特許第6057998号(P6057998)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6057998
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】電力供給システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/44 20060101AFI20161226BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20161226BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20161226BHJP
   H01M 10/615 20140101ALI20161226BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20161226BHJP
   H01M 10/633 20140101ALI20161226BHJP
   H01M 10/637 20140101ALI20161226BHJP
【FI】
   H01M10/44 P
   H02J7/00 302C
   H01M10/48 P
   H01M10/615
   H01M10/625
   H01M10/633
   H01M10/637
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-521920(P2014-521920)
(86)(22)【出願日】2012年7月16日
(65)【公表番号】特表2014-525128(P2014-525128A)
(43)【公表日】2014年9月25日
(86)【国際出願番号】CN2012078729
(87)【国際公開番号】WO2013017015
(87)【国際公開日】20130207
【審査請求日】2014年3月20日
(31)【優先権主張番号】201120273473.0
(32)【優先日】2011年7月29日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512197733
【氏名又は名称】シェンゼェン ビーワイディー オート アールアンドディー カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】トン ジーウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジュー ジャンフア
(72)【発明者】
【氏名】ルー ジーペイ
(72)【発明者】
【氏名】ライ チン
【審査官】 緑川 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−284606(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/007655(WO,A1)
【文献】 特開2008−199743(JP,A)
【文献】 特開2010−104179(JP,A)
【文献】 特開2010−239709(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/145439(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00−7/12,7/34−7/36
H01M 10/42−10/48
H01M 10/52−10/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力供給システムであって、
少なくとも2つの直列のモジュールを含むバッテリモジュールであって、直列のモジュールの各々は、直列に接続される少なくとも2つのバッテリグループを含む、バッテリモジュール、
前記バッテリモジュールと接続される制御モジュールであって、
IGBTモジュール、
複数のリレーを含むリレーモジュールであって、直列のモジュールの各々は、前記リレーモジュールに接続され、前記リレーモジュールは、前記IGBTモジュールに接続される、リレーモジュール、
選択された直列のモジュールを前記IGBTモジュールと回線を形成させるために各リレーのオンまたはオフを制御するように構成されるリレー制御モジュール、を含む制御モジュール、および、
前記制御モジュールと接続される分電箱、を含む電力供給システムであって、
前記バッテリモジュールは、
最初のバッテリグループと直列に接続される第1のリレーを介して前記分電箱と接続される1つの最初のバッテリグループ、
複数の中間のバッテリグループであって、中間のバッテリグループの各々は、前記中間のバッテリグループの各々と直列に接続される第2のリレーを介して前記分電箱と接続され、かつ、前記中間のバッテリグループと直列に接続される第3のリレーを介して前記IGBTモジュールと接続される、複数の中間のバッテリグループ、および、
