(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電流制限回路は、前記複数の抵抗が直列接続された抵抗列を有し、前記複数の抵抗の少なくとも1つは、前記スイッチにより短絡される、請求項3〜5の何れか一項に記載のLED照明装置。
前記バイパス回路は、第1バイポーラトランジスタと、エンハンスメント型の第1電界効果型トランジスタと、第1プルアップ抵抗と、前記電流制限回路の出力端子である制限回路出力端子と接続されたバイパス第2入力端子と、バイパス出力端子とを更に有し、
前記バイパス第1入力端子は、前記第1プルアップ抵抗の一方の端子と、前記第1電界効果型トランジスタのドレインとに接続され、
前記第1プルアップ抵抗の他方の端子は、前記第1電界効果型トランジスタのゲートと、前記第1バイポーラトランジスタのコレクタとに接続され、
前記バイパス第2入力端子は、前記第1電界効果型トランジスタのソースと、前記第1バイポーラトランジスタのベースと、前記バイパス可変抵抗素子の一方の端子とに接続され、
前記バイパス出力端子は、前記第1バイポーラトランジスタのエミッタと、前記バイパス可変抵抗素子の他方の端子とに接続される請求項9又は10に記載のLED照明装置。
前記バイパス回路は、ディプレッション型の第3電界効果型トランジスタと、前記電流制限回路の出力端子である制限回路出力端子と接続されたバイパス第2入力端子と、バイパス出力端子とを更に有し、
前記バイパス第1入力端子は、前記第3電界効果型トランジスタのドレインに接続され、
前記バイパス第2入力端子は、前記第3電界効果型トランジスタのソースと、前記バイパス可変抵抗素子の一方の端子とに接続され、
前記バイパス出力端子は、前記第3電界効果型トランジスタのゲートと、前記バイパス可変抵抗素子の他方の端子とに接続される請求項9又は10に記載のLED照明装置。
【背景技術】
【0002】
近年、照明ランプとして、LEDを光源とするLED照明装置が普及し始めている。これまで、LEDを照明用ランプ以外の用途に使用する場合には、DC電源で点灯するのが一般的であり、LEDの調光は、デジタル信号処理により、例えばデューティ比またはパルス数を変化させることなどにより行われていた。
【0003】
しかし、LED照明装置は、白熱球または蛍光灯の代替品として使用することが想定されており、商用交流電源を利用して点灯できることが望ましい。さらには、LED照明装置を使用するLED照明装置は、調光機能を有することが望まれている。
【0004】
商用交流電源から得られる全波整流波形をLED列に直接的に印加し、LEDを点灯させるLED照明装置が知られている。このLED列は複数のLEDが直列接続したもので、高い電圧に耐えられるようにしている。商用交流電源から一定電圧を生成しLEDを点灯させる他の方式のLED照明装置に比べ、全波整流波形をLED列に直接的に印加するLED照明装置は、回路構成が簡単且つ小型であるという特徴がある。
【0005】
しかしながら、LED列に脈流電圧が印加されると、LEDは、脈流電圧がLED列の持つ閾値を越えた期間だけ点灯することになる。例えば、LEDの順方向電圧Vfが3Vで、LED列として40個のLEDが直列接続している場合、LED列の閾値は120Vとなる。商用交流電源の実効値が100Vであるとき、このLED照明装置では、LEDは、脈流電圧が120Vを超える短い期間のみ点灯する。このため、LED列に脈流電圧が印加されると、暗くなったりちらつきが目立ったりするばかりでなく、力率や歪率も悪化する。
【0006】
これに対して、点灯期間を長くする手法として、LED列を複数のLED列に分割し、脈流電圧の電圧が低い位相では一部のLED列のみを点灯させ、脈流電圧の電圧が高い位相では点灯するLED列の数を増加させる手法が知られている。点灯するLED列の数は、LED列の接続点に接続されるバイパス回路によって調整される。バイパス回路は、脈流電圧の低電圧位相でオン(導通)され、脈流電圧の高電圧位相でオフ(非導通)される。バイパス回路は、脈流電圧の電圧又はLED列に流れる電流値に応じてオン−オフ制御される。
【0007】
特許文献1の
図26を、LED列に流れる電流値によりバイパス回路を制御するLED照明装置の例として
図1に示す。
【0008】
図1では、特許文献1の
図26の趣旨を逸脱しないようにして描き直している。
図1に示すように、LED照明装置900は、ブリッジ整流器905と、第1及び第2LED列910及び930と、バイパス回路920と、電流制限抵抗933とを有する。商用交流電源906は、ブリッジ整流器905の入力端子に接続される。
【0009】
ブリッジ整流器905は、4つのダイオード901、902、903及び904を有し、端子Aは全波整流波形の出力端子であり、端子Bは基準電圧を与える端子である。第1LED列910内では、LED911及び912を含む多数のLEDが直列接続され、第2LED列930内では、LED931及び932を含む多数のLEDが直列接続される。バイパス回路920は、プルアップ抵抗921と、バイパス抵抗924と、電界効果型トランジスタ922(以下、FETとも称する)と、バイポーラトランジスタ923(以下、トランジスタとも称する)とを有する。バイパス回路920は、バイパス第1入力端子927と、バイパス第2入力端子928と、バイパス出力端子929とを更に有する。バイパス第1入力端子927は、第1LED列910の最終段のLEDのカソード(以下、第1LED列910のカソードとも称する)と第2LED列930の初段のLEDのアノード(以下第2LED列930のアノードとも称する)とに接続される。バイパス第2入力端子928は、電流制限抵抗933を介して第2LED列930の最終段のLEDのカソード(以下、第2LED列930のカソードとも称する)に接続される。FET922はエンハンスメント型nMOS−FETである。
【0010】
図2を参照して、LED照明装置900の動作を説明する。
図2(a)は、ブリッジ整流器905の出力信号の一部を示す図であり、具体的には、ブリッジ整流器905の出力信号の全波整流波形電圧信号を示す図である。
図2(b)は、LED照明装置900に流れる電流Iの波形を示す図である。
図2(a)及び2(b)の横軸は時間を示し、
図2(a)の縦軸は電圧値を示し、
図2(b)の縦軸は電流値を示す。
図2(a)及び2(b)の横軸における時間は同一である。期間t1では、ブリッジ整流器905の出力電圧が第1LED列910の閾値電圧V
th1に達しないため回路電流Iが流れない。
【0011】
ブリッジ整流器905の出力電圧の低電圧位相である期間t2では、ブリッジ整流器905の出力電圧は、第1LED列910の閾値電圧V
th1を越えているが、第1LED列910の閾値電圧V
th1と第2LED列930の閾値電圧V
th2との合計閾値電圧は超えていない。期間t2では、回路電流Iは、バイパス回路920を介してブリッジ整流器905に戻る。期間t2では、トランジスタ923のベース−エミッタ間電圧を0.6Vに保つようにフィードバックが掛かり、バイパス回路920は定電流動作する。
次いで、期間t2の最後の短い期間では、ブリッジ整流器905の出力電圧が第1LED列910の閾値電圧V
th1と第2LED列930の閾値電圧V
th2との合計閾値電圧より大きくなり、第2LED列930を介してバイパス第2入力端子928に電流が流れ始める。
【0012】
次いで、期間t3では、ブリッジ整流器905の出力電圧は、第1LED列910の閾値電圧V
th1と第2LED列930の閾値電圧V
th2との合計閾値電圧を越えて、第1及び第2LED列910及び930を介してバイパス第2入力端子928に電流が流れる。バイパス第2入力端子928に電流が流れるとトランジスタ923が飽和し、FET922のゲート―ソース間電圧がゼロ又は負になり、FET922はオフされる。FET922がオフされると、バイパス回路920のバイパス第1入力端子927から入力される電流は、高抵抗値を有するプルアップ抵抗921を介する微小電流のみとなり、ほとんどの電流Iは第1及び第2LED列910及び930を介して流れる。ブリッジ整流器905の出力電圧が下降する期間では、全波整流波形の電圧が上昇する期間と逆の動作を順次していく。
