(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明をスロットマシンに適用した実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
なお、下記実施例にあって、本発明に係る図柄表示部は、いわゆるリール(図示省略)に相当する。また、本実施例においては、本発明に係る所定の遊技状態を、アシストタイム遊技(AT遊技)が実行される遊技者にとって有利な遊技状態として説明している。また、本発明に係る遊技状態制御手段60 は、メイン制御基板20によって構成され、特には、遊技進行数量制御手段65と、遊技進行数量報知手段66と、遊技進行数量切り替え手段67と、遊技状態設定制御手段68と、遊技者支援制御手段69とを含むものである。なお、上述の遊技状態制御手段60は、サブ制御基板21によって構成されるようにしてもよい。
【0014】
スロットマシンは、スロットマシン本体と前扉とを備え、スロットマシン本体には、メイン制御基板20やサブ制御基板21がケースに収納された状態で設置されている。一方、前扉には、演出用の画像を表示する画像表示器が配設され、画像表示器の裏側に、画像表示器を制御する画像制御基板22が配設されている。
【0015】
次に、スロットマシンの作動を制御する制御回路を、
図1を参照して説明する。
【0016】
メイン制御基板20は、CPU、RAM、ROM等を備え、遊技の進行に関する制御を行うものである。メイン制御基板20の入力ポートには、電源ボックス、投入センサ、ベットスイッチ、スタートスイッチ、ストップスイッチ、精算スイッチ、設定変更スイッチが接続される。また、メイン制御基板20の出力ポートには、リール、ホッパーユニット、外部端子板、サブ制御基板が接続される。
【0017】
電源ボックスは、スロットマシンの各機器に電力を供給するためのものであり、電源のON/OFFを切り替えるための電源スイッチと、各役への当選確率を変更(いわゆる設定変更)するための設定キースイッチとを備えている。
【0018】
投入センサは、スロットマシンに投入されたメダルを検出するものである。投入センサは、メダルセレクタ内のメダル通路に配設され、メダル通路を通過するメダルを1枚ずつ検知し、メダルを検知する毎に投入信号を出力する。
【0019】
ベットスイッチは、クレジットされているメダルを投入するためのものである。ベットスイッチとしては、シングルベットスイッチ、とマックスベットスイッチとが備えられている。シングルベットスイッチは、クレジットされているメダルを1枚ずつ投入する。マックスベットスイッチは、1ゲーム当たりの最大投入枚数のメダルを投入する。
【0020】
スタートスイッチは、リールの回転を開始させるものである。例えばレバー式スイッチが適用可能であり、レバーを傾動させることで、三つのリールが回転を開始する。
【0021】
三つのストップスイッチは、リールの回転を停止させるものである。各ストップスイッチは、個々のリールに対応付けられており、ストップスイッチを押圧操作すると、対応したリールが所定遅延時間内に停止するよう構成されている。すなわち、このストップスイッチの操作順序によって、回転中のリールの停止順序を選択することができる。
【0022】
精算スイッチは、クレジットされているメダル及び投入されたものの未だ遊技に用いられていないメダルを返却するためのものである。
【0023】
設定変更スイッチは、電源ボックスの設定キースイッチとともに設定変更を行うためのものであり、いわゆる前扉の背面側に設けられている。
【0024】
各リールは、円筒形状をなしており、その外周面には
図2に示すような「赤7」,「BAR」,「チェリー1」,「チェリー2」,「ベル」,「スイカ」,「リプレイ」,「ブランク」の図柄が合計20個配されている。各リールはステッピングモータを備えており、各ステッピングモータによって三つのリールを回転させ、任意の角度で停止させることで、前扉の視認窓に外周面の図柄を選択的に表示させ得るよう構成されている。視認窓には、例えば中段1ラインを有効とした入賞ラインが予め設定されており、後述するように、リールが停止したときに、入賞ラインの上に表示された図柄の組合せによって入賞したか否かが決定される。
【0025】
ホッパーユニットはメダルを払い出すためのものであり、メダルを貯留するタンクと、タンクのメダルを払出口に向けて送り出す送出機構とを備えている。送出機構は、駆動源となるモータと、送出されるメダルを検出するための払出センサとを備えている。
【0026】
外部端子板は、遊技情報(投入・払出情報、遊技履歴情報、エラー情報など)を外部出力し、遊技場設備によってスロットマシンの大当り履歴などの情報を閲覧可能とするものである。
【0027】
サブ制御基板21は、CPU、RAM、ROM等を備え、遊技に関する演出の制御を行うものであり、サブ制御基板21のROMには、多岐に亘る演出パターンに関する固定データが記憶されている。サブ制御基板21の入力ポートには、メイン制御基板20と演出ボタンユニットが接続される。メイン制御基板20からサブ制御基板21には、遊技の進行に関する情報が入力される。また、演出ボタンユニットは、遊技者が演出内容を選択するためのものである。そして、サブ制御基板21は、メイン制御基板20から入力される情報と、演出ボタンユニットからの信号に基づいて演出パターンを選択し、選択した演出パターンを実行させるために、演出用ランプやスピーカにコマンドを送信し、さらには、画像表示器に所要の画像を表示させるために、画像制御基板22にコマンドを送信する。
【0028】
画像制御基板22は、CPU、RAM、ROM等を備え、画像表示器の表示制御を行うものである。画像制御基板22のROMには、画像表示器に表示する演出用画像を生成するためのデータが多量に記憶される。画像制御基板22は、サブ制御基板21からコマンドを受信すると、CPUにおいて演算処理し、演出用画像のデータをRAMに書きこんで画像表示器に出力し、サブ制御基板21が選択した演出パターン通りの演出用画像を画像表示器の表示画面11に表示させる。
【0029】
本実施例のスロットマシンでは、リールを回転させて図柄を変動表示させた後に、リールを停止させて図柄を入賞ライン上に停止表示させるゲームが繰り返し実行される。具体的には、1ゲームは、(1)ゲーム開始に必要な枚数のメダル投入、(2)スタートスイッチ操作、(3)リールの回転、(4)ストップスイッチ操作、(5)リールの停止、(6)入賞ライン上に停止した図柄組合せに基づく入賞処理、の順序で行われる。
【0030】
本実施例のスロットマシンの遊技状態は、通常遊技とアシストタイム遊技(以下、AT遊技という。)の二種類に大別される。
【0031】
通常遊技は、ゲームでメダルを獲得できる見込みが低い遊技状態であり、電源投入時や設定変更時は、この通常遊技に制御される。これに対して、AT遊技は、当選した小役に入賞させるためのリールの停止順序が報知される状態(アシストタイム)であり、通常遊技に比べてゲームでメダルを獲得できる見込みが高く、遊技者に有利な遊技状態である。具体的には、AT遊技中は、リールの停止順序を報知する停止順序報知画像が画像表示器の表示画面11に表示される。そして、遊技者は、停止順序報知画像の報知通りの順序でリールを停止させることで、小役に入賞可能となる。AT遊技では、この停止順序報知画像が所定回数表示され、遊技者は、多量のメダルを獲得可能となる。AT遊技は所定の終了条件が満たされると終了し、通常遊技が開始される。
【0032】
また、
図3に示すように、メイン制御基板20は、遊技制御手段38と、投入枚数判定手段39と、メイン側操作判定手段40と、操作情報送信手段41と、役抽選手段42と、リール制御手段43と、入賞判定手段44と、払出制御手段45と、役抽選テーブル切替手段46と、設定値設定手段47と、サブコマンド送信手段48と、遊技状態制御手段60とを備えている。
【0033】
遊技制御手段38は、投入枚数判定手段39や、メイン側操作判定手段40、操作情報送信手段41、役抽選手段42、リール制御手段43、入賞判定手段44、払出制御手段45などを制御することにより、遊技の統括的な制御を行うものである。
【0034】
投入枚数判定手段39は、投入センサが出力する投入信号に基づいて、投入されたメダル数を計数するものである。
【0035】
メイン側操作判定手段40は、ストップスイッチなどのスイッチの操作信号を常時監視して、各種スイッチの操作の有無を判定するものである。このメイン側操作判定手段40が判定する各種スイッチの操作情報は、操作情報送信手段41によってサブ制御基板21へ送信される。
【0036】
役抽選手段42は、複数規定された役について当選か否かを決定する役抽選を行うものである。役抽選手段42は、乱数発生手段と、乱数抽出手段と、役抽選テーブルと、役抽選判定手段と、役抽選結果記憶手段とを備えている。
【0037】
本実施例では、
図4に示すように、予め複数種類の役が規定される。例えば、役「RP」は、三つのリールにおいて左から「リプレイ」「リプレイ」「リプレイ」の図柄組合せによって規定される。なお、役「CH1」を構成する図柄組合せのうち「ANY」は、いずれの図柄でもよいことを意味する。そして、三つのリールの回転が停止したときに、いずれかの役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に停止表示された場合には、当該役に入賞となり、入賞役に応じたメダルの払出しが行われる。例えば、役「BE1」に入賞した場合は9枚のメダルが払い出される。なお、役「RP」「SRP1」「SRP2」はメダルを投入することなく次の遊技を実行できる役である。
【0038】
また、役抽選では、複数種類の役について個別に当落抽選を行うのではなく、
