(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の一実施の形態による車載情報システムの構成を示す図である。
図1に示す車載情報システムは、車両に搭載されて使用されるものであり、車載装置1と携帯端末2が近距離無線通信および映像・音声ケーブル3を介した有線通信で互いに接続されることによって実現される。車載装置1は、車両内に固定されており、たとえば車両のインストルメントパネル内などに設置されている。携帯端末2は、ユーザが持ち運び可能な携帯型の情報端末であり、たとえば携帯電話やスマートフォンなどである。なお、車載装置1と携帯端末2の間で行われる近距離無線通信には、たとえばBluetoothなどを用いることができる。また、映像・音声ケーブル3を介した有線通信には、たとえばHDMI(High Definition Multimedia Interface)などを用いることができる。
【0009】
車載装置1には、表示部11と、操作キー(操作スイッチ)12a、12b、12c、12dおよび12eとが設けられている。表示部11は、各種の画像や映像を表示可能な表示モニタであり、たとえば液晶ディスプレイによって構成される。操作キー12a〜12eは、ユーザの入力操作を検出するための操作スイッチ類であり、車載装置1が実行中の処理に応じて様々な機能が割り当てられる。ユーザは、操作キー12a〜12eのうち任意の操作キーを操作することで、所望の機能を車載装置1に実行させることができる。なお、
図1では操作キー12a〜12dを押圧可能なボタン式のスイッチとし、操作キー12eを左右に回転可能なダイヤル式のスイッチとした例を示しているが、各操作キーの配置、構造、数などはこの例に限定されない。また、表示部11をタッチパネル式の表示モニタとし、操作キーの一部または全部を省略してもよい。
【0010】
携帯端末2には、表示部21が設けられている。表示部21は、各種の画像や映像を表示可能なタッチパネル式の表示モニタであり、たとえばタッチ位置を検出するタッチセンサと液晶ディスプレイとを組み合わせて構成される。ユーザは、表示部21に表示される画像や映像の内容に応じて、表示部21上で任意の位置を指等でタッチすることで、所望の機能を携帯端末2に実行させることができる。なお、ここでは表示部21をタッチパネル式の表示モニタとした例を説明したが、タッチパネル式ではない通常の表示モニタとしてもよい。その場合、携帯端末2が実行する処理の内容に応じた各種の操作スイッチを携帯端末2に設けることが好ましい。あるいは、表示部21をタッチパネル式の表示モニタとし、さらに所定の操作に対応する操作スイッチを携帯端末2に設けてもよい。
【0011】
図2は、車載装置1および携帯端末2の構成を示すブロック図である。
図2に示すように車載装置1は、制御部10、表示部11、操作部12、音声出力部13、メモリ部14、近距離無線通信インタフェース部15および映像・音声信号入力部16を有する。一方、携帯端末2は、制御部20、表示部21、操作部22、音声出力部23、メモリ部24、近距離無線通信インタフェース部25、映像・音声信号出力部26、無線通信部27およびGPS(Global Positioning System)受信部28を有する。
【0012】
車載装置1において、制御部10は、マイクロプロセッサや各種周辺回路、RAM、ROM等によって構成されており、メモリ部14に記録されている制御プログラムに基づいて各種の処理を実行する。この制御部10が行う処理により、各種の画像表示処理や音声出力処理などが実行される。
【0013】
さらに制御部10は、車両から出力される車速信号およびパーキング信号を取得する。この車速信号およびパーキング信号に基づいて、制御部10は、車両の走行状態が走行中または停車中のいずれであるかを判断する。なお、車両から制御部10への車速信号およびパーキング信号の出力は、たとえば、車両内に設けられた通信ネットワークである不図示のCAN(Controller Area Network)を経由して、車両に搭載された車速センサから車速パルスが出力されることにより行われる。
【0014】
表示部11は、
図1を用いて前述したように、液晶ディスプレイ等によって構成される表示モニタである。操作部12は、ユーザの入力操作を検出するためのスイッチであり、たとえば
図1に示した操作キー12a〜12eによって実現される。なお、前述のように表示部11をタッチパネル式の表示モニタとすることで、表示部11と操作部12を一体化された構成としてもよい。操作部12に対して行われたユーザの入力操作内容は制御部10へ出力され、制御部10が行う処理に反映される。
【0015】
音声出力部13は、アンプ、スピーカ等を有しており、制御部10の制御によって各種の音声を出力することができる。たとえば、携帯端末2または不図示の記録媒体から読み出された音楽データを再生した音楽や、車両を目的地まで誘導するための誘導音声などが音声出力部13から出力される。
【0016】
メモリ部14は、不揮発性のデータ格納装置であり、たとえばHDD(ハードディスクドライブ)やフラッシュメモリ等によって実現される。メモリ部14には、たとえば制御部10において用いられる前述の制御プログラムなど、各種のデータが記憶されている。メモリ部14におけるデータの読み出しおよび書き込みは、制御部10の制御により必要に応じて行われる。
【0017】
近距離無線通信インタフェース部15は、制御部10の制御により、携帯端末2との間で近距離無線通信を行う際に必要な無線インタフェース処理を行う。たとえば、制御部10から出力された情報を所定の無線信号形式に変換して携帯端末2へ送信したり、携帯端末2から所定の無線信号形式で出力された情報を受信して制御部10へ出力したりする。近距離無線通信インタフェース部15によるインタフェース処理は、Bluetooth等の所定の通信規格に従って行われる。
【0018】
映像・音声信号入力部16は、映像・音声ケーブル3を介して携帯端末2から入力される映像信号と音声信号を画面表示用の映像データと音声出力用の音声データにそれぞれ変換し、制御部10へ出力する。映像・音声信号入力部16から制御部10へ映像データと音声データが出力されると、制御部10は、表示部11を制御してその映像データに基づく画面を表示部11に表示させると共に、音声出力部13を制御してその音声データに基づく音声を音声出力部13に出力させる。
【0019】
一方、携帯端末2において、制御部20は、車載装置1の制御部10と同様にマイクロプロセッサや各種周辺回路、RAM、ROM等によって構成されており、メモリ部24に記録されている制御プログラムに基づいて各種の処理を実行する。
【0020】
表示部21は、前述したようなタッチパネル式の表示モニタである。操作部22は、ユーザの入力操作を検出するための部分である。なお、
