(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
帯状台紙に複数のラベルを所定間隔で仮着したロール状のラベル連続体をラベル供給軸に回転可能に支持し、前記ラベル供給軸から送り出された前記ラベル連続体に印字部で印字した後、剥離部で前記帯状台紙から前記ラベルを剥離する構成を少なくとも備えたプリンタにおいて、
前記ラベル供給軸、前記印字部が支持された支持面を有するプリンタ本体部と、
前記支持面にオプション品として取り付けられ、前記ラベル供給軸を貫通する貫通孔が形成され、表面に前記ラベル連続体を巻き取る巻取軸を有し、裏面に前記巻取軸に回転動力を伝達する動力伝達機構を有する巻取仕様パネルと、
前記動力伝達機構に回転動力を付与する動力ユニットと、を備え、
前記プリンタ本体部に前記巻取仕様パネルを取り付けると共に、前記動力伝達機構を前記動力ユニットに連結することによって、前記剥離部で剥離された前記帯状台紙をロール状に巻取り可能としたことを特徴とするプリンタ。
前記プリンタには前記ラベル連続体を前記剥離部で転向搬送することによって前記帯状台紙から前記ラベルを剥離する転送搬送手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
前記巻取仕様パネルに設けられた動力伝達機構は、前記動力ユニットに連結される従動ギアを介して前記巻取軸に動力が伝達される機構であって、前記動力ユニットには前記従動ギアの回転軸が挿脱可能な軸受を備えると共に、前記従動ギアに歯合するギアを有する請求項1〜3に記載のプリンタ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、1日当り使用するラベル枚数が少ないユーザにとっては、価格の安価な標準仕様のプリンタで十分である。しかし、その後にラベルの使用枚数が増えてきたときに、標準仕様は、垂れ流しされた帯状台紙の後始末が面倒なために、巻取仕様のプリンタに買い換えることがあり、経済的な無駄が発生するという問題がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、帯状台紙を垂れ流す標準仕様のプリンタであっても、必要に応じてオプション品を購入することによって、簡単に巻取仕様のプリンタに改造することができるので、経済的な無駄が発生しないプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は前記目的を達成するために、帯状台紙に複数のラベルを所定間隔で仮着したロール状のラベル連続体をラベル供給軸に回転可能に支持し、前記ラベル供給軸から送り出された前記ラベル連続体に印字部で印字した後、剥離部で前記帯状台紙から前記ラベルを剥離する構成を少なくとも備えたプリンタにおいて、前記ラベル供給軸、前記印字部が支持された支持面を有するプリンタ本体部と、前記支持面にオプション品として取り付けられ、前記ラベル供給軸を貫通する貫通孔が形成され、表面に前記ラベル連続体を巻き取る巻取軸を有し、裏面に前記巻取軸に回転動力を伝達する動力伝達機構を有する巻取仕様パネルと、前記動力伝達機構に回転動力を付与する動力ユニットと、を備え、前記プリンタ本体部に前記巻取仕様パネルを取り付けると共に、前記動力伝達機構を前記動力ユニットに連結することによって、前記剥離部で剥離された前記帯状台紙をロール状に巻取り可能としたことを特徴とするプリンタを提供する。
【0008】
本発明によれば、プリンタ本体部に巻取仕様パネルを取り付けると共に、動力伝達機構を動力ユニットに連結するだけの簡単な作業で、標準仕様のプリンタから巻取仕様のプリンタに改造することができる。
【0009】
これにより、標準仕様のプリンタであっても、必要に応じてオプション品である巻取仕様パネルと動力ユニットを購入することによって、簡単に巻取仕様のプリンタに改造することができる。したがって、標準仕様のプリンタをそのまま利用できるので、経済的な無駄が発生しない。
【0010】
本発明においては、前記プリンタには前記ラベル連続体を剥離部で転向搬送することによって前記帯状台紙から前記ラベルを剥離する転送搬送手段を備えることが好ましい。
【0011】
