、N=1の場合はスタート地点から第1の関門までの距離。)の設定を受け付ける。使用者は、入力装置105を操作して第Nの関門までの距離を設定する。その後、ステップS308の処理に進む。
【0054】
(ステップS308)CPU101は、設定した第Nの関門の制限時間と事前報知時間と距離とをRAM103に書き込んで記憶する。その後、ステップS309の処理に進む。
(ステップS309)CPU101は、全ての関門について制限時間と事前報知時間とを設定したか否かを判定する。具体的には、CPU101は、入力装置105により制限時間の設定を終了する操作がされた場合は全ての関門について設定したと判定し、入力装置105により次の関門の設定をする操作がされた場合は全ての関門について設定していないと判定する。CPU101は、全ての関門について設定した場合は設定処理を終了し、全ての関門について設定していない場合はステップS302の処理に戻る。
【0055】
図7は、本実施形態における電子時計100が実行する計測処理の処理手順を示したフローチャートである。本図に示す計測処理は、例えば、使用者がマラソン大会で自己タイムを計測する際等に実行する処理である。
【0056】
ステップS401〜S403までの処理は、上述したステップS201〜S203までの処理と同様であるため、説明を省略する。
(ステップS404)CPU101は、第Nの関門の制限時間から事前報知時間を減算した時間を、第Nの関門までの残時間タイマとしてセットし、タイマ機能により残時間タイマの減算を開始する。また、CPU101は、フラグ事前報知を「未」に設定する。また、CPU101は、第Nの関門までの距離を、制限時間までの残時間(「第Nの関門の制限時間−計測時間」または「第Nの関門の制限時刻−現時刻」)で除算してペースを算出する。そして、CPU101は、ストップウォッチ機能による計測時間と、制限時間までの残時間(「第Nの関門の制限時間−計測時間」または「第Nの関門の制限時刻−現時刻」)と、算出したペースとを表示装置104に表示する。その後、ステップS405の処理に進む。
ステップS405〜S411までの処理は、上述したステップS205〜S211までの処理と同様であるため、説明を省略する。
【0057】
上述したとおり、本実施形態では、入力装置105は、各関門(目標地点)間の距離の設定を受け付ける。また、CPU101は、設定された距離と制限時間からペースを算出して表示装置104に表示する。すなわち、電子時計100は、使用者が関門通過時にラップ時間計測操作を行うと、次の関門を制限時間内に通過するための最低ペースを表示する。使用者は、この情報をもとに残りのコースをどのようなペース配分で走行するか決めることができ、無理のない走行でかつ完走を目指す事ができる。すなわち、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、使用者は次の関門を制限時間内に通過するための最低ペースを知ることができる。
【0058】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図8は、本実施形態における電子時計200の構成を示したブロック図である。本実施形態における電子時計200は、第1の実施形態における電子時計100の構成に加えて、歩行走行検出装置209を備える。
【0059】
歩行走行検出装置209(歩数検出部)は、加速度を検出する加速度センサを備え、使用者の歩行時または走行時における体の上下方向の振動を検出して使用者の歩数を検出する。また、入力装置205(歩幅設定部、距離設定部)は、使用者の歩幅と目標地点までの距離との設定を受け付ける。CPU201(歩行走行距離算出部)は、設定された歩幅に検出された歩数を乗算して、使用者が歩行した距離または走行した距離である歩行走行距離を算出する。そして、CPU201(残距離算出部、表示制御部)は、設定された目標地点までの距離から算出した歩行走行距離を減算して、使用者の現在位置から目標地点までの残距離を算出し、算出した残距離を表示装置204に表示する。
【0060】
また、CPU201(ペース算出部、表示制御部)は、目標時間までの残時間と目標地点までの残距離とから、目標時間内に目標地点を通過するための最低ペースを算出し、算出した最低ペースを表示装置204に表示する。電子時計200の他の構成は、第1の実施形態における電子時計100の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0061】
次に、本実施形態による電子時計200が実行する処理について説明する。本実施形態における設定処理は、
図6に示す第2の実施形態における設定処理と同様の処理手順であるため説明を省略する。
図9は、本実施形態における電子時計200が実行する計測処理の処理手順を示したフローチャートである。本図に示す計測処理は、例えば、使用者がマラソン大会で自己タイムを計測する際等に実行する処理である。
