(54)【発明の名称】リンクステートルーティングプロトコルのためのリンクステートメッセージの完全なセットを特定し及び決定するように動作可能な方法及びネットワークエレメント
【文献】
Fred Goldstein,IV. Link state propagation,The Radio Shortest Path First (RSPF) Routing Protocol,2000年11月22日,URL,http://rspf.sourceforge.net/rspfspec4.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
最大リンクステートメッセージサイズを有するリンクステートルーティングプロトコルを利用する送信機ネットワークエレメント(401)により実行される、データ転送の途絶を回避するための情報を提供する方法(524)であって、前記リンクステートルーティングプロトコルは、データリンクレイヤで動作するIS−IS(Intermediate System to Intermediate System)リンクステートルーティングプロトコルであり、前記途絶は、受信機ネットワークエレメント(407)がリンクステートメッセージの不完全なセットに基づいて好適ルートの計算を実行することに由来し、前記方法は、
前記IS−ISのリンクステートメッセージの完全なセットを、当該リンクステートメッセージが当該リンクステートメッセージの完全なセットであることを示す情報を有するように生成するステップ(525)と、前記リンクステートメッセージの前記完全なセットは、集合として前記送信機ネットワークエレメントのリンクステートとリンクステート情報の内容において整合し、前記送信機ネットワークエレメントのリンクステートを正確に表すために前記受信機ネットワークエレメントによって一体的に処理されるべきであることと、
前記リンクステートメッセージの前記完全なセット、及び前記リンクステートメッセージが前記リンクステートメッセージの前記完全なセットであることを示す前記情報(423)を、ネットワークへ送信するステップ(526)と、
を含むことを特徴とする方法。
前記リンクステートメッセージの前記完全なセットを、当該リンクステートメッセージが当該リンクステートメッセージの前記完全なセットであることを示す前記情報を有するように生成する前記ステップは、
前記リンクステートメッセージの前記完全なセットについての識別子(732)を生成するステップ(627)と、
前記完全なセットの前記リンクステートメッセージ(706)の各々に前記識別子を含めるステップ(628)と、
前記完全なセットの前記リンクステートメッセージの合計数(733)を決定するステップ(629)と、
前記完全なセットの前記リンクステートメッセージの少なくとも1つ(706−N)に、前記合計数を含めるステップ(630)と、
を含む、請求項1の方法。
リンクステートメッセージの完全なセットを、当該リンクステートメッセージが当該リンクステートメッセージの完全なセットであることを示す情報を有するように生成する前記ステップは、
リンクステートプロトコルデータユニット(LSP)の完全なセット(823)を、当該LSPは当該完全なセットであることを示す前記情報を有するTLV(type-length-value)エレメント(835)を各々有するように生成するステップを含む、請求項1の方法。
送信機ネットワークエレメント(401)であって、前記送信機ネットワークエレメントは、ネットワーク(400)内に配備され、リンク(405)によって受信機ネットワークエレメント(407)と連結されるように動作可能であり、前記送信機ネットワークエレメントは、データ転送の途絶を回避するための情報を提供するように動作可能であって、前記途絶は、前記受信機ネットワークエレメントがリンクステートメッセージの不完全なセットに基づいて好適ルートの計算を実行することに由来し、前記送信機ネットワークエレメントは、
少なくとも1つのコントロールカード(420)と、
前記少なくとも1つのコントロールカードのリンクステートルーティングプロトコルモジュール(402)と、前記リンクステートルーティングプロトコルモジュールは、最大リンクステートメッセージサイズを有するリンクステートルーティングプロトコルを用いるように動作可能であることと、前記リンクステートルーティングプロトコルは、データリンクレイヤで動作するIS−IS(Intermediate System to Intermediate System)リンクステートルーティングプロトコルであることと、
を含み、
前記送信機ネットワークエレメントは、また、
前記少なくとも1つのコントロールカードのルート配信モジュール(403)と、前記ルート配信モジュールは、前記IS−ISのリンクステートメッセージの完全なセットを生成するように動作可能であることと、前記リンクステートメッセージの前記完全なセットは、集合として前記送信機ネットワークエレメントのリンクステートとリンクステート情報の内容において整合し、前記送信機ネットワークエレメントの前記リンクステートを正確に表すために前記受信機ネットワークエレメントによって一体的に処理されるべきであることと、
前記少なくとも1つのコントロールカードの完全なセット特定モジュール(422)と、前記完全なセット特定モジュールは、前記ルート配信モジュールと通信するように動作可能であることと、前記完全なセット特定モジュールは、前記リンクステートメッセージが前記完全なセットであることを示すための情報を特定するように動作可能であることと、
前記少なくとも1つのコントロールカードと連結された少なくとも1つのラインカード(421)と、前記少なくとも1つのラインカードは、前記リンクステートメッセージの前記完全なセット及び前記リンクステートメッセージが前記完全なセット(423)であることを示すための前記情報を前記ネットワークに送信するように動作可能であることと、
を含む、送信機ネットワークエレメント。
前記ルート配信モジュールは、リンクステートプロトコルデータユニット(LSP)の完全なセット(823)を、前記LSPが前記完全なセットであることを示す前記情報を有するTLV(type-length-value)エレメント(835)を各々有するように生成するように動作可能である、請求項5の送信機ネットワークエレメント。
最大リンクステートメッセージサイズを有するリンクステートルーティングプロトコルを利用する受信機ネットワークエレメント(1207)により実行される、データ転送の途絶を回避する方法(1136)であって、前記リンクステートルーティングプロトコルは、データリンクレイヤで動作するIS−IS(Intermediate System to Intermediate System)リンクステートルーティングプロトコルであり、前記途絶は、前記受信機ネットワークエレメントがリンクステートメッセージの不完全なセットに基づいて好適ルートの計算を実行することに由来し、前記方法は、
前記IS−ISの前記リンクステートメッセージが前記リンクステートメッセージの完全なセットであることを示す情報を有する前記リンクステートメッセージの前記完全なセット(1223)を受信するステップ(1367)と、前記リンクステートメッセージの前記完全なセットは、集合として送信機ネットワークエレメント(1201)のリンクステートとリンクステート情報の内容において整合し、前記送信機ネットワークエレメントの前記リンクステートを正確に表すために前記受信機ネットワークエレメントによって一体的に処理されるべきであることと、
前記受信された前記リンクステートメッセージの完全なセットが前記リンクステートメッセージの前記完全なセットであることを、前記受信された情報を用いて決定するステップ(1368)と、
前記受信された前記リンクステートメッセージの完全なセットが前記リンクステートメッセージの前記完全なセットであるという前記決定まで、好適ルートの計算の実行を遅延させるステップ(1369)と、
を含むことを特徴とする方法。
前記受信された前記リンクステートメッセージの完全なセットが前記リンクステートメッセージの前記完全なセットであることを、前記受信された情報を用いて決定する前記ステップは、
前記完全なセットの前記リンクステートメッセージ(706)の各々の中に、前記リンクステートメッセージの前記完全なセットのための識別子(723)を認識するステップ(1470)と、
前記識別子が認識された前記リンクステートメッセージのカウントを保持するステップ(1471)と、
前記完全なセットの前記リンクステートメッセージの少なくとも1つ(706−N)の中に、前記完全なセットの前記リンクステートメッセージの合計数(733)を認識するステップ(1472)と、
前記カウントと前記合計数とが等しいことを決定するステップ(1473)と、
を含む、請求項9の方法。
前記受信した前記リンクステートメッセージの完全なセットが前記リンクステートメッセージの前記完全なセットであるという前記決定に応じて、前記好適ルートの計算の前記実行を開始するステップを、さらに含む、請求項9の方法。
前記リンクステートメッセージが前記完全なセットであることを示す前記情報を有する前記リンクステートメッセージの前記完全なセットを受信するステップは、リンクステートプロトコルデータユニット(LSP)の完全なセット(823)を受信することを含み、前記LSPは、前記LSPが前記完全なセットであることを示す前記情報を有するTLV(type-length-value)エレメント(835)を各々有する、請求項9の方法。
受信機ネットワークエレメント(1207)であって、前記受信機ネットワークエレメントは、ネットワーク(400)内に配備され、リンク(1205)によって送信機ネットワークエレメント(1201)と連結され、前記受信機ネットワークエレメントは、データ転送の途絶を回避するように動作可能であって、前記途絶は、前記受信機ネットワークエレメントがリンクステートメッセージの不完全なセットに基づいて好適ルートの計算を実行することに由来し、前記受信機ネットワークエレメントは、
少なくとも1つのコントロールカード(1261)と、
前記少なくとも1つのコントロールカードのリンクステートルーティングプロトコルモジュール(1262)と、前記リンクステートルーティングプロトコルモジュールは、最大リンクステートメッセージサイズを有するリンクステートルーティングプロトコルを用いるように動作可能であることと、前記リンクステートルーティングプロトコルは、データリンクレイヤで動作するIS−IS(Intermediate System to Intermediate System)リンクステートルーティングプロトコルであることと、
を含み、
前記受信機ネットワークエレメントは、
