(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
図1は、遊技機の一例としてのパチンコ機10の全体正面図である。同図を用いてパチンコ機10の概略について説明する。
パチンコ機10は、遊技球(以下、単に球という)が打ち出される遊技領域11Aを有し、内枠12に対して着脱自在に取り付けられる遊技盤11と、内枠12を前後方向に開閉自在に軸支する外枠13とを備える。遊技盤11の前方には、内枠12の前後方向に開閉自在に軸支される窓12Aが設けられ、遊技盤11の前方が閉鎖される。
また、パチンコ機10の下部には発射ハンドル103Dが回動自在に取着され、発射ハンドル103Dが遊技者の操作によって例えば時計周りに回動操作されることにより、内部に装着された打ち出し機構103Bが駆動する。打ち出し機構103Bが駆動すると、上皿構造体16内に貯留された球が内ガイドレール17及び外ガイドレール18の間の発射領域を通って上方に打ち出され、遊技領域11A内に進入する。
【0011】
内枠12の周囲には、スピーカ19やLED等の装飾ランプ群20が配設される。スピーカ19及び装飾ランプ群20は、遊技における演出効果を高めるための部材であって、後述の主制御装置100により遊技の進行に沿って制御される。
【0012】
次に、遊技盤11に配設される遊技部品について説明する。遊技盤11の表面には、図外の複数の誘導釘や風車が植設されており、遊技領域11A内に進入した球は、これら誘導釘,風車によって誘導されながら下方に流下する。
遊技盤11の略正面には、演出図柄表示装置30が配設される。演出図柄表示装置30は、遊技盤11を前後方向に貫通する図外の取付け孔を介して遊技盤11にはめ込まれる。
演出図柄表示装置30は、例えば液晶画面を有し、当該液晶画面内に複数の演出用図柄を変動表示する他、演出用図柄の変動表示に合わせて遊技を盛り上げる演出(リーチ演出,予告演出等)を表示する。なお、演出図柄表示装置30としては、CRT,ドラム式等の構成であってもよい。
また、演出図柄表示装置30における液晶画面の下方には、複数の保留球表示ランプ群21Aが配設される。保留球表示ランプ群21Aは、主制御装置100の制御により、第一始動入賞部品22又は第二始動入賞部品23に球が入賞するごとに点灯し、最大4つまで保留球数(抽選残数)を遊技者に対して報知する。
【0013】
演出図柄表示装置30の左方には、普通図柄始動部品25が配設される。普通図柄始動部品25は、上下方向に開口する門型の部品であって、内部には普通図柄始動スイッチ25Aが設けられる(
図2参照)。普通図柄始動部品25を球が通過すると、普通図柄始動スイッチ25Aにより検出され、検出信号が主制御装置100に出力される。主制御装置100は、普通図柄始動スイッチ25Aからの検出信号に基づき、普図乱数取得処理、普図当否判定処理及び普図変動表示処理を実行する。
【0014】
演出図柄表示装置30よりも下方には、複数の始動入賞部品22,23が配設される。
上方に位置する第一始動入賞部品22は、上方開放の受け入れ口より球を受け入れる固定の始動口として形成される。
一方、第一始動入賞部品22の直下に配設される第二始動入賞部品23は、左右に設けられた一対の開閉翼24の開閉動作により、入賞の難易を変更可能な可変始動口である。開閉翼24は、遊技盤11の裏側に装着された始動口ソレノイド35が主制御装置100により駆動制御され開放又は閉鎖する。開閉翼24の開放動作は、前述の普通図柄が当りを示す態様で停止したことに基づいて実行され、球は開放動作中において第二始動入賞部品23内に入賞し易くなる。一方、開閉翼24が閉鎖中においては、第二始動入賞部品23に球が入賞することは困難(入賞不可能な場合も含む)である。
【0015】
第一始動入賞部品22及び第二始動入賞部品23の内部には、それぞれ第一始動検出スイッチ22A,第二始動検出スイッチ23Aが設けられる。そして、球が第一始動入賞部品22又は第二始動入賞部品23へ入賞すると、第一始動検出スイッチ22A又は第二始動検出スイッチ23Aが球の入賞を検出し、当該検出信号が主制御装置100に出力される。
【0016】
主制御装置100は、第一始動検出スイッチ22A又は第二始動検出スイッチ23Aからの検出信号に基づいて、払出制御基板103に払出コマンドを送信し、賞球払出装置103Aにより賞球を3個払出させる賞球払出処理、後述の特図乱数取得処理、特別図柄(特図)当否判定処理及び特別図柄(特図)変動表示処理を実行する。
【0017】
第二始動入賞部品23の直下には、大入賞部品26が配設される。大入賞部品26は、遊技盤11の前方に開口する矩形の入賞口と、当該入賞口を開放又は閉鎖状態とする開閉板27と、遊技盤11の裏側に装着され、開閉板27を開閉動作させる大入賞ソレノイド28、及び、入賞口内に取り込まれた球を検出する大入賞検出スイッチ26Aとから構成される。開閉板27は、後述の当り遊技の実行に基づいて、主制御装置100の制御により駆動する大入賞ソレノイド28の動作により開放する板体である。主制御装置100は、大入賞検出スイッチ26Aからの検出信号に基づき、払出制御処理を実行する。
【0018】
第二始動入賞部品23の両側には、複数の一般入賞部品29が配設される。一般入賞部品29は、前記第一始動入賞部品22と同様に、上方開放の受け入れ口より球を受け入れる固定の始動口として形成される。一般入賞部品29の内部には、一般入賞検出スイッチ29Aが設けられ、球が一般入賞部品29へ入賞すると、一般入賞検出スイッチ29Aが球の入賞を検出し、当該検出信号が主制御装置100に出力される。主制御装置100は、一般入賞検出スイッチ29Aからの検出信号に基づき前述と同様の賞球払出処理を実行する。
【0019】
遊技盤11上に配設された左方の装飾部品11B上には、上から順に特別図柄変動表示器31(以下、特図変動表示器という)、普通図柄変動表示器32(以下、普図変動表示器という)、特図保留表示器33及び普図保留表示器34が設けられる。