最後のバッテリグループと直列に接続される第4のリレーを介して前記IGBTモジュールと接続される1つの最後のバッテリグループ、を含み、
前記最初のバッテリグループ、前記複数の中間のバッテリグループおよび前記最後のバッテリグループは、前記少なくとも2つの直列のモジュールに属し、前記IGBTモジュールは、前記分電箱と接続され、2つの隣接する直列のモジュールは、第5のリレーを介して接続される、電力供給システム。
【請求項2】
直列のモジュールの各々は、直列に接続される2つのバッテリグループを含む、請求項に記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記リレーは、電磁リレーである、請求項1〜2のいずれか1項に記載の電力供給システム。
【請求項4】
前記リレー制御モジュールは、シングルチップマイクロコンピュータである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力供給システム。
【請求項5】
バッテリグループを加熱する方法であって、
少なくとも2つの直列のモジュールを含むようにバッテリモジュールを構成するステップであって、前記少なくとも2つの直列のモジュールの各々は、直列に接続される少なくとも2つのバッテリグループを含む、ステップ、
IGBTモジュール、リレーモジュールおよびリレー制御モジュールを含む制御モジュールを構成するステップであって、
前記リレーモジュールは、複数のリレーを含むように構成され、直列のモジュールの各々は、前記リレーモジュールに接続され、前記リレーモジュールは、前記IGBTモジュールに接続され、前記リレー制御モジュールは、選択された直列のモジュールを前記IGBTモジュールと回線を形成させるために各リレーのオンまたはオフを制御するように構成される、ステップ、および、
分電箱を前記IGBTモジュールおよび前記リレーモジュールとそれぞれ接続するように構成するステップ、を含む、バッテリグループを加熱する方法であって、
前記バッテリモジュールは、
最初のバッテリグループと直列に接続される第1のリレーを介して前記分電箱と接続される1つの最初のバッテリグループ、
複数の中間のバッテリグループであって、中間のバッテリグループの各々は、前記中間のバッテリグループの各々と直列に接続される第2のリレーを介して前記分電箱と接続され、かつ、前記中間のバッテリグループと直列に接続される第3のリレーを介して前記IGBTモジュールと接続される、複数の中間のバッテリグループ、および、
最後のバッテリグループと直列に接続される第4のリレーを介して前記IGBTモジュールと接続される1つの最後のバッテリグループ、を含んで構成され、
前記最初のバッテリグループ、前記複数の中間のバッテリグループおよび前記最後のバッテリグループは、前記少なくとも2つの直列のモジュールに属し、前記IGBTモジュールは、前記分電箱と接続され、2つの隣接する直列のモジュールは、第5のリレーを介して接続される、バッテリグループを加熱する方法。
【請求項6】
電圧の平衡を実現するために、最高電圧を有する1つの直列のモジュールと最低電圧を有する1つの直列のモジュールとを並列に接続するステップを含む、請求項に記載のバッテリグループを加熱する方法。
【請求項7】
直列のモジュールの各々は、直列に接続される最初のバッテリグループおよび第2のバッテリグループを含むように構成される、請求項に記載のバッテリグループを加熱する方法。
【請求項8】
第1の直列のモジュールにおける最初のバッテリグループを前記分電箱に直接接続するために、そして第1の直列のモジュールにおける第2のバッテリグループを前記IGBTモジュールを介して前記分電箱に接続するために、各リレーのオンまたはオフを制御するようにリレー制御モジュールを構成するステップを含む、請求項に記載のバッテリグループを加熱する方法。
【請求項9】
第1の直列のモジュールにおける最初のバッテリグループを前記分電箱に直接接続するために、そして第2の直列のモジュールにおける第2のバッテリグループを前記IGBTモジュールを介して前記分電箱に接続するために、各リレーのオンまたはオフを制御するようにリレー制御モジュールを構成するステップであって、前記第1の直列のモジュールにおける前記最初のバッテリグループ、前記第1の直列のモジュールにおける第2のバッテリグループ、前記第2の直列のモジュールにおける最初のバッテリグループ、および前記第2の直列のモジュールにおける前記第2のバッテリグループは、直列に接続される、ステップを含む、請求項に記載のバッテリグループを加熱する方法。
【請求項10】
前記リレーは、電磁リレーである、請求項5〜9のいずれか1項に記載のバッテリグループを加熱する方法。
【請求項11】
