(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1トンネル層に隣接した前記第1部分の領域でのドーピング濃度よりも前記第1電極に隣接した前記第1部分でのドーピング濃度がさらに高い、請求項1に記載の太陽電池。
前記第2導電型領域は、前記第2トンネル層と前記第2電極との間に位置し、第2導電型ドーパントがドープされた多結晶、非晶質または微細結晶半導体を含むさらに他の第1部分を含む、請求項1に記載の太陽電池。
前記第2導電型領域は、前記第2トンネル層に近い前記半導体基板の部分に位置するさらに他の第2部分、または前記第2トンネル層と前記半導体基板との間に位置するさらに他の第2部分をさらに含む、請求項14に記載の太陽電池。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、添付の図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。しかし、本発明がこれら実施例に限定されるものではなく、様々な形態に変形可能であることは勿論である。
【0011】
図面では、本発明を明確且つ簡略に説明するために、説明と関係のない部分の図示を省略し、明細書全体において同一又は極めて類似の部分に対しては同一の図面参照符号を使用する。そして、図面では、説明をより明確にするために、厚さ、幅などを拡大または縮小して示しており、本発明の厚さ、幅などは図面に示したものに限定されない。
【0012】
そして、明細書全体において、ある部分が他の部分を「含む」とするとき、特に反対の記載がない限り、他の部分を排除するのではなく、他の部分をさらに含むことができる。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとするとき、これは、他の部分の「直上に」ある場合のみならず、その中間に他の部分が位置する場合も含む。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「直上に」あるとする場合は、中間に他の部分が位置しないことを意味する。
【0013】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施例に係る太陽電池をより詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施例に係る太陽電池の断面図であり、
図2は、本実施例に係る太陽電池の平面図である。
【0015】
図面を参照すると、本実施例に係る太陽電池100は、基板(一例として、半導体基板)(以下、「半導体基板」)10と、導電型領域20,30と、導電型領域20,30に接続される電極24,34と、トンネル層40とを含むことができる。導電型領域20,30は、互いに異なる導電型を有するエミッタ領域20及び後面電界領域30を含むことができ、電極24,34は、エミッタ領域20及び後面電界領域30にそれぞれ接続される第1及び第2電極24,34を含むことができる。トンネル層40は、半導体基板10と導電型領域20,30の少なくとも一部との間に位置することができる。そして、第1パッシベーション膜21、第1反射防止膜22、第2パッシベーション膜31、第2反射防止膜32などをさらに含むことができる。これについてより詳細に説明する。
【0016】
エミッタ領域20及び後面電界領域30のうち一方を第1導電型領域と呼び、他方を第2導電型領域と呼ぶことができる。本実施例において、第1、第2などの表現は区別のために使用するものに過ぎず、本発明がこれに限定されるものではない。
【0017】
半導体基板10は、第1導電型ドーパントを相対的に低いドーピング濃度で含むベース領域110を含むことができる。ベース領域110は、第1導電型ドーパントを含む結晶質半導体で構成することができる。一例として、ベース領域110は、第1導電型ドーパントを含む単結晶または多結晶半導体(一例として、単結晶または多結晶シリコン)で構成することができる。特に、ベース領域110は、第1導電型ドーパントを含む単結晶半導体(例えば、単結晶半導体ウエハ、より具体的には、半導体シリコンウエハ)で構成することができる。このように、ベース領域110が単結晶シリコンで構成されると、太陽電池100が単結晶シリコン太陽電池を構成するようになる。このように、単結晶半導体を有する太陽電池100は、結晶性が高くて欠陥の少ないベース領域110または半導体基板10をベースとしているので、電気的特性に優れている。
【0018】
第1導電型ドーパントは、一例として、n型またはp型であってもよい。すなわち、第1導電型ドーパントとして、5族元素であるリン(P)、ヒ素(As)、ビズマス(Bi)、アンチモン(Sb)などのn型ドーパントを使用することができる。または、第1導電型ドーパントとして、3族元素であるボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などのp型ドーパントを使用することができる。
【0019】
このとき、ベース領域110は、第1導電型ドーパントとしてn型の不純物を有することができる。すると、ベース領域110とpn接合をなすエミッタ領域20がp型を有するようになる。このようなpn接合に光が照射されると、光電効果によって生成された電子が半導体基板10の第2面(以下、「後面」)側に移動して第2電極34により収集され、正孔が半導体基板10の前面側に移動して第1電極24により収集される。これによって、電気エネルギーが発生する。すると、電子よりも移動速度の遅い正孔が半導体基板10の後面ではなく前面に移動して、変換効率が向上することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、ベース領域110及び後面電界領域30がp型を有し、エミッタ領域20がn型を有することも可能である。