前記IS−ISのリンクステートメッセージの完全なセットと、前記リンクステートメッセージは前記リンクステートメッセージの前記完全なセットであることを示す情報と(1223)、を前記ネットワークから受信するように動作可能な、前記少なくとも1つのコントロールカードと連結された少なくとも1つのラインカード(1260)と、前記リンクステートメッセージの前記完全なセットは、集合として送信機ネットワークエレメントのリンクステートとリンクステート情報の内容において整合し、前記送信機ネットワークエレメントの前記リンクステートを正確に表すために前記受信機ネットワークエレメントによって一体的に処理されるべきであることと、
前記少なくとも1つのコントロールカードの完全なセット決定モジュール(1264)と、前記完全なセット決定モジュールは、前記受信された前記リンクステートメッセージの完全なセットが前記リンクステートメッセージの前記完全なセットであることを、前記受信された情報を用いて決定するように動作可能であることと、
前記少なくとも1つのコントロールカードの好適ルート計算スケジューラモジュール(1263)と、前記好適ルート計算スケジューラモジュールは、前記完全なセット決定モジュールと通信するように動作可能であることと、前記好適ルート計算スケジューラモジュールは、前記受信された前記リンクステートメッセージの完全なセットが前記リンクステートメッセージの前記完全なセットであることを前記完全なセット決定モジュールが決定するまで、好適ルート計算のスケジューリングを遅延させるように動作可能であることと、
を含むことを特徴とする、受信機ネットワークエレメント。
前記識別子認識モジュールは、リンクステートメッセージ内の情報エレメント(935)の中に、前記識別子を認識するように動作可能であり、前記情報エレメントは、前記情報エレメントのタイプを特定する第1のフィールド(936)と、前記識別子を含む第2のフィールド(938)と、前記第2のフィールドの長さを特定する第3のフィールド(937)と、を含む、請求項15の受信機ネットワークエレメント。
前記好適ルート計算スケジューラモジュールは、前記受信された前記リンクステートメッセージの完全なセットが前記完全なセットであることを、前記完全なセット決定モジュールが決定することに応じて、前記好適ルート計算を開始するように動作可能な、イニシエータモジュール(1582)をさらに含む、請求項14の受信機ネットワークエレメント。
【背景技術】
【0003】
IS−IS(Intermediate System To Intermediate System)は、2002年11月15日に公開されRFC1142において再公開された、ISO10589の第2版(Second Edition)において説明されているリンクステートルーティングプロトコルである。IS−ISプロトコルは、OSI(Open Systems Interconnection)モデルのネットワークレイヤでネイティブに動作する。自律システム間のルーティングのために典型的に使用されるエクステリアゲートウェイプロトコルとは逆に、IS−ISは、管理ドメイン又はネットワークの範囲内でのルーティングのために典型的に使用されるインテリアゲートウェイプロトコルである。
【0004】
IS−ISによれば、各IS−ISルータは、発信元(originating)ルータとして動作し、ルータのIS−ISネットワークにわたってステート情報を有するリンクステート広告を送信するものとされている。通常、リンクステート広告は、リンクステート情報を各々含むTLV(Type-Length-Value)エレメント群を有するリンクステートプロトコルデータユニット(LSP)であり得る。各LSPは、自身を生成した発信元ルータを識別し、及び発信元ルータが直接的に接続される他の全てのルータを識別し得る。受信側の各IS−ISルータは、リンクステート情報を用いて、ネットワークの接続性を表現するデータベース(例えば、リンクステートデータベース)を構築し及び維持し、それらの隣接ルータの各々へリンクステート広告のコピーを転送することとなる。受信側ルータの各々は、宛て先の各々への最短パスの計算及び(例えば、ルーティングテーブル内での)記憶もすることとなる。当該ルータは、それら最短パスを用いて、データ又はトラフィック(例えば、パケット又はデータグラム)をルーティングし又は転送し得る。
【0005】
図1は、例としてのIS−ISネットワーク100のブロック図である。当該ネットワークは発信元ルータ101及び受信側IS−ISルータ107を含む。当該発信元IS−ISルータはIS−ISルーティングプロトコルモジュール102を有し、IS−ISルーティングプロトコルモジュール102はルート配信モジュール103を含む。当該発信元IS−ISルータは、ルーティング情報ベース104をも有する。周期的に、接続性の変化が生じた場合など、ルート配信モジュール103は、ルーティング情報ベース104へアクセスし、受信側IS−ISルータ107へリンクステート広告(例えば、LSP)を配信し得る。図示したように、TLV−Aエレメント114A及びTLV−Bエレメント114Bを有するLSP106が、リンク105上で受信側IS−ISルータへ送信され得る。TLV−Aエレメント及びTLV−Bエレメントの各々は、リンクステート情報を含み得る。受信側IS−ISルータはIS−ISルーティングプロトコルモジュール108を有し、IS−ISルーティングプロトコルモジュール108は最短パス優先(SPF)計算モジュール109及びルーティング情報ベース更新モジュール110を含む。受信側IS−ISルータはルーティング情報ベース111も有し、ルーティング情報ベース111はリンクステートデータベース113及びルーティングテーブル112を含む。LSP106が受信されると、ルーティング情報ベース更新モジュールは、リンクステート又はLSP内で表現された接続性を、リンクステートデータベース内に記憶し得る。最短パス計算モジュールは、リンクステート又は接続性に基づいて最短パスを計算し得る。ルーティング情報ベース更新モジュールは、計算された最短パスをルーティングテーブル内に記憶し得る。
【0006】
周期的に、接続性の変化が生じた場合など、発信元ルータ101は、リフレッシュ又は更新リンクステート広告(例えば、LSP)を送信することになる。IS−ISによれば、各リンクステート広告又はLSPは、シーケンス番号を含む。発信元ルータは、リンクステート広告又はLSPの新たなバージョンが生成される都度、シーケンス番号を増加させる。受信側ルータは、受信された最高のシーケンス番号を保存する。受信側ルータは、リフレッシュ又は更新LSPを受信すると、前回受信され保存された最高のシーケンス番号をルックアップする。リフレッシュ又は更新LSPのシーケンス番号が保存されたシーケンス番号よりも大きい場合、リフレッシュ又は更新LSPはより新しく且つ関係性のあるものとみなされる。すると、受信側ルータは、リフレッシュ又は更新LSPを用いて、ネットワークの接続性を表現するデータベース(例えば、リンクステートデータベース)をリフレッシュし又は更新する。さらに、リフレッシュされ又は更新された接続性を用いて、ネットワーク内の宛て先の全てへの潜在的に異なる新たな最短パスが計算される。これらリフレッシュされ又は更新された最短パスは、(例えば、ルーティングテーブル内に)記憶され、データ又はトラフィックをルーティングし又は転送するために使用されることになる。
【0007】
図2は、追加情報217がリンクステート情報の総量を固定的な最大メッセージサイズ216よりも超過させる場合に、2つ以上のリフレッシュ又は更新リンクステート広告(例えば、LSP)206R1、206R2が送信される必要があることを示す説明図である。IS−ISにおいて、リンクステート広告(例えば、LSP)は、固定的な最大メッセージサイズ216を有する。固定的な最大メッセージサイズは、最大転送ユニット(MTU)と呼ばれることもある。説明図の左側に示したように、前回送信されたLSP206Pは、最大メッセージサイズを有するように示されている。図示したように、TLV−Aエレメント214A及びTLV−Bエレメント214Bは、固定的な最大メッセージサイズ内に双方ともフィットし、前回送信された単一のLSP206P内に収容されることができるようなサイズを有する。
【0008】
しかしながら、いくつかのケースにおいて、前回送信されたLSP206Pの送信後に、追加情報217をTLVエレメントの1つ以上の中に(図示したケースでは、TLV−Bエレメント内に)含める必要があり得る。例として、当該追加情報は、IS−ISネットワークに追加された追加的なリンク若しくは接続についての追加的なリンクステート情報、及び/又は既存のリンクに関する追加的な情報(例えば、帯域幅情報、サービスレベル情報、他のトラフィックエンジニアリング情報など)を含み得る。いくつかのケースにおいて、この追加情報は、情報の総量を固定的な最大メッセージサイズよりも超過させ得る。説明図の右側に示したように、TLV−Aエレメント214及び追加情報217を有する変更されたTLV−B’エレメント214B’は、リフレッシュ/更新LSP206Rの固定的な最大メッセージサイズ内にもはやフィットしない。これは、LSP206Rに重なる“X”によって指定されている。こうしたケースでは、リンクステート情報のいくつか及び/又は前回送信されたLSPPのTLVエレメントの1つ以上が追加的なリンクステート広告又はLSPに再配置される必要があり得る。図中では、TLV−Aエレメント214Aを有する第1のリフレッシュ又は更新LSP206R1と共に、追加情報217を伴うTLV−B’エレメント214B’を有する第2のリフレッシュ又は更新LSPエレメント206R2が、ネットワークへ送信される。
【0009】
固定的な最大メッセージサイズを有することに加えて、IS−ISは、現在のところ、データグラムのフラグメント化という基礎的なケイパビリティを欠いている。対照的に、OSPFは、インターネットプロトコル(IP)レベルで動作する。結果として、OSPFは、基礎的なTCP/IPスタックの、データグラムをフラグメント化するケイパビリティを活用することができる。データグラムのフラグメント化において、基礎的なトランスポートレイヤがより大きいパケットを2つ以上のより小さいパケットにフラグメント化又は分割し、それらは送信され得る。そして、受信側では、相手のトランスポートレイヤが、2つ以上のより小さいパケットを再組み立てしてより大きいパケットを再生成し、再生成されたより大きな当該パケットを受信側のOSPFプロトコルへ提供し得る。OSPFプロトコルは、データグラムフラグメント化処理に関与しなくてよい。そのため、OSPFでは、追加情報をパケットに追加してよく、固定的な最大メッセージサイズの制限なく、パケットのサイズが増大することが許容され得る。対照的に、IS−ISは、データリンクレイヤ上で直接的に動作し、現在のところ、データグラムのフラグメント化という基礎的な仕組みを欠いている。
