特許第6058411号(P6058411)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カルソニックカンセイ株式会社の特許一覧

特許6058411空調ユニットの配風ドア駆動用リンク構造
<>
  • 特許6058411-空調ユニットの配風ドア駆動用リンク構造 図000002
  • 特許6058411-空調ユニットの配風ドア駆動用リンク構造 図000003
  • 特許6058411-空調ユニットの配風ドア駆動用リンク構造 図000004
  • 特許6058411-空調ユニットの配風ドア駆動用リンク構造 図000005
  • 特許6058411-空調ユニットの配風ドア駆動用リンク構造 図000006
  • 特許6058411-空調ユニットの配風ドア駆動用リンク構造 図000007
  • 特許6058411-空調ユニットの配風ドア駆動用リンク構造 図000008
  • 特許6058411-空調ユニットの配風ドア駆動用リンク構造 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6058411
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】空調ユニットの配風ドア駆動用リンク構造
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/34 20060101AFI20161226BHJP
【FI】
   B60H1/34 611B
【請求項の数】7
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-16412(P2013-16412)
(22)【出願日】2013年1月31日
(65)【公開番号】特開2014-148188(P2014-148188A)
(43)【公開日】2014年8月21日
【審査請求日】2015年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004765
【氏名又は名称】カルソニックカンセイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100082670
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
(74)【代理人】
【識別番号】100180068
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 怜史
(72)【発明者】
【氏名】木本 恵介
【審査官】 河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−131656(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02138335(EP,A1)
【文献】 特表2004−515739(JP,A)
【文献】 実開平05−067507(JP,U)
【文献】 独国特許出願公開第10039914(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調ユニットの筐体であるユニットケースの内部に、異なる機能を持つ2種類の配風ドアを連動して回動させるリンク機構を有する空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造において、前記ユニットケースの内部に、
前記2種類の配風ドアをそれぞれ回動させる2本の駆動軸と、
前記2本の駆動軸のうちいずれか1本に、前記駆動軸を回転させる駆動力を与える駆動力発生部と、
一端側が前記2本の駆動軸の各々に固定されて、他端側に嵌合穴を有する2つのレバー片と、
両端側にそれぞれ回転軸を有して、前記回転軸が前記2つのレバー片の各々の嵌合穴にそれぞれ回動自在に嵌合されることによって、前記2つのレバー片を連結するロッドと、を有し、
前記ロッドは、前記ユニットケースの内部に、前記回転軸の前記レバー片からの脱落を妨げる位置に設けられた第1の脱落防止部材と前記レバー片とによって挟まれて設置され
前記ロッドと、前記ロッドに回動自在に嵌合された前記レバー片とは、前記第1の脱落防止部材と、前記第1の脱落防止部材と対向する位置に設けられた第2の脱落防止部材と、によって挟まれて設置される
ことを特徴とする空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造。
【請求項2】
空調ユニットの筐体であるユニットケースの内部に、異なる機能を持つ2種類の配風ドアを連動して回動させるリンク機構を有する空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造において、前記ユニットケースの内部に、
前記2種類の配風ドアをそれぞれ回動させる2本の駆動軸と、
前記2本の駆動軸のうちいずれか1本に、前記駆動軸を回転させる駆動力を与える駆動力発生部と、
一端側が前記2本の駆動軸の各々に固定されて、他端側に嵌合穴を有する2つのレバー片と、
両端側にそれぞれ回転軸を有して、前記回転軸が前記2つのレバー片の各々の嵌合穴にそれぞれ回動自在に嵌合されることによって、前記2つのレバー片を連結するロッドと、を有し、
前記ロッドは、前記ユニットケースの内部に、前記回転軸の前記レバー片からの脱落を妨げる位置に設けられた第1の脱落防止部材と前記レバー片とによって挟まれて設置され、
前記ユニットケースは、左右に分割される分割面を有し、車両の略中央付近に、前記車両の上下方向と前記分割面の分割方向とが一致するように設置されて、前記分割面の近傍に、前記ロッドが配置される
ことを特徴とする空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造。
【請求項3】
前記第1の脱落防止部材、および前記第2の脱落防止部材は、前記ユニットケース内部に備えられた、仕切り壁、配風ドアのシール部材、配風用の整流板、もしくは、前記2種類の配風ドアとは別の2種類の配風ドアを連動して回動させる別のリンク機構を構成するロッド、のうちいずれかである
ことを特徴とする請求項1に記載の空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造。
【請求項4】
前記ロッドと、前記ロッドに回動自在に嵌合された前記レバー片とは、前記第1の脱落防止部材と、前記第1の脱落防止部材と対向する位置に設けられた第2の脱落防止部材と、によって挟まれて設置され、
前記第1の脱落防止部材、および前記第2の脱落防止部材は、前記ユニットケース内部に備えられた、仕切り壁、配風ドアのシール部材、配風用の整流板、もしくは、前記2種類の配風ドアとは別の2種類の配風ドアを連動して回動させる別のリンク機構を構成するロッド、のうちいずれかである
ことを特徴とする請求項2に記載の空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造。
【請求項5】
前記回転軸は、互いに異なる方向を向いている
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか項に記載の空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造。
【請求項6】
前記異なる機能を持つ2種類の配風ドアは、センターベント兼デフロスタドアとサイドベントドアである
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか項に記載の空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造。
