(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
筒状空所からなる弁室を有する弁ハウジングと、該弁ハウジングの前記弁室に軸心方向に摺動自在に嵌挿される主弁体と、前記弁ハウジングの前記弁室の前記主弁体よりも上側に画成されるパイロット室に配在されると共に電磁式アクチュエータにより前記主弁体と接離するように軸心方向に移動自在となっている逆止弁組立体と、を備え、
前記弁ハウジングには、前記弁室の前記主弁体よりも下側に画成される主弁室に直接連通する第1入出口、及び、前記主弁体の動きに応じて開閉される主弁口を介して前記主弁室に連通する第2入出口が設けられ、
前記主弁体には、前記第1入出口と前記パイロット室とを連通する第1連通路及び前記主弁口を介して前記第2入出口と前記パイロット室とを連通する第2連通路が形成され、
前記逆止弁組立体には、前記第1連通路を介して前記第1入出口から前記パイロット室への流入は許容するが前記パイロット室から前記第1入出口への流出は阻止する第1逆止弁体、及び、前記第2連通路を介して前記第2入出口から前記パイロット室への流入は許容するが前記パイロット室から前記第2入出口への流出は阻止する第2逆止弁体が設けられているパイロット式双方向電磁弁であって、
前記第1連通路には、該第1連通路を介して前記第1入出口から前記パイロット室へ向かう流量を制限するが前記パイロット室から前記第1入出口へ向かう流量を制限しない第1絞り弁が配在され、前記第2連通路には、該第2連通路を介して前記第2入出口から前記パイロット室へ向かう流量を制限するが前記パイロット室から前記第2入出口へ向かう流量を制限しない第2絞り弁が配在されていることを特徴とするパイロット式双方向電磁弁。
前記第1連通路の前記パイロット室側の開口は、前記軸心から所定の距離だけ偏心した部位に設けられ、前記第2連通路の前記パイロット室側の開口は、前記軸心上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のパイロット式双方向電磁弁。
前記第1絞り弁及び前記第2絞り弁は、前記軸心から所定の距離だけ偏心した部位に設けられると共に、前記軸心に対して両側に配在されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパイロット式双方向電磁弁。
前記第1絞り弁及び前記第2絞り弁は、前記軸心方向で異なる部位に配在されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のパイロット式双方向電磁弁。
前記第1絞り弁は、前記主弁体の上面に設けられた第1装填穴内に配在され、該第1装填穴には、該第1装填穴内に前記第1絞り弁を保持すると共に、前記第1入出口から前記パイロット室へ向かう制限された流量よりも大きな流量を流す貫通孔が形成された第1蓋が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のパイロット式双方向電磁弁。
前記第2絞り弁は、前記主弁体の下面に設けられた第2装填穴内に配在され、該第2装填穴には、該第2装填穴内に前記第2絞り弁を保持すると共に、前記第2入出口から前記パイロット室へ向かう制限された流量よりも大きな流量を流す貫通孔が形成された第2蓋が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のパイロット式双方向電磁弁。
前記第1連通路は、前記軸心方向と平行な上下方向へ延びる前記第1装填穴、該第1装填穴に連通すると共に該第1装填穴よりも小径の前記上下方向へ延びる第1中間路、及び、該第1中間路と前記主弁室を連通する第1終端路から構成されていることを特徴とする請求項5に記載のパイロット式双方向電磁弁。
前記第2連通路は、前記主弁体の上面に形成された開口から前記軸心方向へ延びる第2終端路、該第2終端路に連通すると共に該第2終端路よりも大径であって前記軸心から所定の距離だけ偏心した部位で前記軸心方向と平行な上下方向へ延びる第2中間路、及び、該第2中間路に連通すると共に該第2中間路よりも大径であって前記主弁体の下面まで前記上下方向へ延びる前記第2装填穴から構成されていることを特徴とする請求項6に記載のパイロット式双方向電磁弁。
前記第2蓋の下面は、前記主弁体の下部に設けられ且つ前記主弁口と接離するシール部材の下面よりも上方に形成されていることを特徴とする請求項6に記載のパイロット式双方向電磁弁。
前記第1入出口から前記パイロット室へ向かう流量を制限するために前記第1絞り弁に形成された小孔の孔径と前記第2入出口から前記パイロット室へ向かう流量を制限するために前記第2絞り弁に形成された小孔の孔径とは同一であることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載のパイロット式双方向電磁弁。
