【文献】
芝田隆広,目的別地図サイト活用法,PC Japan 2008年6月号,日本,ソフトバンククリエイティブ株式会社,2008年 6月 1日,第13巻 第6号,pp.84-91
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記選択手段は、前記ルート設定手段によりルートが設定された時に、その設定されたルートに関する全ての検索エリアについて、前記検索エリア内に設置されている各自動速度違反取締装置の設置方向と、前記道路の進行方向と、が適合する自動速度違反取締装置を選択する
請求項1に記載の自動速度違反取締情報提供装置。
前記自動速度違反取締装置の設置方向と前記道路の進行方向とが適合する場合とは、前記自動速度違反取締装置の設置方向と前記道路の進行方向とが一致する、又は、それらの方向の相違が所定の範囲内である場合である
請求項3に記載の自動速度違反取締情報提供装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術では、レーダーを車載することが必要である。さらに、レーダーを車載した場合であっても、反対車線向けのオービス装置を検知してしまう場合、及び高速道路向けのオービス装置と一般道向けのオービス装置との区別が付かないなどの問題がある。
【0007】
また、地図データにオービス装置の設置位置に関する情報が組み込まれている場合には、オービス装置が廃止されたり、新設または移動されたりした場合に迅速に更新することができないという問題もある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、車両が走行しているときに、その車両に対して影響するオービス装置に関する情報を提供することである。
【0009】
本発明の別目的は、オービス装置に関する情報の提供に際して、オービス装置の変動に迅速に対応できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一つの実施態様に従う自動速度違反取締情報提供装置は、複数の自動速度違反取締装置について、それぞれが設置されている設置位置と、それぞれが取り締まり対象とする道路の進行方向を示す設置方向とを記憶する記憶手段と、出発地から目的地までのルートを設定するルート設定手段と、前記ルート設定手段により設定されたルートの周辺のエリアを含む検索エリアを設定する検索エリア設定手段と、前記検索エリア設定手段により設定された検索エリア内に設置されている一以上の自動速度違反取締装置を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された一以上の自動速度違反取締装置のうち、その設置方向と、その設置位置に対応するルート区間の道路の進行方向とが適合する自動速度違反取締装置を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された自動速度違反取締装置の設置位置に基づく自動速度違反取締情報を出力する出力手段と、を備える。
【0011】
好適な実施態様では、前記自動速度違反取締装置情報記憶手段には、前記複数の自動速度違反取締装置が取り締まり対象とする道路の道路種別をさらに含んでもよい。そして、前記選択手段は、前記抽出手段により抽出された一以上の自動速度違反取締装置のうち、その道路種別と、その設置位置に対応するルート区間の道路の道路種別とが適合する自動速度違反取締装置を選択するようにしてもよい。
【0012】
好適な実施形態では、現在位置を検出する手段をさらに備えてもよい。そして、前記出力手段は、前記検出された現在位置が前記選択された自動速度違反取締装置の設置位置の上流であって、かつ、前記検出された現在位置と、前記選択された自動速度違反取締装置の設置位置との距離が予め定められた距離以下のときに前記自動速度違反取締情報を出力するようにてもよい。
【0013】
好適な実施形態では、前記検索エリア設定手段は、前記ルート上の点を中心とした矩形の単位エリアを複数組み合わせて、前記検索エリアを設定するようにしてもよい。
【0014】
好適な実施形態では、前記検索エリア設定手段は、前記単位エリアを正方形とし、かつ、前記出発地から前記目的地までの前記検索エリアが途切れないように、前記単位エリアを組み合わせて前記検索エリアを設定するとき、前記検索エリアの最も幅の狭い箇所が所定以上の距離となるように、前記正方形の一辺の長さ及び各正方形の中心点間距離を定めるようにしてもよい。