Pierre Francoisらによって2010年3月5日に発行されたネットワークワーキンググループ(The Network Working Group)のインターネットドラフト「Loop-free convergence using oFIB」には、トポロジーの変更中に起こるであろう、一時的なループを妨げる、リンクステートルーティングプロトコルとの結合に用いるメカニズムについて、一部記述されている。それは、正確にルータ上のFIBの複数の更新を順序付けることによってこれを行う。ルータは、最初のシングルイベントの通知を受信した後、シングルイベントに関するリンクステート通知の完全なセットの受信を保証するホールドダウン期間の間、待機する。完了メッセージは、規則正しい収束を加速するのに用いられ得る。
A.Hermelinらによって2004年5月に発行された「Extending the Number of Intermediate System to Intermediate System (IS-IS) Link State PDU (LSP) Fragments beyond the 256 Limit」と題するネットワークワーキンググループのRFC(Request for Comments)には、元のIS−ISルーティングプロトコルによって設定された制限である、256以上のリンクステートPDU(LSP)フラグメントをシステムが発生させることを可能とするメカニズムについて、一部記述されている。元のLSPと拡張されたLSPの両方について検討する。元のLSPは、そのLSP IDにおいて標準のシステムIDを用いるLSPである。拡張されたLSPは、そのLSP IDにおいて付加的なシステムIDを用いるLSPである。IS−A(IS Alias ID TLV)もまた、議論され、拡張可能なISが、発信元システム(Originating System)の全てのLSPを認識し、SPF計算のために元のLSPと拡張されたLSPとを組み合わせることを可能とすると報告されている。
米国特許出願公開第2007/0286091A1号明細書は、リンクステートパケットフラグメンテーションを有するリンクステートルーティングプロトコルの一時的なルーティング障害を効果的に回避する技術について一部述べている。
米国特許出願公開第2003/0210710A1号明細書は、ワイヤレスプロトコルのフラグメンテーション及びバーストに対応する方法について一部述べている。
しかしながら、これらの4つの参考文献には、以下の説明において開示されているような、リンクステートメッセージがリンクステートメッセージの完全なセットであることを示す情報を有するリンクステートメッセージの完全なセットを生成し、リンクステートメッセージの完全なセットは、集合として送信機ネットワークエレメントのリンクステートと整合することについて、開示されていない。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の説明では、特定のルーティングプロトコル、特定のメッセージタイプ、特定の情報エレメントのタイプ、特定のモジュール、モジュールグループの特定の部分及び構成、及び特定の動作のシーケンスなどの、多数の特定の詳細が示されることにより、本発明のより完全な理解を提供する。しかしながら、本発明の実施形態は、これらの特定の詳細なしに実施できることを理解されたい。他の例において、周知の回路、構造、完全なソフトウェア命令シーケンス、及び技術は、この説明の理解を曖昧にしないために詳細には示されていない。当業者は、含まれる説明をもって、過度の実験なしに適切な機能を実装することができるであろう。
【0016】
図3は、受信側ルータが、TLV−Aエレメント214Aを有する第1のリフレッシュ更新LSP206R1を受信後、TLV−B’エレメント214B’を有する第2のリフレッシュ又は更新LSP206R2を受信する前に、時期尚早に最短パス優先計算を実行することの結果として、データ転送の途絶を示すタイムライン318である。t0のとき、発信元ルータは、第1及び第2のリフレッシュ又は更新LSP206R1、206R2をネットワークに送信する。t1のとき、受信側ルータは、TLV−Aエレメントを有する第1のリフレッシュ又は更新LSP206R1を受信する。t2のとき、第1のリフレッシュ又は更新LSP206R1の受信をトリガとして、受信側ルータは、最短パス優先(SPF)計算を開始する。この時点で、TLV−B’エレメント214B’を有する第2のリフレッシュ又は更新LSP206R2は、受信側ルータに向かう途中であってもよいが、まだ受信側ルータに受信されていない。
【0017】
t3のとき、最短パス優先計算の結果として、また、TLV−B’エレメントを有する第2のLSP206R2がまだ受信されていないため、受信側ルータは、前回送信されたTLV−Bエレメント214Bに関する1以上のルートを削除する。IS−ISによれば、受信側ルータは、黙示的なパージングを実行し得る。黙示的なパージングでは、受信側ルータは、(それが前回送信されたLSP206Pの中に存在していたとき)前回送信されたTLV−Bエレメント214Bが、受信された第1のLSP206R1から見つからないという事実を、TLV−Bエレメント214Bに関連付けられている接続及び/又はルートはもはや使用できないことを示すものとして解釈し得る。受信側ルータは、TLV−Bエレメント214Bをパージされたものとしてとらえ得る。その結果、受信側ルータは、そのルーティング情報ベースからこれらのルートを削除し得る。(前回送信されたTLV−Bエレメント214Bに対応する)TLV−B’エレメントがその中に再配置されている第2のリフレッシュ又は更新LSP206R2の受信前に、受信側ルータがその決定プロセス及び/又は最短パス優先計算を開始する場合に、このような黙示的なパージングが発生し得る。重要な点として、削除されたルートに関する実際の接続は、実際には失われていない可能性があるが、受信側ルータは、これらの接続が失われているものとして誤ってとらえる可能性がある。
【0018】
t4のとき、トラフィックロス、ネットワーク内のループ、又はその他のデータ転送の問題又は途絶が、TLV−Bエレメント214Bに関するルートの削除に起因するものである可能性がある。リンクステートルーティングプロトコルは、トポロジー全体の知識(knowledge)に基づいて動作する。不完全なトポロジー情報は、一時的にではあっても、トラフィックロス、構成されているルーティングループ、又は他のデータ転送の問題をもたらす可能性がある。重要な点として、これらのデータ転送の問題又は途絶が、ネットワーク内の実際の接続のロスに起因するよりもむしろ、黙示的なパージングに起因して受信側ルータによって人為的に生成されている可能性がある。このような人為的に生成されたデータ転送の問題は、無用であり、それらを回避することが有益であろう。
【0019】
t5のとき、受信側ルータは、再配置されたTLV−B’エレメント214B’を有する第2のリフレッシュ又は更新LSP206R2を受信する。t6のとき、第2のLSP206R2の受信をトリガとして、受信側ルータは、再度、最短パス優先計算を開始する。t7のとき、受信側ルータは、TLV−Bエレメント内で表現された、前回削除されたルートのいくつかを含む、TLV−B’エレメント内で表現されたルートを追加し直す。TLV−B’エレメントの受信及び処理後、受信側ルータは、以前削除されたルートが実際には使用可能であることを決定してもよく、それらがルーティングテーブル及び/又はルーティング情報ベースに追加し直され得る。t2のときに実行された計算は、本来実行する必要のない、無駄で不必要な計算である。さらに、t2のときのこれらの計算は、相当な時間を要する可能性があり、t6のときに発生する、最終的な実際に意味のある計算を潜在的に遅延させる可能性がある。
【0020】
図示したように、ある場合において、意図的なSPF(shortest path first)の遅延319は、t1とt2との間に導入される可能性がある。同様に、意図的なSPFの遅延319は、t5とt6との間に導入される可能性がある。このような意図的なSPFの遅延は、好適ルート計算を開始する前に、他のLSPの受信を許容する追加的な時間を提供するのに役立つ可能性がある。長い遅延が用いられた場合、他のLSPが受信されるのに良い機会であるが、好適ルート計算処理は、長時間遅延する。逆に、短い遅延が用いられた場合、好適ルート計算処理はそれほど長い時間遅延しないが、他のLSPが受信される機会は少ない。通常、意図的な遅延は、およそ50〜100msのオーダーである。
【0021】
リンクステートメッセージが完全なセットであることを示すための情報を特定するように動作可能な完全なセット特定モジュールを含む送信機ネットワークエレメント、及びそのような送信機ネットワークエレメントによって実行される方法が、本明細書に開示されている。また、受信されたリンクステートメッセージの完全なセットが完全なセットであることを、受信された情報を用いて決定するように動作可能な完全なセット決定モジュールを含む受信機ネットワークエレメント、及びそのような受信機ネットワークエレメントによって実行される方法が、本明細書に開示されている。
【0022】
本明細書で使用する場合、ネットワークエレメント(例えば、ルータ、スイッチ、ブリッジ)は、ネットワーク上の他の機器(例えば、他のネットワークエレメント、エンドステーション)を通信可能に相互接続する、ハードウェア及びソフトウェアを含む、ネットワーキング機器の一部である。いくつかのネットワークエレメントは、複合的なネットワーキング機能(例えば、ルーティング、ブリッジング、スイッチング、レイヤ2アグリゲーション、セッションボーダーコントロール、サービス品質、及び/又は加入者管理)のためのサポートを提供し、及び/又は複合的なアプリケーションサービス(例えば、データ、音声、及びビデオ)のためのサポートを提供する、「複合サービスネットワークエレメント」である。
【0023】