前記第2連通路の前記パイロット室側の開口の孔径は、前記第1連通路の前記パイロット室側の開口の孔径以下であることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載のパイロット式双方向電磁弁。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されているパイロット式双方向電磁弁においては、第2入出口とパイロット室とを連通する第2連通路に、第2入出口からパイロット室に向かう流量を制限するがパイロット室から第2入出口に向かう流量は制限しない絞り弁が配在され、高圧の冷媒を第2入出口へ導入する環境下でプランジャを吸引して第1連通路及び第2連通路を開弁する場合に、前記プランジャを小さな駆動力で吸引して駆動することができるものの、高圧の冷媒を第1入出口へ導入する環境下でプランジャを吸引して第1連通路及び第2連通路を開弁する場合には、第1入出口からパイロット室に向かう流量が制限されず、前記プランジャを相対的に大きな駆動力で吸引する必要があり、前記プランジャを励磁駆動するコイルを含めた電磁式アクチュエータを小型化することが難しいといった課題がある。
【0006】
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、逆止弁組立体が設けられたプランジャを励磁駆動する電磁式アクチュエータを小型化することができ、もって、パイロット式双方向電磁弁全体を小型化・軽量化することのできるパイロット式双方向電磁弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記する課題を解決するために、本発明に係るパイロット式双方向電磁弁は、筒状空所からなる弁室を有する弁ハウジングと、該弁ハウジングの前記弁室に軸心方向に摺動自在に嵌挿される主弁体と、前記弁ハウジングの前記弁室の前記主弁体よりも上側に画成されるパイロット室に配在されると共に電磁式アクチュエータにより前記主弁体と接離するように軸心方向に移動自在となっている逆止弁組立体と、を備え、前記弁ハウジングには、前記弁室の前記主弁体よりも下側に画成される主弁室に直接連通する第1入出口、及び、前記主弁体の動きに応じて開閉される主弁口を介して前記主弁室に連通する第2入出口が設けられ、前記主弁体には、前記第1入出口と前記パイロット室とを連通する第1連通路及び前記主弁口を介して前記第2入出口と前記パイロット室とを連通する第2連通路が形成され、前記逆止弁組立体には、前記第1連通路を介して前記第1入出口から前記パイロット室への流入は許容するが前記パイロット室から前記第1入出口への流出は阻止する第1逆止弁体、及び、前記第2連通路を介して前記第2入出口から前記パイロット室への流入は許容するが前記パイロット室から前記第2入出口への流出は阻止する第2逆止弁体が設けられているパイロット式双方向電磁弁であって、前記第1連通路には、該第1連通路を介して前記第1入出口から前記パイロット室へ向かう流量を制限するが前記パイロット室から前記第1入出口へ向かう流量を制限しない第1絞り弁が配在され、前記第2連通路には、該第2連通路を介して前記第2入出口から前記パイロット室へ向かう流量を制限するが前記パイロット室から前記第2入出口へ向かう流量を制限しない第2絞り弁が配在されていることを特徴としている。
【0008】
好ましい形態では、前記第1連通路の前記パイロット室側の開口は、前記軸心から所定の距離だけ偏心した部位に設けられ、前記第2連通路の前記パイロット室側の開口は、前記軸心上に設けられている。
【0009】
他の好ましい形態では、前記第1絞り弁及び前記第2絞り弁は、前記軸心から所定の距離だけ偏心した部位に設けられると共に、前記軸心に対して両側に配在されている。また、他の好ましい形態では、前記第1絞り弁及び前記第2絞り弁は、前記軸心方向で異なる部位に配在されている。
【0010】
他の好ましい形態では、前記第1絞り弁は、前記主弁体の上面に設けられた第1装填穴内に配在され、該第1装填穴には、該第1装填穴内に前記第1絞り弁を保持すると共に、前記第1入出口から前記パイロット室へ向かう制限された流量よりも大きな流量を流す貫通孔が形成された第1蓋が設けられている。
【0011】
他の好ましい形態では、前記第2絞り弁は、前記主弁体の下面に設けられた第2装填穴内に配在され、該第2装填穴には、該第2装填穴内に前記第2絞り弁を保持すると共に、前記第2入出口から前記パイロット室へ向かう制限された流量よりも大きな流量を流す貫通孔が形成された第2蓋が設けられている。
【0012】
他の好ましい形態では、前記第1連通路は、前記軸心方向と平行な上下方向へ延びる前記第1装填穴、該第1装填穴に連通すると共に該第1装填穴よりも小径の前記上下方向へ延びる第1中間路、及び、該第1中間路と前記主弁室を連通する第1終端路から構成されている。
【0013】
