(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回線検出手段が前記ファクシミリ装置用回線が接続されていないと判別したとき、前記入力用接続端子から入力されたファクシミリ信号を前記復調手段用信号選択手段で選択させ、前記変調手段用信号選択手段は前記出力用接続端子を経て前記変調手段によって変調したファクシミリ信号を出力するように選択させることを特徴とする請求項2記載のファクシミリ装置。
通信相手となる特定の装置に接続するためのダイヤル情報を入力するダイヤル情報入力手段と、このダイヤル情報入力手段で入力したダイヤル情報を自装置に接続した電話機用回線を経て交換機に送出するダイヤル情報送出手段と、前記自装置に接続した電話機用回線を経て所定の文書の画像情報を表わしたファクシミリ信号が送られてくるときこれを受信するファクシミリ信号受信手段とを備えた所定の電話機と、
請求項1〜4いずれかに記載のファクシミリ装置とを具備することを特徴とするファクシミリ通信システム。
前記所定の電話機は、前記ファクシミリ信号受信手段の受信したファクシミリ信号および前記ファクシミリ装置が前記ダイヤル情報入力手段で入力したダイヤル情報の示す宛先へ送信するファクシミリ信号を、前記ファクシミリ装置との間で授受するコネクタを具備することを特徴とする請求項5記載のファクシミリ通信システム。
前記コネクタが前記ファクシミリ装置と接続されている状態で、かつ前記コネクタを経由してファクシミリ信号の送受信が行われていない状態で、前記所定の電話機の通話を確保するための送受話器と電話機本体を接続する経路を形成するスイッチ手段を具備していることを特徴とする請求項6記載のファクシミリ通信システム。
文書の画像情報を表わしたファクシミリ信号の送受信に使用する回線としてのファクシミリ装置用回線がファクシミリ装置に接続されているか否かを検出する回線接続有無検出ステップと、
この回線接続有無検出ステップで前記ファクシミリ装置用回線がファクシミリ装置に接続されていないと判別したとき、ファクシミリ通信用の変復調装置を前記ファクシミリ装置用回線側からこのファクシミリ装置に外付けされた電話機との信号入出力側へと切り替える電話機側切替ステップと、
この電話機側切替ステップで前記電話機との信号入出力側へと切り替えた後、前記ファクシミリ装置のスタートキーが押下される時点を監視するスタートキー押下監視ステップと、
このスタートキー押下監視ステップでスタートキーが押下されたとき前記ファクシミリ装置に送信用の文書がセットされているか否かを判別する文書判別ステップと、
この文書判別ステップで文書がセットされていることが判別されたとき前記送信用の文書の読み取りを開始する文書読取ステップと、
この文書読取ステップで読み取った文書の画像情報を変調して前記電話機側切替ステップで切り替えられた前記電話機との信号入出力側の経路を介してこの電話機で発信したダイヤル情報の示す宛先へファクシミリ信号を送信する電話機経由送信ステップと、
前記文書判別ステップで文書がセットされていることが判別されなかったとき前記電話機との信号入出力側の経路を介してファクシミリ信号を受信する電話機経由受信ステップとを具備することを特徴とするファクシミリ通信方法。
【背景技術】
【0002】
画像情報を含む原稿等の各種文書を読み取って相手先の装置にファクシミリ信号として送信したり、相手先の装置からファクシミリ信号を受信するファクシミリ装置は、その装置本体に通信のための電話回線を接続する接続手段を有する構成となっているのが一般的である。このような一般的なファクシミリ装置は、ファクシミリ通信に必要な回路だけでなく、ダイヤル機能や通話時に使用する送受話器等の電話機自体の機能も併せ持っているのが通常である。この一方で、ファクシミリ装置の中には、コストダウン等の要請から、電話帳機能やオートダイヤル機能のようなユーザにとって便利な機能が備えられていない場合もある。
【0003】
そこで、本発明の第1の関連技術として、ファクシミリ装置の本体に電話機を接続可能にして、その電話機の有する機能を活用できるようにすることが提案されている(たとえば特許文献1参照)。
【0004】
図10は、本発明の第1の関連技術によるファクシミリ装置と電話機の接続状態を示したものである。この第1の関連技術によるファクシミリ装置100は、装置本体101にファクシミリ通信を行うための電話回線102を接続する第1の接続部103を備えている。また、このファクシミリ装置100は、外付けの電話機104を使用するようになっており、この電話機104に接続されたケーブル105を装置本体101内を経由して電話回線102に接続するための第2の接続部106を備えている。
【0005】
装置本体101内の各種制御を行う制御部111は、データバス等の信号伝達手段112を経由して、着信検出部113、モデム114、フック状態検出部115、ダイヤル信号検出部116、キーボード117、記録部118、読取部119および表示部120と接続されている。ここで、着信検出部113は図示しない他のファクシミリ装置からファクシミリ通信があったときその着信を検出する。モデム114はファクシミリ通信のための変調および復調を行う。フック状態検出部115は、外付けの電話機104のオンフックまたはオフフックを検出する。ダイヤル信号検出部116は、この電話機104の出力するダイヤル信号を検出する。キーボード117は、各種の操作に使用するキースイッチからなる。外付けの電話機104を使用せずに他のファクシミリ装置に文書を送信するとき、このキーボード117を使用してダイヤルすることができる。記録部118は、他のファクシミリ装置から送られてきた画像情報を含む文書を記録したり、自装置で読み取った文書のコピーを作成する。読取部119は自装置側の原稿を読み取るための1次元イメージセンサを備えている。表示部120は、各種の視覚的な情報を表示するディスプレイから構成されている。
【0006】
着信検出部113、モデム114、フック状態検出部115およびダイヤル信号検出部116は、回線切換回路121と接続されている。回線切換回路121は、第1のケーブル122を介して第1の接続部103と接続されており、第2のケーブル123を介して第2の接続部106と接続されている。
【0007】