図5に示すように、複数種類の役についてグループ化した役グループを複数設定し、いずれの役グループに当選したか否かを判定する。具体的には、役グループとして、「通常リプレイ」,「特殊リプレイA」,「特殊リプレイB」,「Lベル」,「Cベル」,「Rベル」,「スイカ」,「チェリー」が設定され、複数種類の役は、
図5に示すように役グループが割り当てられる。そして、役抽選では、抽出した乱数値に基づいて、いずれかの役グループに当選、又は全ての役グループに非当選(ハズレ)を決定する。例えば、役グループ「Lベル」に当選した場合には、役「BE1」〜「BE4」の役に同時に当選したこととなる。なお、各役グループの抽選値を
図5に併せて示す。そして、0〜65535の範囲で発生する乱数を抽出し、抽出した乱数と
図5に示す役抽選テーブルとを参照して役抽選処理を行う。例えば、役グループ「スイカ」は1000/65536の確率で当選するよう規定されている。
【0039】
リール制御手段43は、三つのリールの回転を制御するものである。リール制御手段43は、回転制御手段43aと、励磁データテーブル43bと、リール検出手段43cと、停止制御手段43dと、停止テーブル43eとを備えている。回転制御手段43aは、リールの回転駆動を制御するものであり、スタートスイッチの操作を契機として、ステッピングモータに信号を送り、全リールを所定速度で回転させる。励磁データテーブル43bは、ステッピングモータを制御するための励磁データが記憶されたものである。
【0040】
リール検出手段43cは、各リールの現在の回転角度位置を検出するものである。具体的には、各リールに形成されたスポーク部分には、基準位置検出用のインデックスと呼ばれる突起が形成され、また、リールの回転時にインデックスが通過する位置にフォトインタラプタが設けられており、リール検出手段43cは、インデックスがフォトインタラプタを通過する際に出力される信号により、当該リールが基準位置にあることを検出する。そして、リール検出手段43cは、フォトインタラプタから信号を受信してから、ステッピングモータのステップ数をカウントすることで、各リールの回転角度位置を検出する。
【0041】
停止制御手段43dは、ストップスイッチの操作を契機としてリールを停止させるものである。具体的には、停止制御手段43dは、ストップスイッチが操作されてから190msの遅延期間内に、該ストップスイッチに対応するリールを停止させる。停止制御手段43dは、190msの遅延期間中にリールを図柄0〜4コマ分滑らせることができ、ストップスイッチが操作されると、状況に応じた停止テーブル43eを選択し、当該停止テーブル43eの内容に従って、リールを図柄何コマ分滑らせてから停止させるかを決定する。
【0042】
停止テーブル43eは、ストップスイッチが操作されたときの条件に応じて、当該リールを図柄何コマ分滑らせてから停止させるかを記憶したものである。この停止テーブル43eは、役抽選の結果やリールの停止順序等に応じて複数種類が用意されており、停止制御手段43dが、状況に応じた停止テーブル43eを選択的に用い得るよう構成される。かかる停止テーブル43eによれば、当選していない役に係る図柄組合せは、入賞ライン上に揃わないように制御され、多くの場合は、当選している役に係る図柄組合せが入賞ライン上に揃うように制御される。
【0043】
次に、押し順制御について説明する。
上述のように、役抽選で一つの役グループに当選すると、複数の役に同時当選する場合があり、その場合複数の役に係る図柄組合せが同時に許容される。ただし、いずれの役に係る図柄組合せが導出されるかは、ストップスイッチの操作順序及び操作タイミング、あるいは操作タイミングに基づいて制御される。例えば、役グループ「Lベル」に当選した場合には、遊技者が左ストップスイッチを最初に操作したときは、役「BE1」の図柄組合せが入賞ライン上に停止表示されるように停止制御が行われ、中ストップスイッチあるいは右ストップスイッチを最初に操作したときは、役「BE2」〜「BE4」のいずれかが操作タイミングに基づいて停止表示されるように停止制御が行われる。役グループ「特殊リプレイA」に当選した場合には、遊技者が右ストップスイッチを、
図2に示すコマ番号12〜19、0〜1の図柄が視認窓の中段位置にあるときに停止操作を行ったときは、役「SRP1」を構成する図柄「チェリー1」が入賞ライン上に停止表示するように右リールを停止制御する。
図2に示すコマ番号2〜11の図柄が視認窓の中段位置にあるときに停止操作を行ったときは、役「RP」を構成する図柄「リプレイ」が入賞ライン上に停止表示するように右リールを停止表示する。なお、左リールと中リールについては、いずれの位置で停止操作を行っても図柄「リプレイ」が入賞ライン上に停止表示されるように停止制御が行われる。このように、複数の役に同時当選する役グループに当選した場合は、ストップスイッチの操作順序及び操作タイミング、あるいは操作タイミングによって、導出される図柄組合せが異なる。なお、役グループ「通常リプレイ」に当選した場合は、いずれの停止操作態様であっても役「RP」が導出される。また、役グループ「スイカ」に当選した場合は、中ストップスイッチの操作タイミングによっては取りこぼし、すなわち中リールの中段に「スイカ」が停止せず、どの役にも対応しないハズレの図柄組合せが停止表示されるように停止制御が行われてメダルの払い出しが行われないこととなるよう規定されている。そして、役グループ「チェリー」に当選した場合には、左ストップスイッチの操作タイミングによっては取りこぼし、すなわち左リールの中段に「チェリー1」が停止せず、どの役にも対応しないハズレの図柄組合せが停止表示されるように停止制御が行われてメダルの払い出しが行われないこととなるよう規定されている。
【0044】
入賞判定手段44は、三つのリールが停止したときに、入賞ライン上の図柄組合せを判定し、当該図柄組合せにより各種の役に入賞したか否かを判定するものである。
【0045】
払出制御手段45は、各種の役に入賞したときに、入賞役に応じたメダルの払出しを実行するものである。具体的には、入賞に係る払出枚数を、メダルのクレジット枚数に加算する。このとき、クレジット枚数が上限枚数(50枚)に達した場合には、ホッパーユニットを作動させて、上限枚数を超えた分のメダルを払い出す。
【0046】
役抽選テーブル切替手段46は、設定値やメダルの投入枚数、あるいは遊技状態などに基づいて、役抽選手段42が使用する役抽選テーブルの切替えを行うものである。
【0047】
設定値設定手段47は、各役への当選確率に影響を与える設定値を設定するためのものである。具体的には、設定値は1〜6の6段階が用意される。なお、設定値を設定する場合は、 設定キースイッチに鍵を差し込んだ状態で、電源スイッチをONにして主電源を投入する。かかる操作により、設定値設定手段47は、スロットマシンを設定変更許可状態とする。この設定変更許可状態では、設定変更スイッチの押圧操作によって所望の設定値を選択し、スタートスイッチの操作によって当該設定値を確定することができる。設定変更許可状態は、設定キースイッチに差し込んだ鍵を抜いて前扉を閉めることで終了し、通常の遊技状態に復帰する。
【0048】
サブコマンド送信手段48は、メイン制御基板20からサブ制御基板21へ各種の遊技情報を送信するものである。サブコマンド送信手段48が送信する遊技情報としては、役抽選の結果や、リール停止時の入賞判定の結果などが挙げられる。
【0049】
また、サブ制御基板21は、メイン制御基板20から送信されるコマンドを受信するサブコマンド受信手段49と、通常遊技演出制御手段50と、AT遊技演出制御手段51と、演出パターン記憶手段52と、ランプ制御手段53と、画像制御手段54と、音声制御手段55とを備えている。通常遊技演出制御手段50は、通常遊技中に、メイン制御基板20から入力される情報や、演出ボタンユニットからの信号などに基づいて遊技の演出制御を行う。一方、AT遊技演出制御手段51は、AT遊技中に、メイン制御基板20から入力される情報や、演出ボタンユニットからの信号などに基づいて遊技の演出制御を行う。演出パターン記憶手段52は、スロットマシンで実行される全ての演出パターンを記憶したものであり、通常遊技演出制御手段50やAT遊技演出制御手段51は、遊技中に必要な演出パターンを実行するために、当該演出パターンの演出内容を演出パターン記憶手段52から取得し、当該演出内容を実現するために、ランプ制御手段53を介して演出用ランプの点灯制御を行うとともに、画像表示器の表示画面11に所要の演出画像を表示させるために画像制御手段54を介して画像制御基板22にコマンドを送信し、さらには、音声制御手段55を介してスピーカの出力制御を行う。
【0050】
遊技状態制御手段60は、AT抽選手段61と、AT抽選テーブル設定手段62と、上乗せ抽選手段63と、AT当選時数量設定手段64と、遊技進行数量制御手段65と、遊技進行数量報知手段66と、遊技進行数量切り替え手段67と、遊技状態設定制御手段68と、遊技者支援制御手段69と、を備えている。
【0051】
AT抽選手段61は、ATの実行に係る抽選を行うためのものである。具体的には、0〜16383の範囲で生成される乱数値と、役抽選の結果と、
図5に示すAT抽選値とを参照し当落を判定する。AT抽選値は、高確率と低確率とが予め規定されており、いずれかの確率を選択して抽選を行う。確率の選択については後述する。なお、説明の便宜上、
図5のように、役抽選値と同一のテーブルに規定するよう記載したが、別々のテーブルとしてもよい。
【0052】
AT抽選テーブル設定手段62は、
図5に示すような低確率でATを抽選する抽選テーブルと高確率でATを抽選する抽選テーブルとのいずれかを選択し、設定するものである。なお、低確率の抽選テーブル及び高確率の抽選テーブルは、所定契機で切り替えられる。
【0053】
上乗せ抽選手段63は、後述する補助処理を実行可能な回数の増加に係る抽選を行うためのものである。具体的には、0〜127の範囲で生成される乱数値と、役抽選の結果と、
