特許第6058653号(P6058653)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヴァレオ システム テルミクの特許一覧

<>
  • 特許6058653-特に自動車用の熱交換器 図000002
  • 特許6058653-特に自動車用の熱交換器 図000003
  • 特許6058653-特に自動車用の熱交換器 図000004
  • 特許6058653-特に自動車用の熱交換器 図000005
  • 特許6058653-特に自動車用の熱交換器 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6058653
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】特に自動車用の熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28D 7/16 20060101AFI20161226BHJP
   F28F 9/02 20060101ALI20161226BHJP
   F28F 9/22 20060101ALI20161226BHJP
   F02B 29/04 20060101ALI20161226BHJP
   F02M 35/10 20060101ALI20161226BHJP
【FI】
   F28D7/16 B
   F28F9/02 Z
   F28F9/22
   F02B29/04 A
   F02M35/10 311C
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-517704(P2014-517704)
(86)(22)【出願日】2012年6月28日
(65)【公表番号】特表2014-524005(P2014-524005A)
(43)【公表日】2014年9月18日
(86)【国際出願番号】EP2012062584
(87)【国際公開番号】WO2013001011
(87)【国際公開日】20130103
【審査請求日】2015年6月26日
(31)【優先権主張番号】1102057
(32)【優先日】2011年6月30日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505113632
【氏名又は名称】ヴァレオ システム テルミク
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100179338
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(72)【発明者】
【氏名】アラン、デイ
【審査官】 庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第01903293(EP,A1)
【文献】 実開昭61−138216(JP,U)
【文献】 特開2003−148148(JP,A)
【文献】 特開昭57−083629(JP,A)
【文献】 特表2008−523296(JP,A)
【文献】 特開2009−228930(JP,A)
【文献】 特開2011−085315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 7/16
F28F 9/02,9/22
F02B 29/04
F02M 35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の流体と第2の流体との間の熱交換器であって、
第1の流体の第1の循環チャネルと、前記第1の循環チャネル間にある第2の流体の第2の循環チャネルとを含み、第1の流体と第2の流体との間の熱交換のための熱交換コア(3)と、
前記第1の循環チャネルの端部が内部へと開口する、第1の流体のための入口コレクタボックス(5)および第1の流体のための出口コレクタボックス(7)と、
第2の流体のための入口接続ピース(9)および第2の流体のための出口接続ピース(11)と、
を備え、
第1の流体のための前記入口コレクタボックス(5)および前記出口コレクタボックス(7)は、前記熱交換コア(3)の第1の側面(3c)に固定されるとともに、デフレクタ(13)によって分けられ、前記交換器は、前記第1の循環チャネル内で第1の流体のU循環をもたらすために前記第1の循環チャネルと連通する中間コレクタボックス(21)を更に備え、