【0020】
特図変動表示器31は、例えば並列に配置された7セグメントランプにより構成され、主制御装置100により実行される特図変動表示処理により、例えば1〜9までの数字を一定期間高速で変動させた後、特図当否判定処理の結果を示す態様で停止させる。
ここで、例えば特図当否判定処理の結果が当りである場合には、並列に配置された7セグメントランプに同一の数字(7.7,8.8等)を停止させ、外れである場合は、(−,−)等の記号や、互いに異なる数字を停止させる。また、上記特別図柄の変動表示の開始時期及び停止時期は、前述した演出用図柄の変動表示の開始時期及び停止時期と同期している。なお、特別図柄及び演出用図柄の変動表示時間は、後述の特図変動表示処理により規定される。
【0021】
普図変動表示器32は、例えば並列に配置された丸とバツの記号を表示するランプにより構成される。普図変動表示器32は、普通図柄始動スイッチ25Aから出力される検出信号に基づいて主制御装置100により実行される普図変動表示処理により、例えば、丸とバツの記号を表示するランプを一定期間高速で点滅させた後、普図当否判定処理の結果を示す態様で停止させる。普図当否判定処理は、普通図柄始動スイッチ25Aの入力を契機として取得される乱数に基づいて実行される処理であって、当該取得した乱数と、ROM内に普図当否判定テーブルに記載された乱数とを比較することにより、取得した乱数に対応する結果(当り,外れ)を抽出する。
ここで、例えば、普図当否判定処理の結果が当りである場合には、丸の記号を表示するランプのみが点灯し、外れである場合には、バツの記号を表示するランプのみが点灯する。
【0022】
特図保留表示器33は、4つの円形状ランプが最大保留数に対応するように並列に配置された形態であって、第一始動検出スイッチ22A又は第二始動検出スイッチ23Aからの検出信号に基づいて主制御装置100がランプを順次点灯させ、特図当否判定処理及び図柄変動処理を実行する度に、消灯するように制御する。
普図保留表示器34は、前記特図保留表示器33と同様に4つの円形状ランプが最大保留数に対応するように並列に配置された形態であって、普通図柄始動スイッチ25Aからの検出信号に基づいて主制御装置100がランプを順次点灯させ、普図当否判定処理及び普図変動表示処理を実行する度に、消灯するように制御する。
【0023】
以下、
図2に示す制御ブロックを参照して、パチンコ機10の動作について説明する。
同図において、主制御装置100は、入力中継基板100Aを介して入力される各検出スイッチからの信号に基づいて遊技全般を司る装置であって、演算手段としてのCPU,遊技に必要なプログラムが格納されたROM,遊技に必要な情報を一時的に格納するRAM及び入出力ポートを備える所謂コンピュータである。
また、主制御装置100にはサブ制御装置101、盤面装置中継基板102及び払出制御基板103が接続される。サブ制御装置101、盤面装置中継基板102及び払出制御基板103は、主制御装置100から送信される制御コマンド、或いは、制御信号に基づいて動作する。
【0024】
サブ制御装置101は、主制御装置100と同様の構成を有するコンピュータであって、主制御装置100から送信される制御コマンド(演出用変動コマンド,音声制御コマンド,ランプ制御コマンド)に基づいて、演出制御基板101A,アンプ基板101B,ランプ制御基板101Cに対してそれぞれ制御コマンドを送信する。
演出制御基板101Aは、CPU,ROM,RAM,入出力ポートの他、VDP等の演算手段及び記憶手段を有する基板であって、サブ制御装置101から送信された演出用変動コマンドに基づいて、ROMに格納された複数の動画データの中から、演出用変動コマンドに含まれる変動表示時間情報に対応する長さの動画データを抽出し、当該動画データを演出図柄表示装置30上で表示させることにより遊技を盛り上げる。
盤面装置中継基板102は、遊技盤11上に配設された各遊技部品と接続される中継基板であって、主制御装置100からの制御信号に基づいて各遊技部品を駆動制御する。
払出制御基板103は、主制御装置100と同様の構成を有するコンピュータであって、主制御装置100から送信される払出コマンドに基づいて、賞球払出装置103Aを駆動制御する。また、払出制御基板103は、主制御装置100から送信される発射許可コマンド,発射禁止コマンド或いは、発射ハンドル103Dに設けられたタッチセンサーからの出力に基づいて打ち出し機構103Bを駆動制御する。また、払出制御基板103は、CRユニット103Cとも接続され、CRユニット103Cに配設された球貸しスイッチや、返却スイッチからの出力に基づいて遊技者への球の貸し出し動作、プリペイドカードの返却動作を実行する。
以下、上記構成からなるパチンコ機10の主要な動作について説明する。
【0025】
<特図乱数取得処理について>
主制御装置100は、第一始動検出スイッチ22A又は第二始動検出スイッチ23Aからの検出信号に基づいて特図乱数取得処理を実行する。特図乱数取得処理は、例えば高速でカウントアップする0〜65535までの整数値を取り得るループ式カウンタから、第一始動検出スイッチ22A又は第二始動検出スイッチ23Aからの検出信号の入力を契機として1つの乱数値を取得する処理である。当該取得された乱数値は、RAM内の乱数記憶領域に格納される。
本実施形態において、RAM内の乱数記憶領域内に格納される乱数値は4個までとされており、乱数値が4個に達するまでは、取得した乱数値の順序に従って順次記憶される。
一方、既にRAM内に4個の乱数値が格納されている場合には、第一始動検出スイッチ22A又は第二始動検出スイッチ23Aからの検出信号の入力があっても乱数取得処理は実行されない。
【0026】
