特許第6058552号(P6058552)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6058552
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】パッケージを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/20 20060101AFI20161226BHJP
   B65D 1/34 20060101ALI20161226BHJP
【FI】
   B65D77/20 G
   B65D1/34
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-546052(P2013-546052)
(86)(22)【出願日】2011年12月20日
(65)【公表番号】特表2014-502584(P2014-502584A)
(43)【公表日】2014年2月3日
(86)【国際出願番号】NL2011000082
(87)【国際公開番号】WO2012087114
(87)【国際公開日】20120628
【審査請求日】2014年11月25日
(31)【優先権主張番号】1038469
(32)【優先日】2010年12月22日
(33)【優先権主張国】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】513159354
【氏名又は名称】ナベル・ベヘーア・ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】Naber Beheer B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(72)【発明者】
【氏名】ナベル、ウィルヘルムス・コーネリス・マリア
【審査官】 二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/031766(WO,A1)
【文献】 国際公開第99/050050(WO,A1)
【文献】 米国特許第04079567(US,A)
【文献】 特表2000−508606(JP,A)
【文献】 特開平09−249237(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 67/00 − 79/02
B65D 1/34
B29C
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体、インジェクションモールディングによって提供され、その全体は、底部(11)、立壁部(12)、及び開口側(13)を有するプラスチックトレー(10)と、
トレー(10)の周囲の枠(18)においてトレー(10)の開口側部(13)に位置してその周囲の枠(18)を囲み、さらに、リング形状プラスチックカバー枠(20)とトレー(10)との間に設けられ、カバー枠(20)を、トレー(10)に関して下方に移動することにより破断するプラスチックフィルム(30)によってトレー(10)に結合されるリング形状プラスチックカバー枠(20)とを有してなり、
カバー枠(20)およびトレー(10)は、製造プロセスの間にカバー枠(20)をトレー(10)に関して下方に移動することによって相互から分離され、そこでは、カバー枠20とトレー(10)との間のフィルム(30)は完全に破断され、
さらに、1片のカバーフォイル(40)が提供されて、トレー(10)の開口側部(13)をシールするために、1片のカバーフォイル(40)がカバー枠(20)のみ、またはトレー(10)およびカバー枠(20)の両方に結合される、パッケージを製造する方法。
【請求項2】
1片のカバーフォイル(40)、トレー(10)に関してカバー枠(20)の下方への移動の間に、カバー枠(20)のみ、またはトレー(10)およびカバー枠(20)の両方に結合される請求項1記載の方法。
【請求項3】
トレー(10)からのカバー枠(20)の分離後、1片のカバーフォイル(40)が、カバー枠(20)のみ、またはトレー(10)およびカバー枠(20)の両方に結合される請求項1記載の方法。
【請求項4】
トレー(10)に関してカバー枠(20)の下方への移動は、カバー枠(20)の表面(26)、およびトレー(10)の開口側(13)に位置するトレー(10)の周囲面(15)が、実際に等しいレベルに位置するときに、終了される請求項1−3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
1片のカバーフォイル(40)は、トレー(10)およびカバー枠(20)の両方に結合され、かつ、より強固な結合が、1片のカバーフォイル(40)とトレー(10)との間よりも1片のカバーフォイル(40)とカバー枠(20)との間に実現する、請求項1−4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