【0013】
このように、
図1に示した従来のLED照明装置900は、LED列に流れる電流によりバイパス回路920をオン−オフ制御するので、回路規模が小さくなるうえ、回路電流Iが滑らかに変化することからノイズが少ないという特徴がある。しかしながら、
図1に示した従来のLED照明装置900は、使用環境によりLED列の発光量を調節する機能、すなわち調光機能に対応できていないという問題を有する。
【0014】
一方、トライアック(登録商標)調光器を使用して、白熱電球の調光を実施することが知られている。しかしながら、トライアック(登録商標)調光器から出力される交流波形は、一部が欠落した波形となるため、LED照明装置を点灯させる場合、フリッカが目立つおそれがある。
【0015】
そこで、特許文献2では、AC電源をDC電源に変換する整流器を有し、LEDをDC電圧で点灯し且つ調光することが記載されている。具体的には、特許文献2には、LED照明装置に供給されるAC電源の電圧を変化させて調光するLED照明装置(例えば、特許文献2の
図6を参照)が記載されている。また、特許文献2には、プロセッサベースのコントローラを使用して、パルス変調又はパルス幅変調などの各種のデジタル制御により調光するLED調光コントローラが記載されている。(例えば、特許文献2の
図7を参照)。特許文献2に記載されたLED調光コントローラを含むLED照明装置では、フリッカの目立たない点灯及び調光が可能である。
【0016】
しかしながら、特許文献2に記載されたLED調光コントローラを含むLED照明装置は、良好なDC電源を生成する必要がある上、調光回路が複雑になるという問題がある。整流回路を簡単にするには、特許文献1に記載したように、商用交流電源から得られる全波整流波形等の脈流電圧を直接LEDに印加して点灯できることが望ましい。
【0017】
また、トライアック(登録商標)調光器を使用して白熱電球を調光する場合、トライアック(登録商標)調光器が壁に埋め込まれることが多く、トライアック(登録商標)調光器を壁に埋め込むための追加的な工事が必要なため不便なことがある。そこで、トライアック(登録商標)調光器を使わずに調光量を設定する方法が提案されており、例えば壁スイッチのON−OFF制御を利用する(例えば、特許文献3を参照)。
【0018】
特許文献3の
図1には、ランプ負荷Lを点灯させるインバータ回路1と、インバータ制御回路4と、電源遮断検出回路2と、時間判定回路3とを備えた照明装置が示されている。インバータ制御回路4は、インバータ回路1の動作を制御してランプ負荷Lの点灯状態を変える。電源遮断検出回路2は、スイッチSW1の操作による電源の遮断を検出する。時間判定回路3は、電源遮断検出回路2の電源遮断時間検出信号にて電源を遮断している時間を判定し、この時間が予め設定した所定時間以内である場合にインバータ制御回路4を制御しランプ負荷Lの点灯状態を選択する。しかしながら、特許文献3に記載されている制御は、白熱ランプの点灯に関するものであり、LEDの点灯に関する技術については何ら記載していない。さらに、特許文献3に記載された照明装置は、インバータ回路を使用しているが、インバータ回路は大型且つ高価であるという問題がある。
【0019】
特許文献4の
図7には、ブリッジ整流器102と、トグル検出器74と、維持電圧供給回路71と、カウンタ96と、LED照明ドライバ80とを備える調光可能なLED照明装置が示される。ブリッジ整流器102は、壁スイッチを介して印加されるAC電圧を整流しDC電圧を提供する。トグル検出器74は、壁スイッチ98のトグル動作を監視する。維持電圧供給回路71は維持電圧を提供し、カウンタ96はトグル動作を計数する。LED照明ドライバ80は計数値に基づいてLED光源をマルチレベルで調光する。
【0020】
特許文献4に記載されている構成では、ブリッジ整流器102の出力をリップルの少ない直流電圧に変換してからパルス幅変調を行う。このパルス幅変調で必要となるリップルの少ない直流電圧を生成するには、耐圧が高く容量の大きな電解コンデンサが必要になるが、この電解コンデンサはサイズが大きくなるばかりでなく、LED照明装置のように高温になる環境下では寿命が短くなる。またLED照明ドライバ80は、ほとんどの構成素子がIC化されているが、発振回路などさまざまな回路が内蔵されていて、回路構成が複雑になり易い。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、
図3〜11を参照して、LED照明装置について詳細に説明する。なお図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また説明のため波形等の部分的な縮尺は適宜変更している。さらに特許請求の範囲に記載した発明特定事項との関係をカッコ内に記載している。
【0040】
図3を参照して、LED照明装置100を説明する。
図3は、LED照明装置100を示す回路図である。
【0041】
LED照明装置100は、LED列110と、電流制限回路120と、電圧保持回路130と、検出回路140と、制御回路150とを有する。LED照明装置100の外部には、直流電流を供給する直流電源102と、LED照明装置100と直流電源102との間の電気的な接続をオンオフする電源スイッチ101とが配置される。LED列110、電圧保持回路130及び検出回路140を駆動する電力は、直流電源102から電源スイッチ101を介して供給される。なお本願の図面において、白抜きで下を向いた三角形は、接地、グランド、又はVSSとも称される基準電圧配線を示す。
【0042】
LED列110は、単数又は直列接続される複数のLED111を有する。LED列110のアノードは、電源スイッチ101を介して直流電源102に接続される。LED列110に含まれるLEDの個数は、LEDの順方向電圧及び電源スイッチ101から供給される電圧値に基づいて決める。LED111の順方向電圧が3V程度であり、且つ電源スイッチ101から供給される電圧値がハロゲンランプに使用される12Vの直流電圧である場合、LED列110に含まれるLED111の数は、3個又は4個である。
【0043】
電流制限回路120は、3つの抵抗121、122及び123と、2つのnMOS電界効果トランジスタ124及び125(スイッチ、以下FETとも称する)とを有する。3つの抵抗121、122及び123は直列接続され、抵抗121の上方の端子はLED列110のカソードに接続され、抵抗123の下方の端子は基準電圧配線に接続される。FET124のドレインは、抵抗121と122との間の接続部に接続され、FET124のソースは、基準電圧配線に接続される。FET125のドレインは抵抗122と123との間の接続部に接続され、FET125のソースは基準電圧配線に接続される。
【0044】
電圧保持回路130は、ダイオード131と、コンデンサ132と、抵抗133とを有する。ダイオード131のアノードは、電源スイッチ101を介して直流電源102に接続される。ダイオード131のカソードは、コンデンサ132の上方の端子及び抵抗133の上方の端子に接続される。コンデンサ132の下方の端子及び抵抗133の下方の端子は、基準電圧配線に接続される。コンデンサ132の容量値及び抵抗133の抵抗値は、コンデンサ132の容量値及び抵抗133の抵抗値で規定される時定数が、電源スイッチ101が瞬時にオフされオンされる時間よりも充分長くなるように決める。
【0045】
検出回路140は、抵抗141と、コンデンサ142と、抵抗143とを有する。抵抗141の一方の端子は、電源スイッチ101を介して直流電源102に接続される。抵抗141の他方の端子は、コンデンサ142及び抵抗143の上方の端子に接続される。コンデンサ142及び抵抗143の下方の端子は、基準電圧配線に接続される。コンデンサ142の容量値及び抵抗143の抵抗値は、コンデンサ142の容量値及び抵抗143の抵抗値で規定される時定数が、電源スイッチ101が瞬時にオンオフされる時間よりも小さくなるように決める。
