(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6057937
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】ゲームオブジェクト制御プログラム及びゲームオブジェクト制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/426 20140101AFI20161226BHJP
A63F 13/2145 20140101ALI20161226BHJP
A63F 13/5375 20140101ALI20161226BHJP
A63F 13/57 20140101ALI20161226BHJP
G06F 3/0488 20130101ALI20161226BHJP
【FI】
A63F13/426
A63F13/2145
A63F13/5375
A63F13/57
G06F3/0488
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-52100(P2014-52100)
(22)【出願日】2014年3月14日
(65)【公開番号】特開2015-173806(P2015-173806A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2015年2月4日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.ウェブサイトの掲載日:平成25年9月25日 ウェブサイトのアドレス:http://colopl.co.jp/news/pressrelease/2013092501.php http://colopl.co.jp/sangokushi/ https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.colopl.sangoku 2.ウェブサイトの掲載日:平成25年10月21日 ウェブサイトのアドレス:http://colopl.co.jp/news/pressrelease/2013102101.php https://itunes.apple.com/jp/app/id698459617
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(72)【発明者】
【氏名】大山 源
(72)【発明者】
【氏名】小林 洋之
【審査官】
鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−119288(JP,A)
【文献】
特開2009−153681(JP,A)
【文献】
特開2009−018202(JP,A)
【文献】
特開2006−247254(JP,A)
【文献】
チェインクロニクル,ファミ通App iPhone,株式会社KADOKAWA,2014年 1月 2日,第012巻,第82−87
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00−98
G06F 3/0488
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルを備えた端末上で実行されるゲームオブジェクト制御プログラムであって、
前記端末を、
複数のゲームオブジェクトを前記タッチパネルに表示する手段、
前記複数のゲームオブジェクトのうち特定のゲームオブジェクトに対して前記タッチパネルを介してプレイヤがタッチ操作を行ったことを検出する手段、及び、前記タッチ操作により当該特定のゲームオブジェクトが前記プレイヤに選択されたことを判断する手段、
前記タッチ操作によるタッチ点がタッチ状態を維持した状態で移動したことを検出する手段、及び、前記タッチ点の移動を検出した直後から前記特定のゲームオブジェクトを移動された前記タッチ点に向かって直線的に移動開始させる制御を行う手段、
移動された前記タッチ点の前記タッチ状態が終了されたことを検出する手段、及び、前記タッチ状態が終了された移動終点まで前記ゲームオブジェクトの前記移動を継続させる制御を行う手段、
前記タッチ点の前記タッチ状態が終了されたことを検出した後であって且つ前記ゲームオブジェクトの前記移動終点への移動が継続されている状態において、前記プレイヤが、前記移動終点に再タッチ操作を行ったことを検出する手段、