ネットワークエレメントは、通常、コントロールプレーンとデータプレーン(転送プレーン又はメディアプレーンと称されることもある)とに分けられる。一般に、ネットワークエレメントは、1以上のラインカードのセット、1以上のコントロールカードのセット、及び任意で1以上のサービスカード(リソースカードと称されることもある)のセットを含む。サービスカードは、コントロールカードとして用いられる場合は、コントロールカードとみなしてもよい。これらのカードは、1以上のメカニズム(例えば、ラインカードを連結する第1のフルメッシュ、及び全てのカードを連結する第2のフルメッシュ)を通じて連結される。ラインカードのセットは、データプレーンを構成し、一方、コントロールカードのセットは、コントロールプレーンを提供し、ラインカードを通じて外部のネットワークエレメントとパケットを交換する。ネットワークエレメントがルータである(又は、ルーティング機能を実装する)場合、コントロールプレーンは、一般に、データ(例えば、パケット)がどのようにルーティングされるか(例えば、当該データのためのネクストホップ、及び当該データのための発信ポート)を決定し、データプレーンは、そのデータの転送を担当する。例えば、コントロールプレーンは、一般に、ルートを交換し、1以上のルーティングメトリックに基づいてそれらのルートを選択するために他のネットワークエレメントと通信する、1以上のルーティングプロトコル(例えば、BGP(Border Gateway Protocol)、IGP(Interior Gateway Protocol(s))(例えば、OSPF(Open Shortest Path First)、RIP(Routing Information Protocol)、IS−IS(Intermediate System to Intermediate System))、LDP(Label Distribution Protocol)、RSVP(Resource Reservation Protocol))を含む。ルート及び隣接関係(adjacencies)は、1以上のルーティング構造(例えば、RIB(Routing Information Base)、LIB(Label Information Base)、1以上の隣接関係構造)に格納されている。コントロールプレーンは、ルーティング構造に基づく情報(例えば、隣接関係、及びルート情報)で、データプレーンをプログラムする。例えば、コントロールプレーンは、データプレーン上の1以上の転送構造(例えば、FIB(Forwarding Information Base)、LFIB(Label Forwarding Information Base)、及び1以上の隣接関係構造)内に隣接関係及びルート情報をプログラムする。データプレーンは、トラフィックの転送時にこれらの転送及び隣接関係構造を使用する。
【0024】
図4は、送信機ネットワークエレメント401の一実施例のブロック図である。送信機ネットワークエレメントは、ネットワーク400内に配備され、リンク405によって受信機ネットワークエレメント407と連結され、通信するように動作可能である。実施形態によれば、送信機ネットワークエレメントによって送信されたリンクステートメッセージの不完全なセットに基づいて、受信機ネットワークエレメントが好適ルート計算を時期尚早に実行することによって起こり得るはずの、データ転送における潜在的な途絶を回避するために、送信機ネットワークエレメントは受信機ネットワークエレメントに情報を提供するように動作可能であり得る。
【0025】
送信機ネットワークエレメントは、少なくとも1つのコントロールカード420を含む。送信機ネットワークエレメントは、また、少なくとも1つのコントロールカードの、リンクステートルーティングプロトコルモジュール402を含む。リンクステートルーティングプロトコルモジュールは、最大リンクステートメッセージサイズを有するリンクステートルーティングプロトコルを使用するように動作可能である。ある実施形態では、リンクステートルーティングプロトコルモジュールは、IS−ISリンクステートルーティングプロトコルモジュール(すなわち、IS−ISリンクステートルーティングプロトコルの将来のバージョン、リリース、エディション、又は派生を含み、IS−ISの名前をなお保持しているかどうかを問わない)であってもよい。他の実施形態では、リンクステートルーティングプロトコルモジュールは、IS−ISプロトコルとは全く異なるプロトコルであってもよいが、送信機ネットワークエレメントの実施形態がそのプロトコルにとって有用である限り、IS−ISプロトコルの特徴(例えば、最大メッセージサイズ)と同様の特徴を有してもよい。
【0026】
少なくとも1つのコントロールカードのルート配信モジュール403は、送信機ネットワークエレメントの中に含まれる。ルート配信モジュールは、リンクステートメッセージの完全なセットを生成するように動作可能である。図示したように、ルート配信モジュールは、リンクステートメッセージを生成するために、ルーティング情報ベース404にアクセスしてもよい。ある実施形態では、リンクステートメッセージは、リンクステートプロトコルデータユニット(LSP)であってもよく、及び/又はリンクステート情報を含むTLV(type length value)エレメントを含んでもよい。あるいは、リンクステートメッセージは、全く異なるタイプのリンクステートメッセージ又は広告であってもよい。リンクステートメッセージの完全なセットは、全て同一の送信機ネットワークエレメント(例えば、それらは、同一のLSP識別子を共有してもよい)で発生してもよい。
【0027】
ある実施形態では、リンクステートメッセージの完全なセットは、集合として送信機ネットワークエレメントのリンクステートと内容において整合し得る。例えば、リンクステートメッセージの完全なセットは、集合として、論理的に一致し、及び/又は実際のリンクステートと一致してもよい。ある態様では、受信機ネットワークエレメントが正しい結果を取得し、及び/又は、ルーティング情報ベースから、実際に存在するルートを誤って削除することを回避するために、リンクステートメッセージの完全なセットは、受信機ネットワークエレメントによって一体的に(atomically)又は一緒に処理されるべきリンクステートメッセージ(例えば、TLVを有するLSP)のセットを含んでもよい。ある実施形態では、完全なセットは、単一の前回送信されたリンクステートメッセージからのTLVエレメントの全てを含む、リフレッシュ又は更新リンクステートメッセージのセットを含む。
【0028】
送信機ネットワークエレメントは、少なくとも1つのコントロールカードの完全なセット特定モジュール422をさらに含む。実施形態によれば、完全なセット特定モジュールは、ルート配信モジュールと通信するように動作可能である。図示した実施形態に示されるように、完全なセット特定モジュールは、ルート配信モジュールの一部(例えば、サブモジュールのようなもの)であってもよい。あるいは、完全なセット特定モジュールは、ルート配信モジュールと連結され、及び/又は通信する分離したモジュールであってもよい。実施形態によれば、完全なセット特定モジュールは、リンクステートメッセージが完全なセットであることを示すための情報を特定するように動作可能であってもよい。このような情報の具体例としては、以下にさらに開示する。
【0029】
送信機ネットワークエレメントの少なくとも1つのラインカード421は、少なくとも1つのコントロールカード420と連結する。少なくとも1つのラインカードは、リンクステートメッセージの完全なセット、及びリンクステートメッセージが完全なセットであることを示すための情報423をリンク上のネットワークに送信するように動作可能である。受信機ネットワークエレメントは、送信されたリンクステートメッセージの完全なセットと情報とを受信し得る。
図12とともに、適切な受信機ネットワークエレメントの実施例が示され、記載されている。
【0030】
図5は、受信機ネットワークエレメントがリンクステートメッセージの不完全なセットに基づいて、好適ルート計算(例えば、最短パス優先計算)を時期尚早に実行することによって起こり得るはずの、データ転送における潜在的な途絶を回避するために、受信機ネットワークエレメントに情報を提供する送信機ネットワークエレメントによって実行される方法524の一実施例のブロックフロー図である。ある実施形態では、方法524は、
図4の送信機ネットワークエレメント401によって実行されてもよい。あるいは、方法524は、全く異なる送信機ネットワークエレメントによって実行されてもよい。さらに、
図4の送信機ネットワークエレメント401は、全く異なる方法を実行してもよい。
【0031】
ある実施形態では、当該方法は、最大リンクステートメッセージサイズを有するリンクステートルーティングプロトコルを利用する送信機ネットワークエレメントによって実行されてもよい。ある実施形態では、リンクステートルーティングプロトコルモジュールは、IS−ISリンクステートルーティングプロトコルモジュール(すなわち、IS−ISリンクステートルーティングプロトコルの将来のバージョン、リリース、エディション、又は派生を含み、IS−ISの名前をなお保持しているかどうかを問わない)であってもよい。他の実施形態では、リンクステートルーティングプロトコルモジュールは、IS−ISプロトコルとは全く異なるプロトコルであってもよいが、当該方法がそのプロトコルにとって有用である限り、IS−ISプロトコルの特徴(例えば、最大メッセージサイズ)と同様の特徴を有してもよい。
【0032】
当該方法は、ブロック525において、リンクステートメッセージがリンクステートメッセージの完全なセットであることを示す情報を有する、リンクステートメッセージの完全なセットを生成することを含む。他の実施形態では、リンクステートメッセージの完全なセットは、集合として送信機ネットワークエレメントのリンクステートと整合する。
【0033】
当該方法は、また、ブロック526において、リンクステートメッセージの完全なセットと、リンクステートメッセージがリンクステートメッセージの完全なセットであることを示す情報とを、ネットワークに送信することを含む。ある実施形態では、リンクステートメッセージが完全なセットであることを示す情報は、完全なセットのリンクステートメッセージ内に含まれてもよい。
【0034】
図6は、リンクステートメッセージが完全なセットであることを示す情報を有する、リンクステートメッセージの完全なセットを生成する方法625の一実施例のブロックフロー図である。方法625は、
図5のブロック525の適切な実施形態の一例である。
【0035】
当該方法は、ブロック627において、リンクステートメッセージの完全なセットのための識別子を生成することを含む。時間をかけて、送信機ネットワークエレメントは、多数の異なるリンクステートメッセージの完全なセットを生成し、送信してもよい。異なる識別子が生成され、各完全なセットを他の完全なセットから区別するために用いられてもよい。一例として、最初の完全なセットの識別子は1、又は別の所望の数の値を持ち、その後、完全なセットの識別子が、それぞれの新しい完全なセットのために、経時的に単調増加してもよいし、完全なセットの識別子が最大値に到達したときは、完全なセットの識別子はラップアラウンドし、最低値(例えば、1)から再び始まるようにしてもよい。送信機ネットワークエレメントは、すでにシステム内にある完全なセットの識別子が一掃されるのを可能とする所定の時間的期間及び/又は最大世代(例えば、IS−ISの場合、一般的には約21分)、完全なセットの識別子を使用するのを控えてもよい。あるいは、必要に応じて、単調減少する識別子を使用してもよい。IS−ISの場合には、中間システム(IS)が、そのインタフェースの1以上に指定されたIS(DIS)でもある場合、各擬似ノードは、それ自体の完全なセットの識別子を有してもよく、非疑似ノード又は他の疑似ノードの完全なセットの識別子から独立していてもよい。ある実施形態では、完全なセットの識別子は、LSP識別子ごとをベースにしたものであってもよい。
