(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6058863
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】モジュール式ヘッドレスト埋込型オーディオシステム
(51)【国際特許分類】
H04S 5/02 20060101AFI20161226BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20161226BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20161226BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20161226BHJP
H04R 5/02 20060101ALI20161226BHJP
【FI】
H04S5/02 G
H04S5/02 P
H04R1/02 102B
H04R3/00 310
B60R11/02 S
H04R5/02 F
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-512931(P2016-512931)
(86)(22)【出願日】2014年4月28日
(65)【公表番号】特表2016-524843(P2016-524843A)
(43)【公表日】2016年8月18日
(86)【国際出願番号】US2014035597
(87)【国際公開番号】WO2014182477
(87)【国際公開日】20141113
【審査請求日】2015年12月28日
(31)【優先権主張番号】13/888,932
(32)【優先日】2013年5月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591009509
【氏名又は名称】ボーズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】BOSE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】トーブ・ゼット・バークスデイル
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エス・ダブリン
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・オズワルド
【審査官】
千本 潤介
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−258881(JP,A)
【文献】
特開2006−186571(JP,A)
【文献】
特開2003−274496(JP,A)
【文献】
特開2001−287598(JP,A)
【文献】
特開2006−157597(JP,A)
【文献】
特開2010−034960(JP,A)
【文献】
特開2011−228858(JP,A)
【文献】
特開2006−297581(JP,A)
【文献】
特開2005−159913(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/172394(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04S 5/02
B60R 11/02
H04R 1/02
H04R 3/00
H04R 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用オーディオシステムであって、
音源からオーディオ信号を受信及び処理し、処理された前記オーディオ信号を増幅器に供給するように構成されている信号プロセッサと、
ヘッドレストスピーカを備えている、運転席に結合されている第1のヘッドレストと、
前記第1のヘッドレストの前方の車両キャビンの左側コーナーの近傍に配置されている第1の固定スピーカと、
前記第1のヘッドレストの前方の前記車両キャビンの右側コーナーの近傍に配置されている第2の固定スピーカと、
助手席に配置されているヘッドレストのアクセサリポートであって、前記車両用オーディオシステムを第2のヘッドレストの第2のヘッドレストスピーカに接続するように構成されているヘッドレストのアクセサリポートと、
を備えている前記車両用オーディオシステムにおいて、
前記車両用オーディオシステムに第1のヘッドレストスピーカが接続されており、且つ、前記第2のヘッドレストスピーカが接続されていない場合に、前記信号プロセッサが、受信された前記オーディオ信号を処理するために第1の処理パラメータセットを利用し、
前記第1のヘッドレストスピーカと前記第2のヘッドレストスピーカの両方が前記車両用オーディオシステムに接続されている場合に、前記信号プロセッサが、受信された前記オーディオ信号を処理するために第2の処理パラメータセットを利用する、車両用オーディオシステム。
【請求項2】
前記第1の処理パラメータセットを利用することによって前記第1の固定スピーカ及び前記第2の固定スピーカそれぞれの前記増幅器に供給される処理された前記オーディオ信号が、前記第2の処理パラメータセットを利用することによって前記第1の固定スピーカ及び前記第2の固定スピーカに供給される処理された前記オーディオ信号と相違する請求項1に記載の車両用オーディオシステム。