当該再タッチ操作による再タッチ点がタッチ状態を維持した状態で移動したことを検出する手段、及び、当該再タッチ点の移動を検出した直後から前記特定のゲームオブジェクトを移動された前記再タッチ点に向かって直線的に移動開始させる制御を行う手段、
として機能させるゲームオブジェクト制御プログラム。
【請求項2】
タッチパネルを備えた端末上で実行されるゲームオブジェクト制御プログラムであって、
前記端末を、
複数のゲームオブジェクトを前記タッチパネルに表示する手段、
前記複数のゲームオブジェクトのうち特定のゲームオブジェクトに対して前記タッチパネルを介してプレイヤがタッチ操作を行ったことを検出する手段、及び、前記タッチ操作により当該特定のゲームオブジェクトが前記プレイヤに選択されたことを判断する手段、
前記タッチ操作によるタッチ点がタッチ状態を維持した状態で移動したことを検出する手段、及び、前記タッチ点の移動を検出した直後から前記特定のゲームオブジェクトを移動された前記タッチ点に向かって直線的に移動開始させる制御を行う手段、
移動された前記タッチ点の前記タッチ状態が終了されたことを検出する手段、及び、前記タッチ状態が終了された移動終点まで前記ゲームオブジェクトの前記移動を継続させる制御を行う手段、
前記特定のゲームオブジェクトから移動された前記タッチ点に向けて延びる方向指示直線を前記タッチパネル上に表示する手段、
前記タッチ点の前記タッチ状態が終了されたことを検出した後であって且つ前記ゲームオブジェクトの前記移動終点への移動が継続されている状態において、前記プレイヤが前記方向指示直線上の端点を含むいずれかの点に再タッチ操作を行ったことを検出する手段、
当該再タッチ操作による前記方向指示直線上の再タッチ点がタッチ状態を維持した状態で移動したことを検出する手段、及び、当該タッチ点の移動を検出した直後から前記特定のゲームオブジェクトを移動された前記再タッチ点に向かって直線的に移動開始させる制御を行う手段、
として機能させるゲームオブジェクト制御プログラム。
【請求項3】
タッチパネルを備えた端末上で実行されるゲームオブジェクト制御プログラムであって、
前記端末を、
複数のゲームオブジェクトを前記タッチパネルに表示する手段、
前記複数のゲームオブジェクトのうち特定のゲームオブジェクトに対して前記タッチパネルを介してプレイヤがタッチ操作を行ったことを検出する手段、及び、前記タッチ操作により当該特定のゲームオブジェクトが前記プレイヤに選択されたことを判断する手段、
前記タッチ操作によるタッチ点がタッチ状態を維持した状態で移動したことを検出する手段、及び、前記タッチ点の移動を検出した直後から前記特定のゲームオブジェクトを移動された前記タッチ点に向かって直線的に移動開始させる制御を行う手段、
移動された前記タッチ点の前記タッチ状態が終了されたことを検出する手段、及び、前記タッチ状態が終了された第1移動目標まで前記ゲームオブジェクトの前記移動を継続させる制御を行う手段、
前記タッチ点の前記タッチ状態が終了されたことを検出した後であって且つ前記ゲームオブジェクトの前記第1移動目標への移動が継続されている状態において、前記第1移動目標に前記プレイヤによる再タッチ操作が行われたことを検出する手段、
当該再タッチ操作による再タッチ点がタッチ状態を維持した状態で第2移動目標に移動したことを検出する手段、
前記特定のゲームオブジェクトが前記第1移動目標に到達した後に、前記特定のゲームオブジェクトを前記第1移動目標から前記第2移動目標に向かって直線的に移動開始させる制御を行う手段、
として機能させるゲームオブジェクト制御プログラム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のゲームオブジェクト制御プログラムであって、
前記端末を、
前記ゲームオブジェクトの前記移動に加速度を持たせる手段として更に機能させるゲームオブジェクト制御プログラム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のゲームオブジェクト制御プログラムを格納するゲーム端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、タッチパネルを備えた端末上で実行されるゲームに用いられるゲームオブジェクトの制御プログラム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ゲーム業界においては様々なゲームがリリースされており、これに伴ってゲームの操作方法も多種多様なものが提案されている。このような操作方法のひとつとして、タッチパネルに表示されたゲームオブジェクト(例えば、プレイヤキャラクタ)をユーザの指等で直接操作する技術が提案されており、ユーザビリティを向上させることでよりゲームを楽しめる工夫がなされている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−26129号公報