このような第1の関連技術によるファクシミリ装置100では、フック状態検出部115が外付けの電話機104のオンフックまたはオフフックを検出するようになっている。たとえば電話機104の送受話器104Aが電話機本体104Bの上に置かれた状態としてのオンフックの状態で、回線切換回路121は電話回線102を着信検出部113およびモデム114と接続しており、外付けの電話機104とは切り離されている。
【0008】
この状態で、ファクシミリ装置100に電話回線102を介して他のファクシミリ装置からファクシミリ信号が送られてきたとする。すると、着信検出部113が着信を検出してモデム114が画像情報を復調して記録部118が文書をプリントアウトする。
【0009】
次に第1の関連技術で外付けの電話機104を使用して相手側のファクシミリ装置に文書を送信する場合を説明する。ユーザがキーボード117上の所定の通信キーを押すと、制御部111は原稿が読取部119にセットされているかをチェックする。この状態で制御部111は電話機104の送受話器104Aがオンフックの状態であることを検出すると、文書を自動で送信する自動送信モードにセットする。そして、ユーザが電話機104の送受話器104Aを取り上げると、そのオフフックの状態でダイヤル信号検出部116が電話機104からダイヤル信号が送り出されるのを検出して、回線切換回路121がこれを電話回線102に送り出す。
【0010】
ダイヤル信号検出部116がダイヤル信号の送出終了を検出すると、回線切換回路121はモデム114を電話回線102に接続してCNG(calling signal)信号を接続先の相手先のファクシミリ装置に送出する。CNG信号は送信元が受信側のファクシミリ装置に対して自装置がファクシミリ装置であることを示す識別信号である。受信側のファクシミリ装置がこのCNG信号に対して応答すると、制御部111はこの応答を条件としてモデム114で変調した画像情報を含む文書を電話回線102を使用して送信する。
【0011】
また、ユーザが外付けの電話機104をオフフックにした状態で原稿をセットした後に前記した所定の通信キーを押した場合には、制御部111はファクシミリ装置100を手動モードに設定する。この場合、ユーザは電話機本体104Bを操作してダイヤル情報をマニュアルで入力した後に所定の交信手順を経て相手先のファクシミリ装置に文書を送信することができる。
【0012】
このように第1の関連技術を使用すると、ファクシミリ装置100を自動送信モードに設定することで、外付けの電話機104がオートダイヤル機能を有していれば、ユーザがダイヤル情報をいちいち入力することなく、相手先のファクシミリ装置に文書を送信することができる。また、第1の関連技術では、CNG信号に対して相手先のファクシミリ装置が応答を返してきた時点を検出して文書の送信を開始することができる。したがって、ユーザが文書を送信するまでの操作の手間を省くことができる。
【0013】
しかしながら、ファクシミリ装置の機能はこの第1の関連技術の提示された後も高度化してきており、装置本体内に電話帳機能を備えたり、オートダイヤル機能を備えることも一般化している。この一方で、デジタル回線やIP(Internet Protocol)網を利用したファクシミリ通信に対応するファクシミリ装置の要請も高くなっている。
【0014】
そこで本発明の第2の関連技術として、ファクシミリ装置をゲートウェイ装置に接続して、そのゲートウェイ装置の有する拡張機能を活用することが提案されている。この第2の関連技術では、ファクシミリ装置のアナログ電話回線をゲートウェイ装置のアナログ信号用の端子に接続するようにしている。ゲートウェイ装置は、ファクシミリ装置が文書を送信しようとするときにアナログ電話回線から送られてくるアナログダイヤル信号を検出し、回線の形態に即した電話番号を表わす識別信号へ変換するようになっている。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明のファクシミリ装置のクレーム対応図を示したものである。本発明のファクシミリ装置10は、入力用接続端子11と、復調手段12と、変調手段13と、出力用接続端子14を備えている。ここで、入力用接続端子11は、所定の電話機がこれに備わった電話機用回線を経て受信した文書の画像情報を表わしたファクシミリ信号を入力する。復調手段12は、入力用接続端子11から入力した前記したファクシミリ信号を復調して前記した文書の画像情報を再生する。変調手段13は、送信の対象となる文書の画像情報を変調する。出力用接続端子14は、変調手段13によって変調した文書の画像情報を表わすファクシミリ信号を前記した電話機で入力して発信したダイヤル情報の示す宛先への送信用として前記した電話機に出力する。
【0027】
図2は、本発明のファクシミリ通信システムのクレーム対応図を示したものである。本発明のファクシミリ通信システム20は、所定の電話機21と、ファクシミリ装置22を備えている。ここで、所定の電話機21は、ダイヤル情報入力手段21aと、ダイヤル情報送出手段21bと、ファクシミリ信号受信手段21cを備えている。ダイヤル情報入力手段21aは、通信相手となる特定の装置に接続するためのダイヤル情報を入力する。ダイヤル情報送出手段21bは、ダイヤル情報入力手段21aで入力したダイヤル情報を自装置に接続した電話機用回線を経て交換機に送出する。ファクシミリ信号受信手段21cは、前記した自装置に接続した電話機用回線を経て所定の文書の画像情報を表わしたファクシミリ信号が送られてくるときこれを受信する。
【0028】