【請求項7】
前記異なる機能を持つ2種類の配風ドアは、モードドアとフットドアである
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか項に記載の空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる機能を有する2種類の配風ドアを連動して回動させる、空調ユニットの配風ドア駆動用リンク構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用空調装置にあっては、アクチューエータ等の動力装置で発生した駆動力を配風ドアに伝達して、空調装置の各空調モードに対応するように配風ドアの開閉を行っている。そのため、配風ドアに駆動力を伝達するリンク機構が、空調ユニットの外部に配設されている。
【0003】
そして、近年は、より精細な空調制御を実現させるために、複数の異なる機能を有する配風ドアを連動して回動させるという要請があり、リンク機構も複雑化する傾向にある。
【0004】
このようなリンク機構の一例として、空調ユニットケース内部に、温度調整用のエアミックスドアを開閉させるための、駆動力伝達用のリンク機構を配置する例が開示されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
特許文献1に記載されたリンク機構は、空調ユニットケース内のエアミックスチャンバー部に設置される。
【0006】
このリンク機構は、両端が空調ユニットケースに回転可能に支持された駆動軸と、その一端側が駆動軸に一体成形されて、他端側に係合部が設けられた第2のレバー片と、第2のレバー片の係合部と回動可能に連結される係合溝を備えた第1のレバー片と、第1のレバー片が固定された支持部材とから構成されている。
【0007】
このリンク機構の作用により、駆動軸に加えられた回転力によって、第2のレバー片が、駆動軸と一体成形された一端側を軸として回転する。そして、この第2のレバー片の回転に伴って、第2のレバー片の他端側の係合部の位置が上下方向に移動する。すると、係合部と回動可能に連結された第1のレバー片の位置が上下方向に移動して、第1のレバー片が固定された支持部材の位置が上下方向に移動することによって、エアミックスチャンバー部の空気の流路の面積が変更される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8−282248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載されたリンク構造によると、第2のレバー片の他端側に設けられた係合部は、第1のレバー片の係合溝に、単に挿入される構成になっている。
【0010】
したがって、車両の走行中に、予期せぬ振動や衝撃が発生して、その振動や衝撃によって、第2のレバー片の係合部が第1のレバー片の係合溝から脱落する方向の力を受けたときに、第2のレバー片の係合部は、第1のレバー片の係合溝からの脱落を阻止する構造になっていないため、第2のレバー片の係合部が第1のレバー片の係合溝から脱落してしまう可能性がある。
【0011】
そして、第2のレバー片が第1のレバー片から脱落したときには、駆動軸の回転力が支持部材に伝達されなくなるため、空調装置が正常に動作しなくなってしまう。そして、第2のレバー片が第1のレバー片から脱落してしまった場合、空調ユニットを分解して修理する必要があり、整備性が悪いという問題があった。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、新たな部材を追加することなしに、リンク構造を構成するロッドの脱落を防止することができ、なおかつ、空調ユニット内部へのリンク構造の組み付けが容易な、空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造は、空調ユニットの筐体であるユニットケースの内部に設置された、異なる機能を持つ2種類の配風ドアを連動して回動させるものである。
【0014】
すなわち、本発明の空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造は、空調ユニットの筐体であるユニットケースの内部に、異なる機能を持つ2種類の配風ドアを連動して回動させるリンク機構を有する空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造において、前記ユニットケースの内部に、前記2種類の配風ドアをそれぞれ回動させる2本の駆動軸と、前記2本の駆動軸のうちいずれか1本に、前記駆動軸を回転させる駆動力を与える駆動力発生部と、一端側が前記2本の駆動軸の各々に固定されて、他端側に嵌合穴を有する2つのレバー片と、両端側にそれぞれ回転軸を有して、前記回転軸が前記2つのレバー片の各々の嵌合穴にそれぞれ回動自在に嵌合されることによって、前記2つのレバー片を連結するロッドと、を有し、前記ロッドは、前記ユニットケースの内部に、前記回転軸の前記レバー片からの脱落を妨げる位置に設けられた第1の脱落防止部材と前記レバー片とによって挟まれて設置され、前記ロッドと、前記ロッドに回動自在に嵌合された前記レバー片とが、前記第1の脱落防止部材と、前記第1の脱落防止部材と対向する位置に設けられた第2の脱落防止部材と、によって挟まれて設置されることを特徴とする。
【0015】
このように構成された空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造によれば、ユニットケースの内部において、駆動力発生部で発生した駆動力によって駆動軸を回動させて、この駆動軸に取り付けられた配風ドアを回動させるとともに、駆動軸に固定されたレバー片を介して、レバー片の嵌合穴に回動自在に嵌合されたロッドの回転軸を動かし、このロッドの他端に設けられた回転軸によって、その回転軸が回動自在に嵌合されたレバー片を動かして、このレバー片が固定された駆動軸を回動させて、この駆動軸に取り付けられた別の種類の配風ドアを回動させるとともに、ロッドがレバー片に回動自在に嵌合された状態で、レバー片と第1の脱落防止部材によって挟まれた状態で設置されるため、回転軸が、レバー片から脱落する方向の力を受けた場合であっても、ロッドのレバー片からの脱落を防止することができる。加えて、ロッドがレバー片に回動自在に嵌合された状態で、第1の脱落防止部材と、第1の脱落防止部材に対向する位置に設けられた第2の脱落防止部材と、によって挟まれて設置されるため、回転軸が、レバー片から脱落する方向の力を受けた場合であっても、ロッドのレバー片からの脱落を防止することができる。
【0016】
また、本発明の空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造は、空調ユニットの筐体であるユニットケースの内部に、異なる機能を持つ2種類の配風ドアを連動して回動させるリンク機構を有する空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造において、前記ユニットケースの内部に、前記2種類の配風ドアをそれぞれ回動させる2本の駆動軸と、前記2本の駆動軸のうちいずれか1本に、前記駆動軸を回転させる駆動力を与える駆動力発生部と、一端側が前記2本の駆動軸の各々に固定されて、他端側に嵌合穴を有する2つのレバー片と、両端側にそれぞれ回転軸を有して、前記回転軸が前記2つのレバー片の各々の嵌合穴にそれぞれ回動自在に嵌合されることによって、前記2つのレバー片を連結するロッドと、を有し、前記ロッドは、前記ユニットケースの内部に、前記回転軸の前記レバー片からの脱落を妨げる位置に設けられた第1の脱落防止部材と前記レバー片とによって挟まれて設置され、前記ユニットケースが、左右に分割される分割面を有し、車両の略中央付近に、前記車両の上下方向と前記分割面の分割方向とが一致するように設置されて、前記分割面の近傍に、前記ロッドが配置されることを特徴とする。