【0046】
制御回路150は、カウンタ151を有する。カウンタ151の+側電源端子Vddは逆流防止用素子であるダイオード131のカソードに接続され、−側電源端子Vssは基準電圧配線に接続される。カウンタ151のクロック端子ckは、抵抗141の一方の端子に接続される。カウンタ151の2ビット出力端子Q1及びQ2はそれぞれ、FET124及び125のゲートに接続される。制御回路150は、抵抗121及び122の間にドレインが接続されるFET124並びに抵抗122及び123の間にドレインが接続されるFET125を制御して、LED列110を流れる電流を制御し、LED列110の調光を行う。カウンタ151は、クロック端子ckに立ち上がり信号が入力されると、カウントアップした出力信号を順次2ビット出力端子Q1及びQ2に出力するように形成される。すなわち、カウンタ151は、クロック端子ckに立ち上がり信号が入力される毎に、2ビット出力端子Q1及びQ2に00、01及び10を順次出力する。2ビット出力端子Q1及びQ2が10になった後に、クロック端子ckに立ち上がり信号が入力されると、2ビット出力端子Q1及びQ2は00に戻る。カウンタ151がCMOSトランジスタで形成される場合、カウンタ151で消費される消費電流は無視できる程度の大きさになる。
【0047】
LED照明装置100における調光制御の制御フローについて説明する。
まず、電源スイッチ101がオン(導通)されると、ダイオード131を介してカウンタ151の+側電源端子Vddに電源電圧が印加される。カウンタ151のクロック端子ckの入力信号は、抵抗141の抵抗値とコンデンサ142容量値とで決定される時定数程度の遅延時間の経過後にハイレベルになる。クロック端子ckの入力信号が、ハイレベルになると、カウンタ151の出力端子Q1及びQ2から出力される信号は00となる(カウンタ151は正論理であるので、0はローレベルに相当する。以下の説明は、カウンタ151が正論理であることを前提とする)。カウンタ151の出力端子Q1及びQ2が両方ともにローレベルとなるため、FET124及び125の双方はオフ状態となる。FET124及び125の双方がオフ状態となると、矢印で示される電流Iは、3つの抵抗121、122及び123を介して基準電圧配線に流れる。
【0048】
直流電源102の出力電圧をV0(V)、LED列110に含まれるLED111の個数をn(個)、LED111の順方向電圧をVf(V)、3つの抵抗121、122及び123からなる抵抗列の合成抵抗値をR3(Ω)としたとき、電流Iは、
I=(V0−n・Vf)/R3
となる。上式に示すように、電流Iは、3つの抵抗121、122及び123の合成抵抗値により制限される。
【0049】
次いで、電源スイッチ101がオフ(開放)され、コンデンサ132の端子間の電圧が所定の電圧以上の電圧に保持されているような短時間のうちに再びオンされる。すなわち、電源スイッチ101がオフしている間、電圧保持回路130はコンデンサ132により所定の電圧以上の電圧を維持続ける。一方、検出回路140のコンデンサ142は、コンデンサ142の容量値及び抵抗143の抵抗値で規定される時定数が小さいので、電源スイッチ101がオフしている間に放電して、コンデンサ142の上方の端子の電圧は0V(ローレベル)になる。
【0050】
電源スイッチ101がオフされた後にオンされると、カウンタ151のクロック端子ckの信号は立ち上がる。クロック端子ckの信号が立ち上がると、カウンタ151の出力Q1及びQ2の出力信号は00から01になる。出力Q2の出力信号がハイレベルになるので、FET125がオンする。FET125がオンすると、電流Iは抵抗121及び122とFET125とを介して基準電圧配線に流れる。抵抗121及び122からなる抵抗列の合成抵抗値は、抵抗121、122及び123からなる抵抗列の合成抵抗値よりも小さくなる。このため、瞬時にオフされオンされた後の電流Iは、瞬時にオフされオンされる前の電流I(電源スイッチ101をオフする前、すなわち抵抗121、122、123に電流Iが流れていたときの電流)よりも大きな値になる。電流Iの値が大きくなるので、瞬時にオフされオンされた後のLED列110の明るさは、瞬時にオフされオンされる前のLED列110の明るさよりも明るくなる。
【0051】
さらに電源スイッチ101がオフされ、短時間のうちに再びオンされる。電源スイッチ101がオンされると、カウンタ151の出力端子Q1及びQ2の出力信号は10となり、FET125がオフされ、FET124がオンされる。FET125がオフされ、FET124がオンされると、電流Iは、抵抗121及びFET124を介して基準電圧配線に流れる。この場合、電流Iが流れる経路の抵抗値は抵抗121の抵抗値になるので、電流Iは、最初に電源スイッチ101がオンされたとき、及び次いで電源スイッチが瞬時にオフされオンされたときよりも大きな値になる。電流Iの値が最も大きくなると、この場合のLED列110の明るさは、最も明るくなる。
【0052】
さらに電源スイッチ101がオフされ、短時間のうちに再びオンされると、カウンタ151の出力端子Q1及びQ2の出力信号は00に戻る。カウンタ151の出力端子Q1及びQ2の出力信号は00に戻ると、LED列110の明るさは最も暗い状態に戻る。LED照明装置100は、ダイオード131のカソードとカウンタ151の不図示のリセット端子との間にパワーオンリセット回路を挿入することにより、電源スイッチ101が最初にオンされたときカウンタ151をリセットする機能が追加されてもよい。また、LED照明装置100において制御回路150はカウンタ151を有するが、制御回路150は検出回路140の出力信号によりFET124及び125を順次切り替える機能を有すればよいので、制御回路は他の回路で代替することもできる。例えば、制御回路150は、カウンタとデコーダを組合せた回路、又はシフトレジスタを有する構成としてもよい。
【0053】
図4は、LED照明装置200を示す回路図である。
図3に示すLED照明装置100は直流電源102を電源としている。LED照明装置100では、電流制限をする素子として抵抗121、122及び123が使用されている。抵抗素子を使用して電流制限する回路構成は、単純な回路構成とすることができるが、電源電圧の変動に従ってLEDに流れる電流値が変動するので、LEDの明るさが不安定になりやすい。このような問題を解決するために、電流制限のための回路構成として、定電流素子又は定電流回路が採用される。
図4及び5を参照して、電力を供給する電源が交流電源であり、且つ電流制限のための回路構成として定電流素子が採用されるLED照明装置200を説明する。本明細書では、半波整流回路及び全波整流回路等により交流電力を整流した電流又は電圧であって、平滑回路によりろ波(filtering)されていない電流及び電圧をそれぞれ脈流電流及び脈流電圧と称する。
【0054】
LED照明装置200は、LED列210と、電流制限回路220と、電圧保持回路230と、検出回路240と、制御回路250と、電圧降下回路270と、整流回路260とを有する。
【0055】
LED列210は、単数又は直列接続された複数のLED211を有する。実効値が12Vの交流電源を電源として使用する場合、直列接続されるLED211の段数は3又は4段である。実効値が100Vの交流電源を電源として使用する場合、直列接続されるLED211の段数は30〜40段程度である。また、実効値が240Vの交流電源を電源として使用する場合、直列接続されるLED211の段数を80段程度である。
【0056】