図2では表示部21と操作部22を別々の構成として示しているが、実際には、操作部22はタッチパネル式の表示部21と一体化された構造を有している。あるいは、前述のように操作スイッチを携帯端末2に設けた場合は、その操作スイッチが操作部22に対応する。操作部22に対して行われたユーザの入力操作内容は制御部20へ出力され、制御部20が行う処理に反映される。
【0021】
音声出力部23は、アンプ、スピーカ等を有しており、制御部20の制御によって各種の音声を出力することができる。たとえば、携帯端末2を用いて通話を行ったときには、通話相手の音声が音声出力部23から出力される。
【0022】
メモリ部24は、車載装置1のメモリ部14と同様の不揮発性のデータ格納装置であり、制御部20の処理において利用するための各種のデータが記憶されている。このメモリ部24には、ユーザが予め入手した様々なアプリケーションプログラム(以下、単にアプリケーションと称する)が記憶されている。ユーザは、メモリ部24に記憶された各種アプリケーションの中からいずれかを選択して制御部20に実行させることにより、様々な機能を携帯端末2において実現することができる。
【0023】
近距離無線通信インタフェース部25は、車載装置1の近距離無線通信インタフェース部15と同様に、所定の通信規格に基づいた無線インタフェース処理を行う。すなわち、車載装置1と携帯端末2との間の情報通信は、近距離無線通信インタフェース部15と近距離無線通信インタフェース部25とが互いに無線通信で情報を授受することにより実現される。
【0024】
映像・音声信号出力部26は、制御部20により生成された画像(映像)と音声を、たとえばHDMI等の所定の通信規格に応じた映像信号と音声信号にそれぞれ変換し、映像・音声ケーブル3を介して車載装置1へ出力する。この映像信号と音声信号が車載装置1において映像・音声信号入力部16に入力されると、携帯端末2において表示部21に表示されるのと同一の画面が車載装置1の表示部11にも表示される。また、携帯端末2において音声出力部23から出力されるのと同一の音声が車載装置1の音声出力部13からも出力される。こうした機能はビデオミラーリングと呼ばれている。
【0025】
無線通信部27は、不図示の無線通信回線網を介して携帯端末2を他の携帯端末やサーバに接続するための無線通信を行う。携帯端末2は、無線通信部27が行う無線通信により、他の携帯端末との間で通話を行ったり、サーバから任意のアプリケーションをダウンロードしたりすることができる。なお、無線通信部27が行う無線通信では、たとえば携帯電話回線網や、無線LANを介したインターネット回線網などを無線通信回線網として利用することができる。
【0026】
GPS受信部28は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して制御部20へ出力する。GPS信号には、携帯端末2の現在位置と現在時刻を求めるための情報として、そのGPS信号を送信したGPS衛星の位置と送信時刻に関する情報が含まれている。したがって、所定数以上のGPS衛星からGPS信号を受信することにより、これらの情報に基づいて現在位置と現在時刻を制御部20において算出することができる。
【0027】
次に、本車載情報システムにおける車載装置1と携帯端末2との連携機能について説明する。本車載情報システムは、車載装置1と携帯端末2との連携機能を有している。この連携機能を用いることで、車載装置1と携帯端末2とが互いに接続された状態で携帯端末2において様々なアプリケーションを実行すると、車載装置1において当該アプリケーションに応じた画像表示や音声出力を行うことができる。また、車載装置1に対して行われたユーザの操作内容を、携帯端末2において実行されているアプリケーションの動作に反映させることができる。
【0028】
たとえば、携帯端末2においてナビゲーション用のアプリケーションを実行することにより、車両を目的地まで誘導するためのナビゲーション処理を行うことができる。このナビゲーション処理では、携帯端末2において現在位置付近の地図を描画した地図画面を作成し、その地図画面に応じた映像信号を映像・音声信号出力部26から映像・音声ケーブル3を介して映像・音声信号入力部16へ出力する。これにより、携帯端末2から車載装置1へ地図画面を送信し、車載装置1の表示部11において現在位置付近の地図画面を表示できるようにする。また、車載装置1の操作部12または携帯端末2の操作部22を操作してユーザが目的地を設定すると、車両の現在位置を出発地として、そこから設定された目的地までの推奨経路を携帯端末2において探索する。そして、推奨経路上の誘導地点に車両が近づくと、その誘導地点における車両の進行方向に応じた誘導音声を携帯端末2から車載装置1へ送信する。これにより、車載装置1の音声出力部13から誘導音声を出力できるようにする。なお、このとき携帯端末2から車載装置1に対して、誘導音声出力の開始と終了のタイミングに応じてそれぞれ所定の信号を出力してもよい。このようにすれば、車載装置1においてラジオ放送や再生中のCD等による音声が出力されている場合であっても、その音声のボリュームを誘導音声の出力中には低下させ、ユーザが誘導音声を聞き取りやすくすることができる。以上説明したように、表示部11に地図画像を表示したり、音声出力部13から誘導音声を出力したりすることで、車載装置1は、ユーザが迷わずに車両を目的地まで運転できるようにするための報知をユーザに対して行う。
【0029】
なお、携帯端末2がナビゲーション用のアプリケーションを実行するために必要な地図データ等の各種データは、携帯端末2のメモリ部24において予め記憶されたものを使用してもよい。あるいは、メモリ部24には必要最小限のデータのみを記憶しておき、携帯端末2がナビゲーション用のアプリケーションを実行したときには、無線通信部27を用いて所定のサーバに接続し、必要なデータをその都度取得するようにしてもよい。
【0030】
携帯端末2では、上記のようなナビゲーション用のアプリケーションを含む複数のアプリケーションのうち、ユーザに選択されたアプリケーションを実行する。ユーザは、携帯端末2の表示部21に表示されるメニュー画面において、操作部22を操作して所望のアプリケーションを選択することにより、携帯端末2に実行させるアプリケーションの選択を行うことができる。このメニュー画面には、たとえば、連携機能を利用可能な各アプリケーションのアイコンが並べて表示されている。ユーザがメニュー画面上でいずれかのアイコンをタッチパネル操作等により選択すると、そのアイコンに対応するアプリケーションが携帯端末2において実行される。
【0031】
さらに携帯端末2は、映像・音声信号出力部26からの映像信号によりメニュー画面を車載装置1へ送信する。車載装置1は、携帯端末2から送信された映像信号に基づいて、表示部11にメニュー画面を表示する。このメニュー画面において、ユーザが操作部12を操作して所望のアプリケーションを選択すると、その操作内容に応じた操作情報が近距離無線通信インタフェース部15により車載装置1から携帯端末2へ送信される。なお、車載装置1は、操作情報として、たとえばユーザのボタン操作の内容を表すボタン情報、またはタッチパネル操作により指定された表示部11の画面上の位置を表す座標情報を携帯端末2へ出力する。