連続的な結合が、トレー(10)の全周囲に沿って、および、トレー(10)の開口側(13)で、さらにカバー枠全体(20)に沿って、実現される請求項記載の方法。
【請求項7】
トレー(10)に関してカバー枠(20)の下方への移動は、直線移動である請求項1−のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
トレー(10)に関してカバー枠(20)の下方への移動の場合に、カバー枠(20)およびトレー(10)の移動の場合に、カバー枠(20)とトレー(10)との間のスナップ結合を確立するようにされる部品によって形成される請求項1−のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
トレー(10)に関してカバー枠(20)の下方への移動は、カバー枠(20)とトレー(10)との間のスナップ結合の確立をもって終了される請求項記載の方法。
【請求項10】
カバー枠(20)は、後退した部分(24)を有する内部周面(23)で形成される請求項または記載の方法。
【請求項11】
トレー(10)とカバー枠(20)との間のフィルム(30)は、中断部をもって形成される請求項1−10のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
インジェクションモールディングによって、トレー(10)およびカバー枠(20)の全体(1)を製造する目的で、型は、カバー枠(20)を形成するための空洞が、フィルム(30)を形成するための空洞を介して、トレー(10)を形成するための空洞と連通して使用され、さらに、プラスチックは、インジェクションモールディング中にトレー(10)を形成するための空洞にのみ供給される請求項1−11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
カバーフォイル(40)と、カバー枠(20)のみとの、またはトレー(10)およびカバー枠(20)の両方との間の結合は、局部的な発熱源の影響下で確立される請求項1−12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
手段(51)は、一片のカバーフォイル(40)と、カバー枠(20)のみとの、またはトレー(10)およびカバー枠(20)の両方との間の結合の確立中に、カバー枠(20)のみ、またはトレー(10)およびカバー枠(20)の両方を支持するために適用される請求項1−13のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
パックされる材料は、1片のカバーフォイル(40)が、カバー枠(20)のみ、またはトレー(10)およびカバー枠(20)の両方に結合される以前に、トレー(10)内に置かれる請求項1−14のいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パッケージを製造する方法に関し、その全体がインジェクションモールディングによって提供され、かつその全体は、トレーの周囲の枠であって開口側、およびそのトレーの開口側に位置し、かつ、その周囲の枠を囲み、さらに、比較的薄いプラスチックフィルムによってトレーに結合されるリング形状プラスチックカバー枠を有するプラスチックトレーを有する。
【背景技術】
【0002】
そのような方法は、例えば、FR 2 618 411から、知られている。既知の方法によれば、トレーを密閉するために、1片のカバーフォイルが提供され、それは少なくともカバー枠、および恐らくさらにはトレーに結合される。パッケージの最初の使用で、ユーザーは、カバー枠とトレーとの間の薄いフィルムを破り、さらに続いてトレーからカバー枠およびカバーフォイルの全体を引き離し、そこではカバーフォイルとトレーとの間の可能性のある結合が外される。その最初の使用から、カバー枠および以下においてはカバーと呼ばれるカバーフォイルの全体を、好みによって、トレーに戻すか、または再びトレーから取り除くことができる。開口側の近傍で、そのトレーは、カバー枠の一部分をその中にスナップ止めすることができる凹部を有しており、その結果、それに基づいて、カバーとトレーとの間の一時的な結合を繰り返し確立することが可能である。
【0003】
既知の方法の重要な利点は、トレーの内部空間は、最初の使用まで、外界から完全に密閉されたままであることができるということである。カバーフォイルと少なくともカバー枠との間の結合は、カバー枠の全周囲に沿って実現することができ、その結果、トレーの内部空間と外界との間の漏れであり得る結合のいかなる中断もない。他の重要な利点は、トレーの内部空間を完全に密閉するために先ず初めに使用されるカバーフォイルをカバーの全体を構成する部品とすることによって、材料が節約されることである。このことは、1片のカバーフォイルがトレーに最初に結合される多くの通常の状況と異なり、その後、完全なカバーが、密封されたトレーに置かれ、カバーフォイルを、通常はスナップ結合によってカバーする。そのような状況において、最初の使用で、ユーザーは、トレーからカバーを取り除き、そして続いてトレーからカバーフォイルを引き離し、さらにそれを捨てるか、または単に部分的に分離された状態で、恐らくそれをトレーに残す。いかなる場合においても、カバーフォイルは、もはやそのときに密閉機能を有していない。最初の使用の後、それは、この機能が作用されるカバーだけである。