本発明はラベルを帯状台紙から剥離して帯状台紙を巻取軸に巻き取る場合において特に有効だからである。
【0012】
本発明においては、前記プリンタ本体部の支持面にオプション品として着脱自在に取り付けられ、前記ラベル供給軸を貫通する貫通孔が形成された標準仕様パネルを備えることが好ましい。
【0013】
プリンタを標準仕様で使用する際に、オプション品としての標準仕様パネルをプリンタ本体部の支持面に取り付けることにより、標準仕様におけるプリンタの見栄えが良くなる。また、巻取軸を有しないので空間を有効活用することができる。
【0014】
本発明においては、前記支持面に支持された前記ラベル供給軸は、前記標準仕様パネルを使用する場合と前記巻取仕様パネルを使用する場合とで取り付け位置が変更可能であると共に、前記標準仕様パネルと前記巻取仕様パネルとに形成された貫通孔は、前記取り付け位置に対応した位置に形成されていることが好ましい。
【0015】
これにより、標準仕様パネルを使用する場合及び巻取仕様パネルを使用する場合の両方において、ロール径の大きなラベル連続体を使用することができる。したがって、ロール交換の回数を減らすことができるので、プリンタの使用効率が良くなる。
【0016】
本発明においては、前記標準仕様パネルと前記巻取仕様パネルとの前記貫通孔の周囲には、前記ロール状のラベル連続体の片面が当接する凸状ラインが設けられていることが好ましい。
【0017】
ロール状のラベル連続体(ロール体)をラベル供給軸に装着し、ロール体の片側面を標準仕様パネル又は巻取仕様パネルに当接させる。この場合、標準仕様パネルと巻取仕様パネルとの貫通孔の周囲には、ロール体の片側面が当接する凸状ラインが設けられているので、ロールを巻き戻したときに、パネルとロールとの接触抵抗を小さくできる。これにより、スムーズな巻き戻しを行うことができる。
【0018】
本発明においては、前記巻取仕様パネルに設けられた動力伝達機構は、前記動力ユニットに連結される従動ギアを介して前記巻取軸に動力が伝達される機構であって、前記動力ユニットには前記従動ギアの回転軸が挿脱可能な軸受を備えると共に、前記従動ギアに歯合するギアを有することが好ましい。
【0019】
これにより、巻取仕様パネルを支持面に取り付けたときに、巻取仕様パネルの裏面に設けた動力伝達機構が支持面の裏面に設けた動力ユニットに簡単に連結される。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るプリンタによれば、標準仕様方式のプリンタであっても、必要に応じてオプション品である巻取仕様パネルを購入することによって、簡単に巻取仕様方式のプリンタに改造することができる。したがって、経済的な無駄が発生しない。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面にしたがって、本発明のプリンタの好ましい実施の形態について説明する。
【0023】
なお、本実施の形態では、帯状台紙からラベルを剥離して帯状台紙のみを巻き取るプリンタの例で説明すると共に、巻取仕様パネルと標準仕様パネルとを交換する例で説明する。
【0024】
図1に示すように、本発明の実施の形態のプリンタで使用するラベル連続体Lは、表面に剥離処理が施された帯状台紙1上に所定間隔で複数仮着されたラベル2から構成されている。
【0025】
図2は、本発明の実施の形態のプリンタ10の外観図である。
【0026】
図2に示すように、プリンタ10は、プリンタ本体部12と、開閉カバー14とで構成され、開閉カバー14はヒンジ部16を介して矢印方向に開閉される。プリンタ本体部12の正面側の上部位置に液晶モニタ18が設けられ、中央位置に操作パネル20が設けられ、下部位置に電源スイッチ22が設けられる。
【0027】
また、開閉カバー14の表面側には、後記する剥離部30Aで帯状台紙1から剥離されたラベル2が発行される発行口23が形成される。
【0028】
図3は、開閉カバー14を外した状態のプリンタ10であり、後記する標準仕様パネル44又は巻取仕様パネル46を取り付けていない状態の斜視図である。
【0029】
