(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る映像教育システムの概要を示してある。
本例の映像教育システムは、講義動画を配信する配信サーバ10と、サーバ10から講義動画の配信を受けて再生する動画再生装置20と、を備えている。
【0019】
配信サーバ10は、講義動画の配信業者が使用する装置であり、配信対象の講義動画について管理する講義動画DB、講義動画を視聴する生徒(ユーザ)について管理する生徒DB、講義動画の視聴結果について管理する視聴結果DB、などを備える。配信対象の講義動画は、予め作成(撮影)しておいたものであり、講義動画DBに保持(記憶)されており、動画再生装置20からの要求に応じて講義動画DBから読み出して配信される。
配信サーバ10は、1台の装置により構成してもよく、各機能を複数台の装置に分散して構成してもよい。
【0020】
動画再生装置20は、講義動画を視聴するユーザが使用するユーザ端末装置であり、有線又は無線により配信サーバ10と通信可能な据置型や携帯型の各種端末装置を用いることができる。携帯型端末装置としては、モバイルPC、タブレットPC、携帯電話、スマートフォン等が挙げられる。
【0021】
図2には、動画再生装置20の処理フローの例を示してある。
動画再生装置20は、ユーザが視聴を所望する講義動画を配信サーバ10に要求し、これに応答して配信サーバ10から配信される講義動画を受信する(S1)。
次に、配信サーバ10から受信した講義動画の再生を開始する(S2)。
【0022】
その後、講義動画の再生中において、その講義動画の内容に対するユーザの反応(本例では、講義内容の理解が不十分な旨)を示す特定操作の有無を監視する(S3)、
特定操作が検出された場合(S3;Yes)には、その時点の動画再生時間及び動画キャプチャ(動画画像)を取得し(S4)、取得した動画再生時間及び動画キャプチャを装置内部のメモリに記憶する(S5)。ここで、動画キャプチャは、動画中の或る時点の映像を撮影したスナップショット画像(静止画)である。
上記S3〜S5の処理を講義動画の再生が終了するまで繰り返す(S6)。
【0023】
講義動画の再生が終了した場合(S6;Yes)には、講義動画の再生中に1回以上の特定操作が検出されていれば、蓄積した動画キャプチャ及び動画再生時間のリストを動画再生時間順に表示し(S7)、その中からユーザに選択された動画キャプチャに関する質問文の入力を受け付ける(S8)。
その後、特定操作の検出通知を、蓄積した動画再生時間の履歴、選択された動画キャプチャ、当該動画キャプチャに関する質問文と対応付けてサーバに送信する(S9)。
【0024】
配信サーバ10は、特定操作の検出通知を動画再生装置20から受信すると、これに対応付けて送信された動画再生時間の履歴、選択された動画キャプチャ、当該動画キャプチャに関する質問文を視聴結果DBに記憶する。これらの情報は、動画再生装置20のユーザ(すなわち、講義動画を視聴した生徒)の識別情報と関連付けて記憶される。
【0025】
視聴結果DBに記憶された動画キャプチャ及び質問文は、担当の教師により閲覧される。担当の教師は質問文と共に動画キャプチャを閲覧できるので、講義動画内のどの内容についての質問なのかを把握し易い。担当の教師は、ユーザからの質問文に対し、塾や個別教室などのユーザと接する場で回答し、或いは電子メール等の通信手段で回答する。
また、視聴結果DBに記憶された動画再生時間の履歴は、講義動画の中でユーザの理解が不十分な部分を特定する情報であるので、以降における講義動画の作成に役立てることができる。また、そのユーザと理解度が同程度の他のユーザがその後にどの講義動画を視聴しているのかを分析し、そのユーザに対して次に視聴を推薦する講義動画の選択に役立てることもできる。
【0026】
図3には、動画再生装置20による動画再生画面の例を示してある。
本例の動画再生画面は、動画再生領域31内に特定操作ボタン32を設けてあり、動画の再生中に特定操作ボタン32がユーザに押下(クリック)されたことに応じて、特定操作ボタン32の押下を特定操作として検出し、その時点の動画再生時間及び動画キャプチャを取得して装置内部のメモリに記憶する。
【0027】