【0004】
特に、食品生成物をパックする際に、最初の使用以前に、トレーが信頼性ある気密な方法で密閉されることは重要である。その場合、トレーが、意図することなく開放する場合があったり、さらにトレーの内容物が廃物になる場合があるという危険は、実際上ない。さらに、パックされた食品生成物の一定の保存期間は、保証される。
【0005】
WO 2005/039997は、トレーと、カバー枠および1片のカバーフォイルを有するカバーとを有するパッケージを製造するための方法に関し、トレーおよびカバー枠は、相互に別々に形成され、次いで、一緒にされ、または、トレーおよびカバー枠は、その場合にヒンジとして役立つ1片またはそれ以上の小片の材料を介して相互に結合される。両方の場合に、カバーフォイルを適用する以前に正しい方法で、カバー枠を最初にトレーに置く必要がある。FR 2 618 411から知られた方法の不都合は、ユーザーがカバー枠とトレーとの間の薄いフィルムを外すことを行う必要があることである。
【0006】
WO 2005/039997から知られた方法の不都合は、トレーとカバー枠との組立体にカバーフォイルを適用することができる以前に、トレーにカバー枠を置く付加的なステップを行なう必要があることである。
【発明の概要】
【0007】
プラスチックトレー、プラスチックカバー枠、および1片のカバーフォイルを有するパッケージを製造するための方法を提供することが、この発明の目的であり、できる限り少ない材料が使用され、製造工程は効率的であることができ、ユーザーフレンドリー性ができる限り大きく、さらに、最初の使用以前にトレーの信頼性ある密閉、すなわち、トレーと最初の使用において外すことができるカバーフォイルとの間の物理的結合による密閉を提供することが可能である。
【0008】
設定されたような目的は、パッケージを製造するための方法によって達成され、全体は、インジェクションモールディングによって提供され、その全体は、開口側、およびトレーの周囲の枠において、トレーの開口側に位置するリング形状のプラスチックカバー枠を有し、さらに比較的薄いプラスチックフィルムによってトレーに結合され、カバー枠およびトレーは、カバー枠およびトレーの限定された相互移動を推し進めることによって、相互から分離され、さらに、1片のカバーフォイルが提供され、かつ、少なくともカバー枠に結合される。
【0009】
この発明による方法によって、FR 2 618 411から知られたものとは反対に、カバー枠とトレーとの間の薄いフィルムは、製造工程中に外される。したがって、ユーザーは、最初の使用でそれを行う必要がない。この発明による方法によって、WO 2005/039997から知られるものとは反対に、カバー枠は、トレーおよびカバー枠の全体の製造工程の後に、既に、直接に、トレーの開口側の位置にある。この位置から開始して、トレーとカバー枠との間のフィルムは、外される。さらに、1片のカバーフォイルが、少なくともカバー枠に供給されて、結合される。このことは、トレーからカバー枠を分離することと同時に実行することができるが、しかし恐らくは、さらに、カバー枠とトレーとが相互から分離され、さらに、相互の移動が終了するか、または、それに先行して終了している。カバー枠がトレーから完全に分離される以前に、カバーフォイルがカバー枠に結合されるときには、カバー枠が、例えば、重力の影響下で、トレーに関して自然に移動し、そうする際にトレーに関して望まない位置を仮定する状況が発生することは、防止される。
【0010】
この発明による方法の実用化において、カバー枠およびトレーの相互の移動は、カバー枠の表面、およびトレーの開口側に位置するトレーの周囲表面が、ほぼ等しいレベルに位置するときに、終了される。トレーが、通常の方向付けで考慮されており、トレーの開口側およびカバー枠が頂部側に位置すべきであるということができるときに、トレーの周囲表面は、トレーの頂部側でリング形状表面を意味するように理解することができる。説明されたように実用化の場合には、カバー枠およびトレーの同心的頂部面があり、かつ、これらの頂部面は、ほぼ等しいレベルに置かれ、その結果、1片の周囲におけるカバーフォイルの1片の一部分用の使用可能な支持面が得られ、さらに、カバーフォイルとその状況における少なくともカバー枠との間の望ましい結合を実現することが可能である。そのことは、さらに、先において既述したように、初期の段階で既に説明されたような望ましい結合を確立することが可能であるという事実を変更しない。
【0011】