プリンタ本体部12には、主として、ロール状のラベル連続体L(ロール体LT)を交換可能に支持するラベル供給軸24と、ラベル連続体Lのラベルに所望情報を印字する印字部26と、ラベル連続体Lを搬送する搬送機構28と、印字部26の下流側に設けられ、帯状台紙1を転向してラベル2を剥離する転向搬送手段30と、プリンタ10の運転動力部(図示せず)と、プリンタ10の運転を制御するコントローラ(図示せず)と、が搭載される。運転動力部及びコントローラは、プリンタ本体部12に設けられた箱形状のハウジング32内に収納されると共に、ハウジング32の内側と外側とを仕切る支持面32Aに、ラベル供給軸24、印字部26、転向搬送手段30等が支持される。ハウジング32は支持面32Aの反対面32Bが開閉可能であり、開成することによって、支持面32Aの裏側が露出する。
【0030】
印字部26は、プラテンローラ34と、複数の発熱体が幅方向に形成されると共に、該印字面がプラテンローラ34と対向配置されたサーマルヘッド36と、で構成される。そして、ラベル供給軸24から送り出されたラベル連続体Lが、サーマルヘッド36とプラテンローラ34との間で挟持搬送されながら、サーマルヘッド36の発熱体を選択的に発熱させることによって、ラベル連続体Lのラベル印字面に形成されている感熱発色層を発色させて印字を施す。
【0031】
サーマルヘッド36は、揺動軸38を中心に揺動可能なヘッドアーム40に支持される。そして、ヘッドアーム40のレバー42を操作することによって、サーマルヘッド36は矢印Aのように揺動し、プラテンローラ34から離間したり、当接したりする。これにより、ラベル連続体Lをサーマルヘッド36とプラテンローラ34との間に容易に通すことができる。また、サーマルヘッド36とヘッドアーム40との間には、サーマルヘッド36をプラテンローラ34側に所定圧力で押圧するバネ部材(図示せず)が設けられる。これにより、印字部26でラベル2に印字する印字圧力が適切に設定される。
【0032】
印字部26としては、上記した感熱型(ダイレクトサーマル型ともいう)の外に、インクリボンを使用した熱転写型の印字部を使用することもできる。
【0033】
印字部26の近傍には、ラベル連続体Lに印刷されたタイミングマークを検出する光反射型のセンサ(図示せず)が設けられる。センサで検出された検出結果はコントローラに送られる。また、センサは、タイミングマークのないラベル連続体Lを用い、光透過型のセンサであっても良い。そして、コントローラは、センサの検出結果に基づいて運転動力部を駆動し、プラテンローラ34を間欠回転駆動することにより、印字部26での印字タイミングを制御する。
【0034】
ラベル供給軸24は、ロール状のラベル連続体Lを回転可能に支持する装置であり、搬送機構28によりロール状のラベル連続体Lが巻き戻され、印字部26に向けて搬送される。ラベル供給軸24の先端部には、ラベル供給軸24に対して起立したり倒れたりする起倒片24Aが設けられる。これにより、ラベル連続体Lのロール体LTをラベル供給軸24に装着した後、起倒片24Aを起立させることにより、ロール体LTがラベル供給軸24から脱落することを防止する。
【0035】
プリンタ本体部12の支持面32Aには、
図4に示すように、ラベル供給軸24の基端部を支持する支持位置が2箇所設けられ、標準仕様の場合と巻取仕様の場合とで、ラベル供給軸24の支持位置を変えられるようになっている。即ち、ラベル供給軸24は支持面32Aに形成された支持位置に対して着脱自在に取り付けることができる。
【0036】
図4では、標準仕様におけるラベル供給軸24の支持位置を実線で示し、支持面32Aの高さ方向中央に位置される。一方、巻取仕様におけるラベル供給軸24の支持位置を2点鎖線で示し、標準仕様の支持位置よりも上側で且つ左側に寄って位置される。
【0037】
ラベル供給軸24を支持面32Aに着脱自在に取り付ける着脱方式は、ラベル供給軸24を支持面32Aに強固に支持できるものであればどのような方式でもよい。
図4では、ボルト33によって取り付ける方式を図示しているが、これに限定されない。
【0038】
このように、ラベル供給軸24の支持位置を変えるようにした理由は、次の通りである。即ち、標準仕様の場合には後記する巻取軸54(