【0015】
好適な実施形態では、前記自動速度違反取締情報提供装置は、携帯端末及びサーバにより構成されていて、前記サーバが、前記記憶手段と、前記検索エリア設定手段と、前記抽出手段とを備え、前記携帯端末が、前記ルート設定手段と、前記選択手段と、前記出力手段と、を備えるようになっていてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係るナビゲーションシステムについて、図面を参照して説明する。本実施形態にかかるナビゲーションシステムは、走行中の車両に影響する自動速度違反取締装置(オービス装置)に関する情報を提供する自動速度違反取締情報提供装置としての機能を含む。
【0018】
図1は、本実施形態に係るナビゲーションシステムの全体構成を示す図である。同図に示すように、本システムは、本システムのユーザが携帯可能なユーザ端末装置1と、ユーザ端末装置1と通信可能なサーバ3とを有する。
【0019】
ユーザ端末装置1は、通信機能を有する可搬型のコンピュータを含む端末装置であればよく、例えば、携帯電話機、携帯情報端末、あるいは可搬型のパーソナルコンピュータなどでもよい。サーバ3は、例えば汎用的なコンピュータシステムにより構成されてもよい。ユーザ端末装置1とサーバ3とは、図示しない有線及び無線のネットワークを介して通信可能である。以下に説明するユーザ端末装置1及びサーバ3内の個々の構成要素または機能は、例えば、コンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0020】
ユーザ端末装置1は、ユーザインタフェースとして、プッシュボタン、ポインティングデバイス、またはタッチパネルなどの入力装置101と、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイなどの表示装置102と、otowoスピーカ103とを有する。さらに、ユーザ端末装置1は、内部の機能として、ルート検索エンジン11と、オービス選択部13と、警報対象オービスデータ記憶部15と、表示制御部16と、音出力制御部17と、警報判定部18と、GPS処理部19とを有する。
【0021】
表示装置102及びスピーカ103は、警報対象オービスデータ記憶部15に保存されているオービス装置の設置位置に基づく自動速度違反取締情報を出力する出力手段である。
【0022】
サーバ3は、内部の機能として、オービスデータ記憶部31と、地図画像データ記憶部33と、検索エリア設定部35と、オービス抽出部37とを有する。
【0023】
オービスデータ記憶部31は、各オービス装置の設置条件などに関するオービスデータを記憶する。本実施形態では、外部のシステムで生成されたオービスデータを取り込んで、オービスデータ記憶部31に記憶する。オービスデータには、例えば、複数のオービス装置について、それぞれが設置されている設置位置と、それぞれが取り締まり対象とする道路の進行方向を示す設置方向とが含まれる。さらには、オービスデータに、各オービスが取り締まり対象とする道路の道路種別を含んでもよい。
【0024】
図2にオービスデータ310の一例を示す。同図に示すように、オービスデータ310は、オービスID311と、設置位置313と、道路種別315と、取締車線方向317とをデータ項目として有する。オービスID311は、各オービス装置の識別情報である。設置位置313は、オービス装置が設置されている位置を緯度及び経度で示す。道路種別315は、オービス装置が取り締まりの対象としている道路の種別を示す。道路種別315は、例えば、一般道路であるかまたは高速道路であるかを示す。取締車線方向317は、オービス装置が取り締まりを行う対象の道路の進行方向を示す。進行方向は、例えば、真北を基準とした一周360°を0〜359の数値で示してもよい。
【0025】
図1に戻ると、地図画像データ記憶部33は、ユーザ端末装置1でユーザに対して提供する地図画像の画像データを記憶する。本実施形態では、地図画像データ記憶部33には、予め地図画像データが記憶されている。ユーザ端末装置1からの要求を受けると、地図画像データ記憶部33に記憶されている地図画像データがユーザ端末装置1へ送信される。
