【文献】
LIU,DISCOVERY OF A POTENT, SELECTIVE, AND ORALLY BIOAVAILABLE C-MET INHIBITOR: 以下備考,J. MED. CHEM.,2008年 6月14日,V51 N13,P3688-3691,1-(2-HYDROXY-2-METHYLPROPYL)-N-(5-(7-METHOXYQUINOLIN-4-YLOXY)PYRIDIN-2-YL)-5-METHYL-3-OXO-2-PHENYL-2
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0052】
(発明の詳細な説明)
(定義及び一般的専門用語)
本明細書に開示されたある実施態様を詳細な参照とし、その例は付随する構造及び式に
おいて例示されている。本発明は、請求項により定義された本明細書に開示された範囲内
に含まれ得る全ての代替物、修飾物及び同等物を対象とすることが意図されている。当業
者は、本明細書に開示された実践において使用することができる、本明細書に開示された
ものに類似した又はそれと同等の多くの方法及び材料を認めるであろう。本明細書に開示
された方法及び材料は、いかなる意味においても限定されない。組み込まれている文献、
特許、及び同様の素材の1以上が、非限定的に定義された用語、用語の使用、説明された
技術などを含む本明細書と異なる又は矛盾する場合には、本明細書が支配する。
【0053】
別途指示されない限り、本明細書において使用される以下の定義を、適用するものとす
る。本明細書に開示された目的に関して、化学元素は、CAS版の「元素周期表(Periodic T
able of the Elements)」、及び「化学と物理ハンドブック(Handbook of Chemistry and
Physics)」、第75版、1994年に従い確定されている。加えて、有機化学の一般的原理は、
「有機化学(Organic Chemistry)」、Thomas Sorrell、University Science Books、サウ
サリート:1999年、並びに「March最新有機化学(March's Advanced Organic Chemistry)
」、Michael B. Smith及びJerry March、John Wiley & Sons社、ニューヨーク:2007年に
おいて説明されており、これらの全内容は引用により本明細書中に組み込まれている。
【0054】
本明細書に開示された化合物は、一般に先に例示されたように、又は本明細書に開示さ
れた特定のクラス、サブクラス及び種により例証されたように、1以上の置換基により任
意に置換されることができる。語句「任意に置換された」は、語句「置換又は非置換の」
と互換性を持って使用されることは理解されるであろう。概して、用語「任意に」が先行
してもしなくても用語「置換された」とは、所与の構造における1以上の水素ラジカルの
、特定された置換基のラジカルとの交換をいう。別途指示されない限りは、任意に置換さ
れた基は、その基の置換可能な各位置に置換基を有することができる。所与の構造におけ
る1よりも多い位置が、特定された基から選択された1よりも多い置換基により置換される
ことができる場合、この置換基は、各位置において同じ又は異なることができる。
【0055】
本明細書において使用される用語「脂肪族」又は「脂肪族基」とは、完全に飽和されて
いるか又は不飽和の単位を1以上含む、直鎖(すなわち分岐していない)又は分岐した、置
換又は非置換の炭化水素鎖をいう。別途特定されない限りは、脂肪族基は、炭素原子を1
〜20個含む。一部の実施態様において、脂肪族基は、炭素原子を1〜10個含む。別の実施
態様において、脂肪族基は、炭素原子を1〜8個含む。更に別の実施態様において、脂肪族
基は、炭素原子を1〜6個含み、かつ更に別の実施態様において、脂肪族基は、炭素原子を
1〜4個含む。好適な脂肪族基は、線状又は分岐した、置換又は非置換のアルキル基、アル
ケニル基、又はアルキニル基を含むが、これらに限定されるものではない。
【0056】
本明細書において使用される用語「アルキル」とは、炭素原子1〜20個の、飽和された
直鎖又は分岐鎖の、一価の炭化水素ラジカルをいい、ここでアルキルラジカルは任意に、
以下に説明された置換基の1以上により独立して置換されてよい。脂肪族基の更なる例は
、メチル(Me、-CH
3)、エチル(Et、-CH
2CH
3)、1-プロピル(n-Pr、n-プロピル、-CH
2CH
2CH
3
)、2-プロピル(i-Pr、i-プロピル、-CH(CH
3)
2)、1-ブチル(n-Bu、n-ブチル、-CH
2CH
2CH
2C
H
3)、2-メチル-1-プロピル(i-Bu、i-ブチル、-CH
2CH(CH
3)
2)、2-ブチル(s-Bu、s-ブチル
、-CH(CH
3)CH
2CH
3)、2-メチル-2-プロピル(t-Bu、t-ブチル、-C(CH
3)
3)、1-ペンチル(n-
ペンチル、-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3)、2-ペンチル(-CH(CH
3)CH
2CH
2CH
3)、3-ペンチル(-CH(CH
2CH
3)
2)、2-メチル-2-ブチル(-C(CH
3)
2CH
2CH
3)、3-メチル-2-ブチル(-CH(CH
3)CH(CH
3)
2)、3-
メチル-1-ブチル(-CH
2CH
2CH(CH
3)
2)、2-メチル-1-ブチル(-CH
2CH(CH
3)CH
2CH
3)、1-ヘキシ
ル(-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3)、2-ヘキシル(-CH(CH
3)CH
2CH
2CH
2CH
3)、3-ヘキシル(-CH(CH
2CH
3
)(CH
2CH
2CH
3))、2-メチル-2-ペンチル(-C(CH
3)
2CH
2CH
2CH
3)、3-メチル-2-ペンチル(-CH(C
H
3)CH(CH
3)CH
2CH
3)、4-メチル-2-ペンチル(-CH(CH
3)CH
2CH(CH
3)
2)、3-メチル-3-ペンチル
(-C(CH
3)(CH
2CH
3)
2)、2-メチル-3-ペンチル(-CH(CH
2CH
3)CH(CH
3)
2)、2,3-ジメチル-2-ブ
チル(-C(CH
3)
2CH(CH
3)
2)、3,3-ジメチル-2-ブチル(-CH(CH
3)C(CH
3)
3、1-ヘプチル、1-オ
クチルなどを含むが、これらに限定されるものではない。本明細書において使用される用
語「アルキル」及び接頭辞「アルキ-」は、直鎖及び分岐したの両方の飽和炭素鎖を含む
。本明細書において使用される用語「アルキレン」は、2個の水素原子の除去により、直
鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素に由来した、飽和された二価の炭化水素基を表し、かつメチ
レン、エチレン、イソプロピレンなどにより例示される。
【0057】
用語「アルケニル」は、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち炭素-炭素、sp
2二重結
合を伴う、炭素原子2〜12個の直鎖又は分岐鎖の一価の炭化水素ラジカルをいい、ここで
アルケニルラジカルは任意に、本明細書に説明された置換基の1以上により独立して置換
されてよく、かつ「シス」及び「トランス」配向、あるいは「E」及び「Z」配向を有する
ラジカルを含む。例は、エチレニル又はビニル(-CH=CH
2)、アリル(-CH
2CH=CH
2)などを含
むが、これらに限定されるものではない。
【0058】
用語「アルキニル」は、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち炭素-炭素、sp三重結合
を伴う、炭素原子2〜12個の線状又は分岐した一価の炭化水素ラジカルをいい、ここでア
ルキニルラジカルは任意に、1以上の本明細書に説明された置換基により独立して置換さ
れてよい。例は、エチニル(-C≡CH)、プロピニル(プロパルギル、-CH
2C≡CH)などを含む
が、これらに限定されるものではない。
【0059】
用語「シクロ脂肪族」(又は「炭素環」、「カルボシクリル」、「炭素環式リング」及
び「シクロアルキル」)は、単環として炭素原子3〜12個又は二環として炭素原子7〜12個
を有する、一価又は多価の非芳香族の飽和又は部分的に不飽和の環をいう。7〜12個の原
子を有する二環式炭素環は、例えば、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]又は[6,6]システムと
して配置されることができ、並びに9又は10個の環原子を有する二環式炭素環は、ビシク
ロ[5,6]又は[6,6]システムとして配置されることができる。好適なシクロ脂肪族基は、シ
クロアルキル、シクロアルケニル、及びシクロアルキニルを含むが、これらに限定される
ものではない。シクロ脂肪族基の更なる例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペ
ンチル、1-シクロペンタ-1-エニル、1-シクロペンタ-2-エニル、1-シクロペンタ-3-エニ
ル、シクロヘキシル、1-シクロヘキサ-1-エニル、1-シクロヘキサ-2-エニル、1-シクロヘ
キサ-3-エニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニ
ル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシルなどを含む。
【0060】
本明細書において互換的に使用される用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロ
シクロ脂肪族」又は「複素環式」とは、1以上の環員が独立して選択されたヘテロ原子で
あり、かつ完全に飽和された又は1以上の不飽和単位を含むが、該分子の残余への単独の
結合点を有する、芳香族ではない、単環、二環、又は三環をいう。環原子の1以上は任意
に、以下に説明される置換基の1以上により独立して置換されている。一部の実施態様に
おいて、「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクロ脂肪族」又は「複素環式」基
は、環員3〜7個を有する単環(例えば、炭素原子1〜6個、及びN、O、P又はSから選択され
たヘテロ原子1〜3個、ここで該環が3-員環である場合、ただ1個のヘテロ原子が存在する
ことを条件とし、S又はPは任意に、1以上のオキソにより置換され、基SO又はSO
2、PO又は
PO
2を提供する。)であるか、又は環員7〜10個を有する二環(例えば、炭素原子4〜9個、及
びN、O、P又はSから選択されたヘテロ原子1〜3個、ここでS又はPは任意に、1以上のオキ
ソにより置換され、基SO又はSO
2、PO又はPO
2を提供する。)である。
【0061】
ヘテロシクリルは、炭素ラジカル又はヘテロ原子ラジカルであってよい。「ヘテロシク
リル」は、複素環ラジカルが、飽和された環、部分的に不飽和の環、又は複素環と縮合さ
れているラジカルも含む。複素環の例は、ピロリジニル、
テトラヒドロフラニル、ジヒド
ロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラ
ヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラ
ジニル、ホモピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニ
ル、オキセパニル、チエパニル、オキサアゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、2-ピ
ロリニル、3-ピロリニル、インドリニル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、ジオキサニル、1,
3-ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒ
ドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニルイミダゾリニル、イミダゾリジニル、
1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3-アザビシ
クロ[4.1.0]ヘプタニル、アザビシクロ[2.2.2]ヘキサニル、3H-インドリルキノリジニル
及びN-ピリジル尿素を含むが、これらに限定されるものではない。複素環のいくつかの非
限定的例は、1,1-ジオキソ-チオモルホリニルを含み、かつ環上の炭素原子2個がオキソ(=
O)部分により置換されている複素環式基は、ピリミジンジオニルである。ここにおいて複
素環式基は任意に、本明細書に説明された置換基の1以上により独立して置換される。
【0062】
用語「ヘテロシクリルアルキル」とは、複素環で置換されたアルキルラジカルをいう。
用語「ヘテロシクリルアルコキシ」とは、酸素原子が該分子の残余への結合点として働く
、複素環で置換されたアルコキシラジカルをいう。用語「ヘテロシクリルアルキルアミノ
」とは、窒素原子が該分子の残余への結合点として働く、複素環で置換されたアルキルア
ミノラジカルをいう。用語「ヘテロシクリルオキシ」とは、酸素原子が該分子の残余への
結合点として働く、複素環で置換された酸素ラジカルをいう。用語「ヘテロシクリルアミ
ノ」及び「ヘテロシクリルアルキルアミノ」とは、窒素原子が該分子の残余への結合点と
して働く、複素環で置換された窒素ラジカル、並びに複素環及びアルキルで置換された窒
素ラジカルをいう。
【0063】
用語「ヘテロ原子」とは、窒素、イオウ、若しくはリンの任意の酸化された形を含む、
1個以上の酸素、イオウ、窒素、リン、若しくはケイ素;任意の塩基性窒素の四級化され
た形;又は、複素環の置換可能な窒素、例えばN(3,4-ジヒドロ-2H-ピロリルにおける)、N
H(ピロリジニルにおける)若しくはNR(N-置換されたピロリジニルにおける)をいう。
【0064】
用語「ハロゲン」とは、F、Cl、Br又はIをいう。
【0065】
本明細書において使用される用語「不飽和の」とは、部分が不飽和単位を1以上有する
ことをいう。
【0066】
本明細書において使用される用語「アルコキシ」とは、酸素(「アルコキシ」)原子を介
して炭素主鎖に結合された、先に定義されたようなアルキル基をいう。
【0067】
用語「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」又は「ハロアルコキシ」とは、1以上のハ
ロゲン原子により置換されている、場合に応じた、アルキル、アルケニル、又はアルコキ
シをいう。
【0068】
単独で使用されるか、又は「アラルキル」、「アラルコキシ」若しくは「アリールオキ
シアルキル」のようにより大きい部分の一部として使用される用語「アリール」は、合計
6〜14の環員を有する、単環、二環、及び三環の炭素環系をいい、ここで該系の環の少な
くとも1つは芳香族であり、ここで該系の各環は、3〜7の環員を含み、かつ該分子の残余
への単独の結合点を有する。用語「アリール」は、用語「アリール環」と互換的に使用さ
れることができる。アリール環のいくつかの非限定的例は、フェニル、ナフチル、及びア
ントラセンを含む。
【0069】
単独で使用されるか、又は「ヘテロアラルキル」若しくは「ヘテロアリールアルコキシ
」のようにより大きい部分の一部として使用される用語「ヘテロアリール」は、合計5〜1
4の環員を有する、単環、二環、及び三環の環系をいい、ここで該系中の環の少なくとも1
つは芳香族であり、該系中の環の少なくとも1つはヘテロ原子を1個以上含み、ここで該系
の各環は、3〜7の環員を含み、かつ該分子の残余への単独の結合点を有する。用語「ヘテ
ロアリール」は、用語「ヘテロアリール環」又は用語「ヘテロ芳香族」と互換的に使用さ
れることができる。
【0070】
好適なヘテロアリール環のいくつかの非限定的例は、以下の単環:2-フラニル、3-フラ
ニル、N-イミダゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、5-イミダゾリル、3-イソオキ
サゾリル、4-イソオキサゾリル、5-イソオキサゾリル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル
、5-オキサゾリル、N-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-
ピリジル、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル、ピリダジニル(例えば、3
-ピリダジニル)、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、テトラゾリル(例えば、5
-テトラゾリル)、トリアゾリル(例えば、2-トリアゾリル及び5-トリアゾリル)、2-チエニ
ル、3-チエニル、ピラゾリル(例えば、2-ピラゾリル)、イソチアゾリル、1,2,3-オキサジ
アゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,
2,3-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、ピラジニル、1,3,
5-トリアジニル、並びに以下の二環:ベンズイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチオフ
ェニル、インドリル(例えば、2-インドリル)、プリニル、キノリニル(例えば、2-キノリ
ニル、3-キノリニル、4-キノリニル)、又はイソキノリニル(例えば、1-イソキノリニル、
3-イソキノリニル、又は4-イソキノリニル)を含む。
【0071】
単独で使用されるか又はアルキルスルホニルなどの他の用語と組み合わせて使用される
かのいずれかの用語「スルホニル」とは、各々二価のラジカル-SO
2-をいう。用語「アル
キルスルホニル」とは、アルキルスルホニル(-SO
2CH
3)を形成する、アルキルラジカルに
より置換されたスルホニルラジカルをいう。
【0072】
用語「スルファミル」、「アミノスルホニル」及び「スルホンアミジル」とは、スルホ
ンアミド(-SO
2NH
2)を形成する、アミンラジカルにより置換されたスルホニルラジカルを
いう。
【0073】
単独で使用されるか又は「カルボキシアルキル」などの他の用語と組み合わせて使用さ
れるかのいずれかの用語「カルボキシ」又は「カルボキシル」とは、-CO
2Hをいう。単独
で使用されるか又は「アミノカルボニル」若しくは「カルボニルオキシ」などの他の用語
と一緒に使用されるかのいずれかの用語「カルボニル」とは、-(C=O)-をいう。
【0074】
用語「アラルキル」は、アリール-置換されたアルキルラジカルをいう。一部の実施態
様において、アラルキルラジカルは、炭素原子1〜6個を有するアルキルラジカルに結合さ
れたアリールラジカルを有する、「低級アラルキル」ラジカルである。別の実施態様にお
いて、アラルキルラジカルは、炭素原子1〜3個を有するアルキル部分に結合された「フェ
ニルアルキレニル」である。そのようなラジカルのいくつかの非限定的例は、ベンジル、
ジフェニルメチル及びフェニルエチルを含む。前記アラルキルにおけるアリールは、ハロ
、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル及びハロアルコキシにより追加的に置換されるこ
とができる。
【0075】
用語「アルキルチオ」とは、二価のイオウ原子に結合された炭素原子1〜10個の線状又
は分岐したアルキルラジカルを含むラジカルをいう。別の実施態様において、アルキルチ
オラジカルは、炭素原子1〜3個を有する、低級アルキルチオラジカルである。「アルキル
チオ」のいくつかの非限定的例は、メチルチオ(CH
3S-)を含む。
【0076】
用語「ハロアルキルチオ」とは、二価のイオウ原子に結合された炭素原子1〜10個のハ
ロアルキルラジカルを含むラジカルをいう。別の実施態様において、ハロアルキルチオラ
ジカルは、炭素原子1〜3個を有する低級ハロアルキルチオラジカルである。「ハロアルキ
ルチオ」のいくつかの非限定的例は、トリフルオロメチルチオを含む。
【0077】
用語「アルキルアミノ」とは、アミノ基が、各々、1個のアルキルラジカルによるか又
は2個のアルキルラジカルにより独立して置換されている、「N-アルキルアミノ」及び「N
,N-ジアルキルアミノ」をいう。別の実施態様において、アルキルアミノラジカルは、窒
素原子に結合された炭素原子1〜6個のアルキルラジカル1又は2個を有する「低級アルキル
アミノ」ラジカルである。更に別の実施態様において、アルキルアミノラジカルは、炭素
原子1〜3個を有する低級アルキルアミノラジカルである。好適なアルキルアミノラジカル
のいくつかの非限定的例は、N-メチルアミノ、N-エチルアミノ、N,N-ジメチルアミノ、N,
N-ジエチルアミノなどの、モノ又はジアルキルアミノを含む。
【0078】
用語「アリールアミノ」は、1又は2個のアリールラジカルにより置換されているアミノ
基をいう。アリールアミノのいくつかの非限定的例は、N-フェニルアミノを含む。一部の
実施態様において、アリールアミノラジカルは、該ラジカルのアリール環部分上で置換さ
れているものを含む。
【0079】
用語「ヘテロアリールアミノ」とは、1又は2個のヘテロアリールラジカルにより置換さ
れているアミノ基をいう。ヘテロアリールアミノのいくつかの非限定的例は、N-チエニル
アミノを含む。別の実施態様において、「ヘテロアリールアミノ」ラジカルは、該ラジカ
ルのヘテロアリール環部分上で置換されているものを含む。
【0080】
用語「アミノアルキル」とは、そのいずれかひとつは1以上のアミノラジカルにより置
換されているものを含む、炭素原子1〜約10個を有する線状又は分岐したアルキルラジカ
ルをいう。一部の実施態様において、アミノアルキルラジカルは、炭素原子1〜6個及び1
以上のアミノラジカルを有する「低級アミノアルキル」ラジカルである。そのようなラジ
カルのいくつかの非限定的例は、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノ
ブチル又はアミノヘキシルを含む。
【0081】
用語「アルキルアミノアルキル」とは、アルキルアミノラジカルにより置換されたアル
キルラジカルをいう。一部の実施態様において、アルキルアミノアルキルラジカルは、炭
素原子1〜6個のアルキルラジカルを有する、「低級アルキルアミノアルキル」ラジカルで
ある。別の実施態様において、アルキルアミノアルキルラジカルは、炭素原子1〜3個のア
ルキルラジカルを有する、低級アルキルアミノアルキルラジカルである。好適なアルキル
アミノアルキルラジカルのいくつかの非限定的例は、N-メチルアミノメチル、N,N-ジメチ
ル-アミノエチル、N,N-ジエチルアミノメチルなどの、置換されたモノ又はジアルキルを
含む。
【0082】
用語「アルキルアミノアルコキシ」とは、アルキルアミノラジカルにより置換されたア
ルコキシラジカルをいう。好適なアルキルアミノアルコキシラジカルのいくつかの非限定
的例は、N-メチルアミノエトキシ、N,N-ジメチルアミノエトキシ、N,N-ジエチルアミノエ
トキシなどの、置換されたモノ又はジアルキルを含む。
【0083】
用語「アルキルアミノアルコキシアルコキシ」とは、アルキルアミノアルコキシラジカ
ルにより置換されたアルコキシラジカルをいう。好適なアルキルアミノアルコキシアルコ
キシラジカルのいくつかの非限定的例は、N-メチルアミノメトキシエトキシ、N-メチルア
ミノエトキシエトキシ、N,N-ジメチルアミノエトキシエトキシ、N,N-ジエチルアミノメト
キシメトキシなどの、モノ又はジアルキルを含む。
【0084】
用語「カルボキシアルキル」とは、そのいずれかひとつは1以上のカルボキシラジカル
により置換され得る、炭素原子1〜約10個を有する線状又は分岐したアルキルラジカルを
いう。そのようなラジカルのいくつかの非限定的例は、カルボキシメチル、カルボキシプ
ロピルなどを含む。
【0085】
用語「アリールオキシ」とは、酸素原子に結合された、先に定義されたような、任意に
置換されたアリールラジカルをいう。そのようなラジカルのいくつかの非限定的例は、フ
ェノキシを含む。
【0086】
用語「ヘテロアリールオキシ」とは、酸素原子に結合された、先に定義されたような、
任意に置換されたヘテロアリールラジカルをいう。
【0087】
用語「ヘテロアリールアルコキシ」とは、酸素原子を介して他のラジカルに結合された
、オキシ-含有ヘテロアリールアルキルラジカルをいう。
【0088】
用語「シクロアルキルアルキル」とは、シクロアルキル-置換されたアルキルラジカル
をいう。そのようなラジカルのいくつかの非限定的例は、シクロヘキシルメチルを含む。
これらのラジカル中のシクロアルキルは、ハロ、アルキル、アルコキシ又はヒドロキシに
より追加的に置換されてよい。
【0089】
用語「縮合二環式」、「縮合環式」、「縮合ビシクリル」及び「縮合シクリル」とは、
飽和され架橋された環系をいい、これは芳香族ではない二環系をいう。このような系は、
その中心構造に、芳香環又はヘテロ芳香環ではない(しかし、それらの上に芳香族置換は
有してよい)、分離された又は複合された不飽和を含んでよい。縮合ビシクリル中の各環
は、炭素環式又はヘテロ脂環式のいずれかであることができる。縮合二環系のいくつかの
非限定的例は、ヘキサヒドロ-フロ[3,2-b]フラン、2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-イン
デン、7-アザビシクロ[2.2.l]ヘプタン、及び1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロ-ナフタレ
ンを含む。
【0090】
用語「スピロシクリル」、「スピロ環式」、「スピロビシクリル」又は「スピロ二環式
」とは、別の環の特定の環炭素から生じる環をいう。例えば、以下に示されるように、飽
和され架橋された環系(環B及びB')は、「縮合二環式」と称されるのに対し、環A及び環B
は、これらの2つの飽和された環系間で原子を共有し、これは「スピロシクリル」又は「
スピロビシクリル」と称される。スピロシクリル中の各環は、炭素環式又はヘテロ脂環式
のいずれかであることができる。
【化11】
【0091】
本明細書において説明されるように、置換基から環系内の1つの環の中心へ描かれた結
合(以下に示す)は、それが結合された環上の任意の置換可能な位置での置換基の置換を表
している。例えば、
図aは、
図bに示されたB環上の任意の位置での可能性のある置換を表
している。
【化12】
【0092】
本明細書に説明されるように、環系内の結合と一緒に描かれた点線(
図cに示されたよう
な)は、二重結合又は単結合のいずれかを表している。例えば、
図cの構造は、
図dから選
択されたいずれかの構造を表している。
【化13】
【0093】
特に指定しない限りは、本明細書に図示された構造は、その構造の全ての異性体(例え
ば、鏡像異性体、ジアステレオマー、及び幾何異性体(若しくは配座異性体))の形状;例
えば、各不斉中心に関するR及びS立体配置、(Z)及び(E)二重結合異性体、並びに(Z)及び(
E)配座異性体を含むことも意味している。従って、本化合物の単独の立体化学的異性体に
加え、鏡像異性体、ジアステレオマー又は幾何異性体(若しくは配座異性体)の混合物は、
本明細書に開示された範囲内である。
【0094】
本明細書において使用される用語「プロドラッグ」とは、インビボにおいて式(I)の化
合物に変換される化合物を表している。そのような変換は、例えば、血液中の加水分解、
又は血液若しくは組織におけるプロドラッグ形の親形への酵素的変換により影響を受け得
る。本明細書に開示された化合物のプロドラッグは、例えば、エステルであることができ
る。本発明においてプロドラッグとして利用することができるエステルは、フェニルエス
テル、脂肪族(C
1-C
24)エステル、アシルオキシメチルエステル、炭酸エステル、カルバミ
ン酸エステル、及びアミノ酸エステルである。例えば、OH基を含む本明細書に開示された
化合物は、そのプロドラッグ形においてこの位置でアシル化されることができる。他のプ
ロドラッグ形は、例えば、親化合物上のOH基のリン酸化から生じるそれらのリン酸エステ
ルなどの、リン酸エステルを含む。プロドラッグの詳細な考察は、T. Higuchi及びV. Ste