図5に示す上乗せ抽選値とを参照し当落を判定する。そして、上乗せ抽選に当選すると、記憶領域に記憶されているナビ回数を加算する。なお、説明の便宜上、
図5のように、役抽選値やAT抽選値と同一のテーブルに規定するよう記載したが、別々のテーブルとしてもよい。
【0054】
AT当選時数量設定手段64は、役抽選と同時に行われるAT抽選に当選した際に、第1の遊技進行数量、第2の遊技進行数量、及び遊技終了数量に係る初期数値を設定するものである。本実施例においては、便宜上内部処理において初期の第1の遊技進行数量及び第2の遊技進行数量を各々残りゲーム数である「50」とし、遊技終了数量を「0(ゼロ)」として直接設定する。具体的には、第1の遊技進行数量に第1残りゲーム数である「50」を設定し、第2の遊技進行数量に第2残りゲーム数である「50」を設定する。なお後で詳しく述べるが、本発明は、第1の遊技進行数量、第2の遊技進行数量、及び遊技終了数量を直接設定することのみに限定されるものではない。例えば、遊技の進行に伴う演出表示の変化によって第1の遊技進行数量及び第2の遊技進行数量が、閾値である遊技終了数量に対して近接又は離反することを遊技者に報知するものであればよい。換言すれば、遊技進行に伴って、例えば現在の残りゲーム数が二つの終了条件の間を往来するような演出が可能である。したがって、AT当選時数量設定手段64は、第1の遊技進行数量、第2の遊技進行数量、及び遊技終了数量の数値を間接設定するものであっても構わない。
【0055】
遊技進行数量制御手段65は、第1の遊技進行数量及び第2の遊技進行数量に対して、一方の遊技進行数量を1ゲーム毎に1ずつ遊技終了数量に近づけ、かつ、他方の遊技進行数量を前記遊技終了数量から1ゲーム毎に1ずつ遠ざけるものである。換言すれば、一方の残りゲーム数をゼロに向かって1ずつ減少させ、他方の残りゲーム数を1ずつ増加させる。
【0056】
遊技進行数量報知手段66は、前記第1の遊技進行数量及び第2の遊技進行数量を、サブ制御基板21の画像制御手段54によって表示画面11で演出表示し、遊技者に前記第1の遊技進行数量及び第2の遊技進行数量を報知するものである。
【0057】
遊技進行数量切り替え手段67は、後述の切り替え条件が充足されると、前記遊技終了数量に近づけている遊技進行数量を前記遊技終了数量から遠ざける遊技進行数量とし、かつ、前記遊技終了数量から遠ざけている遊技進行数量を前記遊技終了数量に近づける遊技進行数量として、遊技終了数量に近づける遊技進行数量を切り替えるものである。
【0058】
遊技状態設定制御手段68は、AT遊技を開始させるものであり、前記第1の遊技進行数量及び前記第2の遊技進行数量のうち一方の遊技進行数量が前記遊技終了数量に達する(ゼロになる)と、AT遊技を終了する。具体的には、AT抽選に当選したときにATフラグをONにし、AT遊技の終了条件を満たしたときにATフラグをOFFにする。なお、「前記第1の遊技進行数量及び前記第2の遊技進行数量のうち一方の遊技進行数量が所定の遊技終了数量に達する」ことには、一方の遊技進行数量が遊技終了数量と等しくなることが含まれると共に、一方の遊技進行数量が遊技終了数量を超えることも含まれる。
【0059】
遊技者支援制御手段69は、遊技進行数量切り替え手段67による切り替えが発生すると遊技者にとって不利な結果となる場合に、切り替えの発生を回避するために所定の停止操作態様の報知を実行するものである。つまり、遊技終了数量に近づける遊技進行数量を切り替えると、当該遊技進行数量と遊技終了数量との差分が小さくなる場合に、前記切り替え条件を充足させないようにする処理を実行するものである。具体的には、切り替えが発生すると遊技者にとって有利となる場合に、切り替えの発生を誘導したり、遊技者がより多くのメダルを獲得できるようにLベル、Cベル、Rベルに当選した場合にBE1を入賞させることができる停止操作態様を報知したりするために、特殊リプレイへの入賞を回避する、あるいは誘導する押し順ナビ2が表示される補助処理を実行する。詳しくは後述する。
【0060】
図6は、メイン制御基板20のCPUで1ゲーム毎に実行される、遊技の進行に係る処理を主に示したものである。なお、各ステップSの具体的な内容は下記の通りである。
S101:前遊技が終了後、若しくは電源ONされてから、ROM及びRAMの状態確認を行い、異常がなければメダル投入操作を有効とする。そして、一遊技に必要なメダル数が投入されるまで、若しくはクレジットからのベット操作が行われるまで待機する。
S102:スタートスイッチが操作されるまで待機する。
S103:スタートスイッチの操作によって抽出される乱数値に基づいて、各種の役に当選したか否かを決定する。そして、役抽選の結果をRAMに記憶すると共に、サブ制御基板21に送信する。
S104:ATフラグがONでなければ、すなわち通常遊技中であればS105に進む。一方、ATフラグがONであれば、すなわちAT遊技中であればS106に進む。
S105:AT抽選処理を行う。
S106:上乗せ抽選処理を行う。
S107:補助処理を行う。
S108:ウェイトを消化するまで待機する。
S109:リールを回転開始する。
S110:リールの回転が定常回転に達するまで待機する。
S111:ストップボタンが操作されるまで待機する。
S112:役抽選結果等に基づいて選択された停止テーブルとストップボタンの操作タイミングに基づいて、操作のあったストップボタンに対応するリールを停止させる。
S113:全リールが停止するまで待機する。
S114:AT管理の処理を行う。
S115:停止制御時のデータあるいはリールの停止態様に基づいて入賞判定を行うと共に、配当の有無を判定する。
S116:メダルの払い出しを行う。
【0061】
図7は、メイン制御基板20のCPUで1ゲーム毎に実行される、上乗せ抽選に係る処理を示したものである。なお、各ステップSの具体的な内容は下記の通りである。
S201:上乗せ抽選を行う。
S202:上乗せに当選したか否かを判定する。上乗せに当選している場合はS203に進む。一方、上乗せに当選していない場合は上乗せ抽選を終了する。
S203:ナビ回数を10加算する。
なお、本実施例においては、説明の便宜上、上乗せ抽選に当選した場合は、ナビ回数の抽選を行うことがない例で説明したが、これに限定されることはなく、例えば、付与するナビ回数を抽選により決定する処理内容にしてもよい。
【0062】
図8は、メイン制御基板20のCPUで1ゲーム毎に実行される、補助処理に係る処理を示したものである。本発明に係る遊技者支援制御手段69は、この補助処理のS304,S305によって主に実現される。なお、各ステップSの具体的な内容は下記の通りである。
【0063】
S301:特殊リプレイに当選しているか否かを判定する。特殊リプレイに当選している場合はS302に進み、当選していない場合はS307に進む。
S302:残りナビ回数の有無を判定する。ナビ回数が残っている場合はS303に進み、残っていない場合は補助処理を終了する。
S303:ゼロに向かっている残りゲーム数が50未満であるか否かを判定する。ゼロに向かっている残りゲーム数が50未満でなければS304に進み、50未満であればS305に進む。
S304:入賞回避ナビを実行する。つまり、特殊リプレイが入賞しないように停止操作態様を報知するようサブ制御基板に対するコマンドを送信する。
S305:入賞ナビを実行する。つまり、特殊リプレイが入賞するように停止操作態様を報知するようサブ制御基板に対するコマンドを送信する。
S306:入賞ナビあるいは入賞回避ナビを行ったため、残りナビ回数を1減算する。 ここで、本実施例では、ベルL、ベルC、ベルR、特殊リプレイA、及び特殊リプレイBに当選したときに、遊技者が有利な結果を得られるように停止操作態様をナビする補助処理を行うところ、ベルL、ベルC及びベルRに対してはナビ回数を有利遊技期間内で無限とし、特殊リプレイA及び特殊リプレイBに対してはナビ回数を有限としている。すなわち、ここでいう残りナビ回数は、特殊リプレイA又は特殊リプレイBに当選したときに参照されるものである。なお、後述するように、ナビ回数でAT遊技の継続期間を管理する場合には、ベルL、ベルC及びベルRに対するナビ回数と、特殊リプレイA及び特殊リプレイBに対するナビ回数とを別で設け、ベルL、ベルC及びベルRに対してのナビ回数をAT遊技の継続期間を管理するためのものとし、特殊リプレイA及び特殊リプレイBに対してのナビ回数を切り替えの発生あるいは回避に係る補助処理のためのものとするとよい。
S307:ベルL、ベルC又はベルRのいずれかに当選したか否かを判定する。ベルL、ベルC又はベルRのいずれかに当選している場合はS308に進み、当選していない場合は補助処理を終了する。
S308:ベルL、ベルC又はベルRを入賞させるための停止操作態様を報知するようサブ制御基板に対するコマンドを送信する。
【0064】
図9は、メイン制御基板20のCPUで1ゲーム毎に実行される、AT管理に係る処理を示したものである。本発明に係る遊技進行数量切り替え手段67は、このAT管理のS405によって主に実現される。なお、各ステップSの具体的な内容は下記の通りである。
S401:ATフラグがONであるか否かを判定する。ATフラグがONでなければ、すなわち通常遊技中であればS402に進む。ATフラグがONであれば、すなわちAT遊技中であればS404に進む。
S402:AT当選の有無を判定する。ATに当選していればS403に進み、当選していなければAT管理処理を終了する。
S403:ATフラグをONとし、AT管理処理を終了する。これにより、次遊技よりATが開始することとなる。なお、このとき、AT遊技を開始する旨の情報をサブ制御基板に送信する。
S404:特殊リプレイに入賞したか否かを判定する。入賞した場合にはS405に進み、入賞していなければS406に進む。なお、特殊リプレイに入賞すると上述の切り替え条件が充足される。