【0026】
検索エリア設定部35は、ユーザ端末装置1のルート検索エンジン11により設定されたルートの周辺のエリアを含む検索エリアを設定する。例えば、検索エリア設定部35は、ルート検索エンジン11が設定したルートを示すルートデータを取得する。ルートデータは、例えば、出発地から目的地までに通過する複数のノードを、通過順にノードの位置(緯度及び経度)を示すデータを並べたデータである。なお、検索エリア設定部35は、ユーザ端末装置1に搭載されていてもよい。
【0027】
図3に、ルートデータ500の一例を示す。ルートデータ500は、ルートの順序501と、ノードID503と、ノード位置505とをデータ項目として有する。順序501は、出発地(S)から目的地(G)までのルートを構成するノードの順序である。ノードID503は、ルートに含まれるノードの識別情報である。ノード位置505は、各ノードの位置であり、緯度及び経度で示される。
【0028】
再び
図1に戻ると、検索エリア設定部35は、ルート上の点を中心とした矩形を複数組み合わせて、検索エリアを設定してもよい。例えば、検索エリア設定部35は、所定間隔でルート上の点を選択し、選択された点を中心とした矩形(単位エリア)を複数組み合わせて、検索エリアを設定してもよい。検索エリア設定の詳細は後述する。
【0029】
オービス抽出部37は、検索エリア設定部35により設定された検索エリア内に設置されている一以上のオービス装置を候補オービス装置として抽出する。オービス抽出部37は、例えば、設置位置313が検索エリア内に入っているオービス装置を候補オービス装置として、そのオービスID311を特定する。検索エリア設定部35は、オービスデータ310から、候補オービス装置のオービスID311に係るデータレコードを取得して、これらを候補オービスデータ900としてユーザ端末装置1へ送信する。なお、オービスデータ記憶部31及びオービス抽出部37は、ユーザ端末装置1に搭載されていてもよい。
【0030】
図4は、ルート検索エンジン11が設定したルートと、そのルートに対するオービス装置の配置を示す模式図である。
図5は、
図4に示す状況での検索エリアの説明図である。以下、
図4及び
図5を参照して、検索エリア600の設定及びオービスの抽出について説明する。
【0031】
まず、
図4は、出発地(S)から目的地(G)までノードN1〜N6を、この順序に経由するルートRを示す。途中、ノードN4とN5間は高速道路である。さらに、
図4には、オービス装置O1〜O11が、それぞれの設置位置313に対応する位置に、取締車線方向317を示す矢印で表示されている。オービス装置O6及びO7の道路種別315が高速道路であり、その他は一般道である。
【0032】
このようなとき、検索エリア設定部35は、
図5に示すようなルートR上の複数の点を中心にした矩形の単位エリア601〜612を並べて検索エリア600を設定する。各矩形の単位エリア601〜612の中心点は、ルートR上に所定の距離ごとに設定してもよい。ここでは矩形単位エリア601〜612はいずれも正方形としているが、長方形でもよい。検索エリア設定部35は、出発地から目的地までの検索エリアが途切れないように、単位エリアを組み合わせて検索エリアを設定するとき、検索エリアの最も幅の狭い箇所が所定以上の距離となるように、正方形の一辺の長さ及び各正方形の中心点間距離を定めてもよい。
【0033】
図6は、単位エリアの一辺の長さと、単位エリアの中心点間距離の関係を示す説明図である。同図を参照して、単位エリアの一辺の長さと、単位エリアの中心点間距離の関係について説明する。
【0034】
同図には、ルートR上の点を中心点C1、C2として有する二つの単位エリア613,614が重なるように配置したとき、重なるエリア(図中のハッチングしたエリア)の幅が最も狭くなる場合、つまり、二つの単位エリアの互いの対角線が一致する位置関係となる場合を示している。複数の矩形の単位エリアを組み合わせて、かつ、検索エリアがとぎれないように連続させるとき、同図に示す位置関係のときが、検索エリア600の幅が最も狭くなる。このとき、検索エリア600が最も狭い場所でのルートRからの距離をa、正方形の一辺の長さをb、中心点間距離をXとする。このとき、以下の式が成り立つ。
【0035】