なお、動画再生装置20として、装置に加わる加速度を検出する加速度センサ等の振動検出手段を備えた携帯型端末装置(例えば、スマートフォン)を用いる場合には、動画再生中に装置がシェイクされたことを振動検出手段で検出したことに応じて、装置のシェイクを特定操作と見做して検出し、その時点の動画再生時間及び動画キャプチャを取得して装置内部のメモリに記憶することもできる。この場合、装置のシェイクが特定操作として検出されたことをユーザが認識できるように、シェイクに基づく特定操作の検出時に特徴的な音を鳴らしたり、所定の検出マークを画面上に表示する等の報知を行うようにしてもよい。
【0028】
図4には、動画再生装置20による特定操作一覧画面の例を示してある。
本例の特定操作一覧画面は、動画の再生中に特定操作が検出される毎に取得された動画キャプチャの縮小画像(サムネイル)及び動画再生時間のリストを、動画再生時間順に、ユーザによる選択が可能な形式で表示する。ユーザによる選択は、リスト毎に設けた質問ボタン41、削除ボタン42、再生ボタン43の押下(クリック)により行われる。
【0029】
質問ボタン41が押下された場合には、そのリストに係る質問文入力画面を表示し、質問文の入力を受け付ける。
削除ボタン42が押下された場合には、そのリストを一覧表示の中から削除するとともに、装置内部のメモリから該当する動画再生時間及び動画キャプチャを削除する。これは、ユーザが間違って特定操作をした場合に、事後的に特定操作を取り消すものである。
再生ボタン43が押下された場合には、その動画再生時間から所定時間を遡った時点を起点にして動画を再生し直す。これにより、ユーザは、例えば理解が不十分だった部分を見直すことができる。なお、動画を複数のセクションに分割しておき、再生ボタン43が押下されたリストの動画再生時間を含むセクションの先頭から動画を再生し直すようにしてもよい。これにより、内容にまとまりがある部分単位で動画のセクション分けをしておけば、動画の途中からの見直し時にユーザは内容を理解し易くなる。
【0030】
本例では、動画再生画面における動画の再生の終了後、自動的に特定操作一覧画面を表示するが、動画再生装置20がユーザから特定操作一覧画面を表示させる指示を受けたことに応じて、特定操作一覧画面を表示してもよい。
【0031】
また、特定操作一覧画面には、特定操作履歴送信ボタン(図示せず)を設けてあり、特定操作履歴送信ボタンがユーザに押下されたことに応じて、特定操作の検出通知を、動画再生時間の履歴と対応付けて配信サーバ10に送信する。また、一覧表示したリストに係る質問文の入力があった場合には、その質問文及び該当する動画キャプチャも併せて配信サーバ10に送信する。なお、特定操作履歴送信ボタンを設けず、特定操作一覧画面が閉じられたことに応じて、特定操作の検出通知を配信サーバ10に送信するようにしてもよい。
【0032】
図5には、動画再生装置20による質問文入力画面の例を示してある。
本例の質問文入力画面は、動画キャプチャ表示領域51、動画キャプチャ保存ボタン52、質問文入力部53、質問確定ボタン54を有する。
動画キャプチャ表示領域51には、特定操作一覧画面で選択されたリストに係る動画キャプチャがオリジナルのサイズで表示される。
動画キャプチャ保存ボタン52は、動画キャプチャ表示領域51に表示されている動画キャプチャの保存を指示するボタンである。動画キャプチャ保存ボタン52が押下されると、該当する動画キャプチャを事後的に参照できるように装置内部のメモリの別領域に保存される。
【0033】
質問文入力部53は、動画キャプチャ表示領域51に表示されている動画キャプチャ付近の動画の内容に関する質問文をユーザが入力する領域である。
質問確定ボタン54は、質問文入力部53に入力された質問文の確定を指示するボタンである。質問確定ボタン54が押下されると、質問文入力部53に入力された質問文が、該当する動画再生時間及び動画キャプチャに対応づけて装置内部のメモリに記憶され、質問文入力画面が閉じて特定操作一覧画面に戻る。
【0034】
以上のように、本例の動画再生装置20は、動画の再生中に、その動画の内容に対するユーザの反応を示す特定操作を検出し、特定操作が検出された時点の動画の再生時間を取得し、特定操作が検出されたことを示す検出通知を、動画の再生時間と対応付けてサーバ10に送信する。このため、動画の再生途中における動画の内容に対するユーザの反応をサーバ側で把握することが可能となる。ここで、上記の例では、動画内容の理解が不十分な旨の反応を扱っているが、動画内容を十分に理解した旨の反応や、動画内容に共感した旨の反応など、種々の反応に適用することができる。