【請求項3】
前記第1の処理パラメータセットを利用することによって前記第1のヘッドレストスピーカの前記増幅器に供給される処理された前記オーディオ信号が、前記第2の処理パラメータセットを利用することによって前記第1のヘッドレストスピーカに供給される処理された前記オーディオ信号と相違する請求項1に記載の車両用オーディオシステム。
【請求項4】
前記第2の処理パラメータセットを利用することによって前記第1のヘッドレストスピーカの前記増幅器に供給される処理された前記オーディオ信号が、前記第2の処理パラメータセットを利用することによって前記第2のヘッドレストスピーカに供給される処理された前記オーディオ信号とは異なるものである請求項1に記載の車両用オーディオシステム。
【請求項5】
前記信号プロセッサが、前記音源からの前記オーディオ信号を一連のコンポーネント方向に対応する中間信号とリミックスし、
前記第1の処理パラメータセット及び前記第2の処理パラメータセットそれぞれが、前記コンポーネント方向それぞれに対応する前記中間信号の別々の部分を、前記ヘッドレストスピーカ並びに前記第1の固定スピーカ及び前記第2の固定スピーカに配信する請求項1に記載の車両用オーディオシステム。
【請求項6】
前記車両用オーディオシステムが、前記第1のヘッドレストの後方に配置されている固定スピーカを前記車両キャビンに含まない請求項1に記載の車両用オーディオシステム。
【請求項7】
前記増幅器に供給される処理された前記オーディオ信号が、前記運転席から前記助手席への音の漏れを最小限に抑える請求項1に記載の車両用オーディオシステム。
【請求項8】
前記第1のヘッドレストスピーカが、少なくとも2つの電気音響トランスデューサを備えており、
少なくとも1つの前記電気音響トランスデューサが、前記ヘッドレストの端部それぞれに配置されている請求項1に記載の車両用オーディオシステム。
【請求項9】
前記第1のヘッドレストスピーカの前記増幅器に供給される処理された前記オーディオ信号が、前記電気音響トランスデューサそれぞれと、別の前記電気音響トランスデューサの近傍に位置する聞き手の耳との間の信号のクロストークを制御する請求項8に記載の車両用オーディオシステム。
【請求項10】
前記第1のヘッドレストスピーカが、前記ヘッドレストの端部それぞれに配置されている一組の電気音響トランスデューサアレイを備えている請求項8に記載の車両用オーディオシステム。
【請求項11】
前記第1のヘッドレストスピーカが、前記ヘッドレストの内部に配置されている電気音響トランスデューサアレイを備えている請求項1に記載の車両用オーディオシステム。
【請求項12】
前記車両用オーディオシステムが、前記車両用オーディオシステムをバスユニットに接続するように構成されている前記バスユニットのアクセサリポートをさらに備えており、
前記信号プロセッサが、前記バスユニットが前記車両用オーディオシステムに接続されている場合に、受信された前記オーディオ信号を処理するために第3の処理パラメータセットを利用する請求項1に記載の車両用オーディオシステム。
【請求項13】
前記第3の処理パラメータセットを利用することによって前記第1の固定スピーカ及び前記第2の固定スピーカそれぞれの前記増幅器に供給される処理された前記オーディオ信号が、前記第1の処理パラメータセット及び前記第2の処理パラメータセットのうちいずれかの処理パラメータセットを利用することによって前記第1の固定スピーカ及び前記第2の固定スピーカに供給される処理された前記オーディオ信号と相違する請求項12に記載の車両用オーディオシステム。
【請求項14】
前記第3の処理パラメータセットを利用することによって前記第1のヘッドレストスピーカの前記増幅器に供給される処理された前記オーディオ信号が、前記第1の処理パラメータセット及び前記第2の処理パラメータセットのうちいずれかの処理パラメータセットを利用することによって前記第1のヘッドレストスピーカに供給される処理された前記オーディオ信号と相違する請求項12に記載の車両用オーディオシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はモジュール式でヘッドレスト埋込型オーディオシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
幾つかの車両用オーディオシステムでは、全体システムの電気的応答及び音響応答、すなわちスピーカ自体の応答及びスピーカによって生成された音声に対する車両キャビンの応答に基づいて、それぞれのスピーカに供給されるオーディオ信号に対して処理が適用される。そのようなシステムは、それぞれのスピーカの位置と、とりわけシート、ガラス、及び自動車の他の構成要素の吸収特性及び反射特性とを考慮に入れて、特定の自動車モデル及びトリムレベルに合わせた高度に個別的な配慮がなされる。そのようなシステムは、一般に、車両の製品開発プロセスの一部分として設計され、対応するイコライゼーション及び他のオーディオシステムパラメータは、製造又は組立てのときオーディオシステムにロードされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願第13/799703号明細書
