(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御モジュールは、前記交差地点に流れる電気信号を測定することができるように構成されたことを特徴とする、請求項1に記載の生体信号測定および電気刺激装置。
前記交差地点部位は、導体である電極または電極用接着ゲルで形成され、前記交差地点周囲は、不導体である接着布または接着ゲルで形成されることを特徴とする、請求項1に記載の生体信号測定および電気刺激装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前述したような問題点を解決するために案出されたものであって、その目的は、別途の医学的知識がなくても患者の身体部位に対する生体信号を測定し、同時に多くの部位に測定を施行して刺激のための正確な局所部位を探して別途の装備なしに当該パッドで測定と刺激を発生させることができる電気刺激装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的のために、本発明の生体信号測定および電気刺激装置は、電気刺激のための複数の横電線および縦電線が交差するように形成されるパッドと、前記パッドに電気的に連結されて、前記横電線および前記縦電線が交差する交差地点の生体信号を測定して身体情報を獲得し、前記身体情報を用いて前記横電線および前記縦電線に供給される電源を制御しながら電気刺激を発生させるようにする制御モジュールと、を含むことができる。
【0007】
上記の目的のために、本発明の生体信号測定および電気刺激装置は、電気刺激のための複数の横電線および縦電線が交差するように形成されるパッドと、前記パッドに電気的に連結されて、前記横電線および前記縦電線が交差する交差地点の生体信号を測定して身体情報を獲得し、前記身体情報を用いて前記横電線および前記縦電線に供給される電源を制御しながら電気刺激を発生させるようにする制御モジュールと、を含むことができる。
【0008】
前記制御モジュールは、前記交差地点に流れる電気信号を測定することができるように構成されてもよい。
【0009】
この時、本発明の第1実施形態に係る生体信号測定および電気刺激装置は、前記横電線および前記縦電線は、交差する地点において一定間隔を有するように配置され、前記制御モジュールは、所望の前記交差地点に連結される前記横電線および前記縦電線の相互間に一定の電位差を発生させることによって電流を流れるようにして生体信号を測定したり、または電気刺激を発生させることができる。
【0010】
また、本発明の第2実施形態に係る生体信号測定および電気刺激装置は、前記横電線および前記縦電線の間に半導体素子が配置され、前記制御モジュールは、前記半導体素子を制御して所望の前記交差地点に電流を流れるようにして生体信号を測定したり、または前記交差地点に電気刺激を発生させることができる。
【0011】
前記二つの実施形態において、交差地点部位は、導体である電極または電極用接着ゲルで形成され、前記交差地点周囲は、不導体である接着布または接着ゲルで形成されてもよい。
【0012】
また、第1実施形態に係る生体信号測定および電気刺激装置は、前記交差地点において前記横電線および前記縦電線は絶縁物質により相互絶縁され、前記間隙には、前記電気刺激の発生時に抵抗を低減させるための導電物質がさらに備わってもよい。
【0013】
前記パッドは、通気性のための穿孔部が形成されてもよい。
【0014】
また、前記パッドは、円形、楕円形、正方形、長方形、手袋型、靴下型、バンド型、帽子型および衣服型のうちの一つの形状であってもよい。
【0015】
この時、前記生体信号は、皮膚抵抗であり、前記制御モジュールは、前記交差地点の皮膚抵抗の第1平均値を計算し、前記交差地点のうち前記第1平均値以下の交差地点を基準点として設定し、前記基準点に対する皮膚抵抗の第2平均値を計算し、前記基準点のうち前記第2平均値以下の基準点を治療地点として決定して、前記治療地点に前記電気刺激を発生させることができる。この時、前記制御モジュールは、前記治療地点のうち皮膚抵抗の値が前記第2平均値に到達すれば、当該治療地点に対する電気刺激を中止させることができる。
【0016】
また、前記生体信号は、電気信号であり、前記制御モジュールは、測定された前記交差地点の電気信号測定値の標準偏差を計算し、前記電気信号測定値が予め設定された臨界値を逸脱する場合、臨界値を逸脱した前記電気信号測定値を除き、残りの地点の前記電気信号測定値を活用して治療地点を決定し、前記治療地点に電気刺激を発生させることができる。