【特許文献2】特開2009−18202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び特許文献2に開示されている技術は、いずれも、プレイヤによってタッチパネル上に描かれた軌跡に沿ってゲームオブジェクトを移動させるものである。
【0005】
しかしながら、例えば、リアルタイムストラテジー(Real−Time Strategy:以下、「RTS」と呼ぶ。)ゲーム等においては、侵攻の「経路」よりも、侵攻の「目標(到達したい位置)」を重要視して戦略を立てる場合が多い。従って、このようなゲームにおいては、軌跡に沿って侵攻させる機能よりも、設定した目標(到達したい位置)まで最短距離で侵攻する機能の必要性が高い。
【0006】
また、上記RTSゲームにおいては、プレイヤ自身以外の第三者またはコンピュータプログラムが操作するゲームオブジェクトの現在位置とプレイヤが予測するそれらの移動先に応じ、臨機応変に、プレイヤ自身が操作するゲームオブジェクトを移動させようとする目標(到達したい位置)を変更する操作を行うことが求められる。しかしながら、一度目標として設定した目標(到達したい位置)の移動中に当該目標(到達したい位置)を他の目標(到達したい位置)へ変更したい場合等、ゲームオブジェクトの柔軟な操作が要求される場合が多いにもかかわらず、特許文献1及び特許文献2のいずれもこのような操作について言及されていない。
【0007】
以上より、特許文献1及び特許文献2に開示されている技術では、RTSゲームに適した操作を行うには不十分である。
【0008】
そこで、本発明は、ユーザビリティを向上させる技術に関して、特に、RTSゲームにおけるゲームオブジェクトの柔軟な操作を可能とした技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、第1のゲームオブジェクト制御プログラムとして、
タッチパネルを備えた端末上で実行されるゲームオブジェクト制御プログラムであって、
前記端末に、
複数のゲームオブジェクトを前記タッチパネルに表示する手段、
前記複数のゲームオブジェクトのうち特定のゲームオブジェクトに対して前記タッチパネルを介してプレイヤがタッチ操作を行ったことを検出する手段、及び、前記タッチ操作により当該特定のゲームオブジェクトが前記プレイヤに選択されたことを判断する手段、
前記タッチ操作によるタッチ点がタッチ状態を維持した状態で移動したことを検出する手段、及び、前記タッチ点の移動を検出した直後から前記特定のゲームオブジェクトを移動された前記タッチ点に向かって直線的に移動開始させる制御を行う手段、
移動された前記タッチ点の前記タッチ状態が終了されたことを検出する手段、及び、前記タッチ状態が終了された移動終点まで前記ゲームオブジェクトの前記移動を継続させる制御を行う手段、
として機能させる
ゲームオブジェクト制御プログラムが得られる。
【0010】
本発明によれば、第2のゲームオブジェクト制御プログラムとして、第1のゲームオブジェクト制御プログラムであって、
前記端末に、
前記タッチ点の前記タッチ状態が終了されたことを検出した後であって且つ前記ゲームオブジェクトの前記移動終点への移動が継続されている状態において、前記プレイヤが、前記移動終点に再タッチ操作を行ったことを検出する手段、
当該再タッチ操作による再タッチ点がタッチ状態を維持した状態で移動したことを検出する手段、及び、当該再タッチ点の移動を検出した直後から前記特定のゲームオブジェクトを移動された前記再タッチ点に向かって直線的に移動開始させる制御を行う手段、
として更に機能させる
ゲームオブジェクト制御プログラムが得られる。
【0011】
本発明によれば、第3のゲームオブジェクト制御プログラムとして、第1のゲームオブジェクト制御プログラムであって、
前記端末に、
前記特定のゲームオブジェクトから移動された前記タッチ点に向けて延びる方向指示直線を前記タッチパネル上に表示する手段、
として更に機能させる
ゲームオブジェクト制御プログラムが得られる。
【0012】
本発明によれば、第4のゲームオブジェクト制御プログラムとして、第3のゲームオブジェクト制御プログラムであって、
前記端末に、