【0035】
また、動画再生装置20として携帯型端末装置を用いる場合には、携帯型端末装置をシェイクする操作を特定操作として検出する。このため、動画を視聴中のユーザが携帯型端末装置をシェイクするだけで、その時点の動画の内容にユーザが何らか反応を持ったことをサーバ側に通知することができる。ここで、携帯型端末装置のシェイクとは、ユーザが携帯型端末装置を手に持って振る操作だけでなく、携帯型端末装置を指先で叩いて振動を与える操作など、加速度センサ等の振動検出手段で携帯型端末装置が検出可能な種々のタイプの振動を発生させる操作を含む。
【0036】
なお、特定操作の検出において、特定操作の強度も検出するようにし、特定操作の検出通知に対応付けてサーバ10に送信するようにしてもよい。これにより、ユーザの反応の程度についてもサーバ側に通知することが可能となる。ここで、特定操作の強度としては、例えば、所定時間内の特定操作ボタン32のクリック回数、所定時間内の動画再生装置20のシェイク回数、動画再生装置20のシェイクの勢い等の測定値や、これらの測定値を所定の基準に基づいて分類した分類値などを用いることができる。
【0037】
また、本例の動画再生装置20は、特定操作が検出された時点の動画の画像(動画キャプチャ)を取得しておき、特定操作が検出される毎に取得された動画の画像及び再生時間のリストをユーザによる選択が可能な形式で表示し、その中から選択されたリストについてユーザからデータの入力を受け付け、選択されたリストに係る検出通知に、入力されたデータを対応付けてサーバ10に送信する。このため、ユーザは、動画の再生中に何らかの反応を持った部分についてデータを入力し、サーバ側に通知することが可能となる。なお、データの入力は、テキスト形式の入力のほか、音声入力などの種々の入力方式により行うことができる。また、データとしては、動画の内容に対する質問だけでなく、動画の内容に対する意見や感想などであってもよく、動画の内容に対する種々の情報を入力できる。
また、本例の動画再生装置20は、選択されたリストに係る検出通知に、当該リストにおける動画の画像を対応付けてサーバ10に送信する。このため、動画再生装置20から受信したデータを見た者は、動画内のどの内容について入力されたデータなのかを把握し易くなる。
【0038】
ここで、上記の説明では、動画の再生中に特定操作を検出してその履歴を蓄積しておき、動画の再生後にリスト形式で動画キャプチャと共にユーザに提示してデータの入力を受け付けているが、動画の再生中に特定操作が検出されたことに応じてデータの入力を受け付けても構わない。
【0039】
すなわち、動画再生装置20は、動画の再生中に特定操作が検出されたことに応じて、特定操作が検出された時点の動画の再生時間を取得すると共に、動画の再生を一旦停止して質問文入力画面を呼び出し、ユーザからデータの入力を受け付ける。そして、ユーザがデータの入力を終えると、動画再生装置20は、特定操作が検出されたことを示す検出通知を、動画の再生時間及び入力されたデータと対応付けてサーバ10に送信し、動画の再生を再開する。これにより、動画再生装置20のユーザは、動画の視聴中に随時、データ(例えば、質問文)を入力してサーバ10に送信することができる。
【0040】
この場合においても、動画再生装置20が、特定操作が検出された時点の動画の画像を取得して、検出通知に対応付けてサーバ10に送信する構成とすれば、動画再生装置20から受信した入力データを見た者(例えば、担当の教師)が、動画内のどの内容についての入力データなのかを把握し易くなる。また、サーバ10には動画の再生時間も送信されるので、動画再生装置20から受信した入力データを見る者に対し、特定操作が検出された時点から動画を再生して提供することもできる。なお、特定操作が検出された時点から所定時間を遡った時点を起点にして動画を再生するようにしたり、複数のセクションに分割された動画について、特定操作が検出された時点を含むセクションの先頭から動画を再生するようにしてもよい。
