(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6057807
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】インターホン装置
(51)【国際特許分類】
H04M 1/02 20060101AFI20161226BHJP
H04M 9/00 20060101ALI20161226BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20161226BHJP
【FI】
H04M1/02 G
H04M9/00 Z
H05K5/02 N
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-67854(P2013-67854)
(22)【出願日】2013年3月28日
(65)【公開番号】特開2014-192779(P2014-192779A)
(43)【公開日】2014年10月6日
【審査請求日】2015年8月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】林 純平
(72)【発明者】
【氏名】高地 正喜
(72)【発明者】
【氏名】羽入 徳子
(72)【発明者】
【氏名】佐山 和也
【審査官】
永田 義仁
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−134207(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/073497(WO,A1)
【文献】
実開昭61−052865(JP,U)
【文献】
米国特許第04584436(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/02− 1/23
H04M 9/00− 9/10
H04R 1/00− 1/08
H04R 1/12− 1/14
H04R 1/42− 1/46
H05K 5/00− 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカ用透音孔とマイク用透音孔とが前面に開口された前ケースと、前記前ケースの裏側を塞いて電装基板を収容するための後ケースと、前記スピーカ用透音孔の周囲の前記前ケース裏側に立設されたスピーカ保持筒部と、前記スピーカ保持筒部に挿入固定されたスピーカーと、前記マイク用透音孔に対応する位置の前記前ケース裏側に固定されたマイクとを備え、前記スピーカ保持筒部の周囲の前記前ケース裏側に放射状に補強リブを設け、前記スピーカーと前記マイクを結ぶ直線に略直交する方向に渡り前記前ケースの表側に突出する直線状かつ衝立状の表側リブと、前記スピーカーと前記マイクを結ぶ直線に略直交する方向に渡り前記前ケースの裏側に突出する直線状かつ衝立状の裏側リブとを立設したことを特徴とするインターホン装置。
【請求項2】
前記前ケースの前面を覆うカバーを設け、前記前ケース表側に突出した前記表側リブと平行する方向に渡って前記カバーの裏側に突出する衝立状のカバー側リブを設けたことを特徴とする請求項1記載のインターホン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯機用インターホンリモコン装置などのスピーカーとマイクが同時に作動するインターホン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の給湯機用のインターホンリモコン装置においては、特許文献1に示すように、前ケースと後ケースより成るケース本体と、ケース本体の正面を覆うカバーとを備え、前ケースとカバーにはそれぞれスピーカ用透音孔とマイク用透音孔が開口され、前ケースのスピーカー用透音孔とマイク用透音孔の裏面にそれぞれスピーカーとマイクが取り付けられているものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−33494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、この従来のものでは、インターホンの通話方式を従来の片方向切替通話方式から近年採用されてきた音声スイッチを用いた双方向同時通話方式に変えた場合、通話中はスピーカーとマイクが双方有効に作動し、前ケースにスピーカーとマイクが取り付けられているものであることから、スピーカーで発生した振動が前ケースを固体伝播し、これをマイクが拾ってハウリングが発生しやすいものであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明は上記課題を解決するため、スピーカ用透音孔とマイク用透音孔とが前面に開口された前ケースと、前記前ケースの裏側を塞いて電装基板を収容するための後ケースと、前記スピーカ用透音孔の周囲の前記前ケース裏側に立設されたスピーカ保持筒部と、前記スピーカ保持筒部に挿入固定されたスピーカーと、前記マイク用透音孔に対応する位置の前記前ケース裏側に固定されたマイクとを備え、前記スピーカ保持筒部の周囲の前記前ケース裏側に放射状に補強リブを設けたものとした。
