(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1、第2および/または第3の偏光手段(R1、R2、R3)は、直線偏光した光学ビームの偏光を二重通過後90度回転するように構成されている1/4波長板または双方向のファラデー回転子を備えている請求項1ないし3の1項によるコヒーレント結合用受動装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の1つの目的は、長時間安定で、高エネルギおよび/または高出力を維持することができる少なくとも2本の増幅した光学ビームのコヒーレント合成用装置提案することである。
本発明の他の目的は、N台の光学増幅器のコヒーレント結合用装置を提案することである。
本発明のさらに他の目的は、任意の時間的状況を、連続状況からフェムト秒パルスまで任意のタイプの光学増幅器に応用できるコヒーレント結合用の装置と方法を提案することである。
【0011】
本発明は、コヒーレント結合の従来技術の欠点を矯正することを目的としており、より詳細には、複数台の光学増幅器のコヒーレント結合用受動装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、本コヒーレント結合用受動装置は、少なくとも4本の分岐をもつ振幅分割干渉計を備えており、前記干渉計は、4つの入射出ポートをもつ光学偏光分割合成手段を備え、各入射出ポートは、それぞれ4本の分岐のうちの1本と連結されており、第1分岐は、第1偏光手段、第1双方向光学増幅器および前記第1分岐の端部を形成する第1ミラーを備え、第2分岐は、第2偏光手段、第2双方向光学増幅器および前記第2分岐の端部を形成する第2ミラーを備え、第3分岐は、第3偏光手段、および第3分岐の端部を形成する第3のミラーを備え、前記第1、第2および第3偏光手段は、前記第1、第2および第3の入射出ポートそれぞれによって、前記第1、第2または第3分岐それぞれに入射した偏光光学ビームが、第1、第2および第3ミラーによってそれぞれ反射されて、前記分岐から射出される、前記分岐に入射した前記偏光光学ビームの偏光に直交する偏光をもつ偏光光学ビームを形成するように構成され、第4分岐は、偏光した入射光学ビームを受光して、それを第4入射出ポートに向かわせるように配置されている前記干渉計の入射出分岐であり、光学的偏光分割合成手段は、偏光した入射ビームを第1の2次入射ビームと第2の2次入射ビームに偏光分割するように構成され、前記第1および第2の2次入射ビームは互いに直交する偏光をもち、干渉計の第1、第2と第3分岐を通過する第1の2次入射ビームは、第1の光路に従って第1の増幅した射出ビームを形成し、干渉計の第1、第2および第3の分岐を通過する第2の2次入射ビームは、第1の光路と反対方位の第2の光路に従って第2の増幅した射出ビームを形成し、前記した第1及び第2の増幅した射出ビームは互いに直交する偏光を持っており、前記分割再合成する手段は、前記した第1の増幅した射出ビームと前記した第2の増幅した射出ビームとを、空間的、時間的かつコヒーレントに再合成して、偏光した入射光学ビームに対して反対方向に第4分岐中を伝播するコヒーレントな射出ビームを形成するように構成されている。
本発明の特定の実施の形態によれば、前記分割再合成手段は偏光分割キューブを備えている。
本発明の装置の特定の実施の形態の種々の態様によれば、
− 装置は第4分岐に配置された光学アイソレータをさらに備え、
− 前記第1、第2および/または第3の偏光手段は、直線偏光した光学ビームの偏光を二重通過後90度だけ回転するように構成された1/4波長板または双方向のファラデー回転子を備えており、
− 前記第1および第2光学増幅器は、同じ光学増幅利得をもっており、
− 前記第1および第2の光学増幅器はそれぞれ多光路の光学増幅器を備えており、
− 前記第1および第2の光学増幅器は、光ファイバー増幅器である。
【0013】
特定の実施の形態によれば、本発明は、既述の実施の形態の1つに従う2台の光学増幅器のコヒーレント結合用の受動装置を備えた4台の光学増幅器のコヒーレント結合用の受動装置であって、それぞれ第1および第2の分岐の光学増幅器とミラーを備えている2台のサブユニットが、既述の実施の形態の1つによる2台の光学増幅器のコヒーレント結合用の他の受動装置に置き換えられている、4台の光学増幅器のコヒーレント結合用受動装置に関する。