llaの文献「新規送達システムとしてのプロドラッグ(Pro-drugs as Novel Delivery Syst
ems)」、A.C.S. Symposium Series、第14巻、Edward B. Roche編集、「薬物設計における
生体可逆性担体(Bioreversible Carriers in Drug Design)」、American Pharmaceutical
Association and Pergamon Press、1987年、J. Rautioらの論文、「プロドラッグ:設計
と臨床適用(Prodrugs: Design and Clinical Applications)」、Nature Review Drug Dis
covery、7, 255-270(2008)、並びに、S. J. Heckerらの論文、「リン酸エステル及びホス
ホン酸エステルのプロドラッグ(Prodrugs of Phosphates and Phosphonates)」、Journal
of Medicinal Chemistry, 51, 2328-2345 (2008)において提供されており、これらは各
々引用により本明細書中に組み込まれている。
【0095】
特に指定しない限りは、本明細書に開示された化合物の全ての互変異性体は、本発明の
範囲内である。加えて特に指定しない限りは、本明細書に図示された構造は、1種以上の
同位体的に多い原子の存在のみが異なる化合物を含むことも意味している。
【0096】
「代謝産物」は、体内での代謝を通して生成される、特定された化合物又はそれらの塩
の生成物である。化合物の代謝産物は、当該技術分野において公知の慣例的技術を用いて
同定し、かつそれらの活性は、本明細書に説明された試験などの試験を用い決定すること
ができる。そのような生成物は、投与された化合物の、例えば酸化、還元、加水分解、ア
ミド化、脱アミド化、エステル化、脱エステル化、酵素的開裂などから生じ得る。従って
本発明は、本明細書に開示された化合物を、それらの代謝生成物を生じるのに十分な時間
哺乳動物と接触させることを含むプロセスにより生成される化合物を含む、本明細書に開
示された化合物の代謝産物を含む。
【0097】
本明細書において使用される立体化学的定義及び慣例は、一般には、S. P. Parker編集
の「McGraw-Hill化学用語辞典(McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms)」(1984)、M
cGraw-Hill Book Company、ニューヨーク;並びに、Eliel, E.及びWilen, S.の文献、「
有機化合物の立体化学(Stereochemistry of Organic Compounds)」、John Wiley & Sons
社、ニューヨーク、1994年に従う。本明細書に開示された化合物は、不斉中心又はキラル
中心を含むことができ、その結果様々な立体異性形態で存在する。非限定的にジアステレ
オマー、鏡像異性体及びアトロプ異性体を含む本明細書に開示された化合物の全ての立体
異性形態に加え、ラセミ混合物などのそれらの混合物は、本発明の一部を形成することが
意図されている。多くの有機化合物が、光学活性形態で存在し、すなわちこれらは平面偏
光の面を回転する能力を有する。光学活性化合物の説明における接頭辞D及びL、又はR及
びSは、そのキラル中心の周りの分子の絶対配置を表すのに使用される。接頭辞d及びl又
は(+)及び(-)は、化合物による平面偏光の回転の符号を示すのに使用され、(-)又はlは、
化合物が左旋性であることを意味する。(+)又はdの接頭辞を持つ化合物は、右旋性である
。所与の化学構造に関して、これらの立体異性体は、これらが互いに鏡像であることを除
き、同一である。特定の立体異性体は、鏡像異性体とも称され、そのような異性体の混合
物は、鏡像異性混合物と称されることが多い。鏡像異性体の50:50混合物は、ラセミ混合
物又はラセミ化合物と称され、これは化学反応又はプロセスにおいて立体選択又は立体特
異性が存在しない場合に生じ得る。用語「ラセミ混合物」及び「ラセミ化合物」は、光学
活性を欠いている、2種類の鏡像異性体種の等モル混合物をいう。
【0098】
用語「互変異性体」又は「互変異性形態」とは、低いエネルギー障壁を介して相互変換
可能な異なるエネルギーの構造異性体をいう。プロトン互変異性体(プロトトロピック互
変異性体としても公知)のいくつかの非限定的例は、ケト−エノール及びイミン−エナミ
ン異性化などの、プロトンの移動を介した相互変換を含む。原子価互変異性体は、いくつ
かの結合電子の再編成による相互変換を含む。
【0099】
本明細書において使用される「医薬として許容し得る塩」とは、本明細書に開示された
化合物の有機塩又は無機塩をいう。医薬として許容し得る塩は、当該技術分野において周
知である。例えば、S. M. Bergeらは、論文J. Pharmaceutical Sciences, 66: 1-19, (19
77)において、医薬として許容し得る塩を詳細に説明しており、この論文は引用により本
明細書中に組み込まれている。医薬として許容し得る無毒の酸付加塩の例は、塩酸、臭化
水素酸、リン酸、硫酸及び過塩素酸などの無機酸と、又は酢酸、シュウ酸、マレイン酸、
酒石酸、クエン酸、コハク酸若しくはマロン酸などの有機酸と形成されるか、又はイオン
交換などの当該技術分野において使用される他の方法を使用することにより形成される、
アミノ基の塩を含むが、これらに限定されるものではない。その他の医薬として許容し得
る塩は、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼン
スルホン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファ
ースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エ
タンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グル
コン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-
エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リン
ゴ酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレ
イン酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン
酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、チオシ
アン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などを含む。好適な塩基
から生じた塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム及びN
+(C
1-4アルキル)
4の塩を含む。本発明は、本明細書に開示された化合物の任意の塩基性窒素含有基の四級
化も想定している。水又は油に溶解性又は分散性の生成物は、そのような四級化により得
ることができる。代表的アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウ
ム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどを含む。更なる医薬として許容し得る塩は
、適宜、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、カルボン酸イオン、硫酸イオン、リン酸
イオン、硝酸イオン、C
1-8スルホン酸イオン又はアリールスルホン酸イオンなどの対イオ
ンを用いて形成される、無毒なアンモニウム、四級アンモニウム、及びアミン陽イオンを
含む。
【0100】
「溶媒和物」とは、1種以上の溶媒分子と本明細書に開示された化合物の会合又は複合
体(complex)をいう。溶媒和物を形成する溶媒の例は、水、イソプロパノール、エタノー
ル、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸、及びエタノールアミンを含むが、これらに限
定されるものではない。用語「水和物」とは、溶媒分子が水である複合体をいう。
【0101】
用語「保護基」又は「Pg」は、その化合物上の他の官能基と反応する間、特定の官能性
をブロック又は保護するために一般に使用される置換基をいう。例えば、「アミノ保護基
」は、その化合物のアミノ官能性をブロック又は保護するためにアミノ基に結合された置
換基である。好適なアミノ保護基のいくつかの非限定的例は、アセチル、トリフルオロア
セチル、t-ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)及び9-フルオレニ
ルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)を含む。同様に、「ヒドロキシ保護基」は、ヒドロキ
シ官能性をブロック又は保護するヒドロキシ基の置換基をいう。好適なヒドロキシ保護基
のいくつかの非限定的例は、アセチル及びシリルを含む。「カルボキシ保護基」は、カル
ボキシ官能性をブロック又は保護するカルボキシ基の置換基である。一般的カルボキシ保
護基のいくつかの非限定的例は、-CH
2CH
2SO
2Ph、シアノエチル、2-(トリメチルシリル)エ
チル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル、2-(p-トルエンスルホニル)エチル、2-(p-
ニトロフェニルスルホニル)エチル、2-(ジフェニルホスフィノ)-エチル、ニトロエチルな
どを含む。保護基及びそれらの使用の全般的説明については、T. W. Greeneの文献、「有
機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」、John Wiley & Son
s社、ニューヨーク、1991年;及び、P. J. Kocienskiの文献、「保護基(Protecting Grou
ps)」、Thieme社、シュツットガルト、2005年を参照されたい。
【0102】
(本発明の化合物の説明)
プロテインキナーゼ、特にKDR、c-Met受容体及び/又はIGF受容体により調節された疾患
、状態及び/又は障害の治療において潜在的に有用である、複素環式化合物、及びそれら
の医薬製剤が、本明細書において開示されている。より詳細には、本明細書において提供
されているものは、式(I)の化合物、又はそれらの立体異性体、幾何異性体、互変異性体
、N-酸化物、水和物、溶媒和物、代謝産物、医薬として許容し得る塩若しくはプロドラッ
グを含む:
【化14】
(式中、R
3、U
1、X
1、Q
1及びQ
2の各々は、本明細書において定義されている。)。
【0103】
ある実施態様において、Q
1は、式(IIa)又は(IIb)を有し:
【化15】
(式中、V、V
1、V
2、V
3、V
4、X
2、X
3、Z、Z
1及びZ
2の各々は、本明細書において定義され
ている。);かつ、Q
2は、式(III)を有する:
【化16】
(式中、R
1、R
2、W
1、W
2、W
3、W
4及びU
2の各々は、本明細書において定義されている。)。
【0104】
一部の実施態様において、本化合物は、式(IV)若しくは(V)を有するか、又はそれらの
立体異性体、幾何異性体、互変異性体、N-酸化物、水和物、溶媒和物、代謝産物、医薬と
して許容し得る塩若しくはプロドラッグであり:
【化17】
ここで、R
3、U
1、V、V
1、V
2、V
3、V
4、X
1、X
2、X
3、Z、Z
1、Z
2及びQ
2の各々は、本明細書
において定義されており、式中:
R
1及びR
2の各々は独立して、H、ハロ、シアノ(CN)、ヒドロキシル、R
5aR
5N-、-C(=O)NR
5R
5a、-OC(=O)NR
5R
5a、-OC(=O)OR
5、-NR
5C(=O)NR
5R
5a、-NR
5C(=O)OR
5a、-NR
5C(=O)R
5a、R
5R
5aN-O
2S-、R
5O
2S-、R
5O
2S-R
5aN-、R
5aR
5N-アルキル、R
5S(=O)
r-アルキル、R
5R
5aN-C(=O
)アルキル、R
5aR
5N-アルコキシ、R
5S(=O)
r-アルコキシ、R
5R
5aN-C(=O)-アルコキシ、脂肪
族、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、アミノアルコキシ、ヒドロキシ-置換されたア
ミノアルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ置換されたハロアルコキシ、アルキルアミノハ
ロアルコキシ、ヒドロキシ-置換されたハロアルコキシ、アルキルアミノアルコキシ、ア
ルコキシアルコキシ、アリールアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、カルボシクリル
アルコキシ、ヘテロシクリル(ヒドロキシアルコキシ)、カルボシクリル(ヒドロキシアル
コキシ)、アリール(ヒドロキシアルコキシ)、アリールオキシアルコキシ、アリールオキ
シ、ヘテロシクリルオキシアルコキシ、カルボシクリルオキシアルコキシ、ヘテロシクリ
ルオキシ、シクロアルキルオキシ、(ヘテロシクロ)ヒドロキシアルコキシ、アジドアルコ
キシ、縮合ビシクリル、縮合ヘテロビシクリル、縮合ビシクリル脂肪族、縮合ヘテロビシ
クリル脂肪族、縮合ビシクロオキシ、縮合ヘテロビシクロオキシ、縮合ビシクリルアミノ
、縮合ヘテロビシクリルアミノ、縮合ビシクロオキソアルコキシ、縮合ヘテロビシクロオ
キソアルコキシ、縮合ビシクリルアミノアルコキシ、縮合ヘテロビシクリルアミノアルコ
キシ、縮合ビシクリル-C(=O)-、縮合ビシクリル-C(=O)O-、縮合ヘテロビシクリル-C(=O)-
、縮合ヘテロビシクリル-C(=O)O-、縮合ビシクリルアミノ-C(=O)-、縮合ヘテロビシクリ
ルアミノ-C(=O)-、縮合ビシクリル-C(=O)NR
5-、縮合ヘテロビシクリル-C(=O)NR
5-、スピ
ロビシクリル、スピロヘテロビシクリル、スピロビシクリル脂肪族、スピロヘテロビシク
リル脂肪族、スピロビシクロオキシ、スピロヘテロビシクロオキシ、スピロビシクリルア
ミノ、スピロヘテロビシクリルアミノ、スピロビシクロオキソアルコキシ、スピロヘテロ
ビシクロオキソアルコキシ、スピロビシクリルアミノアルコキシ、スピロヘテロビシクリ
ルアミノアルコキシ、スピロビシクリル-C(=O)-、スピロビシクリル-C(=O)O-、スピロヘ
テロビシクリル-C(=O)-、スピロヘテロビシクリル-C(=O)O-、スピロビシクリルアミノ-C(
=O)-、スピロヘテロビシクリルアミノ-C(=O)-、スピロビシクリル-C(=O)NR
5-、又はスピ
ロヘテロビシクリル-C(=O)NR
5-、アリール、ヘテロアリール、アリール脂肪族、ヘテロア
リール脂肪族であり;かつ、アルコキシ及びアルキルアミノ部分の各々は独立して、1以
上のヒドロキシ基、アミノ基又は置換アミノ基により置換されており;
R
3及びR
3aの各々は独立して、H、F、Cl、Br、I、-CN、ヒドロキシル、R
5aR
5N-、R
5aR
5N
-脂肪族、ヒドロキシ脂肪族、脂肪族、アルコキシ、アルコキシ脂肪族、ハロアルキル、
ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、シクロアルキル、シクロアルコキシ脂肪族、
ヘテロシクロオキシ脂肪族、シクロアルキルアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ア
リールオキシアルキル、ヘテロアリールオキシ脂肪族、アリール脂肪族、ヘテロアリール
脂肪族、アリール、又はヘテロアリールの1以上の置換基であり;
U
1及びU
2の各々は独立して、CR
4又はNであり;
Vは、NR
5R
5a、OR
5、脂肪族、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリ
ール、アリール脂肪族、又はヘテロアリール脂肪族であり;
V
1は、O又はNR
5であり;
V
2、V
3及びV
4のひとつのみがNR
5若しくはNであることを条件とし、V
2、V
3及びV
4の各々
は独立して、CR
4R
4a、NR
5、CR
4若しくはNであるか;又は、得られる構造が安定している
ことを条件とし、V
2及びV
3若しくはV
3及びV
4は一緒に、CR
4R
4a、NR
5、O、CR
4若しくはNと
なり;
W
1、W
2、W
3及びW
4の各々は独立して、CR
4R
4a、NR
5、CR
4若しくはNであり;W
1及びW
2若
しくはW
3及びW
4は一緒に、CR
4R
4a、NR
5、O若しくはSとなることができ;
X
1は、(CR
4R
4a)
m、NR
5、O、S、S=O又はSO
2であり;mは、0、1又は2であり;
X
2及びX
3の各々は独立して、O、S又はNR
5であり;
Zは、-NR
5C(=O)(CR
4R
4a)
p-、-NR
5C(=S)(CR
4R
4a)
p-、-NR
5a(CR
4R
4a)
p-、-NR
5(CR
4R
4a)
pC
(=O)-、-NR
5(CR
4R
4a)
pC(=S)-、-NR
5S(=O)
r-、-NR
5S(=O)
r(CR
4R
4a)
p-、-C(=O)NR
5(CR
4R
4a)
p-、又は-NR
5(CR
4R
4a)
pS(=O)
r-であり、ここでpは、0、1、2又は3であり;かつ、rは、1
、又は2であり;
Z
1及びZ
2の各々は独立して、NR
5又はCR
4R
4aであり;
R
4及びR
4aの各々は独立して、H、F、Cl、Br、I、-CN、ヒドロキシル、-NR
5aR
5、アルコ
キシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、脂肪族、ハロ脂肪族、ヒドロキシ脂
肪族、アミノ脂肪族、アルコキシ脂肪族、アルキルアミノ脂肪族、アルキルチオ脂肪族、
アリール脂肪族、ヘテロシクリル脂肪族、シクロアルキル脂肪族、アリールオキシ脂肪族
、ヘテロシクリルオキシ脂肪族、シクロアルキルオキシ脂肪族、アリールアミノ脂肪族、
ヘテロシクリルアミノ脂肪族、シクロアルキルアミノ脂肪族、アリール、ヘテロアリール
、ヘテロシクリル又はカルボシクリルであり、但しR
4及びR
4aが同じ炭素原子に結合され
る場合、R
4及びR
4aは、それらが結合された炭素原子と一緒に、置換又は非置換の3-8員の
炭素環又は複素環を任意に形成することを条件とし;
R
5及びR
5aの各々は独立して、H、R
6R
6aNC(=O)-、R
6OC(=O)-、R
6C(=O)-、R
6R
6aNS(=O)-
、R
6OS(=O)-、R
6S(=O)-、R
6R
6aNSO
2-、R
6OSO
2-、R
6SO
2-、脂肪族、ハロ脂肪族、ヒドロキ
シ脂肪族、アミノ脂肪族、アルコキシ脂肪族、アルキルアミノ脂肪族、アルキルチオ脂肪
族、アリール脂肪族、ヘテロシクリル脂肪族、シクロアルキル脂肪族、アリールオキシ脂
肪族、ヘテロシクリルオキシ脂肪族、シクロアルキルオキシ脂肪族、アリールアミノ脂肪
族、ヘテロシクリルアミノ脂肪族、シクロアルキルアミノ脂肪族、アリール、ヘテロアリ
ール、ヘテロシクリル又はカルボシクリルであり、但しR
5及びR
5aが、同じ窒素原子に結
合されている場合、R
5及びR
5aはそれらが結合された窒素原子と一緒に、スピロ環及び縮
合二環を含む、置換又は非置換の3-8員環を任意に形成することを条件とし;並びに
R
6及びR
6aの各々は独立して、H、脂肪族、ハロ脂肪族、ヒドロキシ脂肪族、アミノ脂肪
族、アルコキシ脂肪族、アルキルアミノ脂肪族、アルキルチオ脂肪族、アリール脂肪族、
ヘテロシクリル脂肪族、シクロアルキル脂肪族、アリールオキシ脂肪族、ヘテロシクリル
オキシ脂肪族、シクロアルキルオキシ脂肪族、アリールアミノ脂肪族、ヘテロシクリルア
ミノ脂肪族、シクロアルキルアミノ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル
、カルボシクリルである。
【0105】
一部の実施態様において、R
5aR
5N-、-C(=O)NR
5R
5a、-OC(=O)NR
5R
5a、-OC(=O)OR
5、-NR
5
C(=O)NR
5R
5a、-NR
5C(=O)OR
5a、-NR
5C(=O)-R
5a、R
5R
5aN-O
2S-、R
5O
2S-、R
5O
2SR
5aN-、OR
5
、NR
5、CR
4R
4a、CR
4、(CR
4R
4a)
m、
-NR5C(=O)-(CR4R4a)p-、-NR
5C(=S)-(CR
4R
4a)
p-、-NR
5a
-(CR
4R
4a)
p-、-NR
5-(CR
4R
4a)
pC(=O)-、-NR
5-(CR
4R
4a)
pC(=S)-、
-NR5S(=O)r-、-NR
5S(=O)
r
-(CR
4R
4a)
p-、-C(=O)NR
5-(CR
4R
4a)
p-又は-NR
5-(CR
4R
4a)
p-S(=O)
r-、R
5aR
5N-アルキル、R
5
S(=O)
r-アルキル、R
5R
5aN-C(=O)-アルキル、R
5aR
5N-アルコキシ、R
5S(=O)
r-アルコキシ、
R
5R
5aN-C(=O)-アルコキシ、R
6R
6aNC(=O)-、R
6OC(=O)-、R
6C(=O)-、R
6R
6aNS(=O)-、R
6OS(=
O)-、R
6S(=O)-、R
6R
6aNSO
2-、R
6OSO
2-、R
6SO
2-、脂肪族、アルコキシ、ヒドロキシアルコ
キシ、アミノアルコキシ、ヒドロキシ-置換されたアミノアルコキシ、ハロアルコキシ、
アミノ-置換されたハロアルコキシ、アルキルアミノハロアルコキシ、ヒドロキシ-置換さ
れたハロアルコキシ、アルキルアミノアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アリールアル
コキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、カルボシクリルアルコキシ、ヘテロシクリル(ヒド
ロキシアルコキシ)、カルボシクリル(ヒドロキシアルコキシ)、アリール(ヒドロキシアル
コキシ)、アリールオキシアルコキシ、アリールオキシ、ヘテロシクリルオキシアルコキ
シ、カルボシクリルオキシアルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、シクロアルキルオキシ、
(ヘテロシクロ)ヒドロキシアルコキシ、アジドアルコキシ、縮合ビシクリル、縮合ヘテロ
ビシクリル、縮合ビシクリル脂肪族、縮合ヘテロビシクリル脂肪族、縮合ビシクロオキシ
、縮合ヘテロビシクロオキシ、縮合ビシクリルアミノ、縮合ヘテロビシクリルアミノ、縮
合ビシクロオキソアルコキシ、縮合ヘテロビシクロオキソアルコキシ、縮合ビシクリルア
ミノアルコキシ、縮合ヘテロビシクリルアミノアルコキシ、縮合ビシクリル-C(=O)-、縮
合ビシクリル-C(=O)O-、縮合ヘテロビシクリル-C(=O)-、縮合ヘテロビシクリル-C(=O)O-
、縮合ビシクリルアミノ-C(=O)-、縮合ヘテロビシクリルアミノ-C(=O)-、縮合ビシクリル
-C(=O)NR
5-、縮合ヘテロビシクリル-C(=O)NR
5-、スピロビシクリル、スピロヘテロビシク
リル、スピロビシクリル脂肪族、スピロヘテロビシクリル脂肪族、スピロビシクロオキシ
、スピロヘテロビシクロオキシ、スピロビシクリルアミノ、スピロヘテロビシクリルアミ
ノ、スピロビシクロオキソアルコキシ、スピロヘテロビシクロオキソアルコキシ、スピロ
ビシクリルアミノアルコキシ、スピロヘテロビシクリルアミノアルコキシ、スピロビシク
リル-C(=O)-、スピロビシクリル-C(=O)O-、スピロヘテロビシクリル-C(=O)-、スピロヘテ
ロビシクリル-C(=O)O-、スピロビシクリルアミノ-C(=O)-、スピロヘテロビシクリルアミ
ノ-C(=O)-、スピロビシクリル-C(=O)NR
5-、又はスピロヘテロビシクリル-C(=O)NR
5-、ア
リール、ヘテロアリール、アリール脂肪族及びヘテロアリール脂肪族、ハロ脂肪族、ヒド
ロキシ脂肪族、アミノ脂肪族、アルコキシ脂肪族、アルキルアミノ脂肪族、アルキルチオ
脂肪族、アリール脂肪族、ヘテロシクリル脂肪族、シクロアルキル脂肪族、アリールオキ
シ脂肪族、ヘテロシクリルオキシ脂肪族、シクロアルキルオキシ脂肪族、アリールアミノ
脂肪族、ヘテロシクリルアミノ脂肪族、シクロアルキルアミノ脂肪族、ヘテロシクリル及
びカルボシクリルの各々は、独立して置換又は非置換である。
【0106】
別の実施態様において、R
1及びR
2の各々は独立して、H、ハロ、シアノ(CN)、ヒドロキ
シル、R
5aR
5N-、-C(=O)NR
5R
5a、-OC(=O)NR
5R
5a、-OC(=O)OR
5、-NR
5C(=O)NR
5R
5a、-NR
5C(=
O)OR
5a、-NR
5C(=O)-R
5a、R
5R
5aN-O
2S-、R
5O
2S-、R
5O
2SR
5aN-、R
5aR
5N-C
1-6アルキル、R
5S
(=O)
r-C
1-6アルキル、R
5R
5aN-C(=O)-C
1-6アルキル、R
5aR
5N-C
1-6アルコキシ、R
5S(=O)
r-
アルコキシ、R
5R
5aN-C(=O)-アルコキシ、任意に置換されたC
1-6脂肪族、任意に置換され
たC
1-6アルキルアミノ-C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ-C
1-6アルキル、任意に置換された
C
3-10ヘテロシクリル-C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ-C
1-6アルコキシ、C
1-6アルキルチ
オ-C
1-3アルコキシ、-C
1-6アルコキシ-NR
5a-C(=O)-OR
5、-C
1-3アルコキシ-NR
5a-C(=O)-R
5
、-C
1-3アルコキシ-C(=O)-C
1-3アルキル、C
1-6アルコキシ、ヒドロキシ-C
1-6アルコキシ
、アミノ-C
1-6アルコキシ、ヒドロキシ-置換されたアミノ-C
1-6アルコキシ、C
1-6ハロア
ルコキシ、アミノ-置換された-C
1-6ハロアルコキシ、C
1-6アルキルアミノ-C
1-6ハロアル
コキシ、ヒドロキシ-置換された-C
1-6ハロアルコキシ、C
1-6アルキルアミノ-C
1-6アルコ
キシ、アリール-C
1-6アルコキシ、任意に置換されたC
4-10ヘテロシクリル-C
1-6アルコキ
シ、任意に置換されたC
4-10シクロアルキル-C
1-6アルコキシ、任意に置換されたC
4-10ヘ
テロシクリル(ヒドロキシ-C
1-6アルコキシ)、任意に置換されたC
3-10シクロアルキル(ヒ
ドロキシ-C
1-6アルコキシ)、アリール(ヒドロキシ-C
1-6アルコキシ)、アリールオキシ-C
1
-6アルコキシ、任意に置換されたC
4-10ヘテロシクリルオキシ-C
1-6アルコキシ、任意に置
換されたC
3-10シクロアルキルオキシ-C
1-6アルコキシ、任意に置換されたC
6-10アリール
オキシ、任意に置換されたC
4-10ヘテロシクリルオキシ、任意に置換されたC
3-10シクロア
ルキルオキシ、任意に置換されたC
4-10(ヘテロシクロ)ヒドロキシ-C
1-6アルコキシ、ハロ
-C
1-6アルコキシ、アジド-C
1-6アルコキシ、任意に置換されたアリール-C
1-6アルコキシ
、任意に置換されたC
1-6-アルコキシ、任意に置換されたC
3-7シクロアルコキシ、任意に
置換されたC
4-10ヘテロシクロアルコキシ、任意に置換されたC
6-10ヘテロアリールアルコ
キシ、任意に置換されたC
5-12縮合ビシクリル、任意に置換されたC
5-12縮合ヘテロビシク
リル、任意に置換されたC
5-12縮合ビシクリルC
1-3脂肪族、任意に置換されたC
5-12縮合ヘ
テロビシクリルC
1-3脂肪族、任意に置換されたC
5-12縮合ビシクロオキシ、任意に置換さ
れたC
5-12縮合ビシクリルアミノ、任意に置換されたC
5-12縮合ビシクロオキソC
1-6-アル
コキシ、任意に置換されたC
5-12縮合ビシクリルアミノC
1-6アルコキシ、任意に置換され
たC
5-12縮合ビシクリル-C(=O)-、任意に置換されたC
5-12縮合ビシクリル-C(=O)O-、任意
に置換されたC
5-12縮合ヘテロビシクリル-C(=O)-、任意に置換されたC
5-12縮合ヘテロビ
シクリル-C(=O)O-、任意に置換されたC
5-12縮合ビシクリルアミノ-C(=O)-、任意に置換さ
れたC