電流制限回路220は、3つの定電流ダイオード221、222及び223と3つのFET224、225及び226とを有する。定電流ダイオード221に流れる電流は、定電流ダイオード222に流れる電流よりも大きい。また、定電流ダイオード222に流れる電流は、定電流ダイオード223に流れる電流よりも大きい。3つの定電流ダイオード221、222及び223のアノードは、LED列210のカソードに接続される。3つの定電流ダイオード221、222及び223のカソードはそれぞれ、FET224、225及び226のドレインに接続される。FET224、225及び226のソースは基準電圧配線に接続される。
【0057】
電圧保持回路230は、ダイオード231と、コンデンサ232と、抵抗233とを有する。ダイオード231のアノードは、抵抗271及び272の間の接続部に接続される。電圧保持回路230の構成は、ダイオード231のアノードの接続先を除いて、電圧保持回路130と同等である。しかしながら、電圧保持回路230のコンデンサ232の耐圧は、電圧保持回路130のコンデンサ132の耐圧と相違させてもよい。
【0058】
検出回路240は、抵抗241と、コンデンサ242と、抵抗243と、ダイオード244とを有する。ダイオード244は、逆流防止用であり、アノードが抵抗271及び272の間の接続部に接続される。検出回路240の構成は、抵抗241の一方の端子にダイオード244のカソードが接続されることを除いて、検出回路140の構成と同等である。しかしながら、検出回路240のコンデンサ242の耐圧は、検出回路140のコンデンサ142の耐圧と相違させてもよい。
【0059】
制御回路250は、カウンタ251と、デコーダ252とを有する。カウンタ251の構成は先に説明したカウンタ151の構成と同一である。デコーダ252の2ビットの出力端子Q1及びQ2は、デコーダ252の入力端子D1及びD2に接続される。デコーダ252の出力端子Q1、Q2及びQ3は、FET224、225及び226のゲートにそれぞれ接続される。デコーダ252の出力端子Q1、Q2及びQ3の出力信号は、入力端子D1、D2の状態に応じて1つの出力信号のみがハイレベルになる。カウンタ251及びデコーダ252は、後述するように電圧降下回路270と電圧保持回路230により低電圧化した電源で動作するため素子を小型化できる。
【0060】
整流回路260は、ダイオード261を有する。ダイオード261のアノードは、電源スイッチ201を介して交流電源202に接続され、カソードはLED列210のアノード及び抵抗271の上方の端子に接続される。
図4では下方に示される交流電源202の他方の端子は基準電圧配線に接続される。整流回路260は、交流電源202から入力される電圧を整流して、脈流電圧を出力する。
【0061】
電圧降下回路270は、直列接続される抵抗271及び272を有する。抵抗271の上方の端子は、ダイオード261のカソードに接続され、抵抗272の下方の端子は基準電圧配線に接続される。電圧降下回路270は、電源スイッチ201がオン(導通)されたときにダイオード261から出力される半波整流波形の信号を分圧することにより、低電圧化された半波整流波形を有する信号を出力する。
【0062】
電圧保持回路230は、逆流防止用ダイオード231と、コンデンサ232と、抵抗233とを有する。電圧保持回路230の出力端子は、カウンタ251及びデコーダ252の+側電源端子Vdd端子に接続される。電圧保持回路230は、電圧降下回路270から出力される低電圧化された半波整流波形の信号を平滑化して、平滑化された信号をカウンタ251及びデコーダ252の+側電源端子Vddに出力する。
【0063】
検出回路240は、抵抗241と、コンデンサ242と、抵抗243とを有する。検出回路240の出力端子は、カウンタ251のクロック端子ckに接続される。検出回路240の出力信号は、抵抗241とコンデンサ242とにより規定される時定数の遅延時間が経過した後に立ち上がる。
【0064】
LED照明装置200における調光制御の制御フローについて説明する。
まず、電源スイッチ201がオン(導通)されると、カウンタ251及びデコーダ252の+側電源端子Vddに電圧が印加される。カウンタ251のクロック端子ckの入力信号は、抵抗241の抵抗値とコンデンサ242容量値とで決定される時定数程度の遅延時間の経過後にハイレベルになり、カウンタ251の出力端子Q1及びQ2の出力信号は00になる。デコーダ252の出力端子Q1の出力信号がハイレベルになり、デコーダ252の出力Q2及びQ3の出力信号はローレベルになる。252の出力端子Q1の出力信号がハイレベルになると、FET224はオン状態になり、FET225及び226はオフ状態になるので、電流Iは、定電流ダイオード221を介して流れ、LED列210の明るさが最も明るくなる。
【0065】
次いで、電源スイッチ201がオフされ、短時間のうちに再びオンされる。電源スイッチ201がオフされる間、電圧保持回路230の+側電源端子Vddの電圧は、コンデンサ232により維持される。一方、検出回路240のコンデンサ242は放電され、上方の端子の電圧は0V(ローレベル)になる。コンデンサ232と抵抗233とで決定される時定数、及びコンデンサ242と抵抗243とで決定される時定数、並びに制御回路250の消費電流は、先に説明した電圧保持回路130及び検出回路140並びに制御回路150と同様である。
【0066】
次いで、電源スイッチ201が瞬時にオフされオンされるとカウンタ251の出力端子Q1及びQ2の出力信号は01になる。デコーダ252の入力端子D1及びD2に01の入力信号が入力されると、デコーダ252の出力端子Q2の出力信号はハイレベルになり、デコーダ252の出力端子Q1及びQ3はローレベルになる。デコーダ252の出力端子Q2の出力信号はハイレベルになると、FET225はオン状態になり、FET224及び226はオフ状態になるので、電流Iは、定電流ダイオード222を介して流れ、LED列210の明るさが中間の明るさになる。
【0067】
次いで、電源スイッチ201が瞬時にオフされオンされるとカウンタ251の出力端子Q1及びQ2の出力信号は10になる。デコーダ252の入力端子D1及びD2に10の入力信号が入力されると、デコーダ252の出力Q3はハイレベルになり、デコーダ252の出力端子Q1及びQ2はローレベルになる。FET226がオンする。デコーダ252の出力Q3はハイレベルになると、FET226はオン状態になり、FET224及び225はオフ状態になるので、電流Iは、定電流ダイオード223を介して流れ、LED列210の明るさが最も暗くなる。そして、さらに電源スイッチ201が瞬時にオフされオンされると、カウンタ251は初期状態に戻り、LED列210の明るさが最も明るくなる。
【0068】
図5を用いて
図4に示したLED照明装置200の動作を説明する。
図5(a)は、整流回路260の出力信号の一部を示す図であり、具体的には、整流回路260の出力信号の半波整流波形の電圧が存在する周期を示す図である。
図5(b)は、LED照明装置200の明るさが最も明るくなるときに流れる電流Iの波形を示す図である。
図5(c)は、LED照明装置200の明るさが中間の明るさになるときに流れる電流Iの波形を示す図である。
図5(d)は、LED照明装置200の明るさが最も暗くなるときに流れる電流Iの波形を示す図である。ここで、
図5(a)〜5(d)の横軸は時間を示し、
図5(a)の縦軸は電圧値を示し、
図5(b)〜5(d)の縦軸は電流値を示す。
図5(a)〜5(d)の横軸における時間は同一であり、
図5(b)〜5(c)の縦軸の電流値の絶対値は同一である。以下の説明では、
図4の符号及び端子名等が参照される。
【0069】
LED列210に含まれるLED211の個数をn(個)、LED211の順方向電圧をVf(V)とすると、LED列210の閾値はn・Vf(V)になる。このため、
図5(a)に示す整流回路260の出力信号の電圧が閾値電圧V
thに達するまでの期間、及び閾値電圧V
th未満になった後の期間では、
図5(b)、5(c)及び5(d)に示すように電流Iは流れない。
図5(b)では、整流回路260の出力信号の電圧が閾値電圧V
thを越えると電流Iが急速に増加し、定電流ダイオード221の制限電流値I