前記交換器は、前記第1の側面(3c)に隣接する前記熱交換コア(3)の第2の側面(3e)に固定される少なくとも1つの壁(33)を備え、第2の流体のための前記入口接続ピース(9)および前記出口接続ピース(11)は、一方が他方から分離されて前記壁(33)の一端に配置され、前記交換器は、前記第2の循環チャネル内の第2の流体のU循環のために前記第2の循環チャネルと連通する中間区画室(39)を備え、
前記中間コレクタボックス(21)および前記中間区画室(39)は、互いに垂直な前記熱交換コア(3)の側面(3d,3e)上に配置され、
前記熱交換コアがチューブ(15,15a,15b,15’,15”)の積層体を備え、これらのチューブのうちの少なくとも2つのチューブ(15’,15”)が結合され、その場合、2つのチューブは、
前記結合されたチューブ(15’,15”)の側表面が前記入口接続ピース(9)と前記出口接続ピース(11)との間の接合部とほぼ対向して位置されるように、
前記入口コレクタボックス(5)と前記出口コレクタボックス(7)とを分ける前記デフレクタ(13)が前記結合されたチューブ(15’,15”)間の接合部とほぼ対向して位置されるように、
結合される、
ことを特徴とする交換器。
【請求項2】
一方側に前記入口コレクタボックス(5)を形成し且つ他方側に前記出口コレクタボックス(7)を形成するように前記デフレクタ(13)によって2つの区画室へと分割されるジョイントコレクタボックスを備えることを特徴とする請求項1に記載の交換器。
【請求項3】
第1の流体の前記入口コレクタボックス(5)および前記出口コレクタボックス(7)が2つの異なる部分によって実現されることを特徴とする請求項1に記載の交換器。
【請求項4】
前記第1の循環チャネルのアセンブリと連通する前記中間コレクタボックス(21)は、第1の流体のU循環のために、前記第1の側面(3c)とは反対側の前記熱交換コア(3)の第3の側面(3d)上に配置されることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の交換器。
【請求項5】
前記第2の循環チャネルのアセンブリと連通する前記中間区画室(39)は、第2の流体のU循環のために、前記入口接続ピース(9)および前記出口接続ピース(11)とは反対側の前記壁(33)の端部に配置されることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の交換器。
【請求項6】
前記熱交換コア(3)は、2つの端面(3a,3b)と、2つの小側面(3c,3d)と、2つの大側面(3e,3f)とを有する略平行六面体である一般形状を成し、前記第1の側面(3c)が前記熱交換コアの前記小側面であり、前記第2の側面(3e)が前記熱交換コアの前記大側面であることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の交換器。
【請求項7】
自動車エンジンの充填空気の冷却のために構成されることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の交換器。
【請求項8】
前記第1の流体が充填空気であり、前記第2の流体がグリコール水であることを特徴とする請求項に記載の交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車用の熱交換器に関する。
本発明の好ましい適用分野は、“給気冷却器”と称される熱交換器を使用して充填空気を冷却する自動車用のスーパーチャージャー付きエンジンの分野である。
【背景技術】
【0002】
実際に、スーパーチャージャー付きエンジンまたはターボ圧縮ヒートエンジン、特にディーゼルエンジンには、コンプレッサまたはターボコンプレッサからくる“充填空気”と称される加圧空気が充填される。この空気は、その圧縮後に過度に高温となり、そのため、エンジンが適切に作動するように、この空気をエンジンに入る前に冷却することが望ましい。
【0003】
従来、この目的のために給気冷却器が使用される。この冷却器の機能は、外気などの他の流体との熱交換によって、或いはまた、グリコール水などの液体冷却剤との熱交換によって充填空気を冷却することである。
【0004】
この種の交換器または冷却器においては、複数の構造が知られている。特に、ハウジング内またはケーシング内に装着される熱交換コアを備える熱交換器が知られている。熱交換コアは、例えば、第1の流体を運ぶために平行に配置される平行なプレートまたはチューブの積層体を備え、一方、第2の流体はチューブ間で流れる。この熱交換コアを受けるケーシングは、一般に、それが流体分配ハウジング、すなわち、入口ハウジングおよび出口ハウジングに接続され得るようにその2つの端部が開放する。