5-12縮合ヘテロビシクリルアミノ-C(=O)-、任意に置換されたC
5-12縮合ビシクリル-
C(=O)NR
5-、任意に置換されたC
5-12縮合ヘテロビシクリル-C(=O)NR
5-、任意に置換された
C
5-12スピロビシクリル、任意に置換されたC
5-12スピロヘテロビシクリル、任意に置換さ
れたC
5-12スピロビシクリルC
1-3脂肪族、任意に置換されたC
5-12スピロヘテロビシクリル
C
1-3脂肪族、任意に置換されたC
5-12スピロビシクロオキソC
1-6アルコキシ、任意に置換
されたC
5-12スピロビシクリルアミノC
1-6アルコキシ、任意に置換されたC
5-12スピロビシ
クロオキシ、任意に置換されたC
5-12スピロビシクリルアミノ、任意に置換されたC
5-12縮
合ヘテロビシクロオキシ、任意に置換されたC
5-12縮合ヘテロビシクリルアミノ、任意に
置換されたC
5-12縮合ヘテロビシクロオキソC
1-6アルコキシ、任意に置換されたC
5-12縮合
ヘテロビシクリルアミノC
1-6アルコキシ、任意に置換されたC
5-12スピロヘテロビシクロ
オキソC
1-6アルコキシ、任意に置換されたC
5-12スピロヘテロビシクリルアミノC
1-6アル
コキシ、任意に置換されたC
5-12スピロヘテロビシクロオキシ、任意に置換されたC
5-12ス
ピロヘテロビシクリルアミノ、任意に置換されたC
5-12スピロビシクリル-C(=O)-、任意に
置換されたC
5-12スピロビシクリル-C(=O)O-、任意に置換されたC
5-12スピロヘテロビシク
リル-C(=O)-、任意に置換されたC
5-12スピロヘテロビシクリル-C(=O)O-、任意に置換され
たC
5-12スピロビシクリルアミノ-C(=O)-、任意に置換されたC
5-12スピロヘテロビシクリ
ルアミノ-C(=O)-、任意に置換されたC
5-12スピロビシクリル-C(=O)NR
5-、又は任意に置換
されたC
5-12スピロヘテロビシクリル-C(=O)NR
5-、任意に置換されたC
6-10アリール、任意
に置換されたC
1-10ヘテロアリール、任意に置換されたC
6-10アリールC
1-6脂肪族又は任意
に置換されたC
1-10ヘテロアリールC
1-6脂肪族であり;かつ、前述のアルコキシ及びアル
キルアミノ部分の各々は、1以上のヒドロキシ基、アミノ基又は置換アミノ基により独立
して置換されてよく;
R
3及びR
3aの各々は独立して、H、F、Cl、Br、I、-CN、ヒドロキシル、R
5aR
5N-、R
5aR
5N
-C
1-3脂肪族、ヒドロキシC
1-3脂肪族、C
1-3脂肪族、C
1-3アルコキシ、C
1-3アルコキシC
1-
3脂肪族、C
1-3ハロアルキル、C
3-6ヘテロシクリル、C
3-6ヘテロシクリルC
1-3アルキル、C
3-6シクロアルキル、C
3-6シクロアルコキシC
1-3脂肪族、C
3-6ヘテロシクロオキシC
1-3脂
肪族、C
1-3シクロアルキルC
1-3アルコキシ、C
3-6ヘテロシクリルC
1-3アルコキシ、C
6-10
アリールオキシC
1-3アルキル、C
1-10ヘテロアリールオキシC
1-3脂肪族、アリールC
1-3脂
肪族、C
1-10ヘテロアリールC
1-3脂肪族、C
6-10アリール、又はC
1-10ヘテロアリールであ
り;
U
1及びU
2の各々は独立して、CR
4、又はNであり;かつ
Vは、NR
5R
5a、任意に置換されたC
1-6脂肪族、任意に置換されたC
6-10アリール、任意に
置換されたC
6-10ヘテロアリール、任意に置換されたC
6-10アリールC
1-6脂肪族、又は任意
に置換されたC
6-10ヘテロアリールC
1-6脂肪族である。
【0107】
別の実施態様において、式(IIa)は:
【化18】
であり、式中、R
3a、R
5、及びR
5aは、本明細書において定義されている。
【0108】
別の実施態様において、Q
2は:
【化19】
であり、式中、R
1、R
2及びR
5は、本明細書において定義されている。
【0109】
別の実施態様において、X
1は、O、又はNR
5であり;
Zは、-NH-C(=O)-であり;かつ
Z
1及びZ
2の各々は独立して、NR
5又はCR
4R
4aであり;但しR
4及びR
4aは、それらが結合さ
れた炭素原子と一緒に、置換又は非置換の3-8員の炭素環又は複素環を任意に形成し得る
ことを条件としている。
【0110】
別の実施態様において、X
1、Z、U
1及びR
3により定義された部分構造は、下記式のひと
つである:
【化20】
【0111】
別の実施態様において、式(IIb)は:
【化21】
であり、式中、Arは、置換又は非置換のアリール又はヘテロアリールであり;かつ、sは
、0又は1である。
【0112】
別の実施態様において、R
1は、下記構造のひとつを有し:
【化22】
式中、X
4及びX
4'の各々は独立して、(CR
4R
4a)
m、NR
5、O、S、S=O又はSO
2であり;m及びn
の各々は独立して、0、1又は2であり;かつ、tは、1、2、又は3である。
【0113】
別の実施態様において、本明細書に開示された化合物、並びにそれらの医薬として許容
し得る塩及びそれらの溶媒和物の非限定的例が、以下に示されている:
【化23】
【0114】
本明細書において提供されているものは、本明細書に説明されたものを含む、血管新生
媒介性病態の急性又は慢性のいずれかの治療のための医薬品の製造における、本明細書に
開示された化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩の使用を含む。本明細書に開示
された化合物は、癌治療用医薬品の製造において有用である。本明細書に開示された化合
物は、KDR、c-Met及び/又はIGF1Rの阻害を通じ障害を軽減、予防、管理又は治療するため
の医薬品の製造においても有用である。同じく式(I)、(IV)又は(V)の化合物の治療的有効
量を、少なくとも1種の医薬として許容し得る担体、助剤又は希釈剤と関連して含有する
医薬組成物も本明細書において提供される。
【0115】
血管新生に関連した障害を有するか又はそれに罹患し易い対象において、そのような障
害を治療する方法も、本明細書において提供され、該方法は、治療的有効量の式(I)、(IV
)又は(V)の化合物により前記対象を治療することを含む。
【0116】
特に指定しない限りは、本明細書に開示された化合物の全ての立体異性体、幾何異性体
、互変異性体、溶媒和物、代謝産物、塩、及び医薬として許容し得るプロドラッグは、本
発明の範囲内である。
【0117】
ある実施態様において、前記塩は、医薬として許容し得る塩である。語句「医薬として
許容し得る」とは、その物質又は組成物が、製剤を構成する他の成分と、及び/又はそれ
らにより治療される哺乳動物と、化学的及び/又は毒物学的に適合性がなければならない
ことをいう。
【0118】
本明細書に開示された化合物は、必ずしも医薬として許容し得る塩ではないそのような
化合物の塩、並びに式(I)、(IV)若しくは(V)の化合物を調製及び/若しくは精製するため
の並びに/又は式(I)、(IV)若しくは(V)の化合物の鏡像異性体を分離するための中間体と
して有用であることができるそのような化合物の塩も含む。
【0119】
本明細書に開示された化合物が塩基である場合、所望の塩は、例えば、塩酸、臭化水素
酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、又は酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、
フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、グルクロン酸
若しくはガラクツロン酸などのピラノシジル酸、クエン酸若しくは酒石酸などのαヒドロ
キシ酸、アスパラギン酸若しくはグルタミン酸などのアミノ酸、安息香酸若しくはケイヒ
酸などの芳香族酸、p-トルエンスルホン酸若しくはエタンスルホン酸などのスルホン酸な
どの有機酸による、遊離塩基の処理のような、当該技術分野において利用可能な任意の好
適な方法により調製することができる。
【0120】
本明細書に開示された化合物が酸である場合、所望の塩は、例えば、アミン(第一級、
第二級若しくは第三級)、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物などの無
機塩基又は有機塩基による、遊離酸の処理のような、任意の好適な方法により調製するこ
とができる。好適な塩の具体例は、グリシン及びアルギニンなどのアミノ酸、アンモニア
、第一級、第二級若しくは第三級アミン、及びピペリジン、モルホリン及びピペラジンな
どの環状アミンに由来する有機塩、並びにナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシ
ウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム、リチウムなどに由来する無機塩を含むが
、これらに限定されるものではない。
【0121】
(本発明の化合物の組成物、製剤及び投与)
別の態様に従い、本発明は、式(I)、(IV)又は(V)の化合物、本明細書に列挙された化合
物、又は実施例1-28において命名された化合物と、医薬として許容し得る担体、助剤、又
はビヒクルを含有する医薬組成物を特徴としている。本明細書に開示された組成物中の前
記化合物の量は、生物学的試料又は患者においてプロテインキナーゼを検出可能であるよ
うに阻害するのに有効であるものである。
【0122】
ある種の本明細書に開示された化合物は、治療のための遊離形で、又は適当ならば、そ
れらの医薬として許容し得る誘導体として存在することができることも理解されるであろ
う。医薬として許容し得る誘導体のいくつかの非限定的例は、必要とする患者への投与時
に、別途本明細書において説明されたような化合物、又はそれらの代謝産物若しくは残留
物を、直接若しくは間接に提供することが可能である、医薬として許容し得るプロドラッ
グ、塩、エステル、そのようなエステルの塩、又は任意の他の付加物若しくは誘導体を含
む。
【0123】
先に説明されたように、本明細書に開示された医薬として許容し得る組成物は、医薬と
して許容し得る担体、助剤、又はビヒクルを追加的に含有し、これらは本明細書において
使用されるように、望ましい特定の剤形に適している、溶媒、希釈剤、又は他の液体ビヒ
クル、分散若しくは懸濁助剤、界面活性剤、等張化剤、増粘剤又は乳化剤、保存剤、固体
結合剤、滑沢剤などのいずれか又は全てを含む。各々の内容が引用により本明細書中に組
み込まれている「レミントンの調剤の科学と実践(Remington: The Science and Practice
of Pharmacy)」、第21版、2005年、D.B. Troy編集、Lippincott Williams & Wilkins社
、フィラデルフィア、及び「製薬技術事典(Encyclopedia of Pharmaceutical Technology
)」、J. Swarbrick及びJ. C. Boylan編集、1988-1999年、Marcel Dekker社、ニューヨー
クにおいて、医薬として許容し得る組成物の製剤において使用される様々な担体及びそれ
らの調製に関する公知の技術が明らかにされている。任意の通常の担体媒体が、何らかの
望ましくない生物学的作用を生じること又はそうでなければ医薬として許容し得る組成物
の任意の他の成分と有害な様式で相互作用することなどにより、本明細書に開示された化
合物と不適合である場合を除き、その使用は、本発明の範囲内であることが意図されてい
る。
【0124】
医薬として許容し得る担体として働くことができる物質のいくつかの例は、イオン交換
剤、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タ
ンパク質、リン酸、グリシン、ソルビン酸、若しくはソルビン酸カリウムなどの緩衝物質
、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリ
ウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩などの塩、又は電解質、コロイド状
シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ワックス、
ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、羊毛脂、乳糖、グルコース及び
ショ糖などの糖類;トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプンなどのデンプン;カル
ボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロースなどのセルロ
ース及びその誘導体;トラガカント末;麦芽;ゼラチン;タルク;カカオバター及び坐薬
用ワックスなどの賦形剤;ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、ト
ウモロコシ油及びダイズ油などの油類;プロピレングリコール又はポリエチレングリコー
ルなどのグリコール;オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル;寒天;水
酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;パイロジェンフリ
ー水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール、及びリン酸緩衝液、更にはラウリル
硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムなどのその他の無毒の適合性のある滑沢剤
、加えて着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、矯味矯臭剤及び香料、保存剤及び抗
酸化剤を含むが、これらに限定されるものではない。
【0125】
本明細書に開示された組成物は、経口、非経口、吸入スプレー、局所、経直腸、経鼻、
口腔内、経膣によるか、又は埋植されたリザーバーを介して投与することができる。本明
細書において使用される用語「非経口」は、皮下、静脈内、筋肉内、動脈内、滑液嚢内、
胸骨内、髄腔内、眼内、肝臓内、病巣内及び頭蓋内の注射又は注入技術を含む。一部の実
施態様において、本組成物は、経口、腹腔内又は静脈内投与される。本明細書に開示され
た組成物の無菌の注射可能な形状は、水性又は油性の懸濁液を含む。これらの懸濁液は、
好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を使用し、当該技術分野において公知の技術に従い
製剤することができる。無菌の注射可能な調製品も、無毒の非経口的に許容し得る希釈剤
又は溶媒、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液のような、無菌の注射可能な溶液又は懸
濁液であることができる。とりわけ許容し得るビヒクル及び溶媒は、水、リンゲル液及び
等張塩化ナトリウム溶液を含む。加えて無菌の不揮発性油が、溶媒又は懸濁媒体として慣
例的に利用されている。
【0126】
この目的のための任意の低刺激性の(bland)不揮発性油は、合成モノ-又はジグリセリド
を含む。オレイン酸などの脂肪酸及びそのグリセリド誘導体は、オリーブ油又はヒマシ油
、特にそれらのポリオキシエチル化された形などの、天然の医薬として許容し得る油のよ
うな、注射可能な調製品において有用である。これらの油状の溶液又は懸濁液は、乳剤及
び懸濁剤を含む医薬として許容し得る剤形の製剤において通常使用されるカルボキシメチ
ルセルロース又は類似の分散剤などの、長鎖アルコール希釈剤又は分散剤も含むことがで
きる。Tweens、Spans及びその他の乳化剤などの他の通常使用される界面活性剤、又は医
薬として許容し得る固体、液体又は他の剤形の製造において通常使用される生物学的利用
能増強剤も、製剤目的に使用することができる。
【0127】
本明細書に開示された医薬として許容し得る組成物は、カプセル剤、錠剤、水性懸濁剤
又は液剤を含むが、これらに限定されるものではない、任意の経口的に許容し得る剤形で
経口投与されることを含む。経口使用のための錠剤の場合、通常使用される担体は、乳糖
及びトウモロコシデンプンを含む。ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤も典型的には
添加される。カプセル剤形での経口投与に有用な希釈剤は、乳糖及び乾燥トウモロコシデ
ンプンを含む。経口使用のために水性懸濁剤が必要である場合、その活性成分は、乳化剤
及び懸濁化剤と組み合わせられる。望ましいならばある種の甘味剤、矯味矯臭剤又は着色
剤も添加することができる。
【0128】
あるいは、本明細書に開示された医薬として許容し得る組成物は、直腸投与のために坐
薬の形状で投与されることを含む。これらは、前記物質を、室温では固形物であるが直腸
温度では液体であり、従って直腸内で溶融し、該薬物を放出する好適な非刺激性賦形剤と
混合することにより、調製することができる。そのような物質は、カカオバター、蜜ろう
及びポリエチレングリコールを含む。本明細書に開示された医薬として許容し得る組成物
は、特に眼、皮膚又は下部腸管の疾患を含む、治療標的が局所適用により容易に接近可能
である領域又は臓器を含む場合、局所的に投与することも含む。好適な局所用製剤は、こ
れらの領域又は臓器の各々のために容易に調製される。
【0129】
下部腸管のための局所適用は、直腸の坐薬製剤(前記参照)において、又は好適な浣腸製
剤において実行することができる。局所用経皮貼付剤も使用することができる。局所適用
のための本医薬として許容し得る組成物は、1種以上の担体中に懸濁又は溶解された前記
活性成分を含有する好適な軟膏で製剤することができる。本明細書に開示された化合物の
局所投与のための担体は、鉱油、液体ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、
ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化用ワックス及び水を含むが、こ
れらに限定されるものではない。あるいは、本医薬として許容し得る組成物は、1種以上
の医薬として許容し得る担体中に懸濁又は溶解された前記活性成分を含有する好適なロー
ション剤又はクリーム剤に製剤することができる。好適な担体は、鉱油、モノステアリン
酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2-
オクチルドデカノール、ベンジルアルコール及び水を含むが、これらに限定されるもので
はない。
【0130】
眼科使用の本医薬として許容し得る組成物は、例えば、等張なpH調節された無菌の食塩
水若しくは他の水性溶液中に微粉化された懸濁剤として、又は別の実施態様において、等
張なpH調節された無菌の食塩水若しくは他の水性溶液中に、塩化ベンジルアルコニウムな
どの保存剤を含むか若しくは含まない液剤として、製剤することができる。あるいは、眼
科使用の本医薬として許容し得る組成物は、ワセリンなどの軟膏剤に製剤することができ
る。本明細書に開示された医薬として許容し得る組成物は、経鼻エアロゾル又は吸入剤と
して投与されてもよい。そのような組成物は、医薬製剤の技術分野において周知の技術に
従い調製され、かつベンジルアルコール又は他の好適な保存剤、生物学的利用能を増強す
るための吸収促進剤、フルオロカーボン、及び/又は他の従来型の可溶化剤若しくは分散
剤を使用し、食塩水中の溶液として調製される。
【0131】
経口投与のための液体剤形は、医薬として許容し得る乳剤、マイクロエマルジョン、液
剤、懸濁剤、シロップ剤及びエリキシル剤を含むが、これらに限定されるものではない。
液体剤形は、前記活性化合物に加え、例えば、水、又は他の溶媒などの当該技術分野にお
いて一般に使用される不活性希釈剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸
エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、
1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油類(特に綿実油、ラッカセイ油、ト
ウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ひまし油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒ
ドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル、
並びにそれらの混合物などの可溶化剤及び乳化剤を含むことができる。経口組成物は、不
活性希釈剤に加え、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味剤、矯味矯臭剤、及び香料などの
助剤も含有することができる。
【0132】
例えば無菌注射可能な水性又は油性の懸濁液などの注射可能な調製品は、公知の技術に
従い、好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を用い製剤することができる。無菌の注射可
能な調製品は、無毒の非経口的に許容し得る希釈剤又は溶媒中の、例えば1,3-ブタンジオ
ール中の溶液として、無菌の注射可能な液剤、懸濁剤又は乳剤であることもできる。とり
わけ利用することができる許容し得るビヒクル及び溶媒は、水、リンゲル液、米国薬局方
(USP)収載及び等張塩化ナトリウム溶液である。加えて無菌の不揮発性油が、溶媒又は懸
濁媒体として慣例的に利用されている。この目的のために、合成のモノ-又はジグリセリ
ドを含む、任意の低刺激性の不揮発性油が使用され得る。加えてオレイン酸などの脂肪酸
が、注射可能な調製品において使用される。
【0133】
前記注射可能な製剤は、例えば、細菌を保持するフィルターを通す濾過によるか、又は
使用前に滅菌水又は他の無菌の注射可能な媒体中に溶解若しくは分散され得る無菌の固形
組成物の形状において滅菌剤を混入することにより、滅菌することができる。本明細書に
開示された化合物の作用を延長するために、皮下又は筋肉内注射からの本化合物の吸収を
遅延することが望ましいことが多い。これは、水への溶解度が低い結晶又は非晶質物質の
液体懸濁液の使用により実現することができる。従って本化合物の吸収の速度は、その溶
解速度によって左右され、次に結晶サイズ及び結晶形によって左右され得る。代わりに、
本化合物の油性ビヒクル中への溶解又は懸濁は、非経口的に投与される化合物形態の吸収
の遅延を実現する。
【0134】
注射可能なデポー剤形は、ポリラクチド−ポリグリコリドなどの生分解可能なポリマー
中の本化合物のマイクロ封入マトリクスを形成することにより作製される。化合物のポリ
マーに対する割合及び使用される特定のポリマーの性質に応じ、本化合物の放出速度は制
御されることができる。他の生分解可能なポリマーのいくつかの非限定的例は、ポリ(オ
ルトエステル)及びポリ(アンヒドリド)である。注射可能なデポー製剤は、体組織と適合
性があるリポソーム又はマイクロエマルジョン中に本化合物を閉じ込めることによっても
調製される。
【0135】
直腸又は膣投与のための組成物は、外界温度では固体であるが、体温では液体であり、
従って直腸又は膣腔内で溶融し、本活性化合物を放出する、カカオバター、ポリエチレン
グリコール又は坐薬用ワックスなどの、好適な非刺激性の賦形剤又は担体と、本明細書に
開示された化合物を混合することにより調製することができる坐薬が好ましい。
【0136】
経口投与のための固形剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤及び顆粒剤を含む。その
ような固形剤形において、本活性化合物は、クエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウム
などの、不活性の医薬として許容し得る賦形剤又は担体の少なくとも1種、並びに/又は、
a)デンプン、乳糖、ショ糖、グルコース、マンニトール、及びケイ酸などの、充填剤若し
くは増量剤;b)例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニル
ピロリジノン、ショ糖、及びアカシアゴムなどの、結合剤;c)グリセロールなどの、保湿
剤;d)アガーアガー、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプン若しくはタピオカデンプン、
アルギン酸、ある種のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウムなどの、崩壊剤;e)パラフィンなど
の、溶解遅延剤(solution retarding agent);f)第四級アンモニウム化合物などの、吸収
促進剤;g)例えば、セチルアルコール及びグリセロールモノステアレートなどの、湿潤剤
;h)カオリン及びベントナイトクレーなどの、吸収剤;並びに、i)タルク、ステアリン酸
カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナ
トリウムなどの、滑沢剤、並びにそれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤及び丸
剤の場合、その剤形は、緩衝剤も含有することができる。
【0137】
類似型の固体組成物は、乳糖又はミルクシュガーのような賦形剤に加え、高分子量ポリ
エチレングリコールなどを使用する、軟及び硬-充填ゼラチンカプセル剤において、充填
剤として使用することができる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、及び顆粒剤の固体剤
形は、医薬製剤分野において周知の腸溶性コーティング及び他のコーティングなどの、コ
ーティング及びシェルと共に調製することができる。これらは任意に、乳白剤を含んでよ
く、かつ前記活性成分のみを、又は優先的に腸管のある部分で、任意に遅延された様式で
放出する組成物であることもできる。使用することができる包埋組成物の例は、ポリマー
性物質及びワックスを含む。
【0138】
前記活性化合物は、前述の賦形剤の1種以上と共にマイクロカプセル封入された形状で
あることもできる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、及び顆粒剤の固体剤形は、医薬製
剤分野において周知の腸溶性コーティング、放出制御コーティング及び他のコーティング
などの、コーティング及びシェルと共に調製されることができる。そのような固体剤形に
おいて、前記活性化合物は、ショ糖、乳糖又はデンプンなどの、少なくとも1種の不活性
希釈剤と混合されてよい。そのような剤形は、通常の実践のように、不活性希釈剤以外の
追加物質、例えば、ステアリン酸マグネシウム及び微晶質セルロースなどの打錠滑沢剤及
び他の打錠助剤などを含有することもできる。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、これら
の剤形は、緩衝剤を含有することもできる。これらは任意に、ある種の安定剤を含むこと
ができ、かつ前記活性成分のみを放出する組成物、又は別の実施態様において腸管のある
部分において、任意に除法様式の組成物であることもできる。使用することができる包埋
組成物のいくつかの非限定的例は、ポリマー系物質及びワックスを含む。
【0139】
本明細書に開示された化合物の局所又は経皮投与のための剤形は、軟膏、泥膏、クリー
ム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、液剤、スプレー剤、吸入剤又は貼付剤を含む。前記
活性成分は、必要に応じ、医薬として許容し得る担体及び任意の必要とされる保存剤又は
緩衝液と共に、無菌条件下で混合される。眼用製剤、点耳剤、及び点眼剤も、本発明の範
囲内であることが意図されている。加えて化合物の体への制御された送達を提供する追加
の利点を有する経皮貼付剤の使用が、本明細書において意図されている。そのような剤形
は、適切な媒体中に本化合物を溶解又は分散することにより作製することができる。吸収
増強剤は、皮膚を横切る本化合物の流入を増大するために使用することもできる。この速
度は、速度制御膜を供するか、又は本化合物をポリマーマトリクス又はゲル中に分散する