【0014】
特定の実施の形態によれば、本発明は、既述の実施の形態の1つによる2台の光学増幅器のコヒーレント結合のための(1+2
n−1)台の受動装置を備えた、2
n台の光学増幅器(nは1以上の整数)のコヒーレント結合用受動装置であって、2台の光学増幅器のコヒーレント結合のための2
n−1台の受動装置が、既述の実施の形態の1つによる装置の分岐に対称的に配置されている、コヒーレント結合用受動装置に関する。
本発明は、また複数台の光学増幅器のコヒーレント結合用の受動方法であって、以下の工程を備えている受動方法に関する。すなわち、
− 偏光入射ビームを、既述の実施の形態の1つによるコヒーレント結合用受動装置の第4分岐に連結する工程、
− 偏光入射ビームを、互いに直交する偏光をもつ第1と第2の2次入射ビームに分割する工程、
− 第1の2次入射ビームが、第1の光路に続く干渉計の第1、第2、第3の分岐を順次通るように、また、第1の2次入射ビームが、第1の増幅器で2回増幅され、次に第2の増幅器で2回増幅されて、第1の増幅した射出ビームを形成するように、第1の2次入射ビームをアドレスする工程、
− 第2の2次入射ビームが、第1の光路と反対方位の第2の光路に続く干渉計の第1、第2、第3の分岐を順次通るようにし、また、第2の2次入射ビームが、第2の増幅器で2回増幅され、次に第1の増幅器で2回増幅されて、第2の増幅した射出ビームを形成するように、第2の2次入射ビームをアドレスする工程、
− 干渉計の第1、第2及び第3の分岐での各通過時に、分岐に入射する第1の2次ビームの偏光と、分岐から射出する第1の2次ビームの偏光が直交するように、第1の2次ビームを変更する工程、
− 干渉計の第1、第2および第3の分岐での各通過時に、分岐に入射する第2の2次ビームの偏光と、分岐から射出する第2の2次ビームの偏光が直交するように、第2の2次ビームを変更する工程、さらに、
− 第1の増幅した射出ビームと第2の増幅した射出ビームとを、空間的、時間的に、かつ偏光において再合成して、第4分岐において、偏光した入射光学ビームに対して逆方向に伝播する増幅したコヒーレントな射出ビームを形成する工程
を備えている受動方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、光学増幅システムとレーザーに特に有利に応用される。
本発明は、また、以下の記載からより明白になるとともに、個別にかあるいは技術的に可能な任意の組み合わせで考慮されるべき特性にも関する。
【0016】
非限定的な例示でのみ与えられる記載によって、添付の図面を参照すると、本発明がどのように実施できるかはより良く理解できるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0018】
任意数の光学増幅器のコヒーレント結合用の受動システムが提案されている。この受動システムは、任意の型の増幅器と時間状況において、連続形態からフェムト秒パルスまで適用することができる。理想的には、組み合わせる増幅器の数Nは、N=2
nに等しく、ここでnは整数である。
【0019】
図1は、光学ビームを2本の2次光学ビームに分割できるようにするとともに、2本の部分ビームが往復光路を通過後コヒーレントに再合成できるようにする基本セルを図示している。
【0020】
図1の基本セルは、2本以上の分岐をもつ干渉計を示している。例証的な実施の形態において、基本セルは、4つの入射出ES1、ES2、ES3、ES4をもつ偏光分割キューブC1(あるいは偏光ビームスプリッタPBS)を備えている。各入射出は分岐B1、B2、B3、B4に接続されている。分岐B1、B2、B3は、高反射ミラーM1、M2、M3をそれぞれ各端に備えている。分岐B1、B2、B3は、逆反射分岐であって、こうした分岐B1、B2、B3のうち1つの入射出ポートに入射する光学ビームは、反射して、反対の光路を通って同じ入射出ポートに向かう。第1分岐B1は、第1入射出ポートES1と第1ミラーM1の間に配置された第1ファラデー回転子R1を備えている。同様に、第2分岐B2は、第2入射出ポートES2と第2ミラーM2の間に配置された第2ファラデー回転子R2を備えている。