maxに達すると一定の値になる。その後、
図5(a)に示す整流回路260の出力信号の電圧が下降して、閾値電圧V
thに近づくと電流Iが急速に減少する。同様に
図5(c)及び5(d)において、整流回路260の出力信号の電圧が閾値電圧V
thを越えると電流Iが急速に増加して、定電流ダイオード222及び223の制限電流値I
mid及びI
minにそれぞれ達すると一定の値になる。その後、整流回路260の出力信号の電圧が下降して、閾値電圧V
thに近づくと電流Iが急速に減少する。
【0070】
図6は、LED照明装置400を示す回路図である。
図4に示すLED照明装置200の整流回路260は、単一のダイオードで形成されているが、整流回路は4つのダイオードからなるブリッジ整流器で形成し、全波整流することにより効率を向上させることができる。また、LED照明装置200では、電流制限値を制御する抵抗素子として定電流ダイオード221、222及び223が採用されているが、電流制限回路として定電流回路が使用される場合がある。
図6を参照して、整流回路としてブリッジ整流器が採用され、電流制限回路として定電流回路が採用されるLED照明装置400を説明する。
【0071】
LED照明装置400は、LED列210と、電流制限回路420と、電圧保持回路230と、検出回路240と、制御回路250と、電圧降下回路270と、ブリッジ整流器460とを有する。LED列210、電圧保持回路230、検出回路240、制御回路250及び電圧降下回路270は、
図4を参照して説明された回路と同一の回路である。
【0072】
ブリッジ整流器460は4つのダイオード461を有し、ブリッジ整流器460の交流入力端子は、電源スイッチ201を介して交流電源202に接続される。ブリッジ整流器460の端子Aは、電流が出力される端子であり、LED列210のアノード及び電圧降下回路270の内部に配置される抵抗271の上方の端子に接続される。ブリッジ整流器460の端子Bは、電流が流入する端子であり、基準電圧配線に接続される。ブリッジ整流器460は、交流電源202から入力される電圧を整流して、脈流電圧を出力する。
【0073】
電流制限回路420は、抵抗421、424、425及び426と、FET422、427、428及び429と、NPN型バイポーラトランジスタ423(以下、単にトランジスタとも称する)とを有する。抵抗424、425及び426は電流制限値を制御する素子であり、FET427、428及び429は電流制限値を制御する素子を切り替えるスイッチである。抵抗421の上方の端子とFET422のドレインとは、LED列210のカソードに接続される。トランジスタ423のエミッタとFET427、428及び429のソースとは、基準電圧配線に接続される。抵抗421の下方の端子は、トランジスタ423のコレクタとFET422のゲートとに接続される。FET422のソースは、トランジスタ423のベースと抵抗424、425及び426の上方の端子とに接続される。抵抗424、425及び426の下方の端子はそれぞれ、FET427、428及び429のドレインに接続される。
【0074】
電流制限回路420では、トランジスタ423のベース−エミッタ間電圧を0.6Vに保つようにフィードバックが掛かることによって、FET422に流れる電流は制限される。
【0075】
具体的には、ブリッジ整流器905の出力電圧が上昇すると、第1及び第2LED列510a及び510bを介して電流制限回路420に流れる電流が上昇する。抵抗424、425又は426に流れる電流が上昇すると、抵抗424、425又は426の端子間の電圧、すなわちトランジスタ423のベース―エミッタ間電圧が0.6Vから上昇し、トランジスタ423のベース電流が流れる。トランジスタ423のベース電流が流れることにより、トランジスタ423のコレクタ―エミッタ間に電流が流れ、抵抗421の端子間に電位差が生じる。抵抗421の端子間に電位差が生じると、FET422のゲートーソース間電圧が低下してFET422のドレイン電流、すなわち抵抗424、425又は426を流れる電流が低下する。抵抗424、425又は426を流れる電流が、トランジスタ423のベース―エミッタ間電圧が0.6Vになるまで低下すると、トランジスタ423のベース電流はゼロになる。これによって、トランジスタ423のベース−エミッタ間電圧を0.6Vに保つようにフィードバックが掛かる。
【0076】
抵抗424、抵抗425、抵抗426の抵抗値は、抵抗424、抵抗425、抵抗426の順番で抵抗値が大きくなるようにそれぞれ設定される。FET427がオン状態になったときに電流Iが最も大きくなり、LED列210の明るさは最も明るくなる。FET428がオン状態になったときに電流Iが中間の値となり、LED列210の明るさは中間の明るさになる。FET429がオン状態になったときに電流Iが最も小さくなり、LED列210の明るさは最も暗くなる。
【0077】
電源スイッチ201の操作フロー及び出力電流波形は
図4を参照して説明されたLED照明装置200と同様である。LED照明装置400では、ブリッジ整流器460は、交流電源202が出力する交流電流を全波整流するので、点灯周期が半分になり点灯回数が2倍になるため明るさが明るくなる。また、LED照明装置400では、
図5(a)の電圧波形は、全波整流波形の一周期に相当する。
【0078】
図7は、LED照明装置500を示す回路図である。
図6に示すLED照明装置400では、LED列が点灯する期間は、全波整流波形がLED列210の閾値電圧を越える期間のみである。LED列が点灯しない期間が長くなると、LED照明装置400の輝度が低下するおそれがある。またLED列が点灯しない期間が長くなると、フリッカ、及び移動する物体が飛び飛びに見えるモーションブレークが目立つおそれもある。これらの問題の対策として、LED列を複数に分割し、非点灯期間を短くすることが考えられる。
図7及び
図8を参照して、LED列を分割して非点灯期間を短くしたLED照明装置500を説明する。
【0079】
LED照明装置500は、第1LED列510aと、第2LED列510bと、電流制限回路420と、電圧保持回路230と、検出回路240と、制御回路250と、電圧降下回路270と、ブリッジ整流器460と、バイパス回路580とを有する。第1及び第2LED列510a及び510bはそれぞれ、単数又は直列接続される複数のLED511及び512を有し、
図6に示すLED列210が分割された回路に相当する。電流制限回路420、電圧保持回路230、検出回路240、制御回路250、電圧降下回路270及びブリッジ整流器460はそれぞれ、
図6に示す回路と同等の回路である。
【0080】
バイパス回路580は、プルアップ抵抗581と、バイパス抵抗584と、FET582と、トランジスタ583とを有する。プルアップ抵抗581の上方の端子とFET582のドレインとは、第1LED列510aのカソード及び第2LED列510bのアノードに接続される。トランジスタ583のエミッタとバイパス抵抗584の下方の端子とは基準電圧配線に接続される。FET582のソースとトランジスタ583のベースとバイパス抵抗584の上方の端子が接続される接続部は、電流制限回路420のトランジスタ423のエミッタ並びにFET427、428及び429のソースに接続される。この接続部には、電流制限回路420から電流が流入する。プルアップ抵抗581の下方の端子とトランジスタ583のコレクタとFET582のゲートとは互いに接続される。
【0081】
電源スイッチ201の操作フロー及びLED照明装置500の明るさの順番等の点灯状態は
図6に示すLED照明装置400と同様である。
図8を参照して、LED照明装置500の電流波形について説明する。
図8(a)は、ブリッジ整流器460の出力信号の一部を示す図であり、具体的には、ブリッジ整流器460で全波整流された出力信号の一周期を示す図である。
図8(b)は、LED照明装置500の明るさが最も明るくなるときに流れる電流Iの波形を示す図である。