【0036】
ブロック628において、識別子は、完全なセットの各リンクステートメッセージ内に含められる。ある実施形態では、識別子は、リンクステートメッセージ内の情報エレメント内に含められてもよい。ある実施形態では、当該情報エレメントは、情報エレメントのタイプを特定する第1のフィールド、識別子を含む第2のフィールド、及び第2のフィールドの長さを特定する第3のフィールドを含んでもよい。ある実施形態では、当該情報エレメントは、TLVエレメントであってもよい。
【0037】
ブロック629で、完全なセットのリンクステートメッセージの合計数が決定される。ある実施形態では、完全なセットの各リンクステートメッセージは、生成され、及び/又はネットワークに送信されつつカウントされてもよい。
【0038】
ブロック630において、合計数は、完全なセットのリンクステートメッセージの少なくとも1つの中に含まれてもよい。これは必須ではないが、ある実施形態では、合計数は、完全なセットのリンクステートメッセージのうち1つだけの中に含まれていてもよい。これは必須ではないが、ある実施形態では、合計数は、最初に生成されたリンクステートメッセージに含まれることなく、あるいは、ある場合には、最後に生成されたリンクステートメッセージを除く、先に生成されたリンクステートメッセージのいずれにも含まれることなく、最後に生成されたリンクステートメッセージに含まれていてもよい。合計数が最後に生成されたリンクステートメッセージのみに含まれることにより、実装を単純化することができる。合計数は、最後のリンクステートメッセージを生成するときには簡単に知られる。合計数は、最初のリンクステートメッセージを生成するとき、あるいはそれよりも早く知ることができるが、これには、余分な労力を要する。最後に生成されたリンクステートメッセージ、あるいは最後に生成されたリンクステートメッセージのいくつかのうち1つに合計数を含めることにより、そのような余分な労力を回避し、削減するのに役立てることができる。
【0039】
これは、リンクステートメッセージが完全なセットであることを示す情報を有する、リンクステートメッセージの完全なセットを生成する方法の実施形態のほんの一具体例である。他の方法も考えられる。例えば、他の実施形態では、各リンクステートメッセージは、識別子のセットのうちの異なる識別子を有してもよく、識別子のセットは、受信機ネットワークエレメントに送信されてもよく、受信機ネットワークエレメントは、各受信されたリンクステートメッセージ内の当該異なる識別子を、受信機ネットワークエレメントがリンクステートメッセージの完全なセットを受信したときに知られた識別子のセットと比較するようにしてもよい。他の例として、他の実施形態では、合計数を送信するよりもむしろ、メッセージの合計数を送信する必要がないように、リンクステートメッセージが順番に送信されることを保証するように努力するようにしてもよく、最終の標識(end indication)が最後に送信されたメッセージに含まれるようにしてもよい。さらに別の例として、他の実施形態では、各リンクステートメッセージは、同一の完全なセットの識別子と、追加のリンクステートメッセージ数(例えば、1、2、3、など)を有することができ、受信機ネットワークエレメントが、完全なセットを受信したときに分かるように、リンクステートメッセージは、逆順の(例えば、2の前は3、1の前は2、など)当該追加のリンクステートメッセージ数とともに送信されてもよい。他のアプローチも考えられる。
【0040】
図7は、リンクステートメッセージの完全なセット723の一実施形態のブロック図である。リンクステートメッセージの完全なセットは、第1のリンクステートメッセージ706−1、第Nのリンクステートメッセージ706−N、及び任意で他のリンクステートメッセージ(不図示)を含む。Nの数は2以上の整数を表す。第1のリンクステートメッセージは、リンクステート情報731−1、及びリンクステートメッセージの完全なセットの識別子732を含む。第Nのリンクステートメッセージは、リンクステート情報731−N、リンクステートメッセージの完全なセットの識別子732、及び完全なセット内のリンクステートメッセージの合計数733を含む。リンクステート情報は、リンクステートルーティングプロトコルで従来用いられたものと同様であってもよい。ある実施形態では、完全なセット内の他の任意のリンクステートメッセージ(不図示)は、識別子を有する一方合計数を欠いていてもよいが、上述したようにこれは必須ではない。
【0041】
図8は、リンクステートプロトコルデータユニット(LSP)の完全なセット823の一実施形態のブロック図である。LSPの完全なセットは、第1のLSP806−1、第NのLSP806−N、及び任意で他のLSP(不図示)を含む。Nの数は。2以上の整数を表す。第1のLSPは、リンクステート情報を有する1以上のTLV(type-length-value)エレメント814−1、及びLSPの完全なセットの識別子832を有する第1のTLVの完全なセット(CS−TLV)835−1を含む。第NのLSPは、リンクステート情報を有する1以上のTLV814−N、並びにLSPの完全なセットの識別子832及び完全なセット内のLSPの合計数833を有する第NのCS−TLV835−Nを含む。ある実施形態では、各CS−TLVは、同一の固有の新規タイプを有してもよく、それは、IANA(Internet Assigned Numbers Authority)によって割り当てられた数を表すことができ、TLVがLSPの完全なセットを示すための情報を特定することを目的とすることを指定することができる。リンクステート情報は、例えばIS−ISのようなリンクステートルーティングプロトコルで従来用いられたものと同様であってもよい。ある実施形態では、識別子は、それぞれ全く同じであってもよい。一態様では、識別子は、それぞれ32ビットで表される整数であってもよい。あるいは、32ビットより大きい、又は小さい値が、識別子を表すのに用いられてもよい。一態様では、合計数は、8ビットによって表される整数であってもよい。そのような態様では、Nの数(すなわち、完全なセット内のリンクステートメッセージの合計数)は、255までの範囲であってもよい。あるいは、98ビットより大きい、又は小さい値が、合計数を表すのに用いられてもよい。ある実施形態では、上述したようにこれは必要ではないが、完全なセット内の他の任意のLSP(不図示)が、識別子を有するが、合計数を欠いていてもよい。
【0042】
図9Aは、CS−TLV(complete set TLV)エレメント935Aの第1の実施例のブロック図である。CS−TLVエレメントは、タプル又は順序付きリストのデータ構造で表される。CS−TLVエレメントは、CS−TLVタイプフィールド936A、長さフィールド937A、及び識別子値フィールド938Aを有する。CS−TLVタイプフィールドは、エレメントのタイプ、すなわち当該エレメントがリンクステートメッセージの完全なセットを特定するタイプであること、を特定するように動作可能である。ある実施形態では、CS−TLVタイプフィールドは、IANA(the Internet Assigned Numbers Authority)や、同様の機関又は運営組織によって割り当てられた一連のビット値(例えば、英数値、数値、又はコードを表す)を有してもよい。一例として、タイプフィールドは、トランザクションTLVのために、英数値T−TLVを含んでもよく、当該トランザクションは、リンクステートメッセージの完全なセットを含む。
【0043】
長さフィールドは、識別子値フィールドの長さ(例えば、ビット、バイトなどで表した長さ)を特定するように動作可能である。識別子値フィールドは、識別子(すなわち、完全なセットの識別子)を特定するように動作可能である。CS−TLVの1つの利点は、タイプフィールドを認識しないレガシー/古い受信機ネットワークエレメントは、単にタイプフィールドをスキップして長さフィールドへ行き、長さフィールドを用いて値フィールドの長さを決定し、その後、決定された長さを用いて値フィールドをスキップすることができることである。図示された実施例では、CS−TLVタイプフィールドは、ビット[0:7]からなる8ビットのフィールドであり、長さフィールドは、ビット[8:15]からなる8ビットのフィールドであり、識別子値フィールドは、ビット[16:47]からなる32ビットのフィールドである。ある実施形態では、長さフィールドは、識別子値フィールドは、長さが4バイト又は32ビットであることを示すために、4の整数値を有することができる。これは、適切なCS−TLVの一実施例にすぎない。他の実施形態は、これらの1以上のフィールドのサイズを変更し(すなわち、これらのフィールドの1以上を、大きくするか、又は小さくする)、フィールドの順番を再配置し、追加のフィールドを含むなどしてもよい。
【0044】
図9Bは、CS−TLVエレメント935Bの第2の実施例のブロック図である。CS−TLVエレメントは、CS−TLVタイプフィールド936B、長さフィールド937B、識別子値フィールド938B、及び合計数値フィールド939を有する。CS−TLVタイプフィールド、長さフィールド、及び識別子値フィールドは、前述したCS−TLVエレメントの第1の実施例の対応する名前のフィールドと同一又は類似であってもよい。ある実施形態では、CS−TLVタイプフィールド936A、936Bは、CS−TLVエレメント935A、935Bのこれら2つの異なる実施形態を区別するために、任意で、異なる一連のビット値(例えば、IANAによって割り当てられた)を有してもよい。
【0045】
図示するように、CS−TLVエレメント935Bは、完全なセット内のリンクステートメッセージの合計数を特定するように動作可能な合計数値フィールド939も含む。例えば、完全なセットが、3個のリンクステートメッセージを含む場合、合計数値フィールドは、3の整数値を有することができる。図示された実施例では、合計数値フィールドは、ビット[48:55]からなる8ビットのフィールドである。他の実施形態は、このフィールドのサイズを変更(すなわち、大きくするか、小さくする)してもよい。これは、適切なCS−TLVの一実施例にすぎない。他の実施形態は、これらの1以上のフィールドのサイズを変更し、フィールドの順番を再配置し、追加のフィールドを含むなどしてもよい。