【0017】
また、前記生体信号は、電気信号であり、前記制御モジュールは、患者の特定動作から、筋肉の電気的信号と、神経の電気的信号の変化量が予め設定された臨界値以上である部位を探し出して当該部位に筋収縮のための電気刺激を発生させることができる。
【0018】
また、前記生体信号は、電気信号であり、前記制御モジュールは、患者の特定動作の各筋肉電気信号と神経電気信号と類似する信号を誘発する筋肉と神経の電気刺激部位を探すために交差点に順次的電気刺激を加えて筋肉収縮誘発点と神経刺激誘発点を探し、前記誘発点に電気刺激を加えて特定動作のための筋収縮を誘発するように制御することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、当該分野の知識がなくても各々の身体部位のインピーダンス、電圧、電流値およびその波形などの測定値から生体信号を獲得し、獲得された生体信号を用いて身体部位に電気刺激を発生させることによって効果的に治療を行うことができる。
【0020】
また、本発明は、正確な身体地点を探しながら生体信号を測定し、電気刺激を与える従来の不便さを改善して、身体部位にパッドを付着して多くの地点の生体信号を同時に測定し、同一のパッドで同時または順次に電気刺激を与えることができるという長所がある。
【0021】
また、本発明は、多数の横電線および縦電線が配置されて同時に多くの座標に電気刺激を発生させることができるだけでなく、自動的に治療部位となる座標を設定し、治療が行われる程度によって自動的に電気刺激を加える座標を変更させることによって治療を効果的に行うことができる。
【0022】
また、本発明は、患者の各々の身体部位に適した形態のパッドを用いることによって、日常生活でも脱着が容易であると同時に、簡単に治療することができるという長所がある。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0025】
本発明の実施形態は当該技術分野における通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供させるものであり、下記の実施形態は多様な異なる形態に変形することができ、以下で図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0026】
本発明の実施形態は、当該技術分野における通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供させるものであり、下記の実施形態は多様な異なる形態に変形することができ、本発明の範囲は下記の実施形態に限定されない。むしろ、これらの実施形態は、本開示をより充実且つ完全にし、当業者に本発明の思想を完全に伝達するために提供するものである。
【0027】
本明細書で使用された用語は、特定の実施形態を説明するために使用され、本発明を制限するためのものではない。本明細書で使用されるとおり、単数の形態は、文脈上、異なる場合を明確に指摘するものでなければ、複数の形態を含むことができる。また、本明細書で使用される「含む」とは、言及した形状、数字、段階、動作、部材、要素および/またはこれらのグループの存在を特定するものであり、一つ以上の他の形状、数字、動作、部材、要素および/またはグループの存在または付加を排除するものではない。本明細書で使用されるとおり、用語「および/または」は、当該列挙された項目のうちのいずれか一つおよび一つ以上のすべての組み合わせを含む。
【0028】
本明細書で第1、第2などの用語が多様な部材、領域および/または部位を説明するために使用されるが、これらの部材、部品、領域、層および/または部位は、これらの用語により限定されてはならないことは自明である。これらの用語は、特定の順序や上下、または優劣を意味せず、一つの部材、領域または部位を他の部材、領域または部位と区別するための目的のみで使用される。したがって、以下で詳述する第1部材、領域または部位は、本発明の思想から逸脱することなく、第2部材、領域または部位を称すことができる。
【0029】
以下、本発明の実施形態は、本発明の実施形態を概略的に示す図面を参照して説明する。図面において、例えば、製造技術および/または公差により、図示された形状の変形を予想することができる。したがって、本発明の実施形態は、本明細書に図示された領域の特定の形状に制限されると解釈されてはならず、例えば、製造上発生する形状の変化を含まなければならない。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態に係る電気刺激装置の斜視図である。