【0006】
また、前記スピーカーと前記マイクを結ぶ直線に略直交する方向に渡り前記前ケースの表側または裏側に突出する衝立状のリブを立設したものとした。
【0007】
また、前記前ケースの前面を覆うカバーを設け、前記リブは前記前ケースの表側に突出させると共に、前記前ケース表側に突出した前記リブと平行する方向に渡って前記カバーの裏側に突出する衝立状のカバー側リブを設けたものとした。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、放射状の補強リブによって前ケースのスピーカ保持筒部周りの剛性が向上するため、スピーカーから前ケースに振動が伝わりにくくなり、スピーカーと同じく前ケースに固定されたマイクへ固体伝播する振動が減少してハウリングが起こりにくくなる。
【0009】
また、スピーカーとマイクの間に、スピーカーとマイクを結ぶ直線に略直交する方向に渡って設けられた
直線状かつ衝立状の裏側リブおよ
び表側リブが存在することによって、スピーカーとマイクを結ぶ直線に略直交する方向の剛性が高まり、前ケースを伝ってスピーカーから
直線状かつ衝立状の裏側リブおよ
び表側リブを超えてマイクへ向かう振動が減衰され、マイクへ固体伝播する振動が減少してハウリングが起こりにくくなる。
【0010】
また、カバー側リブと前ケースの表側に突出した表側リブによってカバーと前ケース間の空間を伝播する音を遮り、スピーカーからマイクに回り込む音を減少させてハウリングが起こりにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態のインターホンリモコン装置の分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の一実施形態のインターホンリモコン装置について、図面に基づいて説明する。
【0013】
図1はインターホンリモコン装置1の分解斜視図で、内蔵部品の前面側を覆う前ケース2と、後面側を覆う後ケース3とで構成される薄い箱状のケース体4に、液晶表示部5や複数のスイッチ6、図示しない音声スイッチなどの電子部品を備えた電装基板7や、スピーカー8、マイク9等の内蔵し、前ケース2の前面側に複数の操作キー10を挟み込んで保持するカバー11が取り付けられている。
【0014】
前ケース2は、透明樹脂で構成されて液晶表示部5の表示内容が視認可能としており、また、電装基板7上の複数のスイッチ6に対応する位置に前後に進退可能な操作子12が設けられ、各操作子12に対応する表面には水の進入を防止する防水フィルム13が貼着されている。
【0015】
また、前ケース2前面の左右両端寄りにスピーカ用透音孔14と、マイク用透音孔15とが開口され、スピーカ用透音孔14の上方には前ケース2とカバー11間の空間に入り込んだ水がスピーカ用透音孔14に直接入るのを阻害するための庇16が立設され、マイク用透音孔15にはマイク防水シート17が貼着されている。
【0016】
また、スピーカ用透音孔14とマイク用透音孔15とを結ぶ直線に直交する方向に渡り前ケース2の表側に突出するように衝立状の表側リブ18が立設されている。この表側リブ18は、前ケース2の液晶表示部5に対応して表側に張り出した部位の両端下方にカバー11裏面と接触しない程度の高さを有して設けられている。
【0017】
カバー11は、不透明樹脂で構成され、液晶表示部5と対応する位置に開口された表示開口部19と、前ケース2のスピーカ用透音孔14と対応する位置に開口されたスピーカ用透音穴20と、前ケース2のマイク用透音孔15と対応する位置に開口されたマイク用透音穴21とが設けられていると共に、操作キー10が露出するように操作キー10に対応する位置が開口され、操作キー10のアーム部10aがカバー11と前ケース2との間に挟まれて固定される。
【0018】
図2は前ケース2裏面の斜視図で、スピーカ用透音孔14の周囲には、スピーカー8取り付け用の筒状のスピーカ保持筒部22が立設され、このスピーカ保持筒部22の周囲には、スピーカ固定ネジ23を螺着させるボス部24と、スピーカ保持筒部22の剛性を向上させる複数の補強リブ25とが放射状(ここでは約45°ごと)に配置されている。
【0019】