かのいずれかにより制御することができる。
【0140】
本明細書に開示された化合物は、容易な投与及び均一な用量のために、単位剤形で製剤
されることが好ましい。本明細書において使用される「単位剤形」の表現は、治療される
患者に適した物質の物理的に個別の単位をいう。しかし、本明細書に開示された化合物及
び組成物の一日使用量の合計は、信頼できる医学的判断の範囲内で主治医により決定され
ることは理解されるであろう。任意の特定の患者又は生物に関する具体的な有効な投与量
レベルは、治療される障害及びその障害の重症度;使用される具体的化合物の活性;使用
される具体的組成物;患者の年齢、体重、全身の健康状態、性別及び食事;使用される具
体的化合物の投与時刻、投与経路、及び排泄速度;治療期間;使用される具体的化合物と
組み合わせて又は同時に使用される薬物、並びに医療分野において周知の同様の因子を含
む、様々な因子により左右されるであろう。
【0141】
単独剤形の組成物を作製するために担体物質と組み合わせることができる本明細書に開
示された化合物の量は、治療される宿主、特定の投与様式に応じて変動するであろう。別
の実施態様において、本組成物は、前記インヒビターが0.01〜300mg/kg体重/日の用量で
、これらの組成物を受け取る患者に投与され得るように製剤されなければならない。
【0142】
本明細書に開示された化合物は、単独の医薬物質として、又は1種以上の他の追加の治
療(医薬)物質と組み合わせて投与されることができ、ここでこの組み合わせは、許容し難
い有害作用を引き起こさない。これは、癌などの過増殖性疾患の治療に関して特に関連が
ある。この場合、本明細書に開示された化合物は、公知の細胞毒性物質、シグナル伝達イ
ンヒビターと、又は他の抗癌剤と、更にはそれらの混合物及び組み合わせと、組み合わせ
ることができる。本明細書において使用される特定の疾患又は状態の治療のために通常投
与される追加の治療薬は、「治療される疾患又は状態に適切なもの」として知られている
。本明細書において使用される「追加の治療薬」とは、化学療法薬及び他の抗増殖薬を含
むことをいう。
【0143】
例えば、化学療法薬又は他の抗増殖剤は、増殖性疾患又は癌を治療するために、本明細
書に開示された化合物と組み合わせることができる。化学療法薬又は他の抗増殖薬の例は
、非限定的にSAHA、MS-275、MGO 103、及びWO 2006/010264、WO 03/024448、WO 2004/069
823、US 2006/0058298、US 2005/0288282、WO 00/71703、WO 01/38322、WO 01/70675、WO
03/006652、WO 2004/035525、WO 2005/030705、WO 2005/092899に開示されたものを含む
HDACインヒビター、並びに非限定的に5-アザ-dC、ビダザ及びデシタビン、及びUS 626813
7、US 5578716、US 5919772、US 6054439、US 6184211、US 6020318、US 6066625、US 65
06735、US 6221849、US 6953783、US 11393380に開示されたものを含む脱メチル化剤を含
む。
【0144】
別の本明細書に開示された実施態様において、例えば化学療法薬又は他の抗増殖薬は、
増殖性疾患及び癌を治療するために、本明細書に開示された化合物と組み合わせることが
できる。公知の化学療法薬の例は、例えば、本明細書に開示された発明の抗癌剤と組み合
わせて使用され得る他の治療薬又は抗癌剤を含むが、これらに限定されるものではなく、
かつ手術、放射線治療(いくつか例を挙げると、γ線照射、中性子線による放射線治療、
電子線による放射線治療、陽子線治療、密封小線源治療、及び全身用の放射性同位体であ
るが、単なる例である)、内分泌療法、タキサン(タキソール、タキソテレなど)、白金誘
導体、生体応答修飾物質(いくつか例を挙げると、インターフェロン、インターロイキン
、及び腫瘍壊死因子(TNF)、TRAIL受容体標的化物質)、温熱療法及び凍結療法、任意の有
害作用を軽減する物質(例えば制吐薬)、並びに非限定的に、アルキル化薬(メクロレタミ
ン、クロラムブシル、シクロホスファミド、メルファラン、イホスファミド)、代謝拮抗
薬(メトトレキセート、ペメトレキセドなど)、プリンアンタゴニスト及びピリミジンアン
タゴニスト(6-メルカプトプリン、5-フルオロウラシル、シタラビル、ゲムシタビン)、紡
錘体毒(ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル)、ポドフィロ
トキシン(エトポシド、イリノテカン、トポテカン)、抗生物質(ドキソルビシン、ブレオ
マイシン、マイトマイシン)、ニトロソ尿素(カルムスチン、ロムスチン)、無機イオン(シ
スプラチン、カルボプラチン)、細胞周期インヒビター(KSP有糸分裂キネシンインヒビタ
ー、CENP-E及びCDKインヒビター)、酵素(アスパラギナーゼ)、並びにホルモン(タモキシ
フェン、ロイプロリド、フルタミド、及びメゲストロール)、グリーベック(Gleevec)(商
標)、アドリアマイシン、デキサメタゾン、及びシクロホスファミド、血管新生阻害剤(ア
バスチン及びその他);キナーゼインヒビター(イマチニブ(グリーベック)、スーテント(S
utent)、ネクサバール(Nexavar)、エルビタックス、ハーセプチン、タルセバ、イレッサ
及びその他);mTOR、HIF(低酸素症誘導因子)経路及びその他などの癌経路を阻害又は活性
化する物質を含む他の承認された化学療法薬を含む。最新の癌治療薬のより包括的考察に
ついては、http://www.nci.nih.gov/、FDA承認の癌治療薬のリスト(http://www.fda.gov/
cder/cancer/druglist-rame.htm)、及び「メルクマニュアル(The Merck Manual)」、第18
版、2006年を参照し、これらの内容全体は引用により本明細書中に組み込まれている。
【0145】
別の実施態様において、本明細書に開示された化合物は、細胞毒性抗癌剤と組み合わせ
ることができる。そのような物質の例は、「メルクインデックス(the Merck Index)」第1
3版、(2001)に見ることができる。これらの物質は、アスパラギナーゼ、ブレオマイシン
、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、コラスパーゼ、シク
ロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキ
ソルビシン(アドリアマイシン)、エピルビシン、エトポシド、5-フルオロウラシル、ヘキ
サメチルメラミン、ヒドロキシ尿素、イホスファミド、イリノテカン、ロイコボリン、ロ
ムスチン、メクロレタミン、6-メルカプトプリン、メスナ、メトトレキセート、マイトマ
イシンC、ミトキサントロン、プレドニソロン、プレドニソン、プロカルバジン、ラロキ
シフェン、ストレプトゾシン、タモキシフェン、チオグアニン、トポテカン、ビンブラス
チン、ビンクリスチン、又はビンデシンを含むが、これらに限定されるものではない。
【0146】
本明細書に開示された化合物との使用に適した他の細胞毒性薬は、例えば、「グッドマ
ン・ギルマン薬理書(Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutic
s)」(第9版、1996年、McGraw-Hill社)記載のもののような、新生物形成疾患の治療におい
て使用されることが分かっているそのような化合物を含むが、これらに限定されるもので
はない。これらの物質は、非限定的に、アミノグルテチミド、L-アスパラギナーゼ、アザ
チオプリン、5-アザシチジンクラドリビン、ブスルファン、ジエチルスチルベストロール
、2',2'-ジフルオロデオキシシチジン、ドセタキセル、エリスロヒドロキシノニルアデニ
ン、エチニルエストラジオール、5-フルオロデオキシウリジン、5-フルオロデオキシウリ
ジン一リン酸、リン酸フルダラビン、フルオキシメステロン、フルタミド、カプロン酸ヒ
ドロキシプロゲステロン、イダルビシン、インターフェロン、酢酸メドロキシプロゲステ
ロン、酢酸メゲストロール、メルファラン、ミトタン、パクリタキセル、ペントスタチン
、N-ホスホノアセチル-L-アスパラギン酸(PALA)、プリカマイシン、セムスチン、テニポ
シド、プロピオン酸テストステロン、チオテパ、トリメチルメラミン、ウリジン、又はビ
ノレルビンを含む。
【0147】
本明細書に開示された化合物との併用に適した他の細胞毒性抗癌剤は、新たに発見され
た細胞毒性主薬(principle)も含み、いくつかの細胞毒性主薬の例は、オキサリプラチン
、ゲムシタビン、カペシタビン、エポチロン及びその天然又は合成の誘導体、テモゾロミ
ド(Quinnらの論文、J. Clin. Oncology, 21(4), 646-651 (2003))、トシツモマブ(ベキサ
ール)、トラベデクチン(Vidalらの論文、Proceedings of the American Society for Cli
nical Oncology, 23, 抄録, 3181 (2004))、並びにキネシン紡錘体タンパク質Eg5のイン
ヒビター(Woodらの論文、Curr. Opin. Pharmacol., 1, 370-377 (2001))を含むが、これ
らに限定されるものではない。
【0148】
別の実施態様において、本明細書に開示された化合物は、他のシグナル伝達インヒビタ
ーと組み合わせることができる。特に興味深いのは、EGFR、HER-2、及びHER-4(Raymondら
の論文、Drugs, 60(補遺1), 15-23 (2000);Harariらの論文、Oncogene, 19 (53), 6102-
6114 (2000))などのEGFRファミリー、及びそれらの各々のリガンドを標的とするシグナル
伝達インヒビターである。そのような物質の例は、ハーセプチン(トラスツズマブ)、エル
ビタックス(セツキシマブ)、ベクチビックス(Vectibix))(パニツムマブ)、及びペルツズ
マブを含むが、これらに限定されるものではない。そのような療法の例は、イレッサ(ゲ
フィチニブ)、タルセバ(エルロチニブ)、タイカーブ(Tykerb)(ラパチニブ)、カネルチニ
ブ(Canertinib)(CI1033)、AEE788(Traxlerらの論文、Cancer Research, 64, 4931-4941 (
2004))などの小型分子キナーゼインヒビターも含むが、これらに限定されるものではない
。
【0149】
別の実施態様において、本明細書に開示された化合物は、スプリット(split)-キナーゼ
ドメインファミリーの受容体キナーゼ(VEGFR、FGFR、PDGFR、flt-3、c-kit、c-fins、そ
の他)、及びそれらの各々のリガンドを標的化する他のシグナル伝達インヒビターと組み
合わせることができる。これらの物質は、アバスチン(ベバシズマブ)などの抗体を含むが
、これらに限定されるものではない。これらの物質は、グリーベック/イマニチブ、スプ
リセル(Sprycel)(ダサチニブ)、タシグナ(Tasigna)(ニロチニブ)、ネクサバール(Nexavar
)(ソラフェニブ)、CHIR-265、パゾパニブ(Pazopanib)(GW-786034)、レセンチン(Recentin
)(セジラニブ(Cediranib)/AZD2171)、ザクティマ(Zactima)(バンデタニブ(Vandetanib))
、バタラニブ(Vatalanib)(PTK787/ZK222584)、テラチニブ(Telatinib)(BAY-579352)、BMS
-690514、BMS582664(ブリバニブ(Brivanib))、BMS540215、アクシチニブ(Axitinib)(AG-0
13736);モテサニブ(Motesanib)(AMG706)、スーテント(Sutent)(スニチニブ)、ZD6474(He
nnequinらの文献、第92回AACR会議、ニューオーリンズ、2001年3月24-28日、抄録、3152)
、チボザニブ(Tivozanib)(KRN-951)(Taguchiらの文献、第95回AACR会議、オーランド、FL
、抄録, 2575 (2004))、CP-547、632(Beebeらの論文、Cancer Res., 63, 7301-7309 (200
3))、CP-673、451(Robertsらの論文、Proceedings of the American Association of Can
cer Research, 45, 抄録, 3989 (2004))、CHIR-258(Leeらの論文、Proceedings of the A
merican Association of Cancer Research, 45, 抄録, 2130 (2004))、MLN-518(Shenらの
論文、Blood, 102, 11, 抄録, 476 (2003))などの小型分子インヒビターも含むが、これ
らに限定されるものではない。
【0150】
別の実施態様において、本明細書に開示された化合物は、ヒストンデアセチラーゼのイ
ンヒビターと組み合わせることができる。そのような物質の例は、スベロイドアニリドヒ
ドロキサム酸(SAHA)、LAQ-824(Ottmannらの論文、Proceedings of the American Society
for Clinical Oncology, 23, 抄録, 3024 (2004))、LBH-589(Beckらの論文、Proceeding
s of the American Society for Clinical Oncology, 23, 抄録, 3025 (2004))、MS-275(
Ryanらの論文、Proceedings of the American Association of Cancer Research, 45, 抄
録, 2452 (2004))、FR-901228(Piekarzらの論文、Proceedings of the American Society
for Clinical Oncology, 23, 抄録, 3028 (2004))及びMGCDO103(US 6897220)を含むが、
これらに限定されるものではない。
【0151】
別の実施態様において、本明細書に開示された化合物は、プロテアソームインヒビター
、及びm-TORインヒビターなどの、他の抗癌剤と組み合わせることができる。これらは、
ボルテゾミブ(Mackayらの論文、Proceedings of the American Society for Clinical On
cology, 23, 抄録, 3109 (2004))、及びシロリムス(ラパマイシン)、エベロリムス、テム
シロリムス(CCI-779)(Wuらの論文、Proceedings of the American Association of Cance
r Research, 45, 抄録, 3849 (2004))を含むが、これらに限定されるものではない。本明
細書に開示された化合物は、非限定的にカンプトテシンを含む、トポイソメラーゼインヒ
ビターなどの他の抗癌剤と組み合わせることができる。
【0152】
それらの追加の物質は、多剤投薬計画の一部として、本化合物を含有する組成物とは個
別に投与することができる。あるいはこれらの物質は、単独の組成物中に、本明細書に開
示された化合物と一緒に混合された単独の剤形の一部であることができる。多剤投薬計画
の一部として投与される場合、これら2種の活性物質は、これらの物質の所望の活性を生
じ得るよう、同時に、逐次に、又は他方からある期間をおいて提供されることができる。
【0153】
単独の剤形を作製するために担体物質と組み合わせることができる本化合物及び追加の
治療薬(前述のような追加の治療薬を含有するそのような組成物中の)の両方の量は、治療
される宿主及び特定の投与様式に応じ変動するであろう。通常、本明細書に開示された組
成物中に存在する追加の治療薬の量は、唯一の活性物質としてその治療薬を含有する組成
物中で通常投与される量を超えることはないであろう。別の実施態様において、ここで開
示された組成物中の追加の治療薬の量は、唯一の治療的活性物質としてその物質を含有す
る組成物中に通常存在する量の約50%〜100%の範囲であろう。追加の治療薬を含有する
これらの組成物において、その追加の治療薬及び本明細書に開示された化合物は、相乗的
に作用することができる。
【0154】
(本発明の化合物及び組成物の使用)
本発明は、式(I)の化合物又は本明細書に列記された化合物と、医薬として許容し得る
担体、助剤、又はビヒクルを含有する医薬組成物を特徴としている。本明細書に開示され
た組成物中の化合物の量は、VEGFR/KDR、IGF/IGF1R及び/又はc-Met阻害活性などの、プロ
テインキナーゼを検出できるように阻害するのに有効なものである。本明細書に開示され
た化合物は、抗新生物形成剤としての療法において、又はVEGF、IGF及び/若しくはHGFの
有害な作用を最小化するために有用である。
【0155】
本明細書に開示された化合物は、本明細書に開示された化合物又は組成物の有効量を患
者へ投与することにより、非限定的に患者における増殖性疾患、状態、又は障害の予防又
は治療のために有用であろう。そのような疾患、状態、又は障害は、癌、特に転移性癌、
アテローム性動脈硬化症、及び肺線維症を含む。
【0156】
本明細書に開示された化合物は、以下を含むが、これらに限定されるものではない、癌
を含む新生物形成及び転移の治療に有用であろう:膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎癌、肝癌、
肺癌(小細胞肺癌を含む)、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵癌、胃癌、子宮頸癌、甲状腺癌、
前立腺癌、及び皮膚癌(扁平上皮癌を含む)などの癌腫;リンパ系の造血系腫瘍(白血病、
急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキ
ンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、毛様細胞性リンパ腫及びバーキットリンパ腫を含む)
;骨髄細胞系の造血系腫瘍(急性及び慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群及び前骨髄球
性白血病を含む);間葉起源の腫瘍(線維肉腫及び横紋筋肉腫、並びに例えば軟組織及び骨
などの他の肉腫を含む);中枢神経系及び末梢神経系の腫瘍(星状細胞腫、神経芽細胞腫、
神経膠腫及び神経鞘腫を含む);並びに、他の腫瘍(メラノーマ、精上皮腫、奇形癌、骨肉
腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、甲状腺濾胞癌及びカポジ肉腫を含む)。
【0157】
これらの化合物は、眼科学的状態、例えば角膜移植拒絶反応、眼の新血管形成、損傷又
は感染症後の新血管形成を含む網膜新血管形成、糖尿病性網膜症、水晶体後線維増殖症及
び血管新生緑内障;網膜虚血;硝子体出血;胃潰瘍などの潰瘍性疾患;小児血管腫を含む
血管腫、鼻咽頭血管線維腫、及び無血管性骨壊死などの、病的であるが悪性でない状態;
並びに、子宮内膜症などの女性生殖系障害の治療にも有用であろう。これらの化合物は、
浮腫、及び血管の透過性亢進状態の治療にも有用である。
【0158】
本明細書に開示された化合物は、糖尿病性網膜症及び微小血管障害などの糖尿病性状態
の治療にも有用である。本明細書に開示された化合物は、対象の腫瘍における血流の減少
にも有用である。本明細書に開示された化合物は、対象の腫瘍の転移の減少にも有用であ
る。
【0159】
これらの化合物は、ヒト治療に有用であることに加え、哺乳動物、齧歯類その他を含む
、伴侶動物、外来(exotic)動物及び家畜の獣医学的治療についても有用である。別の実施
態様において、動物は、ウマ、イヌ、及びネコを含む。ここで使用される本明細書に開示
された化合物は、それらの医薬として許容し得る誘導体を含む。
【0160】
化合物類、塩類など複数形が使用される場合、これは、単独の化合物、塩などもいうと
解釈される。
【0161】
本明細書に開示された化合物又は組成物を投与することを含む治療方法は、化学療法薬
若しくは抗増殖薬、又は抗炎症薬から選択された追加の治療薬を患者へ投与すること(併
用療法)を更に含むことができ、ここで該追加の治療薬は、治療される疾患に適切であり
、かつ該追加の治療薬は、単独の剤形として、又は複数の剤形の一部として本化合物若し
くは組成物とは個別に、本明細書に開示された化合物又は組成物と一緒に投与される。追
加の治療薬は、本明細書に開示された化合物と、同時に、又は異なる時点で投与されるこ
とができる。後者の場合、投与は例えば、6時間、12時間、1日、2日、3日、1週間、2週間
、3週間、1ヶ月、又は2ヶ月ずらすことができる。
【0162】
本発明は、VEGFR、IGF1R又はc-Metを発現している細胞を、本明細書に開示された化合
物又は組成物と接触させ、これによりこれらの細胞の増殖の阻害を引き起こすことを含む
、これらの細胞の増殖を阻害する方法も特徴としている。その増殖が阻害され得る細胞の
例は、乳癌細胞、結腸直腸癌細胞、肺癌細胞、乳頭状癌細胞、前立腺癌細胞、リンパ腫細
胞、結腸癌細胞、膵癌細胞、卵巣癌細胞、子宮頸癌細胞、中枢神経系癌細胞、骨原性肉腫
細胞、腎癌細胞、肝細胞癌細胞、膀胱癌細胞、胃癌細胞、頭頸部扁平上皮癌細胞、メラノ
ーマ細胞、又は白血病細胞を含む。
【0163】
本明細書に開示された化合物又は組成物を生物学的試料と接触させることを含む、生物
学的試料中のVEGFR、IGF1R又はc-Metキナーゼ活性を阻害する方法が、本明細書において
提供される。本明細書において使用される用語「生物学的試料」は、生体の外部の試料を
意味し、かつ細胞培養物又はそれらの抽出物;哺乳動物から得られた生検材料又はそれら
の抽出物;及び、血液、唾液、尿、糞便、精液、涙液、又はその他の体液又はそれらの抽
出物を含むが、これらに限定されるものではない。生物学的試料中のキナーゼ活性、特に
VEGFR、IGF1R又はc-Metキナーゼ活性の阻害は、当業者に公知の様々な目的に有用である
。そのような目的の例は、輸血、臓器移植、生物学的標本の保管、及び生物学的アッセイ
を含むが、これらに限定されるものではない。
【0164】
本明細書に開示されたある実施態様において、本化合物又は医薬として許容し得る組成
物の「有効量」又は「有効投与量」は、1種以上の前述の障害の治療又は重症度を軽減す
るのに有効な量である。本明細書に開示された方法に従う化合物及び組成物は、障害又は
疾患の治療又は重症度を軽減するのに有効な任意の量及び任意の投与経路を用い、投与す
ることができる。必要とされる正確な量は、対象の種、年齢、及び全般的状態、感染症の
重症度、特定の物質、その投与様式などに応じ、対象毎に変動するであろう。化合物又は
組成物は、先に考察されたように、1種以上の他の治療薬と一緒に投与することもできる
。
【0165】
本明細書に開示された化合物又はそれらの医薬組成物は、プロテーゼ、人工弁、血管移
植片、ステント及びカテーテルなどの、移植可能な医療用具をコーティングするためにも
使用することができる。例えば血管ステントは、再狭窄(損傷後の血管壁の再度の狭窄)を
克服するために使用される。しかし、ステント又は他の移植可能な用具を使用している患
者は、血栓形成又は血小板活性化のリスクがある。これらの望ましくない作用は、その用
具を、本明細書に開示された化合物を含有する医薬として許容し得る組成物により予めコ
ーティングすることにより、予防又は軽減することができる。
【0166】
好適なコーティング及びコーティングされた移植可能な用具の一般的調製は、米国特許
第6099562号、第5886026号、及び第5304121号に開示されており、これらの各内容は、引
用により本明細書中に組み込まれている。これらのコーティングは典型的には、ヒドロゲ
ルポリマー、ポリメチルジシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、
ポリ乳酸、エチレン酢酸ビニル、及びそれらの混合物などの、生体適合性ポリマー系物質
である。これらのコーティングは任意に、該組成物に制御放出特性を付与するために、フ
ルオロシリコーン、多糖、ポリエチレングリコール、リン脂質又はそれらの組み合わせの
好適なトップコートにより更に被覆されてよい。本明細書に開示された化合物によりコー
ティングされた移植可能な用具は、本明細書に開示された別の実施態様である。これらの
化合物を、ビーズなどの移植可能な医療用具上にコーティングし、又はポリマー若しくは
他の分子と同時製剤して、「薬物デポー(drug depot)」を提供することができ、これによ
り該薬物は、その薬物の水溶液の投与よりもより長い時間かけて放出されるようになる。
【0167】
(全般的合成手順)
一般に、本明細書に開示された化合物は、本明細書に説明された方法により調製される
ことができ、ここで該置換基は、更に注記された場合を除き、先に式(I)、(IV)又は(V)に
関して定義されたものである。下記の非限定的スキーム及び実施例は、本発明を更に例証
するために提示されている。
【0168】
当業者は、説明された化学反応は、本明細書に開示された多くの他の化合物を調製する
ために容易に適合させることができること、並びに本明細書に開示された化合物を調製す
るための代替方法は、本明細書に開示された範囲内であると判断されることを認めるであ
ろう。例えば本発明に従う非例証的化合物の合成は、当業者に明らかな変更、例えば、適
切な保護妨害基によるか、説明されたもの以外の当該技術分野において公知の好適な他の
試薬の利用によるか、及び/又は反応条件に慣例的変更を行うことなどにより、巧く実施
することができる。あるいは本明細書に開示された又は当該技術分野において公知の他の
反応は、本明細書に開示された他の化合物の調製のための適用可能性を有するものとして
認められるであろう。
【0169】
以下に説明された実施例において、別途指示しない限りは、温度は全て、摂氏度数で記
している。試薬は、Aldrich Chemical社、Arco Chemical社及びAlfa Chemical社などの商
業的供給業者から購入し、かつ別途指示しない限りは、更に精製することなく使用した。
一般的溶媒は、Shantou XiLong Chemical Factory社、Guangdong Guanghua Reagent Chem
ical Factory社、Guangzhou Reagent Chemical Factory社、Tianjin YuYu Fine Chemical
社、Qingdao Tenglong Reagent Chemical社、及びQingdao Ocean Chemical Factory社な
どの商業的供給業者から購入した。
【0170】
無水THF、ジオキサン、トルエン、及びエーテルは、その溶媒をナトリウムと共に還流
することにより得た。無水CH
2Cl
2及びCHCl
3は、その溶媒をCaH
2と共に還流することによ
り得た。EtOAc、PE、ヘキサン、DMA及びDMFは、使用前に、無水Na
2SO
4により処理した。
【0171】
以下に示された反応は一般に、窒素又はアルゴンの陽圧下で、又は無水溶媒中の乾燥チ
ューブ(特に指定しない限りは)で行い、かつこれらの反応フラスコは、典型的には基質及
び試薬をシリンジにより導入するために、ゴム栓を嵌めていた。ガラス製品は、炉乾燥す
るか、及び/又は熱乾燥した。
【0172】
カラムクロマトグラフィーは、シリカゲルカラムを用い行った。シリカゲル(300〜400
メッシュ)は、Qingdao Ocean Chemical Factory社から購入した。
1H NMRスペクトルは、B
ruker 400MHz分光計により、外界温度で記録した。
1H NMRスペクトルは、参照標準として
TMS(0ppm)又はクロロホルム(7.25ppm)を使用し、CDCl
3、d
6-DMSO、CD
3OD又はd
6-アセトン
溶液(ppmで報告)として得た。ピークの多重度が報告される場合、下記略語が使用される
:s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、m(多重線)、br(ブロード)、dd(二重線の二重線)、
dt(三重線の二重線)。結合定数が示される場合、これはヘルツ(Hz)で報告される。
【0173】