主制御装置100は、上記乱数が取得されるごとに盤面装置中継基板102を介して特図保留表示器33のランプを点灯させるとともに、サブ制御装置101にランプ制御コマンドを送信し、サブ制御装置101は、当該コマンドに基づいて保留球表示ランプ群21Aを構成するランプを点灯させる。なお、当該ランプの点灯は以下に説明する特図当否判定処理が実行されるまで継続し、特図当否判定処理が実行されるたびに消灯する。
【0027】
<特図当否判定処理及び大当り遊技について>
主制御装置100は、乱数値がRAMに格納されたことに基づいて特図当否判定処理を実行する。
図3は、特図当否判定処理のフローを示す図である。同図に示すように、主制御装置100は、S100においてRAM内に格納された乱数値があるかを判定し、YESの場合S101に移行し、NOの場合一回の処理を終了する。
S101において主制御装置100は、特別図柄が停止中であるかを判定し、判定がYESの場合S102に移行し、NOの場合一回の処理を終了する。即ち、特別図柄が変動中の場合には特図当否判定処理は実行されない。
S102において主制御装置100は、大当りフラグがOFFであるかを判定し、YESの場合S103に移行し、NOの場合、現在の遊技状態が大当り遊技中であるから一回の処理を終了する。
【0028】
S103において主制御装置100は、RAM内における現在の遊技状態を記憶する所定領域に格納された確変フラグがON(確率変動状態)であるかを判定し、確変フラグがONの場合S104に移行し、NOの場合(通常状態)、S105に移行する。なお、確変フラグのON,OFFは、後述する大当りの種別に基づいて切り替えられる。
【0029】
S104において主制御装置100は、RAM内に格納された乱数値のうち、最も早く格納された乱数値を読み出すとともに(FIFO)、確変用当否判定テーブルをROMから読み出し、S106において確変用当否判定テーブルを参照して読み出した乱数値の当否を判定し、当否の判定結果(当り種別)をRAMに記憶した後に特図変動処理に移行する。
一方、S105において主制御装置100は、RAM内に格納された乱数値のうち、最も早く格納された乱数値を読み出すとともに(FIFO)、通常用当否判定テーブルをROMから読み出し、S106において通常用当否判定テーブルを参照して読み出した乱数値の当否を判定し、当否の判定結果(当り種別)をRAMに記憶した後に特図変動処理に移行する。上記S100からS106までの処理が特図当否判定処理であり、この場合の主制御装置100は特図当否判定処理手段として機能する。
【0030】
ここで、上述の当否判定テーブルとは、取得される各乱数にそれぞれ対応する当否結果(当り,外れ)が記載されたデータマップである。
確変用当否判定テーブルとは、当否結果が通常用当否判定テーブルよりも「大当り」又は「小当り」となる確率が高く設定されたマップであって、確変用当否判定テーブルにおいて当否結果が「大当り」又は「小当り」となる確率は、通常用当否判定テーブルにおいて「大当り」又は「小当り」となる確率の例えば10倍程度に設定されている。
【0031】
図8に示すように、本実施形態において当否結果は、「大当り」,「小当り」,「外れ」に分類される。このうち、大当りは、さらに第1の大当りと第2の大当りに分類される。
第1の大当りとは、大当り遊技後の遊技状態が通常状態となる「通常大当り」と、大当り遊技後の遊技状態が確率変動状態となる「確変大当り」が存在する。
そして、読み出された乱数値が第1の大当り(通常大当り又は確変大当り)と対応する乱数値と一致するものである場合、主制御装置100は、大当りフラグをONにセットした後に第1の大当り遊技を実行する。
第1の大当り遊技には、主制御装置100が、盤面装置中継基板102を介して大入賞ソレノイド28を駆動し、大入賞部品26の開閉板27を開放する遊技である。開閉板27の一回(1ラウンド)の開放動作は、開放開始から大入賞検出スイッチ26Aにより球が10個検出されるまで、又は、開放開始から24秒経過するまでのうち、いずれか早い条件が成立するまで継続される。そして、第1の大当り遊技においては、当該開放動作が最大15ラウンドまで繰り返される。
【0032】
主制御装置100は、大入賞検出スイッチ26Aからの入力に基づいて払出制御基板103に払出コマンドを送信し、払出制御基板103は当該払出コマンドに基づいて賞球払出装置103Aを駆動し、例えば1つの入賞につき15個の球を遊技者に払い出す。
即ち、遊技者は当該第1の大当り遊技が実行されることにより、極めて短時間に多くの賞球(10×15×15=2250個)を得ることが可能となる。
【0033】
当否結果が「通常大当り」である場合、大当り遊技終了には、開放時間延長機能及び変動時間短縮機能(いわゆる時短機能)が作動する。開放時間延長機能は、第二始動入賞部品23の開閉翼24が始動口ソレノイド35の駆動により開放状態となる時間が通常遊技(開放時間延長機能及び変動時間短縮機能が作動していない状態)の場合と比べて長くなる機能である。また、変動時間短縮機能は、前述の普通図柄及び特別図柄の変動表示時間が通常状態の場合と比べて短くなる機能である。これらの時短機能は、通常大当りの終了後から特別図柄が例えば100回変動表示されるまで継続する。
【0034】
また、当否結果が「確変大当り」である場合、大当り遊技終了には、前述の時短機能に加え、確率変動機能(以下、確変という場合もある)が作動する。確率変動機能は、前述のとおり、通常遊技の場合と比べて、「大当り」又は「小当り」となる確率が高くなる機能である。
確率変動機能は、確変大当りの終了後から次回の大当りが実行されるまで継続する。なお、時短機能及び確率変動機能はそれぞれ、大当り遊技終了時に遊技状態を記憶する時短フラグ,確変フラグをONにセットすることにより作動する。
【0035】
第2の大当りには、第1の大当りと同様に複数の種別(例えば、第二大当りA,第二大当りB)が存在し、読み出された乱数値が第2の大当り(第二大当りA,第二大当りB)と対応する乱数値と一致するものである場合、主制御装置100は、第2の大当り遊技を実行する。