【0031】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態に係る生体信号測定および電気刺激装置100は、パッド120と、制御モジュール140とを含んで構成される。
【0032】
パッド120は、シリコン、ウレタンなどの緩衝材質で形成され、パッドには一定間隔に配置される横電線および縦電線が相互交差するように形成されている。
【0033】
図1にはパッド120が四角形状で形成されているが、円形、楕円形、正方形、長方形、靴下型、手袋型、帽子型、バンド型、衣服型などの多様な形状で形成されてもよく、通気性のための穿孔部が形成されてもよい。この時、靴下型は、患者の足に着用される形態、手袋型は患者の手に着用される形態を意味する。このような形態のパッド120は、患者の特定の身体部位に接触して使用される。
【0034】
パッド120にケーブルを介して制御モジュール140が連結されるが、制御モジュール140は、パッド120に電流および電圧の電源を印加してパッド120を通じて患者の身体部位に対する生体信号を測定し、測定された生体信号を用いて患者の身体情報を獲得し、獲得された身体情報に基づいて患者の身体部位に電気刺激を発生させる役割を果たす。この時、生体電気信号は、皮膚抵抗、電圧、電流値およびこれらの波形情報であってもよい。本発明の第1実施形態に係る生体信号測定および電気刺激装置は、身体情報から治療対象となる治療部位が決定されると、その治療部位に低周波または高周波の電気刺激を加えるように各座標の横電線および縦電線に(+)極、(−)極の電気が流れるようにスイッチをオン(ON)した後、電気刺激を発生させる。この時、二つの(+)、(−)極の最も近接した部分である二つの電線が交差する部位に最も強い電気刺激が与えられるが、これは二つの電線の交差点から遠くなるほど電気抵抗増加により刺激の強度が漸次に弱くなるためである。したがって、電気刺激は横電線および縦電線の交差点で最も強く流れるようになり、治療作用を果たすようになる。
【0035】
このような方式により、制御モジュール140は、パッド120に形成された横電線および縦電線が交差する多数の交差点全部に電気刺激を加えたり、または一部に選択的に電気刺激を加えることができる。
【0036】
また、本発明の第1実施形態に係る生体信号測定および電気刺激装置は、PNP型トランジスター30を用いてエミッタの電流印加を通じてそれぞれの座標に対するスイッチの役割を通じて制御できる構造により生体信号と刺激を加えることができる。
【0037】
前記本発明の第1および第2実施形態に係る生体信号測定および電気刺激装置は、
図2乃至
図7を参照して詳細に説明する。
【0038】
また、前記の方法以外にも、パッドの皮膚付着面に位置したそれぞれの電極とパッド周囲に外部接地電極を配置して入出力ポート(I/O port)に直接連結および制御する一つのユニットで構成する方法を用いることもできる。この時、生体信号測定または電気刺激対象の範囲に応じてユニットの数字を適切に減少または増加させることができる。
【0039】
本発明は、筋電図、神経伝導速度、心電図、脳電図、機能的電気刺激技法が利用可能であることはもちろん、探穴および探針に関する漢方医学による治療にも適用が可能であり得る。
【0040】
具体的に、EMG(Electromyogram:筋電図)およびNCV(Nerve Conduction Velosity:神経伝導速度)は、筋肉系および神経系に電気刺激を与えた後に測定される信号を分析して患者の身体情報を分析することであり、FES(Functional Electical Stimulation:機能的電気刺激)は、麻痺した筋肉に電気刺激を加えて本来の機能を回復させる治療行為をいう。漢方医学における探穴および探針や、現代医学におけるこのような電気刺激による信号を分析して患者の身体情報を把握した後に電気刺激を付与することは根本的に同一の原理を利用するものである。
【0041】
神経伝導速度検査において感覚神経検査を例に挙げると、指に電気刺激を与え、神経伝導速度測定のために神経が通過する部位に付着した電極で電気刺激により神経が活性化されながら現れる電気的信号を抽出することであり、腕や脚の特定の部位にある多くの神経の神経伝導速度検査のためには各神経走行経路ごとに検査を数回施行しなければならない。
【0042】