図9参照)がないので、ラベル供給軸24を支持面32Aの高さ方向中央位置に支持することで、大きなロール径のラベル連続体Lを使用することができる。これに対して、巻取仕様の場合には、巻取軸54があるので、ラベル供給軸24を支持面32Aの高さ方向中央位置に形成すると、ラベル連続体Lのロール体LTをラベル供給軸24に装着するさいに巻取軸54が邪魔になる。したがって、巻取仕様の場合には、支持面32Aの上側で且つ左側に寄った位置にラベル供給軸24を支持することで、ロール径の大きなラベル連続体Lを使用できる。これにより、標準仕様及び巻取仕様の何れの場合であっても、ラベル連続体Lのロール体LTの交換頻度が少なくなり、効率的な運転が可能となる。
【0039】
図3に戻って、搬送機構28としては、ラベル連続体Lをサーマルヘッド36とプラテンローラ34とで挟持搬送する機構を採用した。しかし、ラベル供給軸24と印字部26との間にフィードローラを設けることもできる。
【0040】
転向搬送手段30は、剥離部30Aと剥離部30Aで転向した帯状台紙1を引っ張る引張り手段とで構成される。剥離部30Aは幅がラベル連続体Lの幅よりも大きな断面楔形状の部材として形成される。なお、剥離部30Aとしては、楔状のものに限らず板状や棒状のものでもよい。
【0041】
また、引張り手段としては、プラテンローラ34に当接して従動回転する剥離ローラ30Bを好適に使用することができる。この剥離ローラ30Bはプラテンローラ34に対して当接及び離間(矢印B)するための当接・離間機構(図示せず)が設けられる。そして、剥離ローラ30Bをプラテンローラ34から離間した状態で帯状台紙1をプラテンローラとの間に通した後、帯状台紙1を介して剥離ローラ30Bをプラテンローラ34に当接させる。これにより、プラテンローラ34が回転すると、剥離部30Aで転向された帯状台紙1が引っ張られるので、帯状台紙1よりも剛性の大きなラベル2が剥離される。
【0042】
また、プリンタ本体部12における支持面32Aの下部中央位置には、支持面32Aから垂直にガイド棒35が設けられる。このガイド棒35は、プリンタを台紙巻取仕様で使用するときに、剥離部30Aで転向搬送された帯状台紙1が後記する巻取軸54に巻き取られる途中の搬送をガイドする。
【0043】
また、プリンタ本体部12における支持面32Aの右側下部には、巻取軸54の回転軸が着脱自在に挿通される軸受39が設けられる。また、支持面32Aの裏面側で貫通孔31位置には、巻取軸54の回転軸が着脱自在に挿通される軸受39が設けられる。
【0044】
更に、プリンタ本体部12における支持面32Aのガイド棒35の近傍には、後記する巻取仕様パネル46に設けられた従動ギア60が貫通する貫通孔37が形成される。
【0045】
次に、プリンタ10に取り付けられるオプション品の標準仕様パネル44と、オプション品の巻取仕様パネル46と、について説明する。
【0046】
図5(A)は標準仕様パネル44の表面を示したものであり、
図5(B)は標準仕様パネル44の裏面を示したものである。ここで、標準仕様パネル44をプリンタ本体部12の支持面32Aに取り付けたときに、支持面32Aに接する面を裏面とする。
【0047】
図5(A)に示すように、標準仕様でのラベル供給軸24の支持位置に対応させて、標準仕様パネル44の略中央には、標準仕様パネル44をプリンタ本体部12の支持面32Aに取り付けたときに、ラベル供給軸24が貫通する貫通孔48が形成される。また、標準仕様パネル44の表面の貫通孔48の周囲には、パネル面から盛り上がった凸状ライン50が複数本形成される。
図5では、貫通孔48の上側に2本、下側に2本、左右のそれぞれ1本の凸状ライン50の例で示したが、これに限定されるものではない。
【0048】
また、標準仕様パネル44の表面の左側下部には、標準仕様パネル44を支持面32Aに取り付けたときにガイド棒35が貫通する貫通孔52が形成される。
【0049】
そして、標準仕様パネル44は、標準仕様のプリンタ10に標準備品として備えられる。
【0050】
図6(A)は巻取仕様パネル46の表面を示したものであり、
図6(B)は巻取仕様パネル46の裏面を示したものである。ここで、巻取仕様パネル46の表面及び裏面は標準仕様パネル44と場合と同様である。
【0051】
