(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電線に取り付けられる第1端子と、基板のコネクタ搭載面に搭載される第2端子と、を備え、前記第1端子及び前記第2端子は金属によって形成されており、前記第1端子を前記第2端子へ嵌合させることで前記電線を前記基板に対して接続する、電線対基板コネクタであって、
前記第1端子を前記第2端子へ嵌合させた際に、前記電線の前記第1端子近傍における長手方向となる方向としての電線方向は、前記基板の前記コネクタ搭載面に対して平行であり、
前記第1端子を前記第2端子へ嵌合させる方向としての嵌合方向は、前記基板の前記コネクタ搭載面に対して近づく方向であり、
前記第2端子は、前記基板の前記コネクタ搭載面から離れるように延びるガイド棒部を有し、
前記第1端子には、前記ガイド棒部が挿入されるガイド孔部が形成されている、
電線対基板コネクタ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、
図1〜
図8を参照しつつ、本願発明の第1実施形態を説明する。
【0010】
図1及び
図2に示すように、電線対基板コネクタ1は、電線2に取り付けられるプラグ3(第1端子)と、基板4のコネクタ搭載面5に搭載されるレセプタクル6(第2端子)と、を備えている。プラグ3及びレセプタクル6は、金属によって形成されている。プラグ3及びレセプタクル6は、板金折り曲げによって形成されている。プラグ3及びレセプタクル6は、インシュレータを有さない所謂インシュレータレス端子(ハウジングレス端子)である。そして、プラグ3をレセプタクル6へ嵌合させることで、電線2は基板4に対して電気的に接続される。
【0011】
ここで、「電線方向」及び「コネクタ高さ方向」、「コネクタ幅方向」を定義する。
図1に示すように、「電線方向」は、プラグ3をレセプタクル6へ嵌合させた際に、電線2のプラグ3近傍における長手方向となる方向である。本実施形態において、「電線方向」は、基板4のコネクタ搭載面5に対して平行に設定されている。「電線方向」のうち、電線2からプラグ3を見る方向を「電線プラグ方向」とし、プラグ3から電線2を見る方向を「プラグ電線方向」とする。「コネクタ高さ方向」は、基板4のコネクタ搭載面5に対して直交する方向である。「コネクタ高さ方向」のうち、基板4のコネクタ搭載面5に近づく方向を「基板近接方向」とし、基板4のコネクタ搭載面5から離れる方向を「基板離間方向」とする。「コネクタ幅方向」は、電線方向及びコネクタ高さ方向の何れにも直交する方向である。「コネクタ幅方向」のうち、電線対基板コネクタ1の中央に近づく方向を「コネクタ幅中央方向」とし、電線対基板コネクタ1の中央から離れる方向を「コネクタ幅反中央方向」とする。
【0012】
図2に示すように、プラグ3をレセプタクル6へ嵌合させる方向としての嵌合方向Pは、基板4のコネクタ搭載面5に対して近づく方向である。従って、例えばレセプタクル6の周囲に他の部品が高い密度で配置されている場合、プラグ3をレセプタクル6へ嵌合させる際の作業性が良好である。本実施形態において、嵌合方向Pは、基板近接方向に一致している。従って、プラグ3をレセプタクル6へ嵌合させる際の作業性が一層良好である。
【0013】
(基板4)
図1及び
図2に示すように、基板4は、本実施形態において、例えば紙フェノール基板などのリジッド基板である。基板4は、リジッド基板に代えてフレキシブル基板でもよい。基板4のコネクタ搭載面5には、レセプタクル6がハンダ付けされる電極パッド7が形成されている。
【0014】
(電線2)
図3に示すように、電線2は、中心導体としての撚り線8と絶縁被覆9によって構成されている。撚り線8は、絶縁被覆9によって被覆されている。電線2の中心導体は、撚り線8に代えて単線でもよい。
【0015】
(プラグ3)
図3及び
図4には、電線2が取り付けられた状態のプラグ3が示されている。
図3及び
図4に示すように、プラグ3は、電線方向に沿って細長く形成されている。プラグ3は、電線プラグ方向で順に、電線保持部10及び電線接続部11(中心導体保持部)、プラグ本体12によって構成されている。プラグ3は、電線保持部10及び電線接続部11、プラグ本体12を備えて一体的に形成されている。
【0016】
電線保持部10は、電線2の絶縁被覆9を圧着して保持する部分である。電線保持部10は、底板部15と一対の保持部16によって構成されている。底板部15は、コネクタ高さ方向に対して直交する平板状の部分である。一対の保持部16は、底板部15のコネクタ幅方向の両端部に接続し、基板離間方向に向かって突出している。各保持部16の基板離間方向側の端部は、専用の圧着工具によって折り曲げられることで、コネクタ幅中央方向に向かって湾曲している。
【0017】
電線接続部11は、電線2の撚り線8を圧着して保持する部分である。電線接続部11は、電線2の撚り線8に対して電気的に接続している。電線接続部11は、底板部17と一対の保持部18によって構成されている。底板部17は、コネクタ高さ方向に対して直交する平板状の部分である。底板部17は、電線保持部10の底板部15の電線プラグ方向側の端部に接続している。一対の保持部18は、底板部17のコネクタ幅方向の両端部に接続し、基板離間方向に向かって突出している。各保持部18は、専用の圧着工具によって折り曲げられることで、コネクタ幅中央方向に向かってC字状に湾曲している。各保持部18は、基板離間方向側に膨らみ出るように湾曲している。
【0018】
プラグ本体12は、底板部19と直立棒ガイド部20、一対の接点梁23、一対の押し込み板部24、一対の接点片ガイド部25によって構成されている。
【0019】
底板部19は、コネクタ高さ方向に対して直交する平板状の部分である。底板部19は、電線接続部11の底板部17の電線プラグ方向側の端部に接続している。
【0020】
直立棒ガイド部20は、コネクタ高さ方向に対して直交する平板状の部分である。直立棒ガイド部20は、底板部19の電線プラグ方向側の端部に接続している。直立棒ガイド部20には、直立棒ガイド孔部22(ガイド孔部)が形成されている。直立棒ガイド孔部22は、直立棒ガイド部20の略中央部をコネクタ高さ方向に貫くように形成されている。
【0021】
一対の接点梁23、一対の押し込み板部24、一対の接点片ガイド部25は、コネクタ幅方向において左右対称の形状であるから、一方についてのみ説明し、他方の説明は省略する。
【0022】
接点梁23は、レセプタクル6に対する接点として機能する部分である。接点梁23は、梁状に形成されている。接点梁23は、片持ち梁状に形成されている。接点梁23は、底板部19によって支持された片持ち梁である。接点梁23は、底板部19のコネクタ幅方向の端部に接続し、底板部19に対して直角に起立した姿勢となっている。接点梁23は、底板部19から見て、電線プラグ方向に延びて形成されている。接点梁23は、電線プラグ方向で順に、基端部23a及び傾斜部23b、先端部23cによって構成されている。基端部23aは、底板部19のコネクタ幅方向の端部に接続し、コネクタ幅方向に対して直交する平板状の部分である。傾斜部23bは、基端部23aの電線プラグ方向側の端部に接続し、電線プラグ方向へ向かうにつれてコネクタ幅中央方向へ向かうように傾斜する平板状の部分である。先端部23cは、傾斜部23bの電線プラグ方向側の端部に接続し、コネクタ幅方向に対して直交する平板状の部分である。傾斜部23bの存在により、一方の接点梁23の基端部23aと他方の接点梁23の基端部23a間の距離と比較して、一方の接点梁23の先端部23cと他方の接点梁23の先端部23c間の距離は小さい。また、一方の接点梁23の先端部23cと他方の接点梁23の先端部23c間の距離は、レセプタクル6の板厚よりも小さくなるように設定されている。詳しくは、一方の接点梁23の先端部23cと他方の接点梁23の先端部23c間の距離は、後述するレセプタクル6の接点片47(
図5を併せて参照)の板厚よりも小さくなるように設定されている。そして、基端部23a及び傾斜部23bの存在により、先端部23cは、コネクタ幅反中央方向へ弾性変位可能となっている。
【0023】
押し込み板部24は、接点梁23の基端部23aの基板離間方向側の端部に接続し、コネクタ幅中央方向に延びる平板状の部分である。押し込み板部24は、コネクタ高さ方向に対して直交している。従って、押し込み板部24は、接点梁23を挟んで基板4と反対側に配置されていると言及することができる。一方の押し込み板部24と他方の押し込み板部24間の距離は可及的に小さく設定されている。
【0024】
接点片ガイド部25は、接点梁23の先端部23cの基板近接方向側の端部に接続し、基板近接方向に向かうにつれてコネクタ幅反中央方向に向かうように傾斜する平板状の部分である。
【0025】
(レセプタクル6)
図5〜
図7に示すように、レセプタクル6は、電線方向に細長く形成されている。レセプタクル6は、底板部40と一対の側板部41、直立棒42(ガイド棒部)、接点ユニット43、一対のガイド傾斜部44(傾斜部)、一対のロックユニット49によって構成されている。
【0026】
底板部40は、基板4のコネクタ搭載面5の電極パッド7(
図1及び
図2参照)にハンダ付けされる部分である。底板部40は、コネクタ高さ方向に対して直交する平板状に形成されている。底板部40は、矩形状であって、電線方向に沿って細長く形成されている。
【0027】
一対の側板部41は、コネクタ幅方向において左右対称の形状であるから、一方についてのみ説明し、他方の説明は省略する。側板部41は、底板部40の電線プラグ方向側の端部の、コネクタ幅方向における端部に接続し、基板離間方向に突出して形成されている。側板部41は、底板部40に対して直角に起立した姿勢となっている。即ち、側板部41は、コネクタ幅方向に対して直交した姿勢である。側板部41の電線方向における長さは、底板部40の電線方向における長さの3分の1である。
【0028】