【0062】
(ステップS601)CPU201は、ストップウォッチ計時開始操作を受け付ける。使用者は、入力装置205を操作してストップウォッチ計時操作を行う。CPU201は、ストップウォッチ計時開始操作がされると、ストップウォッチ機能により時間の計測を開始する。その後、ステップS602の処理に進む。
(ステップS602)CPU201は、歩行走行検出装置209による歩数の検出を開始する。その後、ステップS603の処理に進む。
【0063】
(ステップS603)CPU201は、変数Nに0を代入する。その後、ステップS604の処理に進む。
(ステップS604)CPU201は、Nに1を加算する。その後、ステップS605の処理に進む。
(ステップS605)CPU201は、第Nの関門の制限時間から事前報知時間を減算した時間を、第Nの関門までの残時間タイマとしてセットし、タイマ機能によりタイマの減算を開始する。また、CPU201は、フラグ事前報知を「未」に設定する。また、CPU201は、走行距離を0とする。そして、CPU201は、制限時間までの残時間(「第Nの関門の制限時間−計測時間」または「第Nの関門の制限時刻−現時刻」)とストップウォッチ機能による計測時間とを表示装置204に表示する。その後、ステップS606の処理に進む。
【0064】
(ステップS606)CPU201は、検出した歩数に設定された歩幅を乗算して歩行走行距離を算出する。また、CPU201は、第Nの関門までの距離から歩行走行距離を減算した残距離を、第Nの関門の制限時間までの残時間(「第Nの関門の制限時間−計測時間」または「第Nの関門の制限時刻−現時刻」)で除算することにより、第Nの関門を制限時間までに通過するための最低ペースを算出する。そして、CPU201は、第Nの関門までの残距離と最低ペースとを表示装置204に表示する。その後、ステップS607の処理に進む。
【0065】
(ステップS607)CPU201は、入力装置205においてストップウォッチ停止操作がされたか否かを判定する。CPU201は、ストップウォッチ停止操作がされた場合は計測処理を終了し、ストップウォッチ停止操作がされていない場合はステップS608の処理に進む。
(ステップS608)CPU201は、フラグ事前報知が「未」であるか否かを判定する。CPU201は、事前報知が「未」である場合はステップS609の処理に進み、事前報知が「済」である場合はステップS611の処理に進む。
【0066】
(ステップS609)CPU201は、残時間のタイマが0になったか否かを判定する。CPU201は、残時間のタイマが0である場合はステップS610の処理に進み、残時間のタイマが0でない場は合ステップS611の処理に進む。
(ステップS610)CPU201は、報音装置206により報音を行い、フラグ事前報知を「済」に書き換える。その後、ステップS611の処理に進む。
【0067】
(ステップS611)CPU201は、入力装置205においてラップ時間計測操作がされたか否かを判定する。CPU201は、ラップ時間計測操作がされた場合はステップS612の処理に進み、ラップ時間計測操作がされていない場合はステップS606の処理に戻る。
(ステップS612)CPU201は、ストップウォッチ機能により計測したラップ時間とタイマ機能により計測した制限時間までの残時間(もしくは制限時間を超えた時間)とをRAM103に記録する。その後、ステップS613の処理に進む。
【0068】
(ステップS613)CPU201は、使用者が設定された全ての関門を通過したか否かを判定する。具体的には、CPU201は、制限時間の設定された関門の数のラップ時間計測操作がされた場合に使用者が全ての関門を通過したと判定し、ラップ時間計測操作の数が設定された関門の数より小さい場合は使用者が全ての関門を通過していないと判定する。CPU201は、使用者が全ての関門を通過した場合はステップS606の処理に戻り、使用者が全ての関門を通過していない場合はステップS604の処理に戻る。
【0069】
上述したとおり、本実施形態では、入力装置205は、使用者の歩幅と各関門間の距離の設定を受け付ける。また、歩行走行検出装置209は、使用者の歩数を検出する。そして、CPU201は、歩行走行検出装置209が検出した歩数に設定された歩幅を乗算して歩行走行距離を算出し、算出した歩行走行距離と設定された関門までの距離に基づいて関門までの残距離を算出する。また、CPU201は、次の関門までの残距離と制限時間までの残時間とに基づいて、関門を制限時間内に通過するための最低ペースを算出する。そして、CPU201は、算出した残距離と最低ペースとを表示装置204に表示する。
【0070】
これにより、使用者のペースマネジメントを補助し、無理の無い走行と完走を両立させる。すなわち、本実施形態によれば、第2の実施形態の効果に加えて、使用者は関門までの残距離と、関門を制限時間までに通過するための最低ペースとを知ることができる。
【0071】