S405:後述するインジケーターバー3における進行方向を切り替える。すなわち、減少している残りゲーム数(遊技進行数量)と増加しているゲーム数(遊技進行数量)とを切り替える。
S406:残りゲーム数のそれぞれのカウンター値を更新する。具体的には、減少対象の残りゲーム数(遊技進行数量)のカウンター値を減少させ、増加対象の残りゲーム数(遊技進行数量)のカウンター値を増加させる。
S407:第1残りゲーム数(遊技進行数量)のカウンター値がゼロであるか否かを判定する。すなわち、第1残りゲーム数(遊技進行数量)を消化したか否かを判定する。ゼロであればS408に進み、ゼロでなければS409に進む。
S408:ATフラグをOFFにする。これによりAT遊技が終了し、通常遊技に復帰する。また、次遊技から開始される通常遊技でのAT抽選に用いる抽選テーブルを高確率テーブルに設定する。そして、AT管理処理を終了する。なお、このとき、AT遊技を終了する旨の情報をサブ制御基板に送信する。
S409:第2残りゲーム数(遊技進行数量)のカウンター値がゼロであるか否かを判定する。すなわち、第2残りゲーム数(遊技進行数量)を消化したか否かを判定する。ゼロであればS410に進み、ゼロでなければAT管理処理を終了する。
S410:ATフラグをOFFにする。これによりAT遊技が終了し、通常遊技に復帰する。また、次遊技から開始される通常遊技でのAT抽選に用いる抽選テーブルを低確率テーブルに設定する。そして、AT管理処理を終了する。なお、このとき、AT遊技を開始する旨の情報をサブ制御基板に送信する。
【0065】
次に、画像表示器の表示画面11で演出表示される第1の遊技進行数量と第2の遊技進行数量について説明する。
【0066】
AT抽選に当選した次のゲームにおいて、
図10(a)に示すように、画像表示器の表示画面11にはまず、停止順序報知画像としての押し順ナビ2、インジケーターバー3、及びAT継続ゲーム数4が演出表示される。
【0067】
さらに、インジケーターバー3の上側には、第1の遊技進行数量に対応する第1残りゲーム数5Aと、第2の遊技進行数量に対応する第2残りゲーム数5Bが表示されており、例えば減少対象の第1残りゲーム数5Aが、その時点における残りゲーム数として強調表示されている。
【0068】
なお、インジケーターバー3にあっては、右側に表示されたAキャラクターの残存体力が、第1残りゲーム数5Aに対応する継続区間Xの長さとして表現されている。そして、左側に表示されたBキャラクターの残存体力が、第2残りゲーム数5Bに対応する継続区間Yの長さとして表現されている。なお、前記継続区間X,Yの長さも、本発明に係る遊技進行数量に相当し、継続区間Xの長さの変動により第1の遊技進行数量の変動が遊技者に報知され、継続区間Yの長さの変動により第2の遊技進行数量の変動が遊技者に報知されている。すなわち、仮に第1残りゲーム数5Aと第2残りゲーム数5Bが表示画面11に表示されておらず、前記継続区間X,Yのみが表示されているような実施形態も、当然本発明に含まれる。
【0069】
なお、
図10(a)に示すように、当該AT遊技の始まりにあたっては、強調して演出表示されたBキャラクターが、Aキャラクターを攻撃するごとく、第1残りゲーム数5Aが減少し始め、かつ第2残りゲーム数5Bが増加し始める。
【0070】
このような状況で遊技者は、押し順ナビ2に示された順番に各リールを停止させることで小役に入賞させてメダルを獲得することができる。ただし、押し順ナビ2は、AT遊技中のゲーム全てにおいて表示されるものではなく、役抽選の結果によっては表示されなかったり、特定の小役であることを示す演出表示が行われたりする場合がある。
【0071】
AT遊技を継続することによって、インジケーターバー3に示される第1残りゲーム数5Aは減少を続け、
図10(b)に示すように、AT遊技開始から「25」ゲームを消化した際には第1残りゲーム数5Aは「25」となる。同時に、第2残りゲーム数5Bは「75」となる。これに対応してインジケーターバー3の継続区間X,Yの長さも変動表示される。このように、第1残りゲーム数5Aがゼロに近づいていくことと、継続区間Xの長さが減少していくことにより 、遊技者は、AT遊技の終了タイミングが近づいていくことを認識することができる。
【0072】
図11(a)に示すように、AT遊技開始から「40」ゲームを消化して第1残りゲーム数5Aが「10」となったときに特殊リプレイに入賞すると、遊技進行数量切り替え手段67による残りゲーム数5A,5Bの増減対象の切り替えが行われ、減少対象であった第1残りゲーム数5Aが増加対象の残りゲーム数となり、増加対象であった第2残りゲーム数5Bが減少対象の残りゲーム数となる。すなわち、キャラクターの攻守が切り替わって、Aキャラクターが強調表示されると共に、第1残りゲーム数5Aに替わって第2残りゲーム数5Bが強調表示される。これに伴い、継続区間X,Yの長さの増減も切り替わる。すなわち、継続区間Xの長さが増加していき、継続区間Yの長さが減少していくこととなる。
【0073】
かかる状況にあっては、遊技者は、AT遊技終了までのゲーム数が「10」であると認識していたところ、減少対象と増加対象の残りゲーム数5A,5Bの切り替えが行われてAT遊技終了までのゲーム数が「90」に変動することにより、AT遊技終了までのゲーム数が実質的に「80」延長されたと認識する。したがって、遊技者にとっては、AT遊技が予想よりも長く継続することとなり、従来にない新規な方法でAT遊技の延長を体感させることができ、遊技の内容に意外性が生まれ、遊技の興趣が向上する。
【0074】
図11(b)に示すように、残りゲーム数5A,5Bの切り替えが行われてからさらに「50」ゲームを消化して第2残りゲーム数5Bが「40」となったときに特殊リプレイに入賞すると、遊技進行数量切り替え手段67による残りゲーム数5A,5Bの増減対象の切り替えが再度行われ、減少対象であった第2残りゲーム数5Bが増加対象の残りゲーム数となり、増加対象であった第1残りゲーム数5Aが減少対象の残りゲーム数となる。つまり、再度キャラクターの攻守が切り替わって、Bキャラクターが強調表示されると共に、第2残りゲーム数5Bに替わって第1残りゲーム数5Aが残りゲーム数として強調表示される。これに伴い、継続区間X,Yの長さの増減も切り替わる。すなわち、継続区間Yの長さが増加していき、継続区間Xの長さが減少していくこととなる。
【0075】
かかる状況にあっては、遊技者は、AT遊技終了までのゲーム数が「40」であると認識していたところ、減少対象と増加対象の残りゲーム数5A,5Bの切り替えが行われてAT遊技終了までのゲーム数が「60」に変動することにより、AT遊技終了までのゲーム数が実質的に「20」延長されたと認識する。ここでもまた、遊技者にとっては、AT遊技が予想よりも長く継続することとなり、さらに遊技の興趣が向上する。
【0076】
換言すれば、本遊技内容は、当該AT遊技の終了条件が二つ設定されており、遊技進行に伴って、現在の残りゲーム数が二つの終了条件の間を往来するように継続する遊技が実現されている。
【0077】
そして、
図12に示すように、さらにAT遊技が継続し、その後残りゲーム数5A,5Bの切り替えが発生することなく残りゲーム数の「60」回を消化して第1残りゲーム数5Aがゼロに達すると、インジケーターバー3において継続区間Xの表示が消滅し、Aキャラクターの残存体力がゼロとなって当該AT遊技が終了する。この例のような一連の遊技においては、結果としてAT遊技が「150」ゲーム継続したこととなる。
【0078】
以上のような残りゲーム数5A,5Bの切り替えを所定契機で行うことで、維持されている遊技状態の期間が遊技進行に伴って変動することになるため、遊技者は当該AT遊技の終了タイミングが予想することができず、遊技に緊張感を抱かせることが可能となる。
【0079】
さらに詳述すると、AT遊技において第1残りゲーム数5Aと第2残りゲーム数5Bとの切り替えが発生し続ける限り、永続的にAT遊技を実行することができる。また、第1残りゲーム数5A又は第2残りゲーム数5Bの消化目前などで切り替えが発生した場合には、遊技者にとって起死回生のAT遊技期間の延長が行われることとなり、これによって大きな満足感や高揚感を遊技者に与えることができる。一方、残りゲーム数5A,5Bのうち減少対象の残りゲーム数が十分残っている状況で切り替えが発生した場合には、一転してAT遊技終了の危機に瀕することとなり、これによってAT遊技終了までのゲーム数が十分に残っている状況においても緊張感のある遊技を提供できることになる。
【0080】
さらに、本実施例にあっては、AT遊技中の始めから終わりに亘って緊張感のある遊技を提供できる。すなわち、両残りゲーム数5A,5Bがほぼ等しいインジケーターバー3の中央付近(AT遊技終了にはまだ遠いが、十分な期間が残っているわけでもないとき)で切り替えが発生したとしても、遊技状況の好転や暗転の影響は遊技者にとって小さいものの、しばらく切り替えが発生しなければ残りゲーム数5A,5Bのいずれかがゼロに近くなってインジケーターバー3の端の付近に達してしまい、AT遊技終了の危機が高まることとなる。そのため遊技者は、両残りゲーム数5A,5Bがほぼ等しいインジケーターバー3の中央付近で切り替えが繰り返し発生することを願って遊技することになるため、AT遊技中は常に遊技に注力することとなる。
【0081】
なお、ナビ回数が残存している場合には、遊技者支援制御手段69により、遊技者が有利な展開となるように補助が行われる。例えば、特殊リプレイA又は特殊リプレイBが入賞することで残りゲーム数5A,5Bの切り替えが発生するところ、ナビ回数が残存する場合には、
図13に示すように、AT遊技の残りゲーム数に応じて停止操作に関するナビ9が実行される。
【0082】
具体的に