直立棒42は、レセプタクル6のコネクタ幅方向の中央に配置され、底板部40から基板離間方向に延びて棒状に形成された部分である。直立棒42は、底板部40の電線プラグ方向側の端部を切り起こして形成されている。直立棒42は、底板部40に対して直角に起立した姿勢となっている。
【0029】
接点ユニット43は、プラグ3に対する接点として機能する部分である。接点ユニット43は、底板部40や一対の側板部41、直立棒42よりも、電線プラグ方向側に配置されている。接点ユニット43は、一方の側板部41に支持されている。接点ユニット43は、ユニット基端部45、ユニット中間部46、接点片47によって構成されている。ユニット基端部45は、一方の側板部41の電線プラグ方向側の端部に接続し、電線プラグ方向に延びる部分である。ユニット基端部45は、コネクタ幅方向に対して直交している。ユニット中間部46は、ユニット基端部45の電線プラグ方向側の端部に接続し、コネクタ幅中央方向に延びる部分である。ユニット中間部46は、電線方向に対して直交している。ユニット中間部46は、レセプタクル6のコネクタ幅方向の中央に至るまで延びている。接点片47は、ユニット中間部46のコネクタ幅中央方向側の端部に接続し、プラグ電線方向に延びる部分である。接点片47は、コネクタ幅方向に対して直交している。接点片47の基板離間方向側の端部には、接点片47の基板離間方向側の端部が基板離間方向に向かうにつれて先細るように、一対の傾斜面48が形成されている。ユニット基端部45及びユニット中間部46、接点片47の存在により、接点ユニット43は、基板近接方向で見て、U字を構成している。そして、
図6に示すように、接点ユニット43の接点片47は、底板部40から離れて形成されている。また、
図7に示すように、接点片47は、レセプタクル6を基板4のコネクタ搭載面5の電極パッド7にハンダ付けした際に、接点片47と電極パッド7との間に隙間gが形成されるように、底板部40と比較して若干浮いた状態で一方の側板部41に支持されている。端的に言えば、接点片47は、底板部40と比較して、基板4から遠くに配置されている。
【0030】
一対のロックユニット49は、ロック機構Rを構成する。一対のロックユニット49は、コネクタ幅方向において左右対称の形状であるから、一方についてのみ説明し、他方の説明は省略する。
【0031】
ロックユニット49は、ロック梁50と爪部51によって構成されている。ロック梁50は、側板部41に支持された梁状に形成されている。ロック梁50は、側板部41に支持された片持ち梁状に形成されている。ロック梁50は、側板部41のプラグ電線方向側の端部に接続し、プラグ電線方向に延びる平板状の部分である。ロック梁50は、コネクタ幅方向に対して直交している。
図7に示すように、ロック梁50のプラグ電線方向側の端部は、底板部40のプラグ電線方向側の端部の近傍に位置している。爪部51は、ロック梁50のプラグ電線方向側の端部に接続し、コネクタ幅中央方向に突出して形成された部分である。爪部51には、コネクタ幅中央方向に向かうにつれて基板近接方向に向かうように傾斜する傾斜面51aが形成されている。以上の構成で、爪部51は、ロック梁50の存在により、コネクタ幅反中央方向へ弾性変位可能となっている。
【0032】
一対のガイド傾斜部44は、コネクタ幅方向において左右対称の形状であるから、一方についてのみ説明し、他方の説明は省略する。ガイド傾斜部44は、側板部41の基板離間方向側の端部及びロック梁50の基板離間方向側の端部に接続している。ガイド傾斜部44は、電線方向に延びて形成されている。ガイド傾斜部44は、コネクタ幅中央方向に向かうにつれて基板近接方向に向かうように傾斜している。即ち、一対のガイド傾斜部44は、基板離間方向に向かうにつれて相互に離れるように傾斜している。
【0033】
(嵌合作業)
次に、プラグ3をレセプタクル6へ嵌合させる嵌合作業について説明する。参考までに、
図8には、プラグ3がレセプタクル6へ嵌合した状態を示している。
【0034】
先ず、
図2に示すように、プラグ3に電線2を取り付けた上で、プラグ3をレセプタクル6へ向けて移動させる。プラグ3のレセプタクル6への移動方向は、前述した嵌合方向Pで示される。このとき、
図4に示す直立棒ガイド孔部22内に、
図5に示す直立棒42が挿入されるように、プラグ3をレセプタクル6へ向けて移動させる。
【0035】
すると、
図5に示すレセプタクル6の一対のガイド傾斜部44の存在により、レセプタクル6に対するプラグ3のコネクタ幅方向における位置が自動的に調整される。このようにレセプタクル6に対するプラグ3のコネクタ幅方向における位置が調整された状態で、プラグ3をレセプタクル6に対して電線方向に往復移動させることで、又は目視により、直立棒42の基板離間方向側の端部が直立棒ガイド孔部22内に挿入され、もって、レセプタクル6に対するプラグ3の電線方向及びコネクタ幅方向における位置が決まる。これと略時を同じくして、
図4の一対の接点片ガイド部25が
図5の接点片47の一対の傾斜面48に接触すると共に、
図4の電線接続部11の底板部17が
図5の一対の爪部51の傾斜面51aに接触する。
【0036】
この状態で、
図3のプラグ本体12の一対の押し込み板部24を用いてプラグ3を基板近接方向に押し込むと、プラグ3とレセプタクル6は以下のように挙動する。
【0037】
(1)
図4のプラグ3のプラグ本体12が、
図5のレセプタクル6の一対の側板部41間に嵌め込まれる。この結果、レセプタクル6の一対の側板部41は、プラグ3のプラグ本体12をコネクタ幅方向で挟む。
【0038】
(2)
図5の直立棒42が、
図4の直立棒ガイド孔部22内に深く挿入される。
【0039】
(3)
図5の接点片47が、
図4の一対の接点梁23の弾性変形を伴って、一対の接点梁23の先端部23c間に圧入される。この結果、レセプタクル6の接点片47に対してプラグ3の一対の接点梁23の先端部23cが接点梁23のバネ復元力により確実に接触する。
【0040】
(4)
図4の電線接続部11が、
図5の一対の傾斜面51aを介して、一対のロック梁50を押し広げ、一対の爪部51がコネクタ幅反中央方向に弾性変位し、やがて、電線接続部11が一対の爪部51を乗り越えると、一対の爪部51がコネクタ幅中央方向へ復帰し、電線接続部11が、一対の爪部51に引っ掛かる。この結果、電線2が基板離間方向に引っ張られた際の、プラグ3のレセプタクル6からの離脱が防止される。
【0041】
以上に、本願発明の好適な第1実施形態を説明したが、上記第1実施形態は、以下の特長を有している。
【0042】
(1)電線2に取り付けられるプラグ3(第1端子)と、基板4のコネクタ搭載面5に搭載されるレセプタクル6(第2端子)と、を備え、プラグ3及びレセプタクル6は金属によって形成されており、プラグ3をレセプタクル6へ嵌合させることで電線2を基板4に対して接続する、電線対基板コネクタ1は、以下のように構成されている。プラグ3をレセプタクル6へ嵌合させた際に、電線2のプラグ3近傍における長手方向となる方向としての電線方向は、基板4のコネクタ搭載面5に対して平行である。プラグ3をレセプタクル6へ嵌合させる方向としての嵌合方向Pは、基板4のコネクタ搭載面5に対して近づく方向である。以上の構成によれば、プラグ3をレセプタクル6へ嵌合させる際の作業性がよい。
【0043】
(2)また、嵌合方向Pは、基板4のコネクタ搭載面5に対して直交する方向である。以上の構成によれば、プラグ3をレセプタクル6へ嵌合させる際の作業性が一層よい。
【0044】
(10)また、レセプタクル6に、レセプタクル6からのプラグ3の離脱を防止するロック機構Rが形成されている。本実施形態において、ロック機構Rは、一対のロックユニット49によって実現されている。ロック機構Rは、レセプタクル6に形成することに代えて、プラグ3に形成してもよく、プラグ3とレセプタクル6の両方に形成してもよい。
【0045】
(3)また、レセプタクル6は、基板4のコネクタ搭載面5に対して対向する底板部40と、レセプタクル6へ嵌合したプラグ3を、電線方向に対して直交する方向としてのコネクタ幅方向(電線直交方向)で挟む一対の側板部41と、を有する。以上の構成によれば、レセプタクル6に対するプラグ3のコネクタ幅方向での遊びが少なくなり、プラグ3がレセプタクル6によって確実に保持される。
【0046】
(4)また、レセプタクル6は、基板4のコネクタ搭載面5から離れるように延びる直立棒42(ガイド棒部)を有する。プラグ3には、直立棒42が挿入される直立棒ガイド孔部22(ガイド孔部)が形成されている。以上の構成によれば、プラグ3をレセプタクル6へ嵌合させる際に、レセプタクル6に対するプラグ3の位置決め効果が発揮される。また、以上の構成によれば、プラグ3のレセプタクル6からの電線方向における抜けが防止される。
【0047】
(5)また、プラグ3は、一対の梁状の接点梁23を有する。レセプタクル6は、一対の接点梁23の間に圧入される接点片47を有する。以上の構成によれば、プラグ3とレセプタクル6との確実な接触が実現される。
【0048】
(6)また、一対の接点梁23は、片持ち梁状に形成されている。
【0049】
(7)また、接点片47は、底板部40から離れて形成されている。以上の構成によれば、レセプタクル6の底板部40を基板4のコネクタ搭載面5に対してハンダ付けする場合、接点片47がハンダによって汚されることがない。
【0050】
(8)また、接点片47は、一対の側板部41のうち何れか一方の側板部41に支持されている。
【0051】
(9)また、プラグ3は、一対の接点梁23を挟んで基板4と反対側に配置され、嵌合方向に対して直交する平板状の押し込み板部24を有する。以上の構成によれば、プラグ3をレセプタクル6へ嵌合させるに際し、押し込み板部24を利用してプラグ3をレセプタクル6に向かって押し込めるので、作業性がよくなる。
【0052】