なお、上述した第1の実施形態から第3の実施形態における電子時計100または電子時計200が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0072】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0073】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0074】
例えば、上述した実施形態では、ストップウォッチ修正モードにおいて目標地点までの目標時間と事前報知時間とを設定しているが、これに限らない。例えば、電子時計100または200は、アラームを設定するアラーム設定モードを有し、アラーム設定モードにおいて目標地点の目標時間と事前報知時間とを設定できるようにしてもよい。この場合、電子時計100または200は、設定したアラームが、通常のアラームであるかストップウォッチと連動して動作するストップウォッチ連動アラームであるかを設定可能にする。使用者は、目標時間と事前報知時間のアラームをストップウォッチ連動アラームに設定する。
【0075】
CPU101または201は、目標時間と事前報知時間がストップウォッチ連動アラームで設定されると、設定した目標時間および事前報知時間のアラームがオンであって、ストップウォッチ機能が動作中のときのみ、目標時間より事前報知時間前になると報音装置106または206により報知する。すなわち、CPU101または201は、目標時間および事前報知時間のアラームがオンであっても、ストップウォッチ機能により時間を計測していない場合は、報音装置106または206により報知しない。また、CPU101または201は、ストップウォッチ連動アラームの動作中と通常のアラーム(デイリーアラーム)の動作中とでそれぞれ異なるマークを表示装置104または204に表示する。
【0076】
ストップウォッチに目標時間設定等を追加すると、様々な情報を使用者に報知できるが、事前の設定が複雑化し、操作が分からなくなる場合がある。一方で、時計のアラームは一般化した機能の一つで腕時計や目覚まし時計で操作の経験がある人が多い。アラームは一般的にデイリーアラームであり、同じ時刻に毎日報知する。このため、マラソン大会への参加のために制限時刻をアラームで利用しようと設定すると毎日報音してしまい、わずらわしいものとなってしまう。
【0077】
そこで、ストップウォッチ連動アラームに目標時間と事前報知時間とを設定する事で、ストップウォッチが動作していない時は報音が行われないようにした。これにより、制限時刻を設定可能なストップォッチと同様な性能がだせる。また、アラームに事前報知設定機能を入れる事も可能だが、アラームのチャンネルを多く搭載し、制限時刻、制限時刻のX分前など複数のアラームを設定する事でも同様の効果を得ることが可能だ。
【0078】
また、上述した実施形態では、CPU101または201は、制限時間を時刻または時間で設定しているが、制限時間を時刻または時間いずれで設定するかを選択可能としてもよい。この場合、電子時計100または200は、ストップウォッチ修正モードに遷移したときに、制限時間を時刻設定にするか時間設定にするか選択可能な状態になる。例えば、CPU101または201は、表示装置104または204に「TIME」と「HH:MM’」を点滅表示し、セットボタン(Cボタン)を押下する毎に「TIME」と「HH:MM’」の表示を切り替える。「TIME」は時刻、「HH:MM’」は時間設定である。どちらかが表示されている状態でセレクトボタン(Dボタン)を操作すると直前に表示されていた設定が有効となり次の設定事項に移行する。
【0079】
また、上述した実施形態では、ストップウォッチ計測開始操作により、ストップウォッチ機能による計測と、タイマ機能による目標時間までの減算とを開始しているが、これに限らず、1度(1回目)のスタートボタン(Cボタン)押下によりタイマ機能による目標時間までの減算を開始し、さらにもう一度(2回目)のスタートボタン(Cボタン)押下によりストップウォッチ機能による時間の計測を開始してもよい。
【0080】
マラソン大会のタイムにはグロス時間とネット時間がある。グロス時間とは大会のスタート号砲からの時間であり、ネット時間はスタート地点を通過した時点からの時間である。マラソン大会など参加者の多い大会では号砲から自身がスタート地点に達するまでに時間を要する場合がある。大会の正式タイムはグロス時間であり、関門の制限時間もグロス時間で管理される。しかし、個人の記録としてはネット時間を記録したい。これらを両立する為に、目標時間までの計時であるタイマ機能を開始する第1の計時開始手段と、ネット時間を計測するストップウォッチ機能の開始をする第2の計時開始手段とを設けた。
【0081】
また、上述した実施形態では、電子機器として電子時計を例に説明したが、例えば、携帯電話機、スマートフォン等、使用者が携帯できるものであれば他の電子機器であってもよい。