第2の大当りとは、大当り遊技後の遊技状態が確率変動状態(確変フラグON)となる点で、前記第1の大当りにおける「確変大当り」と共通するが、時短機能が作動しない点、及び、大当り遊技中において遊技者が得ることができる賞球数が、前記第1の大当り遊技が実行されることにより遊技者が得ることができる賞球数よりも少ない、或いは、賞球を得ることが実質的に困難(不可能も含む)な点で異なる。
第2の大当り遊技の態様としては、主制御装置100が開閉板27を前記第1の大当り遊技と同様の回数(15回)開放動作させる一方で、例えば、一回の開放動作の継続時間が第1の大当り遊技における開放時間(24秒)よりも極めて短く(例えば2秒)設定することや、一回の開放動作の継続時間を第1の大当り遊技における開放時間(24秒)と同様とする一方で、開閉板27の開放動作を例えば2回(2ラウンド)に設定すること、或いは、一回の開放動作の継続時間及び開閉板27の開放動作の回数の双方を第1の大当り遊技におけるものと比べ相対的に減少させること等により具現化される。
【0036】
このように、第2の大当りは、大当り遊技において賞球を得ることが実質的に困難な大当りであり、例えば、開閉板27の開放動作が2回(2ラウンド)に設定された場合には遊技者は大当り遊技を介さずに遊技状態が切り替わった可能性を感じることから第2の大当りを「潜伏大当り」或いは「突確大当り」という場合がある。
また、第2の大当りには複数の種別(A,B)が存在すると説明したが、当該種別が異なることによって、第2の大当り遊技の態様が変わることはなく、種別の違いは、後述の特別変動フラグON状態の継続期間に影響する。また、第2の大当りの種別をA,Bの2種類としたが、これに限定されるものではなく3種類以上としてもよい。
また、本例においては、第2の大当りを大当り遊技後の遊技状態を確率変動状態とする「潜伏大当り」或いは「突確大当り」として説明したが、大当り遊技後の遊技状態を「通常状態」とする「突然通常大当り」をさらに設けてもよい。この場合、例えば、確変状態中に、当否結果が「突然通常大当り」となると、2ラウンドの大当り遊技終了後には、遊技状態が確変状態から通常状態へと切り替わることとなる。
【0037】
当否結果が「第2の大当り」である場合、大当り遊技終了には、確率変動機能が作動(確変フラグON)するとともに、特殊変動機能が作動する。
特殊変動機能は、大当り遊技終了時に特殊変動フラグをONにセットすることにより作動する。特殊変動フラグのON状態は、大当り遊技終了後、特別図柄が所定の回数変動表示されるまで継続し、所定回数経過後にOFF状態となる。
また、特殊変動フラグのON状態の所定回数は、第2の大当りの種別によって異なり、例えば第2大当りAである場合には所定回数が3回に設定され、第2大当りBである場合には、所定回数が4回として設定される。なお、所定回数の設定は、特殊変動カウンタに対応する回数(3回または4回)をセットすることにより実行される。
【0038】
小当りとは、第1の大当り及び第2の大当り以外の特別な当りであって、第1の大当り及び第2の大当りと同様に複数の種別(例えば、小当りA,小当りB)が存在する。主制御装置100は、取得された乱数値が小当りと対応する乱数値と一致するものである場合、小当り遊技(特別当り遊技)を実行する。
小当り遊技は、前述の第2の大当り遊技と同様の態様で開閉板27を開放動作させる遊技であって、第2の大当り遊技と同様に実質的な賞球を得ることが困難な遊技である。また、現在の遊技状態が小当り遊技後に切り替わることはなく、小当り遊技前の遊技状態が小当り遊技後においても維持される。このように、小当り遊技と第2の大当り遊技とは、外見上の区別がなく、遊技者が当り遊技(小当り遊技,第2の大当り遊技)の態様によって当りの種類を判別することは事実上困難となっている。なお、第2の大当り遊技と同様の態様とは、開閉板27の1ラウンド当りの開放時間及び開放回数が完全に一致する(同一の態様)場合だけでなく、実質的に外見上の区別が付かない態様も含む。例えば、第2の大当り遊技における1ラウンド当り2秒の開放時間に対して、1ラウンド当りの開放時間を例えば1.9秒に設定すること等により、遊技者が相当の注意を払わなければ見分けが付かないような態様である。
【0039】
また、小当りには複数の種別(A,B)が存在すると説明したが、当該種別が異なることによって、小当り遊技の態様が変わることはなく、種別の違いは、後述の特別変動フラグON状態の継続期間に影響する。また、小当りの種別をA,Bの2種類としたが、これに限定されるものではなく3種類以上としてもよい。
当否結果が「小当り」である場合、小当り遊技終了には特殊変動機能が作動する。
特殊変動機能は、前記同様に大当り遊技終了時に特殊変動フラグをONにセットすることにより作動する。特殊変動フラグのON状態は、小当り遊技終了後、特別図柄が所定の回数変動表示されるまで継続し、所定回数経過後にOFF状態となる。
また、特殊変動フラグのON状態の所定回数は、小当りの種別によって異なり、例えば小当りAである場合には所定回数が2回に設定され、小当りBである場合には、所定回数が3回として設定される。なお、所定回数の設定は、前記同様に、特殊変動カウンタに対応する回数(2回または3回)をセットすることにより実行される。
【0040】
<特図変動処理について>
図4は、特図当否判定処理後に実行される特図変動処理のフローを示す図である。
同図に示すように主制御装置100は、S200において特殊変動フラグがONかを判定する。判定がYESの場合S201に移行し、NOの場合S202に移行する。
主制御装置100は、S201において特殊変動パターンテーブルをセットし、S209に移行する。主制御装置100は、S202において時短フラグがONであるか判定し、YESの場合S203に移行し、NOの場合S206に移行する。
主制御装置100は、S203においてRAMに記憶された当否判定の結果を読み出し、判定の結果が当り(第1の大当り,第2の大当り,小当り)である場合にS204に移行し、外れの場合S205に移行する。
