特許第6058641号(P6058641)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6058641射出成形および吹込成形によりポリマー体内補綴物を製造するための方法およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6058641
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】射出成形および吹込成形によりポリマー体内補綴物を製造するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/06 20060101AFI20161226BHJP
   A61L 31/00 20060101ALI20161226BHJP
【FI】
   B29C49/06
   A61L31/00 B
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-512076(P2014-512076)
(86)(22)【出願日】2012年5月23日
(65)【公表番号】特表2014-518793(P2014-518793A)
(43)【公表日】2014年8月7日
(86)【国際出願番号】US2012039164
(87)【国際公開番号】WO2012162402
(87)【国際公開日】20121129
【審査請求日】2015年5月18日
(31)【優先権主張番号】13/114,941
(32)【優先日】2011年5月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507135788
【氏名又は名称】アボット カーディオヴァスキュラー システムズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ヤンビン
(72)【発明者】
【氏名】オーバーハウサー, ジェイムズ
【審査官】 今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/031872(WO,A1)
【文献】 特開昭48−007954(JP,A)
【文献】 米国特許第03002225(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0101010(US,A1)
【文献】 特表2008−507439(JP,A)
【文献】 特表2009−540927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 49/00 − 49/80
A61L 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー体内補綴物を形成する方法であり、前記方法は、
ストックチューブ(216)を形成するためにポリマー材料を第1金型(200)のキャビティに射出することと、
前記ストックチューブが前記ポリマー材料のガラス転移温度Tgより低い温度Tである間に、前記ストックチューブを前記第1金型から押し出すことと、
前記ストックチューブの温度Tが、射出成型による熱に起因して、Tgより低く、部屋の大気温度より実質的に高い温度である間に、前記ストックチューブを前記第2金型(220)のキャビティに配置することと、
前記ストックチューブを温度T≧Tgに加熱することと、
前記第2金型内チューブ前駆体(234)を形成するために前記ストックチューブを拡張させることと
を含む、ポリマー体内補綴物を形成する方法。
【請求項2】
前記拡張させるステップは、前記ストックチューブにガスを導入することにより前記ストックチューブ(216)を径方向に拡張させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記拡張させるステップは、前記ストックチューブ(216)を軸方向に延長させることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記チューブ前駆体(234)をステントスラットへの網状組織を有するステントへと変形させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記変形させるステップは前記チューブ前駆体(234)の周辺壁部を通る複数の穿孔(239)を作ることを含む、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的には、埋入可能な体内補綴物の作製に関し、さらに詳細には、射出成形および吹込成形されたチューブからのポリマーステントの製作に関する。
【背景技術】
【0002】
体内補綴物はヒトまたは動物の体内に留置される人工装置である。解剖学的内腔は血管等の管状器官の空洞である。ステントは略円筒形状の装置であり、血管または他の解剖学的内腔(尿路および胆管等)の1部分を開いた状態に保持するよう、ときには係る部分を拡張させるよう、機能する。ステントはしばしば血管における粥状硬化性狭窄の治療に用いられる。係る治療において、ステントは血管を補強し血管系における血管形成後の再狭窄を防ぐ。
【0003】