第1ファラデー回転子R1は、第1分岐B1の各往復光路において45度で光学ビームの偏光を回転させる配置になっているので、入射出ポートES1近くを出射するビームは、同ポートES1の近くに入射する同じ光学ビームの偏光と直交する偏光をもつ。同様にして、第2ファラデー回転子R2は、第2分岐B2の各往復光路において45度で光学ビームの偏光を回転させる配置になっているので、入射出ポートES2近くを出射するビームは、同ポートES2近くに入射する同じ光学ビームの偏光と直交する偏光をもつ。第3分岐B3は、第3入射出ポートES3と第3反射ミラーM3との間に配置された1/4波長板R3(すなわちλ/4プレート)を備えている。1/4波長板R3の軸は、偏光分割キューブC1の適正軸に対して以下の態様で配向されている。すなわち、ポートES3近傍の分岐B3に入射する直線偏光ビームは、1/4波長板R3を通る第1伝播の後、円形偏光のビームに変換されてから、ミラーM3で反射され、再び1/4波長板R3を通過して、分岐B3から射出される直線偏光ビームを形成するが、このときの偏光は、同じ入射ビームの偏光と直交する。従って、直線偏光した光学ビームの偏光は、3本の分岐B1、B2、B3のそれぞれを往復通過した後、90度の回転している。
【0021】
第4分岐B4は、干渉計の入射出分岐である。分岐B4は、直線偏光した入射ビームS
0を受光するが、偏光軸が偏光分割キューブC1の軸に対して45度になっていることが好ましい。偏光分割キューブC1は、入射ビームS
0を、2本の2次ビーム、すなわち、直線S偏光の2次ビームH
1とP偏光の2次ビームH
2とに分割する。
【0022】
始めに、第1の初期S偏光した、基本セル通過の2次ビームH
1の伝播について
図2に関連して詳述する。次に、基本セルを通過する第1の、初期P偏光した2次ビームH
2の伝播について、
図3に関連して詳述する。
【0023】
図2とそれに続く図面において、S偏光したビーム、すなわち、紙面に直交する直線偏光のビームは、中心丸印の円で表し、P偏光したビーム、すなわち、紙面に平行する直線偏光のビームは、二重線矢印で表す。単線矢印は、光学ビームの伝播方向を指示する。
【0024】
図2は、入射ビームS
0のS偏光成分H
1の伝播が模式的に表されている
図1と同一の基本セルを図示している。分割キューブのポートES4は、分岐B4中を伝播する入射ビームH
14iを受光する。このビームH
14iは、S偏光しているので、分割キューブC1で反射されて分岐B2に向かい、分岐B2に入射してS偏光されるビームH
12iを形成する。ファラデー回転子R2を通る二重伝播とミラーM2での反射の後、第2分岐B2を射出するビームH
12oは、このときP偏光される。偏光キューブC1は、次いでそのビームH
12oを第1分岐B1に向けて伝達し、この分岐B1で、P偏光した入射ビームH
11iを形成する。第1ファラデー回転子R1を通る二重伝播とミラーM1での反射の後、第1分岐B1から射出されるビームH
11oは再びS偏光される。偏光分割キューブC1は、入射出ポートES1上のビームH
11oを受けてそれを第3分岐に向けて反射し、この第3分岐B3で、S偏光した入射ビームH
13iを形成する。ミラーM3での反射と1/4波長板R3を通る二重伝播の後、第3分岐を射出するビームH
13oがP偏光される。このようにして、キューブC1は、P偏光したビームH
13oを第4分岐に伝達し、この第4分岐で、第1のP偏光した2次射出ビームH
14oを形成する。
図2における挿入箇所は、基本セルを通過する初期S偏光の成分H
1が通る光路を模式的に図示している。ビームH
1は、第4分岐B4に入射していて、第2分岐B2での往復の伝播、第1分岐B1での往復の伝播、第3分岐B3での往復の伝播をしており、さらには、入射ビームに対して逆方向に、かつ入射ビームS
0の成分H
14iのS偏光とは反対のP偏光をもって、第4の分岐B4から射出する。
【0025】
図2と同様に、
図3は同じ基本セルを図示しており、入射ビームS
0のP偏光成分H
2の伝播が模式的に表されている。分割キューブのポートES4は、分岐B4中を伝播する入射ビームH
24iを受光する。ビームH
24iは、P偏光しているので、分割キューブC1により、分岐B3に伝達されて、分岐B3に入射してP偏光されるビームH