【0017】
このように構成された空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造によれば、ユニットケースの内部において、駆動力発生部で発生した駆動力によって駆動軸を回動させて、この駆動軸に取り付けられた配風ドアを回動させるとともに、駆動軸に固定されたレバー片を介して、レバー片の嵌合穴に回動自在に嵌合されたロッドの回転軸を動かし、このロッドの他端に設けられた回転軸によって、その回転軸が回動自在に嵌合されたレバー片を動かして、このレバー片が固定された駆動軸を回動させて、この駆動軸に取り付けられた別の種類の配風ドアを回動させるとともに、ロッドがレバー片に回動自在に嵌合された状態で、レバー片と第1の脱落防止部材によって挟まれた状態で設置されるため、回転軸が、レバー片から脱落する方向の力を受けた場合であっても、ロッドのレバー片からの脱落を防止することができる。加えて、ロッドの両端の回転軸をそれぞれレバー片の嵌合穴に嵌合した状態で、左右に分割されたユニットケースのうち一方側の、分割面に近接した所定の取り付け位置に取り付けて、その後、他方側のユニットケースを合わせて、双方を締結することによってユニットケースを組み立てることができるため、ユニットケースの組み付け容易性を向上させることができる。
【0018】
また、ユニットケースの分割面を車両の略中央付近に、車両の上下方向とユニットケースの分割方向とが一致するように設置して、さらに、この分割面の近傍にロッドを配置したため、ロッドに接続されて、配風ドアを回動させる駆動軸に、分割面に対して左右対称、すなわち、車両の中心線に対して左右対称に配風ドアを設置することができ、これによって、車両の左右に均等に配風することが可能な空調ユニットを容易に構成することができる。
【0019】
そして、本発明の空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造は、前記第1の脱落防止部材、および前記第2の脱落防止部材が、前記ユニットケース内部に備えられた、仕切り壁、配風ドアのシール部材、配風用の整流板、もしくは、前記2種類の配風ドアとは別の2種類の配風ドアを連動して回動させる別のリンク機構を構成するロッド、のうちいずれかであることを特徴とする。
【0020】
このように構成された空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造によれば、空調ユニットの筐体であるユニットケースの内部に、既に設置された構造部材である仕切り壁や配風ドアのシール部材、配風用の整流板、または、前記2種類の配風ドアとは別の2種類の配風ドアを連動して回動させる別のリンク機構を構成するロッドを、第1の脱落防止部材、または前記第2の脱落防止部材として利用することによって、新たな部材を設置することなく、既設の部材を利用して、リンク構造を構成するロッドの脱落を防止することができる。
【0021】
さらに、本発明の空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造は、前記ロッドと、前記ロッドに回動自在に嵌合された前記レバー片とが、前記第1の脱落防止部材と、前記第1の脱落防止部材と対向する位置に設けられた第2の脱落防止部材と、によって挟まれて設置され、前記第1の脱落防止部材、および前記第2の脱落防止部材が、前記ユニットケース内部に備えられた、仕切り壁、配風ドアのシール部材、配風用の整流板、もしくは、前記2種類の配風ドアとは別の2種類の配風ドアを連動して回動させる別のリンク機構を構成するロッド、のうちいずれかであることを特徴とする。
【0022】
このように構成された空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造によれば、ロッドがレバー片に回動自在に嵌合された状態で、第1の脱落防止部材と、第1の脱落防止部材に対向する位置に設けられた第2の脱落防止部材と、によって挟まれて設置されるため、回転軸が、レバー片から脱落する方向の力を受けた場合であっても、ロッドのレバー片からの脱落を防止することができる。加えて、空調ユニットの筐体であるユニットケースの内部に、既に設置された構造部材である仕切り壁や配風ドアのシール部材、配風用の整流板、または、前記2種類の配風ドアとは別の2種類の配風ドアを連動して回動させる別のリンク機構を構成するロッドを、第1の脱落防止部材、または前記第2の脱落防止部材として利用することによって、新たな部材を設置することなく、既設の部材を利用して、リンク構造を構成するロッドの脱落を防止することができる。
【0023】
また、本発明の空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造は、前記回転軸が、互いに異なる方向を向いていることを特徴とする。
【0024】
このように構成された空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造によれば、ロッドの両端部に、回転軸がそれぞれ異なる方向を向いて設置されるため、一方の回転軸が、その回転軸が嵌合されたレバー片に設けられた嵌合穴から脱落する方向の力を受けた場合であっても、他方の回転軸は、異なる方向を向いて、他方のレバー片に設けられた嵌合穴に嵌合しているため、ロッドがレバー片から脱落するのを防止することができる。
【0025】
そして、本発明の空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造は、前記異なる機能を持つ2種類の配風ドアが、センターベント兼デフロスタドアとサイドベントドアであることを特徴とする。
【0026】
このように構成された空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造によれば、センターベント兼デフロスタドアとサイドベントドアを連動して回動させることによって、配風比率や配風方向、配風量をより緻密に制御することができる。
【0027】
さらに、本発明の空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造は、前記異なる機能を持つ2種類の配風ドアが、モードドアとフットドアであることを特徴とする。
【0028】
このように構成された空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造によれば、モードドアとフットドアを連動して回動させることによって、配風比率や配風方向、配風量をより緻密に制御することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造によれば、新たな部材を追加することなく、ユニットケースの内部に配設したリンク構造を構成するロッドの脱落を防止することができ、なおかつ、空調ユニット内部へのリンク構造の組み付けを容易に行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本願発明の空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造を適用した空調ユニットの概略構成について説明する図である。