最初の使用以前にトレーとカバー枠と1片のカバーフォイルとの間の固定された結合を有し、カバー、すなわち、カバー枠および1片のカバーフォイルの組合せが、トレーから意図されないで分離されることを防ぎ、外界からのトレーの内部空間の耐久性ある密閉を保証することが望まれるときに、1片のカバーフォイルが、トレーおよびカバー枠の両方に結合されることが可能である。その場合に、1片のカバーフォイルとトレーとの間よりもむしろ1片のカバーフォイルとカバー枠との間のより強固な結合を、実現することができ、その結果、1片のカバーフォイルは、ユーザーが最初の使用時にフォイルを分離するときには、トレーから自動的に分離するのであって、カバー枠から分離するのではない。連続的な結合が、トレーの全周囲に沿って、トレーの開口側で、さらにはカバー枠全体に沿って実現されるときに、トレーの内部空間の2重密閉が得られ、それはトレーの可能性ある内容を外部影響から保護することに関して特別なセキュリティを提供する。
【0012】
カバー枠およびトレーの限定された相互の移動は、相互からのカバー枠およびトレーを分離する目的で強制されるが、直線移動になり得る。そのような移動は、単純なやり方で行なうことができる。例えば、実際的な場合においては、カバー枠がトレーに関して僅かな量だけ下方に移動されることが、そうであり得る。
【0013】
殆どの従来のパッケージを備える場合であるように、カバー枠およびトレーの相互の移動の場合に、カバー枠およびトレーが、カバー枠とトレーとの間のスナップ結合を確立するようにされる部品によって形成されるときは、それは、手軽である。そのような場合においては、カバー枠およびトレーの相互の移動は、カバー枠とトレーとの間のスナップ結合の確立で終了されることが、そうであり得る。製造工程は、その後、以下のステップを有する:インジェクションモールディングによってトレーおよびカバー枠の全体を製造することと、最初はトレーとカバー枠との間に存在した薄いフィルムが破壊されるが、それらが相互にスナップ止めするまでトレーおよびカバー枠の相互の移動を強制することと、および、1片のカバーフォイルを提供し、少なくともカバー枠にカバーフォイルを取付けることとである。スナップ結合を確立する際に、役割を果たすトレーおよびカバー枠の部品は、この発明の枠組み内における任意の適切な構造を有することができる。例えば、カバー枠は、後退した部分を有する内部周囲面で形成することができる。後退した部分の寸法は、カバー枠は、まず、スプリング、ある程度まで外方に弾発し、そして続いて、カバー枠が、トレーに沿って移動されるときに、後退した部分に達すると、再度内方に、直接弾発するようなものであることができる。その場合、内側へ弾発する瞬間に、スナップ結合が実現される。
【0014】
トレーとカバー枠との間の比較的薄いフィルムが、中断部を伴って形成されるときは、それは有利である。事実は、そのように、インジェクションモールディングプロセスを介して1つの全体としてのトレーおよびカバー枠を製造すること、そして、一方では、これらの2つの部品間の相互の結合が、外される前に、望まれる相互の位置におけるトレーおよびカバー枠を有することができること、さらには、他方では、プロセスにおける多くの力の必要なしで、容易な方法におけるその相互の結合のその破断を実行することができること、が達成されることである。
【0015】
プラスチックがトレーの側部にのみ供給されるように、トレーおよびカバー枠の全体のインジェクションモールディングプロセスを実行することができ、薄いフィルムの形成は、カバー枠を形成するために利用可能なプラスチックを有する際に役割を果たす。特に、インジェクションモールディングによってトレーおよびカバー枠の全体を製造する目的で、型は、カバー枠を形成するための空洞が、比較的薄いフィルムを形成するための空洞を介して、トレーを形成するための空洞と連通して使用することができ、プラスチックは、インジェクションモールディング中にトレーを形成するための空洞にのみ供給される。
【0016】
1片のカバーフォイルと少なくともカバー枠との間の結合を確立する目的で、2つのプラスチック部品を相互に取付けさせるために適切な技術を、それぞれ適用することができる。例えば、熱の局部的な供給に備えることは可能であり、その結果、それらが当該場所で溶けながら、その部品は、相互に結合される。1片のカバーフォイルと少なくともカバー枠との間の結合の確立中に、少なくともカバーを支持するための装置を適用することは有利である。
【0017】
この発明による方法によって製造されるパッケージは、様々な材料をパッキングするために適用することができる。以前に言及されたように、食品生成物をパックすることは、確実に、1つの可能性である。一般に、1片のカバーフォイルが少なくともカバー枠に結合される以前に、パックされる必要のある材料は、トレーの内部に置かれる。
【0018】