図13(a)は、ゼロに向かっている残りゲーム数が「50」未満であり、特殊リプレイAに当選した場合の表示態様である。この場合は、残りゲーム数が「50」未満であることから、切り替えが発生した方がAT遊技終了までのゲーム数が延長されて遊技者に有利な状況となる。つまり、ゼロに向かっている残りゲーム数である第1残りゲーム数5Aが「20」であり、もう一方の残りゲーム数5Bが「80」であって、切り替えが発生した方がAT遊技終了までのゲーム数が実質的に「60」延長されることとなる。このため、特殊リプレイAのうちのSRP1(リプレイ-リプレイ-チェリー1)が停止表示されるように「右リールにチェリー1を狙え!!」という表示を行う。また図示は省略するが、ゼロに向かっている残りゲーム数が「50」未満であり、特殊リプレイBに当選した場合には、特殊リプレイBのうちのSRP2(リプレイ-リプレイ-チェリー2)が停止表示されるように「右リールにチェリー2を狙え!!」という表示を行う。かかる構成とすることにより、遊技者がこのような指示に従って停止操作を行うことで特殊リプレイを入賞させることができ、切り替えが発生することでAT遊技が延長されて有利な遊技状況とすることができる。
【0083】
一方、ゼロに向かっている残りゲーム数が「51」以上であって、特殊リプレイAに当選した場合には、切り替えが発生するとAT遊技の残りゲーム数が少なくなってしまうため、
図13(b)に示すように、特殊リプレイAのうちのSRP1(リプレイ-リプレイ-チェリー1)が停止表示されないように「右リールにチェリー2を狙え!!」という表示を行う。この場合、「右リールにチェリー1を狙うな!!」という表示を行ってもよい。つまり、ゼロに向かっている残りゲーム数を切り替えると、第1の遊技進行数量「20」と遊技終了数量「0」との差分は、「20」である。一方、切り替えを行わない場合の第2の遊技進行数量「80」と遊技終了数量「0」との差分は、「80」である。したがって、遊技終了数量「0」に近づける遊技進行数量を切り替えると、当該遊技進行数量と遊技終了数量との差分が小さくなって遊技者に不利な状況となるため、前記切り替え条件を充足させないようにする処理を実行する。また、残りゲーム数が「51」以上であり、特殊リプレイBに当選した場合には、特殊リプレイBのうちのSRP2(リプレイ-リプレイ-チェリー2)が停止表示されないように「右リールにチェリー1を狙え!!」もしくは「右リールにチェリー2を狙うな!!」という表示を行う。
【0084】
遊技者がこのような指示に従って停止操作を行うことで特殊リプレイを入賞させないことが可能となり、切り替えの発生を防止してAT遊技の残りゲーム数が少なく転じてしまうのを回避することができる。
【0085】
このようにして、ナビ回数が残存する場合には切り替えの発生により遊技者が不利になることを抑制できるため、遊技者の達成感や安堵感を失わせることのない遊技内容とすることができる。
【0086】
なお、AT遊技の残りゲーム数が「50」のときには、切り替えの発生の有無に関わらず遊技者にとっての有利不利(有利度)は変わらないため、特殊リプレイを入賞させるようなナビを行ってもよいし、入賞を回避するようにナビを行ってもよい。あるいは、ナビが発生しないようにしてもよい。また、終了時の優劣を考慮して、優遇される方に転じるようにナビを行ってもよい。本実施例では、入賞回避ナビを行う遊技内容としている。
【0087】
また、一般的に、チェリー1やチェリー2の図柄は赤7図柄やバー図柄よりも小さく、リール回転中に視認するのが比較的難しいため、チェリー1やチェリー2を入賞ラインに引き込むことができる範囲内にある見やすい図柄(例えば、赤7図柄やバー図柄)を狙うような表示態様としてもよい。
【0089】
本実施例に係る遊技状態制御手段は、メイン制御基板20によって構成され、特には、遊技現在数量制御手段と、遊技現在数量報知手段と、反転制御手段と、遊技状態設定制御手段とを具備している。なお、実施例1と同様の構成を有するものは同じ符号を付し、説明を省略する。
【0090】
前記遊技状態制御手段は、AT当選時数量設定手段を備えており、前記AT当選時数量設定手段は、役抽選と同時に行われるAT抽選に当選した際に、少なくとも遊技開始数量及び遊技終了数量に係る初期数値を設定するものである。本実施例においては、便宜上内部処理において遊技開始数量を「0(ゼロ)」とし、遊技終了数量を「50」として直接設定する。なお後で詳しく述べるが、本発明は、遊技開始数量及び遊技終了数量を直接設定することのみに限定されるものではない。例えば、遊技の進行に伴う演出表示の変化によって遊技開始数量から遊技終了数量に向かう遊技現在数量が、閾値である遊技終了数量に対して近接又は離反することを遊技者に報知するものであればよい。換言すれば、遊技進行に伴って、例えば現在の残りゲーム数が一つの終了条件に近づいたり遠ざかったりするような演出が可能である。したがって、AT当選時数量設定手段は、遊技開始数量及び遊技終了数量の数値を間接設定するものであっても構わない。
【0091】
遊技現在数量制御手段は、遊技現在数量を、遊技進行に伴って、所定の遊技開始数量から所定の遊技終了数量に近づけるものである。具体的には、1ゲーム毎に遊技現在数量をゼロから1ずつ加算して50に近づけるものである。
【0092】
遊技現在数量報知手段は、前記遊技現在数量を表示画面11で演出表示して遊技者に報知するものである。
【0093】
反転制御手段は、所定の反転条件が充足されると、遊技現在数量と遊技終了数量の差分が遊技開始数量と遊技終了数量の差分より小さい場合は、前記遊技現在数量と前記遊技開始数量の差分だけ、遊技終了数量と遊技開始数量の差分よりも遊技現在数量と遊技終了数量の差分の方が大きくなるように、前記遊技現在数量を変更し、遊技現在数量と遊技終了数量の差分が遊技開始数量と遊技終了数量の差分より大きい場合は、前記遊技現在数量と前記遊技開始数量の差分だけ、遊技終了数量と遊技開始数量の差分よりも遊技現在数量と遊技終了数量の差分の方が小さくなるように、前記遊技現在数量を変更するものである。なお、所定の反転条件の内容は、実施例1の所定の切り替え条件と同様であるため説明を省略する。
【0094】
遊技状態設定制御手段は、AT遊技を開始させるものであり、前記遊技現在数量が前記遊技終了数量に達する(50になる)と当該遊技状態を終了するものである。具体的には、AT抽選に当選したときにATフラグをONにし、AT遊技の終了条件を満たしたときにATフラグをOFFにする。
【0095】
次に、
図14等に従って表示画面11で演出表示される遊技開始数量、遊技現在数量、及び遊技終了数量について説明する。
【0096】
図14(a)に示すように、AT抽選に当選した次のゲームにおいて、表示画面11には、まず、押し順ナビ2、AT継続ゲーム数4、及びゲーム数目盛りバー6が表示される。ここで、ゲーム数目盛りバー6は、遊技終了数量である「50」から、この値の正負を反転させた「−50」までの数値を数直線で表したものである。また、数直線中央の「0(ゼロ)」が遊技開始数量として表示される。
【0097】
さらに、ゲーム数目盛りバー6上に、遊技終了数量に向かって変位する現在値ポインター7が表示されており、前記現在値ポインター7は各時点における遊技現在数量に対応する位置に表示される。また、ゲーム数目盛りバー6の右上位置には、当該AT遊技における残りゲーム数8が別途表示される。すなわち、残りゲーム数8には、遊技終了数量(例えば「50」)から遊技現在数量(例えば「1」)を引いた数値(例えば「49」)が表示される。他の構成は上記実施例1と同様である。
【0098】
そして、AT遊技が継続することによって、ゲーム数目盛りバー6上に示される現在値ポインター7は、遊技終了数量である「50」へ向かって1ゲーム毎に「1」ずつ近づき、
図14(b)に示すように、AT遊技開始から「25」ゲームを消化した際にはゲーム数目盛りバー6上の「25」の数字に対応する箇所に位置する。また、残りゲーム数8では、「25」と表示される。
【0099】
ここで、AT遊技開始から「40」ゲームを消化したところで、すなわち残りゲーム数が「10」になったところで特殊リプレイに入賞すると、
図15(a)に示すように、遊技現在数量である「40」に見かけ上「−1(マイナス1)」が乗算され、遊技現在数量は「−40」とされる。それに伴って現在値ポインター7がゲーム数目盛りバー6上で「40」の位置から「−40」の位置へ移動し、残りゲーム数8の表示は、「90」と表示される。すなわち、これにより、AT遊技の残りゲーム数が実質的に「80」延長されたこととなる。したがって、遊技者にとっては、AT遊技が継続することとなり、従来にない新規な方法でAT遊技の延長を体感させることができ、遊技の興趣が向上する。
【0100】
詳述すると、遊技現在数量「40」と遊技終了数量「50」の差分「10」が遊技開始数量「0」と遊技終了数量「50」の差分「50」より小さい。したがって、前記遊技現在数量「40」と前記遊技開始数量「0」の差分「40」だけ、遊技終了数量「50」と遊技開始数量「0」の差分「50」よりも大きくなるように遊技現在数量を「40」から「−40」へ変更する。その結果、遊技現在数量「−40」と遊技終了数量「50」の差分「90」の方が遊技終了数量「50」と遊技開始数量「0」の差分「50」よりも大きくなる。
【0101】
図15(b)に示すように、上述のような変更が行われてからさらに「30」ゲームを消化して残りゲーム数が「60」になったところで特殊リプレイに入賞すると、再度遊技現在数量である「−10」に見かけ上「−1」が乗算され、遊技現在数量は「10」とされる。それに伴って現在値ポインター7がゲーム数目盛りバー6上で「−10」の位置から「10」の位置へ移動し、残りゲーム数8の表示は「40」と表示される。すなわち、これにより、AT遊技の残りゲーム数が実質的に「20」短縮されたこととなる。したがって、AT遊技が「20」削除されたこととなり、遊技者にとっては獲得し得るメダルの枚数が減少することとなる。
【0102】