図2】空調ユニットの概略構成を説明する図であり、図1を切断面A−Aで切断した断面図の一部である。
図3】本願発明の空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造の第1実施例におけるリンク構造の構成要素について説明する図である。
図4】本願発明の空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造の第1実施例におけるリンク構造の構成要素の繋がりについて説明する図である。
図5】(a)は本願発明の空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造の第1実施例におけるセンターベント兼デフロスタドア側の第1嵌合部の構造について説明する図である。(b)は本願発明の空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造の第1実施例におけるサイドベントドア側の第2嵌合部の構造について説明する図である。
図6】本願発明の空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造の第2実施例の構造について説明する図である。
図7】本願発明の空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造の第2実施例の詳細構造について説明する図である。
図8】本願発明の空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造の第2実施例におけるリンク構造の構成要素の繋がりについて説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造について、図1から図5を用いて説明する。
【実施例1】
【0032】
[空調ユニットの構成説明]
まず、本発明に空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造が実装された空調ユニットの概略構成について、図1を用いて説明する。図1は、空調ユニット5の概略構成を示す構成図である。
【0033】
実施例1における空調ユニット5は、車両(図示省略)に設置されて、筐体であるユニットケース10の内部に、上流のブロアファン20から、下流の図示しない吹出口に向かって、空気の流れに沿って、クリーンフィルタ22と、エバポレータ24(冷房用熱交換器)と、エアミックスドア28と、ヒーターコア26(暖房用熱交換器)とが配置されている。
【0034】
前記ブロアファン20は、その回転速度であるファン速に応じて、図示しないインテークドアから導入された車室外の外気、及び車室内の内気のうち、空調ユニット5の下流側へ導入する空気の量を制御する。
【0035】
前記クリーンフィルタ22は、ブロアファン20の回転に応じて導入された空気が通過する際に、内部の集塵フィルタによって埃や花粉等を集塵して、空気を清浄化する。
【0036】
前記エバポレータ24は、ブロアファン20及びクリーンフィルタ22を通過した内気または外気を冷却する熱交換器である。このエバポレータ24は、冷媒が循環する冷凍サイクルの構成要素の一つであり、図示しない冷媒入口と冷媒出口を有する。
【0037】
前記ヒーターコア26は、前記エバポレータ24の下流側に配置され、通過する空気を暖める熱交換器である。このヒーターコア26には、エンジン冷却水が流入され、図示しないエンジン冷却水入口とエンジン冷却水出口を有する。
【0038】
前記エアミックスドア28は、前記ヒーターコア26の下流側に配置され、その開度に応じて、エバポレータ24を通過した冷風とヒーターコア26を通過した温風の混合割合を制御する。
【0039】
エアミックスドア28の開度に応じて混合された、エバポレータ24を通過した冷風とヒーターコア26を通過した温風は、空調風として、その後、ユニットケース10の内部に設置されたセンターベント兼デフロスタドア30,サイドベントドア32,モードドア40,フットドア42のうち、いずれかのドアを通過した後、所定の通路を進行して、図示しない吹出口から車室内に放出される。
【0040】
前記フットドア42を通過した空調風は、フットドア42の開度に応じて、フロントフット通路54とリアフット通路56とに分配されて、フロントフット通路54を通って、図示しないフロントフット吹出口から車室内に放出されるとともに、リアフット通路56を通って、図示しないリアフット吹出口から車室内に放出される。
【0041】
前記サイドベントドア32を通過した空調風は、サイドベントドア32の開度に応じて、図示しないサイドベント通路とモードドア40に至る通路とに分配されて、図示しないサイドベント通路を通って、図示しないサイドベント吹出口から車室内に放出されるとともに、モードドア40に向かって送風される。
【0042】
前記モードドア40を通過した空調風のうち、モードドア40の開度に応じた風量が、センターベント兼デフロスタドア30に至る通路に向かって送風される。
【0043】
前記センターベント兼デフロスタドア30は、モードドア40を通過した空調風を、センターベント兼デフロスタドア30の開度に応じて、デフロスタ開口部50に向かう空調風とセンターベント開口部52に向かう空調風に分配する。
【0044】
センターベント兼デフロスタドア30を通過して、デフロスタ開口部50側に分配された空調風は、デフロスタ開口部50を通過した後、図示しないデフロスタ吹出口から車室内に放出される。
【0045】
センターベント兼デフロスタドア30を通過して、センターベント開口部52側に分配された空調風は、センターベント開口部52を通過した後、図示しないセンターベント吹出口から車室内に放出される。
【0046】
第1実施例は、前記センターベント兼デフロスタドア30と前記サイドベントドア32を連結するリンク構造に関するものである。
【0047】
[配風ドア回動用リンクの構成説明]
空調ユニット5に実装された、空調ユニットの配風ドア回動用リンクの概略構造について、図2を用いて説明する。図2は、図1の空調ユニット5を、切断面A−Aで切断した断面図の一部であって、配風ドア回動用リンクの概略構造を示すものである。
【0048】
空調ユニット5の筐体であるユニットケース10は、図2に示すように、第1ユニットケース10aと第2ユニットケース10bとからなり、第1ユニットケース10aと第2ユニットケース10bとは分割面10cにおいて嵌合されている。
【0049】
センターベント兼デフロスタドア30は、第1ユニットケース10aと第2ユニットケース10bに亘って架け渡された駆動軸30aに対して、ユニットケース10の分割面10cに関して左右対称に2枚取り付けられている。
【0050】
前記駆動軸30aの両端部は、それぞれユニットケース10に設けられた軸受部30e、および軸受部30fによって軸支されている。そして、駆動軸30aがスムーズに回動するように、軸受部30e、および軸受部30fに対して、図2において左右方向に僅かに移動できるよう、左右方向の微少な隙間を有して軸支されている。
【0051】
また、前記駆動軸30aの中央部は、第1ユニットケース10aおよび第2ユニットケース10bの分割面10cの近傍に設けた軸受(図示省略)によって軸支されるが、この軸支は、駆動軸30aの撓みを抑えるための補助的な弱い軸支である。
【0052】
サイドベントドア32は、第1ユニットケース10aと第2ユニットケース10bに亘って架け渡された駆動軸32aに対して、ユニットケース10の分割面10cに関して左右対称に3枚取り付けられている。
【0053】