前記リレー制御モジュールは、シングルチップマイクロコンピュータである、請求項5〜10のいずれか1項に記載のバッテリグループを加熱する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願についての相互参照]
この出願は、2011年7月29日に中華人民共和国の国家知的所有権事務所に出願された中国特許出願番号第201120273473.0号の優先権およびその利益を主張し、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本開示は、電力供給分野に関し、より詳しくは、バッテリの電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0003】
電気自動車のコア構成要素の1つは、バッテリである。しかしながら、リチウムイオンバッテリの性能は、通常、低温で乏しい。したがって、電気自動車において用いられるリチウムイオンバッテリを加熱することは、必要とされる。電気自動車のバッテリ加熱システムは、技術的挑戦になった。直列のIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)加熱は、電気自動車のバッテリを加熱するための従来法の1つである。
【0004】
電気自動車のバッテリは、大部分がバッテリパックを形成するために直列に構成されるので、IGBT加熱のために、IGBTは、バッテリパックと直列に接続される。そして、バッテリパックは、全てのバッテリパックの瞬時の短絡によって発生するパルス電流によって加熱される。バッテリの性能が乏しい場合、パルス短絡電流は、バッテリの大きい抵抗のせいで、大きすぎることができず(例えば、3000アンペア未満)、したがって、全パックの直列のIGBT加熱は、可能である。しかしながら、バッテリの性能の改良にともなって、ハイブリッド自動車のバッテリパックのパルス短絡電流が5000アンペア以上を達成してよいように、そして、純粋な電気自動車のバッテリパックのパルス短絡電流が7000アンペア以上を達成してよいように、バッテリの抵抗は、大きく減少する。そしてそれは、IGBT、ヒューズプラグおよびバッテリ自体のためにあまりに大きい。
【0005】
加えて、一方では、バッテリパックが、通常、直列に接続された数百のバッテリからできているので、バッテリパックの容量損失を生じさせる場合のある反復充電‐放電プロセスの間に、各単一バッテリの不均一な放電が生じる場合がある。そして他方では、直列のIGBT加熱のために、異なるバッテリグループのせいで放電の違いが生じる場合がある。したがって、それに応じてバッテリパックの電圧差が生じる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、課題の少なくとも1つ、特に、従来の直列のIGBT加熱プロセスにおいてバッテリならびに電子デバイスおよびコンポーネントの寿命損失を生じさせる場合がある大きすぎる電流の欠陥を解決するために向けられる。したがって、数回に分けて加熱することを実現してよくそして大きすぎる電流を回避してよい電力供給は、提供されることを必要としてよい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態によれば、電力供給システムは、提供される。電力供給システムは、少なくとも2つの直列のモジュールを含むバッテリモジュールであって、直列のモジュールの各々は、直列に接続される少なくとも2つのバッテリグループを含む、バッテリモジュール、バッテリモジュールと接続される制御モジュールであって、IGBTモジュール、複数のリレーを含むリレーモジュールであって、直列のモジュールの各々は、リレーモジュールに接続され、リレーモジュールは、IGBTモジュールに接続される、リレーモジュール、IGBTモジュールと動作する1つ以上の直列のモジュールを選択するために各リレーのオンまたはオフを制御するように構成されるリレー制御モジュール、を含む制御モジュール、および、制御モジュールと接続される分電箱、を含む。
【0008】
一実施形態において、バッテリモジュールは、最初のバッテリグループと直列に接続される第1のリレーを介して分電箱と接続される1つの最初のバッテリグループ、複数の中間のバッテリグループであって、中間のバッテリグループの各々は、中間のバッテリグループの各々と直列に接続される第2のリレーを介して分電箱と接続され、かつ、中間のバッテリグループと直列に接続される第3のリレーを介してIGBTモジュールと接続される、複数の中間のバッテリグループ、および、最後のバッテリグループと直列に接続される第4のリレーを介してIGBTモジュールと接続される1つの最後のバッテリグループ、を含み、最初のバッテリグループ、複数の中間のバッテリグループおよび最後のバッテリグループは、少なくとも2つの直列のモジュールに属し、IGBTモジュールは、分電箱と接続され、2つの隣接する直列のモジュールは、第5のリレーを介して接続される。