この発明は、パッケージを製造するための方法の以下の記述の根拠について、より詳細に説明され、全体がインジェクションモールディングによって形成され、その全体が、トレーおよびカバー枠を有し、初期位置からスタートして、カバー枠がトレーから分離されて、トレー上にスナップ止めされ、さらにトレーが1片のカバーフォイルを適用することによって密閉される。参照が図面に対してなされ、等しい参照数字が、等しいか、または類似部分を表示する
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】トレーおよびカバー枠の全体の断面を概略的に示す;
図2】トレーおよびカバー枠の全体の平面図を概略的に示す;
図3】トレーおよびカバー枠の全体の詳細断面を概略的に示す;
図4】トレーとカバー枠との間の有孔フィルムの適用を例証する;
図5】フィルムが外されて、トレーとカバー枠との間のスナップ結合が確立されている状況のための、図3と同様の詳細を示す;
図6】1片のカバーフォイルがどのように、トレーおよびカバー枠の両方に結合され、トレーの枠部分およびカバー枠が支持されているかを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1および2は、プラスチックトレー10およびプラスチックカバー枠20の全体1を示し、それはインジェクションモールディングによって形成される。図示された例において、トレー10は、底部11、およびこの底部11から延び、ほぼ長方形の周囲を備える立壁部12を有している。この発明の枠組み内において、この発明は、とりわけトレー10の開口側13を密閉することに関するので、トレー10が開口側13を有するものであれば、トレー10のいかなる形も可能である。以下の記述においては、トレー10の、通常の方向性付けが仮定される、すなわち、トレー10の底部11が底部側にあり、開口側13が頂部側にある。開口側13では、全周囲に沿って、図3に示されるように、トレー10およびカバー枠20の全体1の詳細において明確に見ることができるように、トレー10は、頂部表面15および外側表面16であって、トレー10の周囲面および外部の突肉部17であるものを有する特別に設計された枠部分14を備えている。完全性の目的のために、このような関係において、用語「外側の」は、トレー10の中心軸(対称軸)に関することは、言及されるべきである。枠部分14の機能は、以下において明らかになる。
【0021】
カバー枠20は、リング形状で、かつ開口側13でトレー10を完全に囲み、カバー枠20は、トレー10の周囲の枠18でトレー10にしっかりと結合される。カバー枠20とトレー10との間には、薄いプラスチックフィルム30がある。図4は、フィルム30を穿孔することができるという事実を例証し、したがって、その結合は、トレー10およびカバー枠20の全周囲に沿って存在することができるが、規定された場所で中断される。
【0022】
カバー枠20は、内側の突肉部21および外側の突肉部22を有する。
【0023】
完全性の目的のために、このような関係において、用語「内側の」および「外側の」は、カバー枠20の中心軸(対称軸)に関することは、言及されるべきである。これらの突肉部21、22の機能は、以下において明らかになる。トレー10およびカバー枠20の全体1における通常の方向付けにおいて見られるように、トレー10の突肉部17、およびカバー枠20の突肉部21、22は、ほぼ垂直の、下方への方向に延びる。
【0024】
以前に言及されたように、トレー10およびカバー枠20の全体1は、インジェクションモールディングによって形成される。インジェクションモールディングは、それ自身知られているプロセスであり、その理由から、さらにはここで明らかにしない。この発明の枠組み内において、トレー10およびカバー枠20は、説明されたように全体1として形成され、インジェクションモールド型(図示せず)は、薄いフィルム30を形成するために狭小空間を介して相互に連通するトレー10およびカバー枠20を形成するためのスペースで適用される。その結果、トレー10を形成するためのスペースにプラスチックを単に供給するだけによって、全体1を形成することが可能であり、カバー枠20を形成するためのスペースは、トレー10を形成し、かつ薄いフィルム30を形成するための狭小空間を介してこのスペースに到達するスペースから流れるプラスチックで満たされる。薄いフィルム30が穿孔され得る範囲は、また、トレー10を形成するためのスペースからカバー枠20を形成するための材料を供給することができる要望によって決定される。
【0025】