前記タッチ点の前記タッチ状態が終了されたことを検出した後であって且つ前記ゲームオブジェクトの前記移動終点への移動が継続されている状態において、前記プレイヤが前記方向指示直線上の端点を含むいずれかの点に再タッチ操作を行ったことを検出する手段、
当該再タッチ操作による前記方向指示直線上の再タッチ点がタッチ状態を維持した状態で移動したことを検出する手段、及び、当該タッチ点の移動を検出した直後から前記特定のゲームオブジェクトを移動された前記再タッチ点に向かって直線的に移動開始させる制御を行う手段、
として更に機能させる
ゲームオブジェクト制御プログラムが得られる。
【0013】
本発明によれば、第5のゲームオブジェクト制御プログラムとして、第1のゲームオブジェクト制御プログラムであって、
前記端末に、
前記タッチ点の前記タッチ状態が終了されたことを検出した後であって且つ前記ゲームオブジェクトの前記移動終点への移動が継続されている状態において、前記移動終点に前記プレイヤによる再タッチ操作が行われたことを検出する手段、
当該再タッチ操作による再タッチ点がタッチ状態を維持した状態で移動したことを検出する手段、
前記特定のゲームオブジェクトを移動された前記再タッチ点に向かって、前記移動終点を経由して直線的に移動開始させる制御を行う手段、
として更に機能させる
ゲームオブジェクト制御プログラムが得られる。
【0014】
本発明によれば、第6のゲームオブジェクト制御プログラムとして、第1乃至第5のいずれかに記載のゲームオブジェクト制御プログラムであって、
前記端末に、
前記ゲームオブジェクトの前記移動に加速度を持たせる手段
として更に機能させる
ゲームオブジェクト制御プログラムが得られる。
【0015】
本発明によれば、第1乃至第6のいずれかのゲームオブジェクト制御プログラムを格納するゲーム端末が得られる。
【0016】
本発明によれば、タッチパネルを備えた端末上で実行されるゲームに用いられるゲームオブジェクトの制御方法であって、
複数のゲームオブジェクトを前記タッチパネルに表示するステップと、
前記複数のゲームオブジェクトのうち特定のゲームオブジェクトに対して前記タッチパネルを介してプレイヤがタッチ操作を行った場合に、前記タッチ操作により当該特定のゲームオブジェクトが前記プレイヤに選択されたことを判断するステップと、
前記タッチ操作によるタッチ点がタッチ状態を維持した状態で移動された場合に、前記タッチ点の移動を検出した直後から前記特定のゲームオブジェクトを移動された前記タッチ点に向かって直線的に移動開始させる制御を行うステップと、
移動された前記タッチ点の前記タッチ状態が終了された場合に、前記タッチ状態が終了された移動終点まで前記ゲームオブジェクトの前記移動を継続させる制御を行うステップと、を備える
ゲームオブジェクトの制御方法が得られる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、タッチパネル上において、タッチ操作により選択したゲームオブジェクトがタッチ点に向けて常に最短経路で移動するように指示を与えることができる。これにより、RTSゲームに適した操作を行うことができる。
【0018】
また、一度決定した移動目標(タッチ点)を後から変更することができるため、ゲーム進行中におけるゲームオブジェクトの柔軟な操作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1の実施の形態によるゲーム制御プログラムが実行される携帯端末の外観図である。
【
図2】
図1の携帯端末の構成を模式的に示すブロック図である。
【
図3】
図1の携帯端末における、プレイヤの操作の検出、検出に基づく制御、制御の結果の表示の流れを示すブロック図である。
【
図4】プレイヤの操作と制御部の処理との対応関係を示した図である。
【
図5】プレイヤの操作に基づいて、ゲームオブジェクトの移動が制御される様子を表す模式図である。
【
図6】プレイヤの操作に基づいて、ゲームオブジェクトの移動が制御される様子を表す他の模式図である。
【
図7】ゲームオブジェクトからタッチ点に向けて延びる方向指示線が、タッチ点の移動によって変化する様子を表す模式図である。
【
図8】本発明の第2の実施の形態によるゲーム制御プログラムによるゲームオブジェクトの移動の制御を表す模式図である。
【
図9】本発明の第3の実施の形態によるゲーム制御プログラムによるゲームオブジェクトの移動の制御を表す模式図である。
【
図10】
図9に示される経路に従って、ゲームオブジェクトの移動が予約された際の、予約地点の座標を管理するテーブルの例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施の形態)