図3は、本発明のファクシミリ通信方法のクレーム対応図を示したものである。本発明のファクシミリ通信方法30は、回線接続有無検出ステップ31と、電話機側切替ステップ32と、スタートキー押下監視ステップ33と、文書判別ステップ34と、文書読取ステップ35と、電話機経由送信ステップ36と、電話機経由受信ステップ37を備えている。ここで、回線接続有無検出ステップ31では、文書の画像情報を表わしたファクシミリ信号の送受信に使用する回線としてのファクシミリ装置用回線がファクシミリ装置に接続されているか否かを検出する。電話機側切替ステップ32では、回線接続有無検出ステップ31で前記したファクシミリ装置用回線がファクシミリ装置に接続されていないと判別したとき、ファクシミリ通信用の変復調装置を前記したファクシミリ装置用回線側からこのファクシミリ装置に外付けされた電話機との信号入出力側へと切り替える。スタートキー押下監視ステップ33では、電話機側切替ステップ32で前記した電話機との信号入出力側へと切り替えた後、前記したファクシミリ装置のスタートキーが押下される時点を監視する。文書判別ステップ34では、スタートキー押下監視ステップ33でスタートキーが押下されたとき前記したファクシミリ装置に送信用の文書がセットされているか否かを判別する。文書読取ステップ35では、文書判別ステップ34で文書がセットされていることが判別されたとき前記した送信用の文書の読み取りを開始する。電話機経由送信ステップ36では、文書読取ステップ35で読み取った文書の画像情報を変調して前記した電話機側切替ステップで切り替えられた前記した電話機との信号入出力側の経路を介してこの電話機で発信したダイヤル情報の示す宛先へファクシミリ信号を送信する。電話機経由受信ステップ37では、文書判別ステップ34で文書がセットされていることが判別されなかったとき前記した電話機との信号入出力側の経路を介してファクシミリ信号を受信する。
【0029】
図4は、本発明のファクシミリ通信プログラムのクレーム対応図を示したものである。本発明のファクシミリ通信プログラム40は、ファクシミリ装置のコンピュータに、回線接続有無検出処理41と、電話機側切替処理42と、スタートキー押下監視処理43と、文書判別処理44と、文書読取処理45と、電話機経由送信処理46と、電話機経由受信処理47を実行させるようにしている。ここで、回線接続有無検出処理41では、文書の画像情報を表わしたファクシミリ信号の送受信に使用する回線としてのファクシミリ装置用回線がファクシミリ装置に接続されているか否かを検出する。電話機側切替処理42では、回線接続有無検出処理41で前記したファクシミリ装置用回線が前記したファクシミリ装置に接続されていないと判別したとき、ファクシミリ通信用の変復調装置を前記したファクシミリ装置用回線側からこのファクシミリ装置に外付けされた電話機との信号入出力側へと切り替える。スタートキー押下監視処理43では、電話機側切替処理42で前記した電話機との信号入出力側へと切り替えた後、前記したファクシミリ装置のスタートキーが押下される時点を監視する。文書判別処理44では、スタートキー押下監視処理43でスタートキーが押下されたとき前記したファクシミリ装置に送信用の文書がセットされているか否かを判別する。文書読取処理45では、文書判別処理44で文書がセットされていることが判別されたとき前記した送信用の文書の読み取りを開始する。電話機経由送信処理46では、文書読取処理45で読み取った文書の画像情報を変調して前記した電話機側切替処理で切り替えられた前記した電話機との信号入出力側の経路を介してこの電話機で発信したダイヤル情報の示す宛先へファクシミリ信号を送信する。電話機経由受信処理47では、文書判別処理44で文書がセットされていることが判別されなかったとき前記した電話機との信号入出力側の経路を介してファクシミリ信号を受信する。
【0032】
図5は、本発明の実施の形態によるファクシミリ通信システムの構成の概要を表わしたものである。本実施の形態のファクシミリ通信システム200を構成するファクシミリ装置201は、その装置本体202の側面のそれぞれ所定位置に回線差込み用雌型コネクタ203と、送受話器ケーブル差込み用雌型コネクタ204と、電話機本体側ケーブル差込み用雌型コネクタ205を配置した構成となっている。
【0033】
回線差込み用雌型コネクタ203には、必要により第1の電話回線211の雄型コネクタとしての6極2芯のモジュラージャック206を接続することができる。また、送受話器ケーブル差込み用雌型コネクタ204には、ユーザが必要により、電話機212の送受話器213に接続された一例として4極4芯のジャックからなる送受話器ケーブル雄型コネクタ207を接続することができる。電話機212を使用するこの場合には、電話機本体側ケーブル差込み用雌型コネクタ205に対して、一例として4極4芯のジャックで構成された電話機本体ケーブル雄型コネクタ208を接続する。電話機本体214には、電話機212の通信に使用する第2の電話回線215が接続されている。第2の電話回線215は、有線回線であってもよいし、無線回線であってもよい。
【0034】
装置本体202内部は、一部の回路を除いて基本的に通常存在するファクシミリ装置と同一の回路構成となっている。すなわち、装置本体202内部には、ファクシミリ装置201の全体的な制御を行う主制御部221を備えている。主制御部221は、CPU(Central Processing Unit)222と、このCPU222の実行するプログラムを格納したメモリ223を備えている。CPU222は、図示しないデータバス等の信号伝達手段を用いて次の各部と接続されている。
【0035】
読取部224は、たとえば1次元イメージセンサを備えており、図示しない原稿トレイに収容された原稿(図示せず)を所定位置に搬送してその画像情報を読み取るようになっている。記録部225は、たとえばサーマルヘッド等の印刷装置を構成する部品を備えており、図示しない感熱記録紙等の記録紙に文書の画像情報を記録するようになっている。表示部226は、たとえば液晶ディスプレイを備えており、操作用等の各種情報を視覚的に表示し、ユーザの必要とする操作入力を促すようになっている。操作部227は、複数のキースイッチあるいはキーボタンからなり、たとえば電話番号を入力するためのダイヤルキーや、動作の開始あるいは停止のためのスタートキーやストップキーを構成する。ユーザは、これらのキーを操作することで必要な情報を入力し、主制御部221に伝達することができる。
【0036】
ファクシミリモデム228は、図示しないアナログ信号生成回路とアナログ信号検出回路で構成されている。ファクシミリモデム228は、主制御部221の制御によりファクシミリ通信に用いる各種アナログ信号を生成し、相手局からのアナログ信号を検出する役割を担う。また、ファクシミリ信号の送信時には読取部224の読み取った画像情報をアナログ画像信号に変換する一方、受信時には図示しない他のファクシミリ装置から受け取ったアナログ画像信号を記録部225で記録するための画像信号へ変換する役割を担う。
【0037】