主制御装置100は、S204において当り用の時短用変動パターンテーブルをセットし、S209に移行する。主制御装置100は、S205において外れ用の時短用変動パターンテーブルをセットし、S209に移行する。
【0041】
主制御装置100は、S206においてRAMに記憶された当否判定の結果を読み出し、判定の結果が当り(第1の大当り,第2の大当り,小当り)である場合にS207に移行し、外れの場合S208に移行する。
主制御装置100は、S207において当り用の通常用変動パターンテーブルをセットし、S209に移行する。
主制御装置100は、S208において外れ用の通常用変動パターンテーブルをセットし、S209に移行する。
【0042】
S209,S210において主制御装置100は、変動パターン乱数カウンタの中から変動パターン決定用乱数を取得するとともに、S201,S204,S205,S207及びS208においてセットされた各変動パターンテーブルの中から、変動パターン決定用乱数に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。以下、各変動パターンテーブルについて説明する。
【0043】
図5は、上記特殊変動パターンテーブル,時短用変動パターンテーブル(当り,外れ),通常用変動パターンテーブル(当り,外れ)を模式的に示す図である。
図5(a)に示すように特殊変動フラグがONの時に参照される特殊変動パターンテーブルには、変動パターン決定用乱数とこれに対応する特別図柄変動時間情報とが記載されている。そして、各変動パターン決定用乱数に対応する特別図柄変動時間は、全て同一の10秒に設定されており、S210において変動パターン決定用乱数が如何なる乱数であっても変動パターン(変動時間)が10秒に決定されることとなる。
なお、本例においては、当否判定の結果に関わらず各変動パターン決定用乱数に対応する特別図柄変動時間を全て同一の10秒となるように設定したが、後述のS203,S206の処理と同様に、当否判定の結果によって異なる特殊変動パターンテーブルを参照させることにより、当否判定の結果が「当り」である場合には、特別図柄変動時間が10秒よりも長く、各変動パターン決定用乱数に応じて互いに異なる複数の時間となるように設定し、当否判定の結果が「外れ」である場合に各変動パターン決定用乱数に対応する特別図柄変動時間が同一(
図5(a)参照)となるように設定してもよい。
【0044】
図5(b)に示すように当り用の時短フラグがONの時に参照される時短用変動パターンテーブルには、変動パターン決定用乱数に対して12秒,25秒,36秒の3種類の特別図柄変動時間が割り当てられている。これに対して、外れ用の時短用変動パターンテーブルには、変動パターン決定用乱数に対して2秒,25秒,36秒の特別図柄変動時間が割り当てられており、中でも最も短い2秒が選択される確率が相対的に高く設定されている。即ち、時短遊技中(変動時間短縮機能作動中)において、当否判定の結果が外れである場合には、特別図柄の変動開始から停止までの間が短くなる割合が高く、通常遊技中の場合と比較して短い時間で効率的に当否判定処理を受けることができる。
【0045】
図5(c)に示すように、当り用の通常用変動パターンテーブルには、変動パターン決定用乱数に対して12秒,25秒,36秒の3種類の特別図柄変動時間が割り当てられている。これに対して、外れ用の通常用変動パターンテーブルには、変動パターン決定用乱数に対して前記当り用の通常用変動パターンテーブルと同様の特別図柄変動時間が割り当てられているが、変動時間が12秒となる割合が高く設定されている。
なお、上記各変動パターンテーブルに割り当てられた特別図柄変動時間の種類或いは秒数は、表に記載された数値に何ら限定されるものではなく、複数の変動パターン決定用乱数に対してさらに細かい特別図柄変動時間を設定しても良い。
【0046】
図4に戻り、主制御装置100は、S211においてS210で決定された特別図柄変動時間に基づいて特別図柄の変動表示を開始する。
具体的には、盤面装置中継基板102に対して変動開始信号を出力するとともに、特別図柄変動時間に基づいてタイマーをセットする。
変動時間経過後に停止する特別図柄の表示態様(停止態様)は、当否判定の結果に基づいて予め設定されており、例えば当否判定の結果が確変大当りである場合には、特図変動表示器31に「7・7」,「3・3」等の奇数の数字を並列に表示させる。
また、当否判定の結果が通常大当りである場合には、特図変動表示器31に「2・2」,「8・8」等の偶数の数字を並列に表示させる。また、当否判定の結果が第2の大当りである場合には、「1・5」,「5・7」等の奇数の数字から特定の組み合わせ(チャンス目)を並列に表示させる。
また、当否判定の結果が小当りである場合には、「2・4」,「6・8」等の偶数の数字から特定の組み合わせ(チャンス目)を並列に表示させる。なお、特別図柄の停止態様を別途設けた乱数カウンタによりランダムに決定する構成としてもよい。
また、特別図柄の停止は、主制御装置100がタイマーにより計測される変動時間が経過したことに基づいて変動停止信号を盤面装置中継基板102に出力することにより行われる。
【0047】
主制御装置100は、S212において演出用変動コマンドをサブ制御装置101に送信する。演出用変動コマンドには、S210において決定された特別図柄変動時間情報及び当否判定の結果情報が含まれる。演出用変動コマンドを受信したサブ制御装置101は、当該コマンドを演出制御基板101Aに出力する。
【0048】
演出制御基板101Aは、演出用変動コマンドの受信によりROM内に格納された複数の動画データ(演出データ)の中から特別図柄変動時間と対応する長さの動画データを抽出するとともに、演出用図柄を変動表示(例えば3つの数字及びキャラクター縦方向にスクロール)し、演出図柄表示装置30上において表示させる。