本発明の実施の形態によるゲームオブジェクト制御プログラムは、
図1に示されるような端末1において実行されるゲームプログラムの一部を構成する。ゲームプログラムとしては、所謂リアルタイムストラテジー(Real−Time Strategy:以下、「RTS」と呼ぶ。)ゲーム等が例として挙げられ、当該ゲームにおいて、本実施の形態によるゲームオブジェクト制御プログラムは、プレイヤが操作可能なゲームオブジェクトの移動を制御するものである。
【0021】
なお、端末1としては、例えば、携帯電話機、PDA、スマートフォン、タブレット型コンピュータ等のデバイスが該当するが、これに限られない。
【0022】
図2に示されるように、端末1は、互いにバス接続されたCPU2、主記憶3、補助記憶4、送受信部5及び表示部6を備えている。このうち主記憶3は例えばDRAMなどで構成されており、補助記憶4は例えばHDDなどで構成されている。補助記憶4には、本実施の形態によるゲームオブジェクト制御プログラムが格納されている。ゲームオブジェクト制御プログラムは、主記憶3上に展開されCPU2によって実行される。なお、主記記憶3上には、CPU2がゲームオブジェクト制御プログラムに従って動作している間に生成したデータやCPU2によって利用されるデータも一時的に格納される。送受信部5はCPU2の制御により端末1とネットワークとの接続を確立する。
【0023】
本実施の形態における表示部6は上述したタッチパネル60に相当し、
図3に示されるように、タッチセンシング部601と液晶表示部602とを有している。制御部603は、タッチセンシング部601から送信される操作信号に基づいて液晶表示部602に対して表示信号を送信する。詳しくは、タッチセンシング部601は、プレイヤによるインタラクティブなタッチ操作(タッチパネル60に対する物理的接触操作等)を受け付け、当該操作を操作信号に変換して制御部603に送信する。プレイヤのタッチ操作は、プレイヤの指によりなされても良いし、スタイラス等でも良い。タッチセンシング部は、例えば、静電容量タイプのものを採用することができるが、これに限定されるものではない。制御部603は、タッチセンシング部601からの操作信号を検出すると、当該操作信号に応じたグラフィック(図示せず)を表示するための表示信号を液晶表示部に送信する(詳しくは後述する)。液晶表示部602は、表示信号に応じたグラフィックを表示する。
【0024】
図4に示されるように、本実施の形態によるゲームオブジェクト制御プログラムにおいては、プレイヤによる操作に対応する制御部の処理内容は予め定められている。即ち、タッチ操作(タッチオン:プレイヤの指等をタッチパネルに接触させる操作)がされた場合、制御部603は、タッチ操作がなされた点の座標の値を取得するとともに、タッチ操作によってプレイヤに選択されたゲームオブジェクトを特定する。その後、プレイヤによってタッチ状態を維持した状態で(即ち、タッチ操作がされてから一度も指等をタッチパネル60から離さないで)タッチ点が移動された場合、移動するタッチ点の座標を取得し、当該移動先のタッチ点に向けてゲームオブジェクトを直線的に移動させる。移動するタッチ点の座標の取得は移動中所定のタイミングで連続的に行われ、その都度ゲームオブジェクトの移動方向が演算される(詳しくは後述する)。タッチ操作が終了されると(タッチオフ:プレイヤの指等がタッチパネルから離されると)タッチ操作が終了された点(即ち、最後にタッチパネル60と接触していた点)までゲームオブジェクトの直線的な移動が行われる。
【0025】
次にプレイヤによる操作と、実際のタッチパネル60上に表示されるゲームオブジェクトの制御との関係を、
図5及び
図6を参照して説明する。
【0026】
図5は、プレイヤがタッチパネル60上のA(X
1,Y
1)上のゲームオブジェクト100をタッチオンし、B(X
2,Y
2)及びB
1(X
B1,Y
B1)へと移動させたときのゲームオブジェクト100の移動を模式的に表したものである。なお、A、B及びB
1へ移動する過程において、プレイヤの指はタッチオン状態を維持されたまま(タッチパネル60と接触されたまま)である。詳しくは、プレイヤがゲームオブジェクト100をタッチオンした際、ゲームオブジェクト制御プログラム側では、当該ゲームオブジェクト100が移動の対象としてユーザにより選択されたと判断する。その後、プレイヤの指がAからBへ移動された場合、Aの座標(X
1,Y
1)とBの座標(X
2,Y
2)とから単位ベクトル(方向ベクトル)e