低解像度質量スペクトル(MS)データは、Agilent 1200シリーズLCMS(Zorbax SB-C18、2.
1×30mm、4ミクロン、10分間、流量0.6mL/分、(H
2O中0.1%ギ酸)中(CH
3CN中0.1%ギ酸)の
5〜95%、UV検出210/254nm、及び低共鳴エレクトロスプレーモード(ESI))上で測定した。
【0174】
化合物の純度は、Agilent 1100シリーズ高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、UV
検出210nm及び254nm(Zorbax SB-C18、2.1×30mm、4ミクロン、10分間、流量0.6mL/分、(H
2O中0.1%ギ酸)中(CH
3CN中0.1%ギ酸)の5〜95%)で評価した。カラムは、40℃で操作した
。
【0175】
下記略語を、本明細書を通じて使用する:
HOAc 酢酸
MeCN、CH
3CN アセトニトリル
NH
3 アンモニア
NH
4Cl 塩化アンモニウム
HBTU O-ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ
ホスフェート
HATU O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサ
フルオロホスフェート
PyBop ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオ
ロホスフェート
Pd
2(dba)
3 ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム
BINAP 2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル
TEAC ビス(テトラ-エチルアンモニウム)カーボネート
BBr
3 三臭化ホウ素
BSA ウシ血清アルブミン
Br
2 臭素
BOC、Boc tert-ブチルオキシカルボニル
Cs
2CO
3 炭酸セシウム
CHCl
3 クロロホルム
CDCl
3 重水素化クロロホルム
Cu 銅
CuI ヨウ化銅(I)
Et
2O ジエチルエーテル
DBU 1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ-7-エン
DIBAL 水素化ジイソブチルアルミニウム
DIAD アゾジカルボン酸ジイソプロピル
DIEA ジイソプロピルエチルアミン
DEAD アゾジカルボン酸ジメチル
DMF ジメチルホルムアミド
DMAP 4-ジメチルアミノピリジン
DMSO ジメチルスルホキシド
EDC、EDCI 1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩
dppa ジフェニルリン酸アジド
EtOAc 酢酸エチル
FBS ウシ胎仔血清
g グラム
h 時間
HBr 臭化水素酸
HCl 塩酸
HOBt 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物
H
2 水素
H
2O
2 過酸化水素
Fe 鉄
LiHMDS リチウムビス(トリメチルシリル)-アミド
LDA リチウムジイソプロピルアミド
MCPBA メタ-クロロ過安息香酸
MgSO
4 硫酸マグネシウム
MeOH、CH
3OH メタノール
MeI ヨウ化メチル
CH
2Cl
2、DCM 塩化メチレン
NMP N-メチルピロリジノン
mL、ml ミリリットル
N
2 窒素
Pd/C 炭素に担持されたパラジウム
Pd(OAc)
2 酢酸パラジウム
Pd(OH)
2 水酸化パラジウム
Pd(PPh
3)
4 テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム
Pd(dppf)Cl
2 1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウムクロリド
PE 石油エーテル(60〜90℃)
PBS リン酸緩衝食塩水
POCl
3 オキシ塩化リン
K
2CO
3 炭酸カリウム
KOH 水酸化カリウム
RT、rt 室温
Rt 保持時間
NaHCO
3 炭酸水素ナトリウム
NaBH
4 水素化ホウ素ナトリウム
NaBHsCN シアノホウ水素化ナトリウム
NaOtBu ナトリウムtert-ブトキシド
NaOH 水酸化ナトリウム
NaClO
2 亜塩素酸ナトリウム
NaCl 塩化ナトリウム
NaH
2PO
4 リン酸二水素ナトリウム
NaH 水素化ナトリウム
NaI ヨウ化ナトリウム
Na
2SO
4 硫酸ナトリウム
TBTU O-ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロ
ボラート
THF テトラヒドロフラン
Et
3N、TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
P(t-bu)
3 トリ(tert-ブチル)ホスフィン
NBS N-ブロモスクシンイミド
TBAI ヨウ化テトラブチルアンモニウム
H
2O 水
【0176】
【化24】
置換された化合物7(式中、W
1、W
2、W
3及びW
4は、CHであり、X
1はOであり;R
1(すなわち
EO-)、R
5、及びPGは、先に定義されたものである)は、スキーム1に例示されたプロセスに
より調製されることができる。置換されたアリール1は、HNO
3などの好適なニトロ化試薬
により、0℃などの適切な温度でニトロ化され、化合物2を生じる。その後NO
2基は、Fe若
しくはZn粉末などの還元試薬によるか、又はPd/CなどのPd触媒の存在下水素化条件下で、
還元される。アニリン3は、ギ酸エチルなどのギ酸エステルと塩基性条件下で縮合され、
置換されたキノリン4を生じる。4の適切なアリール誘導体とのカップリングは、置換され
たジアリールエーテル5を生じる。保護基PGは除去され、化合物6を提供し、これはE-L(L
=OMs、Cl、Br又はIなどの好適な脱離基;E=脂肪族、複素環式脂肪族、縮合複素二環式
脂肪族、スピロ複素二環式脂肪族、環式脂肪族、縮合二環式脂肪族、スピロ二環式脂肪族
、複素環式、縮合複素二環式、スピロ複素二環式、環式、縮合二環式、スピロ二環式など
)と縮合され、所望のキナーゼインヒビター7を供する。
【0177】
【化25】
あるいは、置換されたインドール/アザインドールアナログ11は、スキーム2に図示され
た手順により合成されることができる。ここでR
1、X
1、U
2及びPGは先に定義されたもので
あり、Rは、H、R
5aR
5N-、脂肪族、アルコキシ、ハロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロ
シクリルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキ
シ又はヘテロシクリルアルコキシである。置換された2-アミノピラゾール8は最初に、ス
キーム1に説明されたものに類似した様式で9へ変換される。次にOH基は、Cl、F又はOMsな
どの良好な脱離基Lと置き換えられる。化合物10のLは、ジオキサン、トルエン、又はDMA
などの溶媒中、Cs
2CO
3、NaOH、DMAP、又はルチジンなどの塩基の存在下で、好ましくは高
温で、キナーゼインヒビター11に変換される。
【0178】
【化26】
あるいは、置換されたキナーゼインヒビター16は、スキーム3に明らかにされたプロセ
スを用い、調製されることができる。ここでW
1、W
2、W
3、W
4、R
1(すなわちEO-)、R
3、U
1
、U
2、X
1及びPGは、先に定義されたものである。12のニトロ-アリール誘導体との縮合は
、化合物13を生じる。脱保護は、保護基PGを除去し、化合物14につながる。カップリング
プロセスを介したE基の結合、それに続くニトロ基の還元は、化合物15を供する。EDCI又
はHATUなどのカップリング試薬の存在下での、アニリン15の酸とのカップリングは、所望
のキナーゼインヒビター16を供給する。
【0179】
【化27】
あるいは、本発明のキナーゼインヒビターは、スキーム4に説明されたプロセスにより
得ることができる。ここでR
1(すなわちEO-)、R
2及びPGは、先に定義されたものである。
従って、化合物20は、2-クロロピリジン誘導体19のPd触媒されるアミノ化により調製され
る。アニリン20の酸とのカップリング、それに続く保護基PGの除去は、化合物22を生じる
。スピロ又は二環式部分などの適切な基は、キノリン部分に付加され、化合物23を生じる
。前記構造において、Rは、式(IIa)においてV
1、V
2、V
3及びV
4により定義される構造、又
は式(IIb)においてZ
1、Z
2、X
2、及びX
3により定義される構造である。
【実施例】
【0180】
(実施例)
(実施例1:N-(4-(7-(((5S)-4-メチル-4-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)メトキシ)キノ
リン-4-イルオキシ)-3-フルオロフェニル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェ
ニル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)
【化28】
工程1)(S)-5-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)メチル)ピロリジン-2-オン
ジクロロメタン20mL中の(S)-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-2-オン(1.0g, 8.7mmol,
Aldrich社)及びDHP(1.46g, 17.4mmol, Alfa社)の混合物へ、PPTS(0.437g, 1.74mmol, Al
drich社)を少しずつ添加した。この反応混合物を、室温で4時間攪拌し、飽和NaHCO
3水溶
液20mLでクエンチした。得られた混合物を、ジクロロメタン(25mL×2)で抽出した。一緒
にした有機相を、Na
2SO
4上で乾燥し、かつ真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(EtOAc)により精製し、表題化合物(ジアステレオマー混合物として)
を、無色油状物(0.9g, 52%)として生じた。
【化29】
【0181】
工程2)(S)-1-メチル-5-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)メチル)ピロリジン-2-
オン
DMF 15mL中のNaH(0.48g, 12mmol, 60%鉱油, Aldrich社)の混合物へ、DMF 5mL中の(S)-
5-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)メチル)ピロリジン-2-オン(2g, 10mmol)の溶
液をシリンジにより-40℃で添加した。この反応液を、-40℃で1時間攪拌した。CH
3I(0.9m
L, 12mmol, Shanghai Jingchun Reagent社)を、シリンジにより滴下した。この反応を、-
40℃で4時間攪拌し継続し、かつ飽和NaHSO
3水溶液10mLによりクエンチした。この混合物
を、酢酸エチル(50mL×3)により抽出した。一緒にした有機相を、Na
2SO
4上で乾燥し、真
空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc)により精製し、
所望の生成物が無色油状物(1.98g, 92%)として生じた。
【化30】
【0182】
工程3)(5S)-4-メチル-5-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)メチル)-4-アザスピロ
[2.4]ヘプタン
THF 20mL中の(S)-1-メチル-5-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)メチル)-ピロ
リジン-2-オン(0.6g, 2.82mmol)の混合物へ、Ti(Oi-Pr)
4(2.56mL, 8.45mmol, d=0.937g/L
, Aldrich社)をシリンジにより、窒素下、室温で添加した。室温で30分間攪拌した後、Et
MgBr(5.63mL, 16.9mmol, 3Mエーテル溶液, Aldrich社)を、シリンジポンプにより3時間か
けて添加した。この反応を、室温で一晩攪拌し継続し、その後水20mL及び酢酸エチル30mL
混合液によりクエンチした。20分間攪拌した後、この混合物をセライトパッドを通して濾
過した。濾液を、酢酸エチル(30mL×3)により抽出した。一緒にした有機相を、Na
2SO
4上
で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50:1(v/v) C
H
2Cl
2/CH
3OH)により精製し、(5S)-4-メチル-5-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)
メチル)-4-アザスピロ[2.4]ヘプタンを淡黄色油状物(64mg, 10%)として得た。
【化31】
【0183】
工程4)(5S)-4-メチル-5-(ヒドロキシメチル)-4-アザスピロ[2.4]ヘプタン
メタノール10mL中の(5S)-4-メチル-5-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)メチル
)-4-アザスピロ[2.4]ヘプタン(64mg, 0.284mmol)の混合物へ、4-メチル-ベンゼンスルホ
ン酸(97.8mg, 0.568mmol, Aldrich社)を添加した。この反応混合物を、50℃で一晩攪拌し
、その後真空中で濃縮した。残渣を、飽和Na
2CO
3水溶液10mLにより処理し、ジクロロメタ
ン(20mL×3)により抽出した。一緒にした有機相を、Na
2SO
4上で乾燥し、かつ真空中で濃
縮し、所望の生成物を黄色油状物(32mg, 80%)として生じた。
MS (ESI, pos. ion) m/z: 142.0 (M+1)。
【0184】
工程5)((5S)-4-メチル-4-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)メチルメタンスルホネート
ジクロロメタン5mL中の(5S)-4-メチル-5-(ヒドロキシメチル)-4-アザスピロ[2.4]ヘプ
タン(0.2g, 1.42mmol)及びトリエチルアミン(0.287g, 2.84mmol, Shantou Xilong chemic
al factory社)の混合物を、0℃で30分間攪拌した。この混合物へ、メタンスルホニルクロ
リド(0.325g, 2.84mmol, Shanghai Haiqu chemical社)を、シリンジにより添加した。こ
の反応混合物を、0℃で4時間攪拌し、飽和Na
2CO
3水溶液5mL及び水5mLの混合物によりクエ
ンチした。得られた混合物を、ジクロロメタン(20mL×3)により抽出した。一緒にした有
機相を、Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で濃縮し、((5S)-4-メチル-4-アザスピロ[2.4]ヘプタ
ン-5-イル)メチルメタンスルホネートを黄色油状物(150mg, 48%)として生じた。
【0185】
工程6)N-(4-(7-(((5S)-4-メチル-4-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)メトキシ)キノリン
-4-イルオキシ)-3-フルオロフェニル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル
-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド
【化32】
N,N-ジメチルアセトアミド8mL中の((5S)-4-メチル-4-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル
)メチルメタンスルホネート(150mg, 0.685mmol)及びN-(4-(7-ヒドロキシキノリン-4-イル
オキシ)-3-フルオロフェニル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-1H-ピ
ラゾール-4-カルボキサミド(331.5mg, 0.685mmol)の混合物へ、炭酸セシウム(893mg, 2.7
4mmol, Aladdin社)を添加した。40℃で3日間攪拌した後、この反応混合物を真空中で濃縮
し、残渣を、シリカゲルカラム(50:1 (v/v)CH
2Cl
2/CH
3OH)によりクロマトグラフィーにか
け、所望の生成物を淡黄色固形物(25mg, 6%)として生じた。
【化33】
【0186】
(実施例2:N-(4-(7-(((5R)-4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)メトキシル)キノリン-
4-イルオキシ)-3-フルオロフェニル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-
1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)
【化34】
工程1)(S)-テトラヒドロ-5-オキソフラン-2-カルボン酸
濃HCl 20ml及びH
2O 40mL中のL-グルタミン酸(10.07g, 0.068mol, J&K CHEMICA社)の溶
液へ、H
2O(20mL)中のNaNO
2(7.0g, 0.102mol, Shantou Xilong chemical factory社)の溶
液をゆっくり-5℃で添加した。この混合物を、室温で12時間攪拌を継続した。反応混合液
を、真空中で50℃未満で蒸発させ、黄色油状物を生じ、これをEtOAc中に溶解した。形成
された固形物を濾過し、EtOAcで洗浄した。この濾液及び洗浄液を一緒にし、Na
2SO
4上で
乾燥した。溶媒を真空中で濃縮し、(S)-テトラヒドロ-5-オキソフラン-2-カルボン酸を淡
黄色油状物(8.1g, 91.6%)
1として生じた。
【化35】
【0187】
工程2)(S)-5-(ヒドロキシメチル)-ジヒドロフラン-2(3H)-オン
THF 10.8mL中の(S)-5-オキソ-テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(0.6g, 0.0046mol)の
溶液へ、BH
3・Me
2S溶液(2.76mL, 0.0055mol, THF中2M, Aldrich社)をシリンジにより-20
℃で滴下した。この混合物を、室温で12時間攪拌した。その後この反応を、水性NH
4Clに
よりクエンチし、EtOAcにより抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し
、かつ真空中で濃縮し、粗生成物を明黄色油状物として供給した。シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー精製(100:1(v/v)CHCl
3/MeOH)
1の後、(S)-5-(ヒドロキシメチル)-ジヒドロ
フラン-2(3H)-オンを、無色油状物(0.253g, 47%)として得た。
【化36】
【0188】
工程3)(5S)-5-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)メチル)-ジヒドロフラン-2(3H)-
オン
CH
2Cl
2 40mL中の(S)-5-(ヒドロキシメチル)-ジヒドロフラン-2(3H)-オン(1.78g, 0.015
3mol)及び3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(2.62g, 0.0312mol, Alfa社)の混合物へ、PPTS(0.391g
, 0.00156mol, Aldrich社)をゆっくり添加した。室温で一晩攪拌した後、反応混合物を、
水5mLによりクエンチした。この混合物を、EtOAc(50mL×2)により抽出した。一緒にした
有機相を、Na
2SO
4上で乾燥し、かつ真空中で濃縮し、淡黄色油状物を生じた。この粗生成
物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(3:1(v/v)石油エーテル/EtOAc)により精製し
、表題化合物を無色油状物(2.7g, 88%)として得た。
【化37】
【0189】
工程4)1-((S)-3-ヒドロキシ-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)ブチル)シクロプ
ロパノール
THF 18.7mL中のTi(OiPr)
4(0.33mL, 0.001mol, Ardrich社)及び(5S)-5-((テトラヒドロ-
2H-ピラン-2-イルオキシ)メチル)-ジヒドロフラン-2(3H)-オン(1.0g, 0.005mol)の混合物
へ、Et
2O(4.3mL, 0.0125mol, Aldrich社)中の3M EtMgBrの溶液を、シリンジにより、15℃
で3時間かけて、添加した。更に15℃で1時間攪拌した後、この反応を、飽和NH
4Cl溶液20m
Lによりクエンチし、濾過し、EtOAc(50mL×2)により抽出した。一緒にした有機相を、Na
2
SO
4上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによ
り精製し、1-((S)-3-ヒドロキシ-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)ブチル)シク
ロプロパノールを、無色油状物(0.853g, 74%)
2として得た。
【化38】
【0190】
工程5)(5R)-5-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)メチル)-4-オキサスピロ[2.4]ヘ
プタン
無水THF 32mL中の1-((S)-3-ヒドロキシ-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)ブ
チル)-シクロプロパノール(1.73g, 0.0075mol)及びPPh
3(2.95g, 0.0113mol, Richjoint社
)の溶液へ、N
2下で、室温で、DEAD(1.96g, 0.0113mol, Aladdin社)をシリンジにより滴下
した。この反応液を、60℃で12時間攪拌した。溶媒を真空中で濃縮した。赤色油状物を、
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(8:1(v/v)n-ヘキサン/EtOAc)により精製し、表題化
合物を無色油状物(1.1g, 64%)
2として生じた。
【化39】
【0191】
工程6)(5R)-5-(ヒドロキシメチル)-4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン
MeOH 5mL中の(5R)-5-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)メチル)-4-オキサスピ
ロ[2.4]ヘプタン(101mg, 0.48mmol)の混合物へ、PPTS(12.1mg, 0.048mol, Aldrich社)を
室温で添加した。この反応混合物を、40℃で一晩攪拌し、その後真空中で濃縮した。残渣
を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2)により精製し、表題化合物を無色油状
物(55mg, 89%)として生じた。
【化40】
【0192】
工程7)((5R)-4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)メチルメタンスルホネート
乾燥CH
2Cl
2(6mL)中の(5R)-5-(ヒドロキシメチル)-4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン(116mg
, 0.9mmol)及びEt
3N(183.8mg, 1.82mmol, Shantou Xilong chemical factory社)の混合物
へ、-10℃、N
2下で、MsCl(203mg, 1.4mmol, Shanghai Haiqu chemical社)を、シリンジに
より滴下した。室温で2時間攪拌した後、この反応を、氷水(3mL)によりクエンチし、かつ
水相をCH
2Cl
2(20mL×2)により抽出した。一緒にした有機相を、Na
2SO
4上で乾燥し、真空
中で濃縮し、((5R)-4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)メチルメタンスルホネートを
淡黄色油状物として生じた。
【0193】
工程8)N-(4-(7-(((5R)-4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)メトキシル)キノリン-4-イ
ルオキシ)-3-フルオロフェニル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-1H-
ピラゾール-4-カルボキサミド
【化41】
N,N-ジメチルアセトアミド(1mL)中のN-(4-(7-ヒドロキシキノリン-4-イルオキシ)-3-フ
ルオロフェニル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-1H-ピラゾール-4-カ
ルボキサミド(300mg, 0.62mmol)及び炭酸セシウム(1.0g, 3.1mmol, Aladdin社)の混合物
へ、N,N-ジメチルアセトアミド3mL中の((5R)-4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)メチ
ルメタンスルホネート(187.5mg, 0.91mmol)を添加した。40℃で3日間攪拌した後、反応混
合物を真空中で濃縮し、シリカゲルカラム(1:6(v/v)n-ヘキサン/EtOAc)によりクロマトグ
ラフィーにかけ、表題化合物を無色固形物(220mg, 60%)として得た。
【化42】
【0194】
(実施例3:N-(5-(7-(((5R)-4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)メトキシル)キノリン-
4-イルオキシ)ピリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-1H-
ピラゾール-4-カルボキサミド)
【化43】
表題化合物を、実施例2に説明された手順に従い、DMA(5mL)中のN-(5-(7-ヒドロキシキ
ノリン-4-イルオキシ)ピリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニ
ル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(280mg, 0.69mmol)、炭酸セシウム(1.17g, 3.45mmol
, Aladdin社)、及び((5R)-4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)メチルメタンスルホネ
ート(204mg, 0.99mmol)を用い、調製した。表題化合物は、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(1:8(v/v)n-ヘキサン/EtOAc))により、無色の固形物(110mg, 27.6%)として、精
製した。
【化44】
【0195】
(実施例4:N-(3-フルオロ-4-(7-(2-(1-ヒドロキシシクロプロピル)エトキシ)キノリン-4-
イルオキシ)フェニル)-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピラゾール
-4-カルボキサミド)
【化45】
工程1)3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)プロパン酸
ジクロロメタン(100mL)及びTHF(100mL)中の3-ヒドロキシプロパン酸(7.2g, 80mmol, TC
I, 東京化成社)及びDHP(13.4g, 160mmol, Alfa社)の混合物へ、PPTS(2g, 8mmol, Aldrich
社)を少しずつ添加した。この反応混合物を、室温で一晩攪拌し、かつ飽和NaHCO