詳述すると、遊技現在数量「−10」と遊技終了数量「50」の差分「60」が遊技開始数量「0」と遊技終了数量「50」の差分「50」より大きい。したがって、前記遊技現在数量「−10」と前記遊技開始数量「0」の差分「10」だけ、遊技終了数量「50」と遊技開始数量「0」の差分「50」よりも小さくなるように遊技現在数量を「−10」から「10」へ変更する。その結果、遊技現在数量「10」と遊技終了数量「50」の差分「40」の方が遊技終了数量「50」と遊技開始数量「0」の差分「50」よりも小さくなる。
【0103】
このようなAT遊技の残りゲーム数の短縮は、本実施例においては残りゲーム数が「50」を超えている際にはいつでも発生するおそれがあり、遊技者にとっては十分な残りゲーム数があっても気を抜けない緊張感のある遊技が楽しめることになる。
【0104】
図16に示すように、さらにAT遊技が継続し、残りゲーム数の「40」を消化すると、ゲーム数目盛りバー6上で現在値ポインター7が「50」の位置に達し、当該AT遊技が終了する。この例のような一連の遊技においては、結果としてはAT遊技が「110」ゲーム継続したこととなる。
【0105】
以上のように、所定契機で遊技現在数量を変更して遊技現在数量と遊技終了数量との差を拡大したり縮小したりすることで、例えば拡大した差分をAT遊技における延長分としたり、例えば縮小した差分をAT遊技における短縮分としたりすることができる。したがって、遊技者は当該遊技状態の終了タイミングを予想することができず、遊技に緊張感を抱かせることが可能となる。
【0106】
すなわち、AT遊技中に、上記のような遊技現在数量の変更が発生し続ける限り、永続的にAT遊技を実行することができる。また、遊技現在数量が遊技終了数量に達する目前などで遊技現在数量の変更が発生した場合には、遊技者にとって起死回生の延長が行われることとなり、満足感や高揚感を遊技者に与えることができる。一方、遊技現在数量と遊技終了数量との差が十分残っている状況で遊技現在数量の変更が発生した場合には、一転してAT遊技終了の危機に瀕することとなり、遊技現在数量と遊技終了数量との差が十分に残っている状況においても緊張感のある遊技を提供することができる。
【0107】
さらに、現在値ポインター7がゲーム数目盛りバー6の中央付近(AT遊技終了にはまだ遠いが、十分な期間が残っているわけでもないとき)に位置しているときに遊技現在数量の変更が発生したとしても、遊技状況の好転や暗転の影響が遊技者にとって小さい。しかし、しばらく遊技現在数量の変更が発生しておらずゲーム数目盛りバー6の端の付近に現在値ポインター7が達したときには、特にAT遊技終了の危機が高まる。そのため遊技者は、現在値ポインター7がゲーム数目盛りバー6の中央付近に位置しているあたりで遊技現在数量の変更が繰り返し発生することを願って遊技することになるため、AT遊技中は始めから終わりに亘って遊技に注力することとなる。
【0108】
なお、ナビが残っている場合の補助に関する遊技内容については実施例1と同様であるため説明を省略する。
【0109】
なお、本発明の遊技機は、上記実施例1,2の形態に限らず本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。
【0110】
例えば上述の実施例1では、AT遊技の第1の遊技進行数量と第2の遊技進行数量とをゲーム数で管理するため、1ゲーム毎に各遊技進行数量のカウンター値を1ずつ更新したが、これに限らず、獲得メダル数、差枚数、押し順ナビ回数、特定小役の当選回数、入賞回数、あるいは遊技結果に基づいて変動するポイントなどによりAT遊技の継続期間を管理する場合には、それぞれの数値の変化に合わせてカウンター値を更新するようにしてもよい。また、いずれを対象としてAT遊技を管理するかを、例えばAT遊技の開始毎に変化するようにしてもよい。
【0111】
また、実施例2では、1ゲーム毎に遊技現在数量を1ずつ更新したが、これに限らず、獲得メダル数、差枚数、あるいは押し順ナビ回数などにより管理する場合には、それぞれの数値の変化に合わせてカウンター値を更新するようにしてもよい。また、いずれを対象としてAT遊技を管理するかを、例えばAT遊技の開始毎に変化するようにしてもよい。
【0112】
また、実施例1において、各遊技進行数量の初期値は互いに等しく設定する必要はなく、異なる値で設定してもよい。つまり初期値として、第1の遊技進行数量(第1残りゲーム数5A)を「30」とし、第2の遊技進行数量(第2残りゲーム数5B)を「70」としてもよく、これらを都度抽選で決定してもよいし、予め定められた法則に基づいて変化させてもよい。また、上乗せ抽選は、遊技者にとって有利となる態様であれば適宜自由に設定可能である。抽選や法則により各遊技進行数量を増大させるようにしてもよい。例えば、第1の遊技進行数量(第1残りゲーム数5A)を「50」から「100」に増大させるようにしてもよい。 かかる法則の例としては、「100」ゲーム毎などの周期的なものや、所定ゲーム数到達や特定役当選などの条件達成によるものなどが挙げられる。 さらに、第1の遊技進行数量(第1残りゲーム数5A)と第2の遊技進行数量(第2残りゲーム数5B)との双方を同時に増大させてもよいし、一方のみを増大させてもよい。また、遊技の進行を所定期間に亘ってストップさせてもよい。さらに、異なるタイミング又は同時に、各遊技進行数量を短縮(AT遊技数の削減)するようにしてもよい。
【0113】
また、実施例2において、遊技現在数量を、向かっている遊技終了数量から遠ざかるようにしてもよい。
【0114】
前記した押し順ナビ2は、三つのリールの停止順序を示すのではなく、最初に止めるべきリールを示し、残りの2つのリールの停止はいずれが先であってもよいものであっても構わない。
【0115】
また、第1の遊技進行数量(第1残りゲーム数5A)と第2の遊技進行数量(第2残りゲーム数5B)とのうちどちらが消化されるか によって、AT遊技終了後の通常遊技におけるAT抽選確率が異なる遊技内容としたが、これに限らず、遊技状態(ボーナス、RT、通常)が異なる遊技内容であってもよいし、遊技者に付与される特典が異なる遊技内容であってもよい。また、特典としては、例えば、設定示唆演出の実行頻度や信頼度に関わる優劣が異なるものや、出玉に関係しない演出が変化するものなどが例として挙げられる。
【0116】
また、実施例1において減少対象の遊技進行数量と増加対象の遊技進行数量とを切り替える制御内容は、特定の役入賞時に即時発動させる必要はなく、所定の記憶領域に切り替え発動回数をストックしておき、所定のタイミング(例えば、遊技進行数量が遊技終了数量に達する直前など)で発動させるようにしてもよい。
【0117】
また、補助処理は、入賞ナビか入賞回避ナビが必ず発生するようにしたが、いずれのナビも発生しない区間を設けるようにしてもよい。例えば、実施例1において、残りゲーム数が「25」未満のときだけ発生するようにしてもよい。この場合、残りゲーム数が大量に残っている状況ではナビが行われないため、切り替えにより一転して残りゲーム数が少なくなることがあり得るが、このようにすることで、より緊張感のある遊技とすることができる。また、遊技者の要求(特定操作)があったときのみナビを実行するようにしてもよい。これにより、残りのナビ回数を消費して切り替えを発生させるか、あるいは回避するかを、遊技者に選択させることによって遊技者の意思を反映させた遊技とすることができる。
【0118】
また、所定の切り替え条件が充足されることや、所定の反転条件が充足されることは、特定の役入賞時に限定されず、例えば一定ゲーム数消化毎に行われる抽選で決定してもよい。また、特定の役に当選時や入賞時に抽選を行って決定してもよい。
【0119】
さらに、上記実施例1,2の遊技機は、本発明を簡潔に説明するために、通常遊技とAT遊技の二種類の遊技状態しか具備しない構成としているが、本発明の遊技機は、通常遊技とAT遊技の他に、ボーナス遊技などを具備することができる。また、実施例1,2では、所定の遊技状態をAT遊技として説明しているが、本発明に係る所定の遊技状態は、AT遊技に限定されるものではない。例えば、既存のスロットマシンであれば、ボーナス遊技やリプレイタイム遊技(RT遊技)、アシストリプレイタイム遊技(ART遊技)などを所定の遊技状態とすることが可能である。
【0120】
上述の実施例1では、特殊リプレイに入賞することを切り替え処理が発生する所定の切り替え条件として説明したが、これに限らず様々な条件により切り替え処理を行うものであってもよい。例えば、遊技者の選択的な操作によるものではなく、遊技機の内部処理により決定されるものであってもよい。具体的には、切り替えを行うか否かの抽選を行い、当選した場合には、遊技者の操作に関わらず切り替えを発生させるようにすることが挙げられる。なお、この場合における遊技者支援制御手段69の遊技者支援処理としては、遊技者支援処理を実行可能なストック回数が残存している場合は、遊技者にとって不利となる状況では、当該抽選を行わないようにすることや、抽選は行うものの当選した場合の結果を反映しないように規制することが挙げられる。また、遊技者にとって有利となる状況では、必ず切り替えが発生するように制御すること(100%当選を含む)が挙げられる。
【0121】
また上記実施例1では、AT遊技の実行期間を管理するものとして説明したが、通常遊技の実行期間を管理するものとしてもよい。この場合、遊技進行数量が遊技終了数量に達するとAT遊技やボーナス遊技などの通常時よりも有利な遊技を開始することになる。なお、いずれの遊技進行数量を消化したかによって移行する有利な遊技の優劣を異ならせてもよい。
【0122】