ステントは、解剖学的内腔の緊密な領域を通過することを要求されることが多々あるため、比較的小さい。ステントは、解剖学的内腔の蛇行曲線を通過することが可能となるよう、長手方向の可撓性が高いことが要求される。ステントは、通常、管状スカフォードを形成するストラットの微細な網状組織を含む。管状スカフォードは、その寸法を小さくして解剖学的内腔を通過することが可能となるようバルーン等の送達装置上に圧着され、次いで体内の所望の場所においてバルーンにより強制的に拡大・展開状態へと拡張され得ることがしばしば必要となる。いくつかのステントに対しては、管状スカフォードは体内の所望の場所においてその圧着状態から自己展開可能でなければならない。埋入および展開後、管状スカフォードは周囲の解剖学的構造物を支持するために充分な強度を有さなければならない。したがってステントが独特な設計上の難点を提供することは理解されるであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ステントは、過去においては、形状記憶特性および超弾性特性を有するニッケル・チタン合金等の金属で作られてきた。ポリマーステントの出現はさらなる設計上の難点を提供した。ポリマーステントの設計は、同一寸法の金属ステントと比較してポリマーステントが、通常、径方向の強度ならびに剛性が小さく且つ破壊靭性が小さい点を考慮に入れる必要がある。したがって、(a)ステント毎の均一性を増加させ、(b)個々のステントストラットの厚さおよび寸法等の設計パラメータの緻密な制御を可能にし、および/または(c)製造効率を増加させる、ポリマーステントを製造するための方法およびシステムが常に必要とされる。
【0005】
簡潔におよび全般的に述べると、本発明はポリマー体内補綴物を形成するための方法およびシステムを対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様において、1つの方法は、ストックチューブを形成するためにポリマー材料を第1金型のキャビティに射出するステップと、ストックチューブが第1金型から出るにつれて第2金型へと入るようストックチューブを第2金型のキャビティに配置するステップと、第2金型内でチューブ前駆体を形成するためにストックチューブを拡張させるステップとを含む。
【0007】
本発明の態様において、1つの方法は、射出金型内でポリマー材料のストックチューブを形成するステップと、ストックチューブがポリマー材料のTg以上の温度である間にストックチューブを射出金型から吹込金型へと移送するステップと、チューブ前駆体を形成するために吹込金型内でストックチューブを拡張させるステップとを含む。
【0008】
本発明の態様において、1つのシステムは、射出金型キャビティを有する射出金型と、吹込金型キャビティを有する吹込金型と、第1姿勢から第2姿勢へと移動可能なドアであって、第1姿勢にあるときは射出金型キャビティおよび吹込金型キャビティは相互に対してこのドアにより分離され、このドアが第2姿勢にあるときには射出金型キャビティおよび吹込金型キャビティは相互に対して露出される、ドアとを備える。
【0009】
本発明の特徴および長所は、添付の図面とあわせて読まれるべき以下の詳細な説明からより容易に理解されることであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明のいくつかの実施形態に係る方法を示すフローチャートである。
図2A】ポリマー樹脂射出以前のシステムを示す、本発明のいくつかの実施形態に係るシステムの断面図である。
図2B】ポリマー樹脂が射出金型キャビティへと射出された後のシステムを示す、図2Aのシステムの断面図である。
図2C】ポリマー樹脂(ストックチューブと呼称される)が非溶融状態で直接的に吹込金型キャビティへと押し出された後のシステムを示す、図2Aのシステムの断面図である。
図2D】ストックチューブが吹込金型キャビティの内側表面に対して径方向に拡張された後のシステムを示す、図2Aのシステムの断面図である。
図2E】吹込金型から取り出された後の、拡張されたポリマー樹脂(チューブ前駆体と呼称される)の断面図である。
図2F】カッターがステントストラットを形成するためにチューブ前駆体から材料を取り除いていることを示す、マンドレル上に担持されたチューブ前駆体の断面図である。
図3A図3A図3Fは、射出金型に射出されたポリマー樹脂から形成されたストックチューブと、吹込金型内で拡張されたストックチューブから形成されたチューブ前駆体と、チューブ前駆体から材料を取り除くことにより形成されたステントと、を示す、本発明のいくつかの実施形態に係るシステムの斜視図である。図3Aは射出成形処理を示す図である。
図3B】射出金型の2つの半体を示す。
図3C】ストックチューブが吹込金型内に配置された状態を示す。
図3D】ガスがストックチューブの内部へとポンプ注入された後の結果を示す。
図3E】吹込金型から取り出された後のチューブ前駆体を示す。
図3F】チューブ前駆体が円筒形マンドレル上に担持され、チューブ前駆体の部分を取り除いてステントストラットの網状組織を形成するために、カッターの近傍に配置された状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で言及される全部の刊行物および特許は、あたかも各個別の刊行物または特許が参照することにより援用されることが特定的に且つ個別に示されている場合と同じように、参照することにより本明細書に援用される。援用された刊行物または特許と本明細書との間において単語および/または語句の一貫性のない使用が存在する場合には、これらの単語および/または語句は本明細書において用いられる方法と一貫性を有する意味を有する。