3水溶液5
0mLによりクエンチした。得られた混合物を、ジクロロメタン(50mL×5)により抽出した。
一緒にした有機相を、Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(1:1(v/v)石油エーテル/EtOAc)により精製し、無色油状物(7.8g, 56
%)を生じた。
MS (ESI, pos. ion) m/z: 196.9 (M+Na
+); (ESI, negative, ion) m/z: 172.8 (M-I)。
【0196】
工程2)3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)プロパン酸ベンジル
CH
2Cl
2 50mL中の3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)プロパン酸(1g, 5.7mmol)
及びTEA(0.863g, 8.55mmol, Shantou Xilong chemical factory社)の溶液へ、BnBr(0.98g
, 5.7mmol, Aldrich社)を、シリンジにより0℃で添加した。室温で一晩攪拌した後、この
反応混合物を、水20mLによりクエンチし、かつ酢酸エチル(50mL×3)により抽出した。一
緒にした有機相を、Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(20:1(v/v)石油エーテル/EtOAc)により精製し、表題化合物を無色油状
物(270mg, 18.6%)として生じた。
【化46】
【0197】
工程3)1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)エチル)シクロプロパノール
THF 2mL中の3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)プロパン酸ベンジル(150mg, 0.
568mmol)の混合物に、Ti(Oi-Pr)
4(0.18mL, 0.568mmol, d=0.955g/L, Ardrich社)をシリン
ジにより、窒素下室温で添加した。18℃で30分間攪拌した後、EtMgBr(0.48mL, 1.42mmol,
3Mエーテル溶液, Aldrich社)を、シリンジポンプにより2時間かけて添加した。3-(テト
ラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)プロパン酸ベンジルが完全に消費された後(TLCにより
モニタリング)、この反応を水5mLによりクエンチした。この混合物を、セライトパッドを
通して濾過し、かつ濾液を酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。一緒にした有機相を、Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10:1(v
/v)石油エーテル/EtOAc)により精製し、1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)エ
チル)シクロプロパノールを無色油状物(60mg, 57%)として得た。
【化47】
【0198】
工程4)1-(2-ヒドロキシエチル)シクロプロパノール
メタノール20mL中の1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)エチル)シクロプロ
パノール(380mg, 2.04mmol)の混合物に、PPTS(51mg, 0.204mmol, Aldrich社)を添加した
。この反応混合物を、40℃で一晩攪拌し、その後水10mLで処理した。得られた混合物を、
ジクロロメタン(20mL×3)により抽出した。一緒にした有機相を、Na
2SO
4上で乾燥し、か
つ真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10:1(v/v)石油エー
テル/EtOAc)により精製し、表題化合物を無色油状物(170mg, 81.7%)として生じた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ0.55 (t, 2H), 0.85 (t, 2H), 1.85 (t, 2H), 4.02 (t, 2H)
.
【0199】
工程5)2-(1-ヒドロキシシクロプロピル)エチルメタンスルホネート
ジクロロメタン10mL中の1-(2-ヒドロキシエチル)シクロプロパノール(86mg, 0.843mmol
)及びトリエチルアミン(136mg, 1.35mmol, Shantou Xilong chemical factory社)の混合
物を、-10℃で30分間攪拌した。その後メタンスルホニルクロリド(106mg, 0.927mmol, Sh
anghai Haiqu chemical社)を、シリンジにより添加した。この反応液を、-10℃で1時間、
室温で攪拌し、その後氷水1mLでクエンチした。得られた混合物を、ジクロロメタン(20mL
×3)により抽出した。一緒にした有機相を、Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で濃縮し、2-(1-
ヒドロキシシクロプロピル)エチルメタンスルホネートを黄色油状物(更に精製することな
く次工程で使用した)として得た。
【0200】
工程6)N-(3-フルオロ-4-(7-(2-(1-ヒドロキシシクロプロピル)エトキシ)キノリン-4-イル
オキシ)フェニル)-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピラゾール-4-
カルボキサミド
【化48】
DMA 8mL中のN-(3-フルオロ-4-(7-ヒドロキシキノリン-4-イルオキシ)フェニル)-1,5-ジ
メチル-3-オキソ-2-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(204mg, 0.
421mmol)及び2-(1-ヒドロキシシクロプロピル)エチルメタンスルホネート(152mg, 0.843m
mol)の混合物へ、炭酸セシウム(1.37g, 4.2mmol, Aladdin社)を添加した。40℃で1日攪拌
した後、反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を、シリカゲルカラム(50:1(v/v)CH
2Cl
2/CH
3
OH)によりクロマトグラフィーにかけ、表題化合物を白色固形物(60mg, 25%)として得た
。
【化49】
【0201】
(実施例5:N-(3-フルオロ-4-(7-((1-シクロプロピルメタンスルホネート-1-イル)メトキ
シル)キノリン-4-イルオキシ)フェニル)-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-2,3-ジヒド
ロ-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)
【化50】
工程1)2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)酢酸エチル
CH
2Cl
2 40mL中の2-ヒドロキシ酢酸エチル(2g, 20mmol, TCI社)及び3,4-ジヒドロ-2H-ピ
ラン(3.2g, 40mmol, Alfa社)の混合物へ、PPTS(500mg, 2mmol, Aldrich社)を少しずつ室
温で添加した。この混合物を、室温で4時間攪拌した。その後反応混合物をブラインで洗
浄し、有機層を分離し、かつ一緒にした有機相をNa
2SO
4上で乾燥し、真空中で濃縮した。
残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(20:1(v/v)石油エーテル/EtOAc)により精
製し、所望の化合物を無色油状物(3.01g, 81%)として生じた。
【化51】
【0202】
工程2)1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)メチル)シクロプロパノール
THF 18mL中の2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)酢酸エチル(1g, 5.3mmol)及び
Ti(O-iPr)
4(1.06mL, 3.5mmol, Aldrich社)の混合物へ、N
2下で、EtMgBr(4.5mL, 13.25mmo
l, 3Mエーテル溶液, Aldrich社)を2時間かけて滴下し、その温度は15〜20℃で維持しなけ
ればならなかった。2時間攪拌した後、この反応混合物を、飽和NH
4Cl水溶液により0℃で
クエンチし、EtOAc(30mL×3)で抽出した。一緒にした有機相を、Na
2SO
4上で乾燥し、かつ
真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(20:1(v/v)石油エーテ
ル/EtOAc)により精製し、1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)メチル)シクロプロ
パノールを無色油状物(500mg, 55%)として得た。
【化52】
【0203】
工程3)1-(ヒドロキシメチル)シクロプロパノール
MeOH 30mL中の1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)メチル)シクロプロパノール
(420mg, 2.44mmol)の混合物へ、PPTS(61mg, 0.244mmol, Aldrich社)を室温で添加した。
この反応混合物を室温で一晩攪拌し、その後濃縮し、かつシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(1:2(v/v)石油エーテル/EtOAc)により精製し、1-(ヒドロキシメチル)-シクロプロ
パノールを無色油状物(209mg, 99%)として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 0.56 (t, J=5.6Hz, 2H), 0.82 (t, J=6Hz, 2H), 3.62 (s,
2H).
【0204】
工程4)(1-(メチルスルホニルオキシ)シクロプロピル)メチルメタンスルホネート
乾燥CH
2Cl
2 20mL中の1-(ヒドロキシメチル)シクロプロパノール(100mg, 1.14mmol)及び
TEA(202mg, 1.82mmol, Shantou Xilong chemical factory社)の混合物へ、N
2下で、MsCl(
156mg, 1.32mmol, Shanghai Haiqu chemical社)を、シリンジにより-10℃で滴下した。-1
0℃で4時間攪拌した後、この混合物を氷水で洗浄し、CH
2Cl
2(30mL×3)で抽出した。一緒
にした有機相を、Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で濃縮し、所望の化合物を淡黄色油状物(139
mg, 50%)として生じた。
【0205】
工程5)N-(3-フルオロ-4-(7-((1-シクロプロピルメタンスルホネート-1-イル)メトキシル)
キノリン-4-イルオキシ)フェニル)-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H
-ピラゾール-4-カルボキサミド
【化53】
DMA 3mL中の(1-(メチルスルホニルオキシ)シクロプロピル)メチルメタンスルホネート(
122mg, 0.5mmol)及びN-(4-(7-ヒドロキシキノリン-4-イルオキシ)-3-フルオロフェニル)-
2,5-ジヒドロ-2,3-ジメチル-5-オキソ-1-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(306
mg, 0.57mmol)の混合物へ、N
2下で、Cs
2CO
3(926mg, 2.84mmol, Aladdin社)を室温で添加
した。この混合物を室温で一晩攪拌し、その後真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(5:1(v/v)CH
2Cl
2/EtOAc)により精製し、表題化合物を白色固形物
(200mg, 55%)として生じた。
【化54】
【0206】
(実施例6:N-(4-(7-(4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イルオキシ)-6-メトキシル-キノリ
ン-4-イルオキシ)-3-フルオロフェニル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニ
ル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)
【化55】
工程1)4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)-ジヒドロフラン-2(3H)-オン
乾燥CH
2Cl
2 250mL中の4-ヒドロキシ-ジヒドロフラン-2(3H)-オン(10g, 0.1mol, Alfa社
)及びジヒドロピラン(12.5g, 0.15mol, Alfa社)の混合物へ、PPTS(2.5g 0.01mol)を添加
し、この反応混合物を室温で一晩攪拌した。この反応混合物をブラインで洗浄し、CH
2Cl
2
(100mL×3)で抽出し、かつ一緒にした有機相をNa
2SO
4上で乾燥し、真空中で濃縮した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3:1(v/v)EtOAc/n-ヘキサン)により精製し、表
題化合物を無色油状物(15.6g, 68%)として生じた。
【化56】
【0207】
工程2)1-(3-ヒドロキシ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)プロピル)シクロプロ
パノール
乾燥THF 40mL中の4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)-ジヒドロフラン-2(3H)-
オン(2.23g, 12mmol)及びTi(Oi-Pr)
4(0.68g, 2.4mmol, Aldrich社)の溶液へ、15℃、N
2下
で、EtMgBr(30mmol, 10mL, 3Mエーテル溶液, Aldrich社)を、シリンジポンプにより2時間
かけて滴下した。この反応液の温度は、常に20℃未満に維持した。2時間攪拌した後、こ
の反応混合物を、飽和NH
4Cl水溶液30mLによりクエンチし、かつ酢酸エチル(50mL×3)で抽
出した。一緒にした有機相を、Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(1:1(v/v)EtOAc/n-ヘキサン)により精製し、1-(3-ヒドロキ
シ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)プロピル)シクロプロパノールを黄色油状
物(1.92g, 73%)
2として得た。
【化57】
【0208】
工程3)3-(1-ヒドロキシ シクロプロピル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)プ
ロピルメタンスルホネート
CH
2Cl
2 30mL中の1-(3-ヒドロキシ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)プロピル
)シクロプロパノール(1.0g, 4.63mmol)及びトリエチルアミン(1mL, 7.4mmol, Shantou Xi
long chemical factory社)の混合物に、0℃で、メタンスルホニルクロリド(0.64g, 5.6mm
ol, Shanghai Haiqu chemical社)をシリンジにより添加した。この反応混合物を、0℃で1
時間攪拌し、その後氷水5mLによりクエンチした。得られた混合物を、CH
2Cl
2(50mL×3)に
より抽出した。一緒にした有機相を、Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で濃縮し、3-(1-ヒドロ
キシシクロプロピル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)プロピルメタンスルホ
ネートを黄色油状物(更に精製することなく次工程で直ちに使用した)として供給した。
【0209】
工程4)6-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)-4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン
THF 20mL中の3-(1-ヒドロキシシクロプロピル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオ
キシ)プロピルメタンスルホネート(1.3g, 4.63mmol)及びNaH(0.15g, 6mmol, Aldrich社)
の混合物を、室温で4時間攪拌した。この反応混合物を、メタノール5mLでクエンチした。
この混合物を、水10mLで希釈し、酢酸エチル(30mL×3)により抽出した。一緒にした有機
相を、Na
2SO
4上で乾燥し、かつ真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(1:10(v/v)EtOAc/石油エーテル)により精製し、表題化合物を無色油状物(380mg,
42%)として生じた。
【化58】
【0210】
工程5)6-ヒドロキシ-4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン
メタノール(40ml)中の6-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)-4-オキサスピロ[2.4
]ヘプタン(1.03g, 5.2mmol)及びPPTS(0.26g, 1.0mmol, Aldrich社)の混合物を、40℃で5
時間攪拌した。この反応混合物を真空中で濃縮し、かつ残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(1:5(v/v)EtOAc/石油エーテル)により精製し、6-ヒドロキシ-4-オキサスピロ[
2.4]ヘプタンを無色油状物(570mg, 97%)として得た。
【化59】
【0211】
工程6)(4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イル)メタンスルホネート
ジクロロメタン5mL中の6-ヒドロキシ-4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン(100mg, 0.88mmol)
及びトリエチルアミン(150mg, 1.5mmol, Shantou Xilong chemical factory社)の混合物
へ、0℃で、メタンスルホニルクロリド(130mg, 1mmol, Shanghai Haiqu chemical社)をシ
リンジにより添加した。この反応混合物を0℃で1時間攪拌し、氷水5mLによりクエンチし
た。得られた混合物を、CH
2Cl
2(20mL×3)により抽出した。一緒にした有機相を、Na
2SO
4
上で乾燥し、真空中で濃縮し、表題化合物を黄色油状物(168mg, 100%)として生じた。
【0212】
工程7)N-(4-(7-(4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イルオキシ)-6-メトキシキノリン-4-イ
ルオキシ)-3-フルオロフェニル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-1H-
ピラゾール-4-カルボキサミド
【化60】
N,N-ジメチルアセトアミド5mL中の(4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イル)メタンスル
ホネート(168mg, 0.877mmol)及びN-(4-(7-ヒドロキシ-6-メトキシキノリン-4-イルオキシ
)-3-フルオロフェニル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-1H-ピラゾー
ル-4-カルボキサミド(300mg, 0.584mmol)の混合物へ、炭酸セシウム(893mg, 2.74mmol, A
laddin社)を添加した。室温で4時間攪拌した後、この反応液を40℃に温め、16時間攪拌し
た。反応混合物を真空中で濃縮し、シリカゲルカラム(5:1(v/v)EtOAc/n-ヘキサン)により
クロマトグラフィーにかけ、表題化合物を白色固形物(65mg, 18%)として得た。
【化61】
【0213】
(実施例7:N-(4-(7-(4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イルオキシ)キノリン-4-イルオキ
シ)-3-フルオロフェニル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-1H-ピラゾ
ール-4-カルボキサミド)
【化62】
表題化合物を、実施例6に説明された手順に従い、DMA(6mL)中の(4-オキサスピロ[2.4]
ヘプタン-6-イル)メタンスルホネート(220mg, 1.14mmol)、N-(4-(7-ヒドロキシキノリン-
4-イルオキシ)-3-フルオロフェニル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-
1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(300mg, 0.62mmol)、及び炭酸セシウム(450mg, 2.4mmol
, Aladdin社)を用い調製した。表題化合物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(5:1
(v/v)EtOAc/n-ヘキサン)により精製し、かつ白色固形物(68mg, 19%)として得た。
【化63】
【0214】
(実施例8:N-(5-(7-(4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イルオキシ)キノリン-4-イルオキ
シ)ピリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-1H-ピラゾール-
4-カルボキサミド)
【化64】
表題化合物を、実施例6に説明された手順に従い、DMA(6mL)中の(4-オキサスピロ[2.4]
ヘプタン-6-イル)メタンスルホネート(220mg, 1.14mmol)、N-(5-(7-ヒドロキシキノリン-
4-イルオキシ)ピリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-1H-
ピラゾール-4-カルボキサミド(300mg, 0.64mmol)、及び炭酸セシウム(450mg, 2.4mmol, A
laddin社)を用いて調製した。表題化合物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOA
c)により精製し、白色固形物(140mg, 39%)を生じた。
【化65】
【0215】
(実施例9:N-(3-フルオロ-4-(7-(3-(1-ヒドロキシシクロプロピル)プロポキシ)キノリン-
4-イルオキシ)フェニル)-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピラゾー
ル-4-カルボキサミド)
【化66】
工程1)1-(3-ヒドロキシプロピル)シクロプロパノール
乾燥THF 80mL中のジヒドロフラン-2(3H)-オン(2.0g, 23mmol, Alfa社)及びTi(Oi-Pr)
4(
1.32g, 4.6mmol, Aldrich社)の混合物へ、15℃、N
2下で、EtMgBr(60mmol, 20mL, エーテ
ル溶液中3M, Aldrich社)をシリンジポンプにより、3時間かけて添加した。その温度は常
に20℃未満に維持した。更に3時間攪拌した後、反応混合物を、飽和NH
4Cl水溶液60mLによ
りクエンチし、かつ酢酸エチル(50mL×3)により抽出した。一緒にした有機相を、Na
2SO
4
上で乾燥し、かつ真空中で濃縮した。オレンジ色の油状残渣を、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(1:1(v/v)EtOAc/n-ヘキサン)により精製し、1-(3-ヒドロキシプロピル)シク
ロプロパノールを黄色油状物(2.5g, 93%)として得た。
【0216】
工程2)3-(1-ヒドロキシシクロプロピル)プロピルメタンスルホネート
ジクロロメタン8mL中の1-(3-ヒドロキシプロピル)シクロプロパノール(140mg, 1.2mmol
)及びトリエチルアミン(0.3mL, 2.1mmol, Shantou Xilong chemical factory社)の混合物
を、0℃で10分間攪拌した。この混合物へ、メタンスルホニルクロリド(180mg, 1.6mmol,
Shanghai Haiqu chemical社)をシリンジにより添加した。反応混合物を0℃で1時間攪拌し
、その後氷水2mLによりクエンチした。得られた混合物を、ジクロロメタン(10mL×3)によ
り抽出した。一緒にした有機相を、Na
2SO
4上で乾燥し、かつ真空中で濃縮し、3-(1-ヒド
ロキシシクロプロピル)プロピルメタンスルホネートを黄色油状物として生じた。
【0217】
工程3)N-(3-フルオロ-4-(7-(3-(1-ヒドロキシシクロプロピル)プロポキシ)キノリン-4-イ
ルオキシ)フェニル)-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピラゾール-4
-カルボキサミド
【化67】
N,N-ジメチルアセトアミド5mL中の3-(1-ヒドロキシシクロプロピル)プロピルメタンス
ルホネート(240mg, 1.2mmol)及びN-(4-(7-ヒドロキシキノリン-4-イルオキシ)-3-フルオ
ロフェニル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルボ
キサミド(300mg, 0.62mmol)の混合物へ、炭酸セシウム(470mg, 2.4mmol, Aladdin社)を添
加した。室温で12時間攪拌した後、反応混合物を40℃に温め、更に6時間攪拌した。反応
混合物を、水20mLで希釈し、かつ酢酸エチル(40mL×3)により抽出した。一緒にした有機
相を、Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で濃縮し、かつシリカゲルカラム(5:1(v/v)EtOAc/n-ヘ
キサン)によりクロマトグラフィーにかけ、表題化合物を白色固形物(68mg, 19%)として
提供した。
【化68】
【0218】
N-(3-フルオロ-4-(7-(3-(1-シクロプロピル-メタンスルホネート-1-イル)プロポキシ)-
キノリン-4-イルオキシ)フェニル)-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H
-ピラゾール-4-カルボキサミドも、前記反応から分離した。
【化69】
【化70】
【0219】
(実施例10:N-(5-(7-(3-(1-ヒドロキシシクロプロピル)プロポキシ)キノリン-4-イルオキ
シ)ピリジン-2-イル)-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピラゾール-
4-カルボキサミド)
【化71】
表題化合物を、実施例9に説明された手順に従い、DMA(10mL)中のN-(5-(7-ヒドロキシキ
ノリン-4-イルオキシ)ピリジン-2-イル)-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-2,3-ジヒド
ロ-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(277mg, 0.593mmol)、Cs
2CO
3(560mg, 1.724mmol, Al
addin社)、及び3-(1-ヒドロキシシクロプロピル)プロピルメタンスルホネート(334mg, 1.