23iを形成する。ミラーM3での反射と1/4波長板R3を通る二重伝播の後、第3分岐から射出するビームH
23oはS偏光される。偏光分割キューブC1は、入射出ポートES3でビームH
23oを受光して、そのビームを第1分岐B1に向けて反射し、この第1分岐B1で、S偏光の入射ビームH
21iを形成する。第1ファラデー回転子R1を通る二重伝播とミラーM1で反射した後、第1分岐B1から射出するビームH
21oが再びP偏光される。次に、分割キューブC1は、そのビームH
21oを第2分岐B2に伝達し、この分岐で、P偏光した入射ビームH
22jを形成する。ファラデー回転子R2を通る二重伝播とミラーM2での反射の後、第2分岐B2から射出するビームH
22oはこのときS偏光される。次に、キューブは、S偏光したビームH
22oを第4分岐に向けて反射し、この第4分岐で、第2の、S偏光した2次射出ビームH
24oを形成する。
図3における挿入は、基本セルを通る初期P偏光の成分H
2が通る光路と、異なる分岐の伝播順序とを図示している。すなわち、ビームH
2は、第4分岐B4に入射して、第3分岐B3において往復伝播し、第1分岐B1において往復伝播し、第2分岐B2において往復伝播し、入射ビームに対して逆方向にかつ入射ビームS
0の成分H
24iのP偏光と反対のS偏光で、第4分岐B4から射出する。
2次ビームH
1およびH
2は、このように、干渉計において、2本の完全に逆方向の光路を通るものである。
【0026】
P偏光したH
14oとS偏光したH
24oという2つの射出成分は、それぞれ空間的や時間的だけでなく偏光的にも重畳して、P軸とS軸に対して45度の固有軸をもつ直線偏光の再合成ビームを形成する。ただし、H
14oのP偏光とH
24oのS偏光をした2成分は、同じ射出振幅をもっている。H
14oのP偏光した成分とH
24oのS偏光した成分の2成分が同じ射出振幅をもたない場合、偏光−コヒーレント再合成も得られ、射出ビームは、そのまま直線偏光をもっている。しかしながら、再合成したビームの偏光軸は、2成分それぞれの振幅に依存する角度で傾斜している。このようにして、コヒーレントに再合成した射出ビームS1は、
図2の受動装置の射出で得られる。
【0027】
要約すれば、
図1ないし
図3に図示した光学システムは、完全な反射鏡として動作する。この反射鏡に対しては、入射ビームS
0は、互いに直交するように偏光した2つの部分光H
1およびH
2に分割される。これらの部分光は、時間的かつ空間的に分割し、最終的に、時間的、空間的かつ偏光的に再合成され、それぞれの偏光は交換してある。入射ビームは、PBSの中立軸に対して45度で配向してある直線偏光になっている。このようにして、PBSは、入射を、同じ出力の直交偏光SおよびPの2本のビームに分割する。これらのビームのそれぞれは、システムを通る異なった光路を通るが、これらの光路は互いに逆になっていて、各2次ビームは同じ光学位相を蓄積するのが一般である。このようにして、直交する2つの偏光成分の再合成によって、コヒーレント再合成を得ることができる。
そうした装置が、独立の光学増幅器で増幅した光線の合成にどのようにして有利に使用できるかについて以下説明する。
図4ないし
図6は、本発明の好ましい実施の形態による2台の光学増幅器のコヒーレント結合用装置を模式的に図示している。
【0028】
図4は、2台の光学増幅器の結合用装置の構成を模式的に図示している。
図4の装置は、
図1に関連して説明したものに類似の基本セルを備えている。装置は、第1の光学増幅器A1と第2の光学増幅器A2をさらに備えている。第1の光学増幅器A1は、第1の分岐B1上に、好ましくは、ファラデー回転子R1とミラーM1との間に配設される。これと対称的に、第2の光学増幅器A2は、第2分岐上、好ましくは、ファラデー回転子R2とミラーM2との間に配設される。好ましくは、これら2つの光学増幅器A1およびA2は、直線偏光で動作する。理想的には、2台の増幅器A1およびA2は、同じ特性(利得、貯蔵エネルギ、幾何学形状)になっているが、偏光解消は誘起しない。
図4の装置は、さらに、例えば、パルスレーザー源のような光源2をさらに備えている。装置は、また、45度のファラデー回転子R4と偏光分割キューブC4から形成された光学アイソレータを含み、このアイソレータは、第4分岐B4上でかつ光源2と入射出ES4との間に配設されている。