当該動画データは、1つの特別図柄変動時間(2秒,12秒,25秒,36秒)に対して複数パターンのデータが対応しており、例えば同じ12秒の特別図柄変動時間であっても、通常背景、かつ、演出用図柄が所謂リーチ状態を介さないパターンや、演出用図柄がリーチ状態を生成した後に通常背景とは異なる背景に切り替わるパターン、演出用図柄がリーチ状態を生成した後に通常背景とは異なる背景に切り替わり、所謂スーパーリーチ(リーチよりも当りとなる期待度が高い変動パターン)を展開するパターン等、複数のパターンが存在する。
【0049】
一方、S201,S209及びS210において、特殊変動パターンテーブルが参照されたときのみに決定される10秒の特別図柄変動時間に対応する動画データは、当否判定の結果を示す動画より以前に共通する動画を含むように構成されており、演出用変動コマンドに含まれる当否判定の結果情報により、最終的に表示される動画が異なる。なお、具体的な動画の態様については後述する。
つまり、本実施形態においては、前述のとおり第2の大当り遊技又は小当り遊技が実行された後、特別図柄が所定の回数変動表示されるまでは、特殊変動パターンテーブルが参照されることから、第2の大当り遊技又は小当り遊技の終了から一定の期間は、変動パターン決定用乱数に依存せずに期待感を高めるような共通する動画を含む演出パターンを演出図柄表示装置30上において展開させることが可能となり、一定の期間の間遊技者に対して期待感を高める演出を効果的に見せることができる。
【0050】
以下、特殊変動パターンテーブルが参照されたときに演出図柄表示装置30上において展開される10秒の特別図柄変動時間に対応する動画データの一例について説明する。
図9は、特殊変動パターンテーブルが参照されたときに選択される演出データの動画の特徴的な1コマ(1シーン)を時間経過に対応して列挙した図である。
【0051】
例えば、
図9(a)に示す動画データは、演出用変動コマンドに含まれる当否判定の結果が当り(第1の大当り,第2の大当り,小当り)であり、かつ、第2の大当り遊技又は小当り遊技が実行された後、特別図柄1回転目に選択される動画データである。なお、現在の特別図柄の回転数は、後述の特殊変動カウンタによりカウントされる。
図9(a)における最初のシーンは、特定のキャラクターが歩行する場景を表現する動画であって、当該動画は10秒の特別図柄変動時間のうち、所定の秒数継続する。次のシーンは、特定のキャラクターの目前に突如門が閉まる場景を表現する動画であって、当該動画が所定の秒数継続し、閉まった門が開くとともに次のシーンが映し出される。最後のシーンは、当否判定の結果が当りであることを遊技者に対して報知する場景を表現する動画であって、当該シーンが所定の秒数継続することにより、特別図柄の変動表示開始から10秒に渡って対応する演出が終了する。また、10秒の演出終了と同時に、10秒の間変動表示されていた特別図柄の変動表示が大当りを示す態様で停止する。
【0052】
図9(b)に示す動画データは、演出用変動コマンドに含まれる当否判定の結果が外れであり、かつ、第2の大当り遊技又は小当り遊技が実行された後、特別図柄1回転目に選択される動画データである。
図9(b)における最初のシーン及び次のシーンは、
図9(a)における各シーンと共通している。一方、最後のシーンは、歩行中のキャラクターが力尽きて倒れる寸前の場景を表現する動画であって、倒れる寸前のキャラクターが倒れることにより、特別図柄の変動表示開始から10秒に渡って対応する演出が終了する。また、10秒の演出終了と同時に、10秒の間変動表示されていた特別図柄の変動表示が外れを示す態様で停止する。
【0053】
図9(c)に示す動画データは、演出用変動コマンドに含まれる当否判定の結果が当りであり、かつ、第2の大当り遊技又は小当り遊技が実行された後、特別図柄2回転目以降に選択される動画である。
図9(c)における最初のシーンは、
図9(b)の最後のシーンで一度倒れたキャラクターが立ち上がり、特殊変動パターンテーブルによる特別図柄の変動が継続する場景を表現する動画である。当該シーンに続く後続のシーンは
図9(a)の各シーンと共通しており、最終的に当否判定の結果が当りであることを遊技者に対して報知する場景を表現する動画が映し出されることにより、特別図柄の変動表示開始から10秒に渡って対応する演出が終了する。
【0054】
図9(d)に示す動画データは、演出用変動コマンドに含まれる当否判定の結果が外れであり、かつ、第2の大当り遊技又は小当り遊技が実行された後、特別図柄2回転目以降に選択される動画である。
図9(d)における最初のシーンは、
図9(c)の最初のシーンと共通しており、特殊変動パターンテーブルによる特別図柄の変動が継続する場景を表現する動画である。当該シーンに続く後続のシーンは
図9(b)の各シーンと共通しており、最終的に当否判定の結果が外れであることを遊技者に対して報知する場景を表現する動画が映し出されることにより、特別図柄の変動表示開始から10秒に渡って対応する演出が終了する。
【0055】
このように、特殊変動パターンテーブルが参照されたときのみに決定される10秒の特別図柄変動時間に対応する動画データを他の動画データと比較して態様が異なる専用の動画として格納しておけば、遊技者に対して、第2の大当り遊技又は小当り遊技終了後の一定期間常に第2の大当り遊技後又は小当り後のみに展開される専用の動画を見せることができ、当り遊技中における外見上の区別が付かない第2の大当り遊技又は小当り遊技の後に、直前の当り遊技が第2の大当り遊技であったかも知れないという期待感を効果的に煽ることができる。
また、特殊変動パターンテーブルに記載された変動時間情報が変動パターン決定用乱数に関わらず同一であるため、異なる変動時間情報に対応する動画データを複数格納する必要がなく、ROMの記憶容量を増大させることがない。つまり、本実施形態におけるパチンコ機は、変動パターン決定用乱数の種類に依存せずに、第2の大当り遊技又は小当り遊技終了後の一定期間常に第2の大当り遊技後又は小当り後のみに展開される専用の動画を見せる形態である。