なお、携帯型端末装置に意図せずに振動が加えられる可能性を考慮して、シェイクが検出された場合に、動画の再生を一旦停止した後に直ちに質問文入力画面を呼び出すのではなく、質問文入力画面を呼び出してもよいか否かをユーザに問い合わせ、呼び出す旨の明確な指示があった場合に質問文入力画面を呼び出し、呼び出ししない旨(キャンセル)の指示があった場合には質問入力画面を呼び出さずに動画の再生を再開するようにしてもよい。また、質問入力画面を呼び出ししない旨(キャンセル)の指示があった場合には、特定操作の履歴として蓄積し、動画の再生後にリスト形式で動画キャプチャと共にユーザに提示してデータの入力を受け付けるようにしてもよい。
【0041】
また、動画の再生中にのみ特定操作を検出するのではなく、動画の非再生中にも同じ作法の操作の検出を行って、データの入力を受け付けるようにしてもよい。すなわち、動画の再生中か否かに関わらずにシェイクの検出を行い、シェイクを検出した際に動画の再生中か否かに応じて、その後の処理内容を変更する。
【0042】
具体的には、例えば、動画再生装置20として携帯型端末装置を用い、携帯型端末装置をシェイクする操作を特定操作として検出する構成において、動画の非再生中でも特定操作と同じ作法の操作(シェイク)の検出を行い、動画の非再生中に携帯型端末装置のシェイクが検出されたことに応じて、ユーザからデータの入力を受け付けると共に、質問の対象となる問題などを含んだ画像の入力を受け付け、携帯型端末装置のシェイクが検出されたことを示す通知を、ユーザに入力されたデータ及び画像と共にサーバ10に送信するようにする。
【0043】
このような構成によれば、動画再生装置20として携帯型端末装置を用いるユーザが、動画以外の対象(例えば、テキスト教材)に疑問がある場合などにおいて、携帯型端末装置をシェイクしてデータ(例えば質問文)及び画像の入力を受け付ける質問文入力画面を呼び出し、データ及び画像の入力を行うことで、シェイクの検出通知と共に入力データ及び画像をサーバ10に送信できる。なお、画像の入力は、上記の入力画面から撮影アプリケーションを呼び出してその場で対象の撮影を行うことで入力してもよく、予め撮影しておいた対象の画像をメモリ内から指定して入力してもよい。また、対象物の画像としては、物理的な対象を撮影した画像に限られず、インターネットを通じて閲覧可能な各種サイトのスナップショット画像などの電子的な対象であってもよい。
【0044】
図6には、動画の非再生中における動画再生装置20による質問文入力画面の例を示してある。
本例の質問文入力画面は、教科選択部61、画像入力部62、質問文入力部63、質問確定ボタン64を有しており、動画の非再生中に特定操作と同じ作法の操作が検出されたことに応じて呼び出される。なお、携帯型端末装置に意図せずに振動が加えられる可能性を考慮して、シェイクが検出された場合に直ちに質問文入力画面を呼び出すのではなく、質問文入力画面を呼び出してもよいか否かをユーザに問い合わせ、呼び出す旨の明確な指示があった場合に質問文入力画面を呼び出すようにしてもよい。
【0045】
教科選択部61は、質問の対象となる教科の選択をユーザから受け付ける領域である。
図6の例では、英語、数学、国語、理科、社会の5教科から選択できるようにしてあるが、これらは一例に過ぎず、種々の科目を選択できるようにすることができる。
画像入力部62は、質問に関連する画像の入力をユーザから受け付ける領域である。本例では、画像入力部62の領域がタッチされたことに応じて、予め撮影しておいた対象物の画像をメモリ内から指定して入力できるようにしてあるが、撮影アプリケーションを呼び出してその場で対象物の撮影を行わせるなど、他の手法により入力させてもよい。なお、画像を付さずとも内容を十分に理解できるような質問の場合を考慮して、画像の入力を省略できるようにしてもよい。
【0046】
質問文入力部63は、教科選択部61により選択された教科についての質問文をユーザが入力する領域である。
質問確定ボタン64は、質問文入力部63に入力された質問文の確定を指示するボタンである。質問確定ボタン64が押下されると、教科選択部61で選択された教科、画像入力部62に入力された画像、質問文入力部63に入力された質問文の各情報が、携帯型端末装置のシェイクが検出されたことを示す通知(換言すれば、質問がある旨の通知)に対応付けてサーバ10に送信される。
【0047】
図7には、動画再生装置20の機能ブロックの例を示してある。