前記駆動軸32aの両端部は、それぞれ、ユニットケース10に設けられた軸受部32e、および軸受部32fによって軸支されている。そして、駆動軸32aがスムーズに回動するように、軸受部32e、および軸受部32fに対して、図2において左右方向に僅かに移動できるよう、左右方向の微少な隙間を有して軸支されている。
【0054】
また、前記駆動軸32aの中央部は、第1ユニットケース10aおよび第2ユニットケース10bの分割面10cの近傍に設けた軸受(図示省略)によって軸支されるが、この軸支は、駆動軸32aの撓みを抑えるための補助的な弱い軸支である。
【0055】
センターベント兼デフロスタドア30とサイドベントドア32は、第1ロッド34によって連結されており、連動して回動する構成になっている。なお、センターベント兼デフロスタドア30と第1ロッド34の連結部である第1嵌合部30c、およびサイドベントドア32と第1ロッド34の連結部である第2嵌合部32cの構成については後述する。
【0056】
第1実施例における空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造は、このセンターベント兼デフロスタドア30、駆動軸30a、第1嵌合部30c、第1ロッド34、第2嵌合部32c、駆動軸32a、およびサイドベントドア32によって構成されている。
【0057】
駆動軸32aの第2ユニットケース10b側の軸端部には、ステッピングモータから構成された駆動力発生部32mが接続されており、この駆動力発生部32mによって発生した駆動力によって、駆動軸32aが軸心の回りに回転して、駆動軸32aの回転に応じて、駆動軸32aに配設されたサイドベントドア32が回動するとともに、駆動軸32aの回転が第2嵌合部32cにおいて第1ロッド34に伝達されて、さらに、第1嵌合部30cにおいて、第1ロッド34に連結された駆動軸30aに伝達されて、駆動軸30aが軸心の回りに回転して、駆動軸30aに取り付けられたセンターベント兼デフロスタドア30が回動する。
【0058】
駆動力発生部32mは、図示しないセンサ類によって計測された車室内温度,外気温,空調の吹出し温度,日射量,エンジンの冷却水温度等に基づいて、図示しない空調制御部が、センターベント兼デフロスタドア30とサイドベントドア32の開度を算出し、算出された開度を実現するために必要な駆動軸32aの回転角度が決定される。こうして決定された回転角度が、駆動力発生部32mによって駆動軸32aに与えられる。
【0059】
ここで、図2において、第1ロッド34の左側面部は、第1ユニットケース10aの内部に設置された、車両の運転席側と助手席側とで配風路を区分する仕切り壁36(第2の脱落防止部材)に近接した位置にある。そして、図2に示すように、仕切り壁36は、第1ロッド34が左側へ移動するのを阻止している。
【0060】
さらに、第1ロッド34の右側面部は、センターベント兼デフロスタドア30を通過する空調風のユニットケース10内部への漏れを防止するセンターベント兼デフロスタドア用シール部材38(第1の脱落防止部材)に近接した位置にある。そして、センターベント兼デフロスタドア用シール部材38は、図2に示すように、第1ロッド34が右側へ移動するのを阻止している。
【0061】
また、第1ロッド34とサイドベントドア32との連結部である第2嵌合部32cの近傍において、第1ロッド34の左側面部は、前記した仕切り壁36に近接した位置にある。そして、図2に示すように、仕切り壁36は、第1ロッド34が左側へ移動するのを阻止している。
【0062】
[配風ドア回動用リンクの詳細構成説明]
次に、センターベント兼デフロスタドア30とサイドベントドア32とを繋ぐ、空調ユニットの配風ドア回動用リンクの詳細構造について、図3を用いて説明する。図3は、第1実施例におけるリンク構造の構成要素について説明する図である。
【0063】
センターベント兼デフロスタドア30と第1ロッド34は、図3に示す第1嵌合部30cにおいて連結されている。以下、この第1嵌合部30cの詳細な構成について説明する。
【0064】
図3に示すように、センターベント兼デフロスタドア30,30は、駆動軸30aに配設されており、駆動軸30aの略中央部には、第1レバー片30bの一端側が固定されている。そして、第1レバー片30bの他端側には嵌合穴30dが設けられている。
【0065】
この嵌合穴30dには、第1ロッド34の一端に設けられた回転軸34aが、駆動軸30aと平行な方向に、矢印D1の側から、回動自在に嵌合することによって、センターベント兼デフロスタドア30と第1ロッド34が連結されている。
【0066】
また、サイドベントドア32と第1ロッド34は、図3に示す第2嵌合部32cにおいて連結されている。以下、この第2嵌合部32cの詳細な構成について説明する。
【0067】
図3に示すように、サイドベントドア32,32,32は、駆動軸32aに配設されており、駆動軸32aの略中央部には、第2レバー片32bの一端側が固定されている。そして、第2レバー片32bの他端側には嵌合穴32dが設けられている。
【0068】
この嵌合穴32dには、第1ロッド34の他端に設けられた回転軸34bが、前記した回転軸34aとは反対向きに、回動自在に嵌合することによって、サイドベントドア32と第1ロッド34が連結されている。
【0069】
[配風ドア回動用リンクの作用説明]
次に、センターベント兼デフロスタドア30とサイドベントドア32とを繋ぐ、空調ユニットの配風ドア回動用リンクの作用について、図4を用いて説明する。図4は、第1実施例におけるリンク構造の構成要素間の繋がりを説明する図であり、これは、図3を矢印D1の方向から見た図である。
【0070】
図4において、駆動軸32aは、前記した駆動力発生部32m(図示省略)に接続されている。
【0071】
駆動力発生部32mによって発生した駆動力によって、駆動軸32aが矢印D2の方向に回転すると、サイドベントドア32が矢印D3の方向に回動するとともに、駆動軸32aに固定された第2レバー片32bが、駆動軸32aを支点にして矢印D4の方向に回転する。
【0072】
この第2レバー片32bの回転によって、第2レバー片32bに回動自在に嵌合された第1ロッド34は、矢印D5の方向に動く。
【0073】
そして、この第1ロッド34の動きに応じて、第1ロッド34に回動自在に嵌合された第1レバー片30bが、駆動軸30aを支点にして矢印D6の方向に回転する。
【0074】
さらに、この第1レバー片30bの回転に連動して、第1レバー片30bに固定された駆動軸30aが矢印D7の方向に回転して、駆動軸30aに取り付けられたセンターベント兼デフロスタドア30が矢印D8の方向に回動する。
【0075】
これによって、サイドベントドア32の開度と、センターベント兼デフロスタドア30の開度が、それぞれ所定の量に制御されて、必要な配風が実現される。
【0076】
なお、駆動力発生部32mは、駆動軸32aを矢印D2の逆方向に回転する駆動力を発生することもできるため、センターベント兼デフロスタドア30とサイドベントドア32の回動方向は、前記した方向に制限されるものではない。
【0077】
[配風ドア回動用リンクの脱落防止構造の説明]
次に、センターベント兼デフロスタドア30とサイドベントドア32とを繋ぐ、空調ユニットの配風ドア回動用リンクの脱落防止構造について、図5(a),(b)を用いて説明する。図5(a)は、第1嵌合部30cの詳細構成を示す図であり、図5(b)は、第2嵌合部32cの詳細構成を示す図である。
【0078】