これに代えて円形偏光で動作する光学増幅器A1およびA2に対して、2台のファラデー回転子R1、R2をそれぞれ1/4波長板に代えてもよい。
【0029】
光源2は、偏光Pの、直線偏光した入射ビームS
0を発生する。偏光キューブC4は、偏光を改変することなく入射ビームS
0を伝達する。ファラデー回転子R4は入射ビームS
0の偏光を45度回転するように構成されている。この場合、入射ポートES4上の入射ビームは、以下H
14iと呼ぶS偏光成分と、以下H
24iと呼ぶP偏光成分をもつ。
【0030】
図5は、
図4に図示したような2台の増幅器を結合する装置を通る入射光の、S偏光の初期成分H
14iの伝播を模式的に図示している。この成分は、
図4に関連して述べたものと同じ光路を辿る。成分H
14iは
、始めにキューブC1に反射されて第2の分岐に向かう。第2分岐を辿る際、入射ビームH
12iはS偏光される。ファラデー回転子R2は、直線偏光状態にあるビームH
12iの偏光軸を45度回転する。第2光学増幅器A2は、始めにビームH
12iを増幅する。第2ミラーM2での反射後、ビームはその偏光を維持して、第2光学増幅器A2により2回目の増幅がされる。ファラデー回転子R2は、直線偏光状態にあるビームH
12oの偏光軸を45度回転するが、偏光Pにおいてだけである。偏光キューブC1は、第2光学増幅器で2回増幅したそのビームを第1分岐B1に伝達する。同様にして、分岐B1に入るP偏光ビームH
12iは、ファラデー回転子R1を通過することにより偏光が45度回転し、次に第1光学増幅器A1により第1回目の増幅を受ける。ミラーM1で反射した後、ビームは、第1光学増幅器A1により2回増幅を受け、その後ビームの偏光は45度回転される。分岐B1から射出するビームは、第2光学増幅器A2により2回増幅され、次に第1光学増幅器A1により2回増幅されてから、偏光PのビームH
14oとして第4分岐から射出される前に、分岐B3に向けて反射される。装置の異なる分岐におけるS偏光された初期ビームH
1の伝播順序は、
図5に挿入したものとして、模式的に図示してある。
【0031】
同様にして、
図6は、
図4に図示したような2台の光学増幅器の結合用装置を通る入射ビームの初期P偏光成分H
24iの伝播を図示している。この成分H
24iは
、図3に関連して説明したものと同じ光路を辿る。成分H
24iは、キューブC1により第3分岐B3に最初に伝達される。この分岐B3は、伝達された成分を、S偏光したビームH
23oとして第1分岐B1に向けて反射する。第1分岐B1上の往行程においては、入射ビームH
21iはS偏光される。ファラデー回転子R1は、直線偏光のままのビームH
21iの偏光軸を45度だけ回転する。第1光学増幅器A1は、ビームH
21iを第1回目は増幅する。第1ミラーM1での反射後、ビームは、その偏光を維持して、第1光学増幅器A1で2度目の増幅を受ける。ファラデー回転子R1は、直線偏光であるビームH
21oの偏光軸を偏光Pで45度回転する。分割キューブC1は、第1光学増幅器で2回増幅したこのビームを第2分岐B2に伝達する。同様にして、分岐B2に入射するP偏光ビームH
22iは、ファラデー回転子R2を通過することにより、偏光が45度回転し、次いで第2光学増幅器A2により1回増幅される。ミラーM2で反射後、ビームは、第2光学増幅器A2で2度目の増幅を受けてから偏光が45度回転される。第1光学増幅器A1で2回増幅され、それから第2光学増幅器A2で2回増幅された、分岐B2から射出するビームは、偏光SのビームH
24oとして第4分岐B4に向けて反射される。装置の異なった分岐にある初期S偏光のビームの伝播順序は、
図5には挿入として模式的に図示してある。
【0032】
このようにして、入射出ポートES4には、偏光Pの成分H
14oと偏光Sの成分H
24oの空間的で時間的の重畳が得られており、これらの成分は、キューブC1の適正軸に対して45度の偏光軸をもつ直線偏光した再合成ビームS1を形成する。再合成した射出ビームS1は、光学アイソレータを用いて入射ビームから容易に分割できる。例えば、ファラデー回転子R4は、S偏光化する再合成ビームS
1の偏光軸を45度回転する。次に、分割キューブC4は、コヒーレント再合成射出ビームS