【0009】
一実施形態において、直列のモジュールの各々は、直列に接続される2つのバッテリグループを含む。
【0010】
一実施形態において、リレーは、電磁リレーである。
【0011】
一実施形態において、リレー制御モジュールは、シングルチップマイクロコンピュータである。
【0012】
本開示の一実施形態によれば、バッテリグループを加熱する方法は、提供される。バッテリグループを加熱する方法は、少なくとも2つの直列のモジュールを含むようにバッテリモジュールを構成するステップであって、少なくとも2つの直列のモジュールの各々は、直列に接続される少なくとも2つのバッテリグループを含む、ステップ、IGBTモジュール、リレーモジュールおよびリレー制御モジュールを含む制御モジュールを構成するステップであって、リレーモジュールは、複数のリレーを含むように構成され、直列のモジュールの各々は、リレーモジュールに接続され、リレーモジュールは、IGBTモジュールに接続され、リレー制御モジュールは、IGBTモジュールと動作する1つ以上の直列のモジュールを選択するために各リレーのオンまたはオフを制御するように構成される、ステップ、および、分電箱をIGBTモジュールおよびリレーモジュールとそれぞれ接続するように構成するステップ、を含む。
【0013】
一実施形態において、バッテリモジュールは、最初のバッテリグループと直列に接続される第1のリレーを介して分電箱と接続される1つの最初のバッテリグループ、複数の中間のバッテリグループであって、中間のバッテリグループの各々は、中間のバッテリグループの各々と直列に接続される第2のリレーを介して分電箱と接続され、かつ、中間のバッテリグループと直列に接続される第3のリレーを介してIGBTモジュールと接続される、複数の中間のバッテリグループ、および、最後のバッテリグループと直列に接続される第4のリレーを介してIGBTモジュールと接続される1つの最後のバッテリグループ、を含み、最初のバッテリグループ、複数の中間のバッテリグループおよび最後のバッテリグループは、少なくとも2つの直列のモジュールに属し、IGBTモジュールは、分電箱と接続され、2つの隣接する直列のモジュールは、第5のリレーを介して接続される。
【0014】
一実施形態において、方法は、電圧の平衡を実現するために、最高電圧を有する1つの直列のモジュールと最低電圧を有する1つの直列のモジュールとを並列に接続するステップを含む。
【0015】
一実施形態において、直列のモジュールの各々は、直列に接続される最初のバッテリグループおよび第2のバッテリグループを含むように構成される。
【0016】
一実施形態において、方法は、第1の直列のモジュールにおける最初のバッテリグループを分電箱に直接接続するために、そして第1の直列のモジュールにおける第2のバッテリグループをIGBTモジュールを介して分電箱に接続するために、各リレーのオンまたはオフを制御するようにリレー制御モジュールを構成するステップを含む。
【0017】
一実施形態において、方法は、第1の直列のモジュールにおける最初のバッテリグループを分電箱に直接接続するために、そして第2の直列のモジュールにおける第2のバッテリグループをIGBTモジュールを介して分電箱に接続するために、各リレーのオンまたはオフを制御するようにリレー制御モジュールを構成するステップであって、第1の直列のモジュールにおける最初のバッテリグループ、第1の直列のモジュールにおける第2のバッテリグループ、第2の直列のモジュールにおける最初のバッテリグループ、および第2の直列のモジュールにおける第2のバッテリグループは、直列に接続される、ステップを含む。
【0018】
一実施形態において、リレーは、電磁リレーである。
【0019】
一実施形態において、リレー制御モジュールは、シングルチップマイクロコンピュータである。
【0020】
従来の全てのパックの直列のIGBT加熱システムと比較して、本開示により提供される電力供給システムおよびバッテリグループを加熱する方法は、以下のとおりに効果がある。
【0021】
(1)電力供給システムは、バッテリグループを数回に分けて加熱することを実現してよく、したがって、最大電流は、2500アンペアから3000アンペアまでの範囲を保ってよい。そしてそれは、バッテリ自体ならびに他の電子デバイスおよびコンポーネントの性能に損害を与えることができない。
【0022】
(2)電力供給システムは、バッテリグループ間の電圧の平衡、および高電圧のバッテリグループと低電圧のバッテリグループとの間の並列の平衡電圧を実現してよい。
【0023】
本開示の実施形態のさらなる態様および利点は、以下の説明において部分的に与えられるか、以下の説明から部分的に明らかになるか、または、本開示の実施形態の実行(practice)から学ばれる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