他の好ましい形態では、前記第2連通路は、前記主弁体の上面に形成された開口から前記軸心方向へ延びる第2終端路、該第2終端路に連通すると共に該第2終端路よりも大径であって前記軸心から所定の距離だけ偏心した部位で前記軸心方向と平行な上下方向へ延びる第2中間路、及び、該第2中間路に連通すると共に該第2中間路よりも大径であって前記主弁体の下面まで前記上下方向へ延びる前記第2装填穴から構成されている。
【0014】
他の好ましい形態では、前記第2装填穴は、前記第1連通路よりも下方に形成されている。
【0015】
他の好ましい形態では、前記第2蓋の下面は、前記主弁体の下部に設けられ且つ前記主弁口と接離するシール部材の下面よりも上方に形成されている。また、他の好ましい形態では、前記第1蓋の上面は、前記主弁体の上面と面一に形成されている。
【0016】
他の好ましい形態では、前記第1入出口から前記パイロット室へ向かう流量を制限するために前記第1絞り弁に形成された小孔の孔径と前記第2入出口から前記パイロット室へ向かう流量を制限するために前記第2絞り弁に形成された小孔の孔径とは同一である。
【0017】
他の好ましい形態では、前記第2連通路の前記パイロット室側の開口の孔径は、前記第1連通路の前記パイロット室側の開口の孔径以下である。
【発明の効果】
【0018】
本発明のパイロット式双方向電磁弁によれば、第1連通路には、該第1連通路を介して第1入出口からパイロット室へ向かう流量を制限するがパイロット室から第1入出口へ向かう流量を制限しない第1絞り弁が配在され、第2連通路には、該第2連通路を介して第2入出口からパイロット室へ向かう流量を制限するがパイロット室から第2入出口へ向かう流量を制限しない第2絞り弁が配在されていることによって、高圧の冷媒を第2入出口へ導入する環境下で逆止弁組立体を電磁式アクチュエータにより移動させて第1連通路及び第2連通路を開弁する場合と高圧の冷媒を第1入出口へ導入する環境下で逆止弁組立体を電磁式アクチュエータにより移動させて第1連通路及び第2連通路を開弁する場合の双方の場合(冷媒が正逆双方向に流される場合)で、前記逆止弁組立体を小さな駆動力で駆動させることができ、前記逆止弁組立体を励磁駆動する電磁式アクチュエータを小型化することができる。また、第1連通路のパイロット室側の開口と共に第2連通路のパイロット室側の開口を小さくすることができ、第1連通路のパイロット室側の開口及び第2連通路のパイロット室側の開口と接離する逆止弁組立体や前記第1連通路及び第2連通路が形成される主弁体も小型化することができるため、パイロット式双方向電磁弁全体を格段に小型化・軽量化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るパイロット式双方向電磁弁の実施形態を図面を参照して説明する。
【0021】
<パイロット式双方向電磁弁の構成>
図1は、本発明に係るパイロット式双方向電磁弁の実施形態を示す縦断面図である。図示するパイロット式双方向電磁弁10は、例えば、1台の室外機に対して小型の室内機が複数台設置され、流体(冷媒)が正逆双方向(第1流れ方向とその逆の第2流れ方向)に流されるマルチエアコンシステムに使用されるものである。
【0022】
前記パイロット式双方向電磁弁10は、主に、電磁式アクチュエータ20と、円筒状空所からなる弁室13を有する弁ハウジング12と、弁ハウジング12の弁室13に軸心O方向に摺動自在に嵌挿されるピストン型の主弁体30と、弁ハウジング12の弁室13のうち主弁体12よりも上側に配在され、主弁体30と接離するように電磁式アクチュエータ20により軸心O方向に移動自在となっている逆止弁組立体50とを備えている。なお、双方向電磁弁10の軸心Oは、電磁式アクチュエータ20のプランジャ25、弁ハウジング12(の円筒状空所)、主弁体30、逆止弁組立体50等の共通の軸心となっている。
【0023】
電磁式アクチュエータ20は、ボビン23の外側に配在された通電励磁用のコイル22、ボビン23及びコイル22の外側を覆うように配在されたケース21、コイル22の上部内周側に配在されてボルト28によりその上部をケース21に固定された吸引子24、及び、この吸引子24の下側に対向配置されたプランジャ25を備えている。このプランジャ25は、コイル22と吸引子24との間にその上部が配在された円筒状のガイドパイプ26に摺動自在に嵌挿されている。なお、ガイドパイプ26の上端は、吸引子24の外周段差部に溶接により固定され、その下部は、弁ハウジング12(特にその上部体12A)の上部中央に設けられた取付口12aに挿入されてろう付け等により固定されている。
【0024】