【0012】
本明細書で用いられる近似を示す用語(例えば、付近、約、およそ、実質的に、本質的に、等。ただしこれらに限らない)は、近似を示す用語に修飾される単語または語句が必ずしも正確な記載内容であることを示さず、何らかの程度まで記載内容から変動し得ることを意味する。記載内容が変動し得る程度は、どの程度の変化が設けられると当業者がその変更されたバージョンを、改変された単語または語句の特性、特徴、および能力を有すると認識するかに依存するであろう。「実質的に室温」であるとされる材料は、室温で完全に安定化された材料と、その材料に必ずしも完全に室温ではない部分があったとしても当業者ならば容易に室温であると認識し得る材料と、を指すことが一例として挙げられるが、例はこれに限定されない。一般的に、しかし前述の内容に留意して、近似を示す用語に修飾される本明細書内の数値は特記なきかぎり±15%の範囲で記載された値から変動し得る。
【0013】
本発明の実施形態の図示を目的とする代表的な図面(これらの図面において、同様の参照番号はいくつかの図面において、対応するまたは同様の構成要素を示す)をより詳細にここで参照すると、射出成形、吹込成形、およびステントストラットの形成を含む、ポリマー体内補綴物の製造方法のフローチャートが図1に示される。射出成形が最初に行われ、次に、射出成形された成形品の変形が行われ、次いで、変形済みの射出成形された成形品からステントストラットの網状組織またはパターンが形成される。
【0014】
ポリマーステントを射出成形する方法は、例えば2006年6月28日に出願された米国特許出願第11/477,333の米国特許公開第2008/0001330号に記載される。先行技術の方法では、ステントストラットの網状組織は射出成形処理の間に形成されていた。直接的に射出成形によりステントストラットを形成することの潜在的な難点は、金型キャビティが、所望のステントストラットの精緻な形状およびパターンに対応する溝部を有することである。ポリマー樹脂は、0.1mmの幅および0.1mmの深さとなり得る溝部の網状組織を通って流れなければならず、しかも幅および深さはさらに小さい場合さえもある。溝部の実際の幅ならびに深さ、溶融樹脂の粘度、および製造処理能力要件に応じて、ステントストラットを直接的に射出成形から形成することは実際的ではない場合もある。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態においては、仕上げ済みステントのいずれのステントストラットも射出成形から形成されない。代替的な実施形態において、いくつかのステントストラットは射出成形(充填処理)を通して形成され、同一ステント上の他のステントストラットは以下に説明するように材料の取り除き(除去処理)により後に形成される。
【0016】
除去処理によるステントストラットの形成の前に、射出成形された成形品の機械的特性に対して変化が加えられる。なお、この成形品から後にステントストラットが形成されることとなる。ステントストラットが形成される構造物(本発明の射出成形される成形品等)は本明細書において「基板」と呼称される。一般に、基板は平坦なシートまたは円筒形のチューブであり得る。射出成形の後、基板の機械的特性は、1つまたは複数の方向における変形(例えば伸張による等)を導入することにより変化され得る。係る変形により、ポリマー分子鎖は特定方向に方向付けられ、および/またはポリマーの結晶化および成長が特定方向になされる。微細構造の方向付けに関するこれらの形態学的変化は所望の機械的特性を基板に与え、基板から引き続き形成されるステントストラットの網状組織は可撓性、強度、および破壊靭性の間の均衡を有することが可能となる。
【0017】
射出成形された基板を変形させる方法は吹込成形を含み得る。吹込成形の説明については、例えば2007年6月29日に出願された米国特許出願第11/771,967号の米国特許公開第2009/0001633号および2006年6月28日に出願された米国特許出願第12/558,105号の米国特許公開第2011/0066222号を参照されたい。
【0018】
再び図1を参照すると、ブロック10においてポリマー材料は溶融するまで加熱され、次いで圧力下で第1金型のキャビティに射出される。第1金型のキャビティは形状において環状である。第1金型はポリマーのチューブを形成するよう構成され、このチューブは、後にステントストラットが形成されることとなる基板である。この段階(基板に形態学的変化を生じさせる前)において、基板は「ストックチューブ」と呼称される。ストックチューブの形状および寸法は環状金型キャビティの形状および寸法に対応する。ストックチューブは円筒形であり、事前規定された肉厚を有する周辺壁部を有する。肉厚は、仕上げ済みステントにおいて最適な結果が提供されるよう、注意深く選択される。肉厚は約1mmであり得るが、これに限定されない。肉厚は、使用されるポリマー材料と、後に基板に与えられることになる拡張の量と、に部分的に基づいて選択され得る。所望により、周辺壁部は、周辺壁部の両方の対向端部において軸方向開口部が存在し得るが、径方向穿孔は有さない。