開示のこれらのおよび他の態様および利点は、図と併せてとられる以下の説明から明らかになり、より容易に認識される。
図1図1は、本開示の一実施形態による電力供給システムを示すブロック線図である。
図2図2は、本開示の一実施形態による直列のモジュールの接続を示す概略的線図である。
図3図3は、本開示の一実施形態によるバッテリモジュールおよび制御モジュールの接続を示す概略的線図である。
図4図4は、本開示の一実施形態によるバッテリモジュールの構造を示す概略的線図である。
図5図5は、本開示の一実施形態による制御モジュールの構造を示す概略的線図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示の実施形態は、以下の説明において詳述される。そしてその実施例は、添付の図面に示されて、同じかまたは類似の要素および同じかまたは類似の機能を有する要素は、説明の全体を通じて同様の参照番号によって示される。添付の図面を参照して本明細書に記載される実施形態は、説明的でありかつ例示的である。そしてそれは、一般に本開示を理解するために用いられる。実施形態は、本開示を制限するものと解釈されるべきでない。
【0026】
図1は、本開示の一実施形態による電力供給システムのブロック線図である。図1に示すように、電力供給システムは、バッテリモジュール1、制御モジュール2および分電箱(distribution box)3を含む。バッテリモジュール1は、制御モジュール2と接続され、制御モジュール2は、分電箱3と接続される。図2は、本開示の一実施形態による直列のモジュールの接続を示す概略的線図である。図2に示すように、バッテリモジュール1は、少なくとも2つの直列のモジュール11を含む。図3は、本開示の一実施形態によるバッテリモジュールおよび制御モジュールの接続を示す概略的線図である。図3に示すように、直列のモジュール11の各々は、直列に接続される少なくとも2つのバッテリグループを含む。直列のモジュール11の各々は、直列に接続される2つ以上のバッテリグループを含んでよい点、すなわち、直列のモジュール11の各々に含まれるバッテリグループの数は、電力供給システムの要件に依存する点に留意する必要がある。同様に、バッテリモジュール1は、2つ以上の直列のモジュール11を含んでよく、すなわち、直列のモジュール11の数も、電力供給システムの要件に依存する。
【0027】
図3に示すように、制御モジュール2は、リレーモジュール22、リレー制御モジュール21およびIGBTモジュール23を含む。リレーモジュール22は、複数のリレーKを含む。直列のモジュール11の各々は、リレーモジュール22に接続され、リレーモジュール22は、IGBTモジュール23に接続される。リレー制御モジュール21は、IGBTモジュール23と動作する直列のモジュール11を選択するために、各リレーKのオンまたはオフを制御するように構成される。電力供給システムは、バッテリグループを数回に分けて加熱することおよび電圧の平衡を実現してよい。制御モジュール2は、外部信号(実行にしたがって決定される)によって動作を起動されてよい点に留意する必要がある。
【0028】
図3にさらに示すように、バッテリモジュール1は、1つの最初のバッテリグループ110、1つの最後のバッテリグループ112、および複数の中間のバッテリグループ111を含む。最初のバッテリグループ110、複数の中間のバッテリグループ111、および最後のバッテリグループ112は、直列のモジュール11に属する。最初のバッテリグループ110は、最初のバッテリグループ110と直列に接続されるリレーKを介して、分電箱3と接続される。中間のバッテリグループ111の各々は、中間のバッテリグループ111の各々と直列に接続されるリレーKを介して、分電箱3と接続され、そして中間のバッテリグループ111と直列に接続されるリレーKを介して、IGBTモジュール23と接続される。最後のバッテリグループ112は、最後のバッテリグループ112と直列に接続されるリレーKを介して、IGBTモジュール23と接続される。要約すれば、実施形態において、バッテリモジュール1は、分電箱3とだけ接続される1つの最初のバッテリグループ110、IGBTモジュール23とだけ接続される1つの最後のバッテリグループ112、および両方と接続される複数の中間のバッテリグループ111を含む。
【0029】
一実施形態において、IGBTモジュール23は、分電箱3と接続され、2つの隣接する直列のモジュール11は、リレーKを介して接続される。
【0030】
一実施形態において、直列のモジュール11の各々は、直列に接続される2つのバッテリグループを含んでよい。しかしながら、バッテリグループの数は、2と異なってよく、そしてそれは、実行にしたがって選択される。
【0031】
一実施形態において、リレーは、電磁リレーでよい。当業者にとって、同じ性能を達成してよい他のいかなるリレーも用いられてよい点に留意する必要がある。
【0032】