トレー10およびカバー枠20の全体1が、インジェクションモールディングの後に型から放され、充分な程度まで冷却されると直ぐに、手順における次のステップを実行することができる。このステップにおいて、下方への圧力が、カバー枠20に作用され、カバー枠20とトレー10との間のフィルム30は、完全に破断され、さらに結果として、カバー枠20が、トレー10から分離される。フィルム30が穿孔されるときには、トレー10からカバー枠20をひきはがすこのプロセスが、容易にされる。カバー枠20の下方への移動の間のある瞬間には、カバー枠20は、トレー10の枠部分14の下側にスナップ止めされ、その後、その下方への移動は止められる。この例において、スナップ結合は、カバー枠20の内側の突肉部21の構造に基づいて実現される。この突肉部21の内部表面23であって、カバー枠20の内部の周面は、ある程度まで傾斜を付けられ、その結果として、下方への移動の間に、プラスチックの弾性特性に基づいて可能であるが、突肉部21の前記内部表面23とトレー10の枠部分14の外側表面16との間の接触の影響下で、内側の突肉部21が外側の突肉部の方向にますます押圧されることが、達成される。カバー枠20の突肉部21の内部表面23において、後退した部分24が存在し、さらに、それがトレー10の枠部分14の外側表面16を越えて移動されるやいなや、その原形状を受けるようにカバー枠20用の空間がある。その瞬間には、スナップ結合は、事実であり、カバー枠20の内側の突肉部21が、トレー10の枠部分14の外部の突肉部17と係合するので、トレー10の枠部分14に関するカバー枠20の位置は固定され、さらに、外側表面16を有する枠部分14の一部が、そのような移動を妨げるので、カバー枠20の可能性ある上方への移動は生じることができない。
【0026】
一旦スナップ結合が確立されると、トレー10およびカバー枠20の枠部分14は、図5に示されるような相互の位置を有し、さらに手順における次のステップを、図6に例証されるように、実行することができる。手順におけるこの次のステップは、トレー10の開口側13を密閉し、かつ、カバー枠20と結合したときに完全なカバー25を形成するために、1片のカバーフォイル40を提供して、適用することを意図している。
【0027】
スナップ結合に関連した、トレー10およびカバー枠20の枠部分14の相互の位置において、トレー10の枠部分14の頂部面15、および、カバー枠20の頂部面26は、ほぼ等しいレベルに延びる。このように、両方の頂部面15、26は、その周囲で1片のカバーフォイル40を支持することができる。示された例において、1片のカバーフォイル40は、2つの場所、すなわち全周囲に沿ってトレー10の枠部分14の頂部面15で、および、また全周囲に沿ってカバー枠20の頂部面26で、トレー10とカバー枠20との組立体に結合される。その結果、トレー10は、気密の方法で密閉されること、さらにまた、カバー25が組み立てられることが達成され、カバーフォイル40とカバー枠20との間に堅固な結合がある。
【0028】
初期の段階では、既に1片のカバー40をカバー枠20の頂部面26に結合することが可能である。このことは、なお、トレー10およびカバー枠20の相互の移動の間に可能であり、それはスナップ結合を実現するために実行される。利点は、そのような場合において、製造工程はより速くなり得、さらにカバー枠20はスナップ結合に関係する位置を越えて移動されることができないということである。1片のカバーフォイル40とトレー10との間の結合は、通常、1片のカバーフォイル40とカバー枠20との間の結合と同じように強い必要はないので、後者の結合を確立することは、通常、最初の結合を確立するよりも多くの時間を必要とする。より多くの時間を要求する結合が、既に、トレー10およびカバー枠20の相互の移動の間に、少なくとも部分的に実現されるときに、時間を節約することができ、さらに、製造工程のコストを、このようにより低くすることができる。
【0029】
1片のカバーフォイル40とトレー10とカバー枠20との間の結合を確立するための可能性は、局部的に熱を供給しており、その結果、それが規定された場所で溶けるとともに、カバーフォイル40は、トレー10およびカバー枠20に結合される。このことは、適切なツール50の助けによってそれ自身知られたやり方で実行することができ、通常、ナイフ50と呼ばれ、その部分は、図6において図解的に示される。結合プロセスの間、カバー枠20、および、恐らくまたトレー10の枠部分14を支持することは有利であり得る。この目的のために、適切な支持51が、その場合に適用され、その一部分が図6において図解的に示される。
【0030】
トレー10およびカバー25の組立体は、材料(図示せず)をパッキングするために使用されるように定められており、その材料は、1片のカバーフォイル40を適用する以前の任意の適切な瞬間に、トレー10内に置かれる。特に、その材料は、食品生成物、例えば、サラダ、ナッツ、バター、およびヨーグルトのような他の乳製品を有することができる。通常、食品生成物の場合には、トレー10が最初の使用に先立って完全に密閉されることは重要である。このことは、上述の方法で達成される。変化した雰囲気、または望まれるような他の条件において行われることは、トレー10の密封のために可能である。
【0031】