まず、第1嵌合部30cの詳細構成について説明する。図5(a)において、第1ロッド34の左側面部に近接した位置には、前記した仕切り壁36(第2の脱落防止部材)が設置されている。また、第1ロッド34の右側面部に近接した位置には、前記したセンターベント兼デフロスタドア用シール部材38(第1の脱落防止部材)が設置されている。なお、第1ロッド34の右側面部とセンターベント兼デフロスタドア用シール部材38の間の隙間は、図5(a)において、駆動軸30aが最も左側に移動した状態において、回転軸34aの長さよりも狭くなっている。
【0079】
第1ロッド34は、その一端に形成された回転軸34aによって、第1レバー片30bに形成された嵌合穴30dと回動自在に嵌合している。そして、第1ロッド34が、車両の振動等によって、回転軸34aが嵌合穴30dから脱落する方向の力、すなわち、矢印Da方向の力を受けたときには、第1ロッド34は、矢印Daの方向に移動する。
【0080】
このとき、第1ロッド34の右側面部がセンターベント兼デフロスタドア用シール部材38に当接すると、第1ロッド34は、それ以上、矢印Daの方向には移動しない。そして、第1ロッド34の右側面部とセンターベント兼デフロスタドア用シール部材38(第1の脱落防止部材)の間の隙間は、回転軸34aの長さよりも狭くなっているため、回転軸34aと嵌合穴30dの嵌合が外れて第1ロッド34が第1レバー片30bから脱落するのを防止することができる。
【0081】
一方、第1ロッド34が、車両の振動等によって矢印Daとは逆方向の力を受けたときには、第1ロッド34は、矢印Daとは逆方向(左方向)に移動する。
【0082】
このとき、第1ロッド34の左側面部に近接した位置には、前記した仕切り壁36が設置されているため、第1ロッド34の左側面部が仕切り壁36に当接するか、もしくは、駆動軸30aが、軸受部30eとの間に有する、前記した左右方向の微少な隙間の縁に当接することによって、第1ロッド34の矢印Daとは逆方向への移動が制限される。
【0083】
そして、その状態、すなわち、第1ロッド34の右側面部とセンターベント兼デフロスタドア用シール部材38の間の隙間が広がっている状態にあるときに、第1ロッド34が、矢印Da方向の力を受けたときには、前述したように、第1ロッド34の右側面部とセンターベント兼デフロスタドア用シール部材38の間の隙間の大きさは、駆動軸30aが最も左側に移動した状態において、回転軸34aの長さよりも狭くなっているため、回転軸34aと嵌合穴30dの嵌合が外れて第1ロッド34が第1レバー片30bから脱落するのを防止することができる。
【0084】
次に、第2嵌合部32cの詳細構成について説明する。図5(b)において、第1ロッド34の左側面部に近接した位置には、仕切り壁36(第1の脱落防止部材)が設置されている。なお、第1ロッド34の左側面部と仕切り壁36の間の隙間は、回転軸34bの長さよりも狭くなっている。
【0085】
第1ロッド34は、その一端に形成された回転軸34bによって、第2レバー片32bに形成された嵌合穴32dと回動自在に嵌合している。そして、第1ロッド34が、車両の振動等によって、回転軸34bが嵌合穴32dから脱落する方向の力、すなわち、矢印Db方向の力を受けたときには、第1ロッド34は、矢印Dbの方向に移動する。
【0086】
このとき、第1ロッド34の左側面部と仕切り壁36の間の隙間は、回転軸34bの長さよりも狭くなっているため、第1ロッド34の左側面部が仕切り壁36に当接しても、それ以上、矢印Dbの方向には移動しない。そして、仕切り壁36は、前記したセンターベント兼デフロスタドア用シール部材38と同様に、第1の脱落防止部材として機能して、回転軸34bと嵌合穴32dの嵌合が外れて第1ロッド34が第2レバー片32bから脱落するのを防止することができる。
【0087】
なお、前記したように、回転軸34aと回転軸34bとは、その方向が逆向きになっている。したがって、第1ロッド34を第1レバー片30bから脱落させる力の向き(矢印Da)と、第1ロッド34を第2レバー片32bから脱落させる力の向き(矢印Db)が逆向きになるため、第1ロッド34は、第1レバー片30bと第2レバー片32bから、より一層脱落しにくくなっている。
【0088】
そして、回転軸34aの方向と回転軸34bの方向が逆向きになっているため、前記した仕切り壁36は、第1嵌合部30cにおいては第2の脱落防止部材として機能し、第2嵌合部32cにおいては第1の脱落防止部材として機能する。
【0089】
なお、実施例1において、第2嵌合部32cの近傍には、第1嵌合部30cに近接して配置されたセンターベント兼デフロスタドア用シール部材38に相当する部材が存在しないが、駆動軸32aの右方向への移動は、駆動軸32aが、軸受部32fとの間に有する、前記した左右方向の微少な隙間によって制限されるため、第2嵌合部32cが、矢印Dbと逆方向の力を受けた場合であっても、第1ロッド34の左側面部と仕切り壁36の間の隙間は、前記した軸受部32fが有する左右方向の微少な隙間によって制限されて、回転軸34bの長さよりも狭くなっている。したがって、センターベント兼デフロスタドア用シール部材38に相当する壁部がなくても、第1ロッド34が第2レバー片32bから脱落するのを防止することができる。
【0090】
以上、説明したように、実施例1に係る空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造によれば、ユニットケース10の内部において、駆動力発生部32mで発生した駆動力によって駆動軸32aを回動させて、この駆動軸32aに取り付けられたサイドベントドア32(配風ドア)を回動させるとともに、駆動軸32aに固定された第2レバー片32b(レバー片)を介して、第2レバー片32bの嵌合穴32dに回動自在に嵌合された第1ロッド34(ロッド)の回転軸34bを動かし、この第1ロッド34の他端に設けられた回転軸34aによって、その回転軸34aが回動自在に嵌合された第1レバー片30bを動かして、この第1レバー片30bが固定された駆動軸30aを回動させて、この駆動軸30aに取り付けられたセンターベント兼デフロスタドア30(別の種類の配風ドア)を回動させるとともに、第1ロッド34の一端の回転軸34aが、第1レバー片30b(レバー片)の嵌合穴30dに嵌合された状態で、第1レバー片30bとセンターベント兼デフロスタドア用シール部材38(第1の脱落防止部材)によって挟まれた状態で設置され、さらに、第1ロッド34の他端の回転軸34bが、第2レバー片32bの嵌合穴32dに嵌合された状態で、第2レバー片32bと仕切り壁36(第1の脱落防止部材)によって挟まれた状態で設置されるため、回転軸34aが、第1レバー片30bから脱落する方向の力を受けた場合であっても、また、回転軸34bが、第2レバー片32bから脱落する方向の力を受けた場合であっても回転軸34a,34bの脱落を防止することができる。
【0091】
また、実施例1に係る空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造によれば、第1ロッド34(ロッド)に回動自在に嵌合された第1レバー片30bが、センターベント兼デフロスタドア用シール部材38(第1の脱落防止部材)と、その対向する位置に設けられた仕切り壁36(第2の脱落防止部材)と、によって挟まれるため、回転軸34aが、第1レバー片30b(レバー片)から脱落する方向の力を受けた場合であっても、回転軸34aの脱落を防止することができる。
【0092】
そして、実施例1に係る空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造によれば、第1ロッド34(ロッド)の両端の回転軸34a,34bをそれぞれ、第1レバー片30bの嵌合穴30d、および第2レバー片32bの嵌合穴32dに嵌合された状態で、左右に分割されたユニットケース10のうち一方側の第1ユニットケース10a(一方側のユニットケース)の分割面10cに近接した所定の取り付け位置に取り付けて、その後、他方側の第2ユニットケース10b(他方側のユニットケース)を合わせて、双方を締結することによってユニットケース10を組み立てることができるため、ユニットケース10の組み付け容易性を向上させることができる。