【0005】
2つの流体の循環は、熱交換性能にとって重要である。
【0006】
既知の解決策によれば、流体の一方または2つの流体が攪乱器または乱流器を通じて循環され、それにより、2つの流体間の熱交換表面が増大される。
【0007】
また、自動車分野における最新の傾向は、この種の熱交換器の全体の寸法を減少させることである。しかしながら、交換器のサイズの減少は、2つの流体間の交換表面を減少させる可能性があり、したがって、交換器の性能を変化させる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、最小の寸法をもって、2つの流体間の熱交換の質を更に高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のため、本発明の対象は、第1の流体と第2の流体との間の熱交換器であって、
−第1の流体の第1の循環チャネルと、前記第1のチャネル間にある第2の流体の第2の循環チャネルとを備える、第1の流体と第2の流体との間の熱交換のための熱交換コアと、
−前記第1のチャネルの端部が内部へと開口する、第1の流体のための入口コレクタボックスおよび第1の流体のための出口コレクタボックスと、
−第2の流体のための入口接続ピースおよび第2の流体のための出口接続ピースと、
を備える熱交換器において、
−第1の流体のための前記入口コレクタボックスおよび出口コレクタボックスは、前記コアの第1の側面に固定されるとともに、デフレクタによって分けられ、前記交換器は、前記第1のチャネル内で第1の流体のU循環をもたらすために前記第1のチャネルと連通する中間コレクタボックスを更に備え、
−前記交換器は、前記第1の側面に隣接する前記コアの第2の側面に固定される少なくとも1つの壁を備え、第2の流体のための前記入口接続ピースおよび出口接続ピースは、一方が他方から分離されて前記壁の一端に配置され、前記交換器は、前記第2のチャネル内の第2の流体のU循環のために前記第2のチャネルと連通する中間区画室を備え、
−前記中間コレクタボックスおよび前記中間区画室は、互いに垂直な前記コアの側面上に配置される、
ことを特徴とする熱交換器である。
【0010】
2つの流体のU循環は、最小の交換器寸法をもって、熱交換性能を高めることができる。
【0011】
また、前記交換器は、個別に或いは組み合わせて解釈される以下の1つ或いは複数の特徴を備え、
−前記第1および第2の流体が向流循環する;
−前記交換器は、一方側に前記入口ボックスを形成し且つ他方側に前記出口ボックスを形成するように前記デフレクタによって2つの区画室へと分割されるジョイントコレクタボックスを備える;
−第1の流体の入口コレクタボックスおよび出口コレクタボックスが2つの異なる部分によって実現される;
−前述したコアがチューブの積層体を備え、これらのチューブのうちの少なくとも2つのチューブが結合され、その場合、2つのチューブは、前記結合されたチューブの側表面が前記接続ピース間の接合部とほぼ対向して位置されるように結合され;
−前記第1のチャネルのアセンブリと連通する中間コレクタボックスは、第1の流体のU循環のために、前記第1の側面とは反対側の前記コアの第3の側面上に配置され;
−前記第2のチャネルのアセンブリと連通する前記中間区画室は、第2の流体のU循環のために、前記接続ピースとは反対側の前記壁の端部に配置され;
−前記コアは、2つの端面と、2つの小側面と、2つの大側面とを有する略平行六面体である一般形状を成し、前記第1の側面が前記コアの前記小側面であり、前記第2の側面が前記コアの前記大側面であり;
−前述した交換器は、自動車エンジンの充填空気の冷却のために構成され;
−第1の流体が充填空気であり、第2の流体がグリコール水である。
【0012】
本発明の他の特徴および利点は、例示的で非限定的な一例として与えられる以下の説明および添付図面を読むと、より明確に分かる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】熱交換器の側面図を表わす。
図2図1の熱交換器の分解図を表わす。
図3図1の熱交換器コアの分解斜視図である。
図4図3のコアの側面図である。
図5図4の部分IIに係る図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
これらの図において、本質的に同一である要素は、同じ参照数字を用いて特定される。
【0015】
本発明は、特に自動車のディーゼルエンジンなどのエンジンのための充填空気を冷却するための熱交換器1に関する。
【0016】