なお、上記実施形態においては、特殊変動パターンテーブルが参照されたときのみに決定される特別図柄変動時間を同一の10秒となるように設定したが、これに限られるものではなく、変動パターン決定用乱数に対して複数の特別図柄変動時間(例えば10秒,20秒,30秒)を割り当て、複数の特別図柄変動時間と対応する動画データを格納する構成としてもよい。
【0056】
サブ制御装置101は、タイマーにより計測される変動時間が経過したことに基づいて主制御装置100から送信される変動停止コマンドの受信により、演出制御基板101Aに対して当該コマンドを送信する。演出制御基板101Aは、当該コマンドを受信したことを契機として当否判定の結果により、変動表示中の演出用図柄を当否判定の結果を表示する態様で停止させる。
ここで例えば、当否判定の結果が確変大当りである場合には、演出図柄表示装置30に「7・7・7」,「3・3・3」等の奇数の数字を並列に表示させる。また、当否判定の結果が通常大当りである場合には、演出図柄表示装置30に「2・2・2」,「8・8・8」等の偶数の数字を並列に表示させる。また、当否判定の結果が第2の大当りである場合には、「1・5・7」,「5・7・9」等の奇数の数字から特定の組み合わせ(チャンス目)を並列に表示させる。また、当否判定の結果が小当りである場合には、「2・4・6」,「4・6・8」等の偶数の数字から特定の組み合わせ(チャンス目)を並列に表示させる。
なお、第2の大当りと小当りとの区別を付け難くするために、第2の大当りである場合の停止態様と小当りである場合の停止態様(チャンス目)とを同一の態様としてもよい。
【0057】
図4に戻り、S213以降の処理について説明する。
主制御装置100は、S213において特殊変動フラグがONであるかを判定し、YESの場合S214に移行し、NOの場合S217に移行する。主制御装置100は、S214において特殊変動カウンタを1減算し、S215に移行する。主制御装置100は、S215において特殊変動カウンタが0であるかを判定し、YESの場合S216において特殊変動フラグをOFFにセットする。NOの場合、一回の処理を終了する。主制御装置100は、S217において時短フラグがONであるかを判定し、YESの場合S218に移行し、NOの場合一回の処理を終了する。主制御装置100はS218において時短変動カウンタを1減算し、S219に移行する。主制御装置100は、S219において時短変動カウンタが0であるかを判定し、YESの場合S220において時短変動フラグをOFFにセットする。NOの場合、一回の処理を終了する。
以上、
図4のフローに示したとおり、上記S200からS220までの処理が特図変動処理であり、この場合の主制御装置100は、特別図柄変動表示手段として機能する。
【0058】
<大当り遊技処理及び遊技状態切替処理について>
以下、
図6のフロー図に基づいて大当り遊技処理及び遊技状態切替処理について説明する。
主制御装置100は、S300において、主制御装置100により出力される変動停止信号に基づいて停止表示された特別図柄の態様が当り(第1の大当り,第2の大当り,小当り)であるかを判定し、YESの場合S301に移行し、NOの場合一回の処理を終了する。
主制御装置100は、S301において上記当りの種別が確変大当りであるかを判定し、YESの場合S302において15ラウンド用の開放パターンをセットし、S303において大当りフラグをONにセットして確変大当り遊技を開始する。NOの場合S307に移行する。
主制御装置100は、S304において当りの種別が確変大当りであることに基づいて確変フラグをONにセットし、さらにS305において時短フラグをONにセットする。さらに主制御装置100は、S306において時短変動カウンタを100回にセットし、S314に移行する。時短変動カウンタが100回にセットされたことにより、確変大当り遊技後に実行される時短遊技は特別図柄が100回変動するまで継続する。
主制御装置100は、S314において前述した大当り遊技終了の条件が成立したことに基づいて大当りフラグをOFFにセットすることにより大当り遊技を終了し、一回の処理を終了する。
【0059】
主制御装置100は、S307において当りの種別が通常大当りかを判定し、YESの場合にS308において15ラウンド用の開放パターンをセットし、S309において大当りフラグをONにセットして通常大当り遊技を開始する。NOの場合S400に移行する。主制御装置100は、S310において、確変フラグがONであるかを判定し、YESの場合S311において確変フラグをOFFにセットする。NOの場合S312に移行する。主制御装置100はS312において時短フラグをONにセットし、S313に移行する。主制御装置100は、S313において時短変動カウンタを100回にセットし、S314に移行する。
【0060】
主制御装置100は、S400において、当りの種別が第2の大当りに相当する潜伏確変大当りかを判定し、YESの場合S401に移行し、NOの場合S409に移行する。主制御装置100は、S401において2ラウンド用の開放パターンをセットし、S402において大当りフラグをONにセットして潜伏大当り遊技を開始する。なお、前述のとおり、第2の大当り遊技の態様は、2ラウンドに限られるものではない。
主制御装置100は、S403において当りの種別が潜伏確変大当りであることに基づいて確変フラグをONにセットし、S404に移行する。
主制御装置100は、第2の大当りに相当する潜伏確変大当りの種別が前述の第2大当りAかを判定する。判定がYESの場合S405に移行し、NOの場合S407に移行する。主制御装置100は、S405において特殊変動フラグをONにセットし、S406において特殊変動カウンタを3回にセットし、S416に移行し一回の処理を終了する。