【特許文献2】米国特許第7630500号明細書
【特許文献3】米国特許出願第13/888927号明細書
【特許文献4】米国特許第8325936号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
乗用車用のモジュール式ヘッドレスト埋込型オーディオシステムは、車両キャビンの中に固定された一連のスピーカと、車両のヘッドレストのうち1つだけの中に配置されたスピーカとを含む。オーディオシステムの第1の処理パラメータセットは、様々なスピーカに供給されるオーディオ信号を調整するのに用いられ、ヘッドレストの中にスピーカを有するシートのまわりに的を絞ったオーディオ体験を伝える。任意選択の第2のヘッドレストが組み込まれると、第2のシートのヘッドレストにスピーカが与えられ、オーディオシステムのパラメータが、新規のヘッドレストばかりでなく固定スピーカ向けに、場合によっては第1のヘッドレスト向けにも変更され、追加のスピーカを最大限に活用する。任意選択の低音ボックスも追加することができ、システム全体の性能を改善するために、やはり、追加された構成要素ばかりでなく固定スピーカのためにもオーディオシステムのパラメータが変更される。
【0005】
一般に、一態様では、車両用オーディオシステムには、音源からオーディオ信号を受信及び処理し、処理されたオーディオ信号を増幅器に供給するように構成された信号プロセッサと、ヘッドレストスピーカを含み、運転席に結合された第1のヘッドレストと、ヘッドレストの前方の車両キャビンの左側コーナーの近傍に配置された第1の固定スピーカと、ヘッドレストの前方の車両キャビンの右側コーナーの近傍に配置された第2の固定スピーカと、助手席に配置されたヘッドレストのアクセサリポートとが含まれる。ヘッドレストのアクセサリポートは、オーディオシステムを第2のヘッドレストの第2のヘッドレストスピーカに接続するように構成されている。信号プロセッサは、オーディオシステムに第1のヘッドレストスピーカが接続されていて第2のヘッドレストスピーカが接続されていないときには、受信したオーディオ信号を処理するのに第1の処理パラメータセットを用い、信号プロセッサは、第1のヘッドレストスピーカと第2のヘッドレストスピーカの両方がオーディオシステムに接続されているときには、受信したオーディオ信号を処理するのに第2の処理パラメータセットを用いる。
【0006】
実施態様には、任意の組合せにおいて、以下のことの1つ又は複数が含まれ得る。第1の処理パラメータセットを用いて処理されて第1の固定スピーカ及び第2の固定スピーカそれぞれの増幅器に供給されるオーディオ信号は、第2の処理パラメータセットを用いて処理されて第1の固定スピーカ及び第2の固定スピーカに供給されるオーディオ信号とは異なるものでよい。第1の処理パラメータセットを用いて処理されて第1のヘッドレストスピーカの増幅器に供給されるオーディオ信号は、第2の処理パラメータセットを用いて処理されて第1のヘッドレストスピーカに供給されるオーディオ信号とは異なるものでよい。第2の処理パラメータセットを用いて処理されて第1のヘッドレストスピーカの増幅器に供給されるオーディオ信号は、第2の処理パラメータセットを用いて処理されて第2のヘッドレストスピーカに供給されるオーディオ信号とは異なるものでよい。信号プロセッサは、音源からのオーディオ信号を一連のコンポーネント方向に対応する中間信号へとリミックスしてよく、第1の処理パラメータセット及び第2の処理パラメータセットそれぞれが、コンポーネント方向それぞれに対応する中間信号の別々の部分を、ヘッドレストスピーカ並びに第1の固定スピーカ及び第2の固定スピーカに配信してよい。
【0007】
システムは、車両キャビンにおいて、第1のヘッドレストの後方に配置された固定スピーカを含まなくてよい。処理されて増幅器に供給されるオーディオ信号は、運転席から助手席への音響の漏れを最小化し得るものである。第1のヘッドレストスピーカが含み得る少なくとも2つの電気音響トランスデューサは、ヘッドレストのどちらの終端にも少なくとも1つ配置されている。処理されて第1のヘッドレストスピーカの増幅器に供給されるオーディオ信号は、電気音響トランスデューサそれぞれと、別の電気音響トランスデューサの近傍にある聞き手の耳との間の信号のクロストークを制御し得る。第1のヘッドレストスピーカは、ヘッドレストのどちらの終端にもある一組の電気音響トランスデューサアレイを含み得る。第1のヘッドレストスピーカは、ヘッドレストの内部に配置された電気音響トランスデューサアレイを含み得る。バスユニットのアクセサリポートは、オーディオシステムをバスユニットに接続するように構成されてよく、信号プロセッサは、オーディオシステムにバスユニットが接続され得るとき、受信されたオーディオ信号を処理するのに第3の処理パラメータセットを用いてよい。第3の処理パラメータセットを用いて処理されて第1の固定スピーカ及び第2の固定スピーカそれぞれの増幅器に供給されるオーディオ信号は、第1の処理パラメータセット又は第2の処理パラメータセットのいずれかを用いて処理されて第1の固定スピーカ及び第2の固定スピーカに供給されるオーディオ信号とは異なるものでよい。第3の処理パラメータセットを用いて処理されて第1のヘッドレストスピーカの増幅器に供給されるオーディオ信号は、第1の処理パラメータセット又は第2の処理パラメータセットのいずれかを用いて処理されて第1のヘッドレストスピーカに供給されるオーディオ信号とは異なるものでよい。