図8(c)は、LED照明装置500の明るさが中間の明るさになるときに流れる電流Iの波形を示す図である。
図8(d)は、LED照明装置500の明るさが最も暗くなるときに流れる電流Iの波形を示す図である。
図8(a)〜8(d)の横軸は時間を示し、
図8(a)の縦軸は電圧値を示し、
図8(b)〜8(d)の縦軸は電流値を示す。
図8(a)〜8(d)の横軸における時間は同一であり、
図8(b)〜8(c)の縦軸の電流値の絶対値は同一である。以下の説明では、
図7の符号及び端子名等が参照される。
【0082】
図8(b)を参照して、バイパス回路580の回路動作を説明する。ブリッジ整流器460の出力電圧が第1LED列510aの閾値電圧V
th1に達しない期間t1において、電流Iはゼロである。次いで、期間t2に示すように、ブリッジ整流器460の出力電圧が第1LED列510aの閾値電圧V
th1に達すると電流Iが急激に増加する。電流Iが急激に増加すると、バイパス回路580において、トランジスタ583のベース−エミッタ間電圧を0.6Vに保つようにフィードバックが掛かることによって、一定の期間t3の間、一定の電流が流れる。次いで、期間t3の最後の部分では、ブリッジ整流器460の出力電圧が第1LED列510aの閾値電圧V
th1と第2LED列510bの閾値電圧V
th2との合計閾値電圧よりも大きくなる。期間t3の最後の部分では、電流Iの一部が第2LED列510b及び電流制限回路420を介してバイパス回路580に流れる。期間t3の最後の部分では、バイパス回路580は、流入する電流とFET582に流れる電流との合計の電流が一定になる。
【0083】
次いで、ブリッジ整流器460の出力電圧がさらに上昇するとLED列510bに流れる電流が増加するため、期間t4の最初の部分では、ゲート―ソース間電圧がゼロ又は負になり、FET582がオフされる。FET582がオフされると、バイパス第1入力端子を介して流れる電流は遮断され、電流Iは第1及び第2LED列510a及び510bを介して流れる。次いで、期間t4の中央部分に示すように、電流制限回路420は電流Iの上限値を制限電流値I
maxに制限する。そして、ブリッジ整流器460の出力電圧が下降する。ブリッジ整流器460の出力電圧が下降する期間では、バイパス回路580の回路動作は、ブリッジ整流器460の出力電圧が上昇する期間と逆の動作を順次していく。
【0084】
図8(c)は、電流Iが抵抗425及びFET428を流れる場合を示す図であり、電流波形の中央部のピークである制限電流値I
midは、
図8(b)に示すに制限電流値I
maxよりも低くなっている。また、
図8(d)は電流Iが抵抗426及びFET429を流れる場合を示す図であり、電流波形の中央部のピークである制限電流値I
minは、
図8(c)に示すに制限電流値I
midよりもさらに低くなっている。なお
図8(d)に示すように、バイパス回路580が定電流動作する電流値は、電流制限回路420が制限する上限の電流値に一致している。
【0085】
なお、バイパス回路580は電流制限回路として動作しているので、電流制限回路420と同様にバイパス抵抗584をスイッチで切り替え可能な複数の抵抗に置き換えて、調光させる構成を採用してもよい。
【0086】
図9及び10を参照して、LED照明装置600を説明する。先ず
図9を参照して、LED照明装置600の回路構成を説明する。
図9は、LED照明装置600の回路図である。LED照明装置600は、ブリッジ整流器660と、第1LED列610aと、第2LED列610bと、バイパス回路680と、電流制限回路620と、制御回路650とを有する。交流電源202はブリッジ整流器660の入力端子に接続している。
【0087】
ブリッジ整流器660は、4つのダイオード661、662、663及び664を有する。ブリッジ整流器660の端子Aは、全波整流波形信号を出力する出力端子であり、ブリッジ整流器660の端子Bは基準電圧配線に接続される。ブリッジ整流器660は、交流電源202から入力される電圧を整流して、脈流電圧を出力する。
LED照明装置600に含まれるLED列は、第1LED列610aと第2LED列620bとからなる。第1LED列610aと第2LED列620bとは直列接続され、第1LED列610a内ではLED611及び612を含む複数のLEDが直列接続され、第2LED列620b内ではLED613及び614を含む複数のLEDが直列接続される。第1LED列610aの初段のLEDのアノード(以下、第1LED列610aのアノードとも称する)はブリッジ整流器660のA端子に接続される。第1LED列610aの最終段のLEDのカソード(以下、第1LED列610aのカソードとも称する)と第2LED列620bの初段のLEDのアノード(以下、第2LED列610bのアノードとも称する)とは、バイパス回路680のバイパス第1入力端子687に接続される。第2LED列620bの最終段のLEDのカソード(以下、第2LED列610bのカソードとも称する)は電流制限回路620の制限回路入力端子627に接続される。
【0088】
バイパス回路680は、バイパス第1入力端子687と、バイパス第2入力端子688と、バイパス出力端子689とを有する。バイパス第2入力端子688は、電流制限回路620の出力端子である制限回路出力端子629に接続される。バイパス出力端子689は、ブリッジ整流器660のB端子とともに基準電圧配線に接続される。バイパス回路680では、バイパス第2入力端子688を介して電流が流れると、バイパス第1入力端子687を介して流れる電流は遮断される。
【0089】
バイパス回路680は、第1プルアップ抵抗681と、バイパス可変抵抗684と、第1電界効果型トランジスタ682(以下、第1FETとも称する)と、第1バイポーラトランジスタ683(以下、第1トランジスタとも称する)とを更に有する。バイパス第1入力端子687は、第1プルアップ抵抗681の一方の端子と第1FET682のドレインとに接続される。第1プルアップ抵抗681の他方の端子は、第1FET682のゲートと第1トランジスタ683のコレクタとに接続される。バイパス第2入力端子688は、第1FET682のソースと、第1トランジスタ683のベースと、バイパス可変抵抗684の一方の端子とに接続される。バイパス出力端子689は、第1トランジスタ683のエミッタと、バイパス可変抵抗684の他方の端子とに接続される。バイパス可変抵抗684は、制御端子に印加される電圧により抵抗値が変化する可変抵抗である。バイパス可変抵抗684の制御端子であるバイパス電流制御端子は、可変抵抗制御電圧配線652を介して制御回路650に接続される。
【0090】
電流制限回路620は、バイパス回路680と略同一の回路構成を有し、バイパス回路680のバイパス第2入力端子688に相当する端子がないことがバイパス回路680と相違する。第2プルアップ抵抗621、可変抵抗624、第2FET622及び第2トランジスタ623のそれぞれの結線は、バイパス回路680の内部の結線と同様な構成である。可変抵抗624は、バイパス可変抵抗684と同様に制御端子に印加される電圧により抵抗値が変化する可変抵抗であり、可変抵抗624の制御端子である制限回路制御端子は可変抵抗制御電圧配線652を介して制御回路650に接続される。可変抵抗624の抵抗値は、バイパス可変抵抗684の抵抗値よりも小さい。
【0091】
第1及び第2FET682及び622はエンハンスメント型のnMOS−FETである。
【0092】