【0019】
いくつかの実施形態において、この方法はブロック15に進行する。なお、ブロック15において、ストックチューブは、ポリマー材料のガラス転移温度(Tg)より高く且つポリマー材料の溶融温度(Tm)より低い温度で第1金型から放出される。Tgは、ポリマーの非結晶部分が大気圧において脆性のガラス質状態から固体変形可能または塑性変形可能な状態へと変化する温度である。Tgは、ポリマー鎖におけるセグメント運動が始まる温度に対応する。TgとTmの間に回転障壁が存在するが、しかしこの障壁は実質的にセグメント運動性を妨げるほどには大きくない。
【0020】
ポリマー材料は、第1金型から放出されるときは、実質的にTmより低い温度である。ストックチューブは第1金型から出るときTg以上の温度であるにもかかわらず実質的に非溶融状態であることを理解すべきである。ストックチューブが実質的に非溶融状態であることは、第1金型からの放出(ブロック15)と第2金型における拡張(以下に説明されるブロック25)との間の時間的期間において周辺壁部肉厚が意図せず改変されないことを確保することを支援する。第1金型からの放出時におけるストックチューブのこの非溶融状態は、押し出されたポリマーが押出ダイから出るときに実質的に溶融状態にある押出処理と異なる。
【0021】
ストックチューブは、金型キャビティ内におけるポリマー材料の流れが実質的に停止した後に第1金型から放出される。この状態は、ポリマー材料が押出ダイから出るときに押出キャビティを通って流れ続ける押出処理と異なる。
【0022】
次にブロック20において、実質的にTgより低い温度に冷却する前に、ストックチューブは第2金型のキャビティに配置される。この第2金型はガラスライニングされた吹込金型であり得る。この第2金型のキャビティはストックチューブの外径よりも大きい内径を有する。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態において、第1金型の少なくともいくつかの部分は第2金型のキャビティ内に収容される。ポリマー材料の射出が完了すると第1金型のこれらの部分が開かれ、それにより、直接的に第1金型キャビティから第2金型のキャビティへとストックチューブを押し出すまたは放出することが可能となる。このように外部大気にさらされることなくまたは操作なしに第1金型から第2金型へとストックチューブを直接移送することは、ストックチューブの冷却を排除または最小化し、第2金型における拡張(以下に説明するブロック25)の前に周辺壁部肉厚が意図せず改変される機会を排除または最小化する。
【0024】
次にブロック25において、ストックチューブの内部流体圧力はストックチューブへとガスをポンプ注入すること等により増加される。内部流体圧力は、ストックチューブ(すなわち基板)の周辺壁部が伸張されて径方向で外向きに第2金型キャビティの表面に対して拡張されそれにより基板の機械的特性が変化されるレベルへと増加される。第2金型キャビティの表面は周辺壁部の径方向外向きの拡張を制限する。
【0025】
ブロック25が完了すると、基板の機械的特性が変化された後、この基板は「チューブ前駆体」と呼称される。
【0026】
いくつかの実施形態において、実質的に縦方向長さ全体のストックチューブも同時に径方向に拡張される。代替的な実施形態において、ストックチューブの拡張は、米国特許公開第2011/0066222号において説明される(ストックチューブの限定された縦方向部分が任意の時間に1回、径方向に拡張し、その変形がある時間的期間にわたってストックチューブの一方端から他方端へと縦方向に伝搬する)ように、漸進的に発生する。
【0027】
第1金型から第2金型への移送時にTgより高い温度に基板を保持することにより、製造時間は、拡張に必要とされる温度へと基板を再加熱することの必要性を排除または低減することにより、短縮される。いくつかの実施形態において、基板は、基板拡張の前に、事前規定された処理温度(Tp)より低い温度に冷却しない。それにより、実質的に基板に熱を印加することなく、拡張の実行が可能となる。この処理温度は、仕上げ済みステントにおいて最適な結果が提供されるよう、注意深く事前規定される。通常、TpはTgとTmとの間にある。Tpはポリマー材料の組成と径方向拡張の所望量とに部分的に依存し得る。例えば、Tpは、使用されるポリマー材料がポリ(L−乳酸)である場合、約華氏160度から約華氏220度の範囲であり得る。ポリマー材料の組成、Tpのレベル、内部流体圧力、径方向拡張率、軸方向拡張率、および他の吹込成形パラメータは、2006年6月28日に出願された米国特許出願第12/558,105号の米国特許公開第2011/0066222号に説明され得るが、これに限定されない。
【0028】
いくつかの実施形態において、たとえ基板が第1金型から取り出された後にTgより低い温度に冷却しなかったとしても、基板は周辺壁部の拡張時にまたは拡張前に加熱される。ブロック20および/またはブロック25における熱の印加は、温度における均一性および結果的に生成される機械的特性の均一性を確保することを支援する。熱の印加は、ストックチューブをTp以上の温度に到達させるために必要とされ得る。
【0029】