1を算出し、当該ベクトルに沿ってゲームオブジェクト100を移動させる。ここで、本実施の形態においては、タッチ点の移動を検出した直後から、ゲームオブジェクト100を移動されたタッチ点に向かって移動開始させることとしているため、プレイヤの指がAから離れた瞬間からゲームオブジェクト100は当該指(タッチ点)を追いかけるようにして移動を開始する。図においては、プレイヤの指がBにあるとき、ゲームオブジェクト100は、既にB´の位置まで進んでいる。この状態で、プレイヤの指がBからB
1に移動された場合、B´の座標(=ゲームオブジェクト100の現在座標)と、B
1の座標(=プレイヤの指の現在座標)とから単位ベクトル(方向ベクトル)e
2が演算されゲームオブジェクト100は、B´からB´
1まで移動する。即ち、プレイヤの指がB
1にあるとき、ゲームオブジェクト100は、既にB´
1の位置まで進んでいる。
【0027】
なお、ゲームオブジェクト100の移動方向の演算、即ち、ゲームオブジェクト100の現在座標とプレイヤの指の現在座標とから算出される単位ベクトルは、所定の間隔で演算が繰り返され随時更新され、これに基づいて(その時点における)ゲームオブジェクト100の移動方向が決定される。る。従って、ゲームオブジェクト100は、ほぼリアルタイム(例えば、0.2秒毎)にプレイヤの指に向かって常に直線的に移動することとなる。
【0028】
次に、
図6を参照して、プレイヤがタッチパネル60上において、A(X
1,Y
1)、B(X
2,Y
2)、C(X
3,Y
3)及びD(X
4,Y
4)とタッチ点を移動し、最後のD(X
4,Y
4)においてタッチオフ操作を行った場合を例にとり、ゲームオブジェクト100の移動の制御を説明する。なお、
図6において、プレイヤの指の位置A、B、B
1、B
2、C、C
1、C
2、Dと、ゲームオブジェクト100の位置A´、B´、B´
1、B´
2、C´、C´
1、C´
2、D´とは対応している。
図6に示されるように、プレイヤがタッチパネル上のAをタッチオンすることによって、制御部(
図3参照)は、A(A´)に位置しているゲームオブジェクト100が移動の対象として選択されたものと判断する。プレイヤがタッチ点を(タッチオンの状態のまま)AからBに移動させると、ゲームオブジェクト100は、タッチ点の移動が開始された直後からタッチ点を追いかけるようにして最終的にはBに向けて直線的に移動を開始する。図示されているように、タッチ点がBにあるとき、ゲームオブジェクト100はB´位置まで移動している。その後、プレイヤがCを目指してタッチ点をB
1、B
2、Cへと移動すると、ゲームオブジェクト100の移動方向(=移動目標)がB
1、B
2、Cへと随時変化し、B´
1、B´
2、C´の位置を経て移動する。続いて、ゲームオブジェクト100がCまで移動する前に、プレイヤがタッチ点をC、C
1、C
2、Dへと移動すると、ゲームオブジェクト100の移動方向(=移動目標)は、C
1、C
2、Dへと随時変化し、C´
1、C´
2、D´を経て移動する。プレイヤがDにおいてタッチオフ操作を行うと、当該タッチオフ操作がされた点が最終移動方向(最終移動目標)となり、ゲームオブジェクト100はD´からDまで移動した後に停止する。
図6から明らかなように、本実施の形態においては、ゲームオブジェクト100は、タッチ点を移動目標として、これに向けて移動するため、タッチ点の移動の軌跡(即ち、A、B、C、Dを結んだ線)と、ゲームオブジェクト100の移動の軌跡(A´、B´、C´、D´を滑らかに結んだ線)とは必ずしも一致しない。
【0029】
なお、
図7に示されるように、ゲームオブジェクト100からタッチ点に向けて延びる方向指示直線200を表示することとしてもよい。これにより、プレイヤは、ゲームオブジェクト100の移動方向及び移動終点を把握することができる。方向指示直線200の先端は、タッチ点の移動によって向きが変わるため、タッチ点がE
1からE
4へと移動したときの方向指示直線200の表示は
図7に示されるように表示される。このとき、ゲームオブジェクト100は、E´
1、E´
2、E´
3、E´
4を経て移動する。
【0030】
(第2の実施の形態)