一実施形態において、リレー制御モジュール21は、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)、SCM(シングルチップマイクロコンピュータ)または他の任意の制御モジュールであってよい。SCMが、本実施形態において用いられる。
【0033】
IGBT加熱システムのために、外部回路は、IGBT回路によって急速に開閉されてよい。そしてそれは、バッテリの瞬時の短絡を実現してよい。そしてその時間は、一般に約1〜2分持続する。パルス電流の同じパルス幅の条件の下で、パルス電流およびパルス電流によって発生する熱は、両方とも、バッテリの電圧および抵抗に依存する。当業者に知られるこの種のIGBT回路は、本明細書では詳述されない点に留意する必要がある。本開示は、主に外部回路の構造を最適化する。したがって、加熱の瞬間に発生する大きすぎる瞬時の短絡を回避するために、そして回路装置が損害を受けるのを防止するために、バッテリグループが数回に分けて加熱されることを可能にする。
【0034】
加えて、電気自動車のコア構成要素の1つである分電箱3は、バッテリモジュール1の出力を制御して、分配するように構成される。当業者に知られる分電箱の制御および分配方法は、本明細書では詳述されない。
【0035】
図4は、本開示の一実施形態によるバッテリモジュールの構造を示す概略的線図であり、図5は、本開示の一実施形態による制御モジュールの構造を示す概略的線図である。特定の回路接続は、図4図5に関して示される。
【0036】
バッテリグループ113(すなわち最初のバッテリグループ)の陽極(cathode)は、リレーKlを介して、制御モジュール2の正の出力端子と接続される。バッテリグループ114(すなわち中間のバッテリグループのうちの1つ)の陰極(anode)は、リレーK2を介して、制御モジュール2の正の出力端子と接続され、バッテリグループ114は、リレーKllを介してIGBTモジュール23と接続される。
【0037】
バッテリグループ115(すなわち中間のバッテリグループのうちの1つ)の陽極は、リレーK3を介して、制御モジュール2の正の出力端子と接続され、バッテリグループ115は、リレーK12を介してIGBTモジュール23と接続される。バッテリグループ116(すなわち中間のバッテリグループのうちの1つ)の陰極は、リレーK4を介して、制御モジュール2の正の出力端子と接続され、バッテリグループ116は、リレーK13を介してIGBTモジュール23と接続される。
【0038】
バッテリグループ117(すなわち中間のバッテリグループのうちの1つ)の陽極は、リレーK5を介して、制御モジュール2の正の出力端子と接続され、バッテリグループ117は、リレーK14を介してIGBTモジュール23と接続される。バッテリグループ118(すなわち中間のバッテリグループのうちの1つ)の陰極は、リレーK6を介して、制御モジュール2の正の出力端子と接続され、バッテリグループ118は、リレーK15を介してIGBTモジュール23と接続される。
【0039】
バッテリグループ119(すなわち中間のバッテリグループのうちの1つ)の陽極は、リレーK7を介して、制御モジュール2の正の出力端子と接続され、バッテリグループ119は、リレーK16を介してIGBTモジュール23と接続される。バッテリグループ120(すなわち中間のバッテリグループのうちの1つ)の陰極は、リレーK8を介して、制御モジュール2の正の出力端子と接続され、バッテリグループ120は、リレーK17を介してIGBTモジュール23と接続される。
【0040】
バッテリグループ121(すなわち中間のバッテリグループのうちの1つ)の陽極は、リレーK9を介して、制御モジュール2の正の出力端子と接続され、バッテリグループ121は、リレーK18を介してIGBTモジュール23と接続される。バッテリグループ122(すなわち最後のバッテリグループ)の陰極は、リレーK10を介してIGBTモジュール23と接続される。
【0041】
バッテリグループ114およびバッテリグループ115は、リレーK21を介して直列に接続される。バッテリグループ116およびバッテリグループ117は、リレーK22を介して直列に接続される。バッテリグループ118およびバッテリグループ119は、リレーK23を介して直列に接続される。バッテリグループ120およびバッテリグループ121は、リレーK24を介して直列に接続される。
【0042】
電力供給システムの運用法は、以下に示されてよい。
【0043】
(1)システムは、電気自動車に電源を供給するために、バッテリグループの直列接続を実現してよい。
【0044】