記載される実施形態によれば、この交換器は、“空気−水”交換器と呼ばれるもの、言い換えると、熱を交換する流体が空気および水である交換器である。給気冷却器の場合、水は、前述したエンジンのいわゆる“低温”冷却回路の水であることが好ましく、それは一般にグリコール水である。
【0017】
この種の熱交換器1が図1に描かれている。図2の分解斜視図で更に良く分かるこの交換器1は、略平行六面体の一般形状を成す。
【0018】
交換器1は、空気などの第1の流体と水などの第2の流体との間の熱交換のためのコア3を備える。
【0019】
この目的のため、交換器は、コア3内での空気の循環を可能にするために、第1の流体、この場合には空気のための第1の入口コレクタボックス5と、出口空気の第2のコレクタボックス7とを備えるとともに、空気と熱を交換することによるコア3内での水の循環を可能にするために、第2の流体、この場合には水の入口接続ピース9と、水出口接続ピース11とを備える。
【0020】
図2図4において分かるように、コア3は略平行六面体の一般形状を有する。したがって、コア3は、2つの端面3a,3bと、2つの小側面3c,3dと、2つの大側面3e,3fとを有する。それぞれの大側面3e,3fは小側面3c,3dに隣接する。
【0021】
図示の実施形態によれば、空気入口コレクタボックス5および空気出口コレクタボックス7は、コア3の例えば小側面3cに形成される。これらのコレクタボックス5,7は、交換器1が装着される空気回路のチャネルに接続される。
【0022】
したがって、図1および図2を参照すると、コレクタボックス5,7は、図2に見えるデフレクタ13によって上下に分けられて配置される。
【0023】
交換器1のシールを確保するため、交換器は、コレクタボックスとコア3との間にシール手段(図示せず)を備える。無論、交換器1は、同様に、コレクタボックス5,7を分けるデフレクタ13の高さにシール手段を有する。一例として、シールリングを設けることができる。
【0024】
熱交換器コア3は、例えば、空気の流れのための平行チューブ15,15a,15b,15’,15”(図3)の積層体を備える。したがって、この積層体は、2つの端部チューブ15a,15bをチューブ15の積層方向に有し、また、これらの端部チューブ15a,15bはコア3の端面3a,3bを画定する。
【0025】
これらのチューブ15,15a,15b,15’,15”はそれぞれ、例えば、略扁平な一般形状を成す。
【0026】
チューブ15,15a,15b,15’,15”はそれぞれ、入口ボックス5内および出口ボックス7内に開口する空気のための循環の第1のチャネルを規定する(図2および図3参照)。したがって、空気は、入口ボックス5によってチューブ内へ導入されるとともに、出口ボックス7によってチューブの出口で集められる。
【0027】
チューブ15,15a,15b,15’,15”の壁を通じた空気と水との間の熱交換を促進させるべく、空気流を乱して交換表面を増大させるため、例えばこれらのチューブ15,15a,15b,15’,15”内に配置される略波形状を伴う攪乱フィン17を設けることができる。
【0028】
フィン17は、例えば、チューブ15,15a,15b,15’,15”に半田付けされてもよい。
【0029】
より正確には、既知の態様で、これらのフィン17は、波形を形成するように変形される例えば金属ストリップから形成される波形挿入体の形態を成して実現されてもよい。各波形挿入体は、波形の端部領域を介してチューブの内壁とそれぞれ接触するように配置され得る(図5参照)。
【0030】
チューブ15,15a,15bは、同様に、水の流れのための第2の循環チャネルをそれら自体の間に規定する。
【0031】
したがって、第2のチャネルは、チューブ15,15a,15b間に挿入され、また、コア3は、第1および第2の循環チャネルの交互の積み重ねを成す。
【0032】
例えば、これらの第2のチャネル内に嵌め込まれる水流の攪乱器19を想起できる。図3および図5には、この種の攪乱器19が部分的な概略的態様で表わされる。
【0033】
これらの攪乱器19は、2つのチューブ間で、例えば2つの隣接するチューブ間の全長にわたって延びる。
【0034】
これらの攪乱器19は、それらを通過する水の流れに乱流をもたらす形態を成す。この目的のため、攪乱器19は、攪乱構造を成すプレートの形態を成して、或いはまた、図示の例にしたがって2つの重ね合わされる開放した攪乱プレート19の形態を成して実現されてもよい。
【0035】
各プレート19は、第2のチャネルを規定する2つの隣接チューブのうちの一方に半田付けされてもよい。