次にブロック30において、チューブ前駆体は第2金型から取り出される。いくつかの実施形態において、第2金型から取り出されたチューブ前駆体は体内補綴物として用いられる。
【0030】
ブロック30からブロック40に継続して、材料は、ステントストラットの網状組織を有するステントを形成するために、除去処理と呼称される処理においてチューブ前駆体から取り除かれる。材料は、チューブ前駆体の残余物がステントストラットの網状組織となるよう、チューブ前駆体から取り除かれる。材料はカッター(鋭利なブレードおよび/またはレーザ切断工具であり得る)を用いて取り除かれ得る。ポリマー基板からのレーザによる除去の説明については、例えば2009年11月24に発行された米国特許第7,622,070号を参照されたい。
【0031】
次にブロック50において、ステントは殺菌され、これにより患者への埋入の準備が整う。殺菌は、エチレン酸化物ガスまたは電子ビーム(E−ビーム)放射等の、任意個数の方法で行われ得る。
【0032】
代替的にブロック45に示すように、ステントは殺菌前にカテーテルに取り付けられ得る。取り付けはステントをカテーテルの膨張可能なバルーンに圧着することを含み得る。
【0033】
代替的に、ブロック40に示すように、殺菌前にまたはステントをカテーテルに取り付ける前に、コーティングがステントに塗布され得る。コーティングの組成およびその内部に担持される薬剤は、引用され且つ参照することにより援用された刊行物のいずれかに説明され得る。
【0034】
本発明の代替的な実施形態において、この方法はブロック10からブロック17へと進行し得る。なお、ブロック17において、ストックチューブは任意温度で第1金型から放出される。例えば、ストックチューブは射出金型キャビティ内のポリマー材料が温度Tに冷却した後に第1金型から取り出され得る。ただし、Tについては、T<TgまたはTg<T<Tmが成り立つ。
【0035】
ブロック17からブロック22に継続して、ストックチューブは第2金型のキャビティに配置される。この第2金型のキャビティはストックチューブの外径よりも大きい内径を有する。このステップは、ストックチューブが大気室温と略同一温度となった(例えばストックチューブが第2金型に配置される前に長期間にわたり貯蔵されていた状況等)後、行われ得る。代替的に、このステップ(第2金型にストックチューブを配置するステップ)は、ストックチューブが射出成形からの熱により依然として室内大気温度より実質的に高い温度である間に、行われ得る。代替的に、このステップ(第2金型にストックチューブを配置するステップ)は、ストックチューブが大気室温よりも実質的に低い温度である(例えばストックチューブが第1金型内でまたは第1金型からの取り出し時に能動的に冷却または急冷された状況等)間に、行われ得る。
【0036】
次にブロック27において、ストックチューブ(すなわち基板)の内部流体圧力は、拡張を生じさせチューブ前駆体を作製するために、ストックチューブにガスをポンプ注入すること等により増加される。拡張は、ストックチューブ外部の流体圧力がストックチューブ内部の圧力よりも低い圧力差の結果として生じる。基板が第2金型内にある間、基板は、Tgより高く且つTmより低い処理温度(Tp)へと加熱される。内部流体圧力、Tp、および他のパラメータは、ブロック25に関連して以前に説明したものであり得る。
【0037】
この方法はブロック27から、所望による薬剤コーティングの塗布および所望によるカテーテルへの取り付けに関連して以前に説明したブロック30〜50に進行する。
【0038】
上で示したように、この方法は、ブロック15、20、および25を有する一連のステップを、または代替的に、ブロック17、22、および27を有する一連のステップを、含み得る。ブロック15、20、および25を有するこの方法は、以下で図2A図2Fに関連して説明されるように、所望により実行される。ブロック17、22、および27を有するこの方法は、以下で図3A図3Fに関連して説明されるように、所望により実行される。ブロック10〜50に関連して上記で説明したこの方法は図2A図3Fに示すシステム以外のシステムを用いても実行可能であることを理解すべきである。
【0039】
図2A図2Fは、ポリマー体内補綴物を製造するためのシステムを示す。なお、各図面は連続的なステップを示す。
【0040】
射出成形処理が図2Aおよび図2Bに示される。射出金型100はキャビティ102を含む。溶融ポリマー樹脂はゲート104を通ってこのキャビティ102へと射出される。キャビティはストックチューブを作製するよう構成される。キャビティは形状において円筒形であり、金型100の内側周辺表面106および外側周辺表面108により囲まれる。周辺表面106と周辺表面108との間の距離は、結果的に作製されるストックチューブの周辺壁部の肉厚を画定する。外側周辺表面108は射出金型キャビティ102の最大直径109を画定する。結果的に作製されるストックチューブの外側表面の寸法および形状は外側周辺表面108に対応することとなる。内側周辺表面106は円筒形棒状体の形状にある金型コア110により提供される。結果的に作製されるストックチューブの内腔の寸法および形状は金型コア110の寸法および形状となるであろう。
【0041】