バッテリグループ113およびバッテリグループ114、バッテリグループ115およびバッテリグループ116、バッテリグループ117およびバッテリグループ118、バッテリグループ119およびバッテリグループ120、バッテリグループ121およびバッテリグループ122は、直列に接続されて、モジュール間接続シートを介してそれぞれペア状に接続される。リレーK21、リレーK22、リレーK23およびリレーK24は、バッテリグループ114とバッテリグループ115との間、バッテリグループ116とバッテリグループ117との間、バッテリグループ118とバッテリグループ119との間、バッテリグループ120とバッテリグループ121との間の直列接続を許容するようにオンである。したがって、リレーKl、リレーK21、リレーK22、リレーK23、リレーK24およびリレーK10がオンであり、他のリレーがオフであるとき、バッテリモジュールによって全ての電気自動車のための電源を実現するために、バッテリモジュール1の陰極は、制御モジュール2の正の出力端子と接続され、バッテリモジュール1の陽極は、IGBTモジュール23と接続される。
【0045】
(2)システムは、制御モジュール2との2つまたは4つの隣接するバッテリグループの接続、および2つまたは4つの順次に隣接するバッテリグループの加熱を、実現してよい。
【0046】
2つの隣接するバッテリグループを加熱することは、以下のとおりに行われてよい。
【0047】
バッテリグループ113およびバッテリグループ114が制御モジュール2の正の出力端子およびIGBTモジュール23と接続されるように、リレーKlおよびリレーKllはオンであり、他のリレーはオフである。したがって、バッテリグループ113およびバッテリグループ114は、IGBTモジュール23を介して加熱される。
【0048】
バッテリグループ115およびバッテリグループ116が制御モジュール2の正の出力端子およびIGBTモジュール23と接続されるように、リレーK3およびリレーK13はオンであり、他のリレーはオフである。したがって、バッテリグループ115およびバッテリグループ116は、IGBTモジュール23を介して加熱される。
【0049】
バッテリグループ117およびバッテリグループ118が制御モジュール2の正の出力端子およびIGBTモジュール23と接続されるように、リレーK5およびリレーK15はオンであり、他のリレーはオフである。したがって、バッテリグループ117およびバッテリグループ118は、IGBTモジュール23を介して加熱される。
【0050】
バッテリグループ119およびバッテリグループ120が制御モジュール2の正の出力端子およびIGBTモジュール23と接続されるように、リレーK7およびリレーK17はオンであり、他のリレーはオフである。したがって、バッテリグループ119およびバッテリグループ120は、IGBTモジュール23を介して加熱される。
【0051】
バッテリグループ121およびバッテリグループ122が制御モジュール2の正の出力端子およびIGBTモジュール23と接続されるように、リレーK9およびリレーK10はオンであり、他のリレーはオフである。したがって、バッテリグループ121およびバッテリグループ122は、IGBTモジュール23を介して加熱される。
【0052】
4つの隣接するバッテリグループを加熱することは、以下のとおりに行われてよい。
【0053】
バッテリグループ113、バッテリグループ114、バッテリグループ115およびバッテリグループ116が制御モジュール2の正の出力端子およびIGBTモジュール23と接続されるように、リレーKl、リレーK13およびリレーK21はオンであり、他のリレーはオフである。したがって、バッテリグループ113、バッテリグループ114、バッテリグループ115およびバッテリグループ116は、IGBTモジュール23を介して加熱される。
【0054】
バッテリグループ115、バッテリグループ116、バッテリグループ117およびバッテリグループ118が制御モジュール2の正の出力端子およびIGBTモジュール23と接続されるように、リレーK3、リレーK15およびリレーK22はオンであり、他のリレーはオフである。したがって、バッテリグループ115、バッテリグループ116、バッテリグループ117およびバッテリグループ118は、IGBTモジュール23を介して加熱される。
【0055】
バッテリグループ117、バッテリグループ118、バッテリグループ119およびバッテリグループ120が制御モジュール2の正の出力端子およびIGBTモジュール23と接続されるように、リレーK5、リレーK17およびリレーK23はオンであり、他のリレーはオフである。したがって、バッテリグループ117、バッテリグループ118、バッテリグループ119およびバッテリグループ120は、IGBTモジュール23を介して加熱される。
【0056】
バッテリグループ119、バッテリグループ120、バッテリグループ121およびバッテリグループ122が制御モジュール2の正の出力端子およびIGBTモジュール23と接続されるように、リレーK7、リレーK10およびリレーK24はオンであり、他のリレーはオフである。したがって、バッテリグループ119、バッテリグループ120、バッテリグループ121およびバッテリグループ122は、IGBTモジュール23を介して加熱される。