本発明を用いると、パッドの座標のうち、人体の神経の走行経路と予想されるラインの開始点を神経伝導速度確認のための電気刺激電極の座標として決定して電気刺激を与え、この電極となる座標で電気的刺激を与えた時、他の座標で、神経伝導時に現れる一定の波形と電流と電圧の大きさなど、神経伝導信号に合う信号が抽出されるか否かを測定する。例えば、腕の手首から肘まで測定時、手首の周りのそれぞれの座標を順に電気刺激を加え、肘部位の座標で電気的信号を抽出する。この場合、手首から肘までの神経である正中神経、橈骨神経、尺骨神経を従来の神経伝導速度検査器はそれぞれの神経に対して検査を3回施行しなければならず、また、測定点が正確でない場合、検査を再び施行しなければならないが、本発明を利用すれば一度で測定が可能である。
【0043】
また、従来の神経伝導速度検査は、測定点と刺激点との間にある部分に対する測定が電極1〜2つで測定するため、この中間神経走行部位に異常時、問題になる部分を探すために細密に数回測定しなければならなかったが、本発明を利用すれば一度で、座標間隔分の誤差で異常部位を探すことができる。
【0044】
したがって、本発明を用いた神経伝導速度検査の特徴は、一度の検査だけでも、神経伝導速度の程度ばかりか、測定可能な電極が多くなり、正確に神経の走行路まで測定することができ、また神経走行路で異常がある部位を正確に探し出すことができる。
【0045】
筋電図もこのような方法で施行して一度で多くの部位を同時に測定することができる。
【0046】
また、FESのように特定の筋肉収縮を誘発する治療法において、本発明を用いてパッドの各座標に刺激を与えたり、筋電図や、神経伝導速度測定のように他の部位の刺激後に生体電気信号を測定して特定の筋肉収縮が最もよく起こる正確な筋肉の刺激部位を探し出し、再び治療方法においてこの部位に電気刺激を加える収縮を誘発して治療に利用する。同時に、収縮を誘発する治療座標に、電気刺激の周波数と波長に変化を与えてこれに反応する程度を生体信号測定方法を通じて、最も治療効果が大きい波形を探し、この周波数と波形を用いて治療する。つまり、各筋肉とその患者の治療に合う電気刺激の波形と周波数強度など生体信号を取得してこれに合わせて治療する。
【0047】
図2は、本発明の一実施形態に係る電気刺激装置の動作を説明するための概念図であり、
図3は、本発明の一実施形態に係る電気刺激装置の制御モジュールの細部構成図である。
【0048】
図3を参照すれば、制御モジュール140は、スイッチモジュール142と、スイッチモジュール144と、制御部146とを含んで構成される。スイッチモジュール142、144は、電線に印加される電源のオンオフを制御する役割を果たし、制御部146は、スイッチモジュール142、144を制御しながら本発明による生体電気信号測定および電気刺激装置100の全体的な動作を制御する役割を果たす。
【0049】
本発明は電極を通じて同時に筋電図または神経伝導速度を測定して最も信号が大きい部位、または異常信号がある部位または治療部位を認識し、この部位に一定の波形の周波数と強さを有する電気信号を印加して刺激を加えた後、漸次に波形と周波数、強さを変化させながら生体信号測定を繰り返して最も効果的な刺激を検出して持続的刺激を加えるものである。
【0050】
そして、筋肉収縮のためには、神経を通じた刺激伝導が必要であるが、神経伝導速度に異常があって筋肉運動に異常が発生した患者には困難である。したがって、神経麻痺患者のように神経信号が微弱な場合、この信号を増幅して当該筋肉に直接刺激を加えて筋肉の運動を誘発することができる。つまり、特定の神経伝導速度を測定して刺激量が一定値以下である場合や、損傷を受けた神経の微細な信号を測定して患者がその筋肉の使用しようとする意図を認識してこの信号を増幅して神経が支配する筋肉に神経刺激に比例する大きさの電気刺激を加えて筋肉の収縮を誘発することができる。
【0051】
このような治療を通じて筋肉リハビリにおいて神経と筋肉の連合運動の回復を促進して筋肉リハビリ治療だけを行うよりも一層効果的なリハビリ治療を行うことができる。
【0052】
本発明による生体信号測定および電気刺激装置は、
図2のように、パッド120に横電線(A1、A2、A3、A4、A5、A6)が一定間隔に形成され、これと直交して一定間隔に縦電線(B1、B2、B3、B4、B5、B6)が形成される。
【0053】
横電線(A1〜A6)はスイッチモジュール142に連結され、縦電線(B1〜B6)はスイッチモジュール144に連結される。スイッチモジュール142、144は、それぞれ横電線(A1〜A6)および縦電線(B1〜B6D)に印加される電源のオンオフ(on/off)を制御する役割を果たすが、このような動作で各電線の交差地点に対する患者の身体部位の生体信号を測定し、電気刺激を発生させる。