図2Bは射出ゲート104を通り射出金型キャビティ102へと射出されたポリマー樹脂112を示す。1つまたは複数の射出ゲートが存在し得ること、および射出ゲートは、結果的に作製されるストックチューブに空隙または他の構造上の欠陥が形成されないよう、任意の好適な仕様で配列および方向付けがなされ得ることを理解すべきである。射出金型キャビティ102へのポリマー樹脂112の流入が停止しポリマー樹脂112がTmより低い温度に冷却した後、ドア114は図2Bに示す閉止姿勢から図2Cに示す開放姿勢へと摺動する。ドア114は、空気圧によりまたは電気的に制御され得る。
【0042】
図2Cに示すように、ドア114が動くことにより、非溶融ポリマー樹脂(この段階でストックチューブ116と呼称される)は射出金型100から放出され吹込金型120に配置されることが可能となる。射出金型100および吹込金型120は、ドア114が移動することによりストックチューブ116が吹込金型120のキャビティ122に対して露出されるよう、相互に対して接続される。ドア114がその開放姿勢にあるとき、射出金型キャビティ102および吹込金型キャビティ122は、共通のより拡大されたキャビティを形成する。この形成されたキャビティは、射出金型100および吹込金型112の相互接続されたハウジング101および121により、外部の大気環境からは実質的に密閉される。ドア114が開くと、射出金型キャビティ102および吹込金型キャビティ122は相互に対して露出される。ドア114が開いた後、イジェクタ119は、直接的に射出金型キャビティ102から吹込金型キャビティ122へとストックチューブ116を押し出す。イジェクタ119は空気圧によりまたは電気的に制御され得る。ストックチューブ116は外部の大気環境から遮蔽された状態で射出金型キャビティ102から吹込金型キャビティ122へと移送される。
【0043】
吹込金型キャビティ122は周辺表面124により囲まれ、周辺表面124は吹込金型キャビティ122の最大直径125を画定する。直径125は射出金型キャビティ102の最大直径109よりも大きく、それによりストックチューブ116が径方向に拡張可能するための空間が生じることとなる。
【0044】
ストックチューブ116の対向する2つの端部部分117および118に軸方向開口部が存在する。第1端部部分117は、第1端部部分117の軸方向開口部が流体流に対して密閉された状態で、射出金型100内に部分的に含まれた状態に留まる。第2端部部分118は吹込金型120の円錐形状部材128に対して係合する。円錐形状部材128は第2端部118に対して食い込み、それにより流体流が第2端部118と円錐形状部材128との間の境界面を通過することが妨げられる。ガス通路130は円錐形状部材118の中心を通って延長し、ストックチューブ116の内部と連通する。
【0045】
図2Dは、ガスがガス通路130を通ってストックチューブ116の内部へとポンプ注入された後の結果を示す。ガスは、ストックチューブ116の周辺壁部が径方向で外向きに拡張され吹込金型キャビティ122の周辺表面124を押圧するレベルにまで、ストックチューブ116の内部の流体圧力を増加させる。吹込金型120は、ストックチューブ116の周辺壁部と吹込金型キャビティ122の周辺表面124との間に存在するガスが周辺壁部の拡張時に脱出可能となるよう、そのハウジング121に通気孔131を含み得る。拡張の完了後、吹込金型120は開かれ、それにより拡張されたストックチューブ(この段階でチューブ前駆体134と呼称される)の取り出しが可能となる。例えば、円錐形状部材128は吹込金型120から後退され、それより開口部が提供され、チューブ前駆体134はその開口部を通って射出金型100のイジェクタ119により押し出されることが可能となる。
【0046】
図2Eは吹込金型120から取り出された後のチューブ前駆体134を示す。
【0047】
図2Fに示すように、チューブ前駆体134は円筒形マンドレル136上に担持され、チューブ前駆体134の部分を取り除いてステントストラットの網状組織を形成するために、カッター138の近傍に配置され得る。穿孔139はチューブ前駆体134を通ってカッター138により作られる。材料が取り除かれると、チューブ前駆体134はステントストラットの網状組織を有するステントへと変形される。マンドレル136はチューブ前駆体134内に挿入され、コンピュータ数値制御(CNC)下で回転摺動モータ・ギア組立体40に接続され得る。マンドレル136とカッター138との間の相対的運動は、ステントストラットの所望パターンが提供されるよう、電子制御器142内で動作するCNCソフトウェアアプリケーションにプログラムされ得る。
【0048】
図3A図3Fは、ポリマー体内補綴物を製造するためのシステムを示す。なお、各図面は連続的なステップを示す。
【0049】
射出成形処理が図3Aおよび図3Bに示される。射出金型200はキャビティ202を含む。溶融ポリマー樹脂はこのキャビティ202内へと射出される。キャビティ202は、事前規定された肉厚を有する周辺壁部を有するストックチューブ116を作製するよう構成される。
【0050】
図3Bは射出金型200の2つの半体を示す。これらの半体は、金型キャビティ202を露出させ、ストックチューブ116が金型キャビティ202から押し出されることが可能となるよう、分離された状態にある。押し出しの前に、金型コアをストックチューブ116の内部から取り出し得る。ストックチューブ116の対向する2つの端部部分117、118に軸方向開口部が存在する。いくつかの実施形態において、ストックチューブ116は1つのみの軸方向開口部を有する。係る場合、吹込成形の間にガスの導入が可能となるよう端部部分117は閉じられ端部部分118は開かれる。