(11)また、レセプタクル6は、一対の側板部41に夫々支持されると共に、電線方向に梁状に延びる一対のロック梁50と、一対のロック梁50に夫々支持されると共に、相互に近づくように突出する一対の爪部51と、を有する。プラグ3をレセプタクル6へ嵌合させるとプラグ3がレセプタクル6の一対の爪部51に引っ掛かるように構成される。一対のロック梁50と一対の爪部51は、ロック機構Rを構成している。以上の構成によれば、一対の爪部51が弾性変位可能に支持されるので、プラグ3をレセプタクル6へ押し込むだけで、プラグ3がレセプタクル6によってロックされることになる。
【0053】
(12)また、プラグ3は、電線2の撚り線8
(導体)を保持する電線接続部11
(導体保持部)を有する。プラグ3をレセプタクル6へ嵌合させるとプラグ3の電線接続部11がレセプタクル6の一対の爪部51に引っ掛かるように構成されている。
【0054】
(13)また、レセプタクル6は、一対の側板部41に夫々接続し、基板4のコネクタ搭載面5から離れるにつれて相互に離れるように傾斜する、一対のガイド傾斜部44(傾斜部)を有する。以上の構成によれば、プラグ3をレセプタクル6へ嵌合させる際に、プラグ3をレセプタクル6の一対の側板部41間へと誘導する位置決め効果が発揮される。
【0055】
(第2実施形態)
次に、
図9及び
図10を参照しつつ、本願発明の第2実施形態を説明する。ここでは、本実施形態が上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明は適宜省略する。また、上記第1実施形態の各構成要素に対応する構成要素には原則として同一の符号を付すこととする。
【0056】
本実施形態のプラグ3は、第1実施形態のプラグ3と同一であるから、その説明は省略する。
【0057】
(レセプタクル6)
図9に示すように、レセプタクル6は、電線方向に細長く形成されている。レセプタクル6は、底板部140と一対の側板部141、直立棒142(ガイド棒部)、接点ユニット143、一対のガイド傾斜部144(傾斜部)、一対のロックユニット149によって構成されている。
【0058】
底板部140は、基板4のコネクタ搭載面5の電極パッド7(
図1及び
図2参照)にハンダ付けされる部分である。底板部140は、コネクタ高さ方向に対して直交する平板状に形成されている。底板部140は、矩形状であって、電線方向に沿って細長く形成されている。
【0059】
一対の側板部141は、コネクタ幅方向において左右対称の形状であるから、一方についてのみ説明し、他方の説明は省略する。側板部141は、底板部140のコネクタ幅方向における端部に接続し、基板離間方向に突出して形成されている。側板部141は、底板部140のプラグ電線方向側の端部と電線プラグ方向側の端部に接続している。底板部140のプラグ電線方向側の端部と電線プラグ方向側の端部の間において、側板部141と底板部140は相互に接続しておらず、側板部141と底板部140の間にスリットsが形成されている。このスリットsにより、側板部141は、コネクタ幅反中央方向に倒れるように弾性変形容易となっている。側板部141は、底板部140に対して直角に起立した姿勢となっている。即ち、側板部141は、コネクタ幅方向に対して直交した姿勢である。側板部141の電線方向における長さは、底板部140の電線方向における長さに等しい。
【0060】
直立棒142は、レセプタクル6のコネクタ幅方向の中央に配置され、底板部140から基板離間方向に延びて棒状に形成された部分である。直立棒142は、底板部140の電線プラグ方向側の端部を切り起こして形成されている。直立棒142は、底板部140に対して直角に起立した姿勢となっている。
【0061】
接点ユニット143は、プラグ3に対する接点として機能する部分である。接点ユニット143は、底板部140や一対の側板部141、直立棒142よりも、電線プラグ方向側に配置されている。接点ユニット143は、一方の側板部141に支持されている。接点ユニット143は、ユニット基端部145、ユニット中間部146、接点片147によって構成されている。ユニット基端部145は、一方の側板部141の電線プラグ方向側の端部に接続し、電線プラグ方向に延びる部分である。ユニット基端部145は、コネクタ幅方向に対して直交している。ユニット中間部146は、ユニット基端部145の電線プラグ方向側の端部に接続し、コネクタ幅中央方向に延びる部分である。ユニット中間部146は、電線方向に対して直交している。ユニット中間部146は、レセプタクル6のコネクタ幅方向の中央に至るまで延びている。接点片147は、ユニット中間部146のコネクタ幅中央方向側の端部に接続し、プラグ電線方向に延びる部分である。接点片147は、コネクタ幅方向に対して直交している。接点片147の基板離間方向側の端部には、接点片147の基板離間方向側の端部が基板離間方向に向かうにつれて先細るように、一対の傾斜面148が形成されている。ユニット基端部145及びユニット中間部146、接点片147の存在により、接点ユニット143は、基板近接方向で見て、U字を構成している。そして、接点ユニット143の接点片147は、底板部140から離れて形成されている(
図6を併せて参照)。また、接点片147は、レセプタクル6を基板4のコネクタ搭載面5の電極パッド7にハンダ付けした際に、接点片147と電極パッド7との間に隙間g(
図7を併せて参照)が形成されるように、底板部140と比較して若干浮いた状態で一方の側板部141に支持されている。端的に言えば、接点片147は、底板部140と比較して、基板4から遠くに配置されている。
【0062】
一対のロックユニット149は、ロック機構Rを構成している。一対のロックユニット149は、コネクタ幅方向において左右対称の形状であるから、一方についてのみ説明し、他方の説明は省略する。
【0063】
ロックユニット149は、起立部153と湾曲部154、傾斜部155によって構成されている。起立部153は、側板部141の基板離間方向側の端部に接続し、基板離間方向に延びる平板状の部分である。起立部153は、コネクタ幅方向に対して直交している。起立部153は、側板部141の電線方向における中央よりも若干プラグ電線方向側に配置されている。湾曲部154は、起立部153の基板離間方向側の端部に接続し、コネクタ幅中央方向へ向かって湾曲する部分である。傾斜部155は、湾曲部154のコネクタ幅中央方向側の端部に接続し、コネクタ幅中央方向へ向かうにつれて基板近接方向に向かうように傾斜する部分である。傾斜部155には、コネクタ幅中央方向へ向かうにつれて基板近接方向に向かうように傾斜する傾斜面155aが形成されている。以上の構成で、傾斜部155(傾斜面155a)は、湾曲部154の存在により、コネクタ幅反中央方向へ弾性変位可能となっている。ロックユニット149は、プラグ3をレセプタクル6に嵌合させる際に、プラグ3の電線接続部11(
図3を併せて参照)と接触するように配置されている。
【0064】
一対のガイド傾斜部144は、コネクタ幅方向において左右対称の形状であるから、一方についてのみ説明し、他方の説明は省略する。ガイド傾斜部144は、側板部141の基板離間方向側の端部に接続し、電線方向に延びて形成されている。ガイド傾斜部144は、ロックユニット149よりも電線プラグ方向側に配置されている。ガイド傾斜部144は、コネクタ幅中央方向に向かうにつれて基板近接方向に向かうように傾斜している。即ち、一対のガイド傾斜部144は、基板離間方向に向かうにつれて相互に離れるように傾斜している。
【0065】
(嵌合作業)
次に、プラグ3をレセプタクル6へ嵌合させる嵌合作業について説明する。参考までに、
図10には、プラグ3がレセプタクル6へ嵌合した状態を示している。
【0066】
先ず、プラグ3に電線2を取り付けた上で(
図2を併せて参照)、プラグ3をレセプタクル6へ向けて移動させる。プラグ3のレセプタクル6への移動方向は、前述した嵌合方向Pで示される。このとき、
図4に示す直立棒ガイド孔部22内に、
図9に示す直立棒142が挿入されるように、プラグ3をレセプタクル6へ向けて移動させる。
【0067】
すると、レセプタクル6の一対のガイド傾斜部144の存在により、レセプタクル6に対するプラグ3のコネクタ幅方向における位置が自動的に調整される。このようにレセプタクル6に対するプラグ3のコネクタ幅方向における位置が調整された状態で、プラグ3をレセプタクル6に対して電線方向に往復移動させることで、直立棒142の基板離間方向側の端部が直立棒ガイド孔部22内に挿入され、もって、レセプタクル6に対するプラグ3の電線方向及びコネクタ幅方向における位置が決まる。これと略時を同じくして、
図4の一対の接点片ガイド部25が
図9の接点片147の一対の傾斜面148に接触すると共に、
図4の電線接続部11の底板部17が
図9の一対の傾斜面155aに接触する。
【0068】
この状態で、
図3のプラグ本体12の一対の押し込み板部24を用いてプラグ3を基板近接方向に押し込むと、プラグ3とレセプタクル6は以下のように挙動する。
【0069】
(1)
図4のプラグ3のプラグ本体12が、
図9のレセプタクル6の一対の側板部141間に嵌め込まれる。この結果、レセプタクル6の一対の側板部141は、プラグ3のプラグ本体12をコネクタ幅方向で挟む。
【0070】
(2)
図9の直立棒142が、
図4の直立棒ガイド孔部22内に深く挿入される。
【0071】
(3)
図9の接点片147が、
図4の一対の接点梁23の弾性変形を伴って、一対の接点梁23の先端部23c間に圧入される。この結果、レセプタクル6の接点片147に対してプラグ3の一対の接点梁23の先端部23cが接点梁23のバネ復元力により確実に接触する。
【0072】
(4)
図4の電線接続部11が、
図9の一対の傾斜面155aを介して、一対の傾斜部155を押し広げ、一対の傾斜部155がコネクタ幅反中央方向に弾性変位し、やがて、電線接続部11が一対の傾斜面155aを乗り越えると、一対の傾斜部155がコネクタ幅中央方向へ復帰し、電線接続部11が、一対の傾斜部155に引っ掛かる。この結果、電線2が基板離間方向に引っ張られた際の、プラグ3のレセプタクル6からの離脱が防止される。なお、
図9に示すスリットsの存在により側板部141がコネクタ幅反中央方向に倒れるように弾性変形容易となっているので、一対の傾斜部155はコネクタ幅反中央方向に一層、弾性変位し易くなっている。
