【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、機械に取り付けられた測定プローブを備える装置を較正する方法において、この機械は、加工物(artefact)に対する測定プローブの位置を示す機械位置データを取り込むように構成され、この測定プローブは、測定プローブに対する表面の位置を示すプローブデータを取り込むように構成されている方法であって、
(i)測定プローブに対する加工物の表面上の2つ以上の箇所の位置を示しているプローブデータが取り込まれることを可能にする経路に沿って動かされる測定プローブを、プローブデータおよび機械位置データを取り込む間に加工物に対して知られた速度で動かすステップと、
(ii)ステップ(i)の間に取り込まれる機械位置データおよびプローブデータを解析し、プローブデータおよび機械位置データを取り込む際の相対的遅延を機械位置データおよびプローブデータから決定するステップとを含むことを特徴とする方法が提供される。
【0008】
したがって、機械に取り付けられた測定プローブを備える装置において、いわゆるシステム遅延(すなわち、プローブデータおよび機械位置データを取り込む際の相対的遅延)を突き止めるために使用できる方法が提供される。この方法は、測定プローブを、工作機械からの機械位置データ値およびプローブからのプローブデータ値を収集する間に加工物に対して知られた好ましくはほぼ一定の速度で動かすという第1のステップ(i)を含む。この速度は、知られた実際の速度(例えば、測定した速度)または知られた指令速度(すなわち、プローブを指示して動かす速度)であってよい。この第1のステップの間、測定プローブは、測定プローブに対する加工物の表面上の2つ以上の箇所の位置を示しているプローブデータを収集できるように選択される走査経路に沿って駆動される。
【0009】
以下より詳細に説明するように、(例えば、測定プローブおよび機械の電子回路内の様々な遅延に起因する)機械位置データおよびプローブデータの生成に関連する様々な遅延は、機械によって取り込まれる機械位置データ値と上記装置によって取り込まれるプローブデータ値の間に相対的遅延(いわゆる「システム遅延」)が存在することを意味し得る。このシステム遅延は、ある特定の時間の瞬間にプローブが加工物の表面上のただ1つの箇所を測定することになることを思い起こすことによってよりよく理解できる。例えば、振れ可能なスタイラスを有する接触測定プローブの場合は、スタイラスは、ただ1回の時間の瞬間に加工物の表面上のただ1つの箇所に接触することになる。そのただ1回の絶対時間の瞬間に、したがってある(明確な)スタイラスの振れが存在することになり、機械は、ある(明確な)位置においてプローブを保持することになる。スタイラスの振れとそのただ1回の時間の瞬間の機械位置の組合せにより、表面上のただ1つの箇所の厳密な位置が与えられることになる。しかし、典型的には、現実のシステムについては、プローブがスタイラスの振れ情報を取り込むのにかかる時間は、その機械がプローブの位置に関する情報を取り込むのにかかる時間と異なっている。したがって、ある時間に同じ箇所でプローブおよび機械によって取り込まれるプローブデータおよび機械位置データは、測定のわずかに異なる絶対時間(およびしたがって位置)に対応することになる。言い換えれば、上記プローブによって取り込まれるプローブデータ値と上記機械によって取り込まれる機械データ値の間に相対的(絶対的)なタイミングの遅延が存在し、そうした遅延は、本明細書においては、システム遅延と呼ばれる。
【0010】
上記のやり方でデータ収集時に知られた速度で測定プローブを動かすことによって、取り込まれる機械位置データおよびプローブデータを解析する第2のステップ(ii)によって、システム遅延は突き止めることができることが分かっている。この解析のステップは、例えば、加工物が走査されるときに、または加工物のある測定した寸法または特性に基づいてシステム遅延の影響を評価することによって、機械位置データおよびプローブデータのある共通の特徴をモニタすることを含んでよい。
【0011】