1を反射して、入射ビームS
0の方向から分割するようにする。
【0033】
図4ないし
図6に関連してこれまで説明した装置によって、2本の2次ビームに対して完全に対称的な増幅ができるようになる。パルスレーザービームの場合、増幅器のそれぞれは、最初に低エネルギパルスを、次に既に1回増幅したパルスに出会うことになる。各パルスは、最初にポンプで十分に反転した増幅器に、次に、先行パルスで一部減損した増幅器に出会うことになる。ビームH
1とH
2は、干渉計の入射ポートES4で分割され、第1回目は干渉計中で第2回目は入射出ポートES4で互いに交差し、この入射出ポートES4で再合成される。しかしながら、ビームH
1とH
2は、分岐B1で必ずしも互いに交差していない。事実、分岐B3の光路の長さは、それぞれ光学増幅器を備えている分岐B1とB2の長さよりもはるかに短い。特に光ファイバー増幅器の場合、各増幅器A1かA2の長さは、数十センチメートルを超える。分岐B1、B2、B3の長さは、最適化するのが有利であって、2次ビームH
1とH
2が光学増幅器A1、A2の一方に時間的には重畳していない。他方、分岐B1、B2、B3の全長は、外乱に対して干渉計装置の感度を低下できるように最短に維持される。
【0034】
図4ないし
図6に図示した装置において、光学増幅器A1は、ファラデー回転子R1とミラーM1との間に配置されており、光学増幅器A2は、ファラデー回転子R2とミラーM2との間に配置されている。その結果、各光学増幅器は、ミラーにおける反射の前後で、同じ偏光状態で偏光したビームを、増幅するが、その際光学増幅器の適正軸に従うのが有利である。別の実施の形態によれば、ファラデー回転子R1は(あるいは、これと等価な1/4波長板)が、光学増幅器A1とミラーM1との間に配設してあるか、ファラデー回転子R2(あるいは、これと等価な1/4波長板)が光学増幅器A2とミラーM2との間に配設してあるかの片方かまたは両方の配設を行う。そのようにして、各光学増幅器A1または各光学増幅器A2は、往路の偏光状態に従って、すなわち、分岐の端部にミラーで反射する前に偏光したビームを、最初に増幅し、二番目に、ミラーで反射後直交偏光状態に従って偏光したビームを増幅する。
【0035】
図4の構造をN台の光学増幅器の場合にまで一般化することは、
図4に従って説明する結合システムが単一反射の光学増幅器として振舞うことを考慮して行う。
【0036】
図7は、4台の光学増幅器のコヒーレント結合用装置の一例を図示している。
図7の装置は、4つ分岐B1、B2、B3、B4に接続してある偏光分割キューブC1を備えている基本セルを備えている。分岐B3、B4は
図4のものと同一である。第1分岐B1の第1光学増幅器A1と第1ミラーM1は、
図4に図示したような2台の光学増幅器A1およびA2のコヒーレント結合用の別装置D1に換える。同様にして、第2分岐B2の第2光学増幅器A2と第2ミラーM2は、
図4に図示したような2台の光学増幅器A3およびA4のコヒーレント結合用の別装置D2に換える。ファラデー回転子R1およびR2は、各往復動において、偏光を45度回転するように構成されている。そのようにして、ビームの偏光は、ミラーを端部に備えている分岐における各往復動において、P極からS極へ、またその逆に変化する。第1の偏光分割キューブC1から別の偏光分割キューブC2またはC3までの各光路において、それぞれ直線P偏光および直線S偏光したビームは、その偏光軸が45度回転され、それぞれC2、C3である他の偏光分割キューブ上でもう1回分岐されて、2本のサブビームになる。これとは逆に、2本のサブビームは、それぞれ分岐B8、B12上の2台の光学増幅器システムの射出で再合成されて、固有軸が45度傾斜した直線偏光のビームを形成する際、偏光回転子R1とR2は、それぞれ、この偏光を45度再回転する。従って、サブユニットD1およびD2それぞれのビーム光路は、P偏光の入射ビームをS偏光の射出ビームに変換し、また逆の変換を行う。
図4ないし
図6に関連して展開したものと同様な理由付けに従うと、第1の偏光分割キューブC1にある入射出ポートES4に入射する初期S偏光成分が、