【0073】
(第3実施形態)
次に、
図11〜
図15を参照しつつ、本願発明の第3実施形態を説明する。ここでは、本実施形態が上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明は適宜省略する。また、上記第1実施形態の各構成要素に対応する構成要素には原則として同一の符号を付すこととする。
【0074】
(プラグ3)
図11及び
図12には、電線2が取り付けられた状態のプラグ3が示されている。
図11及び
図12に示すように、プラグ3は、電線方向に沿って細長く形成されている。プラグ3は、電線プラグ方向で順に、電線保持部210及び電線接続部211(中心導体保持部)、プラグ本体212によって構成されている。プラグ3は、電線保持部210及び電線接続部211、プラグ本体212を備えて一体的に形成されている。
【0075】
電線保持部210は、電線2の絶縁被覆9を圧着して保持する部分である。電線保持部210は、底板部215と一対の保持部216によって構成されている。底板部215は、コネクタ高さ方向に対して直交する平板状の部分である。一対の保持部216は、底板部215のコネクタ幅方向の両端部に接続し、基板近接方向に向かって突出している。各保持部216の基板近接方向側の端部は、専用の圧着工具によって折り曲げられることで、コネクタ幅中央方向に向かって湾曲している。
【0076】
電線接続部211は、電線2の撚り線8を圧着して保持する部分である。電線接続部211は、電線2の撚り線8に対して電気的に接続している。電線接続部211は、底板部217と一対の保持部218によって構成されている。底板部217は、コネクタ高さ方向に対して直交する平板状の部分である。底板部217は、電線保持部210の底板部215の電線プラグ方向側の端部に接続している。一対の保持部218は、底板部217のコネクタ幅方向の両端部に接続し、基板近接方向に向かって突出している。各保持部218は、専用の圧着工具によって折り曲げられることで、コネクタ幅中央方向に向かって湾曲している。各保持部218は、基板離間方向側に膨らみ出るように湾曲している。
【0077】
プラグ本体212は、底板部219と押し込み板部220、一対の接点梁223、一対の直立棒ガイド部224、一対のロックユニット225、一対の接点片ガイド部226によって構成されている。
【0078】
底板部219は、コネクタ高さ方向に対して直交する平板状の部分である。底板部219は、電線接続部211の底板部217の電線プラグ方向側の端部に接続している。
【0079】
押し込み板部220は、コネクタ高さ方向に対して直交する平板状の部分である。押し込み板部220は、底板部219の電線プラグ方向側の端部に接続している。
【0080】
一対の接点梁223、一対の直立棒ガイド部224、一対のロックユニット225、一対の接点片ガイド部226は、コネクタ幅方向において左右対称の形状であるから、一方についてのみ説明し、他方の説明は省略する。
【0081】
接点梁223は、レセプタクル6に対する接点として機能する部分である。接点梁223は、梁状に形成されている。接点梁223は、片持ち梁状に形成されている。接点梁223は、底板部219によって支持された片持ち梁である。接点梁223は、底板部219のコネクタ幅方向の端部に接続し、底板部219に対して直角に起立した姿勢となっている。接点梁223は、底板部219から見て、電線プラグ方向に延びて形成されている。接点梁223は、電線プラグ方向で順に、基端部223a及び傾斜部223b、先端部223cによって構成されている。基端部223aは、底板部219のコネクタ幅方向の端部に接続し、コネクタ幅方向に対して直交する平板状の部分である。傾斜部223bは、基端部223aの電線プラグ方向側の端部に接続し、電線プラグ方向へ向かうにつれてコネクタ幅中央方向へ向かうように傾斜する平板状の部分である。先端部223cは、傾斜部223bの電線プラグ方向側の端部に接続し、コネクタ幅方向に対して直交する平板状の部分である。傾斜部223bの存在により、一方の接点梁223の基端部223aと他方の接点梁223の基端部223a間の距離と比較して、一方の接点梁223の先端部223cと他方の接点梁223の先端部223c間の距離は小さい。また、一方の接点梁223の先端部223cと他方の接点梁223の先端部223c間の距離は、レセプタクル6の板厚よりも小さくなるように設定されている。そして、基端部223a及び傾斜部223bの存在により、先端部223cは、コネクタ幅反中央方向へ弾性変位可能となっている。接点梁223は、コネクタ高さ方向において、押し込み板部220と基板4との間に配置されている。即ち、押し込み板部220は、接点梁223を挟んで基板4と反対側に配置されていると言及できる。
【0082】
直立棒ガイド部224は、接点梁223の基端部223aの基板近接方向側の端部に接続し、電線プラグ方向に延びる平板状の部分である。直立棒ガイド部224は、コネクタ高さ方向に対して直交している。直立棒ガイド部224のコネクタ幅中央方向側の端部には、コネクタ幅中央方向に開口する切り欠き224aが形成されている。そして、一方の直立棒ガイド部224と他方の直立棒ガイド部224間の距離は可及的に小さく設定されている。一方の直立棒ガイド部224の切り欠き224aと他方の直立棒ガイド部224の切り欠き224aによって、直立棒ガイド孔部222(ガイド孔部)が構成されている。
【0083】
ロックユニット225は、ロック梁227と爪部228によって構成されている。ロック梁227は、接点梁223の基端部223aに接続し、基板近接方向に棒状に延びる部分である。ロック梁227は、基端部223aに支持された片持ち梁状に形成されている。爪部228は、ロック梁227の基板近接方向側の端部に接続し、プラグ電線方向に向かって突出する部分である。
【0084】
接点片ガイド部226は、接点梁223の先端部223cの基板近接方向側の端部に接続し、基板近接方向に向かうにつれてコネクタ幅反中央方向に向かうように傾斜する平板状の部分である。
【0085】
(レセプタクル6)
図13及び
図14に示すように、レセプタクル6は、電線方向に細長く形成されている。レセプタクル6は、底板部240と一対の側板部241、直立棒242(ガイド棒部)、接点ユニット243によって構成されている。
【0086】
底板部240は、基板4のコネクタ搭載面5の電極パッド7(
図1及び
図2参照)にハンダ付けされる部分である。底板部240は、電線方向に細長く形成されている。底板部240は、電線プラグ方向で順に、第1ハンダ付け部240aとロック板部240b、第2ハンダ付け部240cによって構成されている。第1ハンダ付け部240aは、コネクタ高さ方向に対して直交する平板状に形成されている。ロック板部240bは、第1ハンダ付け部240aの電線プラグ方向側の端部に接続し、第1ハンダ付け部240aと比較して基板離間方向側に若干隆起し、コネクタ高さ方向に対して直交する平板状に形成されている。ロック板部240bのコネクタ幅方向における両端部には、一対のロック孔部240dが形成されている。第2ハンダ付け部240cは、ロック板部240bの電線プラグ方向側の端部に接続し、ロック板部240bと比較して基板近接方向側に若干窪み、コネクタ高さ方向に対して直交する平板状に形成されている。第1ハンダ付け部240a及び第2ハンダ付け部240cは、基板4のコネクタ搭載面5の電極パッド7にハンダ付けされる。
【0087】
一対の側板部241は、コネクタ幅方向において左右対称の形状であるから、一方についてのみ説明し、他方の説明は省略する。側板部241は、底板部240の第2ハンダ付け部240cのコネクタ幅方向における端部に接続し、基板離間方向に突出して形成されている。側板部241は、底板部240に対して直角に起立した姿勢となっている。即ち、側板部241は、コネクタ幅方向に対して直交した姿勢である。
【0088】
直立棒242は、レセプタクル6のコネクタ幅方向の中央に配置され、底板部240から基板離間方向に延びて棒状に形成された部分である。直立棒242は、底板部240の第2ハンダ付け部240cの電線プラグ方向側の端部を切り起こして形成されている。直立棒242は、底板部240の第2ハンダ付け部240cに対して直角に起立した姿勢となっている。
【0089】
接点ユニット243は、プラグ3に対する接点として機能する部分である。接点ユニット243は、底板部240や一対の側板部241、直立棒242よりも、電線プラグ方向側に配置されている。接点ユニット243は、一方の側板部241に支持されている。接点ユニット243は、ユニット基端部245、ユニット中間部246、接点片247によって構成されている。ユニット基端部245は、一方の側板部241の電線プラグ方向側の端部に接続し、電線プラグ方向に延びる部分である。ユニット基端部245は、コネクタ幅方向に対して直交している。ユニット中間部246は、ユニット基端部245の電線プラグ方向側の端部に接続し、コネクタ幅中央方向に延びる部分である。ユニット中間部246は、電線方向に対して直交している。ユニット中間部246は、レセプタクル6のコネクタ幅方向の中央に至るまで延びている。接点片247は、ユニット中間部246のコネクタ幅中央方向側の端部に接続し、プラグ電線方向に延びる部分である。接点片247は、コネクタ幅方向に対して直交している。接点片247の基板離間方向側の端部には、接点片247の基板離間方向側の端部が基板離間方向に向かうにつれて先細るように、一対の傾斜面248が形成されている。ユニット基端部245及びユニット中間部246、接点片247の存在により、接点ユニット243は、基板近接方向で見て、U字を構成している。そして、
図14に示すように、接点ユニット243の接点片247は、底板部240から離れて形成されている。また、接点片247は、レセプタクル6を基板4のコネクタ搭載面5の電極パッド7にハンダ付けした際に、接点片247と電極パッド7との間に隙間g(