【0036】
これらの攪乱プレート19は、チューブ15,15a,15b間に補強材を形成するとともに、水の流れを乱すことによって交換表面を増大させることができるようにする。これは、チューブ壁を通じた空気と水との間の熱交換を可能にする。
【0037】
この場合、コア3は、チューブと攪乱器19との交互の積層体を備える。
【0038】
また、この積層体では、少なくとも2つのチューブ15’,15”が結合され、したがって、これらのチューブは、第2のチャネルまたはプレート19によって分離されない。図示の実施形態によれば、2つのチューブ15’,15”が結合される。
【0039】
これらの2つの結合されたチューブ15’,15”は、例えば、積層体のほぼ中央に位置される。図5において更に良く分かるように、これらの2つの結合されたチューブ15’,15”は、コア3の第1の部分Aまたは第1の半分と、第2の部分または半分Bとを画定する。
【0040】
第1の部分Aは、端部チューブ15aから結合されたチューブ15’に至るまで延びる。第2の部分Bは、第2の結合されたチューブ15”から反対側の端部チューブ15bに至るまで延びる。
【0041】
図2および図5に示される実施形態によれば、コア3の小側面3cの側で、第1の部分Aのチューブ15a,15,15’の端部が空気出口コレクタボックス7内に開口する。第2の部分Bのそれら自体のチューブ15”,15,15bの端部は、入口空気コレクタボックス5内に開口する。チューブ15’,15”間の接合部は、2つのコレクタボックス5,7を分けるデフレクタ13のほぼ反対側に位置される。
【0042】
この配置は、コア3のチューブ内で空気の略U形状の循環を可能にする。
【0043】
また、交換器1は、第1の小側面3cとは反対側の第2の小側面3dに形成される中間コレクタボックス21(図1および図2参照)を備える。
【0044】
交換器1のシールを確保するため、交換器は、この中間コレクタボックス21とコア3との間に、シールリングなどのシール手段(図示せず)を備える。
【0045】
第2の小側面3dの側のチューブ15,15a,15b,15’,15”のアセンブリの端部は、この中間コレクタボックス21内に開口する(図2および図3参照)。
【0046】
そのため、第2の部分Bのチューブ内で循環した空気は、それが出口ボックス7により除去されるまで、第1の部分Aのチューブ内で循環する前にこの中間コレクタボックス21内に収集される。
【0047】
したがって、入口コレクタボックス5および出口コレクタボックス7の反対側のこの中間コレクタボックス21は、コア3内での空気のU循環に関与する。
【0048】
また、分配ボックス5,7,21は、コレクタ23(図2および図3)と相補的な関連するカバー25,27とによって共同で形成される。
【0049】
図示の実施形態によれば、2つの入口ボックス5および出口ボックス7は、コレクタ23と関連するカバー25とから共同で形成される。
【0050】
カバー25は、単一部品から形成されるとともに、一方側に入口ボックス5を形成し且つ他方側に出口ボックス7を形成するようにカバー25を2つの区画室へと分割するデフレクタ13を備える。
【0051】
コレクタ23は、小側面3cの位置でチューブのアセンブリの端部に配置されて、関連するカバー25との組み付けを可能にする。
【0052】
コレクタ23は、単一部品から形成されるとともに、チューブコアの第1の部分Aおよび第2の部分Bの両方から複数のチューブ端部を受ける。
【0053】
これを達成するために、コレクタ23は、チューブ15,15a,15bの端部を受けるための複数のオリフィス29を有するとともに、2つの結合されたチューブ15’,15”の端部を同時に受けるための大きなオリフィス31を備える。この大きなオリフィス31は、例えば、単純なチューブ端のオリフィス29の寸法の2倍を成す。
【0054】
無論、2つのコレクタボックス5,7を2つのコレクタ23と2つの関連するカバーとを伴う異なる態様で実現することもできる。
【0055】
同様の態様で、中間ボックス21は、小側面3dの位置でチューブのアセンブリの端部に配置されるコレクタ23と、関連するカバー27とから共同で形成される。
【0056】
この場合、コレクタ23は、入口ボックス5および出口ボックス7のコレクタ23と同一である。
【0057】
カバー27は、それがデフレクタ13によって分けられる2つの区画室を画定しないという点においてカバー25から区別される。カバー27は、チューブのアセンブリの端部が開口する空気収集チャンバを規定するようにコレクタ形態23の相補的な形態を成す。
【0058】