【0046】
図10は、送信機ネットワークエレメントによって実行され、受信機ネットワークエレメントがリンクステートメッセージの不完全なセットに基づいて好適ルート計算を時期尚早に実行することによって起こり得るはずの、データ転送における潜在的な途絶を回避するために、情報を受信機ネットワークエレメントに提供する方法1024の詳細な一実施例のブロックフロー図である。当該方法は、ブロック1040で、リンクステートプロトコルデータユニット(LSP)の完全なセットのための識別子を生成することを含む。当該識別子は、前に説明した識別子と同様であってもよい。ブロック1041で、完全なセットのLSPが生成される。ブロック1042で、完全なセットのLSPの合計数がインクリメントされる。ブロック1043で、完全なセット内に追加のLSPがあるかどうかの決定がなされる。完全なセット内に追加のLSPがある場合(すなわち、「Yes」が決定)、ブロック1044で、識別子を有する情報エレメント(例えば、TLV)がLSP内に含められる。その後、ブロック1045で、識別子を有する情報エレメント(例えば、TLV)を有するLSPが、ネットワークに送信される。当該方法は、その後、ブロック1041に戻り、完全なセットの他のLSPが生成される、などする。逆に、完全なセット内に追加のLSPがない場合(すなわち、ブロック1043で「No」が決定)、ブロック1046で、識別子及び完全なセット内のLSPの総カウント又は合計数(すなわち、ブロック1042で最後にカウントされたもの)を有する情報エレメント(例えば、TLV)が、完全なセットの最後のLSPに含められる。その後、ブロック1047で、識別子及び合計数を有する当該情報エレメント(例えば、TLV)を有する最後のLSPは、ネットワークに送信される。
【0047】
図11は、送信機ネットワークエレメントに適した完全なセット特定モジュール1122の一実施例のブロック図である。ある実施形態では、完全なセット特定モジュール1122は、
図4の送信機ネットワークエレメントに含まれてもよい。あるいは、完全なセット特定モジュール1122は、全く異なる送信機ネットワークエレメントに含まれてもよい。さらに、送信機ネットワークエレメント401は、全く異なる完全なセット特定モジュールを含んでもよい。ある実施形態では、完全なセット特定モジュール1122は、
図5の方法、及び/又は
図6の方法を実行してもよい。あるいは、完全なセット特定モジュール1122は、全く異なる方法を実行してもよい。さらに、
図5及び/又は
図6の方法は、全く異なる完全なセット特定モジュールによって実行されてもよい。
【0048】
ルート配信モジュール1103が、図に示されている。ルート配信モジュールは、リンクステートメッセージの完全なセットを生成するように動作可能である。図示するように、ルート配信モジュールは、ルーティング情報ベース1104にアクセスしてリンクステート情報を取得し、リンクステートメッセージを生成してもよい。ルート配信モジュールは、リンクステートメッセージ生成モジュール1148を含む。リンクステートメッセージ生成モジュールは、リンクステート情報を用いてリンクステートメッセージを生成するように動作可能である。完全なセット特定モジュール1122は、ルート配信モジュールと通信するように動作可能である。図において、完全なセット特定モジュールは、ルート配信モジュールの一部として示されている。完全なセット特定モジュールの、識別子挿入モジュール1149及び合計数挿入モジュール1153は、リンクステートメッセージ生成モジュール1148の一部として示されている。あるいは、完全なセット特定モジュールは、ルート配信モジュール、及び/又はリンクステートメッセージ生成モジュールと連結され、及び/又は通信する分離したモジュールであってもよい。
【0049】
ある実施形態によれば、完全なセット特定モジュールは、リンクステートメッセージが完全なセットであることを示すための情報を特定するように動作可能であってもよい。完全なセット特定モジュールは、識別子生成モジュール1150、識別子挿入モジュール1149、リンクステートメッセージカウンタ1151、及び合計数挿入モジュール1153を含む。識別子生成モジュールは、リンクステートメッセージの完全なセットのための識別子を生成するように動作可能である。識別子挿入モジュールは、完全なセットの各リンクステートメッセージ内に識別子を挿入し、さもなくば含めるように動作可能である。ある実施形態では、識別子挿入モジュールは、リンクステートメッセージ(例えば、LSP)内の情報エレメント(例えば、TLVエレメント)に識別子を含めるように動作可能である。リンクステートメッセージカウンタは、完全なセットのリンクステートメッセージの合計数1152をカウントするように動作可能である。合計数挿入モジュールは、完全なセットのリンクステートメッセージの少なくとも1つ(例えば、最後に生成されたリンクステートメッセージ)に合計数を含めるように動作可能である。
【0050】
図12は、受信機ネットワークエレメント1207の一実施例のブロック図である。受信機ネットワークエレメントは、ネットワーク400内に配備され、リンク1205によって送信機ネットワークエレメント1201と連結され、又は通信するように動作可能である。実施形態によれば、受信機ネットワークエレメントは、受信されたリンクステートメッセージの不完全なセットに基づいて受信機ネットワークエレメントが好適ルート計算(例えば、最短パス優先計算)を時期尚早に実行することによって起こり得るはずの、データ転送における潜在的な途絶を回避するように動作可能であり得る。
【0051】
受信機ネットワークエレメントは、少なくとも1つのラインカード1260を含む。少なくとも1つのラインカードは、リンクステートメッセージの完全なセット、及びリンクステートメッセージがリンクステートメッセージの完全なセットであることを示すための情報1223を、ネットワークから受信するように動作可能である。リンクステートメッセージの完全なセットは、全て同一の送信機ネットワークエレメント(例えば、それらは、同一のLSP識別子を共有してもよい)において発生したものであってもよい。ある実施形態では、リンクステートメッセージの完全なセットは、集合として、送信機ネットワークエレメントのリンクステートと整合する。例えば、リンクステートメッセージの完全なセットは、集合として、論理的に一貫性があり、及び/又は、実際のリンクステートと一致してもよい。ある態様では、受信機ネットワークエレメントが、正しい結果を取得し、及び/又は、実際に存在するルートをルーティング情報ベースから誤って削除することを回避するために、リンクステートメッセージの完全なセットは、受信機ネットワークエレメントによって、一体的(atomically)に又は共に処理されるべきリンクステートメッセージ(例えば、TLVを有するLSP)のセットを含む。
【0052】
受信機ネットワークエレメントは、少なくとも1つのラインカード1260と連結された少なくとも1つのコントロールカード1261を含む。少なくとも1つのコントロールカードのリンクステートルーティングプロトコルモジュール1262は、最大リンクステートメッセージサイズを有する、リンクステートルーティングプロトコルを使用するように動作可能である。ある実施形態では、リンクステートルーティングプロトコルモジュールは、IS−ISリンクステートルーティングプロトコルモジュール(すなわち、IS−ISリンクステートルーティングプロトコルの将来のバージョン、リリース、エディション、又は派生を含み、IS−ISの名前をなお保持しているかどうかを問わない)であってもよい。他の実施形態では、リンクステートルーティングプロトコルモジュールは、IS−ISプロトコルとは全く異なるプロトコルであってもよいが、受信機ネットワークエレメントの実施形態がそのプロトコルにとって有用である限り、IS−ISプロトコルの特徴(例えば、最大メッセージサイズ)と同様の特徴を有してもよい。
【0053】
少なくとも1つのコントロールカードの完全なセット決定モジュール1264は、受信したリンクステートメッセージの完全なセットが、リンクステートメッセージの完全なセットであることを、受信した情報を用いて決定するように動作可能である。ある実施形態では、リンクステートメッセージは、リンクステートプロトコルデータユニット(LSP)であってもよく、及び/又はリンクステート情報を含むTLV(type length value)エレメントを含んでもよい。あるいは、リンクステートメッセージは、全く異なるタイプのリンクステートメッセージ又は広告であってもよい。
【0054】
少なくとも1つのコントロールカードの好適ルート計算スケジューラモジュール1263は、完全なセット決定モジュール1264と通信するように動作可能である。好適ルート計算スケジューラモジュールは、完全なセット決定モジュールが、受信したリンクステートメッセージの完全なセットがリンクステートメッセージの完全なセットであることを決定するまで、好適ルート計算のスケジューリングを遅延させるように動作可能である。図示した実施形態に示すように、完全なセット決定モジュールは、好適ルート計算スケジューラモジュールの一部(例えば、そのサブモジュール)であってもよい。あるいは、完全なセット決定モジュールは、好適ルート計算スケジューラモジュールと連結し、及び/又は通信する、分離したモジュールであってもよい。
【0055】
有利な点として、リンクステートメッセージの完全なセットがいつ受信されるかを決定する能力、及び完全なセットが受信されるまで好適ルート計算を遅延させる能力は、
図3に関連して述べたある問題を回避するのに役立つことができる。一つには、これは、原因となる接続がまだ存在しているためルートが必ずしも削除されるべきでないときの黙示的なパージングに起因する、ルートの誤った削除を回避するのに役立つことができる。また、これは、実際に実行される必要がある最後の好適ルート計算を実際に遅延させる可能性がある、本来無駄で不必要な好適ルート計算の実行を回避することにも役立つことができる。ある場合においては、発信元ネットワークエレメントが、再配信されたルートのバーストを受信するような場合、それらのルートを広告するための多数のリンクステートメッセージを送出することができる。リンクステートメッセージの完全なセットを受信するのを待つことにより、多数の不必要な好適ルート計算及びネットワークの変動(churns)を回避することができる。さらに、ある場合においては、完全なセットに基づく最後の好適ルート計算のみが、完全なセットの受信後直ちに開始されることができる。