【0032】
車載装置1から送信された操作情報は、携帯端末2において近距離無線通信インタフェース部25により受信され、制御部20へ出力される。こうして受信された操作情報に基づいて、制御部20は、車載装置1においてどのアプリケーションがユーザに選択されたかを認識し、当該アプリケーションを実行する。これによりユーザは、携帯端末2の表示部21に表示されるメニュー画面を用いた場合と同様に、所望のアプリケーションを車載装置1において選択し、携帯端末2に実行させることができる。
【0033】
なお、制御部20は、各アプリケーションをフォアグランドまたはバックグランドで実行することができる。フォアグランドで実行した場合、そのアプリケーションは車載装置1および携帯端末2において画像表示や操作入力の対象とされる。一方、バックグランドで実行した場合、そのアプリケーションに応じた処理が制御部20により実行されるが、そのアプリケーションは車載装置1および携帯端末2において画像表示や操作入力の対象とはされない。ただし、音声についてはバックグランド実行中のアプリケーションから出力してもよい。
【0034】
車載装置1と携帯端末2とを互いに接続して前述のような連携機能を実現するために、携帯端末2には、アプリケーションマネージャと呼ばれるアプリケーションが予めインストールされてメモリ部24に記憶されている。すなわち、メモリ部24には、アプリケーションマネージャを含む複数のアプリケーションが記憶されている。車載装置1に携帯端末2が接続されると、このアプリケーションマネージャがメモリ部24から読み出され、制御部20において実行される。
【0035】
図3は、携帯端末2におけるソフトウェアの概略構成を示す図である。
図3において、アプリケーションマネージャ201は、サブアプリケーションMaと、サブアプリケーションMsとを有している。
【0036】
サブアプリケーションMaは、アプリケーションマネージャ201以外のアプリケーションを起動するためのランチャ機能と、各アプリケーションの規制情報を取得するための規制情報取得機能とを有している。制御部20は、サブアプリケーションMaをフォアグランドで実行することにより、これらの機能を利用することができる。たとえば、ランチャ機能を用いて、他のアプリケーションを呼び出し、サブアプリケーションMaに代えてそのアプリケーションを制御部20にフォアグランドで実行させることができる。また、規制情報取得機能を用いて、メモリ部24に記憶されている各アプリケーションに対する車両走行中の動作規制の内容を示す規制情報を、メモリ部24や外部のサーバ等から取得することができる。
【0037】
サブアプリケーションMsは、携帯端末2を車載装置1に接続するための通信機能と、車両走行中の動作規制を行うための動作規制機能とを有している。制御部20は、サブアプリケーションMsをバックグランドで実行することにより、これらの機能を利用することができる。たとえば、通信機能を用いて、携帯端末2と車載装置1との間で連携時に必要な情報を送受信するための通信処理を実行することができる。また、動作規制機能を用いて、上記のサブアプリケーションMaにより規制情報取得機能を用いて取得された規制情報を参照して、フォアグランドで実行中のアプリケーションに対する車両走行中の動作規制の内容を判断することができる。この判断結果を示した制限情報は、上記の通信機能により携帯端末2から車載装置1へ送信され、車載装置1において車両走行中の動作制限を行う際に利用される。
【0038】
以上説明したように、アプリケーションマネージャ201は、制御部20においてフォアグランドで実行されるサブアプリケーションMaと、制御部20においてバックグランドで実行されるサブアプリケーションMsとに分けて構成されている。このようにすることで、アプリケーションマネージャ201の機能分担を最適化し、フォアグランドとバックグランドでそれぞれ実行するのに適した機能分担とすることができる。なお、サブアプリケーションMsのように常時バックグランドで実行されるアプリケーションは、デーモンやサービスと呼ばれることもある。
【0039】
アプリケーションマネージャ201は、サブアプリケーションMaのランチャ機能により、アプリケーション202に含まれる各アプリケーションのいずれかを呼び出す。すると、制御部20により、このアプリケーションがサブアプリケーションMaに代えてフォアグランドで実行される。なお、
図3に対する以下の説明では、アプリケーションAが実行されているものとして説明する。
【0040】
OS(オペレーティングシステム)203は、携帯端末2の全体的な動作を管理するためのソフトウェアである。携帯端末2を車載装置1に接続した場合、OS203は、制御部20においてバックグランドで実行されるサブアプリケーションMsと、SPP(Serial Port Profile)204およびHID(Human Interface Device)プロファイル205との間で入出力される情報の仲介を行う。SPP204およびHIDプロファイル205は、車載装置1と携帯端末2の間で行われる近距離無線通信において利用されるドライバであり、Bluetoothで用いられる規格の一部として標準化されている。
【0041】
SPP204は、サブアプリケーションMsの動作規制機能による動作規制内容の判断結果を示した前述の制限情報を送信するための処理や、車両の走行状態に応じて車載装置1から送信される走行情報を受信するための処理を行う。一方、HIDプロファイル205は、車載装置1におけるユーザの操作内容に応じて出力される操作情報を受信するための処理を行う。SPP204およびHIDプロファイル205により受信された各情報の内容は、OS203を介してサブアプリケーションMsに出力され、サブアプリケーションMsの通信機能により実行中のアプリケーションへと受け渡される。なお、これらの各情報の送受信は、車載装置1の近距離無線通信インタフェース部15と携帯端末2の近距離無線通信インタフェース部25との間で無線通信により行われる。
【0042】
制御部20においてサブアプリケーションMaをフォアグランドで実行中の場合、サブアプリケーションMaは、前述のランチャ機能により、ユーザに実行するアプリケーションを選択させるためのメニュー画面の画像を生成する。また、制御部20においてアプリケーションAをフォアグランドで実行中の場合、アプリケーションAは、サブアプリケーションMsから受け渡された走行情報や操作情報を必要に応じて利用し、所定の画像や音声を生成する。これらの画像や音声は、音声・画像メモリ206に一時的に記憶された後、HDMIドライバ207へ出力される。
【0043】