動画再生装置20は、動画再生処理部21、特定操作検出処理部22、質問情報入力処理部23、検出通知送信処理部24を有している。
動画再生処理部21は、ユーザが視聴を所望する動画を配信サーバ10に要求して受信する処理や、受信した動画を再生する処理など、動画の再生に関する種々の処理を行う。
特定操作検出処理部22は、動画再生装置20に対する特定操作を検出する処理や、その時点の動画の再生時刻や画像を取得する処理など、特定操作の検出に関する種々の処理を行う。
質問情報入力処理部23は、動画の再生中に特定操作が検出された各時点の動画キャプチャの一覧を表示する処理や、キャプチャ単位で質問文の入力を受け付ける処理や、動画の再生とは無関係な特定操作に応じた質問文の入力を受け付ける処理など、質問情報の入力に関する種々の処理を行う。
検出通知送信処理部24は、特定操作の検出通知をサーバ10に送信する処理や、これに付随する情報(質問文や画像)を送信する処理など、検出通知の送信に関する種々の処理を行う。
【0048】
ここで、本例の動画再生装置20は、各種の演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)、CPUの作業領域となるRAM(Random Access Memory)や基本的な制御プログラムなどを記録したROM(Read Only Memory)等の主記憶装置、各種のプログラムやデータを記憶する補助記憶装置、各種の情報を表示出力するための表示装置及び操作者により入力操作に用いられる操作ボタンやタッチパネル等の入力機器とのインタフェースである入出力I/F、他の装置との間で有線又は無線により通信を行うインタフェースである通信I/F、といったハードウェア資源を備えたコンピュータにより構成している。
そして、本発明に係るプログラムをコンピュータにより実行させることで、本発明に係る動画再生装置の各機能を当該コンピュータ上に実現させている。
【0049】
なお、本発明は、上記のようなソフトウェア構成により各機能部を実現する態様に限定するものではなく、各機能部を専用のハードウェアモジュールで実現してもよい。
また、本発明に係るシステムや装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。
【0050】
また、これまで説明した内容から、下記のようなプログラムの発明や、それに対応する携帯型端末装置の発明を把握することもできる。
(A1) 教育用の動画を予め記憶したサーバから前記動画の配信を受ける携帯型端末装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、前記動画を再生する再生機能と、前記再生機能による前記動画の再生中に、当該携帯型端末装置がシェイクされたことを検出する検出機能と、前記検出機能によりシェイクが検出された時点における前記動画内の再生位置を示す動画再生時間を取得する取得機能と、前記取得機能により取得された動画再生時間と対応付ける質問データの入力をユーザから受け付ける受付機能と、前記取得機能により取得された動画再生時間と前記受付機能により受け付けた質問データとを対応付けて前記サーバに送信する送信機能とを実現させることを特徴とする。
【0051】
このような構成によれば、ユーザは、勉強したいと思った際に携帯型端末装置で教育用の動画(例えば、講義動画)を再生することで、いつでもどこでも勉強をすることができ、その際に動画内容に対する質問がある場合には、携帯型端末装置をシェイクするだけで質問を行えるようになる。したがって、教育用の動画を視聴するだけの一方的な勉強ではなく、動画内容に対して質問するという双方向の勉強を行えるようになる。
一方、動画の提供者側にとっては、動画のどの内容がユーザにとって分かりにくかったのかを把握できるだけでなく、どのような事項に疑問があるのかも具体的に把握できる。また、ユーザからの質問に対して回答することで疑問の解消に導くことができ、顧客満足度をより高めることが可能になる。
【0052】