図6(A)に示すように、台紙巻取仕様でのラベル供給軸24の支持位置に対応させて、巻取仕様パネル46の左上側の位置には、巻取仕様パネル46をプリンタ本体部12の支持面32Aに取り付けたときに、ラベル供給軸24が貫通する貫通孔48が形成される。また、貫通孔48の周囲には、標準仕様パネル44の場合と同様に、複数本の凸状ライン50が形成される。
【0052】
更に、巻取仕様パネル46の表面の右下側の位置には、巻取軸54がパネル面に対して垂直に支持される。巻取軸54にはクリップ部56が設けられ、剥離部30Aで転向された帯状台紙1の先端をクリップ部56に挟み込むことで巻取軸54に固定する。巻取仕様パネル46の表面の左側下部には、巻取仕様パネル46を支持面32Aに取り付けたときにガイド棒35が貫通する貫通孔52が形成される。
【0053】
また、
図6(B)に示すように、巻取仕様パネル46の裏面側には、プリンタ本体部12に、着脱自在に取り付けられる動力ユニット58からの動力を伝達する動力伝達機構51が設けられる。
【0054】
即ち、巻取仕様パネル46の裏面の下部左側には、巻取軸54の回転軸54Aに支持された第1プーリ54Bが設けられる。一方、巻取仕様パネル46の裏面の下部右側には、プリンタ本体部12に設けられた着脱自在に取り付けられる動力ユニット58(
図7参照)に連結される従動ギア60が設けられると共に、従動ギア60の回転軸60Aにカバー62に覆われた第2プーリ60Bが設けられる。そして、第1プーリ54Bと第2プーリ60Bとにタイミングベルト64が掛け渡されると共に、第1プーリ54Bと第2プーリ60Bとの間には、タイミングベルト64にテンションを付与するテンションローラ66が設けられる。これにより、動力ユニット58からの動力によって従動ギア60が回転すると、第2プーリ60B、タイミングベルト64、第1プーリ54Bを介して巻取軸54が回転する。
【0055】
なお、本実施の形態では、動力伝達機構として、従動ギア60、プーリ54B、60B、タイミングベルト64で構成したが、これに限定されるものではない。
また、巻取仕様パネル46を支持面32Aに取り付ける時には、巻取仕様パネル46の下方の両コーナー部に形成した取付孔に図示しないスクリューと、貫通孔48の上方に形成した二つの取付孔に図示しないスクリューとにより、巻取仕様パネル46を取り付けることができる。貫通孔48の上方でスクリューにより取り付けることにより、巻き取り軸に巻かれた台紙の応力を低減することができるのでスクリューを小さくっすることができ見栄えがよくなる。
【0056】
図7は、プリンタ本体部12の支持面32Aの裏側に取り付けられ、巻取仕様パネル46と一緒にオプション品として購入される動力ユニット58の斜視図である。なお、
図7では、巻取仕様パネル46の従動ギア60が動力ユニットの第1ギア70に歯合している図で示してある。
【0057】
図7に示すように、プリンタ本体部12の支持面32Aの裏面側には、筒状のボスの内周面にネジ溝が形成された複数本のパイプナット68が支持面32Aに対して垂直に設けられる。また、動力ユニット58は、モータ69と、第1〜第4の複数のギア70、72、74、76と、前記巻取仕様パネル46に設けられた従動ギア60の回転軸60Aが着脱自在に挿入される軸受77と、がフレーム78に搭載されている。そして、フレーム78の前記パイプナット68に対応する位置にボルト孔が形成される。これにより、フレーム78のボルト孔を介してボルト80とパイプナット68とを締結することにより、動力ユニット58が支持面32Aの裏面側に取り付けられる。即ち、オプション品としての動力ユニット58は、プリンタ本体部12に着脱自在に取り付けることができる。
【0058】
図8は、プリンタ本体部12の支持面32Aに、巻取仕様パネル46を取り付ける直前の図である。
【0059】
図8の1点鎖線aで示すように、プリンタ本体部12の支持面32Aに支持されたラベル供給軸24が巻取仕様パネル46の貫通孔48に挿通される。
【0060】
また、1点鎖線bで示すように、巻取仕様パネル46に設けられた巻取軸54の回転軸54Aが支持面32Aに形成された貫通孔31から挿通され、支持面32Aの裏面側に設けられた軸受39に挿通される。これにより、巻取軸54は軸受39に回転自在に支持される。