図7を併せて参照)が形成されるように、底板部240と比較して若干浮いた状態で一方の側板部241に支持されている。端的に言えば、接点片247は、底板部240と比較して、基板4から遠くに配置されている。
【0090】
(嵌合作業)
次に、プラグ3をレセプタクル6へ嵌合させる嵌合作業について説明する。参考までに、
図15には、プラグ3がレセプタクル6へ嵌合した状態を示している。
【0091】
先ず、
図2に示すように、プラグ3に電線2を取り付けた上で、プラグ3をレセプタクル6へ向けて移動させる。プラグ3のレセプタクル6への移動方向は、前述した嵌合方向Pで示される。このとき、
図12に示す直立棒ガイド孔部222内に、
図13に示す直立棒242が挿入されるように、プラグ3をレセプタクル6へ向けて移動させる。
【0092】
図12に示す直立棒ガイド孔部222内に、
図13に示す直立棒242が挿入されると、レセプタクル6に対するプラグ3の電線方向及びコネクタ幅方向における位置が決まる。これと略時を同じくして、
図12の一対の接点片ガイド部226が
図13の接点片247の一対の傾斜面248に接触すると共に、
図11の一対のロックユニット225の爪部228が、
図13の一対のロック板部240bのロック孔部240dの周縁に接触する。
【0093】
この状態で、
図11のプラグ本体12の押し込み板部220を用いてプラグ3を基板近接方向に押し込むと、プラグ3とレセプタクル6は以下のように挙動する。
【0094】
(1)
図11のプラグ3のプラグ本体212が、
図13のレセプタクル6の一対の側板部241間に嵌め込まれる。この結果、レセプタクル6の一対の側板部241は、プラグ3のプラグ本体212をコネクタ幅方向で挟む。
【0095】
(2)
図13の直立棒242が、
図12の直立棒ガイド孔部222内に深く挿入される。
【0096】
(3)
図13の接点片247が、
図12の一対の接点梁223の弾性変形を伴って、一対の接点梁223の先端部223c間に圧入される。この結果、レセプタクル6の接点片247に対してプラグ3の一対の接点梁223の先端部223cが接点梁223のバネ復元力により確実に接触する。
【0097】
(4)
図12の各ロックユニット225の爪部228が、各ロックユニット225のロック梁227の弾性変形を伴って、
図13の底板部240のロック板部240bの各ロック孔部240d内に進入し、やがて、各爪部228が各ロック孔部240dの周縁に引っ掛かる。この結果、電線2が基板離間方向に引っ張られた際の、プラグ3のレセプタクル6からの離脱が防止される。本実施形態において、ロック機構Rは、爪部228とロック孔部240dによって構成されている。
【0098】
(第4実施形態)
次に、
図16〜
図26を参照しつつ、本願発明の第4実施形態を説明する。ここでは、本実施形態が上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明は適宜省略する。
【0099】
図16及び
図17に示すように、電線対基板コネクタ1は、電線2に取り付けられるプラグ3と、基板4のコネクタ搭載面5に搭載されるレセプタクル6と、を備えている。プラグ3及びレセプタクル6は、金属によって形成されている。プラグ3及びレセプタクル6は、板金折り曲げによって形成されている。プラグ3及びレセプタクル6は、インシュレータを有さない所謂インシュレータレス端子(ハウジングレス端子)である。そして、プラグ3をレセプタクル6へ嵌合させることで、電線2は基板4に対して電気的に接続される。
【0100】
図17に示すように、プラグ3をレセプタクル6へ嵌合させる方向としての嵌合方向Pは、基板4のコネクタ搭載面5に対して近づく方向である。従って、プラグ3をレセプタクル6へ嵌合させる際の作業性が良好である。本実施形態において、嵌合方向Pは、基板近接方向に一致している。従って、プラグ3をレセプタクル6へ嵌合させる際の作業性が一層良好である。
【0101】
(プラグ3)
図18及び
図19には、電線2が取り付けられた状態のプラグ3が示されている。
図18及び
図19に示すように、プラグ3は、電線方向に沿って細長く形成されている。プラグ3は、電線プラグ方向で順に、電線保持部310及び電線接続部311(中心導体保持部)、プラグ本体312によって構成されている。プラグ3は、電線保持部310及び電線接続部311、プラグ本体312を備えて一体的に形成されている。
【0102】
電線保持部310は、電線2の絶縁被覆9を圧着して保持する部分である。電線保持部310は、底板部315と一対の保持部316によって構成されている。底板部315は、コネクタ高さ方向に対して直交する平板状の部分である。一対の保持部316は、底板部315のコネクタ幅方向の両端部に接続し、基板近接方向に向かって突出している。各保持部316の基板近接方向側の端部は、専用の圧着工具によって折り曲げられることで、コネクタ幅中央方向に向かって湾曲している。
【0103】
電線接続部311は、電線2の撚り線8を圧着して保持する部分である。電線接続部311は、電線2の撚り線8に対して電気的に接続している。電線接続部311は、底板部317と一対の保持部318によって構成されている。底板部317は、コネクタ高さ方向に対して直交する平板状の部分である。底板部317は、電線保持部310の底板部315の電線プラグ方向側の端部に接続している。一対の保持部318は、底板部317のコネクタ幅方向の両端部に接続し、基板近接方向に向かって突出している。各保持部318は、専用の圧着工具によって折り曲げられることで、コネクタ幅中央方向に向かってC字状に湾曲している。各保持部318は、基板近接方向側に膨らみ出るように湾曲している。
【0104】
プラグ本体312は、底板部319と一対の接点梁320、一対の突出部327によって構成されている。
【0105】
底板部319は、電線接続部311の底板部317の電線プラグ方向側の端部に接続し、電線プラグ方向に延びる平板状の部分である。底板部319は、コネクタ高さ方向に対して直交している。底板部319のコネクタ幅方向における中央には、電線方向に延びるスリット321が形成されている。底板部319は、スリット321の電線プラグ方向側を区画する先端内壁面321aと、スリット321のプラグ電線方向側を区画する基端内壁面321bと、を有する。
【0106】
一対の接点梁320、一対の突出部327は、コネクタ幅方向において左右対称の形状であるから、一方についてのみ説明し、他方の説明は省略する。
【0107】
接点梁320は、レセプタクル6に対する接点として機能する部分である。接点梁320は、梁状に形成されている。接点梁320は、片持ち梁状に形成されている。接点梁320は、底板部319によって支持された片持ち梁である。接点梁320は、底板部319のコネクタ幅方向の端部に接続し、底板部319に対して直角に起立した姿勢となっている。接点梁320は、基板離間方向で見て、プラグ電線方向に向かって開口するU字状に形成された片持ち梁である。接点梁320は、側板部322、湾曲部323、傾斜部324、接点部325によって構成されている。
【0108】
側板部322は、底板部319のコネクタ幅方向の端部に接続し、電線プラグ方向に延びる部分である。側板部322は、コネクタ幅方向に対して直交している。
図20に示すように、側板部322のプラグ電線方向寄りには、矩形状のロック孔部326が形成されている。側板部322は、ロック孔部326の基板近接方向側を区画する基板側内壁面326a、ロック孔部326の電線プラグ方向側を区画するプラグ側内壁面326b、ロック孔部326のプラグ電線方向側を区画する電線側内壁面326cを有している。基板側内壁面326aは、電線プラグ方向に向かうにつれて基板近接方向に向かうように傾斜して形成されている。プラグ側内壁面326b及び電線側内壁面326cは、電線方向に対して直交している。
【0109】
湾曲部323は、側板部322の電線プラグ方向側の端部に接続し、コネクタ幅中央方向へ向かってC字状に湾曲する部分である。
【0110】
傾斜部324は、湾曲部323の側板部322と反対側の端部に接続し、プラグ電線方向に延びる部分である。傾斜部324は、基板離間方向で見たときに、プラグ電線方向に向かうにつれてコネクタ幅中央方向に向かうように傾斜している。
【0111】
接点部325は、傾斜部324のプラグ電線方向側の端部に接続し、プラグ電線方向に延びる部分である。一方の接点梁320の接点部325と他方の接点梁320の接点部325間の距離は、レセプタクル6の板厚よりも小さくなるように設定されている。そして、傾斜部324及び湾曲部323の存在により、接点部325は、コネクタ幅反中央方向へ弾性変形可能となっている。
【0112】
突出部327は、側板部322の電線方向の中央部において基板近接方向に突出した部分である。
図20に示すように、突出部327は、突出部327の電線プラグ方向側の端面であるプラグ側端面327aと、突出部327のプラグ電線方向側の端面である電線側端面327bと、を有している。
【0113】
(レセプタクル6)
図21及び
図22に示すように、レセプタクル6は、電線方向に細長く形成されている。レセプタクル6は、底板部340と一対のロック梁341、接点ユニット342によって構成されている。
【0114】
底板部340は、基板4のコネクタ搭載面5の電極パッド7(
図16及び
図17参照)にハンダ付けされる部分である。底板部340は、電線方向に細長く形成されている。底板部340は、コネクタ高さ方向に対して直交している。底板部340のコネクタ幅方向の両端部には、コネクタ幅反中央方向に開口する切り欠き343が夫々形成されている。一対の切り欠き343は、底板部340の電線プラグ方向寄りに形成されている。底板部340は、切り欠き343の電線プラグ方向側を区画するプラグ側内壁面343aと、切り欠き343の電線プラグ方向側を区画する電線側内壁面343bと、を有する。
【0115】