【0051】
ストックチューブ116は、射出金型220から押し出されるときは実質的に非溶融状態にある。いくつかの実施形態において、ストックチューブ116は、射出金型220から押し出されるときはTg〜Tmの範囲の温度である。代替的な実施形態において、ストックチューブ116は、射出金型220から押し出されるときはTgより低い温度である。
【0052】
射出成形された成形品、すなわちストックチューブ216は、ステントストラットのパターンを有さず、ステントの縦方向長さにわたって分布された径方向穿孔を有さない。
【0053】
次に図3Cに示すように、ストックチューブ116は吹込金型220内に配置される。ストックチューブ116を射出金型200から吹込金型220へと移送するステップは、(a)仕上げ済みステントにおいて最適な結果が生成されるよう事前規定された所望の処理温度(Tp)よりも低い温度(ただしTpは、Tg<Tp<Tmを満足する)、または(b)ポリマー樹脂のTgより低い温度、のいずれかの温度にストックチューブ116が冷却することが可能となる前に行われ得る。例えば、ストックチューブ116は射出金型200内でまたは射出金型200からの取り出し時に能動的に冷却または急冷され得る。
【0054】
吹込金型220は内径226を有し、内径226はストックチューブ116の周辺壁部の最大外径209よりも大きく、そのため周辺壁部の径方向拡張が可能となっている。吹込金型220の内側表面224は周辺壁部の径方向拡張を制限する。所望より、熱の印加を含む吹込成形は、米国特許公開第2009/0001633号および/または米国特許公開第2011/0066222号の説明のように実行される。
【0055】
図3Dはガスがストックチューブ216の内部へとポンプ注入された後の結果を示す。この段階の後、拡張されたストックチューブはチューブ前駆体234と呼称される。
【0056】
図3Eは吹込金型220から取り出された後のチューブ前駆体234を示す。
【0057】
図3Fに示すように、チューブ前駆体234は円筒形マンドレル236上に担持され、チューブ前駆体234の部分を取り除いてステントストラットの網状組織を形成するために、カッター238の近傍に配置され得る。 穿孔239はチューブ前駆体234を通ってカッター238により作られる。材料が取り除かれると、チューブ前駆体234はステントストラットの網状組織を有するステントへと変形される。マンドレル236はチューブ前駆体234内に挿入され、コンピュータ数値制御(CNC)下の回転モータ・ギア組立体240aおよび摺動モータ・ギア組立体240bに接続され得る。マンドレル236とカッター238との間の相対的運動は、ステントストラットの所望パターンが提供されるよう、電子制御器242内で動作するCNCソフトウェアアプリケーションにプログラムされ得る。
【0058】
前述のシステムおよび方法において、ポリマー材料またはポリマー樹脂は、埋入に好適である任意の人工または天然存在のポリマーであり得る。これらの材料は、ポリ(L−乳酸)(”PLLA”)と、ポリ(L−ラクチド−co−グリコリド)(”PLGA”)と、10%未満のD−ラクチドおよびPLLD/PDLA立体錯体を有するポリ(L−ラクチド−co−D−ラクチド)(“PLLA−co−PDLA”)と、PLLAまたはPLGAである硬質部分およびPCLまたはPTMCである柔軟部分を含むPLLAベースのポリエステルブロックコポリマーとからなる群から選択され得るが、これに限定されない。
【0059】
上述のシステムおよび方法において、材料はチューブ前駆体から取り除かれ、それによりチューブ前駆体は、任意パターンに配列されたステントストラットを有するステントに変形される。ステントストラットは2008年5月2日に出願された米国特許出願第12/114,608号の米国特許公開第2008/0275537号および2009年1月13日に出願された米国特許第7,476,245号に説明されるパターンを有し得る。例えば、このパターンは、米国特許公開第2008/0275537号に説明されるようにW形状セルの反復的パターン状に配列されたステントストラット、または米国特許第7,476,245号に説明されるように砂時計形状セルの反復的パターン状に配列されたステントストラット、を含み得る。これらのセルの形状は図2Fおよび図3Fにおける穿孔139および239に対応する。このパターンは、一連の縦方向に配列されたリングを含み得る。なお、各リングは相互に対して傾斜した角度で方向付けられた起伏された一連のステントストラットを有し、これらのリングのそれぞれは、ステントの縦軸に対して実質的に平行に方向付けられた他のリングにより近傍のリングに接続される。本発明はいずれの特定パターンにも限定されない。
【0060】
上述のシステムおよび方法において、第1金型または射出金型は内径IDおよび外径ODを有する環状金型キャビティを有し得、第2金型または吹込金型は直径Dを有する円筒形状の金型キャビティを有し得る。ストックチューブが経験する径方向拡張の量は2つの金型キャビティ間の寸法的関係に依存する。ID、OD、およびDに対して以下の近似的寸法が用いられ得る。