【0054】
この時、横電線(A1〜A6)および縦電線(B1〜B6)は、一定間隔に配置されたり、半導体素子を通じて連結されるように構成されてもよい。横電線(A1〜A6)および縦電線(B1〜B6)が交差地点で一定間隔を有して配置される場合、ほぼ5cm以内の間隔に配置されてもよい。もちろん、一定間隔をパッド120の大きさおよび治療対象である身体部位の特性に応じて多様に変化させることができる。
【0055】
この時、生体信号の測定や、電気刺激を発生させることは、横電線(A1〜A6)および縦電線(B1〜B6)に電位差を発生させて流れる電流値などを測定することによって行うことができるが、以下で具体的に説明する。
【0056】
生体信号測定のための電極形成は、例えば、制御モジュール146の制御によりスイッチモジュール142がA1をオン(ON)した後、スイッチモジュール144がB1からBnまで順にオン(ON)で接地してこの座標に任意の測定電極を形成して生体信号を測定することができ、このような方式によりAnまで測定を行って各座標の(A1、B1)から(An、Bn)まで各座標の生体信号を求めることができる。
【0057】
図2に示されているように、各交差地点には絶縁物質が配置されて、横電線(A1〜A6)と縦電線(B1〜B6
)が互いに電気的に相互絶縁されるように構成される。この時、横電線と縦電線は絶縁物質により相互絶縁だけがなされた状態で間隙なしに配置されてもよいが、一定の間隙を有するように配置されることが好ましい。
【0058】
この時、一定の間隙は多様な長さに設定されてもよいが、例えば、1mmの長さの間隙を有するように形成することができる。前記間隙または前記交差地点部位には抵抗を減少させるための金のような導電物質がさらに配置されてもよい。
【0059】
特に、電気刺激を発生させる場合、横電線と縦電線に(+)電圧と(−)電圧がそれぞれ印加される場合、横電線および縦電線は絶縁物質で保護されて患者の皮膚に電流が流れていないが、一定の臨界値以上の電位値が加えられると患者の皮膚に電流が流れるようになるが、このような方式により患者の皮膚に電気刺激を加えるようになる。
【0060】
そのための概念図が
図4に示されている(つまり、
図4は第1実施形態に係るパッドの構造である)。つまり、
図4に示されているように、横電線および縦電線が互いに交差するように配置されるが、相互間には絶縁物質で保護されて短絡されていない状態を維持する。この時、交差点部分の横電線および縦電線には一部の導体が露出するように絶縁体が剥けて構成されてもよいが、一定電圧以上が与えられる場合、(+)極電線から皮膚を経由して(−)極電線に電流が流れるようになる。
【0061】
この時、
図2のように一つのパッド120を構成することもできるが、2つのパッドを構成することもできる。一つのパッド120を構成する場合には、パッド120の外郭部分をグラウンド(接地)に設定することができる。
【0062】
パッドを二つで構成する場合には、各パッドの外郭部分をグラウンドに設定し、それぞれのパッドのグラウンドは、残りの他のパッドの内側電線に電気的に連結されるように構成することができる。これは生体信号を測定時、一定距離が離れているグラウンド接地が必要な場合のためのものである。
【0063】
例えば、皮膚抵抗の測定時、左手の治療座標を測定する場合右手が基準点になり、右手の治療点などを探す場合左手が基準点になるのであれば、手の甲の互いに異なる点と基準点間の距離が一定になり、それぞれの皮膚抵抗の測定時、基準点間の距離による誤差が減少するためである。実際に右手の甲の皮膚抵抗の測定時に一つのパッドは左手の甲に固定させておき、他の一つのパッドを右手の甲に接触するようにして測定を行うことができる。
【0064】
また、筋電図と神経伝導速度を測定する時は、神経伝導速度と筋電図の電気的信号が行く方向に応じてライン(垂直または水平)に測定可能である。
【0065】
つまり、前記測定方法は、
図2に示されているように、皮膚接触面に位置したA線とB線を通じて通電するようになり、この時は抵抗測定器のように皮膚の特定点を測定する形式を取る。電気は距離が最も短く、抵抗が最も低い方向に通電されるため、電気抵抗のような信号を測定する場合、AとBの間に最も短い距離になる部位(測定しようとする点)を測定できるようになる。
【0066】
したがって、