スピーカー8は、スピーカー8の前面側周縁部を覆うスピーカパッキン26と共にスピーカ保持筒部22内に装着され、スピーカー8の後端にスピーカ押さえ金具27を介してスピーカ固定ネジ23が螺着されて前ケース2に固定される。
【0020】
また、スピーカー8の背面位置には、後ケース3の円筒部28に装着された多孔性の吸音材29が配置され、スピーカー8の背面からマイク9側への音の回り込みを抑制している。
【0021】
マイク用透音孔15の周囲には、マイク9取り付け用の筒状のマイク保持筒部30が立設され、マイク9はゴム製のマイクホルダ31に覆われた状態でマイク保持筒部30に装着され、マイクホルダ31の後端が電装基板7によって押さえられて前ケース2に固定される。
【0022】
そして、スピーカ用透音孔14とマイク用透音孔15とを結ぶ直線に直交する方向に渡り前ケース2の裏側に突出するように衝立状の裏側リブ32が立設されている。この裏側リブ32は、液晶表示部5の左右方向の中央付近に複数本(ここでは2本)設けられ、スピーカー8から距離を有して設けられている。
【0023】
図3はカバー11裏面の斜視図で、表示開口部19の両脇に上下に渡ってカバー11の裏側に突出するように衝立状のカバー側リブ33が設けられている。このカバー側リブ33は、カバー11を前ケース2に取り付けた際に、表側リブ18よりも外側、すなわちスピーカー8側の表側リブ18よりもスピーカー8側になり、マイク9側の表側リブ18よりもマイク9側になる位置に前ケース2表面と接触しない程度の高さを有して設けられている。
【0024】
そして、上記のインターホンリモコン装置1がそれぞれ別の場所に一つずつで一組設置され、インターホンリモコン装置1同士で双方向同時通話方式によるインターホン通話を可能としている。
【0025】
この双方向同時通話方式による通話中はスピーカー8とマイク9が双方有効に作動し、両インターホンリモコン装置1のマイク9から集音した音を音声スイッチにより比較し、大きい音を発している側のインターホンリモコン装置1に送話権が付与される。ここで、最初に送話権が付与されたインターホンリモコン装置1をリモコンAと呼び、最初に送話権が付与されなかったインターホンリモコン装置1をリモコンBと呼ぶこととする。
【0026】
そして、リモコンAのマイク9で集音した音をリモコンBのスピーカー8で発音し、そのとき並行して、リモコンBのマイク9で集音した音は音声スイッチに送られてリモコンAのマイク9で集音した音と比較し続ける。
【0027】
リモコンBのマイク9で集音した音がリモコンAのマイク9で集音した音よりも大きくなると、送話権をリモコンAからリモコンBへ切り替えて付与し、リモコンBのマイク9で集音した音をリモコンAのスピーカー8で発音し、そのとき並行して、リモコンAのマイク9で集音した音は音声スイッチに送られてリモコンBのマイク9で集音した音と比較し続けることで、双方向同時通話方式でのインターホン通話が行われる。
【0028】
従って、送話権が付与されていない側のインターホンリモコン装置1では、スピーカー8での発音がマイク9に回り込む可能性が常に生じるが、スピーカー8は、スピーカパッキン26を介してスピーカ保持筒部22および前ケース2に接していると共に、スピーカ保持筒部22が放射状に配された補強リブ25によって剛性強化されているため、スピーカー8から前ケース2に振動が伝わりにくくなり、スピーカー8と同じく前ケース2に固定されたマイク9へ固体伝播する振動が減少してハウリングが起こりにくくなる。
【0029】
また、前ケース2にスピーカー8から伝わった振動は、スピーカー8からマイク9側への振動の進行方向に直交する方向に剛性強化した裏側リブ32および/または表側リブ18が存在することによって、前ケース2を伝ってスピーカー8から裏側リブ32および表側リブ18を超えてマイク9へ向かう振動が減衰され、マイク9へ固体伝播する振動が減少してハウリングが起こりにくくなる。
【0030】
一方、前ケース2の表面側とカバー11の裏面側との間の空間をスピーカー8から発せられた音がマイク9へ周り込もうとするが、カバー側リブ33と表側リブ18とによる障壁が2本ずつ計4本存在するため、この空間を伝播する音を遮り、スピーカー8からマイク9に回り込む音を減少させてハウリングが起こりにくくなる。
【0031】
なお、本発明は上記一実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で改変可能なものである。
【符号の説明】
【0032】
1 インターホンリモコン装置
2 前ケース
3 後ケース
7 電装基板
8 スピーカー
9 マイク
11 カバー
14 スピーカ用透音孔
15 マイク用透音孔
18 表側リブ
22 スピーカ保持筒部
25 補強リブ
32 裏側リブ
33 カバー側リブ