第1の切替部229は第1の電話回線211と第2の電話回線215のいずれを通信に使用するかに応じて、リレー接点等の切替手段で構成される第1および第2のスイッチ231、232を第1の電話回線211側か電話機212側に同時に切り替えるようになっている。ファクシミリモデム228と第1の切替部229の間には、第1のスイッチ231のコモン接点C側を接続して受信したファクシミリ信号をファクシミリモデム228に見合うよう増幅する第1の増幅器234と、変調後のファクシミリ信号の送信電力を送話路に見合うように増幅する第2の増幅器235が接続されている。第2の増幅器235はその増幅後の信号を第2のスイッチ232のコモン接点C側に接続している。
【0038】
主制御部221は、リレー接点等の切替手段で構成される第2の切替部233とも接続されている。第2の切替部233は、第3および第4のスイッチ236、237を電話機212側あるいは第1の切替部229側(ファクシミリモデム228側)に同時に切り替えるようになっている。第3のスイッチ236のコモン接点C側は、電話機本体側ケーブル差込み用雌型コネクタ205の一端に受話路238を介して接続されている。また、第4のスイッチ237のコモン接点C側は、電話機本体側ケーブル差込み用雌型コネクタ205の他端に送話路239を介して接続されている。
【0039】
第1のスイッチ231のA接点と第2のスイッチ232のA接点には、2線−4線変換部241が接続されている。第1のスイッチ231のB接点は第3のスイッチ236のB接点に接続され、第2のスイッチ232のB接点は第4のスイッチ237のB接点に接続されている。第3のスイッチ236のA接点と第4のスイッチ237のA接点は、送受話器ケーブル差込み用雌型コネクタ204の一端あるいは他端に接続されている。
【0040】
2線−4線変換部241はアナログハイブリッド回路で構成されている。2線−4線変換部241は、ファクシミリ装置201に第1の電話回線211が収容されている場合、音声信号を送話路と受話路に弁別し、ファクシミリモデム228の送信信号と受信信号を回線上で混合する。この2線−4線変換部241は、主制御部221による制御を受ける網制御部242を介して、回線検出部243と接続されている。回線検出部243は直流検出回路で構成されており、回線差込み用雌型コネクタ203に接続されている。網制御部242は、図示しないリレー、信号検出回路、整合回路等の回路で構成されており、第1の電話回線211が収容されている場合に回線交換と信号伝送の役割を担う。
【0041】
回線検出部243は、装置本体202の回線差込み用雌型コネクタ203にモジュラージャック206を介して第1の電話回線211が接続されているかの検出および監視を行う。すなわち、回線差込み用雌型コネクタ203にモジュラージャック206が接続されて第1の電話回線211が収容されると、回線検出部243が線路に印加された直流を検出し、その検出結果を主制御部221に伝達するようになっている。
【0042】
以上の構成のファクシミリ装置201で、第1および第2の切替部229、233および電話機212を接続するための送受話器ケーブル差込み用雌型コネクタ204および電話機本体側ケーブル差込み用雌型コネクタ205が通常のファクシミリ装置に備えられていない新たな回路となる。このような回路を使用する結果、本実施の形態のファクシミリ装置201の場合には、第2の電話回線215に接続された電話機212を使用可能な状態で第1の電話回線211の接続自体は不要となる。
【0043】
本実施の形態のファクシミリ通信システム200では、ファクシミリ装置201が3種類の雌型コネクタ203〜205を使用するので、これらにそれぞれを識別するネームタグを取り付けたり、ネームプレートを装置本体202の該当個所に貼り付けるようにしてもよい。たとえば、回線差込み用雌型コネクタ203には「電話回線」と表記したネームタグやネームプレートを用意する。また、送受話器ケーブル差込み用雌型コネクタ204には「送受話器」と表記したネームタグやネームプレートを用意する。更に、電話機本体側ケーブル差込み用雌型コネクタ205には「キーテレ」と表記したネームタグやネームプレートを用意すると便利である。第1の電話回線211、送受話器ケーブル雄型コネクタ207および電話機本体ケーブル雄型コネクタ208にも、同様の表記を行ったネームタグを用意するようにしてもよい。
【0044】
ファクシミリ装置201内の主制御部221は、回線検出部243を監視し、第1の電話回線211の接続が検出されないうちは第1の切替部229を電話機212側(B接点側)へ接続する役割を担う。また、この電話機212の制御を行う状態で主制御部221は装置本体202に配置されている操作部227からの電話番号の入力を受け付けないよう制限する制御を行う。また、主制御部221は電話機212の操作に準じた固有のファクシミリ手順を表示部226へ表示させる役割を担うことで、ユーザの操作を補助する。
【0045】
この結果として、ユーザが操作部227を用いて電話機212を使用したファクシミリ通信についての送信指示や受信指示を行うと、主制御部221は第2の切替部233をファクシミリモデム228を使用できる状態に切り替える。
【0046】
図6は、本実施の形態で使用する電話機の回路構成の概要を表わしたものである。電話機212は、その全体的な制御を行う主制御部261を備えている。主制御部261は、CPU262と、このCPU262が実行する制御プログラムを格納したメモリ263を備えている。主制御部261は、電話機共通回路部264、ファクシミリ送受信対応部265、回線接続部266、コネクタ接続部267およびモード判別部268と接続している。
【0047】
ここで、電話機共通回路部264は通常の電話機としての機能を有する回路装置から構成されている。ファクシミリ送受信対応部265は、この電話機212を宛先として他のファクシミリ装置からファクシミリ信号が送られてきたときや、この電話機212を使用してファクシミリ信号を相手先のファクシミリ装置に送信するときに必要な対応を行う回路部分あるいはアプリケーションソフトウェアで構成されている。ファクシミリ送受信対応部265は、たとえば送受信の信号レベルをファクシミリ信号に対応するものに変更したり、ユーザの手動操作で足りない相手側のファクシミリ装置との必要なネゴシエーションを行うことになる。電話機212がIP化されたパケットを用いてファクシミリ通信を行う場合に対応させる場合には、遅延エラーやパケット・ロスに対応する再送機能を備えるようにしてもよい。アプリケーションソフトウェアの書き換えによってメーカ独自のファクシミリ通信手順に対応するようになっていてもよい。