ここで、ルートRからの距離が最も短くなる距離aを500m、正方形の一辺の長さbを3kmとすると、中心点間距離Xは約3.24kmとなる。また、正方形の一辺の長さbは、地域によって異なってもよい。例えば、都市部では、郊外よりも正方形の一辺の長さbが短くてもよい。都市部であるか郊外であるかの判定は、例えば、地図中で所定の範囲内に存在する所定の地図記号(例えばコンビニエンスストア)の数などで行ってもよい。
【0036】
改めて
図1へ戻ると、オービス抽出部37は、単位エリアごとに、それぞれの単位エリア内にオービス装置が存在するか否かの判定を行って、全検索エリア内に存在するオービス装置を抽出する。例えば、オービス抽出部37は、それぞれの単位エリアの対角に位置する2つの頂点の緯度及び経度に基づいて、設置位置313がその単位エリア内に入るオービス装置のオービスID311を特定する。
図5の例では、オービス装置O1〜O11までのうち、オービス装置O4,O5及びO8が検索エリア600外で、それ以外のオービス装置(O1〜O3、O6、O7、O9〜O11)が候補オービス装置として抽出される。
【0037】
ユーザ端末装置1は、ルート検索エンジン11と、オービス選択部13と、警報対象オービスデータ記憶部15と、表示制御部16と、音出力制御部17と、警報判定部18と、GPS処理部19とを有する。
【0038】
ルート検索エンジン11は、出発地から目的地までのルートを設定する。例えば、ルート検索エンジン11は、入力装置101から出発地及び目的地を指定したルート検索要求を受け付けると、指定された出発地から目的地までのルート検索を行う。複数のルートが検索された場合、ユーザの選択に従ってそのうちの一つのルートを設定する。例えば、ルート検索要求において、出発地及び目的地は緯度及び経度によって指定されてもよい。本実施形態で用いるルート検索エンジン11は、一般的なナビゲーションシステムなどで用いられる周知のルート検索エンジンを用いてもよい。ルート検索エンジン11は、設定されたルートのルートデータ500をサーバ3へ送信する。なお、ルート検索エンジン11は、サーバ装置3に搭載されていてもよい。
【0039】
オービス選択部13は、サーバ3のオービス抽出部37で抽出された一以上のオービス装置のうち、その設置方向と、その設置位置に対応するルート区間の道路の進行方向とが適合するものを選択する。
【0040】
例えば、オービス選択部13は、まずオービス抽出部37から上述の候補オービスデータ900を取得する。さらに、オービス選択部13は、ルート検索エンジン11が設定したルートデータ500を取得する。そして、オービス選択部13は、候補オービスデータ900に含まれる一以上のオービス装置について、設定されているルートにおいて影響するオービス装置を選択する。具体的な選択方法は後述する。なお、オービス選択部13は、サーバ装置3に搭載されていてもよい。
【0041】
オービス選択部13で選択されたオービス装置を警報対象オービス装置として、そのオービスデータを警報対象オービスデータ記憶部15に保存する。ここで保存されるオービスデータのデータ項目は、オービスデータ記憶部31のデータ項目と同じでよい。
【0042】
図7を参照して、警報対象オービス装置の選択方法について詳細に説明する。
【0043】
まず、オービス選択部13は、候補オービスデータ900に含まれる各候補オービス装置について、以下の処理を行う。すなわち、オービス選択部13は、候補オービス装置の設置位置313を特定する。オービス選択部13は、ルートデータ500内のノード位置505を参照して、この候補オービス装置の設置位置313から最も近いノード(最寄りノード)を抽出する。ここで、オービス選択部13は、設定されたルート内で、その最寄りノードと隣り合う2つのリンクを特定し、その方向を算出する。
図6の例では、ある候補オービス装置の設置位置313の最寄りノードはノードNx、隣り合うリンクはリンクL1,L2、その方向はV1,V2である。リンクL1,L2の方向はV1,V2は、ノードNx−1、Nx、Nx+1の設置位置から求めてもよい。
【0044】
オービス選択部13は、ここで対象となっている候補オービス装置の取締車線方向317と、リンクL1,L2の方向V1,V2のいずれか一方または双方とが適合する場合、この候補オービスを選択する。ここで適合とは、方向が完全に一致する場合のほか、方向の相違が所定の範囲内であることを言う。