図7の装置の異なる分岐B4−B2−B8を経る以下の光路を順次通ることが証明できる。該S偏光成分は、次にC2によって2本の射出ビームに分割される。射出ビームの一方は、分岐B7−B6−B5を通り、射出ビームの他方は、分岐B−5、B−6、B7を通る。これらの2本の射出ビームは、C2表面で再合成されて分岐B8−B2−B1−B12を通るビームになり、次にC3上で再分割されて2本の分割ビームになる。射出ビームの一方は分岐B10−B9−B11を通り、他方は分岐B11−B9−B10を通る。これら2本の射出ビームは、C3で再合成されて、分岐B12−B1−B3−B4を通り入射出ポートES4でP偏光射出成分を形成する。増幅に関して述べれば、第1の初期S偏光した2次ビームは、2本の射出ビームに分割される。射出ビームの一方は、光学増幅器A4で連続して2回増幅され次いで光学増幅器A3で2回増幅される。他方、第2の射出ビームは、連続して2回光学増幅器A3で増幅され、次いで光学増幅器A4で2回増幅される。これらの2回増幅(A3とA4で)された2本の射出ビームは、他の増幅段階へ伝達される第2ビームに再合成されるが、2本の射出ビームに分割するためである。分割ビームの一方は、光学増幅器A2により連続して2回、次に光学増幅器A1により2回増幅される。他方、第2の射出ビームは、光学増幅器A1により連続して2回次いで光学増幅器A2により2回増幅されているが、これら2本の射出ビームは、射出に伝達される2次ビームに再合成される。これとは逆に、第1の偏光分割キューブC1の入射出ポートES4に入射する初期P偏光の成分は、
図7の装置のB4−B3−B1−12の異なる分岐を通る以下の光路を順次通り、それから2本の射出ビームに分割され、射出ビームの一方は、分岐B11−B9−B10を通り、その一方で、他方の射出ビームが分岐B10−B9−B11を通過する。これら2本の射出ビームは、分岐B12−B1−B2−B8を通るビームに再合成される。合成されたビームは、2本の射出ビームに一度は再び分割される。射出ビームの一方は、分岐B5−B6−B7を通過するが、他方の射出ビームは、分岐B7−B6−B5を通過する。これら2本の分割ビームは、分岐B8−B2−B4を通過する1本のビームに再合成され、入射出ポートES4に、S偏光した射出成分を形成する。増幅に関していえば、第2の初期P偏光した2次ビームは、2本の射出ビームに分割される。被分割ビームの1本は、光学増幅器A1で連続して2回増幅し、次いで光学増幅器A2で2回増幅される。他方、第2の射出ビームは、光学増幅器A2により順次2回、次いで光学増幅器A1により2回増幅される。(A1とA2により)2回増幅されたそうした2本の射出ビームは、2次ビームに再合成される。この2次ビームは、2本の射出ビームに分割する他の増幅段階に伝達される。射出ビームの一方は、光学増幅器A3により連続して2回、次に光学増幅器A4により2回増幅されるが、第2の射出ビームは、光学増幅器A4で連続して2回、次に光学増幅器A3で2回増幅される。これら2本の射出ビームは、射出に伝達される2次ビームに再合成される。ここで注目できるのは、2次ビームが装置の全分岐の近くを、2対2で完全に反対方位になっている厳密に反対方位の通過光路の順序で通る光路を備えていることである。
【0037】
このようにして、本発明の方法によれば、N台の増幅器を受動的なコヒーレント結合することが可能になり、各増幅器は、N個の光路増幅器として動作する。従って、光学増幅器の台数が増えれば、内部の光路数が増加して、取り出し効率を改善する。このことは、1光路当たりの利得は低いが飽和影響の高い光学増幅器の場合、特に有用である。2台の光学増幅器の場合のように、nを整数としてN=2
nであれば、各光学増幅器における光路の順序は、結合した光学増幅器の総数がいくつであれ、数本の光路をもつ単一の光学増幅器がある状況に厳密に対応している。従って、光学増幅器中のk番目の光路に対応する増幅位相の間、全パルスは、他の光学増幅器中の(k−1)番目の光路に既に出会っており、各光学増幅器は(k−1)番目のパルスをすでに増幅している。増幅工程の間、全ての光学増幅器は、(k番目の光路における利得、存在する貯蔵エネルギにおいて)こうして均等のままであり、各レプリカは同じエネルギを保持している。この特性によって、効率のよいコヒーレント合成が保証される。何故なら、その特性は、増幅ネットワークの各点における偏光状態SおよびPそれぞれが含む出力における一定の平衡に変換されるからである。
【0038】