上述した第1の実施の形態においては、プレイヤによるタッチオフ操作がなされた地点がゲームオブジェクト100の最終移動目標となった。しかし、ゲームオブジェクト100が最終目標に移動完了する前に、当該最終目標地点を変更できることとすれば、より戦略的にゲームを進めることができる。本発明の第2の実施の形態によるゲームオブジェクト制御プログラムは、最終目標(タッチオフ操作がされた点)にゲームオブジェクトが到達する前であれば、一度設定した最終目標地点を別の場所に再設定することができるものである。以下、第1の実施の形態と共通する部分については説明を簡略化し、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0031】
図8は、プレイヤが、A(X
1,Y
1)にあるゲームオブジェクト100をタッチオン操作で選択しタッチ点をB(X
2,Y
2)に移動してタッチオフ操作し、その後、ゲームオブジェクト100がタッチオフ操作を行ったB(X
2,Y
2)に移動完了する前に、当該B(X
2,Y
2)をタッチオン操作しタッチ点をC(X
3,Y
3)に移動してタッチオフ操作したときのゲームオブジェクトの動きを示している。プレイヤがBでタッチオフ操作した際、ゲームオブジェクトはB´に位置しBに向かって移動中である。このとき、ゲームオブジェクト100は、Bを移動目標として移動している。ここで、Bをタッチオン操作しタッチ点をCにずらすことによりゲームオブジェクト100には新たな移動目標Cが与えられCに向かって移動を開始することとなる。
【0032】
なお、本実施の形態においては、移動目標(タッチオフ操作をした点)をタッチオン操作して移動することとしたが、例えば、
図7に示した方向指示直線が表示される場合には、当該方向指示直線をタッチオン操作して、移動目標を再設定することとしてもよい。
【0033】
(第3の実施の形態)
上述した第2の実施の形態においては、移動目標(タッチオフ操作がされた点)が移動されると、ゲームオブジェクト100は、即座に新たな移動目標に向かって移動することとしていた(
図8のB´からC´への移動を参照)。しかし、RTSゲームにおいては、複数の地点を経由して最終目標地点に移動させたい場合がある。第3の実施の形態によれば、このような移動目標の予約を行うことが可能となる。以下、第1の実施の形態と共通する部分については説明を簡略化し、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0034】
図9は、プレイヤが、A(X
1,Y
1)にあるゲームオブジェクト100をタッチオン操作で選択しタッチ点をB(X
2,Y
2)に移動後タッチオフ操作を行い、ゲームオブジェクト100がB(X
2,Y
2)に移動完了する前に当該B(X
2,Y
2)をタッチオン操作しタッチ点をC(X
3,Y
3)に移動してタッチオフ操作を行い、ゲームオブジェクト100がC(X
3,Y
3)に移動完了する前に当該C(X
3,Y
3)をタッチオン操作しタッチ点をD(X
4,Y
4)に移動してタッチオフ操作を行った場合の、ゲームオブジェクトの動きを示している。プレイヤがBでタッチオフ操作した際、ゲームオブジェクトはB´に位置しBに向かって移動中である。このとき、ゲームオブジェクト100は、Bを第1移動目標として移動している。ここで、Bをタッチオン操作しタッチ点をCにずらす(即ち、タッチ点をCに移動してタッチオフ操作を行う)ことによりゲームオブジェクト100には第2移動目標Cが与えられる。その後、Cをタッチオン操作しタッチ点をDにずらす(即ち、タッチ点をDに移動してタッチオフ操作を行う)ことによりゲームオブジェクト100には第3移動目標Dが与えられる。このとき、ゲームオブジェクト100はB、Cを経由して、Dに移動する。なお、ゲームオブジェクト100に与えられる移動目標の座標(即ち、タッチオフがあった点の座標)は、
図10に例示される予約座標管理テーブルに記録され、ゲームオブジェクト100が当該テーブルの予約位置に移動完了すると(即ち、ゲームオブジェクト100の座標と、予約座標とが一致すると)、次の移動目標がゲームオブジェクト100に与えられ移動開始するように制御される。
【0035】
以上説明したように、本発明によれば、タッチパネル上において、タッチ操作により選択したゲームオブジェクトがタッチ点に向けて常に最短経路で移動(直線的に移動)するように指示を与えることができる。これにより、RTSゲームに適した操作を行うことができる。また、一度決定した移動目標(タッチ点)を後から変更することができるため、ゲーム進行中におけるゲームオブジェクトの柔軟な操作が可能となる。
【符号の説明】
【0036】
1 端末
2 CPU
3 主記憶
4 補助記憶
5 送受信部
6 表示部
60 タッチパネル
100 ゲームオブジェクト
200 方向指示直線
601 タッチセンシング部
602 液晶表示部
603 制御部