図7の例では、取締車線方向317とリンクL1,L2の方向V1,V2は適合している。
【0045】
図5の例では、上記の方向のマッチングにより、オービス装置O1,O7,O9,O10が選択される。
【0046】
また、オービス選択部13は、サーバ3のオービス抽出部37で抽出された一以上のオービス装置のうち、その道路種別と、その設置位置に対応するルート区間の道路の道路種別とが適合する自動速度違反取締装置を選択する。例えば、上記のようにして取締車線方向317と、対応するルート区間の道路の方向とが適合すると判定されたオービス装置のうち、さらに、道路種別315が対応するルート区間の道路の種別と一致するものを選択する。
【0047】
図5の例では、方向が一致するオービス装置O1,O7,O9,O10の中から、上記の道路種別のマッチングにより、道路種別が一致するオービス装置O1,O7,O10が選択される。これにより、設定されたルートを走行する車両に影響する、つまり、そのルート内の区間を取締対象としているオービス装置のみを抽出することができる。
【0048】
なお、本実施形態では、最寄りノードと隣り合うリンクを、候補オービス装置の設置位置313に対応するルート区間としているが、これ以外の方法で候補オービス装置の設置位置313とルート区間とを対応付けてもよい。例えば、候補オービス装置の設置位置313から近い順に複数(例えば2つまたは3つ)のノードを選択し、それらのノード間のリンクを対応するルート区間としてもよいし、候補オービス装置の設置位置313から最も近いリンクを対応するルート区間としてもよい。
【0049】
警報対象オービスデータ記憶部15は、オービス選択部13で選択されたオービス装置について、候補オービスデータ900に含まれているオービスデータを保存する。警報対象オービスデータ記憶部15に保存されるオービスデータは、ノードないしリンクとマッチングさせる必要はなく、他のデータから独立して存在するようにしてもよい。
【0050】
GPS処理部19は、図示しないGPSアンテナが受信したGPS信号に基づいて、ユーザ端末装置1の現在位置を検出する。この現在位置は、例えば緯度及び経度で特定される。GPS処理部19は、所定の時間間隔、ユーザから指示を受けたときなどの所定のタイミングで現在位置の測位を行う。なお、本実施形態では、GPSを利用して現在位置を特定しているが、これ以外にも、例えば、携帯電話の基地局から発信される電波、無線LANの基地局から発信される電波などを用いて現在位置を特定してもよい。
【0051】
表示制御部16は、表示装置102に種々の画面を表示させる。例えば、表示制御部16は、サーバ3から取得した地図画像データに基づいて、表示装置102に地図画像を表示させる。その際、ルート検索エンジン11が設定したルートを示すルート表示、及びGPS処理部19が検出した現在位置を示す現在位置表示を地図画像上に重ねて表示してもよい。また、ナビゲーションを行っている最中などは、ユーザ端末装置1の現在位置が移動するにつれて、表示装置102に表示させる地図画像をスクロールさせてもよいし、進行方向が画面の上になるように地図画像を回転させるヘッディングアップ表示をしてもよい。
【0052】
表示制御部16は、さらに、警報対象オービスデータ記憶部15に保存されている警報対象オービス装置について、地図画像上のその設置位置に対応する位置にオービス表示を行ってもよい。地図画像上のオービス表示の一例を
図8に示す。同図の例は、通常のナビゲーション画面700における地図画像上に、オービス表示710を重畳している。これにより、ナビゲーション中に地図画像を見たユーザは、ルート沿いに設置されているオービスの存在を視覚的に把握できる。
【0053】
音出力制御部17は、スピーカ103から音声あるいは音楽などの音を出力させるための制御を行う。例えば、音出力制御部17は、警報判定部18によって警報の出力が必要と判定されたときに、所定の音を出力する。本実施形態では、音声、音楽、警告音など種々の態様の音による警報を出力可能である。例えば、
図9に示すようなインタフェース画面800を表示装置102に表示させて、どの出力態様とするかをユーザに選択させることもできる。音出力制御部17は、インタフェース画面800で選択された音をスピーカ103から出力させる。