吸引子24の下部には円錐台状の凹部24aが形成され、プランジャ25の上部には前記凹部24aに嵌合する凸部25aが設けられている。また、吸引子24とプランジャ25との間には、プランジャ25を下方に付勢するプランジャばね(圧縮コイルばね)27が縮装され、このプランジャばね27の上部は、吸引子24の凹部24aに嵌挿され、プランジャばね27の下部は、プランジャ25の凸部25aの中央に形成された凹部25bに嵌挿されている。また、プランジャ25の下部には、逆止弁組立体50がプランジャ25と一体に軸心O方向に移動自在に組み付けられている。
【0025】
弁ハウジング12は、下面が開口した天井部12b付き円筒状の上部体12Aと、該上部体12Aの側部12cが螺着される断面凸形状の下部体12Bとからなっており、上部体12Aの側部12cの外周と下部体12Bの内周とが螺着されることで円筒状空所からなる弁室13が形成される。
【0026】
前記弁室13における主弁体30よりも上側にはパイロット室16が画成され、上記したように、上部体12Aの天井部12bの中央に形成された取付口12aにガイドパイプ26の下部が挿入固定されることで、プランジャ25の下部に組み付けられた逆止弁組立体50がパイロット室16内に配在されると共に、該パイロット室16内で軸心O方向に移動自在となっている。
【0027】
一方、前記弁室13における主弁体30よりも下側には主弁室15が画成され、弁ハウジング12の下部体12Bの下部の主弁室15側には、主弁体30の軸心O方向の動きに応じて開閉される主弁口(弁シート部)14が設けられている。弁ハウジング12の下部体12Bの下部左側には、主弁室15に直接連通する第1入出口31が設けられ、下部体12Bの下部右側には、主弁口14を介して主弁室15に連通する第2入出口32が設けられている。
【0028】
弁ハウジング12の弁室13に摺動自在に嵌挿された主弁体30は、断面逆凸字状の外形を有しており、その底部の形成された凹部には、主弁体30の軸心O方向の動きに応じて主弁口14に離接して該主弁口14を開閉する、ゴムあるいはテフロン(登録商標)等からなる短円筒状のシール部材33が嵌挿されている。このシール部材33は、主弁体30の外周側からその内側へ向かってシール部材33の下面外周まで延びる支持部36及びシール部材33の下面内周に配置固定されたリング状係止片37により前記凹部内に抜け止め係止されている。また、主弁体30の上面部外周には、弁ハウジング12の天井部12bに接当して主弁体30の上方移動限界を定める短円筒状のストッパ34が突設されている。また、主弁体30の上面部近傍の外周部に形成された凹部には、主弁体30の外周と弁ハウジング12(特にその上部体12A)の内周との間をシールするシール部材(ピストンリング)39が装着されている。
【0029】
また、主弁体30の上部段差部と弁ハウジング12の下部体12Bにおける内周段差部との間には、主弁体30を上方(主弁口14の開弁方向)に付勢すべく圧縮コイルばね35が縮装されている。
【0030】
主弁体30内には、例えば主弁体30によって主弁口14が閉弁された状態で、第1入出口31及び主弁室15とパイロット室16とを連通するための第1連通路41、及び、主弁口14を介して第2入出口32とパイロット室16とを連通するための第2連通路42が形成されている。
【0031】
第1連通路41は、主弁体30の上面30aに形成された軸心O方向と平行な上下方向(軸心O1方向)へ延びる第1装填穴41a、この第1装填穴41aの下端に連通すると共に第1装填穴41aよりも小径の軸心O1方向へ延びる第1中間路41c、及び、第1中間路41cの下端に連通すると共に第1中間路41cよりも大径の軸心O1方向と直交する方向へ延びる断面円形状の第1終端路41bから構成されている。
【0032】
第1装填穴41a内には、後述する第1絞り弁44が軸心O1方向へ摺動自在に装填され、第1装填穴41aの上側断差部には、第1装填穴41a内に前記第1絞り弁44を保持すると共に、その中央に第1装填穴41a、第1中間路41c及び第1終端路41bよりも小径の貫通孔(均圧ポート)が形成された第1蓋43がかしめ等により固定されている。また、第1蓋43の上面は、主弁体30の上面30aと面一に形成されている。
【0033】
第1装填穴41a、第1中間路41c及び第1蓋43の貫通孔はそれぞれ断面円形状を有し且つ軸心O1上に同心配置されており、この軸心O1は、軸心Oから半径方向外周側へ所定の距離だけ偏心した部位に設けられている。すなわち、第1連通路41のパイロット室16側の開口(第1蓋43の貫通孔(均圧ポート)の上端開口(弁シート部))と第1装填穴41a内に配在された第1絞り弁44は、軸心Oから半径方向外周側へ所定の距離だけ偏心した部位に設けられている。
【0034】
第2連通路42は、主弁体30の上面30aに形成された開口から軸心O方向へ延びる断面円形状の第2終端路42a(パイロットポート)、第2終端路42aの下部に連通すると共に第2終端路42aよりも大径であって軸心Oから所定の距離だけ偏心した部位で軸心O方向と平行な上下方向(軸心O2方向)へ延びる第2中間路42c、及び、第2中間路42cの下端に連通すると共に第2中間路42cよりも大径であって主弁体30の下面まで軸心O2方向へ延びる第2装填穴42bから構成されている。なお、第2連通路42の第2終端路42aの主弁体30の上面30aに形成された開口の孔径は、第1連通路41の上側に固定された第1蓋43の貫通孔の孔径と同じもしくはその孔径よりも小さい。