【0093】
さらに、ユニットケース10の分割面10cを車両の略中央付近に、車両の上下方向と分割面の分割方向とが一致するように設置して、さらに、この分割面10cの近傍に第1ロッド34(ロッド)を配置したため、第1ロッド34に接続されて、センターベント兼デフロスタドア30(配風ドア)を回動させる駆動軸30a、およびサイドベントドア32(配風ドア)を回動させる駆動軸32aに、分割面10cに対して左右対称、すなわち、車両の中心線に対して左右対称に配風ドアを設置することができ、これによって、車両の左右に均等に配風することが可能な空調ユニット5を容易に構成することができる。
【0094】
そして、実施例1に係る空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造によれば、空調ユニット5の筐体であるユニットケース10の内部に、既に設置された構造物である仕切り壁36やセンターベント兼デフロスタドア用シール部材38(配風ドアのシール部材)を、第1の脱落防止部材、または前記第2の脱落防止部材として利用することによって、新たな部材を設置することなく、既設の部材を利用して、リンク構造を構成する第1ロッド34(ロッド)の脱落を防止することができる。
【0095】
また、実施例1に係る空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造によれば、第1ロッド34(ロッド)の両端側に、回転軸34a,34bがそれぞれ異なる方向を向いて設置されているため、回転軸34aが、第1レバー片30b(レバー片)に設けられた嵌合穴30dから脱落する方向の力を受けた場合であっても、他方の回転軸34bは異なる方向を向いて、第2レバー片32b(他方のレバー片)に設けられた嵌合穴32dに嵌合しているため、第1ロッド34が第1レバー片30(レバー片)、および第2レバー片32b(レバー片)から脱落するのを防止することができる。
【0096】
さらに、実施例1に係る空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造によれば、センターベント兼デフロスタドア30とサイドベントドア32を連動して回動させることによって、配風比率や配風方向、配風量をより緻密に制御することができる。
【実施例2】
【0097】
次に、本発明に係る空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造の第2実施例について、図1、および図6から図8を用いて説明する。
【0098】
第2実施例は、図1に示した空調ユニット5における、モードドア40とフットドア42を連結するリンク構造に関する。
【0099】
[配風ドア回動用リンクの構成説明]
図6は、図1の空調ユニット5の内部構成を示す斜視図であり、第2実施例の説明に必要なモードドア40とフットドア42に関連する構成部位を示している。
【0100】
図6において、モードドア40は、第1ユニットケース10aと第2ユニットケース10bに亘って架け渡された駆動軸40aに対して、ユニットケース10の分割面10cに関して左右対称に2枚取り付けられている。
【0101】
前記駆動軸40aの両端部は、それぞれユニットケース10に設けられた軸受部40e、および軸受部40fによって軸支されている。そして、駆動軸40aがスムーズに回動するように、軸受部40e、および軸受部40fに対して、図6において左右方向に僅かに移動できるよう、左右方向の微少な隙間を有して軸支されている。
【0102】
また、前記駆動軸40aの中央部は、第1ユニットケース10aおよび第2ユニットケース10bの分割面10cの近傍に設けた軸受(図示省略)によって軸支されるが、この軸支は、駆動軸40aの撓みを抑えるための補助的な弱い軸支である。
【0103】
フットドア42は、第1ユニットケース10aと第2ユニットケース10bに亘って架け渡された駆動軸42aに対して、ユニットケース10の分割面10cに関して左右対称に2枚取り付けられている。
【0104】
前記駆動軸42aの両端部は、それぞれ、ユニットケース10に設けられた軸受部42e、および軸受部42fによって軸支されている。そして、駆動軸42aは、スムーズに回動するように、軸受部42e、および軸受部42fに対して、駆動軸42aが図6において左右方向に僅かに移動できるよう、左右方向の微少な隙間を有して軸支されている。
【0105】
また、前記駆動軸42aの中央部は、第1ユニットケース10aおよび第2ユニットケース10bの分割面10cの近傍に設けた軸受(図示省略)によって軸支されるが、この軸支は、駆動軸42aの撓みを抑えるための補助的な弱い軸支である。
【0106】
モードドア40とフットドア42は、第2ロッド44によって連結されており、連動して回動する構成になっている。なお、モードドア40と第2ロッド44の連結部である第3嵌合部40c、およびフットドア42と第2ロッド44の連結部である第4嵌合部42cの構成については後述する。
【0107】
第2実施例における空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造は、このモードドア40、駆動軸40a、第3嵌合部40c、第2ロッド44、第4嵌合部42c、駆動軸42a、およびフットドア42によって構成されている。
【0108】
駆動軸42aの第2ユニットケース10b側の軸端部には、ステッピングモータから構成された駆動力発生部42mが接続されており、この駆動力発生部42mによって生じた駆動力によって、駆動軸42aが軸心の回りに回転して、この回転に応じて、駆動軸42aに配設されたフットドア42が回動するとともに、駆動軸42aの回転が第2ロッド44に伝達されて、第2ロッド44に連結された駆動軸40aが回転し、駆動軸40aに配設されたモードドア40が回動する。
【0109】
ここで、駆動力発生部42mは、前述した駆動力発生部32mと同様の構成を有しており、図示しないセンサ類によって計測された車室内温度,外気温,空調の吹出し温度,日射量,エンジンの冷却水温度等に基づいて、図示しない空調制御部が、モードドア40とフットドア42の開度を算出し、算出された開度を実現するために必要な駆動軸42aの回転角度が決定されて、駆動力発生部42mによって駆動軸42aに与えられる。
【0110】
[配風ドア回動用リンクの詳細構成説明]
次に、モードドア40とフットドア42とを繋ぐ、空調ユニットの配風ドア回動用リンクの詳細構造について、図7を用いて説明する。図7は、図6を正面から見た図であり、第2実施例におけるリンク構造の構成要素を説明する図である。
【0111】
図7に示すように、モードドア40,40は、駆動軸40aの両端側に配設されており、駆動軸40aの略中央部には、第3レバー片40bの一端側が固定されている。そして、第3レバー片40bの他端側には、図6に図示しない嵌合穴40dが設けられている。
【0112】
この嵌合穴40dには、第2ロッド44の一端に設けられた回転軸44aが回動自在に嵌合することによって、モードドア40,40と第2ロッド44が連結されている。
【0113】
さらに、図7に示すように、フットドア42,42は、駆動軸42aに配設されており、駆動軸42aの略中央部には、第4レバー片42bの一端側が固定されている。そして、第4レバー片42bの他端側には嵌合穴42dが設けられている。