本発明の方法を用いて見出されるシステム遅延は、タッチトリガプローブシステム内で確立されるタッチプローブの遅延と全く異なっていることに留意することも大切である。上記のように、タッチプローブの遅延(T2〜T1)は、所定の閾値を超過するスタイラスの振れとフリーズされる機械のスケールとの間の遅延である。対照的に、本発明によって見出されるシステム遅延は、測定値(すなわち、機械位置データおよびプローブデータ)の2つのセットの取り込みの間の相対的遅延である。例えば、時間T1におけるある瞬間に、ある程度(a、b、c)だけ振れる、および空間内の位置(x、y、z)にあるスタイラスを有する(接触)走査プローブを考えてみる。機械のスケールを読取る(すなわち、機械位置データを取り込む)際の第1の遅延は、時間T1についての機械位置データが、実際はその後の瞬間T2に取り込まれることを意味する。同様に、プローブの振れデータを得る際の第2の遅延は、時間T1についてのプローブの振れデータが、実際はその後の時間T3の瞬間に取り込まれることを意味する。本発明によって突き止められるシステム遅延は、時間T2および実際の測定時間T1での機械位置データの取り込みの間の遅延ではなく、時間T3および実際の測定時間T1でのプローブデータの取り込みの間の遅延でもない。代わりに本発明によって見出されるシステム遅延は、機械位置データおよびプローブデータの取り込みの間の相対的遅延の測定を行うものであり、すなわち、T2〜T3が突き止められる。このシステム遅延は、実際の測定時間(T1)に対する遅延ではなく、本発明によって決定されるシステム遅延は、タッチトリガプローブシステムについて先に見出されたプローブの遅延と全く異なっていることが理解できよう。
【0012】
この機械は、工作機械を含むことが好都合である。この工作機械は、デカルト(x、y、z)の座標値のセットとして機械位置データを取り込むことが有利である。測定プローブは、接触または非接触(例えば、光学式)測定プローブを含み得る。測定プローブは、振れ可能なスタイラスを有するいわゆる走査プローブまたはアナログプローブであることが有利である。このような場合、取り込まれるプローブデータは、スタイラスの振れを示すものであることが有利であると共に、デカルト(a、b、c)の座標値のセットを含んでよい。走査プローブが設けられている場合は、ステップ(i)は、測定プローブのスタイラスを、加工物の表面上の2つ以上の箇所それぞれと接触させる経路に沿って測定プローブを動かすように上記機械を使用することを含むことが好ましい。
【0013】
振れ可能なスタイラスを有する走査プローブが設けられている場合は、ステップ(i)は、スタイラスと加工物の表面上のある箇所の間で最初の接触が行われた後に限られた距離にわたって(例えば、スタイラスの振れの上限に達するまで)加工物に対して測定プローブの動きを続行することを含むことが好都合である。このように、プローブデータおよび機械位置データは、スタイラス先端が加工物の表面上の固定箇所で固定され、測定プローブの本体が加工物に向かって駆動され、次いで加工物から離れて駆動され、それによってスタイラスの振れの大きさを増大させ次いで減少させるときに収集される。その上、有利には、ステップ(ii)は、加工物の表面上の2つ以上の測定箇所を計算するために補外(extrapolation)または他の適当な数学的演算を行うステップを含んでよい。他で前述したように、補外プロセスは、スタイラスの振れゼロに対応する加工物の表面上の測定箇所を与えるために使用できる。本明細書では、そうしたプロセスは、「ゼロへの補外(extrapolate to zero)」と呼ばれ、機械(例えば、x、y、z)座標においてスタイラスによって接触される加工物の表面上の箇所の計算した位置を与える。
【0014】
補外プロセスは、プローブが加工物に向かっておよび/または加工物から離れて動いているときに取り込まれるプローブデータおよび機械位置データを用いて行われてよい。この補外プロセスは、プローブが加工物の表面から離れて動いているときに取り込まれるプローブデータおよび機械位置データを用いて行われることが有利である。この後者の場合は、測定箇所は、任意のスタイラスのはね返り、またはスタイラスが最初に加工物の表面と接触するように駆動されるときに存在し得る他の影響によって影響を受けない。
【0015】
補外プロセスは、走査プローブを用いるときに好ましいが、それは、決して本発明の必須の部分ではないことに留意されたい。スタイラスが加工物の表面に接触する箇所は、多様なやり方で見つけられてよい。例えば、プローブデータが、ある一定の値を超過し、それによってスタイラスがある程度だけ振れたことを示すときをモニタすることが可能である。
【0016】