【0048】
回線接続部266は、第2の電話回線215を接続している。コネクタ接続部267は、
図5に示した送受話器ケーブル雄型コネクタ207および電話機本体ケーブル雄型コネクタ208と共に雌型コネクタ269を接続している。
【0049】
送受話器ケーブル雄型コネクタ207は、本実施の形態の電話機212をファクシミリ通信に活用しようとする場合、
図5に示したようにファクシミリ装置201の送受話器ケーブル差込み用雌型コネクタ204に接続するようになっている。これに対して、電話機212をファクシミリ通信に活用する予定がない場合には、送受話器ケーブル雄型コネクタ207を雌型コネクタ269に差し込んでおく。破線270は、送受話器ケーブル雄型コネクタ207が雌型コネクタ269に差し込まれたときの接続状態を示すものである。この接続状態で、ユーザは電話機212の送受話器213を用いて音声で通話を行うことができる。
【0050】
モード判別部268は主制御部261と接続されると共にコネクタ接続部267とも接続されている。モード判別部268は、電話機212がファクシミリ装置201と無関係に通常の電話機としての通信を行う「通常モード」と、ファクシミリ装置201に接続された状態で通信を行う「ファクシミリ併用モード」の2種類のモードの判別を行うようになっている。この判別は、コネクタ接続部267に接続された電話機本体ケーブル雄型コネクタ208が、
図5で示した電話機本体側ケーブル差込み用雌型コネクタ205に接続されているか否かで行うようになっている。具体的には、電話機本体ケーブル雄型コネクタ208が電話機本体側ケーブル差込み用雌型コネクタ205に接続されていない場合、モード判別部268は電話機212が「通常モード」であると判別する。また、電話機本体ケーブル雄型コネクタ208が電話機本体側ケーブル差込み用雌型コネクタ205に接続されている場合には、電話機212が通話だけでなくファクシミリ通信をも可能とする「ファクシミリ併用モード」に設定されていると判別する。「ファクシミリ併用モード」は、所定の条件で電話機212を用いた通話が可能である。すなわち、「ファクシミリ併用モード」はファクシミリ通信と電話による通話を可能にするモードである。
【0051】
モード判別部268におけるこのようなモード判別は、電話機本体ケーブル雄型コネクタ208および
図5に示した電話機本体側ケーブル差込み用雌型コネクタ205を工夫することによって簡単に実現可能である。たとえば、電話機本体ケーブル雄型コネクタ208における信号の伝達に使用しない2つの図示しない特定のピンに対応する電話機本体側ケーブル差込み用雌型コネクタ205の受け側(ソケットピン)をジャンパ線で予め接続しておく。そして、電話機本体ケーブル雄型コネクタ208側の前記した特定のピンの間が導通している場合には電話機本体ケーブル雄型コネクタ208が電話機本体側ケーブル差込み用雌型コネクタ205に接続されているので「通常モード」と判別する。前記した特定のピンの間が導通していない場合、モード判別部268は「ファクシミリ併用モード」と判別することになる。主制御部261は、モード判別部268の判別結果を監視して、電話機212を判別したモードに設定する。
【0052】
なお、本実施の形態では電話機本体214に電話機本体ケーブル雄型コネクタ208を取り付けたので電話機212を単独使用する場合にこれを同じ雄型の送受話器ケーブル雄型コネクタ207と接続することができず、雌型コネクタ269を別途用意するようにしている。この代わりに送受話器ケーブル雄型コネクタ207の「雄型」を「雌型」に変更して、雌型コネクタ269を省略するようにしてもよい。この場合には、
図5に示す電話機本体側ケーブル差込み用雌型コネクタ205の「雌型」も「雄型」に変更するようにすればよい。
【0053】
図7は、本実施の形態でファクシミリ装置に外付けされる電話機の制御の概要を表わしたものである。
図6と共に説明する。
【0054】
主制御部261は、モード判別部268が通常モードと判別した場合には(ステップS301:Y)、電話機212を通常の電話機として機能する通常モードに設定してそのモードを実行する(ステップS302)。通常モードではファクシミリ送受信対応部265がアクティブとなっておらず、これに対する電源の供給は行われない。
【0055】
これに対して、制御部261はモード判別部268が通常モードではないと判別した場合(ステップS301:N)、電話機212のファクシミリ送受信対応部265をアクティブにしてこれに電源を供給する。これにより、電話機212は、ファクシミリ併用モードを実行することになる(ステップS303)。
【0056】
図8は、ファクシミリ装置の制御の概要を表わしたものである。
図5と共に説明する。
【0057】
本実施の形態のファクシミリ装置201の主制御部221は回線検出部243を用いて、第1の電話回線211が装置本体202に接続されているかの監視を行っている。具体的には第1の電話回線211から直流が印加されるかの検出を行う(ステップS321)。直流成分が検出されている場合には(Y)、第1の電話回線211が装置本体202に接続されているので、この第1の電話回線211を用いたファクシミリ通信が可能である。したがって、主制御部221は第1の電話回線211を使用したモードとしての「通常通信モード」を実行する(ステップS322)。
【0058】
この通常通信モードでは、図示しない交換機を経た相手側のファクシミリ装置からファクシミリ装置201の電話番号を宛先としてファクシミリ信号が送られてくると、第1の電話回線211でこれを受信し、ファクシミリモデム228を使用して復調する。記録部225がこの復調した文書を記録する。
【0059】
この通常通信モードで文書を送信しようとする場合、ユーザは原稿を図示しない原稿トレイにセットして操作部227のダイヤルキーを操作して相手先のファクシミリ装置の電話番号を入力する。そして、操作部227のスタートキーを押すことで読取部224が原稿の画像情報を読み取って、ファクシミリモデム228がこれを変調して第1の電話回線211を使用して送信する。以上の通常通信モードにおけるファクシミリ装置201の動作は、従来の一般的なファクシミリ装置と同様である。