HDMIドライバ207は、HDMIで定められた方式に従って、サブアプリケーションMaやアプリケーションAにより生成された画像や音声を映像信号や音声信号に変換する処理を行う。この映像信号や音声信号は、映像・音声信号出力部26により、映像・音声ケーブル3を介して車載装置1へ出力される。
【0044】
携帯端末2は、以上説明したようなソフトウェア構成を有している。なお、こうしたソフトウェア構成は、たとえばAndroidを用いて実現することができる。この場合、たとえばサブアプリケーションMaを「Activity」と呼ばれるスレッドで実行し、サブアプリケーションMaを「Service」と呼ばれるスレッドで実行することにより、制御部20においてサブアプリケーションMaをフォアグランドで実行しつつ、サブアプリケーションMsをバックグランドで実行することができる。
【0045】
次に、車両走行中におけるアプリケーションの動作制限について説明する。携帯端末2が実行可能なアプリケーションの中には、前述のような連携機能を用いた車載装置1での画像表示やユーザからの操作入力を車両の走行中において許可すると、運転者の注意をそらして運転に悪影響を与える可能性を生じるものがある。そのため、こうしたアプリケーションが車両走行中に携帯端末2において実行された場合、車載装置1では、当該アプリケーションによる画像表示やユーザからの操作入力を制限することが好ましい。これを実現するため、車載装置1および携帯端末2では、以下に説明するような方法により、車両走行中におけるアプリケーションの動作制限を行う。
【0046】
図4は、車両走行中のアプリケーション動作制限の概念図である。以下では、
図4に例示したように、携帯端末2において予めインストールされたA、B,CおよびDの四種類のアプリケーションがメモリ部24に記憶されており、これらのアプリケーションのいずれかをユーザの操作に応じて選択して実行するものとして、車両走行中におけるアプリケーションの動作制限について説明する。
【0047】
車載装置1と携帯端末2が接続されると、制御部20はサブアプリケーションMaを起動してフォアグランドで実行する。そして、サブアプリケーションMaの規制情報取得機能を用いて、無線通信回線網を介して接続されたサーバ等の所定の取得先から、各アプリケーションに対する車両走行中の動作規制の内容を示した規制情報を取得する。こうして取得した規制情報は、メモリ部24に記憶される。
【0048】
以下では、
図4に例示したようなセキュリティポリシーを規制情報として取得したものとして説明する。このセキュリティポリシーは、アプリケーションAに対しては画像表示とユーザからの操作入力を両方とも許可し、アプリケーションBに対しては画像表示を許可してユーザからの操作入力を禁止し、アプリケーションCに対しては画像表示とユーザからの操作入力を両方とも禁止することを示している。なお、
図4の例では、アプリケーションDについてはセキュリティポリシーに規制情報が記録されていない。
【0049】
携帯端末2においてアプリケーションA〜Dのいずれかがユーザの操作に応じて選択されると、制御部20は、サブアプリケーションMaのランチャ機能を用いて、当該アプリケーションをメモリ部24から読み出して起動する。そして、それまでフォアグランドで実行されていたサブアプリケーションMaに代えて、当該アプリケーションをフォアグランドで実行する。
【0050】
上記のようにしてアプリケーションA〜Dのいずれかを起動したら、制御部20は、サブアプリケーションMaからバックグランドで常時実行されているサブアプリケーションMsに対して、そのアプリケーション(以下、起動アプリケーションと称する)が何であるかを通知する。この通知をサブアプリケーションMsが受けることで、サブアプリケーションMsの動作規制機能を用いて、どのアプリケーションが起動されたかを判断することができる。そして、メモリ部24に記憶されているセキュリティポリシーを参照することにより、当該アプリケーションに対する車両走行中の動作規制の内容を判断する。
【0051】
たとえば、アプリケーションAが起動された場合は、セキュリティポリシーにおいてアプリケーションAに対応する部分を参照することで、アプリケーションAに対する車両走行中の動作規制の内容を判断する。すなわち、アプリケーションAに対しては、車両走行中において画像表示とユーザからの操作入力が両方とも許可されていると判断する。
【0052】
一方、アプリケーションBが起動された場合は、セキュリティポリシーにおいてアプリケーションBに対応する部分を参照することで、アプリケーションBに対する車両走行中の動作規制の内容を判断する。すなわち、アプリケーションBに対しては、車両走行中において画像表示のみが許可されており、ユーザからの操作入力は禁止されていると判断する。
【0053】
また、アプリケーションCが起動された場合は、セキュリティポリシーにおいてアプリケーションCに対応する部分を参照することで、アプリケーションCに対する車両走行中の動作規制の内容を判断する。すなわち、アプリケーションCに対しては、車両走行中において画像表示とユーザからの操作入力が両方とも禁止されていると判断する。
【0054】
なお、制御部20においてアプリケーションDが起動された場合は、セキュリティポリシーにおいてアプリケーションDに対応する部分がないため、これを参照することができない。このような場合は、アプリケーションCの場合と同様に、画像表示とユーザからの操作入力を両方とも禁止すると判断することが好ましい。このようにすれば、セキュリティポリシーに未反映のアプリケーションが実行されている場合においても、運転への悪影響を防いで安全性を確保することができる。
【0055】
制御部20は、以上説明したように、任意のアプリケーションを起動して実行を開始したら、そのアプリケーションに対する車両走行中の動作規制内容を判断する。そして、サブアプリケーションMsの通信機能を用いて、その判断結果に応じた制限情報を車載装置1へ送信する。この制限情報の送信は、近距離無線通信インタフェース部25を介して行われる。
【0056】
車載装置1では、制御部10において実行されている制御アプリケーションにより、携帯端末2から送信された制限情報を、近距離無線通信インタフェース部15を介して受信する。そして、受信した制限情報に基づいて、携帯端末2において実行されているアプリケーションに対する車両走行中の動作規制内容を判断し、車両が走行中であれば、その動作規制内容に応じた表示制限や操作制限を行う。
【0057】
たとえば、携帯端末2においてアプリケーションAが実行されている場合は、車両が走行中であっても表示制限と操作制限を行わずに、携帯端末2からの画像表示とユーザからの操作入力を共に許可する。すなわち、携帯端末2から出力されたアプリケーションAによる画像を表示部11に出力して表示させると共に、ユーザが操作部12を用いて行った操作入力に応じた操作情報を近距離無線通信インタフェース部15から送信させるようにする。
【0058】