【0057】
2つまたは4つのバッテリグループを同時に加熱する他に、任意の量のバッテリグループが実行にしたがって同時に加熱されてよい点に留意する必要がある。
【0058】
(3)システムは、バッテリグループ間に電圧の平衡を実現してよい。
【0059】
バッテリグループ113およびバッテリグループ114、バッテリグループ115およびバッテリグループ116、バッテリグループ117およびバッテリグループ118、バッテリグループ119およびバッテリグループ120、バッテリグループ121およびバッテリグループ122は、直列のモジュール12、直列のモジュール13、直列のモジュール14、直列のモジュール15および直列のモジュール16をそれぞれ形成するために、それぞれ直列に、かつペア状に接続される。入力される電圧信号によれば、電圧の平衡が必要であるときに、任意の2つの直列のモジュールが並列に接続されてよいので、最高電圧を有する直列のモジュールおよび最低電圧を有する直列のモジュールは、電圧の平衡を実現するために並列に接続されてよい。
【0060】
電圧の平衡を実現する方法は、以下のとおりに示されてよい。
【0061】
直列のモジュール12と直列のモジュール13との間に電圧の平衡を実現するために、直列のモジュール12および直列のモジュール13が並列に接続されるように、リレーKl、リレーKll、リレーK3およびリレーK13はオンであり、他のリレーはオフである。
【0062】
直列のモジュール12と直列のモジュール14との間に電圧の平衡を実現するために、直列のモジュール12および直列のモジュール14が並列に接続されるように、リレーKl、リレーKll、リレーK5およびリレーK15はオンであり、他のリレーはオフである。
【0063】
直列のモジュール12と直列のモジュール15との間に電圧の平衡を実現するために、直列のモジュール12および直列のモジュール15が並列に接続されるように、リレーKl、リレーKll、リレーK7およびリレーK17はオンであり、他のリレーはオフである。
【0064】
直列のモジュール12と直列のモジュール16との間に電圧の平衡を実現するために、直列のモジュール12および直列のモジュール16が並列に接続されるように、リレーKl、リレーKll、リレーK9およびリレーK10はオンであり、他のリレーはオフである。
【0065】
直列のモジュール13と直列のモジュール14との間に電圧の平衡を実現するために、直列のモジュール13および直列のモジュール14が並列に接続されるように、リレーK3、リレーK13、リレーK5およびリレーK15はオンであり、他のリレーはオフである。
【0066】
直列のモジュール13と直列のモジュール15との間に電圧の平衡を実現するために、直列のモジュール13および直列のモジュール15が並列に接続されるように、リレーK3、リレーK13、リレーK7およびリレーK17はオンであり、他のリレーはオフである。
【0067】
直列のモジュール13と直列のモジュール16との間に電圧の平衡を実現するために、直列のモジュール13および直列のモジュール16が並列に接続されるように、リレーK3、リレーK13、リレーK9およびリレーK1Oはオンであり、他のリレーはオフである。
【0068】
直列のモジュール14と直列のモジュール15との間に電圧の平衡を実現するために、直列のモジュール14および直列のモジュール15が並列に接続されるように、リレーK5、リレーK15、リレーK7およびリレーK17はオンであり、他のリレーはオフである。
【0069】
直列のモジュール14と直列のモジュール16との間に電圧の平衡を実現するために、直列のモジュール14および直列のモジュール16が並列に接続されるように、リレーK5、リレーK15、リレーK9およびリレーK1Oはオンであり、他のリレーはオフである。
【0070】
直列のモジュール15と直列のモジュール16との間に電圧の平衡を実現するために、直列のモジュール15および直列のモジュール16が並列に接続されるように、リレーK7、リレーK17、リレーK9およびリレーK1Oはオンであり、他のリレーはオフである。
【0071】
上記の実施形態によれば、電力供給システムは、供給電力へのすべてのバッテリグループの直列接続、任意の量のバッテリグループを順次に加熱すること、ならびに、直列のモジュール12、直列のモジュール13、直列のモジュール14、直列のモジュール15および直列のモジュール16のうちの任意の2つの間の並列の平衡電圧を実現することができる。
【0072】
説明的な実施形態が図示されかつ記載されたけれども、開示の精神および原則を逸脱しない範囲で実施形態における変更、代替および修正がなされてよいことは、当業者によって認識される。この種の変更、代替および修正は、請求項およびそれらの等価物の範囲にすべてある。
図1
図2
図3
図4
図5