図2においてAとB線が交差する部位が測定点になり、電気を刺激する時には同じ原理によりAとBの交差する部位に電気が通電されながら電気的刺激が身体部位に与えられるようになる。
【0067】
また、他のパッドの構造において、
図5a乃至
図5cに示されているように、半導体素子を用いた構造が挙げられる(つまり、
図5a乃至
図5cは、第2実施形態に係るパッドの構造である)。
【0068】
図5(a)を参照すれば、皮膚粘着パッド40には横電線10および縦電線20が交差配線されており、横電線10はpnp型トランジスター30を介して縦電線20に連結されている。
【0069】
図5(b)には、
図5(a)の構造の側面断面図が示されている。つまり、最も上には横電線10が形成され、横電線10の下部にはpnp型トランジスター30が配置され、pnp型トランジスター30の下部は皮膚粘着パッド40に接触する。
【0070】
図5(c)は、皮膚粘着パッド40を示す図面であり、皮膚粘着パッド40は、導電部42および非導電部44からなる。導電部42は、pnp型トランジスター30の下部に対応する位置に複数で形成され、通電性粘着ゲルまたはその他導電物質からなることができる。非導電部44は非伝導性物質からなる。
【0071】
pnp型トランジスター30の上側のp型半導体は、エミッタ(Emitter)に該当し、中間のn型半導体は、ベース(base)に該当し、下側のp型半導体は、コレクター(Collector)に該当する。横電線10は、上側のp型半導体上部に接着され、中間のベースには縦電線20が接着される。トランジスターは、ベースに電流が流れることによってエミッタからコレクター方向に電流が流れるようになる。
【0072】
したがって、エミッタに連結された横電線に一定電圧の電流が流れるようになる時、ベースに連結された縦電線に電流が流れないと、コレクターに連結された皮膚方向に電流が流れなくなり、縦電線に電流が流れると、コレクターである皮膚方向に電流が流れるようになる。
【0073】
もし、所望の座標が(A2、B10)である場合(ここで、Aは横電線、Bは縦電線を意味し、数字は、複数の電線の一連番号を意味する)、A2に一定電圧以上の電流が通電されるようにし、B10に電流が流れるようになると、(A2、B10)に電流が流れるようになる。
【0074】
このような方法は、多くの座標を同時に刺激する時にも用いることができる。つまり、(A2、B10)、(A2、B15)、(A5、B15)、(A3、B5)を刺激すると、横電線A2、A3、A5を通電し、縦電線はB5、B10、B15に通電すると前記座標に電流が流れるようにできる。
【0075】
前記方法は、皮膚側に電流が流れるようにするが、npn型半導体を利用すれば皮膚側から電線側に電流が流れるようにできる。
【0076】
つまり、上記でpnp型を例として説明したが、皮膚側に電流を流れるようにしたり、または皮膚側から電線側に電流を流れるようにできるものであれば、npn型トランジスター、pnp型トランジスターをそれぞれ使用したり、または同時に使用することもでき、その他半導体素子を使用することもできる。
【0077】
本発明の制御モジュール140は、身体情報の獲得時には1〜10Vの電圧および10〜50μA電流を印加することができ、電気刺激の発生時には50〜100Vの電圧および5〜20μAの電流を印加することができる。
【0078】
前記実施形態において、本発明の制御モジュール140の交差地点に電位差を発生させたり、または半導体素子を制御して電流を流れるようにして生体信号を測定することについて説明したが、制御モジュール140は、交差地点に電位差や電流を流れるようにすることなく電流を測定することによって生体信号を測定することもできる。つまり、制御モジュール140は、電流計などの構成を含むことによって皮膚に流れる微細電流を測定するように構成されることもできる。
【0079】
したがって、このような方法により人体で発生する微細電流と波形などの生体電気信号を測定する心電図(ECG)、脳電図(EEG)などに適用することができる。
【0080】
次に、
図6を参照して、本発明による電気刺激装置が患者の生体信号を獲得し、電気刺激を発生させる方法を詳細に説明する。
【0081】
図6は、本発明の一実施形態に係る電気刺激装置の動作を説明する概略的なフローチャートである。
【0082】
まず、パッド120を患者の特定の身体部位に配置した後、各交差地点に対する生体信号を測定する(S610)。前述したように、横電線(A1〜A6)と縦電線(B1〜B6)は、一定間隔に配置されるが、このように配置するようになると、交差する皮膚の各座標(An、Bn)の生体信号(例えば、抵抗)を求めることができ、また各座標に電気刺激を与えることができる。