【0114】
この嵌合穴42dには、第2ロッド44の他端に設けられた回転軸44bが回動自在に嵌合することによって、フットドア42,42と第2ロッド44が連結されている。
【0115】
なお、図7に示すように、回転軸44a,44bは、それぞれ同じ方向(図7の右方向)に向けて設けられており、第3レバー片40bと第4レバー片42bに対して、それぞれ同じ方向から(図7の右方向から)回動自在に嵌合されている。
【0116】
また、図7において、第2ロッド44とモードドア40との連結部である第3嵌合部40cの近傍において、第2ロッド44の左側面部は、第1実施例で説明した第1ロッド34に近接した位置にある。そして、図7において、第1ロッド34(第1の脱落防止部材)は、第2ロッド44が矢印E2方向(図7の左方向)へ移動するのを阻止している。
【0117】
また、第2ロッド44とフットドア42との連結部である第4嵌合部42cの近傍において、第1ロッド34の左側面部は、エアミックスドア28の下流側に設けられて、ヒーターコア26を通過した温風をセンターベント兼デフロスタドア30に流し、エバポレータ24を通過した冷風をサイドベントドア32側に流すために、両者が混合しないように設けられた配風用の整流板60(第1の脱落防止部材)に近接した位置にある。そして、整流板60は、図7において、第2ロッド44が矢印E3方向(図7の左方向)へ移動するのを阻止している。
【0118】
[配風ドア回動用リンクの作用説明]
次に、モードドア40とフットドア42とを繋ぐ、空調ユニットの配風ドア回動用リンクの作用について、図8を用いて説明する。図8は、図7を矢印E1の方向から見た図であり、第2実施例におけるリンク構造の構成要素間の繋がりを説明する図である。
【0119】
図8において、駆動軸42aは、図8に図示しない駆動力発生部42mに接続されている。
【0120】
駆動力発生部42mによって発生した駆動力によって、駆動軸42aが矢印E4の方向に回転すると、フットドア42が矢印E5の方向に回動するとともに、駆動軸42aに固定された第4レバー片42bが、駆動軸42aを支点にして矢印E6の方向に回転する。
【0121】
この第4レバー片42bの回転によって、第4レバー片42bに回動自在に嵌合された第2ロッド44は、矢印E7の方向に動く。
【0122】
そして、この第2ロッド44の動きに応じて、第2ロッド44に回動自在に嵌合された第3レバー片40bが、駆動軸40aを支点にして矢印E8の方向に回転する。
【0123】
さらに、この第3レバー片40bの回転に連動して、第3レバー片40bに固定された駆動軸40aが矢印E9の方向に回転して、駆動軸40aに取り付けられたモードドア40が矢印Eaの方向に回動する。
【0124】
これによって、フットドア42の開度と、モードドア40の開度が、それぞれ所定の量に制御されて、必要な配風が実現される。
【0125】
[配風ドア回動用リンクの脱落防止構造の説明]
次に、モードドア40とフットドア42とを繋ぐ、空調ユニットの配風ドア回動用リンクの脱落防止構造について、図7,8を用いて説明する。
【0126】
なお、モードドア40と第2ロッド44の連結部である第3嵌合部40c、およびフットドア42と第2ロッド44の連結部である第4嵌合部42cの構成は、第1実施例で説明した第1嵌合部30c、および第2嵌合部32cの構成と同様であるため、説明は省略する。
【0127】
そして、図7において、第2ロッド44の左側面部は、第1ロッド34の右側面部に近接した位置に配置され、第2ロッド44の左側面部と第1ロッド34の右側面部の間の隙間は、回転軸44aの長さよりも狭くなっている。
【0128】
また、図7において、第2ロッド44の左側面部は、整流板60(第1の脱落防止部材)に近接した位置に配置され、第2ロッド44の左側面部と整流板60の間の隙間は、回転軸44bの長さよりも狭くなっている。
【0129】
図7に示すように、第2ロッド44は、第3嵌合部40cにおいて、図7の左から右に向かって第3レバー片40bと回動自在に嵌合している。そして、第2ロッド44に、その嵌合を脱落させる方向、すなわち、図7の矢印E2の方向に力が加わったときには、第2ロッド44の左側面部が、近接する第1ロッド34(第1の脱落防止部材)の右側面部に当接する。そのとき、第2ロッド44の左側面部と第1ロッド34の右側面部の間の隙間は、回転軸44aの長さよりも狭くなっているため、回転軸44aの脱落を防止することができる。
【0130】
また、図7に示すように、第2ロッド44は、第4嵌合部42cにおいて、図7の左から右に向かって第4レバー片42bと回動自在に嵌合している。そして、第2ロッド44に、その嵌合を脱落させる方向、すなわち、図7の矢印E3の方向に力が加わったときには、第2ロッド44の左側面部が、近接する整流板60(第1の脱落防止部材)に当接する。そのとき、第2ロッド44の左側面部と整流板60の間の隙間は、回転軸44bの長さよりも狭くなっているため、回転軸44bの脱落を防止することができる。
【0131】
一方、図7において、第2ロッド44に矢印E2と逆方向、または矢印E3と逆方向の力が加わったときには、駆動軸40aが、軸受部40fが有する、前述した左右方向の微少な隙間の縁に当接することによって、第2ロッド44の右方向への移動が制限される。また、同様にして、駆動軸42aが、軸受部42fが有する、前述した左右方向の微少な隙間の縁に当接することによって、第2ロッド44の右方向への移動が制限される。したがって、第2の脱落防止部材に相当する部材がなくても、第2ロッド44の脱落を防止することができる。
【0132】
以上、説明したように、実施例2に係る空調ユニット5におけるモードドア40とフットドア42の回動用リンク構造によれば、空調ユニット5の筐体であるユニットケース10の内部に設置された、配風用の整流板60を、第2ロッド44(ロッド)の第1の脱落防止部材として利用し、また、モードドア40、フットドア42とは別の2種類の配風ドアである、センターベント兼デフロスタドア30とサイドベントドア32を連動して回動させる別のリンク機構を構成する第1ロッド34(ロッド)を、第2ロッド44(ロッド)の第1の脱落防止部材として利用することによって、新たな部材を設置することなく、既設の部材を利用して、リンク構造を構成する第2ロッド44(ロッド)の脱落を防止することができる。
【0133】
また、実施例2に係る空調ユニットの配風ドア回動用リンク構造によれば、モードドア40とフットドア42を連動して回動させることによって、配風比率や配風方向、配風量をより緻密に制御することができる。
【0134】
以上、この発明の実施例を図面により詳述したが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。さらに、複数の実施例や変形例が示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。さらに、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
【符号の説明】
【0135】
5 空調ユニット
10 ユニットケース
10a 第1ユニットケース
10b 第2ユニットケース
10c 分割面
30 センターベント兼デフロスタドア
30a 駆動軸
30b 第1レバー片
30c 第1嵌合部
30e,30f,32e,32f 軸受部
32 サイドベントドア
32a 駆動軸
32b 第2レバー片
32c 第2嵌合部
34 第1ロッド
36 仕切り壁
38 センターベント兼デフロスタドア用シール部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8