【0060】
一方、回線検出部243が第1の電話回線211からの直流成分を検出しなかった場合(ステップS321:N)、主制御部221は第1の電話回線211を用いたファクシミリ通信を行うことができない。そこで、この場合、主制御部221は外付けの電話機212を使用した「外付け通信モード」を実行することになる(ステップS323)。
【0061】
「外付け通信モード」は、以上のように外付けの電話機212を使用するモードである。本実施の形態の「外付け通信モード」では、大まかに分けると次の3つの処理を行うことができる。
(1)外付けの電話機212の送受話器213を使用して、通話を行う処理。
(2)外付けの電話機212の第2の電話回線215を使用してファクシミリ送信を行う処理。
(3)外付けの電話機212の第2の電話回線215を使用してファクシミリ受信を行う処理。
【0062】
図9は、外付け通信モードにおけるファクシミリ装置の制御の様子を表わしたものである。
図5および
図6と共に説明する。
【0063】
主制御部221は外付け通信モードになると、第1の切替部229の第1および第2のスイッチ231、232を共にB接点側に切り替えると共に、第2の切替部233の第3および第4のスイッチ236、237を共にA接点側に切り替える(ステップS341)。これにより、ファクシミリ装置201は2線−4線変換部241、網制御部242および回線検出部243と切り離され、第1の電話回線211と無関係になる。
【0064】
そこで制御部221は、この状態で外付けの電話機212が使用可能であることをユーザに知らせるための表示を表示部226に対して行うと共に、第1の電話回線211の使用を前提とした操作部227の入力を規制する(ステップS342)。具体的には、たとえば表示部226に「ファクシミリのご利用について、添付の電話機を用いて呼び出しをかけてください。」といった主旨のメッセージを表示して、ユーザが電話機212を使用するよう促す。また、ユーザが第1の電話回線211を使用した通常のファクシミリ通信を開始させるときに使用する操作部227のダイヤルキーを押下すると、図示しないスピーカからアラームを出力させて電話番号の入力が不可能であることを知らせる。
【0065】
これにより、ユーザは第1の電話回線211が使用されない状態であることや、電話機212を使用して通信を行うべきことを知ることができる。また、何らかの理由で第1の電話回線211とファクシミリ装置201の接続状態にトラブルが発生していたような場合にも、これに対処して第1の電話回線211を用いた通常のファクシミリ通信を開始させることもできる。
【0066】
主制御部221は表示部226に前記したメッセージを表示したら、更にその後のユーザの操作を案内するメッセージを表示させることもできる。たとえば「呼び出しをかけたら、原稿をセットし「スタート」を押して送信を開始してください」といった主旨のメッセージを表示部226に表示して文書の送信方法を指示することができる。また、「この状態で呼出音が鳴ったら、「スタート」を押してファクシミリの受信を開始させることができます。」というメッセージを表示部226に表示して電話機212を使用したファクシミリ受信が可能なことを知らせることができる。更に、「ファクシミリの送受信を行っていないときには、電話を掛けることもできます。」というメッセージを表示部226に表示して電話機212を使用した通話が可能なことを案内してもよい。
【0067】
主制御部221はステップS342の処理を行っている状態で操作部227のスタートキーが押下されるのを監視している(ステップS343)。スタートキーの押下は、前記したようにファクシミリの送受信に必要な条件となる。したがって、スタートキーが押下されず(ステップS343:N)、また、回線検出部243が直流を検出していない状態(ステップS344:N)で、ユーザは必要により送受話器213を電話機本体214から取り上げて通話を行うことも可能である。
【0068】
この通話が可能な状態で回線検出部243が直流を検出すれば(ステップS344:Y)、この時点で主制御部221は第1の切替部229を第2の電話回線215側(A接点側)に切り替えて(ステップS345:Y)、通常通信モードに移行することになる。
【0069】
次に、外付け通信モードでユーザが文書の送信を行う場合を説明する。この場合、ユーザは送受話器213を持ち上げて、電話機212の電話機共通回路部264に備えられた操作部を使用して相手先のファクシミリ装置の電話番号を入力する。そして、ファクシミリ送信の対象となる原稿(文書)を読取部224にセットして、相手先のファクシミリ装置が文書の送信を指示したらスタートキーを押す(ステップS343:Y)。
【0070】
すると、主制御部221は読取部224に原稿があるかどうかをチェックする(ステップS346)。この場合、読取部224に原稿が存在している(Y)。そこで主制御部221は第2の切替部233の第4のスイッチ237をB接点側に切り替えて(ステップS347)、読取部224で原稿を読み取り、ファクシミリモデム228で変調した後のファクシミリ信号を電話機212から第2の電話回線215を使用して送信する(ステップS348)。ファクシミリ通信が継続している間は(ステップS349:N)、ステップS348の処理が続行する。通信が終了すると(ステップS349:Y)、ステップS341の処理に戻る(リターン)。
【0071】
最後に、外付け通信モードでユーザがファクシミリの受信を行う場合を説明する。この場合、送信側の図示しないファクシミリ装置は外付けの電話機212の電話番号を宛先としてファクシミリ通信を開始してくる。電話機212はこの状態でファクシミリ送受信対応部265がアクティブとなっている。電話機212は図示しない交換機からの呼出信号によって鳴動する。ユーザは送受話器213を電話機本体214から取り上げるか、スタートキーを押下することで相手局との接続を行う。ファクシミリの受信の開始を開始させるためには、表示部226の前記したメッセージによってスタートキーを押下することが必要である。
【0072】