【0035】
第2装填穴42b内には、後述する第2絞り弁45が軸心O2方向へ摺動自在に装填され、第2装填穴42bの下側断差部には、第2装填穴42b内に前記第2絞り弁45を保持すると共に、その中央に第2装填穴42bよりも小径の貫通孔が形成された第2蓋48がかしめ等により固定されている。また、第2蓋48の下面は、主弁体30の下面30bと面一に形成されると共に、主弁体30の下部に設けられたシール部材33の下面よりも上方に形成されている。
【0036】
第2中間路42c、第2装填穴42b、第1蓋43の貫通孔はそれぞれ断面円形状を有し且つ軸心O2上に同心配置されており、この軸心O2は、軸心Oから半径方向外周側へ所定の距離だけ偏心した部位であって、軸心Oに対して軸心O1とは反対側に設けられている。すなわち、第2連通路42のパイロット室16側の開口(第2終端路42a(パイロットポート)の上端開口(弁シート部))は軸心O上に設けられると共に、第2絞り弁45が装填される第2装填穴42b及び該第2装填穴42b内の第2絞り弁45は、軸心Oから半径方向外周側へ所定の距離だけ偏心した部位であって、軸心Oに対して第1連通路41の第1装填穴41a及び該第1装填穴41a内の第1絞り弁44等とは反対側に設けられている。このように第1装填穴41a内の第1絞り弁44及び第2装填穴42b内の第2絞り弁45が、軸心Oから所定の距離だけ偏心した部位に設けられると共に、軸心Oに対して左右両側に配在されることにより、第1連通路41の第1装填穴41a及び該第1装填穴41a内の第1絞り弁44を軸心Oに対して近接して配置することができ、逆止弁組立体50や主弁体30の左右方向の外形を小型化することができる。また、第2装填穴42bは、第1連通路41よりも下方に形成されているため、第1連通路41の第1装填穴41a及び該第1装填穴41a内の第1絞り弁44を軸心Oに対して更に近接して配置することができる。なお、第1装填穴41a内の第1絞り弁44及び第2装填穴42b内の第2絞り弁45は軸心Oに対して片側に配在してもよい。
【0037】
前記第1連通路41の第1装填穴41aに装填された第1絞り弁44は、第1連通路41を介して第1入出口31からパイロット室16に向かう流量を制限するがパイロット室16から第1入出口31に向かう流量は制限しないように機能するもので、
図2に示すように、円錐台状の中空頭部44aと左右両側部が平行面取りされた横断面外形が略小判形状の中空胴部44bとから形成されている。また、中空頭部44aの頂上部には、第1装填穴41a、第1中間路41c、第1終端路41b及び第1蓋43の貫通孔よりも小径の小孔46aが形成され、中空胴部44bの平行面取り部44cの略中央には、比較的大径の透孔46bが形成されている。
【0038】
第1絞り弁44が第1装填穴41a内に配置された状態では、
図2(a)及び
図2(c)に示すように、中空胴部44bの曲面部44dと第1装填穴41aの内周面とが摺接すると共に、中空胴部44bの平行面取り部44cと第1装填穴41aの内周面との間に三日月状の空所S1が形成されている。
【0039】
この第1絞り弁44は、第1連通路41を冷媒が流通しないときには、
図2(b)に示すように、第1装填穴41aの下部に連通する第1中間路41cの上部上に自重で着座すると共に、その中空頭部44aと第1装填穴41aの上側に固定された第1蓋43とは離間している。この状態で第1連通路41を冷媒が流通したときには、中空頭部44aに形成された小孔46aに加えて、中空胴部44bの平行面取り部44cと第1装填穴41aの内周面との間に形成された三日月状の空所S1及び中空胴部44bの平行面取り部44cに形成された透孔46bが冷媒流通路となる。
【0040】
一方で、第1絞り弁44の上下の差圧により第1絞り弁44が自重に抗して第1装填穴41a内で押し上げられ、中空頭部44aの上部が第1蓋43の中央の貫通孔の下端部に挿入されてその下端縁に圧接されたときには、第1入出口31からパイロット室16に向かう冷媒は中空頭部44aの小孔46aのみを通ることになり、第1連通路41を介して第1入出口31からパイロット室16に向かう流量が絞られる。
【0041】
また、第2連通路42の第2装填穴42bに装填された第2絞り弁45は、第2連通路42を介して第2入出口32からパイロット室16に向かう流量を制限するがパイロット室16から第2入出口32に向かう流量は制限しないように機能するもので、前記第1絞り弁44と同様に、円錐台状の中空頭部45aと左右両側部が平行面取りされた横断面外形が略小判形状の中空胴部45bとから形成されている。また、中空頭部45aの頂上部には、第2終端路42a、第2中間路42c、第2装填穴42b、及び第2蓋48の貫通孔よりも小径の小孔47aが形成され、中空胴部45bの平行面取り部45cの略中央には、比較的大径の透孔47bが形成されている(