724mmol)を用い調製した。表題化合物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(67:30:1
:2(v/v/v/v)EtOAc/CH
2Cl
2/CH
3OH/Et
3N)により精製し、表題化合物を白色固形物(210mg, 6
2.6%)として得た。
【化72】
【0220】
(実施例11:N-(5-(7-((4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イル)アミノプロポキシ)キノリ
ン-4-イルオキシ)ピリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-1
H-ピラゾール-4-カルボキサミド)
【化73】
工程1)(4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イル)メタンスルホネート
乾燥CH
2Cl
2(8mL)中の6-ヒドロキシ-4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン(200mg, 1.75mmol)及
びEt
3N(530.25mg, 5.25mmol)の溶液に、-10℃で、MsCl(401.7mg, 3.5mmol)を、N
2大気下
で滴下した。2時間攪拌した後、この反応を、氷水(3mL)によりクエンチし、CH
2Cl
2(2×10
mL)により抽出した。一緒にした有機相を、Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で濃縮し、表題化
合物を淡黄色油状物として生じた。
【0221】
工程2)(4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イル)アミノプロパノール
乾燥THF(3mL)中の(4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イル)メタンスルホネート(336mg,
1.75mmol)の溶液に、3-アミノプロパン-1-オール(656.3mg, 8.75mmol, TCI)を添加した。
この反応液を一晩還流した。この混合物を真空中で濃縮し、茶色の残渣を生じ、これをシ
リカゲルカラム(8:1(v/v)EtOAc/MeOH)によりクロマトグラフィーにかけ、表題化合物を淡
黄色油状物(280mg, 93%)として生じた。
【化74】
【0222】
工程3) N-(4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イル)ヒドロキシプロピルアミノギ酸tert-ブ
チル
CH
2Cl
2(10mL)中の(4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イル)アミノプロパノール(361.9mg
, 2.12mmol)及びEt
3N(535.3mg, 5.3mmol)の溶液へ、室温で、(Boc)
2O(692mg, 3.17mmol)
を添加した。この反応液を、一晩攪拌し、その後水(5mL)によりクエンチした。有機層を
分離し、水層をEtOAc 20mLにより抽出した。一緒にした有機相を、Na
2SO
4上で乾燥し、真
空中で濃縮し、表題化合物を淡黄色油状物(555.8mg, 97%)として生じた。
【化75】
【0223】
工程4)(N-(4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イル)-tert ブトキシカルボニルアミノ)プロ
ピルメタンスルホネート
乾燥CH
2Cl
2(10mL)中のN-(4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イル)ヒドロキシプロピルア
ミノギ酸tert-ブチル(278mg, 1.03mmol)及びEt
3N(260mg, 2.58mmol)の溶液へ、-10℃で、
MsCl(234.8mg, 2.06mmol)を、N
2大気下で添加した。2時間攪拌した後、この反応を氷水(3
mL)でクエンチした。有機相を分離し、かつ水層を、CH
2Cl
2 15mLにより抽出した。一緒に
した有機相を、Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で濃縮し、表題化合物を淡黄色油状物として生
じた。
【0224】
工程5)N-(5-(7-((N-(4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イル)-tert ブトキシカルボニルア
ミノ)プロポキシ)キノリン-4-イルオキシ)ピリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル
-3-オキソ-2-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド
【化76】
N,N-ジメチルアセトアミド(1mL)中のN-(5-(7-ヒドロキシキノリン-4-イルオキシ)ピリ
ジン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-1H-ピラゾール-4-カル
ボキサミド(200.6mg, 0.44mmol)及び炭酸セシウム(684.6mg, 2.1mmol, Aladdin社)の溶液
へ、N,N-ジメチルアセトアミド(5mL)中の(N-(4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イル)-ter
tブトキシカルボニルアミノ)プロピルメタンスルホネート(0.63mmol)を添加した。40℃で
2日間攪拌した後、反応混合物を真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラム(1:4(v/v)
n-ヘキサン/EtOAc)によりクロマトグラフィーにかけ、表題化合物を白色固形物(200mg, 6
2.5%)として生じた。
【化77】
【0225】
工程6)N-(5-(7-((4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イル)アミノプロポキシ)キノリン-4-
イルオキシ)ピリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-1H-ピ
ラゾール-4-カルボキサミド
【化78】
乾燥THF(2mL)中のN-(5-(7-((N-(4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イル)-tertブトキシ
カルボニルアミノ)プロポキシ)キノリン-4-イルオキシ)ピリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-
1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(50mg, 0.069mmol)
の溶液へ、2M HCl/THF(8mmol)を添加した。室温で4時間攪拌した後、飽和NaHCO
3水溶液10
mLを添加し、この反応をクエンチした。この混合物を、EtOAc(15mL×2)により抽出した。
一緒にした有機相を、Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカ
ラム(5:1(v/v)EtOAc/MeOH)によりクロマトグラフィーにかけ、表題化合物を白色固形物(3
0mg, 69%)として生じた。
【化79】
【0226】
(実施例12:N-(5-(7-(3-(7-ヒドロキシ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロポキシ)
キノリン-4-イルオキシ)ピリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェ
ニル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)
【化80】
工程1)1-アセチルシクロプロパンカルボン酸エチル
アセトン(500mL)中の3-オキソブタン酸エチル(26g, 200mmol)の溶液へ、炭酸カリウム(
82.8g, 600mmol)を添加し、引き続き1,2-ジブロモエタン(45.12g, 240mmol)を添加した。
この反応液を、24時間還流し、その後反応混合物を濾過した。濾液を真空中で濃縮し、か
つ残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(1:50(v/v)EtOAc/n-ヘキサン)により精
製し、表題化合物を無色油状物(18.7g, 60%)として得た。
【化81】
【0227】
工程2)1-(2-ブロモアセチル)シクロプロパンカルボン酸エチル
100mL丸底フラスコに、1-アセチルシクロ-プロパンカルボン酸エチル(15.6g, 100mmol)
及び固形NBS(21.36g, 120mmol)を添加し、引き続きp-トルエンスルホン酸(1.9g, 10mmol)
を添加した。室温で8時間攪拌した後、反応混合物を、ジエチルエーテル(200mL)で抽出し
、水80mLで洗浄した。その後有機相を、無水Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣
を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(1:30(v/v)EtOAc/n-ヘキサン)により精製し、
表題化合物を無色油状物(16.68g, 71%)として生じた。
【化82】
【0228】
工程3)5-((R)-α-メチルベンジル)-4,7-ジオキソ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン
THF(60mL)中の1-(2-ブロモアセチル)シクロプロパンカルボン酸エチル(4.7g, 20mmol)
の溶液へ、(R)-α-メチルベンジルアミン(2.9g, 24mmol)及びEt
3N(4.04g, 40mmol)を添加
した。室温で3日間攪拌した後、反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を酢酸エチル(50mL×
2)により抽出し、水(30mL)で洗浄した。一緒にした有機相を、無水Na
2SO
4上で乾燥し、濾
過し、濾液を真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc)
により精製し、表題化合物を明黄色固形物(3.66g, 80%)として得た。
【化83】
【0229】
工程4)5-((R)-α-メチルベンジル)-7-ヒドロキシ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン
THF(40mL)中のLiAlH
4(0.995g, 26.2mmol)の懸濁液に、THF(10mL)中の5-((R)-α-メチル
ベンジル)-4,7-ジオキソ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン(3.0g, 13.1mmol)の溶液を0℃で添
加した。反応混合物を、0℃で2時間攪拌し、その後50℃まで温め、6時間攪拌を続けた。
その後反応混合物を0℃に冷却し、酢酸エチル(10mL)及び水(10mL)を添加した。この懸濁
液を濾過し、かつ濾液を真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(1:3(v/v)2-ブタノール/n-ヘキサン)により精製し、表題化合物を無色油状物(2.4g, 85%
)として得た。
MS (ESI, pos. ion) m/z: 218 (M+l);
【0230】
工程5)7-ヒドロキシ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン
エタノール(30mL)中の5-((R)-α-メチルベンジル)-7-ヒドロキシ-5-アザスピロ[2.4]ヘ
プタン(2.4g, 11.1mmol)の溶液へ、触媒量のPd/Cを添加した。その後この懸濁液を、H
2下
で3時間攪拌した。この懸濁液を濾過し、かつ濾液を真空中で濃縮し、所望の化合物を明
オレンジ色油状物(1.23g, 98%)として得た。粗生成物を、更に精製することなく次工程
において使用した。
MS (ESI, pos. ion) m/z: 114 (M+l);
【0231】
工程6)3-(7-ヒドロキシ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロパノール
THF(40mL)中の7-ヒドロキシ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン(1.23g, 11.0mmol)の溶液に、
3-ブロモプロパノール(2.3g, 16.65mmol)及びEt
3N(2.24g, 22.2mmol)を添加した。この反
応混合物を室温で12時間攪拌し、その後真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(100:50:2(v/v/v)EtOAc/CH
3OH/Et
3N)により精製し、所望の化合物をオ
レンジ色油状物(1.14g, 60%)として得た。
【化84】
【0232】
工程7)3-(7-ヒドロキシ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロピルメタンスルホネー
ト
CH
2Cl
2(20mL)中の3-(7-ヒドロキシ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロパノール(
1.14g, 6.67mmol)及びEt
3N(1.35g, 13.34mmol)の溶液へ、メタンスルホニルクロリド(1.1
5g, 10mmol)を0℃で滴下した。その後この反応液を、0℃で3時間攪拌した。この反応混合
物を、冷水(10mL)で洗浄し、その有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮
し、表題化合物をオレンジ色油状物として得た。粗生成物を、更に精製することなく次工
程において使用した。
【0233】
工程8)N-(5-(7-(3-(7-ヒドロキシ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロポキシ)キノ
リン-4-イルオキシ)ピリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル
-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド
【化85】
DMA(3mL)中のN-(5-(7-ヒドロキシキノリン-4-イルオキシ)ピリジン-2-イル)-1,5-ジメ
チル-3-オキソ-2-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(300mg, 0.64
2mmol)の溶液に、3-(7-ヒドロキシ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロピルメタン
スルホネート(240mg, 0.963mmol)及びCs
2CO
3(417mg, 1.284mmol)を添加した。この反応液
を、室温で24時間攪拌した。溶媒を除去し、残渣を、飽和NaHCO
3水溶液(15mL)とCHCl
3(30
mL)の間で分配した。その有機層を分離し、無水Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空中で濃
縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(100:15:1(v/v/v)EtOAc/CH
3OH/Et
3N)により精製し、表題化合物を白色固形物(259mg, 65%)として得た。
【化86】
【0234】
(実施例13:N-(4-(7-(3-(7-ヒドロキシ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロポキシ)
キノリン-4-イルオキシ)-3-フルオロフェニル)-N-フェニルシクロプロパン-1,1-ジカルボ
キサミド)
【化87】
DMA(3mL)中のN-(3-フルオロ-4-(7-ヒドロキシキノリン-4-イルオキシ)フェニル)-N-フ
ェニルシクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(240mg, 0.525mmol)の溶液へ、3-(7-ヒドロ
キシ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロピルメタンスルホネート(261mg, 1.05mmol
)及びCs
2CO
3(512mg, 1.575mmol)を添加した。その後この反応液を、室温で24時間攪拌し
た。溶媒を除去し、残渣を、飽和NaHCO
3水溶液(10mL)とCHCl
3(30mL)の間で分配した。そ
の有機層を分離し、無水Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(100:15:1(v/v/v)EtOAc/CH
3OH/Et
3N)により精製し、所望
の化合物を白色固形物(170mg, 53%)として得た。
【化88】
【0235】
(実施例14:N-(4-(7-(3-(7-ヒドロキシ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロポキシ)
キノリン-4-イルオキシ)-3-フルオロフェニル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-
フェニル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)
【化89】
DMA(3mL)中のN-(3-フルオロ-4-(7-ヒドロキシキノリン-4-イルオキシ)フェニル)-1,5-
ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(200mg,
0.413mmol)の溶液へ、3-(7-ヒドロキシ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロピルメ
タンスルホネート(154mg, 0.619mmol)及びCs
2CO
3(268mg, 0.826mmol)を添加した。その後
この反応液を、室温で40時間攪拌した。その溶媒を除去し、かつ残渣を、飽和NaHCO
3水溶
液(10mL)とCHCl
3(25mL)の間で分配した。有機層を、無水Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真
空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(100:15:1(v/v/v)EtOAc/
CH
3OH/Et
3N)により精製し、淡黄色固形物(192mg, 73%)を得た。
【化90】
【0236】
(実施例15:N-(4-(7-(3-(7-ヒドロキシ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロポキシ)
-6-メトキシキノリン-4-イルオキシ)-3-フルオロフェニル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-
3-オキソ-2-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)
【化91】
DMA(2mL)中のN-(3-フルオロ-4-(7-ヒドロキシ-6-メトキシキノリン-4-イルオキシ)フェ
ニル)-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピラゾール-4-カルボキサミ
ド(200mg, 0.389mmol)の溶液へ、3-(7-ヒドロキシ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)
プロピルメタンスルホネート(193mg, 0.778mmol)及びCs
2CO
3(379mg, 1.167mmol)を添加し
た。その後反応液を、室温で40時間攪拌した。溶媒を除去し、かつ残渣を、飽和NaHCO
3水
溶液(10mL)とCHCl
3(30mL)の間で分配した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4上で乾燥し、濾
過し、真空中で濃縮し、かつ残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(100:15:1(v/
v/v)EtOAc/CH
3OH/Et
3N)により精製し、所望の化合物を淡黄色固形物(171mg, 66%)として
得た。
【化92】
【0237】
(実施例16:N-(5-(7-(3-(7-ヒドロキシ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロポキシ)
キノリン-4-イルオキシ)ピリジン-2-イル)-N-フェニルシクロプロパン-1,1-ジカルボキサ
ミド)
【化93】
DMA(2mL)中のN-(5-(7-ヒドロキシキノリン-4-イルオキシ)ピリジン-2-イル)-N-フェニ
ルシクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(110mg, 0.25mmol)の溶液に、3-(7-ヒドロキシ-
5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロピルメタンスルホネート(125mg, 0.50mmol)及び
Cs
2CO
3(243mg, 0.75mmol)を添加した。その後この反応液を、室温で24時間攪拌した。溶
媒を除去し、かつ残渣を飽和NaHCO
3水溶液(10mL)とCHCl
3(30mL)の間で分配した。有機層
を分離し、無水Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、かつ濾液を真空中で濃縮した。残渣を、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(100:15:1(v/v/v)EtOAc/CH
3OH/Et
3N)により精製し、所
望の化合物を淡黄色固形物(110mg, 75%)として得た。
【化94】
【0238】
(実施例17:N-(4-(7-(3-(7-ヒドロキシ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロポキシ)
-6-メトキシキノリン-4-イルオキシ)-3-フルオロフェニル)-N-フェニルシクロプロパン-1
,1-ジカルボキサミド)
【化95】
DMA(3mL)中のN-(3-フルオロ-4-(7-ヒドロキシ-6-メトキシキノリン-4-イルオキシ)フェ
ニル)-N-フェニルシクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(260mg, 0.534mmol)の溶液に、3
-(7-ヒドロキシ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロピルメタンスルホネート(266mg
, 1.068mmol)及びCs
2CO
3(520mg, 1.602mmol)を添加した。その後反応液を、室温で2日間
攪拌した。溶媒を除去し、残渣を飽和NaHCO
3水溶液(15mL)とCHCl
3(30mL)の間で分配した
。有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、濾液を真空中で濃縮した。この残渣を、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(100:15:1(v/v/v)EtOAc/CH
3OH/Et
3N)により精製し、所
望の化合物を淡黄色固形物(264mg, 77%)として得た。
【化96】
【0239】
(実施例18:N-(4-(7-(3-(7-ヒドロキシ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロポキシ)
-6-メトキシキノリン-4-イルオキシ)-3-フルオロフェニル)-N-(4-フルオロフェニル)シク
ロプロパン-1,1-ジカルボキサミド)
【化97】
DMA(3mL)中のN-(3-フルオロ-4-(7-ヒドロキシ-6-メトキシキノリン-4-イルオキシ)フェ
ニル)-N-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(240mg, 0.475mmol
)の溶液へ、3-(7-ヒドロキシ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロピルメタンスルホ
ネート(236mg, 0.95mmol)及びCs
2CO
3(463mg, 1.425mmol)を添加した。その後この反応液
を、室温で2日間攪拌した。溶媒を除去し、かつ残渣を、飽和NaHCO
3水溶液(15mL)とCHCl
3
(30mL)の間で分配した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、かつ濾液を真
空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(100:15:1(v/v/v)EtOAc/CH
3OH/Et
3N)により精製し、所望の化合物を白色固形物(250mg, 80%)として得た。
【化98】
【0240】
(実施例19:N-(5-(7-(3-(7-ヒドロキシ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロポキシ)
-6-メトキシキノリン-4-イルオキシ)ピリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オ
キソ-2-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)
【化99】
DMA(4mL)中のN-(5-(7-ヒドロキシ-6-メトキシキノリン-4-イルオキシ)ピリジン-2-イル
)-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(2
00mg, 0.402mmol)の溶液へ、3-(7-ヒドロキシ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロ
ピルメタンスルホネート(150mg, 0.603mmol)及びCs
2CO
3(261mg, 0.804mmol)を添加した。
その後この反応液を、室温で24時間攪拌した。溶媒を除去し、残渣を、飽和NaHCO
3水溶液
(5mL)とCHCl
3(25mL)の間で分配した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、
かつ濾液を真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(100:15:1(
v/v/v)EtOAc/CH
3OH/Et
3N)により精製し、所望の化合物を淡黄色固形物(165mg, 63%)とし
て得た。
【化100】
【0241】
(実施例20:N-(5-(7-(3-(7-ヒドロキシ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロポキシ)
-6-メトキシキノリン-4-イルオキシ)ピリジン-2-イル)-N-フェニルシクロプロパン-1,1-
ジカルボキサミド)
【化101】
DMA(4mL)中のN-(5-(7-ヒドロキシ-6-メトキシキノリン-4-イルオキシ)ピリジン-2-イル
)-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(3
00mg, 0.640mmol)の溶液へ、3-(7-ヒドロキシ-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロ
ピルメタンスルホネート(239mg, 0.960mmol)及びCs
2CO
3(416mg, 1.280mmol)を添加した。
その後この反応液を、室温で48時間攪拌した。溶媒を除去し、かつ残渣を、飽和NaHCO
3水
溶液(5mL)とCHCl
3(25mL)の間で分配した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4上で乾燥し、濾過
し、かつ濾液を真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(100:1
5:1(v/v/v)EtOAc/CH
3OH/Et
3N)により精製し、所望の化合物を淡黄色固形物(240mg, 60%)
として得た。
【化102】
【0242】
(実施例21:N-(4-(7-(4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イルオキシ)キノリン-4-イルオキ
シ)-3-フルオロフェニル)-N-フェニルシクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド)
【化103】
工程1)シクロプロパン-1,1-ジカルボン酸ジエチル
DMF(50.0mL)中のマロン酸ジエチル(3.2g, 20mmol)及び無水炭酸カリウム粉末(6.9g, 50
mmol)の溶液へ、1,2-ジブロモエタン(4.136g, 22mmol)を添加した。2時間攪拌した後、触
媒量のTBAI(0.738g, 2.0mmol)を添加し、かつこの混合物を、室温で8時間攪拌し続けた。
反応混合物を濾過し、かつ固形物をジエチルエーテルで3回洗浄した。濾液を水(200mL)で
希釈し、ジエチルエーテル(75mL×4)により抽出した。一緒にした有機相を、ブライン70m
Lで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、かつ真空中で濃縮した。残渣を、短いアルミナカラム(1:
10(v/v)EtOAc/n-ヘキサン)により精製し、所望の化合物を黄色油状物(3.3g, 88.7%)とし
て得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 1.27 (m, J=6.8Hz, 6H), 1.42 (m, 4H), 4.18 (m, 4H).
【0243】
工程2)1-(エトキシカルボニル)シクロプロパンカルボン酸
エタノール(40mL)中のシクロプロパン-1,1-ジカルボン酸ジエチル(4.77g, 25.6mmol)の
溶液へ、H
2O(8mL)中のKOH(1.43g, 25.6mmol)を添加し、かつこの反応混合物を室温で一晩
攪拌した。エタノールを減圧下で除去した。残渣を、HCl(6mL, 5mol/L)により中和し、そ
の後EtOAc(100mL×3)により抽出した。一緒にした有機相を、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し
、濾液を真空中で濃縮し、表題化合物を白色固形物(3.58g, 88.4%)として生じた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 1.27 (t, J=6.7Hz, 3H), 1.83 (m, 2H), 1.86 (m, 2H), 4.
25 (m, 2H).