一対のロック梁341は、コネクタ幅方向において左右対称の形状であるから、一方についてのみ説明し、他方の説明は省略する。ロック梁341は、底板部340のプラグ電線方向側の端部に接続し、電線プラグ方向に延びて形成されている。ロック梁341は、底板部340に対して直角に起立した姿勢となっている。ロック梁341は、コネクタ幅方向に対して直交している。ロック梁341の電線プラグ方向側の端部には、コネクタ幅中央方向に隆起したロック隆起部344が形成されている。ロック隆起部344は、ロック梁341の電線プラグ方向側の端部の、基板近接方向側の端部に形成されている。ロック隆起部344は、電線プラグ方向を向くプラグ側端面344aと、基板近接方向を向く基板側端面344bと、を有している。ロック隆起部344は、ロック梁341の弾性変形を伴って、コネクタ幅反中央方向に弾性変位可能となっている。なお、ロック梁341の電線方向の長さは、底板部340の電線方向の長さの4分の3である。
【0116】
接点ユニット342は、プラグ3に対する接点として機能する部分である。接点ユニット342は、底板部340に支持されている。接点ユニット342は、ユニット基端部345と接点片346によって構成されている。ユニット基端部345は、底板部340の電線プラグ方向側の端部に接続し、基板離間方向に突出した部分である。ユニット基端部345は、底板部340の電線プラグ方向側の端部のコネクタ幅方向における片側の部分に接続している。ユニット基端部345は、電線方向に対して直交している。接点片346は、ユニット基端部345のコネクタ幅中央方向側の端部に接続し、プラグ電線方向に延びて形成されている。接点片346は、コネクタ幅方向に対して直交している。接点片346には、基板離間方向に突出する先細り部347が形成されている。先細り部347は、接点片346の基板離間方向側の端部に形成されている。先細り部347は、接点片346のプラグ電線方向寄りに形成されている。先細り部347には、先細り部347が基板離間方向に向かうにつれて先細るように、一対の傾斜面348が形成されている。先細り部347は、電線プラグ方向を向くプラグ側端面347aと、プラグ電線方向を向く電線側端面347bと、を有している。ユニット基端部345と接点片346の存在により、接点ユニット342は、基板近接方向で見て、L字を構成している。そして、
図23に示すように、接点ユニット342の接点片346は、底板部340から離れて形成されている。即ち、接点ユニット342の接点片346と底板部340の間には、隙間hが形成されている。端的に言えば、接点片346は、底板部340と比較して、基板4から遠くに配置されている。
【0117】
(嵌合作業)
次に、プラグ3をレセプタクル6へ嵌合させる嵌合作業について説明する。参考までに、
図24及び
図25には、プラグ3がレセプタクル6へ嵌合した状態を示している。
【0118】
先ず、
図17に示すように、プラグ3に電線2を取り付けた上で、プラグ3をレセプタクル6へ向けて移動させる。プラグ3のレセプタクル6への移動方向は、前述した嵌合方向Pで示される。このとき、
図18に示すプラグ3のプラグ本体312の一対の接点梁320の側板部322が、
図21に示すレセプタクル6の一対のロック梁341間に収まるように、プラグ3をレセプタクル6へ向けて移動させる。
【0119】
すると、
図19の一対の接点部325が
図21の先細り部347の一対の傾斜面348に接触すると共に、
図19の一対の側板部322が
図21の一対のロック隆起部344に接触する。
【0120】
この状態で、
図18のプラグ本体312の底板部319を用いてプラグ3を基板近接方向に押し込むと、プラグ3とレセプタクル6は以下のように挙動する。
【0121】
(1)
図21の接点片346が、
図19の一対の接点梁320の弾性変形を伴って、一対の接点梁320の接点部325間に圧入される。この結果、レセプタクル6の接点片346に対してプラグ3の一対の接点梁320の接点部325が接点梁320のバネ復元力により確実に接触する。
【0122】
(2)そして、やがて、
図21の接点片346の先細り部347が
図18の底板部319のスリット321に挿入される。このとき、
図21の先細り部347のプラグ側端面347aが、
図18の底板部319の先端内壁面321aと対向する。また、
図21の先細り部347の電線側端面347bが、
図18の底板部319の基端内壁面321bと対向する。これにより、プラグ3のレセプタクル6に対する電線方向での移動が拘束されることになる。
【0123】
(3)
図19の一対の側板部322が、
図21の一対のロック隆起部344を介して、一対のロック梁341を押し広げ、一対のロック隆起部344がコネクタ幅反中央方向に弾性変位し、やがて、一対のロック隆起部344がコネクタ幅中央方向へ復帰すると共に、一対のロック隆起部344が一対のロック孔部326内に収容される。そして、
図21のロック隆起部344の基板側端面344bが
図20のロック孔部326の基板側内壁面326aと対向する。この結果、電線2が基板離間方向に引っ張られた際の、プラグ3のレセプタクル6からの離脱が防止される。本実施形態において、ロック機構Rは、
図21のロック梁341のロック隆起部344と、
図20のロック孔部326によって実現されている。なお、
図26に示すように、側板部322の基板側内壁面326aは、電線プラグ方向に向かうにつれて基板近接方向に向かうように傾斜している。一方、ロック隆起部344の基板側端面344bは、コネクタ高さ方向に対して直交している。従って、ロック隆起部344の基板側端面344bと、側板部322の基板側内壁面326aとの隙間iは、プラグ電線方向に向かうにつれて狭くなっている。この結果、電線2が基板離間方向に引っ張られた際に、プラグ3がレセプタクル6内で、電線保持部310が基板離間方向に変位するように回転してしまうのが効果的に抑制される。
【0124】
(4)また、ロック隆起部344がロック孔部326内に収容されると、
図21のロック隆起部344のプラグ側端面344aが
図20のロック孔部326のプラグ側内壁面326bと対向する。この結果、プラグ3のレセプタクル6に対する電線プラグ方向での移動が拘束されることになる。
【0125】
(5)また、
図20の突出部327が
図21の切り欠き343内に収容され、
図20の突出部327のプラグ側端面327aが
図21の切り欠き343のプラグ側内壁面343aと対向し、
図20の突出部327の電線側端面327bが
図21の切り欠き343の電線側内壁面343bと対向する。この結果、プラグ3のレセプタクル6に対する電線方向での移動が拘束されることになる。
【0126】
(第5実施形態)
次に、
図27〜
図31を参照しつつ、本願発明の第5実施形態を説明する。ここでは、本実施形態が上記第4実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明は適宜省略する。また、上記第4実施形態の各構成要素に対応する構成要素には原則として同一の符号を付すこととする。
【0127】
(プラグ3)
図27には、電線2が取り付けられた状態のプラグ3が示されている。
図27に示すように、プラグ3は、電線方向に沿って細長く形成されている。プラグ3は、電線プラグ方向で順に、電線保持部410及び電線接続部411(中心導体保持部)、プラグ本体412によって構成されている。プラグ3は、電線保持部410及び電線接続部411、プラグ本体412を備えて一体的に形成されている。
【0128】
電線保持部410は、電線2の絶縁被覆9を圧着して保持する部分である。電線保持部410は、底板部415と一対の保持部416によって構成されている。底板部415は、コネクタ高さ方向に対して直交する平板状の部分である。一対の保持部416は、底板部415のコネクタ幅方向の両端部に接続し、基板近接方向に向かって突出している。各保持部416の基板近接方向側の端部は、専用の圧着工具によって折り曲げられることで、コネクタ幅中央方向に向かって湾曲している。
【0129】
電線接続部411は、電線2の撚り線8を圧着して保持する部分である。電線接続部411は、電線2の撚り線8に対して電気的に接続している。電線接続部411は、底板部417と一対の保持部418によって構成されている。底板部417は、コネクタ高さ方向に対して直交する平板状の部分である。底板部417は、電線保持部410の底板部415の電線プラグ方向側の端部に接続している。一対の保持部418は、底板部417のコネクタ幅方向の両端部に接続し、基板近接方向に向かって突出している。各保持部418は、専用の圧着工具によって折り曲げられることで、コネクタ幅中央方向に向かってC字状に湾曲している。各保持部418は、基板近接方向側に膨らみ出るように湾曲している。
【0130】
プラグ本体312は、底板部419と一対の接点梁420によって構成されている。
【0131】
底板部419は、電線接続部411の底板部417の電線プラグ方向側の端部に接続し、電線プラグ方向に延びる平板状の部分である。底板部419は、コネクタ高さ方向に対して直交している。底板部419のコネクタ幅方向における中央には、電線方向に延びるスリット421が形成されている。底板部419は、スリット421の電線プラグ方向側を区画する先端内壁面421aと、スリット421のプラグ電線方向側を区画する基端内壁面421bと、を有する。
【0132】
一対の接点梁420は、コネクタ幅方向において左右対称の形状であるから、一方についてのみ説明し、他方の説明は省略する。
【0133】
接点梁420は、レセプタクル6に対する接点として機能する部分である。接点梁420は、梁状に形成されている。接点梁420は、片持ち梁状に形成されている。接点梁420は、底板部419によって支持された片持ち梁である。接点梁420は、底板部419のコネクタ幅方向の端部に接続し、底板部419に対して直角に起立した姿勢となっている。接点梁420は、基板離間方向で見て、プラグ電線方向に向かって開口するU字状に形成された片持ち梁である。接点梁420は、側板部422、湾曲部423、傾斜部424、接点部425によって構成されている。接点梁420の形状は、第4実施形態の接点梁320の形状と完全同一である。傾斜部424及び接点部425については、