制御回路650は、入力される制御信号651に基づいて、バイパス可変抵抗684及び可変抵抗624の抵抗値を調整する信号(すなわち、可変抵抗制御電圧配線652に印加される信号)を出力する。制御回路650は、可変抵抗624を制御して、第1及び第2LED列610a及び610bを流れる電流を制御し、第1及び第2LED列610a及び610bの調光を行う。制御信号651は、DALI(Digital Addressable Lighting Interface)に対応したデジタル信号でも良く、またリモコンから発せられた赤外線信号でも良い。制御信号651がデジタル信号である場合、制御回路650はデジタル信号を基準電圧系に変換する不図示のホトカプラを有する。一方、制御信号651が赤外線信号である場合、制御回路650は不図示の赤外線センサーを有する。制御回路650の基準電圧系はブリッジ整流器660のB端子に印加される電圧であり、制御回路650は、降圧機能及び整流平滑機能等を備える電源回路を有する。また、制御回路650は、マイクロコンピュータを有し、様々な演算処理を実行する。可変抵抗制御電圧配線652に出力される電圧信号は、マイクロコンピュータから出力される出力信号をD/A変換して出力される信号である。
【0093】
図10を参照して、LED照明装置600の動作を説明する。
図10(a)及び10(b)はそれぞれ、LED照明装置600の波形図である。
図10(a)はブリッジ整流器660の端子Aから出力される全波整流波形電圧信号を示す図である。
図10(b)は、
図9において矢印で示されるLED照明装置600の電流Iの波形を示す図である。
図10(a)の縦軸は電圧値を示し、
図10(b)の縦軸は電流値を示す。
図10(a)及び10(b)の横軸における時間は同一である。以下の説明では、
図9の符号及び端子名等が参照される。
【0094】
図10(b)に示すブリッジ整流器660の出力電圧が第1LED列610aの閾値電圧V
th1に達しない期間t1では、電流Iはゼロである。
【0095】
図10(b)の期間t2では、ブリッジ整流器660の出力電圧は、第1LED列610aの閾値電圧V
th1を越えているが、第1LED列610aの閾値電圧V
th1と第2LED列610bの閾値電圧V
th2との合計閾値電圧は超えていない。期間t2では、回路電流Iはバイパス回路680を介してブリッジ整流器660に戻る。期間t2では、第1トランジスタ683のベース−エミッタ間電圧を0.6Vに保つようにフィードバックが掛かり、バイパス回路680は定電流動作する。期間t2でバイパス回路680が定電流動作しているときの回路電流Iは、バイパス回路680のバイパス第1入力端子687を介して流れる電流の最大値である。次いで、期間t2の最後の短期間では、ブリッジ整流器660の出力電圧は、第1LED列610aの閾値電圧V
th1と第2LED列610bの閾値電圧V
th2との合計閾値電圧を越えて、第2LED列610bに電流が流れ始める。
【0096】
次いで、期間t3では、ブリッジ整流器660の出力電圧は、第1LED列610aの閾値電圧V
th1と第2LED列610bの閾値電圧V
th2との合計閾値電圧よりも大きくなる。ブリッジ整流器660の出力電圧が、第1LED列610aの閾値電圧V
th1と第2LED列610bの閾値電圧V
th2との合計閾値電圧よりも大きくなると、電流Iは、第2LED列610b及び電流制限回路620を介してバイパス第2入力端子688に流れる。電流Iがバイパス第2入力端子688に流れると、ゲート―ソース間電圧がゼロ又は負になり、FET682はオフされる。FET682がオフされると、回路電流Iは、バイパス回路680を介して流れなくなり、第2LED列610bを介して全て流れる。ゲート―ソース間電圧がゼロになる直前にバイパス第2入力端子688を介して流れる電流が、バイパス第1入力端子687を介して流入する電流を制限する又はカットオフする電流の最小値となる。この最小値は、前述のバイパス回路680のバイパス第1入力端子687を介して流れる電流の最大値と等しい。電流制限回路620では、第2トランジスタ623のベース−エミッタ間電圧を0.6Vに保つようにフィードバックが掛かることによって、回路電流Iは電流制限回路620により定電流化される。期間t3の間に流れる回路電流Iは電流制限回路620を介して流れる電流の最大値である。
【0097】
ブリッジ整流器660の出力電圧が下降する期間では、バイパス回路680及び電流制限回路620の回路動作は、ブリッジ整流器660の出力電圧が上昇する期間と逆の動作を順次していく。またLED照明装置600は、期間t2、t3の切り替わり時に、バイパス回路680のバイパス第1入力端子687を介して流れる電流と、バイパス第2入力端子688を介して流れる電流との合計が一定になる。このため、回路電流Iが滑らかで連続的に変化するので、ノイズが少ない。
【0098】
図10(b)において、Cは明るい状態に調節したときの回路電流Iの波形であり、Dは暗い状態に調節したときの回路電流Iの波形である。バイパス可変抵抗684と可変抵抗624を同時に同じ電圧で制御しているため電流波形Cと電流波形Dは相似的になる。なお実際の調光のダイナミックレンジは、明暗の比として20:1程度にする。また明るさは回路電流Iと点灯しているLED(LED611等)の個数の積に比例する。
【0099】
回路電流Iはバイパス可変抵抗684及び可変抵抗624の抵抗値を調節することにより調節される。例えばバイパス可変抵抗684及び可変抵抗624の抵抗値が増加すると回路電流Iは減少する。LED照明装置600では、バイパス可変抵抗684及び可変抵抗624の制御端子は単一の可変抵抗制御電圧配線652に接続されるので、バイパス可変抵抗684及び可変抵抗624の制御端子には同一の電圧が印加される。しかしながら、制御回路650の内部に不図示の複数のD/A変換器を配置し、バイパス可変抵抗684及び可変抵抗624の制御端子に別々の信号を印加し、バイパス可変抵抗684及び可変抵抗624の抵抗値を個別に制御しても良い。
【0100】
以上、説明してきたように、LED照明装置600は構成素子が少ないので、回路規模を小さくできる。また、バイパス可変抵抗684及び可変抵抗624の制御端子に同一の電圧が印加され、バイパス可変抵抗684及び可変抵抗624の抵抗値の比が一定になる。このため、
図10(b)の符号C及びDで示すように、ブリッジ整流器660の出力電圧の変化に応じて、電流値が相似的に変化する。この場合、ノイズの周波数成分が同じ分布形状を維持しながら強度だけが変化するようになりノイズ対策が容易になる。バイパス可変抵抗684の下方の端子の端子電圧と可変抵抗624の下方の端子の端子電圧は厳密には一致しないが、以上の説明ではこの不一致は無視している。また第1プルアップ抵抗681を介して流れる電流は、バイパス可変抵抗684及び可変抵抗624を介して流れる電流と比べると微量であるため無視している。
【0101】
図11は、LED照明装置700の回路図である。
図9に示すLED照明装置600のバイパス回路680、電流制限回路620はエンハンスメント型のFET682及び622を有する。しかしながら、エンハンスメント型の第1及び第2FET682及び622の代わりに、ディプレッション型のFETを使用することにより、同等の機能を有するバイパス回路及び電流制限回路を、より簡素化された回路構成で実現できる。そこで
図11を参照して、ディプレッション型のFETを使ったLED照明装置700を示す。
【0102】
先ず
図11を参照して、LED照明装置700の回路構成を説明する。LED照明装置700は、ブリッジ整流器660と、第1LED列610aと、第2LED列610bと、バイパス回路780と、電流制限回路720と、制御回路650とを有する。ブリッジ整流器660、第1LED列610a、第2LED列610b及び制御回路650は
図9に示されるLED照明装置600の構成素子と同一の構成を有する。交流電源202は、ブリッジ整流器660の入力端子に接続される。
【0103】
LED照明装置700のLED列は、第1LED列610aと、第2LED列610bとを含む。第1LED列610aのアノードは、ブリッジ整流器660のA端子に接続される。第1LED列610aのカソードと第2LED列610bのアノードとの間の接続部は、バイパス回路780のバイパス第1入力端子787に接続される。第2LED列610bのカソードは、電流制限回路720の制限回路入力端子727に接続される。
【0104】