接触測定プローブが設けられている場合は、その測定プローブのスタイラスは、加工物の局所表面にほぼ垂直な方向から加工物の表面上の各箇所と接触させられることが好ましい。これは、測定プローブが、(例えば、「ゼロへの補外」の測定を行うために)最初のスタイラスの接触後にさらに加工物に向かって動かされる場合に、ほぼ全ての速度成分が、測定中に加工物の表面に直交すると共に、加工物の表面上の同じ箇所とのスタイラスの接触が維持されることも確実にする。測定プローブが非直交方向から加工物の表面に近づく場合は、直交速度成分は、知られた結果として生じるプローブ入射の速度および方向から容易に導き出すことができる。そうした直交速度成分は、ステップ(ii)の遅延の計算で使用されることが有利である。
【0017】
この方法のステップ(ii)は、加工物の表面上の2つ以上の測定箇所の位置を計算するためにプローブデータおよび機械位置データを用いることを含むことが有利である。加工物の表面上の測定箇所は、プローブデータと機械位置データを適切に組み合わせることによって決定される。(接触)走査プローブが設けられている場合は、これは、上記のゼロへの補外の方法を用いて実現されてよい。代替として、非接触測定プローブについては、プローブデータおよび機械位置データは、知られた手法によって組み合わせられてよい。
【0018】
好ましくは、この方法のステップ(i)の加工物の表面上の2つ以上の箇所は、加工物の寸法の少なくとも1つが測定されることを可能にするように選択される。例えば、これら箇所は、球形の加工物の直径が測定されることを可能にするように選択されてよい。加工物の表面上の2つ以上の箇所は、少なくとも1対の向かい合った箇所を含むことが有利である。一対の向かい合った箇所は、測定プローブを同じ直線的な経路に沿って反対方向に動かすことによって近づけることができる加工物の表面上の箇所である。
【0019】
ステップ(i)の加工物の表面上の2つ以上の箇所が、加工物の寸法の少なくとも1つが測定されることを可能にするように選択される場合は、ステップ(ii)は、加工物の測定した寸法の少なくとも1つを加工物の知られた(例えば、予め測定された)寸法と比較することによって上記遅延を計算することを含むことが有利である。つまり、システム遅延は、加工物の測定した寸法をその加工物の知られた寸法と比較することによって見つけることができる。測定プローブの速度は知られているので、これによりシステム遅延が与えられる。
【0020】
正確に知られた寸法を有する加工物を得ることが可能であるが、本発明の方法は、加工物の寸法が未知である場合に使用することもできる。有利には、これは、複数の異なる知られた速度で動かされる測定プローブを用いてステップ(i)を複数回行うことによって可能であると分かっている。好都合には、ステップ(i)の各繰り返しは、加工物の表面上の同じ少なくとも2つの箇所を測定する。ステップ(i)の繰り返しは、様々なやり方で実施されてよいことに留意されたい。例えば、加工物の表面上の第1の点は、測定プローブを第1の速度、第2の速度およびことによるとその後の速度で動かすときに測定されてよい。次いで、加工物の表面上の第2の箇所が、第1の速度、第2の速度およびその後の速度で測定されてよい。代替として、加工物の表面上の箇所全部または一部が、第2の速度で測定を繰り返す前に第1の速度で測定されてよい。つまり、測定の具体的な順序は、重要ではなく、必要に応じて、使用されている装置の具体的なタイプについての較正を行うのに必要な時間を最小にするように選択できる。
【0021】
ステップ(ii)は、前記複数の速度のそれぞれで加工物の測定した寸法の少なくとも1つを決定することを含むことが有利である。例えば、球体の直径は、複数の知られた測定速度ごとに計算されてよい。具体的には、ステップ(ii)は、有利には、速度の関数として加工物の測定した寸法の少なくとも1つの変化量からプローブデータと機械位置データの間の遅延を決定することを含んでよい。好ましくは、この遅延は、少なくとも1つの測定した寸法対速度のデータの傾きから得られる。上記の例を取ると、これによりシステム遅延が球形の加工物に対する測定プローブの動きの速度の関数として測定した球体の直径の傾きから見出されることが可能になる。大切なことは、実際の加工物の寸法は、そうした方法を用いると、知られていることまたは予め測定されていることを必要としないことである。
【0022】