また、図1図4に示される実施形態によれば、交換器1は、コア3を閉じるための2つの側壁33を備える。
【0059】
これらの壁33は、例えば、コア3と対向する2つの大側面3e,3fに形成される。(図3)。したがって、壁33は、コア3の積層チューブの側表面と対向する。
【0060】
壁33は、例えば半田付けによってコア3に固定されてもよい。
【0061】
図2に描かれる例によれば、両側の側壁33は、略長方形の形状であり、それにより、端部チューブ15a,15bと共同して開放した平行六面体形態を画定し、この平行六面体形態には、空気分配のために、一方で入口ボックス5および出口ボックス7が接続され、他方で中間ボックス21が接続される。
【0062】
これを達成するため、2つの壁33は、端部チューブ15a,15bのそれぞれに対する固定手段34を有してもよい。
【0063】
前述したように、水入口接続ピース9および水出口接続ピース11は、水がコア3内で循環できるようにする。
【0064】
これを達成するため、これらの入口接続ピース9および出口接続ピース11は、壁33のうちの一方に配置される。より正確には、水のU循環を可能にするため、2つの接続ピース9,11は、一方が他方から分離されて、壁33の第1の端部の位置に配置される。
【0065】
接続ピース9,11は、例えば、空気入口ボックス5および空気出口ボックス7に隣接して配置される。
【0066】
図3において分かるように、壁33は、入口および出口のための例えば略円形状を成す開口35を有してもよく、また、この開口35の右側に、図2および図3に示されるように、交換器1の外側へ向けて方向付けられるクラウン37を有してもよい。
【0067】
このクラウン37は、例えば切削によって実現される。
【0068】
接続ピース9,11はそれぞれ開口35の位置に接続され、また、クラウン37間で延びる壁33は、入口接続ピース9と出口接続ピース11との間にシール分離を形成する(図3および図5参照)。
【0069】
また、2つのクラウン37間で延びる壁33によって形成されるこの分離は、2つの結合されたチューブ15’,15”の側表面とほぼ対向して位置される(図5参照)。
【0070】
この配置は、水の略U循環を可能にする。
【0071】
そのため、出口接続ピース9を介してコア3内へ導入される第2の流体、この場合は水は、第1の部分Aのチューブ15a,15,15’間に介挿される第2のチャネル内で循環し、その後、水は、出口接続ピース11を介して出る前に、チューブ15”,15,15b間に介挿される第2のチャネル内で循環する。
【0072】
また、コア3の第1の部分Aの第2のチャネルおよび第2の部分Bの第2のチャネルの両方と連通する中間区画室39(図1図4)が、第1の部分A内で循環した水を受けた後にそれを除去するために第2の部分Bへと再分配するように設けられる。
【0073】
したがって、この中間区画室39は、コア3内での水のU循環に関与する。
【0074】
中間区画室39は、中間コレクタボックス21が配置される側面3dに対して垂直なコア3の一側面上に配置される。
【0075】
この特定の配置は、2つの流体の二重U循環を可能にする。
【0076】
図示の実施形態によれば、この中間区画室39は、入口接続ピース9および出口接続ピース11と同じ壁33上に位置されるが反対側の端部に位置される。
【0077】
また、水収集チャンバを形成するように、この区画室39は、例えば、入口接続ピース9および出口接続ピース11を受けるためのクラウン37と同様の態様で、壁33のクラウンの形態を成して与えられる。
【0078】
このクラウンは、例えば切削によって実現される。
【0079】
また、記載された実施形態によれば、2つの流体は向流循環する。この向流循環は、熱交換器1の性能を更に向上させる。
【0080】
これを達成するため、図2を参照すると、空気入口ボックス5は、水出口接続ピース11とほぼ同じ平面上に位置され、また、空気出口ボックス7は、水入口接続ピース9とほぼ同じ平面上に位置される。
【0081】
そのため、空気入口ボックス5および出口接続ピース11はコア3の第2の部分Bと連通し、また、空気出口ボックス7および水入口接続ピース9はコア3の第1の部分Aと連通する。
【0082】
第1の流体および第2の流体の両方のU循環を可能にするこの種の交換器1は、2つの流体の循環ルートを延ばすことによって熱交換表面を増大させることができるようにする。
【0083】
また、二重U循環を伴わない従来技術の交換器に対して同じ熱交換能力においては、あまり嵩張らない交換器1が得られる。
図1
図2
図3
図4
図5