【0008】
利点には、小型車において高品質のオーディオ体験を提供するための費用対効果が大きい解決策をもたらすことが含まれ、これは、必要に応じて運転者が体験するのと同じ高品質の音響を乗客に提供し、また、必要に応じてシステムの低音応答を向上するように発展する。
【0009】
前述の例及び特徴のすべてが、任意の技術的に可能なやり方で組み合わされ得る。他の特徴及び利点が、説明及び特許請求の範囲から明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】自動車内におけるモジュール式ヘッドレスト埋込型オーディオシステムの概略図である。
【
図2A】スピーカーから聴取者の耳に至る音響経路の概略図である。
【
図2B】スピーカーから聴取者の耳に至る音響経路の概略図である。
【
図2C】スピーカーから聴取者の耳に至る音響経路の概略図である。
【
図2D】スピーカーから聴取者の耳に至る音響経路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
従来型の車載用オーディオシステムは4つ以上のスピーカの組に基づくものであり、2つがダッシュボード上又は前部ドア内にあり、2つは、一般にセダン及びクーペでは後部パッケージ棚に、又はワゴン及びハッチバックでは後部のドアもしくはウォールにある。しかしながら、小型車などの幾つかの車両では、
図1に示されるように、スピーカは、運転者の背後の従来の位置ではなく、ヘッドレストに設けられることがある。これは車両後部のスペースを節約し、また、後部座席に音響を供給するエネルギーを浪費せず、この音響は、あったとしても恐らく乗客のために利用されることのないものである。
図1に示されるオーディオシステム100は、組み合わせた音源/処理/増幅のユニット102を含む。幾つかの例では、様々な機能が複数の構成要素に割り当てられ得る。具体的には、音源は増幅器から分離されることが多く、処理は、音源又は増幅器のいずれかによってなされるが、処理は個別の構成要素によってなされることもある。処理は、音源及び/又は増幅器の機能をもたらす汎用コンピュータにロードされたソフトウェアによってなされることもある。何らかの特定のシステムのアーキテクチャ又は技術が指定されるのではなく、一般に「システム」によってもたらされる信号処理及び増幅が参照される。
【0012】
図1に示されるオーディオシステムは、車両構造に恒久的に取り付けられた2つのスピーカの組104、106を有する。これらは「固定」スピーカと称される。
図1の例では、固定スピーカそれぞれの組が、高音専用スピーカ108、110及び低域から中域のスピーカ112、114の2つのスピーカを含む。それぞれの組の2つのスピーカが、増幅器からの単一の増幅信号によって駆動されてよく、パッシブなクロスオーバ回路(スピーカの一方又は両方に組み込まれてよい)が、様々な周波数範囲の信号を適切なスピーカに分配する。あるいは、増幅器が、帯域制限された信号をそれぞれのスピーカに直接供給してもよい。他の例では全帯域スピーカが使用され、さらに別の例では1組当り2つよりも多くのスピーカが使用される。示されたそれぞれの個別のスピーカがスピーカアレイとして実施されてもよく、これによって、音響のより精巧な波形整形が可能になり得、又は単純に所与の音響圧力レベルを伝えるのに、スペース及び材料のより経済的な使用が可能になり得る。
【0013】
図1の運転者のヘッドレスト120に含まれる2つのスピーカ122、124が、再び抽象的に示され、事実上、それぞれがスピーカアレイであってもよい。スピーカは(個別のスピーカであろうとアレイであろうと)、それら自体が、聞き手の耳への音響の分配を制御するためにアレイとして協働する。ヘッドレストのどちらの終端にも1つずつ、2つのスピーカが配置されてよく、運転者の耳の予期された離隔距離にほぼ相当し、ヘッドレストのクッション(これはもちろんヘッドレストの主要な役割である)のためのスペースが残る。幾つかの例では、スピーカが、ヘッドレストの後ろに、より接近して一緒に配置され、音響は、クッションを取り巻く囲壁を通ってヘッドレストの前部に伝えられる。これらのスピーカは、ヘッドレストの機械的要求及びシステムの音響の目標に依拠して、互いに対して、またヘッドレスト構成要素に対して、様々なやり方で配向されてよい。参照によってここで組み込まれる同時係属の特許文献1は、ヘッドレストの安全機能を損なうことなくヘッドレストの中にスピーカを実装する幾つかの設計を説明している。
図1に示されるヘッドレストのスピーカは、シートを通り抜けるケーブル130によって音源102に接続されているが、ケーブルが電力のみを供給する状況では、音源102とワイヤレスで通信してもよい。幾つかの例では、スピーカ122及び124は、ヘッドレストに直接配置されるのでなく、シートバック、特にヘッドレストがシートバックの一体化された部分であるシートの中に、又はヘッドライナもしくはロールバーの中など他の場所に配置されてよい。
【0014】