加工物は、任意の適当な形状であってよく、機械の作業スペース内に配置または形成されてよい。加工物は、球体、一対の 平行プレート、または立方体を含むことが有利である。球形の加工物が与えられる場合は、好都合には、ステップ(i)は、加工物の表面上の少なくとも5箇所の位置を示すプローブデータを収集することを含んでよい。好都合には、球体上の5箇所が測定され、したがってこれにより、球体の直径を最小時間で高精度に測定することが可能になる。
【0023】
加工物の表面上の測定箇所を決定する代わりに、取り込まれる機械位置データおよびプローブデータが、システム遅延を得るために直接解析されてよい。ステップ(i)は、加工物の表面輪郭に沿った複数の箇所が測定されることを可能にする経路に沿って測定プローブを動かすことを含むことが有利である。具体的には、多数(例えば、数10または数100)のプローブデータ値および機械位置の値は、測定プローブが測定経路に沿って駆動されるときに取り込まれてよい。例えば、少なくとも10個または少なくとも100個のセットのそのようなデータ値が、取り込まれてよい。振れ可能なスタイラスを有する走査プローブが設けられている場合には、測定プローブは、スタイラス先端を加工物の表面に沿って走査させる経路に沿って動かされてよい。
【0024】
この経路は、機械位置データおよびプローブデータの両方から特定できる測定プローブの動きの方向の変化の少なくとも1つを含むことが好都合である。有利には、この経路は、機械位置データおよびプローブデータの両方から特定できるプローブの動きの方向の複数の変化を含む。表面輪郭の走査は、異なる速度で複数回行われることが好ましい。それぞれの走査は、異なる速度ではあるが、同じ経路に沿って測定プローブの動きを引き起こすことが好ましい。
【0025】
ステップ(ii)は、機械位置データとプローブデータを比較してそれらの間の遅延を突き止めることを含み、この比較は、前記プローブデータおよび機械位置データから特定可能な方向の変化同士の間の差を最小にするための繰り返し過程を含むことが有利である。つまり、プローブの方向の変化に対応する機械位置データおよびプローブデータの推移が比較され、データのセット同士の間の差は、プローブデータおよび機械位置データのセット同士の間の遅延を繰り返し変えることによって最小にされる。代替として、相関の手法が用いられてよく、例えば、プローブデータおよび機械位置データのセットは、互いに乗算されてよく、結果として生じる合計は、繰り返し過程を用いて最大にされる。そうした繰り返し過程は、異なる測定速度で取り込まれる機械位置データおよびプローブデータに基づいて並行して行われてよい。このような場合、結果として生じる誤差は、最小にできる。これは、必要な場合になされてもよいが、システム遅延を実際には加工物の表面上の位置を計算する必要なしに突き止めることを可能にする。
【0026】
測定プローブが静止した加工物に対して動かされてよく、加工物が静止した測定プローブに対して動かされてよく、または測定プローブおよび加工物が共に別個に移動可能であってよい。必要なのは、測定プローブと加工物の間の相対的な速度を知ることだけであり、上記のように、知られた速度は、測定した速度または指令速度であってよい。この機械は、加工物と測定プローブの間の相対運動を与えるモータまたは他のアクチュエータを含んでもよい。好都合には、この機械は、工作機械であり、すなわちワークの特徴を切断または回転するためのツールを使用できる機械である。工作機械は、位置エンコーダなどから収集できる機械位置データを出力する数値制御装置(NC)を備えてよい。NCは、測定プローブと加工物の間の相対運動を制御することもできる。
【0027】
測定プローブは、無線リンクを通じてプローブインタフェースへプローブデータを出力することが有利である。好ましくは、コンピュータが、この方法のステップ(ii)を行うために備えられ、例えば、コンピュータは、工作機械のNCへ接続されると共に、無線リンクを通じて測定プローブと通信する遠隔のプローブインタフェースへも接続されてよい。
【0028】
機械位置データおよびプローブデータは、主クロックを基準としたタイミングの間隔で取り込まれることが有利である。さらに、本発明の方法によって決定されるシステム遅延は、機械による機械位置データの生成と測定プローブによるプローブデータの間の相対的遅延であり、すなわち、システム遅延は、データが主クロックを基準としてタイムスタンプされる(time stamped)ときの瞬間に合致して発生する遅延である。データが主クロックを基準としてタイムスタンプされた後に生じる、パケットのデータをコンピュータへ渡すことに関連する関連する可変遅延を含むその後の任意の遅延は、測定精度に影響を与えない。主クロックは、機械または測定プローブシステムの一部として(例えば、プローブインタフェース内に)設けられることが有利である。機械または測定プローブシステムの他方は、主クロックからのタイミング信号を受信する入力部を有するように構成されるのが有利である。そうした主クロックの構成の準備と使用は、先に特許文献6の中でより詳細に記載されている。