また、実施例1において継続区間X,Yの長さの表示態様としては、上記実施例に示したような直線状のものに限らず、円形状のメーター、あるいは円グラフ形状等の表示態様としてもよい。なお、一般的に、液晶表示画面には、残りゲーム数や獲得枚数などの遊技進行に関する情報や、動画等によって展開される演出(機種の世界観を表すようなもの。例えば主人公が敵と戦うようなものなど)が表示される。ここで、継続区間X,Yの表示態様を、円形状のメーターのような表示態様とすることで、縦横においてコンパクトな寸法の表示態様となり、他の表示部分を阻害してしまうことが抑制されるとともに表示画面上における配置位置に関して自由度が増すこととなる。
【0123】
なお、継続区間X,Yにおける視認性や明瞭性を優先する場合は、上記実施例1で説明した表示態様などのように、端部のある長尺状の形状をした表示態様の方が終了地点や進行方向を一見して認識することができるため、より好ましい。さらには、インジケーターバー3などを、進行方向や現在値に応じてシーソーのように傾けて演出表示すると、より一層遊技者にとって認識しやすい表示態様となる。
【0124】
上記実施例1において、表示画面11以外での演出により、継続区間X,Yの進行方向や進行状況を認識可能な演出を行ってもよい。このような演出の例として、リールの回転開始順序や各種ランプの点灯を進行方向に合わせたものとすることが挙げられる。また例えば、インジケーターバー3において進行方向が右方向の場合には、リールを左、中、右の順で順次回転開始させたり、各種ランプを左から右に向かって順次点灯させたりすることができる。かかる構成とすることにより、遊技中に表示される継続区間X,Yのうちいずれが残りゲーム数等に関係するものかが、容易に判断することができるようになる。また、それ以外にも、残りゲーム数が少ない場合は、回転開始や点灯を順次行うときの各間隔を短くすることにより、遊技者に対して切迫感を抱かせる演出態様とすることができる。
【0125】
上記実施例2においても、遊技現在数量と遊技終了数量とが近い場合には、回転開始や点灯を順次行うときの各間隔を短くすることで切迫感を表現する演出を行うことができる。
【0126】
また、上記実施例1において、メーター等によって表示される継続区間X,Yを更新する頻度を、継続区間X,Yに関するカウンターのカウント毎ではなく、複数カウント毎としてもよい。例えば、1ゲーム毎にカウンターを更新する場合は、「5」ゲーム毎に「5」ゲーム分を進行させるようにすることできる。そして、「5」ゲーム分のカウントが行われると、メイン制御基板20からサブ制御基板21にその旨の情報を送信し、サブ制御基板21は、メーター等によって表示される継続区間X,Yを5ゲーム分更新する。このようにすることで、各ゲームで行う処理が少なくなり、メイン制御基板20及びサブ制御基板21の処理の負担を軽減することができる。
【0127】
上記実施例2においても、メーター等で表示される遊技現在数量等の更新頻度を複数カウント毎としてもよい。この場合も上記したような、各ゲームで行う処理が少なくなり、メイン制御基板20及びサブ制御基板21の処理の負担を軽減できる効果が期待できる。
【0128】
上記実施例1において、遊技進行数量が遊技終了数量に達すると、AT遊技が終了して通常遊技に復帰するものとして説明したが、これに限らず、遊技進行数量が遊技終了数量に達した際にAT遊技の継続抽選を行い、継続抽選に当選した場合には、AT遊技を継続させる(すなわち、次セットのAT遊技を開始させる)ようにしてもよい。
【0129】
上記実施例2においても、遊技現在数量が遊技終了数量に達した時にAT遊技の継続抽選を行い、継続抽選に当選した場合には、AT遊技を継続させる(すなわち、次セットのAT遊技を開始させる)ようにしてもよい。
【0130】
また、上記実施例1において、AT遊技が所定ゲーム数継続した場合や特定の役に当選した場合など、特別な条件を満たした場合には、特典として、各遊技進行数量の更新を所定期間に亘ってストップするようにしてもよい。また、残りゲーム数が少ない状況にある場合は、カウンターの値をゼロにリセットし、第1の遊技進行数量と第2の遊技進行数量とを初期値に戻すようにしてもよい。つまり、遊技者にとってAT遊技終了の危機に瀕している場合に、改めてリセットして、いわば仕切り直しすることも特典に含まれる。
【0131】
上記実施例2においても、AT遊技が所定ゲーム数継続した場合や特定の役に当選した場合には、特典として、遊技現在数量の更新を所定期間に亘ってストップするようにしてもよい。また、残りゲーム数が少ない状況にある場合は、カウンターの値をゼロにリセットし、遊技現在数量を遊技開始数量に戻すようにしてもよい。つまり、遊技者にとってAT遊技終了の危機に瀕している場合に、改めてリセットして、いわば仕切り直しすることも特典に含まれる。
【0132】
上記実施例1では、第1の遊技進行数量、第2の遊技進行数量、及び遊技終了数量について、それぞれAT当選時数量設定手段64によって数値を設定し、ゲーム数更新毎に各数値を増加あるいは減少させるものとしたが、一つの数値のみをカウンター値として設定し、演出表示によって遊技者に報知するようにしてもよい。すなわち本発明における第1の遊技進行数量、第2の遊技進行数量、及び遊技終了数量とは、現時点での所定の遊技状態の継続期間を遊技者に示しつつ、ゲームの進行の度に継続期間が変化することを遊技者に示すものである。したがって、本発明における各遊技進行数量とは、継続期間を直接的に制御処理するために採用されるものではない。
【0133】
例えば、
図10等に示す継続区間X,Yの長さに関する演出表示に関して、
図17(a)に示すような、一つの数値のみをカウンター値として制御する場合に、ゼロを基準に2つの正の整数である限界値(図中では「50」)を設定し、ゼロから離れる方向に数値が変化する場合に加算処理を行い、逆にゼロに近づく方向に数値が変化する場合に減算処理を行うようにすることができる。
【0134】
また、
図17(b)に示すように、「−50」(マイナス50)からそれ以上の所定の数値「50」を限界値として設定し、数値「50」に近づく方向に数値が変化する場合に加算処理を行い、「−50」に近づく方向に数値が変化する場合に減算処理を行うようにしてもよい。この場合、カウンターの値が終了値に達したか否かの判定においては、「50」または「−50」のいずれかに到達したか否かという判定を行ってもよいし、「絶対値50」に達したか否かという判定を行ってもよい。さらに例えば、終了値を「0」と「100」とし、開始時の値を「50」としてもよい。すなわち、2つの終了値を定め、その間に開始時の値を設定するものであれば終了値及び開始時の数値は適宜自由に選択可能である。
【0135】
さらには、
図17(c)に示すように、初期値ゼロ、かつ限界値を「50」として加算処理を行い、増減切り替えが発生した際にはその時点でのカウンター値をゼロとして限界値を再設定し直し、再設定した限界値(図中では「80」)に近づく方向に数値が変化する場合にカウンター値を加算処理するようにしてもよい。なおこれらは一例に過ぎず、増減する継続区間X,Yが遊技者に認識できる態様であれば、遊技機内での処理は上記した処理以外が採用されても構わない。また、上記実施例等に記載した構成を適宜組み合わせて用いても構わない。
【0136】
また、
図18に示すような別例も提案される。すなわち、限界値としては必ずしも2つの整数で制御しなくてもよく、1つの整数で制御してもよい。具体的には、
図18(a)に示すように、限界値として1つの正の整数(例えば「50」)を設定し、表示画面11では継続区間X,Yの境界線12を、右方向へ進行させ、
図18(b)に示すように、切り替えが発生したときにはカウンターの値を限界値からゼロに向かって減算処理して継続区間X,Yの境界線12を左方向に進行させるようにすることができる。さらに、
図18(c)に示すように、カウンターの値がゼロに達すると、次にゼロから限界値に向かって加算処理を行う。このとき、表示画面11では中央地点(ゼロ地点)を通り越して前記境界線12が左方向にそのまま進む。そのため、カウンターの値がゼロに達した場合には、メイン制御基板20からサブ制御基板21へゼロに達した旨の情報を送信し、表示画面11において反対側の終了点(左端)に向かって前記境界線12を演出表示させるようにする。そして、
図18(d)に示すように、カウンターの値が「50」の限界値に達すると同時に、表示画面11では前記境界線12が左端の終了点に到達し、当該遊技状態が終了することになる。
【0137】
また、例えば実施例1において、以下のような構成が提案される。すなわち、特殊リプレイが入賞した場合に、特殊リプレイの種別、並びに、第1の遊技進行数量及び第2の遊技進行数量を問わず、遊技進行数量の切り替えを発生することとしたが、特殊リプレイの種別と、第1の遊技進行数量及び第2の遊技進行数量とを互いに関連付けるようにしてもよい。具体的には例えば、現在遊技終了数量に近づいている遊技進行数量に関わらず、特殊リプレイAが入賞した場合には第1の遊技進行数量が遊技終了数量に近づくこととなり、特殊リプレイBが入賞した場合には第2の遊技進行数量が遊技終了数量に近づくことにすることが挙げられる。所定契機を特殊リプレイの入賞以外のものとする場合においても同様に、その種別に応じて遊技進行数量が制御されるようにしてもよい。この場合、切り替えの機会は減少するが、所定の切り替え条件の種別と制御されている遊技進行数量の種別との巡り合せの要素を組み込むことができ、遊技の興趣が高まる。
【0138】
また、同様に、実施例2においては、特殊リプレイAが入賞した場合であって、遊技現在数量と遊技終了数量の差分が遊技開始数量と遊技終了数量の差分より小さい場合は、前記遊技現在数量と前記遊技開始数量の差分だけ、遊技終了数量と遊技開始数量の差分よりも遊技現在数量と遊技終了数量の差分の方が大きくなるように、前記遊技現在数量を変更するようにし、特殊リプレイBが入賞した場合であって、遊技現在数量と遊技終了数量の差分が遊技開始数量と遊技終了数量の差分より大きい場合は、前記遊技現在数量と前記遊技開始数量の差分だけ、遊技終了数量と遊技開始数量の差分よりも遊技現在数量と遊技終了数量の差分の方が小さくなるように、前記遊技現在数量を変更するような構成が提案される。