小型車のオーディオシステムは、運転者の体験を部分的に最適化し、また、乗客のヘッドレストにスピーカを設けないように設計されることがある。追加のスピーカ128及び130と、乗客のヘッドレスト126並びに後部装着の低音ボックス132は、乗客に音響を提供すること、又は有益な保管スペースをオーディオ性能の向上のために犠牲にすることを望む買い手に、選択肢として提供されてよい。そのような任意選択のスピーカが組み込まれるとき、オーディオシステムの全体の調整が、追加のスピーカを最大限に活用するように調節される。
【0015】
ケーブル134は、車両が製造された後で助手席のシートに任意選択の第2のヘッドレスト126を追加する作業を簡単にするために助手席の中にあってよく、又は、第2のヘッドレストが購入されるとき、必要に応じてディーラーによって追加されてもよい。ヘッドレスト126がワイヤレスであれば、ケーブル134はヘッドレストに電力のみを供給すればよく、位置決め電動機及びヒータなどの他の給電される機能のためにシートの中に既に存在してもよい。車両の荷物積載区画に配置された任意選択の低音ボックス132がケーブル136によって音源102に接続されており、ケーブル136も、当初の部品であってよく、ディーラーによって組み込まれてもよい。幾つかの例では低音ボックス132がビルトイン増幅器138を有し、その結果、音源102は、イコライゼーションされた未増幅のオーディオ信号のみを低音ボックスに供給すればよい。
【0016】
可調パラメータの大きな組は、オーディオシステムの性能に影響を及ぼし、所与のオーディオシステムにおいて所望の体験を提供するように構成されたそのようなパラメータの1つの組は「チューニング」と呼ばれる。チューニングには、それぞれのオーディオ信号に適用される利得、様々なスピーカによって生成された音響の位相整列を制御するための、様々なオーディオ信号に対する位相調整、音響を成形するために適用されるフィルタなどのパラメータの値が含まれ得る。具体的には、ヘッドレストスピーカを含むシステムに対して、頭における音響のバイノーラル知覚を制御し、また、それぞれの聞き手の両方の耳に到達する信号間のクロストークと各シート間のクロストークとを回避するか又は制御するために、複素フィルタが使用され得る。
【0017】
幾つかの例では、オーディオ音源は2チャネルすなわち左右のステレオオーディオのみを供給する。その他の一般的な選択肢には、4チャネルすなわち前部と後部のどちらにも左右のチャネルを有するものと、サラウンド音響音源のための5チャネルを有するものとの2つがある。4チャネルは、通常は、標準的な自動車のヘッドユニットが使用されるときに見られ、この場合、2つの前部チャネルと2つの後部チャネルが通常は同一のコンテンツを有するが、ヘッドユニットにおける「音量調節器の」設定によって異なるレベルを有し得る。本明細書で説明されたようにシステム向けに音響を適切にミックスするために、オーディオの2つ以上のチャネルが、音響が来るように聞こえる様々な方向に対応するコンポーネントの中間の数へとアップミックスされ、次いで、システムにおけるそれぞれの特定のスピーカを意味する出力チャネルへとリミックスされる。そのようなアップミックス及びリミックスの例の1つが、参照によってここで組み込まれる特許文献2に説明されている。「コンポーネント」という用語は、元の音源材料がアップミックスされる中間の指向性の割当てそれぞれを指すのに用いられる。各コンポーネントの一部分が各出力チャネルへとミックスされる(とはいえ、幾つかのコンポーネント出力チャネルの組合せについては、その一部分はゼロに近づき得る)。たとえば「右前部」コンポーネント向けのオーディオ信号は、主として右側の固定スピーカに対して配信され、そのいくらかの部分が右側ヘッドレストスピーカにも配信されることになる。「中心前部」コンポーネント向けのオーディオ信号は、右側と左側の固定スピーカに対して均等に配信され、そのいくらかの部分が右側と左側のヘッドレストスピーカにも配信されることになり、このことは、聞き手が中心コンポーネントを感知して生じさせる位置への集中を支援する。出力チャネルに対するコンポーネントのコンテンツの特定の配信は、組み込まれているヘッドレストスピーカ及びその数に基づいて変化することになる。それを支援する、このミックス及び信号処理の一例が、参照によってここで組み込まれる同時係属の特許文献3に説明されている。
【0018】
車両の調整によって制御されるオーディオ体験の一態様には、音響ステージがある。「音響ステージ」は、聞き手の、音響がどこから来るかという知覚を指すものである。具体的には、音響ステージは、一般に、広く(音響が聞き手の両側から聞こえる)、深く(音響が近傍と遠方の両方から聞こえる)、正確である(聞き手が、特定の音響が聞こえる方向を識別することができる)ことが望まれる。理想的なシステムでは、レコード音楽を聞く人は眼を閉じ、生演奏を聞いていると想像して、それぞれの演奏家がどこにいるのか指摘することができる。関連する概念に「包み込み」があり、これは、音響を正確に局在化可能かどうかということとは無関係に、聞き手の背後を含むすべての方向から音響が聞こえるという知覚を指すものである。音響ステージ及び包み込み(及び一般に音響位置)の知覚は、聞き手の両方の耳に到達する音響のレベルと、その間の到着時間(位相)の差に基づくものであり、音響ステージは、これらの相互の聴覚レベル及び時間差を制御するように、スピーカによって生成されるオーディオ信号を操作することによって制御することができる。参照によってここで組み込まれる特許文献4に説明されているように、ヘッドレスト埋込型スピーカばかりでなく固定スピーカも、空間認知を制御するように協働して利用される。