パッケージの内容が、ユーザーによってパッケージの最初の開口に先立って外部影響から絶縁されることが必要でない場合、およびまたは、望まれていないときには、カバーフォイル40とカバー枠20との間の結合のみを確立することを支持して選ぶことは可能である。さらに言えば、この結合は、必ずしも全周囲に沿ってある必要はないが、しかし、このことは、堅固なカバー25を得るような要求を考慮して好ましく、この場合には、カバー枠20および1片のカバーフォイル40を容易に引き離すことができない。一般に、必要によって結合を得る必要がある場所を決定することは可能であり、トレー10の内部空間が完全に密閉されるために必要である可能性を考慮に入れることが、特に要求される。
【0032】
示された例において、トレー10とカバー25との組立体は、所望の結合を適用した後に、最初の使用のために準備される。その最初の使用において、ユーザーは、外側の突肉部22上の適所にカバー枠20を握持し、カバー枠20とトレー10との間のスナップ結合を外し、そして、トレー10からカバー25を引き離し、カバーフォイル40とカバー枠20との間の結合が、手を付けないままになっている間に、カバーフォイル40とトレー10との間の結合が外される。内側の突肉部21の内部表面23における後退した部分24を、外側表面16を有するトレー10の枠部分14の一部分の下側から傾けることによって、いわば、外側の突肉部22の支援によって、スナップ結合を外すことが可能である。1片のカバーフォイル40が、組立体の製造工程中に、トレー10およびカバー枠20の両方に結合されるときに、以前に言及したように、トレー10に対する結合をカバー枠20に対してよりも、より強くさせないことを支持して選ぶことが可能であり、その結果、1片のカバーフォイル40とトレー10との間の結合だけが外されることが保証される。
【0033】
最初の使用の後に、ユーザーは、トレー10上の適所にカバー25を戻し、かつ、プロセスにおいて下方への軽い圧力を及ぼすことにより、パッケージを再び閉じることができ、カバー25とトレー10との間のスナップ結合を、再び確立することができる。そのスナップ結合を外すことによって、そしてカバー25を除去することによってトレー10を再び開くこと、そしてトレー10上の適所にカバー25を置くことによって、そしてスナップ結合を確立することによってトレー10を再び閉じることのステップが、望ましい度毎に結合により、繰り返すことができる。
【0034】
トレー10およびカバー25の上述の組立体、およびそれを製造することができる方法の重要な利点は、以下において要約される。
【0035】
− この組立体は、全周囲に沿って確立されることが、1片のカバーフォイル40とトレー10との間の結合のために可能であるので、最初の使用に先立って気密のやり方でパックされる必要のある食品生成物をパックするのに適切である。1片のカバーフォイル40とカバー枠20との間の結合が、また全周囲に沿ってあるときには、それがカバー枠20に対してトレー10の変移を越えて位置するので、たとえ、カバー枠20上の密封が、多少それほど信頼できないとしてもダブルシールさえある。
【0036】
− 最初の使用に先立ってトレー10を密閉する目的のために、多くの従来の状況における場合であるものとは異なり、最初の使用の後に、もはや機能を有しない個別の片のカバーフォイル用の必要はない。結果として、この組立体は、より環境的にやさしい。その1片のカバーフォイル40がカバー25に統合される(integrated)ので、比較的に軽量なカバー25が得られ、その材料が節約された。
【0037】
− 組立体の製造工程は比較的単純で安価である。何故ならば、インジェクションモールディングによってトレー10およびカバー枠20の全体1を製造すること、圧力の影響下でカバー枠20を分離すること、単一でかつ比較的短い直線運動によるカバー20とトレー10と間のスナップ結合を確立すること、さらには、1片のカバーフォイル40を適用することよりも多くのステップを有する必要はないからである。
【0038】
− 組立体はユーザーによって容易に操作することができ、最初の使用において、カバー25とトレー10との間のスナップ結合を外すことができ、かつ、カバー25を単純なやり方でトレー10から引き離すことができ、そして、さらなる使用においては、カバー25とトレー10との間のスナップ結合を、容易に何度も繰り返して確立するか、または外すことができる。
【0039】
この発明の範囲は、先において議論された例に限定されないが、それのいくつかの変更および修正が、付属の請求項において定義されるような発明の範囲から逸脱することなく可能であることは、当業者に明らかである。1片のカバーフォイルに関して、任意の適切な材料、例えば、プラスチック、またはアルミニウムからそれを製造することができることは言及される。さらに、1片のカバーフォイル40は、例えば、情報目的、およびまたは広告目的のために、印刷を備えることができる。
【0040】