【0029】
システム遅延を突き止めるために較正を行った後、計算したシステム遅延の値は、機械位置データとプローブデータを組み合わせるときに使用できる。例えば、機械位置データまたはプローブデータのタイミングは、位置情報を計算する前にシフトまたはオフセットされてよい。代替として、測定プローブまたは機械の一方は、システム遅延に対応するデータ取り込みにおける遅延を与えるように構成されてよい。このように、機械位置データおよびプローブデータの将来の取り込みは、それらに関連する相対的システム遅延を有さないであろう。
【0030】
本発明の第2の態様によれば、装置は、測定プローブであって、測定プローブに対する表面の位置を示すプローブデータを取り込むように構成される測定プローブと、
機械であって、機械の作業領域内に配置される加工物に対する測定プローブの位置を示す機械位置データを取り込むように構成される機械と、
プローブデータおよび機械位置データを取り込む間に加工物に対して知られた速度で測定プローブを動かす較正手段を含む制御部であって、較正手段は、測定プローブに対する加工物の表面上の2つ以上の箇所の位置を示すプローブデータの取り込みを可能にする経路に沿って測定プローブを動かす制御部とを備え、
制御部が、プローブデータおよび機械位置データを取り込む際の相対的遅延を決定するための分析器を備えることを特徴とする。
【0031】
本発明の第3の態様によれば、機械に取り付けられた測定プローブを備える装置を較正する方法において、この機械は、加工物に対する測定プローブの位置を示す機械位置データを取り込むように構成され、測定プローブは、測定プローブに対する表面の位置を示すプローブデータを取り込むように構成されている方法であって、(i)測定プローブが加工物に対して知られた速度で動かされるときに取り込まれるプローブデータおよび機械位置データを取得するステップであって、プローブデータおよび機械位置データは、測定プローブに対する加工物の表面上の2つ以上の箇所の位置を示すプローブデータが取り込まれることを可能にする経路に沿って加工物に対して測定プローブが動かされるときに、知られた時間間隔で取り込まれるステップと、(ii)ステップ(i)の間に取り込まれる機械位置データおよびプローブデータを解析し、プローブデータおよび機械位置データを取り込む際の相対的遅延を機械位置データおよびプローブデータから決定するステップとを含むことを特徴とする方法が提供される。ステップ(i)に用いられる機械位置データ値およびプローブデータ値は、共通のクロックを基準としてタイムスタンプされることが有利である。
【0032】
コンピュータプログラムは、上記の方法を行うために備えられてもよい。そうしたコンピュータプログラムを運ぶために、コンピュータプログラムのキャリアが与えられてよい。
【0033】
本発明の第4の態様によれば、機械に取り付けられた測定プローブを備える装置を較正する方法において、この機械は、加工物に対する測定プローブの位置を示す機械位置データを取り込むように構成され、測定プローブは、測定プローブに対する表面の位置を示すプローブデータを取り込むように構成されている方法であって、(i)プローブデータおよび機械位置データを取り込む間に加工物に対して知られた速度で測定プローブを動かすステップであって、測定プローブは、測定プローブに対する加工物の表面上の少なくとも1つの箇所の位置を示すプローブデータの取り込みを可能にする経路に沿って動かされ、この経路は、機械位置データおよびプローブデータから特定できるプローブの動きの方向の少なくとも1つの変化も含むステップと、(ii)ステップ(i)の走査中に取り込まれる機械位置データとプローブデータを比較し、機械位置データおよびプローブデータを取り込む際の相対的時間遅延を機械位置データとプローブデータから決定するステップとを含むことを特徴とする方法が提供される。
【0034】
本発明を、次いで添付図面を参照して単なる例によって説明することにする。