【0019】
ヘッドレスト埋込型システムが単独で使用される場合、音響は、スピーカが実際にある、聞き手の背後から来るように感知されるはずである。しかしながら、ヘッドレストの中のスピーカは、ダッシュボード上又はドアの中などの従来の固定位置における運転者の前方のスピーカと適切に組み合わせたときには、フロントスピーカから来る音響のステージングを改善するのに使用され得る。すなわち、ヘッドレストは、「後部」音響をもたらすために後部座席スピーカを単に置換するのでなく、車両の前部から来る音響の聞き手の知覚に的を絞って制御するのに使用される。これは、単独のフロントスピーカよりも、より広い、又はより深い、より制御された音響ステージをもたらすことができる。
【0020】
前部固定スピーカの音響ステージを拡張するためにヘッドレストスピーカを使用するには、チューニングが、それぞれのスピーカへ進む信号に対して特定の調整をもたらす。両方の固定スピーカ104、106及びヘッドレストスピーカ122、124、128、130のチューニングは、1つのヘッドレストを使用するシステム向けと2つのヘッドレストを使用するシステム向けとでは異なることになる。単一ヘッドレストのシステムは、その1つのヘッドレストが車両の反対側にあって他の点では同一のシステムからも異なることになる(最低でも、左側と右側の信号に対して用いられるパラメータが反転されることになる)。
図2Aから
図2Dは、これらの調整を説明するために用いられ、
図1のスピーカに対して配置されていると期待される、2人の聞き手の頭を示すものである。運転者202は左耳204及び右耳206を有し、乗客208の耳には210及び212とラベルが付けられている。破線の矢印は、以下で説明されるように、スピーカから聞き手の耳への音響の様々な経路を示すものである。
図2Aはすべての経路を一度に示しており、一方
図2Bから
図2Dは、システムのチューニングの様々な特定の態様に関連する経路のサブセットを示すものである。これらの矢印は「信号」又は「経路」と称されるが、実際には、スピーカが放射する音響の方向を制御することができるとは(可能かもしれないが)想定されていない。それぞれのスピーカに割り当てられた各信号が重ねられて最終的な出力信号が生成され、それぞれのスピーカからのすべてのエネルギーが全方向に伝わり得る。矢印は、容易な参照のためのスピーカ及び耳の様々な組合せを単に概念的に示すものである。アレイ又は他の指向性スピーカの技術が用いられる場合、何らかの方向制御をもたらすために、スピーカの様々な組合せに対して信号が供給されてよい。
【0021】
図2Bは、運転者のヘッドレストのみが組み込まれているときの音響の配信を示すものである。それぞれの固定スピーカからの信号220、222、224、及び226が運転者の両方の耳に到達する。個別の固定スピーカに関して、近い方の耳に到達する同一の信号(220及び226)に対して、反対側の耳に到達する信号(222及び224)のわずかな時間遅延により、運転者は、音響を正しい側へ局在化することになる。右側の固定スピーカ106からの信号が右側の耳に到達し、同時に左側の固定スピーカ104からの対応する信号が左側の耳に到達するのを確実にするために、固定スピーカに送られる信号の位相が修正される。したがって、同じコンテンツを有する両側からの信号が、両方の耳において同時に感知され、中心から来るものとして感知されることになる。
【0022】
中心コンポーネントからの信号もヘッドレストスピーカに送られる。それぞれのヘッドレストスピーカは、このとき、対応する耳204及び206で聞かれるものと想定される。ヘッドレストスピーカは、両方の耳において、固定スピーカからの信号の前又は後に、信号を、制御された時間長だけ供給することにより(すなわち、位相を操作することによって)、中心コンポーネントの音響を、運転者が前方にまさに集中しているように感知するように、又は運転者のまわりでより拡散するように制御するのに使用され得る。
【0023】
アップミックスされたオーディオ信号の右側コンポーネント及び左側コンポーネントそれぞれに対応する信号も、固定スピーカとヘッドレストスピーカの両方に送られる。図から明らかなように、隣り合ったシートを有するいずれの車両も、左側の固定スピーカは、運転者に対して右側の固定スピーカよりもかなり近接している。このことによって、ヘッドレストスピーカがなければ、音響ステージは、右側からの音響は右に遠く離れている一方で左側からの音響は間近にあるように、非常に不均整に感じられる可能性がある。これは、左側と右側のヘッドレストスピーカにおいて、左側と右側のコンポーネントの一部分を違ったやり方で供給することによって改善することができる。左側のヘッドレストスピーカ122が、左側の固定スピーカ104からの音響の音像を、より遠く後方へ引っ張るように使用され、この音像が、車両の実際の境界の外部の左へ、より遠く感知されることになり、右側のヘッドレストスピーカ124が、右側の固定スピーカ106からの音響の音像を内側へ引っ張るように使用される。