また、携帯型端末装置のボタン押下や画面タッチなどよりも簡便且つ直感的な操作である携帯型端末装置のシェイクを、ユーザが質問をしたいという意思表示と見做して検出することで、質問の対象となる動画部分(動画再生時間)をより正確に特定できる。これに対し、例えば、携帯型端末装置の画面の所定位置に対するタッチを検出する構成では、ユーザは携帯型端末装置を持つ手とは別の手でタッチすることが多いので、手を携帯型端末装置の画面に伸ばす際のタイムラグが発生するという問題や、タッチ位置の押し間違いが起きる場合があるという問題などが懸念される。このような問題は携帯型端末装置の操作が不慣れなユーザにおいて特に顕著となるが、本発明では、ユーザは携帯型端末装置をシェイクするだけでよいので、上記のような問題は解消される。
このように、本発明では、携帯型端末装置に対する入力操作となり得る各種の操作(ボタン押下、画面タッチ、シェイクなど)のうち、動画再生中のシェイクを質問入力の意思表示として検出する構成にすることで、動画を視聴して勉強するユーザの利便性を向上させている。
【0053】
(A2) 上記(A1)に記載のプログラムにおいて、前記検出機能によりシェイクが検出された各時点における前記動画の画像を動画再生時間順に表示するリスト表示機能を備え、前記受付機能は、前記リスト表示機能による表示の中からいずれかの画像がユーザに選択されたことに応じて、当該画像に係る動画再生時間と対応付ける質問データの入力をユーザから受け付けることを特徴とする。
【0054】
このような構成によれば、ユーザは、教育用の動画の視聴中に疑問を持った部分についての質問を、動画の視聴後に行えるようになる。しかも、シェイク時の動画の各画像を動画再生時間順にリスト表示するので、教育用の動画のどの部分に疑問を持ったのかを事後的に把握できると共に、質問の必要性を改めて検討し直すことができる。
【0055】
(A3) 上記(A1)に記載のプログラムにおいて、前記再生機能は、前記検出機能によるシェイクの検出に伴って前記動画の再生を停止し、前記受付機能は、前記再生機能により前記動画の再生が停止されたことに応じて、当該シェイクに係る動画再生時間と対応付ける質問データの入力をユーザから受け付けることを特徴とする。
【0056】
このような構成によれば、ユーザは、教育用の動画の視聴中に疑問を持った場合には、携帯型端末装置をシェイクするだけで、動画の再生を自動的に停止させて質問を行えるようになる。つまり、動画の再生の停止と質問入力への移行とが1回の操作(シェイク)だけで実現されるため、ユーザ操作を簡略化することができる。
【0057】
(A4) 上記(A1)乃至(A3)のいずれかに記載のプログラムにおいて、前記受付機能は、前記再生機能による前記動画の再生に用いる動画再生画面とは別の質問入力画面を呼び出して、当該質問入力画面にて質問データの入力を受け付けることを特徴とするプログラム。
【0058】
このような構成によれば、動画再生時は、携帯型端末装置の表示領域全体に動画再生画面を表示し、質問入力時は、携帯型端末装置の表示領域全体に質問入力画面を表示することが可能となる。このように、動画再生画面と質問入力画面を別画面にすることで、画面サイズが小さい携帯型端末装置であっても、動画の見やすさと質問入力のしやすさとを両立することができる。
【0059】
(A5) 上記(A4)に記載のプログラムにおいて、前記質問入力画面に、前記検出機能によりシェイクが検出された時点における前記動画の画像を表示することを特徴とする。
【0060】
このような構成によれば、ユーザは、質問入力画面に表示された画像を見て、質問内容を考える際の参考にすることができる。なお、携帯型端末装置の画面サイズが小さい場合には、質問入力画面に表示する画像は縮小したものである方が望ましい。
【0061】
(A6) 上記(A1)乃至(A5)のいずれかに記載のプログラムにおいて、前記送信機能は、前記取得機能により取得された動画再生時間と前記受付機能により受け付けた質問データと前記検出機能によりシェイクが検出された時点における前記動画の画像とを対応付けて前記サーバに送信することを特徴とする。
【0062】
このような構成によれば、ユーザからの質問に対する回答者は、その質問と対応付けて送信された画像を見ることで、教育用の動画におけるどの内容についての質問なのかを容易に把握できるようになり、回答作業の効率化を図ることができる。
【0063】
ここで、携帯型端末装置がシェイクされた時点における動画の画像を取得する仕組みとして、下記(A7)のような構成を採用することが望ましい。