【0139】
また、実施例1において、AT遊技の終了条件の単位及びカウント更新の単位を遊技進行中に異ならせてもよい。具体的には、インジケーターバー3上の中間地点を境にして、右側はゲーム数を単位として管理を行い、左側は獲得枚数を単位として管理してもよい。この場合、AT遊技の終了条件は例えば右側は100ゲームで、左側は300枚となる。単位としては、差枚数、押し順ナビ回数などを採用してもよい。いずれの単位を採用するかを予め定めていてもよいし、その都度、抽選により決定してもよい。また、単位を変更するタイミングとしては、前記中間地点に限らず、いずれかに偏った地点であってもよい。また、単位を変更するタイミングとしては、1箇所に限らず、複数箇所設定してもよく、その場合、それぞれ異なる単位としてもよいし、一部のみ異なる単位としてもよい。また、単位を異ならせるタイミングとしては、所定地点への到達に限らず、特定役への当選や入賞、ミッションの達成、特定ゲーム数や特定時間などの特定遊技履歴への到達としてもよい。また、異なる単位で管理された各期間は、出玉期待値が同じになるようにしてもよいし、異なるようにしてもよい。これらのように、ある契機でAT遊技の終了条件の単位及びカウント更新の単位が変化することで、AT遊技を行っている途中に、突如遊技の進行速度(インジケーターバー上の進み度合い)に変化が生じるとともに、態様の異なる遊技を体験できるため、単位が変わる毎に斬新さをもって遊技を行え、興趣の高い遊技を提供できる。なお、実施例2においても同様である。
【0140】
また、実施例1における第1の遊技進行数量、第2の遊技進行数量及び遊技終了数量や、実施例2における遊技現在数量、遊技開始数量、及び遊技終了数量は、ゲーム数での管理以外にも、時間で管理するようにしてもよい。具体的には例えば、時間を計測する計時手段を設け、終了条件を10分とし、AT遊技の開始とともに計時を開始する。例えば8分経過時に切り替えが発生すると残り時間が18分となる。そして、計測時間が終了条件に達するとAT遊技が終了する。なおこの場合、上乗せの態様としては、終了時間を延長、時間の計測をストップ、あるいは経過時間を減らす(計時の巻き戻し)などが挙げられる。
【0141】
また、上記の実施例1では、AT遊技の終了条件をインジケーターバー3での両端位置を終了位置として表示するのみとしたが、特定条件を満たした場合に追加的に、終了条件に対応する終了位置をインジケーターバー3の中途位置に新たに設けてもよい。ここで、特定条件としては、特定役への当選や入賞、ミッションの達成、特定ゲーム数や特定時間などの特定遊技履歴への到達、特定遊技状態への遷移などが挙げられる。具体的には、
図19(a)に示すように、継続区間X,Yの境界線12がインジケーターバー3の中央に位置しているときに、前記特定条件が満たされると、
図19(b)に示すように、インジケーターバー3における右側領域の「25」に対応する位置に、NGゾーンとしての第3の終了位置が出現する。そうすると、継続区間X,Yの境界線12は、左端の終了位置と第3の終了位置との間の限定的な領域だけで変動可能となる。かかる構成とすることにより、遊技者の緊張感をより一層高めることができる。あるいは、
図19(c)に示すように、継続区間X,Yの境界線12がインジケーターバー3の右端近くに位置しているときに、前記特定条件が満たされる場合がある。このような場合には、インジケーターバー3における右側領域の「25」に対応する位置に前記第3の終了位置が出現すると、継続区間X,Yの境界線12は、インジケーターバー3の右端における極めて限定的な領域だけで変動可能となる。この場合は、遊技者の緊張感は極めて高いものとなる。このように、第3の終了位置が出現したときの継続区間X,Yの境界線12位置が、遊技者の有利度に重要な影響を与えることになる。
【0142】
さらに、上記の実施例2では、前記特定条件が満たされると、
図20(a)に示すように、ゲーム数目盛りバー6における「20」〜「30」に対応する領域に、NGゾーンとしての第3の終了位置が出現する。そうすると、現在値ポインター7が第3の終了位置以外で限定的に変動可能となる。そして、
図20(b)に示すように、現在値ポインター7が「−25」の時点で切り替えが発生すると、前記第3の終了位置に即達してしまうことになり、その時点でAT遊技が終了する。かかる構成とすることにより、遊技者の緊張感をより一層高めることができる。
【0143】
さらに、AT遊技の継続期間を一次元的な表示方法で管理することに限定されず、
図21に示すように、多次元的な表示方法で管理するようにしてもよい。具体的には、表示画面11に表示されたマトリックス状の現在値表示部可動領域において、当該AT遊技の遊技進行数量を示す現在値表示部13を縦横に移動表示する構成が提案される。かかる構成にあっては、所定の切り替え条件が充足する度に、前記現在値表示部13の移動方向を変更し、前記現在値表示部13が現在値表示部可動領域の外縁に達すると、当該ATを終了する。すなわち、現在値表示部可動領域の外縁は、遊技終了数量に対応している。例えば、AT遊技開始時点では、現在値表示部13がa地点に位置し、ゲームの進行に伴って、現在値表示部13は右縁に近づき始める。このとき、現在値表示部13と右縁との離間距離が第1の遊技進行数量に対応する。また、現在値表示部13と左縁との離間距離が第2の遊技進行数量に対応する。そして、b地点に位置したときに所定の切り替え条件が充足され、現在値表示部13は進行方向を変えて上縁に近づく方向に移動する。このとき、現在値表示部13と上縁との離間距離が第3の遊技進行数量に対応する。また、現在値表示部13と下縁との離間距離が第4の遊技進行数量に対応する。以下同様に、c地点、d地点、及びe地点でそれぞれ所定の切り替え条件が充足し、最終的に下縁のf地点に現在値表示部13が到達したときに当該AT遊技が終了する。かかる構成とすることにより、多次元的な表示方法で遊技者を楽しませることができる。なお、現在値表示部可動領域は、二次元的な表示態様に限定されず、立方体や球体のような三次元的な表示態様としてもよい。
【0144】
また、複数種類の図柄を変動表示させ、該図柄を停止表示させることが可能な複数の図柄表示部と、
所定の遊技状態を所定継続期間維持する遊技状態制御手段と
を備え、
変動開始操作を契機に前記図柄表示部の図柄を変動表示させ、その後、停止操作を契機に前記図柄表示部の図柄を停止表示させて、該図柄の停止表示態様に応じた処理をするゲームを繰り返す遊技機であって、
前記遊技状態制御手段は、
遊技現在数量を遊技者に報知する遊技現在数量報知手段と、
前記遊技現在数量を、遊技進行に伴って、所定の遊技開始数量から所定の遊技終了数量に近づける遊技現在数量制御手段と、
所定の反転条件が充足されると、
遊技現在数量と遊技終了数量の差分が遊技開始数量と遊技終了数量の差分より小さい場合は、前記遊技現在数量と前記遊技開始数量の差分だけ、遊技終了数量と遊技開始数量の差分よりも遊技現在数量と遊技終了数量の差分の方が大きくなるように、前記遊技現在数量を変更し、
遊技現在数量と遊技終了数量の差分が遊技開始数量と遊技終了数量の差分より大きい場合は、前記遊技現在数量と前記遊技開始数量の差分だけ、遊技終了数量と遊技開始数量の差分よりも遊技現在数量と遊技終了数量の差分の方が小さくなるように、前記遊技現在数量を変更する反転制御手段と、
前記遊技現在数量が前記遊技終了数量に達すると当該遊技状態を終了する遊技状態設定制御手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機が提案される。
【0145】
かかる構成にあっては、維持されている遊技状態の期間が遊技進行に伴って変動することになるため、遊技者は当該遊技状態の終了タイミングを予想することができない。さらに詳述すると、遊技者は、当該遊技状態の終了タイミングを、遊技者に報知される、遊技現在数量を参酌しながら判断するところ、例えば、遊技現在数量がまもなく遊技終了数量に達するところでこの遊技現在数量が変動すると、遊技終了数量との差が大きく変動して当該遊技状態の終了タイミングが先延ばしされることとなる。このように、突如遊技現在数量が変動するようにすることにより、遊技者に緊張感を抱かせることが可能となる。したがって本発明は、緊張感のある遊技を持続させて興趣性を向上させる遊技機を提供できる効果がある。なお、前記遊技現在数量が変動することには、例えば遊技者が視認できる表示画面に表示される演出表示(見た目)によって遊技現在数量が変動したことを遊技者に報知することが含まれるものであり、遊技機の内部処理においてどのような処理内容として遊技者に報知するかは、適宜自由に選択可能である。なお、「数量」には、具体的な数値のほか、距離や面積や体積などの遊技者に認識される量がすべて含まれる。また、前記「差分」は、数値差、距離差、面積差、や体積差などが含まれる。
【0146】
また、前記遊技状態制御手段は、遊技終了数量に近づける遊技進行数量を切り替えると、当該遊技進行数量と遊技終了数量との差分が小さくなる場合に、前記切り替え条件を充足させないようにする処理を実行する遊技者支援制御手段を具備している構成が提案される。
【0147】
かかる構成とすることにより、遊技者にとって過度に不利な遊技状態となることを回避できるので、遊技者の達成感や安堵感を失わせることのない遊技内容とすることができる。
【解決手段】AT遊技で、特殊リプレイに入賞すると、ゼロに向かって減少していた第1残りゲーム数5Aが増加対象となり、増加対象であった第2残りゲーム数5Bが減少対象となる。かかる状況にあっては、遊技者は、AT遊技の残りゲーム数5Aに基づいて残りゲーム数を認識していたところ、残りゲーム数5A,5Bの切り替えが行われて残りゲーム数が変動することにより、遊技者は当該遊技状態の終了タイミングが予想することができず、遊技の興趣性が向上する。