そこで、ユーザがスタートキーを押下すると(ステップS343:Y)、主制御部221は読取部224に原稿があるかどうかをチェックする(ステップS346)。この場合、読取部224に原稿が存在していない(N)。そこで主制御部221は第2の切替部233の第3および第4のスイッチ236、237をB接点側に切り替える(ステップS350)。そして、電話機212が受信したファクシミリ信号をファクシミリモデム228で復調して記録部225で文書を記録する(ステップS351)。ファクシミリ通信が継続している間は(ステップS352:N)、ステップS351の処理が続行する。通信が終了すると(ステップS352:Y)、ステップS341の処理に戻る(リターン)。
【0073】
なお、ファクシミリの送信あるいは受信が終了した時点で(ステップS349:Y、ステップS352:Y)、ステップS341に処理が戻る。このため、ユーザはこの状態で送受話器213を使用して、通話を行うことができる。また、送受話器213を電話機本体214の上に置くことで(オンフック)、通話(通信)を終了させることもできる。
【0074】
以上説明したように本実施の形態のファクシミリ通信システム200によれば、ファクシミリ装置201に第1の電話回線211が接続されていない状態でも、電話機212に接続された第2の電話回線215を使用してファクシミリの送受信が可能になる。したがって、本実施の形態のファクシミリ装置201を使用すれば、従前のアナログ電話回線に加え、電話機212の装置本体202と送受話器213を結ぶ線路における装置本体202側の線路と、送受話器213側の線路とを各々収容することで、従前のアナログ電話回線に対応するだけでなく、アナログ電話回線を利用せずにファクシミリ通信を行うための線路も確保することができる。これにより、より信頼性の高い通信システムを実現することができる。
【0075】
また、本実施の形態によれば、ファクシミリ装置201あるいは電話機212が制御プログラムを使用してモードや通信経路の選択を予め定めた手順で行うようにした。これにより、ユーザの煩わしい操作や設定を必要とせずに装置の使用が可能である。更に、選択された線路に応じてアナログでのダイヤル発信を自動的に規制し、選択された線路での利用法をユーザに促すようにしたので、ファクシミリ装置201の使用に慣れていない者であってもアナログダイヤル発信に依存しないファクシミリ通信を容易に実現することができる。
【0076】
なお、実施の形態では電話機212の送受話器213と電話機本体214をファクシミリ装置201にケーブルで直接接続するようにしたが、これに限るものではない。たとえば有線ケーブルの代りに、無線を使用して電話機本体214とファクシミリ装置201が接続されるようになっていてもよい。
【0077】
また、ファクシミリ装置と接続するための接続ケーブルを取り付けたカード装置を用意し、このカード装置を電話機の図示しないスロットに装着するようにしてもよい。このカード装置には、電話機自体のプログラム制御に必要な追加的なアプリケーションソフトウェアを格納したメモリを内蔵させておくことも可能である。
【0078】
更に実施の形態では電話機212に接続された第2の電話回線215は有線であることを想定したが、無線回線であっても構わないことは当然である。更にまた、実施の形態では電話機212を使用するときの電話番号の入力はファクシミリ装置201側のダイヤルキーでできないように設定したが、これに限るものではない。ユーザが電話機212を使用してダイヤルを入力することを認知している前提では、比較的大型でダイヤル情報の入力操作がし易いファクシミリ装置201側のダイヤルキーを操作できるようにしてもよいことはもちろんである。もちろん、この場合にはファクシミリ装置201側のダイヤル情報等の所定の情報を電話機本体214側に伝達するための線路を追加する等の工夫が更に必要になる場合がある。
【0079】
また、実施の形態ではファクシミリ送受信対応部265が最低限の機能でファクシミリ通信に対応する例を示したが、これに限るものではない。電話機212側のファクシミリ送受信対応部265がファクシミリ装置201側の主制御部221と連携する度合いを高めることで、ユーザが電話機212を使用しながら、それを特に意識しない操作で、専用のファクシミリ装置と同様のファクシミリ通信を可能にすることができることも当然である。
【0080】
以上説明した実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0081】
(付記1)
所定の電話機がこれに備えられた電話機用回線を経て受信した文書の画像情報を表わしたファクシミリ信号を入力する入力用接続端子と、
この入力用接続端子から入力した前記ファクシミリ信号を復調して前記文書の画像情報を再生する復調手段と、
送信の対象となる文書の画像情報を変調する変調手段と、
この変調手段によって変調した文書の画像情報を表わすファクシミリ信号を前記所定の電話機で入力して発信したダイヤル情報の示す宛先への送信用として前記所定の電話機に出力する出力用接続端子
とを具備することを特徴とするファクシミリ装置。
【0082】
(付記2)
装置本体に独自に収容するファクシミリ装置用回線と接続するファクシミリ装置用回線接続端子と、
このファクシミリ装置用回線接続端子に接続した前記ファクシミリ装置用回線を経て受信した文書の画像情報を表わしたファクシミリ信号と、前記入力用接続端子から入力されたファクシミリ信号のいずれか一方を前記復調手段に供給する復調手段用信号選択手段と、
前記変調手段によって変調した前記ファクシミリ信号を前記ファクシミリ装置用回線を経て出力するか前記出力用接続端子を経て出力するかを選択する変調手段用信号選択手段
とを具備することを特徴とする付記1記載のファクシミリ装置。
【0083】
(付記3)
前記ファクシミリ装置用回線接続端子に前記ファクシミリ装置用回線が接続されているか否かを判別する回線検出手段を更に具備することを特徴とする付記2記載のファクシミリ装置。
【0084】
(付記4)
前記回線検出手段が前記ファクシミリ装置用回線が接続されていないと判別したとき、前記入力用接続端子から入力されたファクシミリ信号を前記復調手段用信号選択手段で選択させ、前記変調手段用信号選択手段は前記出力用接続端子を経て前記変調手段によって変調した前記ファクシミリ信号を出力するように選択させることを特徴とする付記3記載のファクシミリ装置。
【0085】
(付記5)