一方、携帯端末2においてアプリケーションBが実行されている場合は、車両が走行中のときに操作制限のみを行い、携帯端末2からの画像表示を許可してユーザからの操作入力を禁止する。すなわち、携帯端末2から出力されたアプリケーションBによる画像を表示部11に出力して表示させる一方で、近距離無線通信インタフェース部15に対しては操作情報の送信を禁止する。
【0059】
また、携帯端末2においてアプリケーションCまたはDが実行されている場合は、車両が走行中のときに表示制限と操作制限の両方を行い、携帯端末2からの画像表示とユーザからの操作入力を共に禁止する。すなわち、表示部11に対しては画像の表示を禁止し、近距離無線通信インタフェース部15に対しては操作情報の送信を禁止する。
【0060】
ところで、携帯端末2では、以上説明したようにランチャ機能を用いてアプリケーションを起動した後で、OS203によりランチャ機能とは別のメニュー画面を表示し、そのメニュー画面から他のアプリケーションを起動して実行することもできる。このように、ランチャ機能を用いて起動したアプリケーションとは異なるアプリケーションを実行中の場合、制御部20は、サブアプリケーションMsの動作規制機能を用いて、そのアプリケーションが正規の起動手順であるランチャ機能を用いて起動されたものではないと判断する。そして、当該アプリケーションに対するセキュリティポリシーの内容に関わらず、車載装置1との連携動作を禁止する。これは、次のような処理により実現される。
【0061】
アプリケーション起動後、制御部20は、現在実行中のアプリケーションをOS203に定期的に問い合わせる。この問い合わせに応じてOS203から実行中のアプリケーション(以下、実行アプリケーションと称する)が通知されると、制御部20は、この実行アプリケーションと、最後にサブアプリケーションMaから通知された起動アプリケーションとを比較する。その結果、これらのアプリケーションが一致していれば、制御部20では正規の起動手順で起動されたアプリケーションが実行されていると判断する。
【0062】
一方、最後に通知された起動アプリケーションと実行アプリケーションが異なる場合、制御部20は、実行アプリケーションが正規の起動手順で起動されたものではないと判断する。そして、この実行アプリケーションによる画像表示およびユーザからの操作入力については、車両走行中にこれらが車載装置1において禁止されるように、サブアプリケーションMsの通信機能を用いて、前述のアプリケーションC、Dと同様の制限情報を車載装置1へ送信する。この制限情報の送信は、前述のように近距離無線通信インタフェース部25を介して行われる。
【0063】
車載装置1では、前述のアプリケーション起動時と同様に、制御部10において実行されている制御アプリケーションにより、携帯端末2から送信された制限情報を、近距離無線通信インタフェース部15を介して受信する。そして、受信した制限情報に基づいて、携帯端末2において実行されているアプリケーションに対する車両走行中の動作規制内容を判断し、車両が走行中であれば、その動作規制内容に応じた表示制限や操作制限を行う。すなわち、表示部11に対しては画像の表示を禁止し、近距離無線通信インタフェース部15に対しては操作情報の送信を禁止する。このようにして、車載装置1と携帯端末2の連携動作が禁止される。
【0064】
また、車載装置1では、制御部10において実行されている制御アプリケーションにより、車両から出力される車速信号およびパーキング信号に基づいて、車両の走行状態が走行中または停車中のいずれであるかを判断する。その結果、車両の走行状態が変化した場合はそれを検知し、変化後の走行状態を示す走行情報を携帯端末2へ出力する。この走行情報の送信は、近距離無線通信インタフェース部15を介して行われる。
【0065】
携帯端末2では、制御部20において実行されているサブアプリケーションMsの通信機能を用いて、車載装置1から送信された走行情報を、近距離無線通信インタフェース部25を介して受信する。そして、受信した走行情報をフォアグランドで実行中のアプリケーションに受け渡す。この走行情報に基づいて、当該アプリケーションは車両の走行状態を判断し、その走行状態に応じた処理を必要に応じて行う。たとえば、車両が走行中の場合と停車中の場合とで描画する画像を変化させたり、車両が走行中の場合は一部の機能の利用を制限したりする。このようにすることで、車両の走行中における動作制限を携帯端末2においても行うようにする。なお、各アプリケーションが行う動作制限の内容は、アプリケーションごとに予め定められている。
【0066】
図5、6は、以上説明した車両走行中のアプリケーション動作制限を行う際に、車載装置1と携帯端末2においてそれぞれ実行される処理のフローチャートである。
【0067】
先に
図5のフローチャートについて説明する。このフローチャートに示す処理は、車載装置1と携帯端末2の間で通信が確立されているときに、制御部10により実行されるものである。
【0068】
ステップS10において、制御部10は、携帯端末2から制限情報が送信されたか否かを判定する。この制限情報は、後述する
図6のステップS180、S190または
図7のステップS350の処理が制御部20において実行されることにより、携帯端末2から近距離無線通信インタフェース部25を介して送信されるものである。制限情報が送信された場合はステップS20へ進み、送信されない場合はステップS40へ進む。
【0069】
ステップS20において、制御部10は、近距離無線通信インタフェース部15を用いて、携帯端末2から送信された制限情報を受信する。
【0070】
ステップS30において、制御部10は、ステップS20で受信した制限情報に基づいて、携帯端末2で実行中のアプリケーションに対する車両走行中の動作規制内容を判断する。ここでは、受信した制限情報の内容から、当該アプリケーションに対する表示制限と操作制限の有無をそれぞれ判断する。
【0071】
ステップS40において、制御部10は、車両から出力される車速信号やパーキング信号に基づいて、車両が走行中であるか否かを判定する。車両が走行中である場合はステップS50へ進み、走行中でない場合はステップS10へ戻る。
【0072】
ステップS50において、制御部10は、ステップS30における動作規制内容の判断結果から、携帯端末2で実行中のアプリケーションに対する表示制限の有無を判定する。その結果、表示制限があると判定した場合はステップS60へ進む。この場合、ステップS60において、制御部10は、車両の走行中に表示部11による画像の表示を禁止する。ステップS60を実行したらステップS70へ進む。一方、表示制限がないと判定した場合は、ステップS60を実行せずにステップS70へ進む。この場合、制御部10は、ステップS60を実行しないことにより、車両の走行中に表示部11による画像の表示を許可する。
【0073】