【0024】
図2Cのように乗客のヘッドレスト126が追加されると、助手席について同じ問題が存在するが、左側から右側に反転される。左側の固定スピーカ104は両方の聞き手の左耳220及び232において聞かれ、右側の固定スピーカ106は両方の聞き手の右耳226及び234において聞かれる。固定スピーカからの反対側の耳の経路は、上記で説明されているので無視され得るため、示されていない。運転者のヘッドレストの右側スピーカへ行く右側コンポーネント信号に対して経路230向けに適用される処理が、このとき乗客のヘッドレストの左側スピーカへ行く左側コンポーネント信号に対して経路236向けに適用され、逆の場合も同じである(すなわち、左側コンポーネントの経路228向けの処理が右側コンポーネントの経路238向けの処理に適用される)。したがって、処理が反転されて、コンポーネント信号が両方のヘッドレストの同一の側へ行く。
【0025】
ヘッドレスト信号とは対照的に、運転者における音響ステージのバランスをとるために右側の固定スピーカ106に行く信号に施される位相調整は、乗客によって同様に感知される可能性は低い。このとき、2人の聞き手が存在すると想定されているので、固定スピーカに行く信号の位相は、両方のシートにおいて得られる最善のバランスをもたらすように調整されることになる。これは、たとえば中心音像の精度を落とすものの、両方の位置を考えたときの全体のオーディオシステムの知覚を改善することにより、単一シートの性能を譲歩する可能性がある。
【0026】
図2Dに示されるように、異なる構成の間で変化することになるチューニングの別の態様にはクロストーク消去がある。クロストーク消去は、第1の耳向けに意図された音響と一致するが異相であるオーディオ信号を第2の耳に供給することによって、第1の耳向けに意図された音響が別の耳に到達するのを防止するために用いられ、好ましくない信号に対して弱め合う干渉をもたらす(すなわち消去する)。1つのヘッドレストの内部で、左側スピーカと右側スピーカの間にクロストーク消去がもたらされる。ヘッドレストの中の2つのスピーカは、左側スピーカ122からの信号と同一のコンテンツを有するが運転者の右耳においてその信号と異相になるはずの信号を右側スピーカ124から供給することによって、アレイとして使用される。したがって、信号230は、右側コンポーネントのコンテンツを右耳に配信するためばかりでなく、左側ヘッドレストスピーカ122からの左側コンポーネントのコンテンツ240を右耳206において消去するためにも用いられる。同様に、信号228は、右側ヘッドレストスピーカ124からの右側コンポーネントのコンテンツ242を左耳204において消去するのに用いられる。
【0027】
第2のヘッドレスト126が存在するとき、運転者のヘッドレストの右側スピーカ124は乗客の左耳に近い。このため、乗客の左耳210には、右側スピーカからの信号248(いずれかのコンテンツ又は左側スピーカ122からのクロストーク消去のためのもの)が聞こえることになり、望ましくないであろう。同様に、乗客の左側スピーカ128からの信号250が運転者の右耳206に聞こえる可能性がある。これを回避するために、内側のスピーカ(運転者の右側スピーカ124及び乗客の左側スピーカ128)によって供給される直接信号及びクロストーク消去のレベルを低下させてよい。これは、ヘッドレストがもたらすことができる音響ステージに対する制御とクロストーク消去との品質を落とすが、シートの全域で信号の不愉快な漏れを回避するものである。
【0028】
システムが有能であれば、幾つかの付加的な処理が可能である。たった今述べたように、それぞれのヘッドレストから反対側の座席位置へ漏れる信号がある。この漏れを回避するために内側のスピーカの出力を低下させる代わりに、それぞれのヘッドレストのスピーカを組み合わせて、反対側の頭の方向へそれら自体の音響を消去するように使用することができ、すなわち、スピーカ122及び124が経路248を消去するために使用され、スピーカ128及び130が経路250を消去するために使用される。そのような制御をより実現可能にするための手法の1つに、ヘッドレストスピーカの位置それぞれに対してトランスデューサアレイを使用するものがある。
【0029】
幾つかの例では、オーディオシステムは、1つのヘッドレスト用と2つのヘッドレスト用との少なくとも2つのチューニングをあらかじめ有して構成される。システムは、左側と右側の単一のヘッドレストのチューニングを有して構成されてもよい。1つのヘッドレストしか組み込まれていないとき、適切な単一のヘッドレストのチューニングが用いられる。第2のヘッドレストが追加されたとき、システムは、2つのヘッドレストのチューニングへと変更する。変更は、オーディオシステムが両方のヘッドレスト用にあらかじめ配線されている場合には自動的に行われてよく、したがって第2のヘッドレストの組込みを検出することができ、又は、変更は、第2のヘッドレストを組み込む技術者もしくはユーザからの命令で行われてもよい。ヘッドレストの存在の検出は、(常に存在する備品に対して行われることと比較して)コネクタに追加された付加的なピンを使用して、スピーカが取り付けられているかどうか確かめるためにケーブル上のインピーダンスを周期的にポーリングすることによって、又はヘッドレストに信号を供給するのに使用されるワイヤレストランシーバによって行われてよい。