【0056】
好適ルート計算モジュール1265は、好適ルート計算スケジューラモジュールと連結され、又は通信する。ある実施形態では、好適ルート計算は、ダイクストラのアルゴリズムに基づき、又は派生する最短パス優先計算モジュール及び/又はルート計算モジュールであってもよい。
【0057】
図13は、受信機ネットワークエレメントによって実行される、受信されたリンクステートメッセージの不完全なセットに基づいて受信機ネットワークエレメントが好適ルート計算(例えば、最短パス優先計算)を時期尚早に実行することによって起こり得るはずの、データ転送における潜在的な途絶を回避する方法1366の一実施例のブロックフロー図である。ある実施形態では、方法1366は、
図12の受信機ネットワークエレメント1207によって実行されてもよい。あるいは、方法1366は、全く異なる受信機ネットワークエレメントによって実行されてもよい。さらに、受信機ネットワークエレメント1207は、全く異なる方法を実行してもよい。
【0058】
ある実施形態では、当該方法は、最大リンクステートメッセージサイズを有するリンクステートルーティングプロトコルを利用する、受信機ネットワークエレメントにより実行され得る。ある実施形態では、リンクステートルーティングプロトコルモジュールは、IS−ISリンクステートルーティングプロトコルモジュール(すなわち、IS−ISリンクステートルーティングプロトコルの将来のバージョン、リリース、エディション、又は派生を含み、IS−ISの名前をなお保持しているかどうかを問わない)であってもよい。他の実施形態では、リンクステートルーティングプロトコルモジュールは、IS−ISプロトコルとは全く異なるプロトコルであってもよいが、当該方法がそのプロトコルにとって有用である限り、IS−ISプロトコルの特徴(例えば、最大メッセージサイズ)と同様の特徴を有してもよい。
【0059】
当該方法は、ブロック1367で、リンクステートメッセージが、リンクステートメッセージの完全なセットであることを示す情報を有するリンクステートメッセージの完全なセットを受信することを含む。ある実施形態では、リンクステートメッセージの完全なセットは、集合として送信機ネットワークエレメントのリンクステートと整合する。当該方法は、また、ブロック1368で、受信されたリンクステートメッセージの完全なセットが、リンクステートメッセージの完全なセットであることを、受信された情報を用いて決定することを含む。当該方法はさらに、ブロック1369で、受信されたリンクステートメッセージの完全なセットが、リンクステートメッセージの完全なセットであることを決定するまで、好適ルート計算の実行を遅延させることを含む。有利な点として、そのような方法は、リンクステート情報(例えば、1以上のTLV)が、リンクステートメッセージから追加のリンクステートメッセージへ再配置されるときの黙示的なパージングの結果としての、(例えば、ルーティング情報ベースからの)ルートの誤った削除を回避するのに役立つことができる。受信機ネットワークエレメントは、好適ルート計算を、完全なセットの全てのリンクステートメッセージが受信されるまで実行せず、従って、実際に存在するルートが削除されたと誤って推測しない。
【0060】
ある実施形態では、好適ルート計算の実行は、受信されたリンクステートメッセージの完全なセットがリンクステートメッセージの完全なセットであると決定することに応じて、又はその結果として開始されてもよい。言い換えると、好適ルート計算が、さらなる不要な遅延なしにリンクステートメッセージの完全なセットの受信後すぐに開始できるように、そのような決定は、好適ルート計算を開始するために用いられてもよい。ある実施形態では、例えば、対応するデータベースへのトラフィックエンジニアリング情報のような追加の情報は、メッセージの完全なセットが更新されてから受信が決定されるまで、任意で保留されてもよい。
【0061】
図14は、受信されたリンクステートメッセージの完全なセットがリンクステートメッセージの完全なセットであることを、受信されたそのように示す情報を用いて、決定する方法1468の一実施例のブロックフロー図である。方法1468は、
図13のブロック1368の適切な実施形態の一例である。
【0062】
当該方法は、ブロック1470で、完全なセットの各リンクステートメッセージ内で、リンクステートメッセージの完全なセットのための識別子を認識することを含む。ある実施形態では、識別子は、リンクステートメッセージ内の情報エレメント(例えば、TLV)内で認識されてもよい。ブロック1471で、識別子が認識されたリンクステートメッセージのカウンタが保持される。一態様では、識別子を有するリンクステートメッセージ毎にカウンタがインクリメントされてもよい。ブロック1472で、完全なセットのリンクステートメッセージの少なくとも1つにおいて、リンクステートメッセージの合計数が認識される。ある実施形態では、合計数は、完全なセットのリンクステートメッセージの1つだけ(例えば、最後に生成されたリンクステートメッセージ)において認識されてもよいが、これは必須ではない。ブロック1473で、カウントが合計数と等しいことが決定される。一態様では、このことは、現在のカウントを合計数と、それが知られたときに比較することを伴うものであってもよい。
【0063】
これは、受信したリンクステートメッセージの完全なセットが完全なセットであることを決定する方法の実施形態のほんの一具体例である。他の方法も考えられる。例えば、他の実施形態では、識別子の完全なセットの異なる識別子をそれぞれ有するリンクステートメッセージが受信されてもよく、識別子の完全なセットが受信されてもよく、また、受信機ネットワークエレメントは、受信されたリンクステートメッセージ内の識別子を識別子の完全なセットと比較して、全てのリンクステートメッセージが受信されたかどうかを決定するようにしてもよい。他の例として、他の実施形態では、各リンクステートメッセージは、同一の完全なセットの識別子と、追加のリンクステートメッセージ数(例えば、1、2、3、など)を有することができ、受信機ネットワークエレメントが、完全なセットを受信したときに分かるように、リンクステートメッセージは、逆順の(例えば、2の前は3、1の前は2、など)当該追加のリンクステートメッセージ数とともに受信されてもよい。他のアプローチも考えられる。
【0064】
図15は、受信機ネットワークエレメントに適した完全なセット決定モジュール1564の一実施例のブロック図である。ある実施形態では、完全なセット決定モジュール1564は、
図12の受信機ネットワークエレメント1207内に含まれることができる。あるいは、完全なセット決定モジュール1564は、全く異なる受信機ネットワークエレメントに含まれてもよい。さらに、受信機ネットワークエレメント1207は、全く異なる完全なセット決定モジュールを含んでもよい。ある実施形態では、完全なセット決定モジュール1564は、
図13の方法、及び/又は
図14の方法を実行することができる。あるいは、完全なセット決定モジュール1564は、全く異なる方法を実行してもよい。さらに、
図13の方法、及び/又は
図14の方法は、全く異なる完全なセット決定モジュールによって実行されてもよい。
【0065】
好適ルート計算スケジューラモジュール1563は、図に示されている。好適ルート計算スケジューラモジュールは、好適ルート計算(例えば、最短パス優先計算)をスケジュールするように動作可能である。図示するように、好適ルート計算スケジューラモジュールは、好適ルート計算を開始するために、好適ルート計算モジュール1565にアクセスしてもよい。完全なセット決定モジュール1564は、好適ルート計算スケジューラモジュールと通信するように動作可能である。図においては、完全なセット決定モジュールは、好適ルート計算スケジューラモジュールの一部として示されている。あるいは、完全なセット決定モジュールは、好適ルート計算スケジューラモジュールと連結され、及び/又は通信する分離したモジュールであってもよい。
【0066】
ある実施形態によれば、完全なセット決定モジュール1564は、受信したリンクステートメッセージの完全なセットが完全なセットであることを決定するように動作可能であってもよい。図示された完全なセット決定モジュールは、リンクステートメッセージパーサーモジュール1574を含む。パーサーモジュールは、識別子認識モジュール1575及び合計数認識モジュール1577を含む。識別子認識モジュールは、リンクステートメッセージの完全なセットのための識別子1576を、完全なセットの各リンクステートメッセージ内で認識するように動作可能である。例として、識別子は、CS−TLVエレメント(例えば、
図9AのCS−TLVエレメント)の値フィールドにおいて認識されてもよい。新しい識別子に初めて遭遇した場合、新たな完全なセットが推定され、開始され得る。一態様では、識別子は、将来の参照のために格納され、保存されてもよい。
【0067】
完全なセット決定モジュールのリンクステートメッセージカウンタ1759は、識別子認識モジュールと連結され、又は通信する。リンクステートメッセージカウンタは、識別子が認識されたリンクステートメッセージの数の現在のカウント1580を保持するように動作可能である。識別子を有する追加のリンクステートメッセージが受信される毎に、ローカルカウントが1つインクリメントされてもよい。合計数認識モジュール1577は、完全なセットのリンクステートメッセージの合計数1578を、完全なセットのリンクステートメッセージの少なくとも1つにおいて、認識するように動作可能である。例として、合計数は、CS−TLVエレメント(例えば、
図9BのCS−TLVエレメント)の合計数値フィールド内で認識されてもよい。一態様では、合計数は、将来の参照のために、格納され、又は保持されてもよい。完全なセット決定モジュールのコンパレータモジュール1581は、合計数認識モジュール及びリンクステートメッセージカウンタと連結され、又は通信する。コンパレータモジュールは、現在のカウント1580を合計数1578と比較するように動作可能である。完全なセットのリンクステートメッセージは、生成され、及び/又は、送信された順番で到着しない可能性がある。従って、潜在的には、合計数を特定する、最後に生成された、及び/又は、送信されたリンクステートメッセージであっても、完全なセットの1以上の他のリンクステートメッセージよりも前に受信される可能性がある。
【0068】