上記S405及びS406の処理が実行されることにより、潜伏大当り遊技終了後、特別図柄が3回変動するまでは、演出図柄表示装置30に上述した専用の動画データに基づく演出が表示されることとなる。
【0061】
主制御装置100は、S407において特殊変動フラグをONにセットし、S408において特殊変動カウンタを4回にセットし、S416に移行し一回の処理を終了する。
上記S407及びS408の処理が実行されることにより潜伏大当り遊技終了後、特別図柄が4回変動するまでは、演出図柄表示装置30に上述した専用の動画データに基づく演出が表示されることとなる。
【0062】
主制御装置100は、S409において2ラウンド用の開放パターンをセットし、S410において大当りフラグをONにセットして小当り遊技を開始する。なお、前述のとおり、小当り遊技の態様は、第2の大当り遊技の態様と同様であればよく、2ラウンドに限られるものではない。
主制御装置100は、S411において小当りの種別が前述の小当りAかを判定する。判定がYESの場合S412に移行し、NOの場合S414に移行する。
主制御装置100は、S412において特殊変動フラグをONにセットした上で、S413において特殊変動カウンタを2回にセットし、S416に移行する。主制御装置100は、S416において前述した小当り遊技終了の条件が成立したことに基づいて大当りフラグをOFFにセットすることにより小当り遊技を終了し、一回の処理を終了する。
上記S412及びS413の処理が実行されることにより小当り遊技終了後、特別図柄が2回変動するまでは、演出図柄表示装置30に上述した専用の動画データに基づく演出が表示されることとなる。
【0063】
主制御装置100は、S414において特殊変動フラグをONにセットした上で、S415において特殊変動カウンタを3回にセットし、S416に移行する。上記S414及びS415の処理が実行されることにより小当り遊技終了後、特別図柄が3回変動するまでは、演出図柄表示装置30に上述した専用の動画データに基づく演出が表示されることとなる。
【0064】
以上、
図6のフローに示したとおり、上記S300からS303までの処理、S307及びS308の処理、S400からS402までの処理、S409及びS410の処理が大当り遊技処理であり、この場合主制御装置100は当り遊技実行手段として機能する。
また、大当り遊技処理は、前述の特図変動処理により変動表示される特別図柄の停止態様に応じて、第1の大当りである確変大当り遊技又は通常大当り遊技、或いは、第1の大当り遊技よりも賞球を得ることが困難な潜伏確変大当り遊技、さらには、前記第2の大当り遊技と同様、或いは、外見上の区別が付かない態様で大入賞部品26を開放動作させ、前記第1の大当り遊技よりも賞球を得ることが困難な小当り遊技を実行する処理である。
【0065】
また、上記S404からS406までの処理、S407及びS408、S411からS413までの処理、S414及びS415の処理が遊技状態切替処理であって、この場合主制御装置100は、遊技状態切替手段として機能する。
また、遊技状態切替処理は、第2の大当り遊技に相当する潜伏確変大当り遊技、又は、特別当り遊技に相当する小当り遊技が実行されたことに基づいて特殊変動フラグをONにセットし、上記2つの当り遊技後の遊技状態を当り遊技終了後から所定期間特別遊技状態に切り替える処理である。
さらに、遊技状態切替処理は、潜伏確変大当り及び小当りの種別(A,B)に応じて特殊変動カウンタにセットする回数を互いに異なる回数にセットすることにより、潜伏確変大当り及び小当りの種別に応じて特別遊技状態が継続する期間に差を持たせる処理である。
【0066】
このように、上記遊技状態切替手段を設けたことにより、
図4のS201において、特殊変動パターンテーブルが参照されることに基づいて選択される特別遊技状態専用の動画が、当り遊技(第2の大当り,小当り)終了後から特別図柄の変動表示が何回まで継続するかをカウントすることにより直前の当り遊技が第2の大当り遊技(潜伏確変大当り)であったのか、或いは、遊技状態が切り替わることのない小当りであったのか遊技者に対して推測させることができ、遊技上の楽しみを増大させることが可能となる。
【0067】
より詳細には、
図7に示すように本実施形態における特殊変動カウンタのセット数(特別遊技状態の継続回数)は、2回,3回,4回の3種類であるが、このうち特殊変動カウンタが4回にセットされるのは、潜伏確変大当りである場合のみであり(S404,S407,S408)、遊技者は特別遊技状態専用の動画が、特別図柄が4回変動表示されるまで継続した時点で直前の当り遊技が潜伏確変大当りであったことを認識できる。
また、特殊変動カウンタが3回にセットされるのは、潜伏確変大当りのみならず小当りである場合も含むため、直前の当り遊技が潜伏確変大当りであったこと確実に認識することはできないが、直前の当りが小当りである場合にのみセットされる2回の継続回数を超えた時点で、直前の当り遊技が潜伏確変大当りであったかも知れないという期待感を持続させることが可能となる。
【0068】
また、上記実施形態においては、潜伏確変大当り及び小当りの種別をA,Bの2種類としたが、これに限定されることはなく、潜伏確変大当り及び小当りの種別を3種類以上とした上で、各種別に対する特殊変動カウンタのセット数(特別遊技状態の継続回数)を例えば5回,6回,7回というように連続的に設定することや10回,15回,20回と段階的に設定することも可能である。
【0069】
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に何ら限定されることはなく、実施形態を組み合わせて多様な変更、改良を行い得ることが当業者において明らかである。また、そのような多様な変更、改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが特許請求の範囲の記載から明らかである。