(A7) 上記(A1)乃至(A6)のいずれかに記載のプログラムにおいて、前記サーバは、配信対象となる前記動画について、所定時間毎の画像を予め記憶しており、動画再生時間を指定した要求に応じて対応する画像を送信する機能を有し、前記取得機能は、前記検出機能によりシェイクが検出された時点の動画再生時間を指定した要求を前記サーバに送信し、当該要求に応答して前記サーバから送信される画像を、前記検出機能によりシェイクが検出された時点における前記動画の画像として取得することを特徴とする。
【0064】
以下、携帯型端末装置がシェイクされた時点における動画の画像を取得する仕組みについて、
図6を参照して具体的に説明する。
配信サーバ10は、配信対象となる動画のデータを講義動画DBに記憶する。また、その動画の再生における所定時間毎(例えば1秒毎)の画像(動画キャプチャ)を予め取得し、その際の動画再生時間(動画内の再生位置を示す時間)を画像のデータに付して、動画のデータと対応付けて講義動画DBに記憶しておく。
【0065】
携帯型端末装置(動画再生装置20の一例)は、携帯型端末装置のシェイクを検出したことに応じて、シェイクを検出した時点の動画再生時間を指定した画像要求メッセージを配信サーバ10に送信する。
配信サーバ10は、画像要求メッセージを受信すると、画像要求メッセージで指定された動画再生時間に対応する画像のデータを講義動画DBから読み出して、その画像のデータを格納した画像応答メッセージを画像要求メッセージの送信元に送信する。指定された動画再生時間に対応する画像としては、指定された動画再生時間より前で且つ最も近い動画再生時間を付された画像が用いられる。なお、単純に、指定された動画再生時間に最も近い動画再生時間を付された画像のデータを用いてもよい。
画像要求メッセージを送信した携帯型端末装置は、その応答である画像応答メッセージを受信すると、画像応答メッセージから画像のデータを取り出して、シェイクが検出された時点における動画の画像として取り扱う。
【0066】
このような構成によれば、シェイクの検出時点における教育用動画の画像を、携帯型端末装置のメモリ容量やCPU性能などに影響されずに取得できるようになる。また、シェイクの検出時点における教育用動画の画像を取得する際の、携帯型端末装置の処理負担も削減される。
なお、配信サーバが、画像要求メッセージを受信した際に、指定された動画再生時間の画像を動画から取得して送信する構成も考えられるが、動画から画像を取得する処理は或る程度の時間を要するのでその分の遅延が生じ、携帯型端末装置で画像を表示するまでに時間が掛かってしまう懸念がある。これに対し、配信サーバが所定時間毎の画像を予め取得して保持しておく構成とすることで、配信サーバは、画像要求メッセージを受信した際に、該当する画像を即時に携帯型端末装置へ送信できるようになる。
【0067】
ここで、本例の配信サーバ10は、所定時間毎の画像のデータにその際の動画再生時間を付して講義動画DBに記憶しておき、画像要求メッセージで指定された動画再生時間に最も近い動画再生時間の画像を講義動画DBから読み出して、携帯型端末装置に送信する構成となっているが、このような構成に限定するものではない。
すなわち、例えば、配信サーバ10は、配信対象となる動画の全再生時間を予め定めた時間長(一定時間)の単位で複数の区間に区切り、区間毎に代表的な画像(例えば、区間の開始位置、中央位置、終了位置の画像など)を予め取得し、その画像のデータに区間情報(例えば、区間開始時間及び区間終了時間などの各区間を特定可能な情報)を付して、動画のデータと対応付けて講義動画DBに記憶しておく。そして、画像要求メッセージで指定された動画再生時間を含む区間について予め取得した画像を、指定された動画再生時間に対応する画像として取得する構成としてもよい。
【0068】
なお、上記の説明は、教育用の動画を再生する携帯型端末装置が、シェイクの検出時点の動画の画像を配信サーバから取得する構成について説明したものであるが、この仕組みは、教育用ではない任意の動画を再生する各種の動画再生装置が、動画の再生中にユーザに指定された時点の動画の画像を取得する場合にも利用することができる。
【解決手段】動画再生装置20は、動画の再生中に、その動画の内容に対するユーザの反応を示す特定操作を検出し、特定操作が検出された時点の動画の再生時間を取得し、特定操作が検出されたことを示す検出通知を、動画の再生時間と対応付けてサーバ10に送信する。