【0244】
工程3)1-(フェニルカルバモイル)シクロプロパンカルボン酸エチル
乾燥CH
2Cl
2(70mL)中の1-(エトキシカルボニル)シクロプロパンカルボン酸(7.4g, 46.84
mmol)の溶液へ、HATU(35.62g, 93.67mmol)を0℃で添加した。10分間攪拌した後、乾燥CH
2
Cl
2(30mL)中のアニリン(8.71g, 93.67mmol)及びEt
3N(9.48g, 93.67mmol)の溶液を添加し
、かつこの反応混合物を40℃で24時間攪拌し続けた。この反応混合物を、水(30mL)により
クエンチし、かつCH
2Cl
2(100mL×3)により抽出した。一緒にした有機相を、無水Na
2SO
4上
で乾燥し、濾過し、かつ濾液を真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラム(1:5(v/v)E
tOAc/n-ヘキサン)により精製し、表題化合物を淡黄色固形物(9.7g, 89%)として得た。
【化104】
【0245】
工程4)1-(フェニルカルバモイル)シクロプロパンカルボン酸
エタノール/THF(1/1, 100mL)中の1-(フェニルカルバモイル)シクロプロパンカルボン酸
エチル(13g, 55.79mmol)の溶液へ、H
2O(8mL)中のKOH(4.69g, 83.69mmol)を添加し、この
混合物を室温で一晩攪拌した。エタノール及びTHFを減圧下で除去した。残渣を、HCl(5mo
l/L, 20mL)により中和し、かつEtOAc(150mL×3)により抽出した。一緒にした有機相を、N
a
2SO
4上で乾燥し、濾過し、かつ濾液を真空中で濃縮し、表題化合物を白色固形物(10.1g,
88.6%)として得た。
【化105】
【0246】
工程5)N-(4-(7-(ベンジルオキシ)キノリン-4-イルオキシ)-3-フルオロフェニル)-N-フェ
ニルシクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド
乾燥CH
2Cl
2(8mL)中の1-(フェニルカルバモイル)シクロプロパンカルボン酸(1.14g, 5.6
mmol)の溶液に、HATU(2.11g, 5.6mmol)を0℃で添加した。10分間攪拌した後、乾燥CH
2Cl
2
(5mL)中の4-(7-(ベンジルオキシ)キノリン-4-イルオキシ)-3-フルオロベンゼンアミン(1.
0g, 2.8mmol)及びEt
3N(0.7g, 6.9mmol)の溶液を添加した。この反応混合物を40℃で24時
間攪拌し、水(10mL)によりクエンチし、かつCH
2Cl
2(30mL×3)により抽出した。一緒にし
た有機相を、無水Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、かつ濾液を真空中で濃縮した。残渣を、シ
リカゲルカラム(1:1(v/v)EtOAc/n-ヘキサン)によりクロマトグラフィーにかけ、表題化合
物を白色固形物(1.3g, 85%)として得た。
【化106】
【0247】
工程6)N-(4-(7-ヒドロキシキノリン-4-イルオキシ)-3-フルオロフェニル)-N-フェニルシ
クロプロパン-1,1-ジカルボキサミド
メタノール(20mL)中のN-(4-(7-(ベンジルオキシ)キノリン-4-イルオキシ)-3-フルオロ
フェニル)-N-フェニル-シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(0.7g, 1.28mmol)及びPd/C
(0.8g)の溶液を、H
2下で、室温で1.5時間攪拌し、その後この反応混合物を濾過し、メタ
ノール(3×10mL)で洗浄した。一緒にした有機溶媒を真空中で濃縮し、N-(5-(7-ヒドロキ
シ-キノリン-4-イルオキシ)ピリジン-2-イル)-N-フェニルシクロプロパン-1,1-ジカルボ
キサミドを白色固形物(0.53g, 90.6%)として生じた。
【化107】
【0248】
工程7)N-(4-(7-(4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イルオキシ)キノリン-4-イルオキシ)-3
-フルオロフェニル)-N-フェニルシクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド
【化108】
N,N-ジメチルアセトアミド5mL中の(4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イル)メタンスル
ホネート(168mg, 0.877mmol, 実施例6より)及びN-(4-(7-ヒドロキシキノリン-4-イルオキ
シ)-3-フルオロフェニル)-N-フェニルシクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(300mg, 0.5
84mmol)の混合物へ、炭酸セシウム(893mg, 2.74mmol)を添加した。室温で36時間攪拌した
後、この反応混合物を40℃まで温め、かつ8時間攪拌し続けた。反応混合物を真空中で濃
縮し、かつ残渣を、シリカゲルカラム(1:1(v/v)EtOAc/n-ヘキサン)によりクロマトグラフ
ィーにかけ、表題化合物を白色固形物(65mg, 18%)として得た。
【化109】
【0249】
(実施例22:N-(4-(7-(((5R)-4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)メトキシ)キノリン-4
-イルオキシ)-3-フルオロフェニル)-N-フェニルシクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド)
【化110】
N,N-ジメチルアセトアミド5mL中の((5S)-4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)メチル
メタンスルホネート(181.2mg, 0.877mmol, 実施例2より)及びN-(4-(7-ヒドロキシキノリ
ン-4-イルオキシ)-3-フルオロフェニル)-N-フェニル-シクロプロパン-1,1-ジカルボキサ
ミド(300mg, 0.656mmol)の混合物へ、炭酸セシウム(893mg, 2.74mmol)を添加した。室温
で36時間攪拌した後、この反応混合物を40℃まで温め、かつ8時間攪拌し続けた。反応混
合物を真空中で濃縮し、かつ残渣を、シリカゲルカラム(1:1(v/v)EtOAc/n-ヘキサン)によ
りクロマトグラフィーにかけ、表題化合物を白色固形物(234mg, 63%)として生じた。
【化111】
【0250】
(実施例23:N-(4-(7-(3-(1-ヒドロキシシクロプロピル)プロポキシ)キノリン-4-イルオキ
シ)-3-フルオロフェニル)-N-フェニルシクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド)
【化112】
N,N-ジメチルアセトアミド5mL中の3-(1-ヒドロキシシクロプロピル)プロピルメタンス
ルホネート(170.7mg, 0.877mmol, 実施例9より)及びN-(4-(7-ヒドロキシキノリン-4-イル
オキシ)-3-フルオロフェニル)-N-フェニルシクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(300mg,
0.656mmol)の混合物へ、炭酸セシウム(893mg, 2.74mmol)を添加した。室温で36時間攪拌
した後、この反応混合物を40℃で8時間温めた。反応混合物を真空中で濃縮し、かつ残渣
を、シリカゲルカラム(4:1(v/v)EtOAc/n-ヘキサン)によりクロマトグラフィーにかけ、表
題化合物を白色固形物(364.1mg, 74%)として得た。
【化113】
【0251】
(実施例24:N-(5-(7-(4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イルオキシ)キノリン-4-イルオキ
シ)ピリジン-2-イル)-N-フェニルシクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド)
【化114】
工程1)N-(5-(7-(ベンジルオキシ)キノリン-4-イルオキシ)ピリジン-2-イル)-N-フェニル
シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド
表題化合物を、実施例21工程5に説明された手順に従い、乾燥DCM(50mL)中の1-(フェニ
ルカルバモイル)シクロプロパンカルボン酸(1.14g, 5.6mmol)、HATU(2.11g, 5.6mmol)、5
-(7-(ベンジルオキシ)キノリン-4-イルオキシ)ピリジン-2-アミン(960mg, 2.8mmol)及びD
BU(868mg, 7.0mmol)を用い、調製した。表題化合物は、白色固形物(1.22g, 82%)として
得た。
【化115】
【0252】
工程2)N-(5-(7-ヒドロキシキノリン-4-イルオキシ)ピリジン-2-イル)-N-フェニルシクロ
プロパン-1,1-ジカルボキサミド
メタノール(30mL)中のN-(5-(7-(ベンジルオキシ)キノリン-4-イルオキシ)ピリジン-2-
イル)-N-フェニルシクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(1.22g, 2.3mmol)及びPd/C(1.2g
)の溶液を、H
2下で、室温で2時間攪拌し、その後この反応混合物を濾過し、かつメタノー
ル(10mL×3)で洗浄した。一緒にした溶媒を、真空中で濃縮し、N-(5-(7-ヒドロキシキノ
リン-4-イルオキシ)ピリジン-2-イル)-N-フェニル-シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミ
ドを白色固形物(910.8mg, 90%)として生じた。
【化116】
【0253】
工程3)N-(5-(7-(4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イルオキシ)キノリン-4-イルオキシ)ピ
リジン-2-イル)-N-フェニルシクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド
【化117】
N,N-ジメチルアセトアミド5mL中の(4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イル)メタンスル
ホネート(168mg, 0.877mmol)及びN-(5-(7-ヒドロキシキノリン-4-イルオキシ)ピリジン-2
-イル)-N-フェニルシクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(300mg, 0.682mmol)の混合物へ
、炭酸セシウム(893mg, 2.74mmol)を添加した。室温で36時間攪拌した後、次にこの反応
混合物を40℃で8時間温めた。反応混合物を真空中で濃縮し、かつ残渣を、シリカゲルカ
ラム(2:1(v/v)EtOAc/n-ヘキサン)によりクロマトグラフィーにかけ、表題化合物を白色固
形物(73mg, 20%)として得た。
【化118】
【0254】
(実施例25:N-(5-(7-(3-(1-ヒドロキシシクロプロピル)プロポキシ)キノリン-4-イルオキ
シ)ピリジン-2-イル)-N-フェニルシクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド)
【化119】
表題化合物を、実施例9に説明された手順に従い、DMA 3mL中のN-(5-(7-ヒドロキシキノ
リン-4-イルオキシ)ピリジン-2-イル)-N-フェニル-シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミ
ド(300mg, 0.682mmol)、3-(1-ヒドロキシシクロプロピル)-プロピルメタンスルホネート(
155mg, 0.80mmol)、及びCs
2CO
3(668mg, 2.05mmol)を用い、調製した。残渣を、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(3:1(v/v)EtOAc/n-ヘキサン)により精製し、表題化合物を白
色固形物(238.5mg, 65%)として生じた。
【化120】
【0255】
【化121】
クロマトグラフィー分離は同じく、N-(5-(7-(3-(1-シクロプロピルメタンスルホネート
-1-イル)プロポキシ)キノリン-4-イルオキシ)ピリジン-2-イル)-N-フェニルシクロプロパ
ン-1,1-ジカルボキサミドを淡黄色固形物としても提供した。
【化122】
【0256】
(実施例26:N-(4-(7-(4-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イルオキシ)-6-メトキシキノリン
-4-イルオキシ)-3-フルオロフェニル)-N-フェニルシクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド
)
【化123】
表題化合物を、実施例24に説明された手順に従い、DMA 3mL中の(4-オキサスピロ[2.4]
ヘプタン-6-イル)メタンスルホネート(138mg, 0.72mmol)、N-(4-(7-ヒドロキシ-6-メトキ
シキノリン-4-イルオキシ)-3-フルオロフェニル)-N-フェニルシクロプロパン-1,1-ジカル
ボキサミド(300mg, 0.616mmol)、及びCs
2CO
3(602.5mg, 1.848mmol)を用い調製した。残渣
を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(2:1(v/v)EtOAc/n-ヘキサン)により精製した。
表題化合物を白色固形物(186.7mg, 52%)として得た。
【化124】
【0257】
(実施例27:N-(4-(7-(3-(1-ヒドロキシシクロプロピル)プロポキシ)-6-メトキシキノリン
-4-イルオキシ)-3-フルオロフェニル)-N-フェニルシクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド
)
【化125】
表題化合物を、実施例9に説明された手順に従い、DMA 3mL中のN-(4-(7-ヒドロキシ-6-
メトキシキノリン-4-イルオキシ)-3-フルオロフェニル)-N-フェニルシクロプロパン-1,1-
ジカルボキサミド(300mg, 0.616mmol)、3-(1-ヒドロキシシクロプロピル)プロピルメタン
スルホネート(155mg, 0.80mmol)、及びCs
2CO
3(602.5mg, 1.848mmol)を用い調製した。残
渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(6:1(v/v)EtOAc/n-ヘキサン)により精製した
。表題化合物を白色固形物(263mg, 73%)として得た。
【化126】
【0258】
N-(4-(7-(3-(1-シクロプロピルメタンスルホネート-1-イル)プロポキシ)-6-メトキシキ
ノリン-4-イルオキシ)-3-フルオロフェニル)-N-フェニルシクロプロパン-1,1-ジカルボキ
サミドを、淡黄色固形物として得た。
【化127】
【化128】
【0259】
(実施例28:N-(4-(7-(3-(1-ヒドロキシシクロプロピル)プロポキシ)-6-メトキシキノリン
-4-イルオキシ)-3-フルオロフェニル)-N-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカ
ルボキサミド)
【化129】
表題化合物を、実施例9に説明された手順に従い、DMA 3mL中のN-(4-(7-ヒドロキシ-6-
メトキシキノリン-4-イルオキシ)-3-フルオロフェニル)-N-(4-フルオロフェニル)シクロ
プロパン-1,1-ジカルボキサミド(300mg, 0.594mmol)、3-(1-ヒドロキシシクロプロピル)
プロピルメタンスルホネート(155mg, 0.80mmol)、及びCs
2CO
3(581mg, 1.782mmol)を使用
し調製した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(6:1(v/v)EtOAc/n-ヘキサン)
により精製した。表題化合物を、白色固形物(247mg, 69%)として得た。
【化130】
【0260】
(生物学的試験)
c-Met、KDR及び/又はIGF1R関連活性などの受容体チロシンキナーゼのインヒビターとし
ての、並びに異種移植動物モデルにおける抗腫瘍薬としての、本発明の化合物の有効性は
、以下のように評価することができる。
【0261】
(MTT細胞アッセイ)
(調製の指示):MTT((3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリ
ウムブロミド)は、水(10mg/ml)、エタノール(20mg/ml)中に可溶性であり、かつ緩衝され
た塩溶液及び培養培地(5mg/ml)中にも可溶性である。
MTT溶液:PBS中MTT 5mg/ml。溶液は、MTT添加後濾過滅菌しなければならない。
MTT溶媒:4mM HCl、0.1% Nondet P-40 (NP40)、全てイソプロパノール中。
(手順):
ショート96ウェルアッセイ:各条件は、3つ組以上で行った。
1. 1日目:1個のT-25フラスコをトリプシン処理し、かつトリプシン処理した細胞に完
全培地5mlを添加した。滅菌した15mlファルコンチューブ内で、水平ローター(swinging b
ucked rotor)(〜400×g)において5分間、500rpmで遠心分離した。
2. 培地を除去し、細胞を完全培地により1.0mlに再浮遊させた。
3. 1ml当たりの細胞をカウントし、かつ記録した。
4. 細胞(cv=cv)を、75,000個細胞/mlまで希釈した。細胞の希釈には、完全培地を使用
した。
5. 各ウェルに細胞液100μlを添加し(合計7500個細胞)、かつ一晩インキュベーション
した。
6. 2日目:細胞をインヒビターにより、2日目に処理した。最終容積は、100μl/ウェ
ルであった。
7. 3日目:各ウェルに、5mg/ml MTTの20μlを添加した。1セットのウェルは、MTTは含
んだが、細胞は含まなかった(対照)。
8. 培養フード内で37℃で3.5時間、インキュベーションした。
9. 培地を慎重に除去した。
10. MTT溶媒150μlを添加した。
11. スズ箔で蓋をし、細胞を、オービタルシェーカー上で15分間激しく攪拌した。
12. 620nmの参照フィルターを用い、590nmで吸光度を測定した。
【0262】
(キナーゼアッセイ)
キナーゼアッセイは、γ-
33P ATPの固定されたミエリン塩基性タンパク質(MBP)への取
込みの測定により実行することができる。トリス-緩衝食塩水(TBS;50mMトリス、pH8.0、
138mM NaCl、2.7mM KCl)中のMBP 20μg/mlを、60μl/ウェルで、4℃で24時間インキュベ
ーションすることにより、高結合性白色384ウェルプレート(Greiner社)を、MBP(Sigma社
、#M-1891)によりコーティングした。プレートは、100μl TBSにより3回洗浄した。キナ
ーゼ反応を、キナーゼ緩衝液(5mM Hepes、pH7.6、15mM NaCl、0.01%ウシγグロブリン(S
igma社、#I-5506)、10mM MgCl
2、1mM DTT、0.02%トリトンX-100)中で、総容積34μlで実
行した。化合物の希釈は、DMSOにおいて実行し、アッセイウェルに、最終DMSO濃度1%と
なるよう添加した。各データポイントは、2つ組で測定し、かつ各個別の化合物の測定の
ために少なくとも2回の2つ組アッセイを行った。酵素は、例えば、最終濃度10nM又は20nM
となるよう添加した。非標識ATP及びγ-
33P ATPの混合物を、反応を開始するために添加
した(典型的には1ウェルにつき2×10
6cpmのγ-
33P ATP(3000Ci/mmole)、及びいずれかの1
0μM非標識ATP)。この反応は、振盪しながら、室温で1時間実行した。プレートを、TBSに
より7回洗浄し、引き続きシンチレーション液(Wallac社)を50μl/ウェルで添加した。プ
レートは、Wallac Triluxカウンターを使用し、測定した。これは、そのようなアッセイ
の単なるひとつのフォーマットであり、当業者に公知のように、様々な他のフォーマット
が可能である。
【0263】
前記アッセイ手順を、阻害のIC
50及び/又は阻害定数K
iを決定するために使用すること
ができる。IC
50は、アッセイ条件下で酵素活性を50%まで減少するために必要とされる化
合物の濃度と定義される。組成物の例は、例えば約100μM未満、約10μM未満、約1μM未
満のIC
50を有し、かつ更に例えば約100nM未満のIC
50を、かつなお更には例えば約10nM未
満を有する。化合物のK
iは、3つの仮定を基に、IC
50から決定することができる。第一に
、ただ1種類の化合物分子が、その酵素に結合し、そこには協働性は存在しないこと。第
二に、活性酵素及び被験化合物の濃度が既知であること(すなわち、それらの調製品中に
著しい量の不純物又は不活性型は存在しない)。第三に、酵素−インヒビター複合体の酵
素反応速度はゼロであること。
【0264】
(キナーゼ阻害及び細胞アッセイ)
インビトロキナーゼアッセイは、様々な組換え受容体及び非受容体キナーゼに対するIC
50値を確立するために実施することもできる。最適な酵素、ATP及び基質(ガストリンペプ
チド)の濃度を、均一時間分解蛍光(HTRF)アッセイを用い、各酵素について確立する。化
合物は、各々について2/3 KmのATP濃度を使用する、各酵素に関する10-ポイントの用量反
応曲線で試験する。ほとんどのアッセイは、キナーゼ反応緩衝液[20mmol/Lトリス-HCl(pH
7.5)、10mmol/L MgCl
2、5mmol/L MnCl
2、100mmol/L NaCl、1.5mmol/L EGTA]と混合された
酵素からなる。各アッセイ前に、最終濃度1mmol/L DTT、0.2mmol/L NaVO
4、及び20Ag/mL
BSAを添加した。Srcに関して、20mmol/Lトリス-HCl(pH7.5)、2.5mmol/L MnCl
2、100mmol/
L NaCl、及び1.5mmol/L EGTAを含有する改変されたキナーゼ反応緩衝液を使用した。最終
濃度1mmol/L DTT、0.2mmol/L NaVO
4、及び20Ag/mL BSAを、各アッセイ前に添加した。全
てのアッセイに関して、ストレプトアビジン-アロフィコシアニン(ProZyme社、サンレア
ンドロ、CA)5.75mg/mL及びEu-PT66(Perkin-Elmer社、ボストン、MA)0.1125nmol/Lを、HTR
F反応の直前に添加した。プレートを、室温で30分間インキュベーションし、Discovery i
nstrument(Packard Instrument社、ダウナーズグローブ、IL)上で読み取った。
【0265】
(c-Metアッセイ)
c-Met生化学活性は、先に説明されたようなルシフェラーゼ-結合化学発光キナーゼアッ
セイ(LCCA)フォーマットを用い、評価することができる。再度、キナーゼ活性は、そのキ
ナーゼ反応後に残存しているATPの割合(%)として測定した。残存ATPは、ルシフェラーゼ
-ルシフェリン-結合化学発光により検出した。具体的には、この反応は、アッセイ緩衝液
(20mMトリス-HCl(pH7.5)、10mM MgCl
2、0.02%トリトンX-100、100mM DTT、2mM MnCl
2)20
μL中に被験化合物、1μM ATP、1μMポリ-EY及び10nM c-Met(バキュロウイルスで発現さ
れたヒトc-MetキナーゼドメインP948-S1343)を混合することにより開始した。この混合物
を、外界温度で2時間インキュベーションし、その後20μLルシフェラーゼ-ルシフェリン
混合物を添加し、その化学発光シグナルを、Wallac Victor
2リーダーを用いて読み取る。
このルシフェラーゼ-ルシフェリン混合物は、50mM HEPES(pH7.8)、8.5μg/mLシュウ酸(pH
7.8)、5(又は50)mM DTT、0.4%トリトンX-100、0.25mg/mLコエンザイムA、63μM AMP、28
μg/mLルシフェリン及び40000光度単位/mLルシフェラーゼからなる。
【0266】
(腫瘍異種移植モデル)
ヒト神経膠腫腫瘍細胞(U87MG細胞、ATCC)を、培養で増殖し、収穫し、かつ5〜8週齢の
雌のヌードマウス(CD1 nu/nu、Charles River Labs社)(n=10)に、皮下注射した。経口強
制投与によるか又はIP(10〜100mpk/投与量)による化合物の引き続きの投与を、腫瘍細胞
のチャレンジ後0日目から29日目のいずれかの時点で開始し、かつ一般に本実験期間中は1
日1回又は2回のいずれかで継続した。腫瘍成長の進行は、三次元キャリパー測定により追
跡し、かつ時間の関数として記録した。最初の統計解析は、繰り返し要因のある分散分析
(RMANOVA)により、引き続き多重比較のためにScheffe事後検定により行った。ビヒクル単
独(カプチゾルなど)を陰性対照とした。
【0267】
ヒト胃腺癌腫瘍細胞(MKN45細胞、ATCC)を、培養で増殖し、収穫し、かつ5〜8週齢の雌
のヌードマウス(CD1 nu/nu、Charles River Labs社)(n=10)に、皮下注射した。経口強制
投与によるか又はIP(10〜100mpk/投与量)による化合物の引き続きの投与を、腫瘍細胞の
チャレンジ後0日目から29日目のいずれかの時点で開始し、かつ一般に本実験期間中は1日
1回又は2回のいずれかで継続した。腫瘍成長の進行は、三次元キャリパー測定により追跡
し、かつ時間の関数として記録した。最初の統計解析は、繰り返し要因のある分散分析(R
MANOVA)により、引き続き多重比較のためにScheffe事後検定により行った。ビヒクル単独
(カプチゾルなど)を陰性対照とした。
【0268】
A431細胞を、10%FBS及びペニシリン/ストレプトマイシン/グルタミンを含有するDMEM(
低グルコース)において培養した。細胞を、トリプシン処理により収集し、洗浄し、かつ
血清-非含有培地中で濃度5×10
7個/mLに調節した。動物には、左腹側に、0.2mL中の1×10
7個細胞により、皮下チャレンジした。そのおよそ10日後、マウスを、最初の腫瘍容積の
測定値を基にランダム化し、ビヒクル(Ora-Plus)又は被験化合物のいずれかにより処置し
た。腫瘍容積及び体重を、毎週2回及び/又は屠殺日に記録した。腫瘍容積は、Pro-Max電
子デジタルキャリパー(Sylvac社、クリシエ、スイス)により測定し、かつ式:縦(mm)×横
(mm)×高さ(mm)を用いて算出し、立方ミリメートル(mm
3)で表した。データは、平均±SE
として表した。繰り返し要因のあるANOVA、それに続く多重比較に関するScheffe事後検定
を用い、観察された差の統計学的有意性を評価した。