図19の傾斜部324及び接点部325を併せて参照されたい。
【0134】
側板部422は、底板部419のコネクタ幅方向の端部に接続し、電線プラグ方向に延びる部分である。側板部422は、コネクタ幅方向に対して直交している。側板部422のプラグ電線方向寄りには、コネクタ幅反中央方向に反り返ったロック爪部426が形成されている。ロック爪部426は、側板部422のプラグ電線方向寄りの部分を切り起こして形成されている。ロック爪部426は、基板離間方向に向かうにつれてコネクタ幅反中央方向に反り返る片持ち梁として形成されている。
図28に示すように、ロック爪部426は、電線プラグ方向を向くプラグ側端面426aと、プラグ電線方向を向く電線側端面426bと、概ね基板離間方向を向く先端面426cと、を有する。また、側板部422は、基板近接方向に突出した突出部427を有している。突出部427は、突出部427の電線プラグ方向側の端面であるプラグ側端面427aを有している。
【0135】
湾曲部423は、側板部422の電線プラグ方向側の端部に接続し、コネクタ幅中央方向へ向かってC字状に湾曲する部分である。
【0136】
傾斜部424は、湾曲部423の側板部422と反対側の端部に接続し、プラグ電線方向に延びる部分である。傾斜部424は、プラグ電線方向に向かうにつれてコネクタ幅中央方向に向かうように傾斜している。
【0137】
接点部425は、傾斜部424のプラグ電線方向側の端部に接続し、プラグ電線方向に延びる部分である。一方の接点梁420の接点部425と他方の接点梁420の接点部425間の距離は、レセプタクル6の板厚よりも小さくなるように設定されている。そして、傾斜部424及び湾曲部423の存在により、接点部425は、コネクタ幅反中央方向へ弾性変形可能となっている。
【0138】
(レセプタクル6)
図29に示すように、レセプタクル6は、電線方向に細長く形成されている。レセプタクル6は、底板部440と一対の側板部441、接点ユニット442によって構成されている。
【0139】
底板部440は、基板4のコネクタ搭載面5の電極パッド7(
図16及び
図17参照)にハンダ付けされる部分である。底板部440は、電線方向に細長く形成されている。底板部440は、コネクタ高さ方向に対して直交している。底板部440のコネクタ幅方向の両端部には、コネクタ幅反中央方向に開口する切り欠き443が夫々形成されている。一対の切り欠き443は、底板部440の電線方向中央に形成されている。底板部440は、切り欠き443の電線プラグ方向側を区画するプラグ側内壁面443aを有する。
【0140】
一対の側板部441は、コネクタ幅方向において左右対称の形状であるから、一方についてのみ説明し、他方の説明は省略する。側板部441は、底板部440のプラグ電線方向側の端部及び電線プラグ方向側の端部に接続し、電線方向に延びて形成されている。側板部441は、底板部440に対して直角に起立した姿勢となっている。側板部441は、コネクタ幅方向に対して直交している。側板部441は、コネクタ幅反中央方向側に倒れるように弾性変形可能となっている。側板部441の電線方向中央には、基板近接方向に開口するロック切り欠き部444が形成されている。ロック切り欠き部444は、側板部441の基板近接方向側の端部に形成されている。ロック切り欠き部444は、コネクタ幅中央方向で見て、矩形状に形成されている。
図30に示すように、側板部441は、ロック切り欠き部444の基板離間方向側を区画するロック面444a、ロック切り欠き部444の電線プラグ方向側を区画するプラグ側内壁面444b、ロック切り欠き部444のプラグ電線方向側を区画する電線側内壁面444cを有している。ロック面444aは、コネクタ高さ方向に対して直交している。プラグ側内壁面444b及び電線側内壁面444cは、電線方向に対して直交している。なお、側板部441の電線方向の長さは、底板部440の電線方向の長さと略等しい。
【0141】
接点ユニット442は、プラグ3に対する接点として機能する部分である。接点ユニット442は、底板部440に支持されている。接点ユニット442は、ユニット基端部445と接点片446によって構成されている。ユニット基端部445は、底板部440の電線プラグ方向側の端部に接続し、基板離間方向に突出した部分である。ユニット基端部445は、底板部440の電線プラグ方向側の端部のコネクタ幅方向における片側の部分に接続している。ユニット基端部445は、電線方向に対して直交している。接点片446は、ユニット基端部445のコネクタ幅中央方向側の端部に接続し、プラグ電線方向に延びて形成されている。接点片446は、コネクタ幅方向に対して直交している。接点片446には、基板離間方向に突出する先細り部447が形成されている。先細り部447は、接点片446の基板離間方向側の端部に形成されている。先細り部447は、接点片446のプラグ電線方向寄りに形成されている。先細り部447には、先細り部447が基板離間方向に向かうにつれて先細るように、一対の傾斜面448が形成されている。先細り部447は、電線プラグ方向を向くプラグ側端面447aと、プラグ電線方向を向く電線側端面447bと、を有している。ユニット基端部445及び接点片446の存在により、接点ユニット442は、基板近接方向で見て、L字を構成している。そして、接点ユニット442の接点片446は、底板部440から離れて形成されている。即ち、接点ユニット442の接点片446と底板部440の間には、隙間h(
図23を併せて参照)が形成されている。端的に言えば、接点片446は、底板部440と比較して、基板4から遠くに配置されている。
【0142】
(嵌合作業)
次に、プラグ3をレセプタクル6へ嵌合させる嵌合作業について説明する。参考までに、
図31には、プラグ3がレセプタクル6へ嵌合した状態を示している。
【0143】
先ず、
図17に示すように、プラグ3に電線2を取り付けた上で、プラグ3をレセプタクル6へ向けて移動させる。プラグ3のレセプタクル6への移動方向は、前述した嵌合方向Pで示される。このとき、
図27に示すプラグ3のプラグ本体412の一対の接点梁420の側板部422が、
図29に示すレセプタクル6の一対の側板部441間に収まるように、プラグ3をレセプタクル6へ向けて移動させる。
【0144】
すると、
図27の一対の接点部425が
図29の接点片446の一対の傾斜面448に接触すると共に、
図27の一対のロック爪部426が
図29の一対の側板部441に接触する。
【0145】
この状態で、
図27のプラグ本体412の底板部419を用いてプラグ3を基板近接方向に押し込むと、プラグ3とレセプタクル6は以下のように挙動する。
【0146】
(1)
図29の接点片446が、
図27の一対の接点梁420の弾性変形を伴って、一対の接点梁420の接点部425間に圧入される。この結果、レセプタクル6の接点片446に対してプラグ3の一対の接点梁420の接点部425が接点梁420のバネ復元力により確実に接触する。
【0147】
(2)そして、やがて、
図29の接点片446の先細り部447が
図27の底板部419のスリット421に挿入される。このとき、
図29の先細り部447のプラグ側端面447aが、
図27の底板部419の先端内壁面421aと対向する。また、
図29の先細り部447の電線側端面447bが、
図27の底板部419の基端内壁面421bと対向する。これにより、プラグ3のレセプタクル6に対する電線方向での移動が拘束されることになる。
【0148】
(3)
図27の一対のロック爪部426が、
図29の一対の側板部441を押し広げ、一対の側板部441がコネクタ幅反中央方向に弾性変位し、やがて、一対のロック爪部426がロック切り欠き部444内に至ると、一対の側板部441がコネクタ幅中央方向へバネ復元力により復帰し、一対のロック爪部426が一対のロック切り欠き部444内に収容される。そして、
図28のロック爪部426の先端面426cが
図30のロック切り欠き部444のロック面444aと対向する。この結果、電線2が基板離間方向に引っ張られた際の、プラグ3のレセプタクル6からの離脱が防止される。本実施形態において、ロック機構Rは、
図27のロック爪部426と、
図29のロック切り欠き部444によって実現されている。
【0149】
(4)また、ロック爪部426がロック切り欠き部444内に収容されると、
図28のロック爪部426のプラグ側端面426aが
図30のロック切り欠き部444のプラグ側内壁面444bと対向する。同時に、
図28のロック爪部426の電線側端面426bが
図30のロック切り欠き部444の電線側内壁面444cと対向する。この結果、プラグ3のレセプタクル6に対する電線方向での移動が拘束されることになる。
【0150】
(5)また、
図27の突出部427が
図29の切り欠き443内に収容され、
図27の突出部427のプラグ側端面427aが
図29の切り欠き443のプラグ側内壁面443aと対向する。この結果、プラグ3のレセプタクル6に対する電線プラグ方向での移動が拘束されることになる。
【0151】
(第6実施形態)
次に、
図32〜
図35を参照しつつ、本願発明の第6実施形態を説明する。ここでは、本実施形態が上記第4実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明は適宜省略する。また、上記第4実施形態の各構成要素に対応する構成要素には原則として同一の符号を付すこととする。
【0152】
(プラグ3)
図32には、電線2が取り付けられた状態のプラグ3が示されている。
図32に示すように、プラグ3は、電線方向に沿って細長く形成されている。プラグ3は、電線プラグ方向で順に、電線保持部510及び電線接続部511(中心導体保持部)、プラグ本体512によって構成されている。プラグ3は、電線保持部510及び電線接続部511、プラグ本体512を備えて一体的に形成されている。
【0153】