【0030】
固定フロントスピーカのチューニングは、任意選択の低音モジュールが組み込まれているかどうかということにも依拠することになる。低音ボックスが利用可能なとき、フロントスピーカから低音ボックスへの低周波コンテンツの配信のバランスをとり直すことに加えて、フロントスピーカに供給されるすべての信号の合計のレベル及び位相は、システムの感知されるバランスを全体の可聴スペクトルにわたって制御するために変更されることになる。たとえば、低音ボックスが存在するために、より大きい低音周波数のレベルが利用可能なときには、中間周波数の音響及び高周波数の音響も、低周波数の音響を供給するためにフロントスピーカしか使用しない場合よりも大きく再生され得る。これは、他の周波数のレベルを同一に保ちながら低音のレベルを増加すると、高い周波数が実際にはより静かに聞こえるためであり、反対に、高レベルの低音が利用可能でなければ、中間周波数の音響及び高周波数の音響は、システムが甲高く強烈に聞こえるのを回避するために抑制されてよい。幾つかの例では、システムのすべてのスピーカの位相整列は、低音ボックスを組み込んだ状態で求められて、その位相整列は、低音ボックスがあるモードとないモードの両方で用いられる。低音のボックスの有無に基づいて変更されるのは、出力チャネルへ行く音響のレベル及びコンポーネントの混合比である。
【0031】
オーディオシステムは、低音ボックスの有無のどちらの状況でも使用するように、第2のヘッドレストと同様に2つのチューニング(ヘッドレストのチューニングの組の数が掛けられる)を有してあらかじめ構成されてよく、適切なチューニングが同一のやり方でロードされる。任意選択のヘッドレストの場合もさることながら、任意選択の低音ボックスの場合には、顧客は、最大限の荷物を積載して運送するとき利用可能な空間をより大きくするためなど、低音ボックスを除去して、後の様々な時間に再び組み込むことを選択する可能性が高い。このために、システムが低音ボックスの有無を自動的に検出して、適切なチューニングを自動的にロードするのが有利である。
【0032】
前述のシステム及び方法の実施形態が含み得るコンピュータ構成要素とコンピュータで実施されるステップとは、当業者には明白であろう。たとえば、コンピュータで実施されるステップは、たとえばフロッピディスク、ハードディスク、光ディスク、フラッシュROM、不揮発性ROM、及びRAMなどのコンピュータ可読媒体にコンピュータ実行可能命令として記憶され得ることが当業者には理解されるはずである。さらに、コンピュータ実行可能命令は、たとえばマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、ゲートアレイなどの様々なプロセッサ上で実行され得ることが当業者は理解されるはずである。説明の容易さのために、本明細書では、前述のステップ又はシステム及び方法の要素のすべてがコンピュータシステムの一部分であると説明されているわけではないが、当業者なら、それぞれのステップ又は要素が、対応するコンピュータシステム又はソフトウェアコンポーネントを有し得ることを認識するであろう。したがって、そのようなコンピュータシステム及び/又はソフトウェアコンポーネントは、それらが対応するステップ又は要素(すなわちそれらの機能)を記述することによって有効になり、本開示の範囲内に入るものである。
【0033】
複数の実施態様が説明されてきた。しかしながら、本明細書で説明した発明概念の範囲から逸脱することなくさらなる修正形態が製作され得、したがって、他の実施形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内であることが理解されよう。
【符号の説明】
【0034】
100 オーディオシステム
102 音源/処理/増幅のユニット、音源
104 スピーカの組、固定スピーカ
106 スピーカの組、固定スピーカ
108 高音専用スピーカ
110 高音専用スピーカ
112 低域から中域のスピーカ
114 低域から中域のスピーカ
120 運転者のヘッドレスト
122 スピーカ、ヘッドレストスピーカ
124 スピーカ、ヘッドレストスピーカ
126 乗客のヘッドレスト、ヘッドレスト
128 スピーカ、ヘッドレストスピーカ
130 ケーブル、スピーカ、ヘッドレストスピーカ
132 低音ボックス
134 ケーブル
136 ケーブル
138 ビルトイン増幅器
202 運転者
204 左耳
206 右耳
208 乗客
210 乗客の耳
212 乗客の耳
202 運転者
204 運転者の左耳
206 運転者の右耳
208 乗客
210 乗客の左耳
212 乗客の右耳
220 固定スピーカからの信号
222 固定スピーカからの信号
224 固定スピーカからの信号
226 固定スピーカからの信号
228 経路(信号)
230 経路(信号)
232 経路(信号)
234 経路(信号)
236 経路(信号)
238 経路(信号)
240 左側コンポーネントのコンテンツ
242 右側コンポーネントのコンテンツ
248 右側スピーカからの信号
250 左側スピーカからの信号