各種の視覚的な情報を表示する表示手段と、
前記回線検出手段が前記ファクシミリ装置用回線が接続されていないと判別したとき、前記所定の電話機を使用してファクシミリ信号の送受信を行う際の助けとなる情報を前記表示手段に表示するヘルプ手段
とを具備することを特徴とする付記3記載のファクシミリ装置。
【0086】
(付記6)
通信相手となる特定の装置に接続するためのダイヤル情報を入力するダイヤル情報入力手段と、このダイヤル情報入力手段で入力したダイヤル情報を自装置に接続した電話機用回線を経て交換機に送出するダイヤル情報送出手段と、前記自装置に接続した電話機用回線を経て所定の文書の画像情報を表わしたファクシミリ信号が送られてくるときこれを受信するファクシミリ信号受信手段とを備えた所定の電話機と、
付記1〜5いずれかに記載のファクシミリ装置
とを具備することを特徴とするファクシミリ通信システム。
【0087】
(付記7)
前記所定の電話機は、前記ファクシミリ信号受信手段の受信したファクシミリ信号および前記ファクシミリ装置が前記ダイヤル情報入力手段で入力したダイヤル情報の示す宛先へ送信するファクシミリ信号を、前記ファクシミリ装置との間で授受するコネクタを具備することを特徴とする付記6記載のファクシミリ通信システム。
【0088】
(付記8)
前記コネクタが前記ファクシミリ装置と接続されている状態で、かつ前記コネクタを経由してファクシミリ信号の送受信が行われていない状態で、前記所定の電話機の通話を確保するための送受話器と電話機本体を接続する経路を形成するスイッチ手段を具備していることを特徴とする付記7記載のファクシミリ通信システム。
【0089】
(付記9)
前記電話機用回線は、IP(Internet Protocol)電話網に接続されていることを特徴とする付記6記載のファクシミリ通信システム。
【0090】
(付記10)
文書の画像情報を表わしたファクシミリ信号の送受信に使用する回線としてのファクシミリ装置用回線がファクシミリ装置に接続されているか否かを検出する回線接続有無検出ステップと、
この回線接続有無検出ステップで前記ファクシミリ装置用回線がファクシミリ装置に接続されていないと判別したとき、ファクシミリ通信用の変復調装置を前記ファクシミリ装置用回線側からこのファクシミリ装置に外付けされた電話機との信号入出力側へと切り替える電話機側切替ステップと、
この電話機側切替ステップで前記電話機との信号入出力側へと切り替えた後、前記ファクシミリ装置のスタートキーが押下される時点を監視するスタートキー押下監視ステップと、
このスタートキー押下監視ステップでスタートキーが押下されたとき前記ファクシミリ装置に送信用の文書がセットされているか否かを判別する文書判別ステップと、
この文書判別ステップで文書がセットされていることが判別されたとき前記送信用の文書の読み取りを開始する文書読取ステップと、
この文書読取ステップで読み取った文書の画像情報を変調して前記電話機側切替ステップで切り替えられた前記電話機との信号入出力側の経路を介してこの電話機で発信したダイヤル情報の示す宛先へファクシミリ信号を送信する電話機経由送信ステップと、
前記文書判別ステップで文書がセットされていることが判別されなかったとき前記電話機との信号入出力側の経路を介してファクシミリ信号を受信する電話機経由受信ステップ
とを具備することを特徴とするファクシミリ通信方法。
【0091】
(付記11)
前記回線接続有無検出ステップで前記ファクシミリ装置用回線がファクシミリ装置に接続されていると判別したとき、前記ファクシミリ装置用回線を使用してファクシミリ信号の送信または受信を行う電話機非経由送受信ステップを具備することを特徴とする付記10記載のファクシミリ通信方法。
【0092】
(付記12)
前記回線接続有無検出ステップで前記ファクシミリ装置用回線がファクシミリ装置に接続されていないと判別したとき、前記電話機を使用してファクシミリ信号の送受信を行う際の助けとなる情報を前記表示手段に表示するヘルプ表示ステップを具備することを特徴とする付記10記載のファクシミリ通信方法。
【0093】
(付記13)
ファクシミリ装置のコンピュータに、
文書の画像情報を表わしたファクシミリ信号の送受信に使用する回線としてのファクシミリ装置用回線がファクシミリ装置に接続されているか否かを検出する回線接続有無検出処理と、
この回線接続有無検出処理で前記ファクシミリ装置用回線が前記ファクシミリ装置に接続されていないと判別したとき、ファクシミリ通信用の変復調装置を前記ファクシミリ装置用回線側からこのファクシミリ装置に外付けされた電話機との信号入出力側へと切り替える電話機側切替処理と、
この電話機側切替処理で前記電話機との信号入出力側へと切り替えた後、前記ファクシミリ装置のスタートキーが押下される時点を監視するスタートキー押下監視処理と、
このスタートキー押下監視処理でスタートキーが押下されたとき前記ファクシミリ装置に送信用の文書がセットされているか否かを判別する文書判別処理と、
この文書判別処理で文書がセットされていることが判別されたとき前記送信用の文書の読み取りを開始する文書読取処理と、
この文書読取処理で読み取った文書の画像情報を変調して前記電話機側切替処理で切り替えられた前記電話機との信号入出力側の経路を介してこの電話機で発信したダイヤル情報の示す宛先へファクシミリ信号を送信する電話機経由送信処理と、
前記文書判別処理で文書がセットされていることが判別されなかったとき前記電話機との信号入出力側の経路を介してファクシミリ信号を受信する電話機経由受信処理
とを実行させることを特徴とするファクシミリ通信プログラム。
【0094】
(付記14)
前記回線接続有無検出処理で前記ファクシミリ装置用回線がファクシミリ装置に接続されていると判別したとき、前記ファクシミリ装置用回線を使用してファクシミリ信号の送信または受信を行う電話機非経由送受信処理を前記コンピュータが更に実行させることを特徴とする付記13記載のファクシミリ通信プログラム。
【0095】
(付記15)
前記回線接続有無検出処理で前記ファクシミリ装置用回線がファクシミリ装置に接続されていないと判別したとき、前記電話機を使用してファクシミリ信号の送受信を行う際の助けとなる情報を前記表示手段に表示するヘルプ表示処理を前記コンピュータが更に実行させることを特徴とする付記13記載のファクシミリ通信プログラム。