電線保持部510は、電線2の絶縁被覆9を圧着して保持する部分である。電線保持部510は、底板部515と一対の保持部516によって構成されている。底板部515は、コネクタ高さ方向に対して直交する平板状の部分である。一対の保持部516は、底板部515のコネクタ幅方向の両端部に接続し、基板近接方向に向かって突出している。各保持部516の基板近接方向側の端部は、専用の圧着工具によって折り曲げられることで、コネクタ幅中央方向に向かって湾曲している。
【0154】
電線接続部511は、電線2の撚り線8を圧着して保持する部分である。電線接続部511は、電線2の撚り線8に対して電気的に接続している。電線接続部511は、底板部517と一対の保持部518によって構成されている。底板部517は、コネクタ高さ方向に対して直交する平板状の部分である。底板部517は、電線保持部510の底板部515の電線プラグ方向側の端部に接続している。一対の保持部518は、底板部517のコネクタ幅方向の両端部に接続し、基板近接方向に向かって突出している。各保持部518は、専用の圧着工具によって折り曲げられることで、コネクタ幅中央方向に向かってC字状に湾曲している。各保持部518は、基板近接方向側に膨らみ出るように湾曲している。
【0155】
プラグ本体512は、底板部519と一対の接点梁520、一対のロックユニット526によって構成されている。
【0156】
底板部519は、電線接続部511の底板部517の電線プラグ方向側の端部に接続し、電線プラグ方向に延びる平板状の部分である。底板部519は、コネクタ高さ方向に対して直交している。底板部519のコネクタ幅方向における中央には、電線方向に延びるスリット521が形成されている。底板部519は、スリット521の電線プラグ方向側を区画する先端内壁面521aと、スリット521のプラグ電線方向側を区画する基端内壁面521bと、を有する。
【0157】
一対の接点梁520、一対のロックユニット526は、コネクタ幅方向において左右対称の形状であるから、一方についてのみ説明し、他方の説明は省略する。
【0158】
接点梁520は、レセプタクル6に対する接点として機能する部分である。接点梁520は、梁状に形成されている。接点梁520は、片持ち梁状に形成されている。接点梁520は、底板部519によって支持された片持ち梁である。接点梁520は、底板部519のコネクタ幅方向の端部に接続し、底板部519に対して直角に起立した姿勢となっている。接点梁520は、基板離間方向で見て、プラグ電線方向に向かって開口するU字状に形成された片持ち梁である。接点梁520は、側板部522、湾曲部523、傾斜部524、接点部525によって構成されている。接点梁520の形状は、第4実施形態の接点梁320の形状と完全同一である。傾斜部524及び接点部525については、
図19の傾斜部324及び接点部325を併せて参照されたい。
【0159】
側板部522は、底板部519のコネクタ幅方向の端部に接続し、電線プラグ方向に延びる部分である。側板部522は、コネクタ幅方向に対して直交している。
【0160】
湾曲部523は、側板部522の電線プラグ方向側の端部に接続し、コネクタ幅中央方向へ向かってC字状に湾曲する部分である。
【0161】
傾斜部524は、湾曲部523の側板部522と反対側の端部に接続し、プラグ電線方向に延びる部分である。傾斜部524は、プラグ電線方向に向かうにつれてコネクタ幅中央方向に向かうように傾斜している。
【0162】
接点部525は、傾斜部524のプラグ電線方向側の端部に接続し、プラグ電線方向に延びる部分である。一方の接点梁520の接点部525と他方の接点梁520の接点部525間の距離は、レセプタクル6の板厚よりも小さくなるように設定されている。そして、傾斜部524及び湾曲部523の存在により、接点部525は、コネクタ幅反中央方向へ弾性変形可能となっている。
【0163】
ロックユニット526は、
図33に示すように、ロック梁526a、ロック梁526b、爪部526c、爪部526dによって構成されている。ロック梁526a及びロック梁526bは、接点梁520のプラグ電線方向側の端部に接続し、基板近接方向に延びる片持ち梁である。ロック梁526aは、ロック梁526bよりも電線プラグ方向側に配置されている。爪部526cは、ロック梁526aの基板近接方向側の端部に接続し、電線プラグ方向に突出する部分である。爪部526dは、ロック梁526bの基板近接方向側の端部に接続し、プラグ電線方向に突出する部分である。
【0164】
(レセプタクル6)
図34に示すように、レセプタクル6は、電線方向に細長く形成されている。レセプタクル6は、底板部540と接点ユニット543によって構成されている。
【0165】
底板部340は、基板4のコネクタ搭載面5の電極パッド7(
図16及び
図17参照)にハンダ付けされる部分である。底板部540は、電線方向に細長く形成されている。底板部540は、電線プラグ方向で順に、第1ハンダ付け部540aとロック板部540b、第2ハンダ付け部540cによって構成されている。第1ハンダ付け部540aは、コネクタ高さ方向に対して直交する平板状に形成されている。ロック板部540bは、第1ハンダ付け部540aの電線プラグ方向側の端部に接続し、第1ハンダ付け部540aと比較して基板離間方向側に若干隆起し、コネクタ高さ方向に対して直交する平板状に形成されている。ロック板部540bのコネクタ幅方向における両端部には、一対のロック孔部540dが形成されている。第2ハンダ付け部540cは、ロック板部540bの電線プラグ方向側の端部に接続し、ロック板部540bと比較して基板近接方向側に若干窪み、コネクタ高さ方向に対して直交する平板状に形成されている。第1ハンダ付け部540a及び第2ハンダ付け部540cは、基板4のコネクタ搭載面5の電極パッド7にハンダ付けされる。
【0166】
接点ユニット543は、プラグ3に対する接点として機能する部分である。接点ユニット543は、底板部540に支持されている。接点ユニット543は、ユニット基端部545と接点片546によって構成されている。ユニット基端部545は、底板部540の電線プラグ方向側の端部に接続し、基板離間方向に突出した部分である。ユニット基端部545は、底板部540の電線プラグ方向側の端部のコネクタ幅方向における片側の部分に接続している。ユニット基端部545は、電線方向に対して直交している。接点片546は、ユニット基端部545のコネクタ幅中央方向側の端部に接続し、プラグ電線方向に延びて形成されている。接点片546は、コネクタ幅方向に対して直交している。接点片546は、基板離間方向に突出する先細り部547が形成されている。先細り部547は、接点片546の基板離間方向側の端部に形成されている。先細り部547は、接点片546のプラグ電線方向寄りに形成されている。先細り部547には、先細り部547が基板離間方向に向かうにつれて先細るように、一対の傾斜面548が形成されている。先細り部547は、電線プラグ方向を向くプラグ側端面547aと、プラグ電線方向を向く電線側端面547bと、を有している。ユニット基端部545と接点片546の存在により、接点ユニット543は、基板近接方向で見て、L字を構成している。そして、接点ユニット543の接点片546は、底板部540から離れて形成されている。即ち、接点ユニット543の接点片546と底板部540の間には、隙間h(
図23を併せて参照)が形成されている。端的に言えば、接点片546は、底板部540と比較して、基板4から遠くに配置されている。
【0167】
(嵌合作業)
次に、プラグ3をレセプタクル6へ嵌合させる嵌合作業について説明する。参考までに、
図35には、プラグ3がレセプタクル6へ嵌合した状態を示している。
【0168】
先ず、
図17に示すように、プラグ3に電線2を取り付けた上で、プラグ3をレセプタクル6へ向けて移動させる。プラグ3のレセプタクル6への移動方向は、前述した嵌合方向Pで示される。このとき、
図32に示すプラグ3のプラグ本体512の一対の接点梁520の接点部525間に、
図34に示すレセプタクル6の先細り部547が収まるように、プラグ3をレセプタクル6へ向けて移動させる。
【0169】
すると、
図32の一対の接点部525が
図34の接点片546の一対の傾斜面548に接触すると共に、
図32の一対のロックユニット526の爪部526c及び爪部526dが
図34の一対のロック孔部540dに若干挿入された状態で底板部540に対して接触する。
【0170】
この状態で、
図32のプラグ本体512の底板部519を用いてプラグ3を基板近接方向に押し込むと、プラグ3とレセプタクル6は以下のように挙動する。
【0171】
(1)
図34の接点片546が、
図32の一対の接点梁520の弾性変形を伴って、一対の接点梁520の接点部525間に圧入される。この結果、レセプタクル6の接点片546に対してプラグ3の一対の接点梁520の接点部525が接点梁520のバネ復元力により確実に接触する。
【0172】
(2)そして、やがて、
図34の接点片546の先細り部547が
図32の底板部519のスリット521に挿入される。このとき、
図34の先細り部547のプラグ側端面547aが、
図32の底板部519の先端内壁面521aと対向する。また、
図34の先細り部547の電線側端面547bが、
図32の底板部519の基端内壁面521bと対向する。これにより、プラグ3のレセプタクル6に対する電線方向での移動が拘束されることになる。
【0173】
(3)
図32の一対のロックユニット526が、
図34の一対のロック孔部540dに挿入されることで、爪部526c及び爪部526dが底板部540のロック板部540bに引っ掛かる。この結果、電線2が基板離間方向に引っ張られた際の、プラグ3のレセプタクル6からの離脱が防止される。本実施形態において、ロック機構Rは、
図32のロックユニット526と、
図34のロック孔部540dによって実現されている。
【0174】
この出願は、2012年3月28日に出願された日本出願特願2012-074033を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。