ステップS70において、制御部10は、ステップS30における動作規制内容の判断結果から、携帯端末2で実行中のアプリケーションに対する操作制限の有無を判定する。その結果、操作制限があると判定した場合はステップS80へ進む。この場合、ステップS80において、制御部10は、車両の走行中に近距離無線通信インタフェース部15による操作情報の送信を禁止する。ステップS80を実行したらステップS10へ戻る。一方、操作制限がないと判定した場合は、ステップS80を実行せずにステップS10へ戻る。この場合、制御部10は、ステップS80を実行しないことにより、車両の走行中に近距離無線通信インタフェース部15による操作情報の送信を許可する。
【0074】
続いて
図6のフローチャートについて説明する。このフローチャートに示す処理は、携帯端末2においてサブアプリケーションMsがバックグランドで実行されているときに、車載装置1と携帯端末2の間で通信が確立されると、制御部20により実行されるものである。
【0075】
ステップS110において、制御部20は、サブアプリケーションMaを起動する。これにより、サブアプリケーションMaがフォアグランドで実行され、前述のようなランチャ機能が制御部20において実現される。なお、このときサブアプリケーションMsは、そのままバックグランドでの実行が継続される。
【0076】
ステップS120において、制御部20は、サブアプリケーションMaの規制情報取得機能により、所定の取得先からセキュリティポリシーを取得する。そして、取得したセキュリティポリシーをメモリ部24に記憶する。
【0077】
ステップS130において、制御部20は、サブアプリケーションMaのランチャ機能により車載装置1の表示部11と携帯端末2の表示部21にそれぞれ表示されたメニュー画面において、いずれかのアプリケーションがユーザにより選択されたか否かを判定する。なお、車載装置1の表示部11に表示されたメニュー画面上でアプリケーションが選択された場合は、車載装置1から送信される操作情報に基づいて、選択されたアプリケーションが何であるかを判断することができる。いずれかのアプリケーションが選択されたら、次のステップS140へ進む。
【0078】
ステップS140において、制御部20は、ステップS130の判定結果を基に、ユーザに選択されたアプリケーションを起動する。ここで起動されたアプリケーションは、サブアプリケーションMaに代えて、制御部20によりフォアグランドでの実行が開始される。一方、それまでフォアグランドで実行されていたサブアプリケーションMaは、バックグランドで実行される。
【0079】
ステップS150において、制御部20は、ステップS140で起動したアプリケーションの通知を行う。この処理により、サブアプリケーションMaからサブアプリケーションMsに対して起動アプリケーションが通知され、サブアプリケーションMsにおいて起動アプリケーションが認識される。
【0080】
ステップS160において、制御部20は、サブアプリケーションMsの動作規制機能により、ステップS120で取得したセキュリティポリシーを参照する。
【0081】
ステップS170において、制御部20は、サブアプリケーションMsの動作規制機能により、ステップS160で参照したセキュリティポリシーにおいて、ステップS150で通知された起動アプリケーションに対応する部分の有無を判定する。対応部分がある場合、すなわち起動アプリケーションに対する車両走行中の動作規制の内容がセキュリティポリシー内に記述されている場合は、ステップS180へ進む。一方、対応部分がない場合、すなわち起動アプリケーションに対する車両走行中の動作規制の内容がセキュリティポリシー内に記述されていない場合は、ステップS190へ進む。
【0082】
ステップS180において、制御部20は、サブアプリケーションMsの通信機能により、ステップS160で参照したセキュリティポリシーにおいて起動アプリケーションに対応する部分を抽出し、その部分に応じた制限情報を車載装置1へ送信する。これにより、起動アプリケーションに対する車両走行中の動作規制の内容に応じた制限情報が、携帯端末2の近距離無線通信インタフェース部25を介して、車載装置1の近距離無線通信インタフェース部15へ送信される。ステップS180を実行したら、制御部20はステップS200へ進む。
【0083】
ステップS190において、制御部20は、サブアプリケーションMsの通信機能により、所定のデフォルト制限情報を車載装置1へ送信する。このデフォルト制限情報は、前述のアプリケーションDが起動された場合に送信される制限情報に対応するものである。すなわち、最も厳しい走行規制である表示制限および操作制限の両方を車載装置1に対して指示する制限情報が、デフォルト制限情報として送信される。これにより、起動アプリケーションに対する車両走行中の動作規制の内容に応じた制限情報として、所定のデフォルト制限情報が、携帯端末2の近距離無線通信インタフェース部25を介して、車載装置1の近距離無線通信インタフェース部15へ送信される。ステップS190を実行したら、制御部20はステップS200へ進む。
【0084】
ステップS200において、制御部20は、後で説明する実行アプリケーション監視処理をステップS210で前回実行してから、所定時間を経過したか否かを判定する。所定時間を既に経過していた場合はステップS210へ進み、まだ経過していない場合はステップS220へ進む。なお、ステップS210の実行アプリケーション監視処理を未実行である場合、ステップS180またはS190で制限情報を送信した時点を基準に、そこから所定時間を経過したか否かを判定すればよい。
【0085】
ステップS210において、制御部20は、実行アプリケーション監視処理を実行する。この実行アプリケーション監視処理は、制御部20において現在実行中のアプリケーション、すなわち実行アプリケーションが何であるかを判断し、その実行アプリケーションが正規の起動手順であるランチャ機能を用いて起動されたものであるか否かを監視するための処理である。なお、実行アプリケーション監視処理の具体的な処理手順については、後で
図7のフローチャートを用いて詳しく説明する。
【0086】
ステップS220において、制御部20は、サブアプリケーションMaのランチャ機能により車載装置1の表示部11と携帯端末2の表示部21にそれぞれ表示されたメニュー画面において、起動アプリケーションとは別のアプリケーションが選択されたか否かを判定する。起動アプリケーションとは別のアプリケーションが選択された場合はステップS140へ戻り、そのアプリケーションをステップS140で起動した後、前述したステップS150以降の処理を繰り返す。一方、起動アプリケーションとは別のアプリケーションが選択されていない場合は、ステップS200へ戻る。なお、制御部20では、たとえば起動アプリケーションを終了またはバックグランドで実行すると共に、サブアプリケーションMaを再びフォアグランドで実行することで、メニュー画面を再表示して起動アプリケーションとは別のアプリケーションを選択することができる。