図2参照)。
【0042】
この第2絞り弁45は、第2装填穴42b内において、前記第1絞り弁44の第1装填穴41a内における作動と同様に作動するため、その詳細な説明は省略する。
【0043】
なお、第1絞り弁44と第2絞り弁45とは同形状であってよいし、異形状であってもよいが、後述するように、冷媒を正逆双方向(第1流れ方向とその逆の第2流れ方向)に流す際に電磁式アクチュエータ20のプランジャ25を駆動するための駆動力を最小化できるように、第1絞り弁44の中空頭部44aに形成された小孔46aと第2絞り弁45の中空頭部45aに形成された小孔47aとは、冷媒を円滑に流通し得る程度の可能な限り小径であることが好ましく、従ってそれぞれの小孔46a、47aの孔径は同一であることが望ましい。
【0044】
一方、電磁式アクチュエータ20のプランジャ25の下部に組み付けられる逆止弁組立体50は、大径部と小径部とを有する段付き円柱状の支持基体55を備える。この支持基体55は、
図3の拡大図を参照すればよく理解されるように、上から順に、大径頭部55a、中間小径部55b、中央大径部55c、下部小径円筒部55dから構成されている。
【0045】
支持基体55の大径頭部55aは、プランジャ25の下部に設けられた逆凹形穴25bに軸心O方向へ摺動自在に嵌挿されると共に、中間小径部55bの側部及びプランジャ25の下端部にかしめ固定されたリング状係止片29により抜け止め係止されている。
【0046】
中央大径部55cの外周(に形成された環状溝55f)には、大径円筒体56の上部がかしめ固定(かしめ部56a)されており、この大径円筒体56の下部内周面と支持基体55の下部小径円筒部55dの外周面との間には、第1逆止弁体51が軸心O方向に摺動自在に嵌挿されている。
【0047】
第1逆止弁体51は、
図4に示すように、上部大径部51aと下部小径部51bとからなる段付き短円筒形状を呈し、その底面が第1連通路41(第1蓋43の貫通孔)の上端開口(弁シート部)を閉止し得る、当該電磁弁10の軸心Oを中心とした円環状のシール面51cとなっている。この第1逆止弁体51は、
図3に示すように、その上部大径部51aが大径円筒体56の下端折曲部56bにより抜け止め係止されるようになっており、第1逆止弁体51と支持基体55の中央大径部55cとの間には、第1逆止弁体51を下方に付勢する圧縮コイルばね53が介装されている。
【0048】
また、支持基体55の下部小径円筒部55dの内周には、第2逆止弁体52が軸心O方向に摺動可能に嵌挿されている。この第2逆止弁体52は、
図5に示すように、例えば厚肉の円板状部52aとその外周に等角度間隔で設けられた6つの歯52bとからなる平歯車形状を呈し、その円板状部52aの底面(下面)が第2連通路42(の第2終端路42a)の上端開口(弁シート部)を閉止し得る、当該電磁弁10の軸心Oを中心とした円形状のシール面52cとなっている。この第2逆止弁体52は、
図3に示すように、その外周(歯52b)部分が下部小径円筒部55dの下端部に固定されたC形リング等により抜け止め係止されるようになっており、第2逆止弁体52と支持基体55の中央大径部55cとの間には、第2逆止弁体52を下方に付勢する圧縮コイルばね54が介装されている。なお、第2逆止弁体52における前記歯52b同士の間の空間は冷媒流通路となる。
【0049】
また、上記したプランジャ25及び支持基体55の軸心O方向、大径円筒体56及び支持基体55の下部小径円筒部55dの軸心Oと直交する方向には、それらの内外を連通させる透孔(均圧孔)67、68、58、59が形成されている。
【0050】
<パイロット式双方向電磁弁における第1流れ方向と第2流れ方向の開閉動作>
次に、上記した構成のパイロット式双方向電磁弁10の開閉動作を、高圧の冷媒が導管61を介して第1入出口31及び主弁室15に導入される第1流れ方向の場合(
図6〜
図9)と、高圧の冷媒が導管62を介して第2入出口32に導入される第2流れ方向の場合(
図10〜
図13)とに分けて説明する。
【0051】
[第1流れ方向の開閉動作]
第1流れ方向の場合、電磁式アクチュエータ20のコイル22が通電されていないときには、第1入出口31及び主弁室15における高圧が第1連通路41を介して逆止弁組立体50の第1逆止弁体51の円環状シール面51cに作用する。そのため、
図6に示すように、第1逆止弁体51と支持基体55の中央大径部55cとの間に介装された圧縮コイルばね53が僅かに縮み、第1逆止弁体51が僅かに押し上げられてパイロット室16に高圧が導入される。第2連通路42のパイロット室16側の開口は、第2逆止弁体52の円形状シール面52cにより閉じられており、主弁体30の上面に高圧が作用するため、主弁体30のシール部材33が主弁口14に圧接して当該主弁口14が閉止される(第1ステップ)。