【0061】
例1
ID=約0.17mm;OD=約0.41mm;D=約3.5mm
【0062】
例2
ID=約0.13mm;OD=約0.40mm;D=約3mm
【0063】
例3
ID=約0.11mm;OD=約0.34mm;D=約2.5mm
【0064】
これら2つの金型キャビティの寸法は、基板の周辺壁部が約300%〜約400%の範囲の径方向拡張(RE)比を経験し得るような組み合わせであり得る。RE比は(チューブ前駆体の内径)/(ストックチューブの内径)として定義される。パーセンテージとしてのRE比は(RE比−1)×100%として定義される。
【0065】
本発明のいくつかの特定形態が図示および説明されてきたが、本発明の範囲から逸脱することなく様々な改変例が可能であることは明らかである。開示された実施形態の特定特徴および態様の様々な結合または小結合が、本発明の改変されたモードを形成するために、他の結合または小結合と組み合わされ得ること、または他の結合または小結合と置換され得ることも考えられ得る。したがって、本発明が添付の請求項以外により限定されることは意図するところではない。
以下に、本出願時の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]ストックチューブを形成するためにポリマー材料を第1金型のキャビティに射出することと、
前記ストックチューブが前記第1金型から出るにつれて第2金型に入るよう、前記ストックチューブを前記第2金型のキャビティに配置することと、
前記第2金型内でチューブ前駆体を形成するために前記ストックチューブを拡張させることと
を含む、ポリマー体内補綴物を形成する方法。
[2]前記ストックチューブは、前記ポリマー材料のTg以上の温度である間に前記第1 金型を出て前記第2金型に入る、前記[1]に記載の方法。
[3]前記第1金型の前記キャビティと前記第2金型の前記キャビティとを分離させるド アを、前記第2金型の前記キャビティに前記ストックチューブを露出させるための開放姿勢へと移動させることを、前記射出するステップの後、旦つ前記配置するステップの前に、さらに含む、前記[1]に記載の方法。
[4]前記拡張させるステップは、前記ストックチューブにガスを導入することにより前記ストックチューブを径方向に拡張させることを含む、前記[1]に記載の方法。
[5]前記拡張させるステップは、前記ストックチューブを軸方向に延長させることを含む、 前記[4]に記載の方法。
[6]前記チューブ前駆体をステントスラットへの網状組織を有するステントへと変形させることをさらに含む、前記[1]に記載の方法。
[7]前記変形させるステップは前記チューブ前駆体の周辺壁部を通る複数の穿孔を作ることを含む、前記[6]に記載の方法。
[8]ポリマー材料のストックチューブを射出金型内で形成することと、
前記ストックチューブが前記ポリマー材料のTg以上の温度である聞に前記ストックチューブを前記射出金型から吹込金型へと移送するステップと、
チューブ前駆体を形成するために前記ストックチューブを前記吹込金型内で拡張させることと
を含む、ポリマー体内補綴物を形成する方法 。
[9]前記移送するステップは前記ストックチューブが前記ポリマー材料のTgより高い温度である間に行われる、前記[8]に記載の方法。
[10]前記移送するステップは、前記ストックチューブを、前記射出金型内に配置されている 間に、前記吹込金型内のキャピティに露出させることを含む、前記[8]に記載の方法。
[11]前記拡張させるステップは前記ストックチューブを径方向に拡張させることを含む、前記[8]に記載の方法。
[12]前記拡張させるステップは、前記ストックチューブを軸方向に延長させることを含む、 前記[11]に記載の方法。
[13]前記チューブ前駆体をステントストラットへの網状組織を有するステントへと変形させることをさらに含む、前記[8]に記載の方法。
[14]前記変形させるステップは前記チューブ前駆体の周辺壁部を通る複数の穿孔を作ることを含む、前記[13]に記載の方法。
[15]射出金型キャビティを有する射出金型と 、
吹込金型キャビティを有する吹込金型と、
第1姿勢から第2姿勢へと移動可能なドアであって、前記第1姿勢にあるときには前記射出金型キャビティおよび前記吹込金型キャビティは前記ドアにより相互から分離され、前記ドアが前記第2姿勢にあるときには前記射出金型キャビティおよび前記吹込金型キャビティは相互に対して露出される、ドアと
を備える、ポリマ一体内補綴物を形成するためのシステム。
[16]前記チューブ前駆体を通る穿孔を作るよう構成されたカッターをさらに備える、前記[15]に記載のシステム。
[17]前記射出金型キャビティは形状において環状であり、ポリマー材料が前記射出金型に射出されると円筒形状チューブを形成するよう構成された、前記[15]に記載のシステム。
[18]前記吹込金型キャビティは前記射出金型キャビティの直径よりも大きい直径を有する、前記[15]に記載のシステム。
[19]前記射出金型は前記射出金型キャビティの内容物を前記吹込金型キャビティへと押し出すよう構成されたイジェクタを備える、前記[15]に記載のシステム。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F