【0083】
例えば、A5の横電線とB1の縦電線のスイッチをオン(ON)にした後、この二つの横電線および縦電線を端子の役割として抵抗を測定すると、この座標の近傍で抵抗値が異なる地点が存在する場合があり得る。つまり、皮膚電気抵抗値が異なる地点が電気刺激点になる。
【0084】
皮膚電気抵抗が異なる点を探すことを例に挙げたが、上記で言及したとおり、電気の電位差を測定する器具である筋電図、神経伝導速度の測定と、筋肉の電気的刺激などにも利用可能であることはもちろんである。
【0085】
段階610ですべてのパッド座標別皮膚抵抗が測定されると、交差地点の皮膚抵抗のインピーダンス全体の平均値、つまり、第1平均値を計算する(S620)。次に、交差地点のうち皮膚抵抗値が第1平均値より小さいかまたは同じ交差地点を基準点として設定する(S630)。
【0086】
そして、基準点に対する皮膚抵抗の第2平均値を計算する(S640)。この時、基準点のうち、第2平均値以下の基準点を治療地点として決定し(S650)、治療地点に電気刺激を発生させる(S660)。
【0087】
この時、治療地点に電気刺激を発生させる方法は、各座標別に順次に電気刺激を発生させるなどの方法を用いることができるが、具体的には次のとおりである。
【0088】
前記
図2を参照すれば、横電線(A1〜A6)および縦電線(B1〜B6)は、それぞれ交差地点が存在するが、(A1、B1)、(A2、B2)、(A3、B3)などのように互いに重ならない範囲内で同時に電気刺激を発生させることができる。もし、治療座標が5個存在するとすれば、5個の治療座標のうち、同時に電気刺激を発生させることができる治療座標に同時に電気刺激を加え、その後、残りの治療座標に電気刺激を加える方法を用いるか、または最初からそれぞれの治療穴を順次に電気刺激を加える方法を用いることもできる。または、ランダム方式で一定の個数の治療穴に交互に電気刺激を与える方法も使用が可能である。
【0089】
このように、治療穴に電気刺激を与えるようになると、治療穴の抵抗値が最初より漸次に平均に近接するが、治療穴が第2平均値に到達すれば治療が行われたものであるため、それ以上は電気刺激を与える必要がない。
【0090】
したがって、治療地点の皮膚抵抗値がすべて第2平均値より大きいかまたは同じであるかを判断し(S670)、これを満たす場合、電気刺激を中止させる(S680)。
【0091】
もし、この条件を満たさないと、段階610へ戻り、パッド座標別抵抗を最初から再び測定することによって以前の段階を再び繰り返す。このようにする場合、治療過程中に新たな治療穴が現れる場合もあり、このような場合にも対処が容易であり、より完璧な治療が可能に刺激量と刺激時間を調節して治療効率を調節することができる。
【0092】
もちろん、この時、段階610へ戻らず、段階660へ戻って治療地点の皮膚抵抗値が第2平均値に到達するまで電気刺激を与える方法も可能である。
【0093】
ただし、治療が行われても、つまり、すべての治療穴のインピーダンスが平均値に到達するようになっても各座標の平均値とその平均値以下の座標(治療点)、電気抵抗が平均値以上である座標(治療点)が存在するようになる。しかし、この時はその座標のインピーダンス値の差が大幅に減少するようになって最初の穴部位の平均値と治療穴の平均値の差より減少しているようになる。したがって、一定の差以下に(例えば、最初の二つの値が差より50%以下に減少する場合)減少すると、すべての穴が治療されたものと認知した上で、治療を終了することができる。
【0094】
図7は、実際に腕内側の皮膚抵抗値の分布図を色で示した図面である。本発明によるメッシュタイプの構造を有するパッドを用いた生体電気信号測定および電気刺激装置によると、
図7に示されているように、各地点の皮膚抵抗などの生体電気信号を同時に測定すると同時に、必要な部位に電気刺激を与えることができるという長所がある。
【0095】
以上で図面を参照して本発明の実施形態について説明した。しかし、これは単に本発明を説明するための目的で記述されたものであり、本発明の内容をこれに限定したり制限するために記述されたものではない。したがって、本技術分野における通常の知識を有する者であれば、これに基づいて多様な変形および均等な他の実施形態を実施することが可能である。したがって、本発明の真正な技術的保護範囲は、特許請求の範囲の記述的事項により定められるべきである。