【0052】
次に、電磁式アクチュエータ20のコイル22が通電されると、
図7に示すように、プランジャばね27により下方に付勢されていたプランジャ25が吸引子24に吸引され、プランジャ25と共に逆止弁組立体50(第1逆止弁体51及び第2逆止弁体52)も上方に引き上げられ、第1連通路41(の第1蓋43の貫通孔)及び第2連通路42(の終端路42a)の上端開口が開弁する。なお、その際に第1逆止弁体51と支持基体55の中央大径部55cとの間に介装された圧縮コイルばね53、及び、第2逆止弁体52と支持基体55の中央大径部55cとの間に介装された圧縮コイルばね54は伸長する(第2ステップ)。
【0053】
第1逆止弁体51が引き上げられて第1連通路41の上端開口が開弁し、高圧の冷媒が第1連通路41を通ると、
図8に示すように、第1絞り弁44が第1装填穴41a内で上方に押し上げられ、その円錐台状の中空頭部44aの上端部が第1蓋43の貫通孔の下端部に挿入されてその下端縁に圧接する。そのため、第1入出口31からパイロット室16に向かう冷媒は中空頭部44aの小孔46aのみを通ることになり、第1連通路41を介して第1入出口31からパイロット室16に向かう流量が絞られる。第1連通路41(の第1装填穴41a)内に配在された第1絞り弁44の中空頭部44aの小孔46の孔径よりも第2連通路42(の第2終端路42a)の孔径の方が大きいため、パイロット室16の圧力が第2連通路42及びそこに配在された第2絞り弁45を介して第2入出口32側へ排出され、パイロット室16の圧力が主弁室15の圧力よりも小さくなる。そのため、主弁体30のストッパ34が弁ハウジング12の天井部12bに接当するまで主弁体30が押し上げられ、主弁体30のシール部材33が主弁口14と離間して主弁口14が開弁し、高圧の冷媒が第1入出口31→主弁室15→主弁口14→第2入出口32へと流れる(第3ステップ)。
【0054】
次に、電磁式アクチュエータ20のコイル22への通電を停止すると、吸引子24によるプランジャ25への吸引力が無くなるため、プランジャばね27の付勢力によりプランジャ25及び逆止弁組立体50(第1逆止弁体51及び第2逆止弁体52)が押し下げられ、
図9に示すように、逆止弁組立体50の第1逆止弁体51及び第2逆止弁体52により第1連通路41(の第1蓋43の貫通孔)及び第2連通路42(の終端路42a)の上端開口が閉弁される(第4ステップ)。
【0055】
第1連通路41及び第2連通路42の上端開口が閉弁されると、パイロット室16の圧力が低圧側(第2入出口32側)へ排出されなくなる。そのため、
図6に示す場合と同様に、第1入出口31及び主弁室15における高圧が第1連通路41を介して第1逆止弁体51の円環状シール面51cに作用し、第1逆止弁体51と支持基体55の中央大径部55cとの間に介装された圧縮コイルばね53が僅かに縮み、第1逆止弁体51が僅かに押し上げられてパイロット室16に高圧が導入されるので、主弁体30の上面に高圧が作用し、主弁体30が圧縮コイルばね35の付勢力に抗して押し下げられて主弁口14を閉弁する。
【0056】
[第2流れ方向の開閉動作]
一方、第2流れ方向の場合、電磁式アクチュエータ20のコイル22が通電されていないときには、第2入出口32における高圧が第2連通路42を介して逆止弁組立体50の第2逆止弁体52の円形状シール面52cに作用する。そのため、
図10に示すように、第2逆止弁体52と支持基体55の中央大径部55cとの間に介装された圧縮コイルばね54が僅かに縮み、第2逆止弁体52が僅かに押し上げられてパイロット室16に高圧が導入される。第1連通路41のパイロット室16側の開口は、第1逆止弁体51の円環状シール面51cにより閉じられており、主弁体30の上面に高圧が作用するため、主弁体30のシール部材33が主弁口14に圧接して当該主弁口14が閉止される(第1ステップ)。
【0057】
次に、電磁式アクチュエータ20のコイル22が通電されると、
図11に示すように、プランジャばね27により下方に付勢されていたプランジャ25が吸引子24に吸引され、プランジャ25と共に逆止弁組立体50(第1逆止弁体51及び第2逆止弁体52)も上方に引き上げられ、第1連通路41(の第1蓋43の貫通孔)及び第2連通路42(の終端路42a)の上端開口が開弁する。なお、その際に第2逆止弁体52と支持基体55の中央大径部55cとの間に介装された圧縮コイルばね54は伸長する(第2ステップ)。
【0058】
第2逆止弁体52が引き上げられて第2連通路42の上端開口が開弁し、高圧の冷媒が第2連通路42を通ると、