バイパス回路780は、バイパス第1入力端子787と、バイパス第2入力端子788と、バイパス出力端子789とを有する。バイパス第2入力端子788は、電流制限回路720の出力端子である制限回路出力端子729に接続される。バイパス出力端子789は、ブリッジ整流器660のB端子に接続される。バイパス回路780では、バイパス第1入力端子787を介して流れる電流は、バイパス第2入力端子788を介して流れる電流により制限される。
【0105】
バイパス回路780は、第3電界効果型トランジスタ782(以下、第3FETとも称する)と、バイパス可変抵抗784とを有する。バイパス第1入力端子787は、第3FET782のドレインに接続される。バイパス第2入力端子788は、第3FET782のソースとバイパス可変抵抗784の一方の端子とに接続される。バイパス出力端子789は、第3FET782のゲートとバイパス可変抵抗784の他方の端子とに接続される。バイパス可変抵抗784は、バイパス可変抵抗784の制御端子に印加される電圧により抵抗値が変化する可変抵抗であり、バイパス可変抵抗784の制御端子であるバイパス電流制御端子は可変抵抗制御電圧配線652を介して制御回路650に接続される。
【0106】
電流制限回路720は、略同一の回路構成を有し、バイパス回路780のバイパス第2入力端子788に相当する端子がないことがバイパス回路780と相違する。第4FET722及び可変抵抗724のそれぞれの結線は、バイパス回路780の内部の結線と同様な結線である。可変抵抗724は、バイパス可変抵抗784と同様に制御端子に印加される電圧により抵抗値が変化する可変抵抗であり、可変抵抗724の制御端子である制限回路制御端子は可変抵抗制御電圧配線652を介して制御回路650に接続される。可変抵抗724の抵抗値は、バイパス可変抵抗784の抵抗値よりも小さい。
【0107】
第3及び第4FET682及び622はディプレッション型のnMOS−FETである。
【0108】
図10を参照して、LED照明装置700の動作を説明する。
図10はLED照明装置600の波形図であるが、LED照明装置700でも同等の波形となるので同一の図面を参照して説明する。以下の説明では、
図11の符号及び端子名等が参照される。
【0109】
図10(b)に示すブリッジ整流器660の出力電圧が第1LED列610aの閾値電圧V
th1に達しない期間t1では、電流Iはゼロである。
【0110】
図10(b)の期間t2では、ブリッジ整流器660の出力電圧は、第1LED列610aの閾値電圧V
th1を越えているが、第1LED列610aの閾値電圧V
th1と第2LED列610bの閾値電圧V
th2との合計閾値電圧は超えていない。期間t2では、回路電流Iはバイパス回路780を介してブリッジ整流器760に戻る。また期間t2では、バイパス可変抵抗784からFET782のソースにフィードバックが掛かり、バイパス回路780は定電流動作する。期間t2でバイパス回路780が定電流動作しているときの回路電流Iは、バイパス回路780のバイパス第1入力端子787を介して流れる電流の最大値である。期間t2の最後の短期間では、ブリッジ整流器660の出力電圧は、第1LED列610aの閾値電圧V
th1と第2LED列610bの閾値電圧V
th2との合計閾値電圧を越えて、第2LED列610bに電流が流れ始める。第2LED列610bに電流が流れ始めると、バイパス第2入力端子788を介して流れる電流と同一の電流がFET782を流れる電流から減少するので、回路電流Iは定電流化される。
【0111】
次いで、期間t3では、ブリッジ整流器660の出力電圧は、第1LED列610aの閾値電圧V
th1と第2LED列610bの閾値電圧V
th2との合計閾値電圧よりも大きくなる。ブリッジ整流器660の出力電圧が、第1LED列610aの閾値電圧V
th1と第2LED列610bの閾値電圧V
th2との合計閾値電圧よりも大きくなると、電流Iは、第2LED列610b及び電流制限回路720を介してバイパス第2入力端子788に流れる。電流Iがバイパス第2入力端子788に流れると、FET782のソースの電圧が上昇し、ソース−ゲート間の電圧が広がるため、FET782はオフされる。FET782がオフされると、回路電流Iは、バイパス回路780を介して流れなくなり、第2LED列610bを介して全て流れる。FET782がオフする直前にバイパス第2入力端子788を介して流れる電流が、バイパス第1入力端子787を介して流入する電流を制限する又はカットオフする電流の最小値となる。この最小値は、前述のバイパス回路780のバイパス第1入力端子787に流せる電流の最大値と等しい。回路電流Iは電流制限回路720により定電流化される。ブリッジ整流器660の出力電圧が下降する期間では、バイパス回路780及び電流制限回路720の回路動作は、ブリッジ整流器660の出力電圧が上昇する期間と逆の動作を順次していく。またLED照明装置700は、期間t2、t3の切り替わり時に、バイパス回路780のバイパス第1入力端子787を介して流れる電流と、バイパス第2入力端子788を介して流れる電流との合計が一定になる。このため、回路電流Iが滑らかで連続的に変化するので、ノイズが少ない。
【0112】
回路電流Iはバイパス可変抵抗784及び可変抵抗724の抵抗値を調節することにより調節される。例えばバイパス可変抵抗784及び可変抵抗724の抵抗値が増加すると回路電流Iは減少する。LED照明装置700では、バイパス可変抵抗784及び可変抵抗724の制御端子は単一の可変抵抗制御電圧配線652に接続されるので、バイパス可変抵抗784及び可変抵抗724の制御端子には同一の電圧が印加される。しかしながら、制御回路650の内部に不図示の複数のD/A変換器を配置し、バイパス可変抵抗784及び可変抵抗724の制御端子に別々の電圧を印加し、バイパス可変抵抗784及び可変抵抗724の抵抗値を個別に制御しても良い。
【0113】
以上、説明してきたように、LED照明装置700は構成素子が少ないので、回路規模を小さくできる。また、バイパス可変抵抗784及び可変抵抗724の制御端子に同一の電圧が印加され、バイパス可変抵抗784及び可変抵抗724の抵抗値の比が一定になる。このため、
図10(b)の符号C及びDで示すように、ブリッジ整流器660の出力電圧の変化に応じて、電流値が相似的に変化する。この場合、ノイズの周波数成分が同じ分布形状を維持しながら強度だけが変化するようになりノイズ対策が容易になる。バイパス可変抵抗784の下方の端子の端子電圧と可変抵抗724の下方の端子の端子電圧は一致しないが、以上の説明ではこの不一致は無視している。また、バイパス回路780のバイパス出力端子789とFET782のゲートの間、及び電流制限回路720の制限回路出力端子729とFET722のゲートの間に、サージによるゲート破壊を防止するための保護抵抗を挿入しても良い。
【0114】
LED照明装置600及び700では、LED列には2つの第1LED列610aと第2LED列620bが含まれる。LED照明装置600のバイパス回路680と電流制限回路620とはバイパス第2入力端子688の有無を除き同一の構成を有する。LED照明装置700のバイパス回路780と電流制限回路720とはバイパス第2入力端子788の有無を除き同一の構成を有する。このため、第1LED列610aとバイパス回路680又は780とを有するブロックをカスケード状又ははしご状に接続して多段化することが可能となる。複数の第1LED列610aそれぞれの間を接続する接続部にバイパス回路680又は780が接続される。また、前段のバイパス回路680又は780のバイパス第2入力端子688又は788は、後段のバイパス回路680又は780のバイパス出力端子689又は789に接続される。カスケード接続して多段化すると輝度向上や歪率改善を達成しやすくなる。それぞれのブロックに含まれるバイパス可変抵抗684又は784は、ブリッジ整流器660側から離れるにつれて、段々と小さくなるように配置される。複数のバイパス可変抵抗684又は784の抵抗値は、単一の可変抵抗制御電圧配線652に接続されることにより、同時に調節される。