【0087】
図7は、
図6のステップS210で実行される実行アプリケーション監視処理のフローチャートである。
【0088】
ステップS310において、制御部20は、現在実行中のアプリケーション、すなわち実行アプリケーションが何であるかを判断する。このとき制御部20は、サブアプリケーションMsにより、OS203に対して実行アプリケーションの問い合わせを行う。この問い合わせに応じてOS203からサブアプリケーションMsへ実行アプリケーションが通知されることで、サブアプリケーションMsの動作規制機能により、実行アプリケーションの判断を行うことができる。
【0089】
ステップS320において、制御部20は、サブアプリケーションMsの動作規制機能により、
図6のステップS150で通知された起動アプリケーションと、ステップS310で判断された実行アプリケーションとを比較する。すなわち、ステップS140でサブアプリケーションMaのランチャ機能により起動されたアプリケーションと、制御部20で現在実行されているアプリケーションとを比較する。
【0090】
ステップS330において、制御部20は、ステップS320の比較結果に基づいて、起動アプリケーションと実行アプリケーションが一致しているか否かを判定する。起動アプリケーションと実行アプリケーションが一致している場合は
図7のフローチャートに示す実行アプリケーション監視処理を終了し、
図6のステップS220へ進む。すなわち、この場合は、正規の起動手順であるランチャ機能を用いて起動されたアプリケーションが制御部20において実行されており、制限情報を改めて送信する必要がない。そのため、制限情報を送信せずに実行アプリケーション監視処理を終了する。一方、起動アプリケーションと実行アプリケーションが一致していない場合は、ステップS340へ進む。
【0091】
なお、ステップS330の判定において、ステップS310でOS203から通知された実行アプリケーションが複数存在した場合、その複数の実行アプリケーションの中に起動アプリケーションが含まれていれば、両アプリケーションが一致していると判定することが好ましい。制御部20において複数のアプリケーションを同時に実行可能な場合は、このようにすることで、ステップS330の判定を正しく行うことができる。
【0092】
ステップS340において、制御部20は、
図6のステップS190を実行することで、所定のデフォルト制限情報を携帯端末2から車載装置1へ既に送信済みであるか否かを判定する。デフォルト制限情報を送信済みである場合は、再びデフォルト制限情報を送信する必要がないため、
図7のフローチャートに示す実行アプリケーション監視処理を終了して
図6のステップS220へ進む。一方、ステップS190でデフォルト制限情報を送信していない場合は、ステップS350へ進む。
【0093】
ステップS350において、制御部20は、
図6のステップS190と同様に、最も厳しい走行規制である表示制限および操作制限の両方を車載装置1に対して指示するためのデフォルト制限情報を車載装置1へ送信する。これにより、実行アプリケーションに対する車両走行中の動作規制の内容に応じた制限情報として、所定のデフォルト制限情報が、携帯端末2の近距離無線通信インタフェース部25を介して、車載装置1の近距離無線通信インタフェース部15へ送信される。ステップS350を実行したら、
図7のフローチャートに示す実行アプリケーション監視処理を終了して
図6のステップS220へ進む。なお、ステップS340の処理を省略することで、既にデフォルト制限情報を送信済みである場合においても、ステップS350を実行してデフォルト制限情報を送信するようにしてもよい。
【0094】
以上説明したような実行アプリケーション監視処理を所定時間ごとに実行することで、制御部20は、所定時間ごとに実行アプリケーションを判断して起動アプリケーションと比較し、その比較結果に基づいて制限情報を車載装置1へ送信することができる。
【0095】
以上説明した本発明の一実施の形態によれば、次の(1)〜(7)のような作用効果を奏する。
【0096】
(1)車載情報システムにおいて、携帯端末2は、制御部20の処理により、制御部20で実行されているアプリケーションを所定時間ごとに判断する(ステップS310)。そして、起動アプリケーション、すなわちサブアプリケーションMaのランチャ機能により起動されたアプリケーションと、ステップS310で判断された実行アプリケーションとの比較を行い(ステップS320)、この比較の結果に基づいて、実行アプリケーションに対する車両走行中の動作規制の内容に応じた制限情報を車載装置1へ送信する(ステップS350)。このようにしたので、車両の走行中に、携帯端末2を車載装置1に接続し、携帯端末2においてインストールされたアプリケーションを実行して画像や音声を車載装置1から出力する場合に、運転の安全性を確保することができる。
【0097】
(2)制御部20は、所定の各アプリケーションに対する車両走行中の動作規制の内容を示す規制情報としてのセキュリティポリシーを取得する(ステップS120)。そして、ステップS320で起動アプリケーションと実行アプリケーションの比較を行う前に、ステップS210で取得したセキュリティポリシーに基づいて、起動アプリケーションに対する車両走行中の動作規制の内容に応じた制限情報を車載装置1へ送信する(ステップS180)。また、ステップS320で起動アプリケーションと実行アプリケーションの比較を行った後に、その比較結果に基づいて、ステップS350において、実行アプリケーションに対する車両走行中の動作規制の内容に応じた制限情報を車載装置1へ送信する。このようにしたので、アプリケーションの起動に応じて、そのアプリケーションに対して適切な制限情報を携帯端末2から車載装置1へ送信することができる。また、正規の起動手順であるランチャ機能を用いて起動されたものとは異なるアプリケーションが実行されている場合に、そのアプリケーションに対して適切な制限情報を携帯端末2から車載装置1へ送信することができる。
【0098】
(3)制御部20は、ステップS320での比較結果に基づいて、起動アプリケーションと実行アプリケーションが一致するか否かを判定する(ステップS330)。その結果、起動アプリケーションと実行アプリケーションが一致しないと判定された場合、ステップS350において、実行アプリケーションに対する車両走行中の動作規制の内容に応じた制限情報として、所定のデフォルト制限情報を車載装置1へ送信する。このようにしたので、正規の起動手順であるランチャ機能を用いて起動されたものとは異なるアプリケーションが実行されている場合に、当該アプリケーションに対するセキュリティポリシーの内容に関わらず、最も厳しい走行規制を車載装置1に対して指示することができる。
【0099】