【0061】
また、1点鎖線cで示すように、支持面32Aに設けられたガイド棒35が、巻取仕様パネル46に形成された貫通孔52に貫通される。
【0062】
また、1点鎖線dで示すように、巻取仕様パネル46の裏面に設けられ従動ギア60が、支持面32Aに形成された貫通孔37から支持面32Aの裏面側に貫通され、動力ユニット58に設けられた第1ギア70に歯合されると共に軸受77に挿入される。これにより、巻取仕様パネル46の裏面に設けられた動力伝達機構と、プリンタ本体部12の支持面32Aの裏面側に設けられた動力ユニット58とが連結される。
【0063】
このように巻取仕様パネル46をプリンタ本体部12の支持面32Aに取り付けたら、最後に、巻取仕様パネル46を支持面32Aにネジ止めする。ネジ止めは、ネジの頭が巻取仕様パネル46の面に出ないように、支持面32Aの裏面側からするのが好ましい。
【0064】
図9は、巻取仕様パネル46をプリンタ本体部12の支持面32Aに取り付けて台紙巻取仕様のプリンタ10に改造したものであり、次のように使用する。
【0065】
先ず、ラベル連続体Lのロール体LTの巻き芯(図示せず)をラベル供給軸24に嵌挿し、ロール体LTの片面を巻取仕様パネル46に当接させてから起倒片24Aを起立させる。これにより、ロール体LTがラベル供給軸24に装着される。
【0066】
次に、ロール体LTからラベル連続体Lの先端部を引き出し、サーマルヘッド36とプラテンローラ34との間に通した後、帯状台紙1を剥離部30Aで転向さる。転向させた帯状台紙1の先端を、プラテンローラ34と剥離ローラ30Bとの間に通した後、ガイド棒35に係合させてから巻取軸54に固定する。巻取軸54への帯状台紙1の固定は、帯状台紙1の先端部を巻取軸54のクリップ部56に挟み込んでから巻取軸54を2〜3回転させればよい。
【0067】
プリンタ10へのラベル連続体Lのセットが完了したら、プリンタ10の電源スイッチ22をONにすると共に、操作パネル20によって印字等に必要な条件を設定する。
【0068】
これにより、ラベル供給軸24に装着されたロール体LTのラベル連続体Lがラベル供給軸24から送りだされる。この場合、巻取仕様パネル46の貫通孔48の周囲には、複數本の凸状ライン50が形成されているので、ラベル連続体Lの送り出しによってロール体LTが回転する際に、ロール体LTの片面と巻取仕様パネル46のパネル面との接触抵抗が小さくなる。これにより、ラベル連続体Lをラベル供給軸24からスムーズに送り出すことができる。
【0069】
ラベル供給軸24から送りだされたラベル連続体Lは、印字部26でラベル2に所定の情報が印字された後、剥離部30Aで帯状台紙1が転向搬送される。これにより、帯状台紙1よりも剛性の硬いラベル2が帯状台紙1から剥離されて発行口23に向けて繰り出される。また、ラベル2が剥離された後の帯状台紙1はガイド棒35の下面側に係合されてガイドされながら巻取軸54に巻き取られる。
【0070】
このように、本発明の実施の形態によれば、標準仕様パネル44を巻取仕様パネル46に交換すると共に、動力ユニット58をプリンタ本体部12の支持面32Aの裏面側に取り付けるだけの簡単な作業で、標準仕様のプリンタ10から台紙巻取仕様のプリンタ10に改造することができる。
【0071】
これにより、ユーザは、標準仕様のプリンタ10を購入し、その後に台紙巻取仕様に変えたい場合には、巻取仕様パネル46と動力ユニット58を購入することによって、簡単に台紙巻取仕様のプリンタに改造することができる。これにより、標準仕様のプリンタ10をそのまま利用できるので、経済的な無駄が発生しない。
なお、本実施の形態では、ラベル2を帯状台紙1から剥離して、帯状台紙1のみを巻取軸54に巻き取る例で説明したが、ラベル2に印字した後、ラベル2を帯状台紙1から剥離せずにラベル連続体Lのままで巻取軸54に巻き取ることもできる。
尚、本発明を実施するための形態として、巻取仕様パネル46の左上側の位置に、ラベル供給軸24が貫通する貫通孔48が形成する例で説明したが、巻取仕様パネル46の貫通孔48に変えて巻取仕様パネル46の端部から切欠部とすることができる。