本発明の装置と方法の能力を例証するために、以下一実施の形態を詳細に説明する。この実施の形態は、Yb:CaF
2結晶に基づく4つの光学増幅器のコヒーレント結合に基づくものである。この材料は、いくつかの特性、とりわけポンプ源エネルギを貯蔵する高容量を含むいくつかの特性があるので、非常に興味深いものである。しかしながら、該材料の比較的低い利得は、Yb:CaF
2に基づく標準光学増幅器からのエネルギ取り出し効率が、現在までのところ約10%に制限されている。以下の実施の形態は、高い射出エネルギと優れた取り出し効率の両方を獲得するためのコヒーレント結合の技術のキャパシティを示している。
【0039】
図8は、本発明の特定の実施の形態に使用できる多光路光学増幅器を模式的に図示している。
図7のような装置を特に参照するが、
図7において、光学増幅器A1、A2、A3、A4のそれぞれは、
図8に図示した型の多光路光学増幅器を備えている。
【0040】
図8の多光路構成は、画像のシステム2f−2fに基づく従来のものである。この像システムは、前記した「能動ミラー」の構成において、焦点長さfのレンズと、レンズから距離fにある再帰反射器(ミラーM’、M”およびM
i)と、レンズから距離fに置いた光学増幅器媒体A
iとを備えている。この構成は、2つの信号と(それぞれ1,030nmと980nmの)ポンプ波長にある結晶の前面にアンチ反射コーティングとそうした両波長で後面に高反射コーティングとを行うことによって得られる。光学システムと結晶が収差を導入しないと仮定することによって、ビームは(結晶をそれぞれ透過した後)結晶の平面で連続して再結像され、入射被写体面は射出像面に結像される。ここで特例として、2.7%でドープした5mmの肉厚のYb:CaF
2結晶および全数6本の光路(ここでは、光路は結晶の入口から出口までの全光路と定義する)を考えてみる。980nmで全獲得可能な1kwのポンプ出力を考慮しており、このポンプ出力は結合する同一光学増幅器間に均等に分布していると仮定する。ポンプの繰り返し期間が、使用した結晶の発光時間定数、すなわち2.4msに等しいと仮定すると、ポンプ出力Epumpは2.4Jに対応する。すなわち、全ポンプエネルギは、(各増幅サイクルに対して)4台の光学増幅器間に等しく分配されている。1,030nmにおいて8mJのエネルギをもつ入射パルスは、どんな光学損傷をも避けるに十分な時間(〜10ns)だけ時間的に拡張される。結晶に対する増幅信号の影響は、5J/cm
2の損傷閾値以下に維持される。光学要素は、ミラーとレンズに対しては99.9%、1/4波長板に対しては、99.5%、分割キューブとファラデー回転子に対しては、約99%よりそれぞれ高い効率をもつことを考慮する。こうした条件では、各光学増幅器は、約390mJを貯蔵し、この数値は、約1.3の小信号利得に対応する。システムの光学要素の損失を考慮するとともに95%の最終再合成効率を考慮すると、4台の光学増幅器のコヒーレントなネットワークをシミュレーションすることにより、64%に近接する取り出し効率n
extrに対して、125に等しい全利得G
tot、および41%(E
pump/E
out、total)に等しいグローバル効率n
globalに対して、1J(すなわち光学増幅器当たり約265mJ)に等しい出力エネルギE
out、totalを得ることができ、取り出し効率は、活性媒体に保存したエネルギと射出エネルギとの間の比として定義される。各光学増幅器において光路の数を10まで増加することにより、そうした性能をまだ改良することもできる。例えば、出力エネルギE
out、totalを1.2Jに、全利得G
totを150に、グローバル効率n
globalを50%に、取出し効率n
extrを82%に等しくすることができる。
【0041】
この技術によって、N台(N=2
n、nは整数)の光学増幅器をコヒーレントかつ受動的に結合することができる。この方法は、入射ビームをN個のレプリカに分割し、各レプリカは、N台の光学増幅器を備えている増幅ネットワークを通って伝播する。従って、各レプリカは同じ最終エネルギで増幅される。このようにして、異なったレプリカは、2×2で相反する光路を通って同一光学位相を蓄積する。光学増幅器のネットワークの射出において、N個のレプリカのコヒーレント結合がこうして可能になる。