(4)一方、ステップS330の判定の結果、起動アプリケーションと実行アプリケーションが一致すると判定された場合、制御部20は、ステップS350を実行せずに制限情報を送信しないようにした。このようにして不要な制限情報の送信を禁止したので、処理負担や通信負荷の軽減を図ることができる。
【0100】
(5)携帯端末2は、映像・音声信号出力部26を用いて、制御部20によりフォアグランドで実行されているアプリケーションに応じた画像を車載装置1へ出力する。一方、車載装置1は、携帯端末2から出力された画像を表示部11に表示すると共に、ユーザによる操作を操作部12により入力し、その操作に応じた操作情報を近距離無線通信インタフェース部15により携帯端末2へ送信する。このとき車載装置1は、制御部10の処理により、携帯端末2から送信された制限情報に基づいて、車両走行中に、表示部11による画像の表示と、近距離無線通信インタフェース部15による操作情報の送信とを、それぞれ許可または禁止する(ステップS30〜S80)。このようにしたので、車両走行中に携帯端末2で実行中のアプリケーションによる画像や音声が車載装置1において出力されることで生じる運転への悪影響を防ぐことができる。
【0101】
(6)制御部20は、ランチャ機能を有するサブアプリケーションMaを実行する(ステップS110)ことで、ランチャ機能を実現する。このようにしたので、ランチャ機能を確実に実現することができる。
【0102】
(7)制御部20は、サブアプリケーションMaをフォアグランドで実行すると共に、ステップS320で比較を行うための動作規制機能と、ステップS180、S190またはS350で制限情報を車載装置1へ送信するための通信機能とを有するサブアプリケーションMsをバックグランドで実行する。このようにしたので、制御部20の各機能を適切に分担して実現することができる。
【0103】
なお、以上説明した実施の形態では、
図7のステップS330において起動アプリケーションと実行アプリケーションが一致すると判定した場合、実行アプリケーション監視処理を終了して制限情報を送信しないこととした。しかし、この場合にも
図6のステップS180またはS190と同様にして制限情報を送信するようにしてもよい。すなわち、実行アプリケーションに対する車両走行中の動作規制の内容がセキュリティポリシー内に記述されている場合は、ステップS180と同様に、その内容に応じた制限情報を車載装置1へ送信する。一方、実行アプリケーションに対する車両走行中の動作規制の内容がセキュリティポリシー内に記述されていない場合は、ステップS190と同様に、最も厳しい走行規制を車載装置1に対して指示するデフォルト制限情報を車載装置1へ送信する。このようにすれば、ステップS320で起動アプリケーションと実行アプリケーションの比較を行う前にステップS180またはS190で送信した制限情報が、再び車載装置1へと送信される。
【0104】
また、以上説明した実施の形態では、映像・音声ケーブル3を介して車載装置1と携帯端末2を互いに接続することで、携帯端末2から車載装置1へ映像信号と音声信号を送信する例を説明した。また、Bluetooth等の所定の通信規格に従って行われる近距離無線通信により、車載装置1と携帯端末2との間で通信を行う例を説明した。しかし、他の通信方式や信号伝送方式を用いても本発明は実現可能である。たとえば、携帯端末2から車載装置1への映像信号や音声信号を無線通信で送信してもよい。また、車載装置1と携帯端末2との間の通信をUSB等の有線通信を用いて行うこともできる。車載装置1と携帯端末2との間で必要な信号や情報を送受信可能なものである限り、どのような通信方式を採用してもよい。
【0105】
以上説明した実施の形態において、車速信号やパーキング信号以外にも、車両から出力される様々な車両情報を車載装置1において取得するようにしてもよい。このとき取得された車両情報は、車載装置1が実行する処理において利用してもよいし、あるいは、車載装置1から携帯端末2へ出力し、携帯端末2が実行する処理において利用してもよい。一例として、車両情報に応じた起動条件をアプリケーションごとに予め設定しておき、その起動条件を満たす車両情報が車両から出力されたときに、当該アプリケーションを携帯端末2において自動的に起動するようにすることができる。この場合、各アプリケーションの起動条件を示す情報を携帯端末2から車載装置1へ送信し、車載装置1において起動条件を満たすか否かを車両情報に基づいて判定してもよい。あるいは、車載装置1から携帯端末2へ車両情報を送信し、その車両情報に基づいて起動条件を満たすか否かを携帯端末2において判定してもよい。これにより、たとえば、燃料残量が所定値未満まで減ってきたという車両情報が車両から出力されたときに、現在位置周辺のガソリンスタンドを検索するためのアプリケーションを携帯端末2において自動的に起動することができる。
【0106】
以上説明した実施の形態では、ユーザのボタン操作の内容を表すボタン情報やタッチパネル操作で指定された画面上の位置を表す座標情報を操作情報として車載装置1から携帯端末2へ送信し、その操作情報に基づいてユーザの操作内容を携帯端末2が判断する例を説明した。しかし、このようにはせず、ユーザの操作内容を車載装置1において判断し、その判断結果に応じて車載装置1から携帯端末2へアプリケーションの起動指令や停止指令などを送信してもよい。
【0107】
なお、上述した実施形態におけるアプリケーションマネージャを実現するためのプログラムは、CD−ROMなどの記録媒体やインターネットなどの電気通信回線を通じて、携帯端末2に提供することができる。
図8はその様子を示す図である。パーソナルコンピュータ200は、携帯端末2と接続されており、サーバ装置201から通信回線202を介して提供されたアプリケーションマネージャのプログラム、またはCD−ROM203から読み出したアプリケーションマネージャのプログラムを携帯端末2へ供給する。また、パーソナルコンピュータ200を介さずに、サーバ装置201から通信回線202を介して携帯端末2へアプリケーションマネージャのプログラムを供給することもできる。通信回線202は、インターネット、パソコン通信などの通信回線、専用通信回線、携帯電話回線網などである。サーバ201は、通信回線202を介してアプリケーションマネージャのプログラムをパーソナルコンピュータ200や携帯端末2に送信する。すなわち、プログラムを搬送波上のデータ信号に変換して、通信回線202を介して送信する。このように、記録媒体や搬送波などの種々の形態のコンピュータ読み込み可能なプログラム製品として、携帯端末2において実行可能なアプリケーションマネージャのプログラムを提供することができる。
【0108】
以上説明した実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。また、上記実施の形態と変形例とを任意に組み合わせて用いてもよい。
【0109】
次の優先権基礎出願の開示内容は引用文としてここに組み込まれる。
日本国特許出願2012年第124543号(2012年5月31日出願)