【0054】
警報判定部18は、オービスの存在を知らせるための情報(警報)の出力要否について判定する。例えば、警報判定部18は、GPS処理部19により検出された現在位置が警報対象オービス装置の設置位置の上流であって、かつ、検出された現在位置と、警報対象オービス装置の設置位置との距離が予め定められた距離以下であるか否かを判定する。つまり、警報判定部18は、このときにスピーカ103からの警報出力が必要であると判定する。警報の出力が必要とされる距離は、高速道路の方が一般道よりも長くてもよい。警報判定部18は、GPS処理部19により検出された現在位置が対象のオービス装置の位置を通過するまで、警報の出力要と判定してもよい。
【0055】
上記のような構成を有するナビゲーションシステムにおける処理手順について、フローチャートを参照しながら説明する。
【0056】
図10は、ナビゲーションを開始する前に実行されるナビゲーション準備処理である。
【0057】
まず、サーバ3が所定のインタフェース手段を介してオービスデータを取得し、オービスデータ記憶部31に保存する(S11)。既にオービスデータ記憶部31にオービスデータが保存されている場合は、この処理を省略可能である。
【0058】
次に、ユーザ端末装置1において、ユーザから入力装置101を介してルート検索要求が入力されると、ルート検索エンジン11がそのルート検索要求に応答してルート検索を行い、ルートを設定する(S13)。
【0059】
ここで設定されたルートを示すルートデータ500がユーザ端末装置1からサーバ3へ送信されると、サーバ3では、検索エリア設定部35がルートの近傍に存在するオービス装置の検索を行うための検索エリアを設定する(S15)。
【0060】
オービス抽出部37は、オービスデータ記憶部31を参照して、ステップS15で設定された検索エリア内のオービス装置を抽出する(S17)。ここで抽出されたオービス装置は、警報対象の候補となる候補オービス装置である。候補オービス装置のデータ900はユーザ端末装置1へ送信される。
【0061】
ユーザ端末装置1では、オービス選択部13が候補オービス装置の中から設定されているルートを走行する車両に影響を及ぼす警報対象オービス装置を選択する(S19)。選択された警報対象オービス装置のデータが警報対象オービスデータ記憶部15に保存される。
【0062】
これにより、ルート検索エンジンあるいは道路地図とは独立しているオービスデータの中から、設定したルートを取り締まりの対象としているオービス装置のみを抽出することができる。これにより、オービスデータをルート検索エンジンあるいは道路地図と異なるタイミングで最新データに更新することができる。
【0063】
図11は、ユーザ端末装置1がナビゲーション中にスピーカ103から警報を出力するための処理手順を示すフローチャートである。
【0064】
GPS処理部19が現在位置を検出する(S31)。
【0065】
警報判定部18は、警報対象オービスデータ記憶部15を参照して、現在位置の前方の所定距離以内に警報対象オービス装置が存在するか否かを判定する(S33)。現在位置の前方の所定距離以内に警報対象オービスが存在しないときは、ステップS31へ戻る。
【0066】
現在位置の前方の所定距離以内に警報対象オービスが存在する場合(S33:Yes)、音出力制御部17がスピーカ103から所定の警報を出力する(S35)。
【0067】
ユーザ端末装置1は、ナビゲーションが終了するまで、上記の処理を行う(S37)。
【0068】
これにより、ナビゲーションの最中に、ユーザ端末装置1を搭載して走行している車両の前方に、そのルートを取り締まりの対象としているオービス装置の存在を知らせることができる。
【0069】
上述した本発明の実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
【0070】
なお、本実施形態にかかるナビゲーションシステムは、ユーザ端末装置1及びサーバ3に分散して構成されているが、すべての機能をユーザ端末装置1に搭載することによって実現してもよい。あるいは、ユーザ端末装置1及びサーバ3で構成する場合であっても、ユーザ端末装置1及びサーバ3に本実施形態とは異なる態様の機能割り当てを行ってもよい。