図12に示すように、第2絞り弁45が第2装填穴42b内で上方に押し上げられ、その円錐台状の中空頭部45aの上端部が中間路42cの下端部に挿入されてその下端縁に圧接する。そのため、第2入出口32からパイロット室16に向かう冷媒は中空頭部45aの小孔47aのみを通ることになり、第2連通路42を介して第2入出口32からパイロット室16に向かう流量が絞られる。第2連通路42(の第2装填穴42b)内に配在された第2絞り弁45の中空頭部45aの小孔47aの孔径よりも第1連通路41(の第1蓋43の貫通孔)の孔径の方が大きいため、パイロット室16の圧力が第1連通路41及びそこに配在された第1絞り弁44を介して第1入出口31側へ排出され、パイロット室16の圧力が主弁室15の圧力より小さくなる。そのため、主弁体30のストッパ34が弁ハウジング12の天井部12bに接当するまで主弁体30が押し上げられ、主弁体30のシール部材33が主弁口14と離間して主弁口14が開弁し、高圧の冷媒が第2入出口32→主弁口14→主弁室15→第1入出口31へと流れる(第3ステップ)。
【0059】
次に、電磁式アクチュエータ20のコイル22への通電を停止すると、吸引子24によるプランジャ25への吸引力が無くなるため、プランジャばね27の付勢力によりプランジャ25及び逆止弁組立体50(第1逆止弁体51及び第2逆止弁体52)が押し下げられ、
図13に示すように、逆止弁組立体50の第1逆止弁体51及び第2逆止弁体52により第1連通路41(の第1蓋43の貫通孔)及び第2連通路42(の終端路42a)の上端開口が閉弁される(第4ステップ)。
【0060】
第1連通路41及び第2連通路42の上端開口が閉弁されると、パイロット室16の圧力が低圧側(第1入出口31側)へ排出されなくなる。そのため、
図10に示す場合と同様に、第2入出口32における高圧が第2連通路42を介して第2逆止弁体52の円形状シール面52cに作用し、第2逆止弁体52と支持基体55の中央大径部55cとの間に介装された圧縮コイルばね54が僅かに縮み、第2逆止弁体52が僅かに押し上げられてパイロット室16に高圧が導入されるので、主弁体30の上面に高圧が作用し、主弁体30が圧縮コイルばね35の付勢力に抗して押し下げられて主弁口14を閉弁する。
【0061】
このように動作する本実施形態のパイロット式双方向電磁弁10では、第1流れ方向の開弁動作で第1連通路41に配在された第1絞り弁44が、第1連通路41を介して第1入出口31からパイロット室16へ向かう流量を制限し、第2流れ方向の開弁動作で第2連通路42に配在された第2絞り弁45が、第2連通路42を介して第2入出口32からパイロット室16へ向かう流量を制限するため、冷媒が正逆双方向(第1流れ方向とその逆の第2流れ方向)に流される場合において、プランジャ25及び逆止弁組立体50を小さな駆動力で駆動させることができ、前記プランジャ25及び逆止弁組立体50を励磁駆動する電磁式アクチュエータ20を小型化することができる。また、流量を制限するために第1絞り弁44の中空頭部44aに形成された小孔46a及び第2絞り弁45の中空頭部45aに形成された小孔47aが小径であることで、第1連通路41のパイロット室16側の開口(第1蓋43の貫通孔の開口)及び第2連通路42のパイロット室16側の開口(第2終端路42aの上端開口)を小さくすることができ、それらと接離する逆止弁組立体50の第1逆止弁体51及び第2逆止弁体52やそれらが形成される主弁体30の外径を小さくすることができるため、パイロット式双方向電磁弁10全体を小型化・軽量化することができる。
【0062】
なお、上記する実施形態のパイロット式双方向電磁弁10では、第1連通路41のパイロット室16側の開口が軸心Oから所定の距離だけ偏心した部位に設けられ、第2連通路42のパイロット室16側の開口が軸心O上に設けられ、第1逆止弁体51が短円筒形状を呈し、第2逆止弁体52が内周側中央に円板状部を有する平歯車形状を呈し、第1逆止弁体51の円環状のシール面51cが第1連通路41の上端開口を閉止し、第2逆止弁体52の円形状のシール面52cが第2連通路42の上端開口を閉止する形態について説明したが、例えば第1連通路41のパイロット室16側の開口が軸心O上に設けられ、第2連通路42のパイロット室16側の開口が軸心Oから所定の距離だけ偏心した部位に設けられ、第1逆止弁体51が内周側中央に円板状部を有する平歯車形状を呈し、第2逆止弁体52が短円筒形状を呈していてもよい。
【0063】
また、上記する実施形態のパイロット式双方向電磁弁10では、第1連通路41が第1装填穴41a、第1中間路41c及び第1終端路41bから構成され、第2連通路42が第2終端路42a、第2中間路42c及び第2装填穴42bから構成される形態について説明したが、第1連通路41及び第2連通路42が形成される主弁体30を小型化できれば、例えば第1連通路41の第1中間路41cや第2連通路42の第2中間路42cを省略してもよいし、第1連通路41や第2連通路42の傾き等を適宜変更してもよい。