この発明は、以下のように要約することができる。パッケージを製造する目的のために、全体1は、インジェクションモールディングによって提供され、その全体1は、開口側13を有するプラスチックトレー10、および、トレー10の周囲の枠18においてトレー10の開口側13に位置し、さらにその周囲の枠18を囲むリング形状プラスチックカバー枠20を有する。カバー枠20は、比較的薄いプラスチックフィルム30によってトレー10に結合され、カバー枠20およびトレー10は、カバー枠20およびトレー10の制限された相互の移動を強制することによって、相互から分離される。さらに、1片のカバーフォイル40が、供給され、かつ少なくともカバー枠20に結合される。好ましくは、カバー枠20およびトレー10は、それらがもはや相互に完全な全体を形成しなかった後、スナップ結合によって相互との係合に入ることができるようにされる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 全体は、インジェクションモールディングによって提供され、その全体は、開口側(13)と、トレー(10)の周囲の枠(18)においてトレー(10)の開口側(13)に位置するとともにその周囲の枠(18)を囲み、さらに比較的薄いプラスチックフィルム(30)によってトレー(10)に結合されるリング形状プラスチックカバー枠(20)を有するプラスチックトレー(10)とを有してなり、カバー枠(20)およびトレー(10)は、カバー枠(20)およびトレー(10)の制限された相互の移動を強制することによって、相互から分離され、さらに、1片のカバーフォイル(40)が提供されて、少なくともカバー枠(20)に結合されるパッケージを製造する方法。
[2] 1片のカバーフォイル(40)は、カバー枠(20)およびトレー(10)の相互の移動の間に、少なくともカバー枠(20)に結合される[1]記載の方法。
[3] 一旦、カバー枠(20)およびトレー(10)が相互から分離されて、相互の移動が終了すると、1片のカバーフォイル(40)は、少なくともカバー枠(20)に結合される[1]記載の方法。
[4] カバー枠(20)の表面(26)、およびトレー(10)の開口側(13)に位置するトレー(10)の周囲面(15)が、実際に等しいレベルに位置するときに、カバー枠(20)およびトレー(10)の相互の移動は、終了される[1]−3のいずれか1項記載の方法。
[5] 1片のカバーフォイル(40)は、トレー(10)およびカバー枠(20)の両方に結合される[1]−4のいずれか1項記載の方法。
[6] 1片のカバーフォイル(40)とトレー(10)との間でよ枠しろ、1片のカバーフォイル(40)とカバー枠(20)との間でより強固な結合が実現される[5]記載の方法。
[7] 連続的な結合が、トレー(10)の全周囲に沿って、および、トレー(10)の開口側(13)で、さらにカバー枠全体(20)に沿って、実現される[5]または[6]記載の方法。
[8] カバー枠(20)およびトレー(10)の限定された相互の移動であり、その移動は相互からのカバー枠(20)およびトレー(10)を分離する目的で強制されるものであって、直線移動である[1]−7のいずれか1項記載の方法。
[9] カバー枠(20)およびトレー(10)は、カバー枠(20)およびトレー(10)の相互の移動の場合に、カバー枠(20)とトレー(10)との間のスナップ結合を確立するようにされる部品によって形成される[1]−8のいずれか1項記載の方法。
[10] カバー枠(20)およびトレー(10)の相互の移動は、カバー枠(20)とトレー(10)との間のスナップ結合の確立をもって終了される[9]記載の方法。
[11] カバー枠(20)は、後退した部分(24)を有する内部周面(23)で形成される[9]または[10]記載の方法。
[12] トレー(10)とカバー枠(20)との間の比較的薄いフィルム(30)は、割込みをもって形成される[1]−11のいずれか1項記載の方法。
[13] インジェクションモールディングによって、トレー(10)およびカバー枠(20)の全体(1)を製造する目的で、型は、カバー枠(20)を形成するための空洞が、比較的薄いフィルム(30)を形成するための空洞を介して、トレー(10)を形成するための空洞と連通して使用され、さらに、プラスチックは、インジェクションモールディング中にトレー(10)を形成するための空洞にのみ供給される[1]−12のいずれか1項記載の方法。
[14] カバーフォイル(40)と少なくともカバー枠(20)との間の結合は、局部的な発熱源の影響下で確立される[1]−13のいずれか1項記載の方法。
[15] 手段(51)は、カバーフォイル(40)と少なくともカバー枠(20)との間の結合の確立中に、少なくともカバー枠(20)を支持するために適用される[1]−14のいずれか1項記載の方法。
[16] パックされる材料は、1片のカバーフォイル(40)が、少なくともカバー枠(20)に結合される以前に、トレー(10)内に置かれる[1]−15のいずれか1項記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6