好適ルート計算スケジューラモジュール及び/又は完全なセット決定モジュールは、任意のイニシエータモジュール1582も有する。イニシエータモジュールは、受信されたリンクステートメッセージの完全なセットが完全なセットであることを完全なセット決定モジュールが決定することに応じて、好適ルート計算を実行するために好適ルート計算モジュール1565を開始するように動作可能である。ある実施形態では、好適ルート計算が、正しい結果を得るために情報の完全なセットを有したら、さらに遅延されないように、イニシエータモジュールは、等しいことの決定がなされるとすぐに、好適ルート計算を開始するようにしてもよい。
【0069】
完全なセット決定モジュールは、任意のタイムアウトモジュール1583も有する。タイムアウトモジュールは、タイムアウト値1584及びタイマー1585を有してもよい。タイムアウト値は、設定可能であってもよい。タイマーは、新しい識別子を有するセットの最初のリンクステートメッセージを受信したら開始されてもよい。タイマーは、最初のメッセージが受信されたときから時間をカウントすることができる。リンクステートメッセージの完全なセットが受信されたことが決定される前に、タイマーがタイムアウト値に達した場合、タイムアウトモジュールは、好適ルート計算を実行するために好適ルート計算モジュールを開始することができる。そのような場合に、いくつかのトラフィック転送の問題が発生する可能性があるが、時期尚早にリンクステートメッセージの不完全なセットを処理する従来のアプローチと同様に、一般的にこのようなケースは比較的まれであるであろう。そのようなタイムアウトカウンタを用いることにより、過度に遅いか、又は到着しない、欠落したリンクステートメッセージを待機する、過度に長い遅延を回避することができる。所与の識別子に対し完全なセットの決定が行われるときに、タイムアウトカウンタは、キャンセルされてもよい。
【0070】
停止モジュール1586もまた、任意で含まれてもよい。エラーが起きた場合、停止モジュールは、リンクステートメッセージの完全なセットなしで好適ルート計算を実行するようにフォールバックするために受信機ネットワークエレメントを開始してもよい。
【0071】
ある場合には、完全なセット内に多数のLSPが存在してもよい。例えば、これは、グレースフルリスタートのイベントにおける場合であってもよい。グレースフルリスタートは、強制終了、ハードウェア変更、ネットワークエレメントのリスタート等のイベントで起きうる。グレースフルリスタート処理によって、ネットワークエレメントがそのルーティング情報ベースのコンテンツを忘れることが起こり得る。ネットワークエレメントは、ルーティングテーブルを再生成するための知識を取り戻す処理の一部として、多数のLSPを送出してもよい。IS−ISの特定の場合には、そのようなLSPが最大255まで許可されている。TLVが、前回送出されたLSPの間で配信され/順序付けられた方法とは異なり、これらの新たに創出されたLSPの間でTLVが配信され/順序付けられる場合、黙示的なパージングに関する問題が起きうる。しかしながら、多くの場合、TLVが、前回送出されたLSPの間で配信され/順序づけられたのと全く同じ方法で、これらの新たに送出されたLSPの間で配信され/順序付けされることを保証することが困難となる傾向にある。ルーティング情報ベースは、リスタート前の時と同じ順序で、再配信されるルートを必ずしも供給しないため、再構築されるLSPは、TLVを再順序付けし得る。再配信されたルートの数が高い場合、TLVは、多くのLSPで配信され得る。本明細書中の実施形態には開示していないが、再配信されたルートに全く変更がない場合であっても、LSPのセットが他の受信機ネットワークエレメントに到達したとき、黙示的なパージングに関する同じ問題が生じる可能性がある。
【0072】
リンクステートメッセージの完全なセットの特定及び決定/認識を利用する開示された実施形態は、同じレベルの黙示的なパージングの問題に遭遇することなく、グレースフルリスタート後に、これらのLSPを再順序付けする可能性を許容する。リスタートする送信機ネットワークエレメントは、TLVの再順序付けの対象である完全なセットの全てのLSPを特定し、自身のグレースフルリスタート処理の終了後にそれらを送信してもよい。ある実施形態では、10、又は100のリンクステートメッセージでも、完全なセットに含まれうる。ある実施形態では、これらのTLVの全て(例えば、IS−ISには255、又は所与のプロトコルの最大数)が、同じ完全なセットに含まれうる。受信機ネットワークエレメントは、完全なセットを認識し、同じ外部の到達可能なプリフィックスを誤ってパージしないようにすることができる。有利な点として、このことは、黙示的なパージングに関する前述した問題と、発生傾向にある関連する問題(例えば、トラフィックロス、ループ、など)を回避し、又は少なくとも低減するのに役立つことができる。さらに、このことは、処理のかなりの量を無駄にし、実際に意味のある、最終的な計算を遅延させる可能性がある、過剰な数の不必要な連続した好適ルーティング計算(そのような連続した好適ルーティング計算は最大255まで)を回避するのに役立つことができる。
【0073】
上記の説明では、説明のために、多くの具体的な詳細は、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために記載されている。しかしながら、当業者であれば、1以上の他の実施形態は、これらの具体的な詳細の一部がなくても実施できることは明らかであろう。記載された特定の実施形態は、本発明を制限するためではなく、それを説明するために提供されている。当業者は、本発明は
、修正及び変更して実施されることができることを認識するであろう。従って、説明は、限定するものではなく例示としてみなされるべきである。本発明の範囲は、上記で提供された具体例によってではなく、以下の特許請求の範囲によってのみ、決定されるべきものである。他の例において、周知の回路、構造、装置、及び動作は、説明の理解を不明瞭にしないために、ブロック図の形でまたは詳細なしで示されている。さらに、適切であると考えられる場合、参照符号又は参照符号の端子部は、対応する、または任意で同様の特性を有することができる類似の要素を示すために図面間で繰り返されている。
【0074】
「一実施形態」、「実施形態」、「実施例」等への明細書中の参照は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、全ての実施形態が必ずしも特定の特徴、構造又は特性を含まなくてもよいことを示している。さらに、そのような語句は、必ずしも同一の実施形態を参照するものではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性が、実施形態に関連して説明されている場合、明記されているか否かによらず、他の実施形態との関連でそのような特徴、構造、又は特性を作用させることは、当業者の知識の範囲内であると考えられる。
【0075】
説明及び特許請求の範囲において、「連結された」及び「接続された」という用語が、それらの派生語と共に、使用されることができる。これらの用語は互いに同義語として意図されていないことを理解すべきである。「連結された」は、直接物理的に、又は電気的に互いに接触してもいなくてもよい2以上の要素が、互いに協働又は相互作用することを示すために使用される。「接続された」は、互いに連結された2以上の要素間の通信の確立を示すために使用される。
【0076】
様々な動作及び方法が記載されている。方法のいくつかは、フロー図における基本形で説明したが、動作は、任意に方法に追加、及び/又は方法から削除されてもよい。さらに、フロー図は、例としての実施形態による動作の特定の順序を示しているが、その特定の順序は、例示的なものであることが理解されるべきである。代替の実施形態は、任意で、異なる順序で動作を実行し、特定の動作を組み合わせ、特定の動作にオーバーラップするなどしてもよい。多くの変更及び適合が、当該方法になされてもよく、考えられる。
【0077】
本発明の異なる実施形態は、異なる組み合わせのソフトウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェアを用いて実装されてもよい。したがって、図に示す技術は、1以上の電子デバイス(例えば、エンドステーション、ネットワークエレメント)上に格納され、実行されるコード及びデータを用いて実装されることができる。このような電子デバイスは、コンピュータ読み取り可能な媒体、有形の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体及び非有形の一時的なコンピュータ読み取り可能な通信又は伝送媒体を用いて、コード及びデータを格納し、(内部的に、及び/又は他の電子機器とネットワークを介して)通信する。有形の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体のいくつかの代表的な例には、磁気ディスク、光磁気ディスク、スタティックRAM(SRAM)やダイナミックRAM(SRAM)などのランダムアクセスメモリ(RAM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能及びプログラマブルROM(EPROM)、及び電気的消去可能及びプログラマブルROM(EEPROM)などのリードオンリメモリ(ROM)、フラッシュメモリデバイス、相変化メモリ、などを含むが、これらに限定されない。有形の記憶媒体は、例えば、半導体物質、相変化物質、磁性物質等のような、1以上の固体又は有形の物理的な材料を含んでもよい。
【0078】
実施形態は、もし機械(例えば、ネットワークエレメント、スイッチ、ルータ、エンドステーション、ホスト、コンピュータシステム、又は少なくとも1つのマイクロプロセッサを有する電子機器)により実行された場合、本明細書に開示された1以上の動作又は方法を実行する機械となる、一連の命令を記憶する有形の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含む製造品に関連する。非有形の一時的なコンピュータ読み取り可能な通信又は伝送媒体のいくつかの代表的な例としては、搬送波、赤外線信号、デジタル信号などの、電気的、光学的、音響的又は他の形式の伝播信号を含むが、これらに限定されない。また、このような電子機器は、一般的には、1以上の記憶装置(非一時的機械読み取り可能な記憶媒体)、ユーザ入力/出力装置(例えば、キーボード、タッチスクリーン、及び/又はディスプレイ)、及びネットワーク接続などの、1以上のコンポーネントに結合された1以上のプロセッサのセットを含む。プロセッサ及び他のコンポーネントのセットの結合は、一般的に、1以上のバス及びブリッジ(バスコントローラとも称する)を介してなされる。従って、所与の電子装置の記憶装置は、一般的には、当該電子装置の1以上のプロセッサのセットで実行するためのコード及び/又はデータを格納する。