【0020】
本実施例において、半導体基板10は、ベース領域110のみからなることができる。すなわち、従来の太陽電池では、半導体基板10と異なる導電型を有するドーピング領域、または半導体基板10と同一の導電型を有し、ドーピング濃度の高いドーピング領域などが半導体基板10に形成される一方、本実施例では、半導体基板10がベース領域110のみからなり、別途のドーピング領域を備えていない。
【0021】
このように、半導体基板10が、ベース領域のみからなり、別途のドーピング領域を備えていない。一例として、半導体基板10において、最も低いドーピング濃度に対する最も高いドーピング濃度の差が10%以下であり得る。このとき、10%以下は、別途のドーパント領域を形成するためのドーピングが行われていない程度を規定するために一例として提示したものに過ぎず、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、本発明は、通常、半導体基板10に別途のドーピング領域を備えていない場合を全て含む。
【0022】
本実施例では、半導体基板10に別途のドーピング領域が形成されていないので、開放電圧を向上させることができる。これは、半導体基板10にドーピング領域を形成することによって生じ得る表面再結合を防止できるからである。
【0023】
本実施例において、半導体基板10の前面及び後面は、テクスチャリング(texturing)されてピラミッドなどの形状の凹凸を有することができる。このようなテクスチャリングにより半導体基板10の前面などに凹凸が形成されて表面粗さが増加すると、半導体基板10の前面を介して入射する光の反射率を下げることができる。したがって、半導体基板10とエミッタ領域20によって形成されたトンネルジャンクション(Tunnel junction)まで到達する光量を増加させることができるので、光損失を最小化することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、半導体基板10の前面及び後面のいずれか一方のみがテクスチャリングされるか、または両面ともテクスチャリングされなくてもよい。
【0024】
半導体基板10の一面(一例として、前面)(以下、「前面」)には第1トンネル層42が全体的に形成される。ここで、全体的に形成されるというのは、空き領域なしに全体面の全てに形成されることのみならず、外郭領域、アイソレイション領域などのように不可避に形成されざるを得ない領域を除いた全体領域に形成されることも含む。
【0025】
第1トンネル層42は、再結合サイトが多い半導体基板10の表面をパッシベーションしながら、トンネル効果によってキャリアは円滑に移動できるようにする。
【0026】
第1トンネル層42は、パッシベーション効果及びトンネル効果を具現できる物質、一例として、酸化物、窒化物、半導体、導電性高分子などを含むことができる。例えば、第1トンネル層42は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸化窒化物、真性非晶質シリコン、真性多結晶シリコンなどを含むことができる。すると、第1トンネル層42を容易且つ安定的に形成することができる。
【0027】
パッシベーション効果及びトンネル効果を十分に具現できるように、第1トンネル層42の厚さは、5nm以下であってもよく、0.5nm〜5nm(一例として、0.5nm〜4nm、例えば、0.5nm〜2nm)であってもよい。第1トンネル層42の厚さが5nmを超えると、トンネリングが円滑に行われないため、太陽電池100が作動しないことがあり、第1トンネル層42の厚さが0.5nm未満であると、パッシベーション特性が低下することがある。トンネル効果をさらに向上させるためには、第1トンネル層42の厚さが0.5nm〜4nm、より正確には、0.5nm〜2nmであればよい。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1トンネル層42の厚さは多様に変更可能である。
【0028】
本実施例では、半導体基板10の前面上に全体的に第1トンネル層42を形成することで、半導体基板10の前面での欠陥を全体的に除去することができる。これによって、太陽電池100の開放電圧が向上して、太陽電池100の効率を向上させることができる。
【0029】
本実施例では、エミッタ領域20が第1トンネル層42上に形成される第1部分20aを含む。第1部分20aは、半導体基板10と異なる導電型(一例として、p型またはn型)を含む多結晶、非晶質、または微細結晶半導体で構成することができる。一例として、エミッタ領域は、第2導電型ドーパントがドープされた多結晶シリコン、非晶質シリコン、または微細結晶シリコンで構成することができる。このとき、第1部分20aを多結晶、非晶質、または微細結晶半導体で形成して、第1部分20aで構成されるエミッタ領域20を様々な方法で容易に製造することができる。
【0030】
本実施例において、エミッタ領域20の第1部分20aは、第1トンネル層42上に全体的に形成することができる。ここで、全体的に形成するというのは、空き領域なしに全体面の全てに形成されることのみならず、外郭領域、アイソレイション領域などのように不可避に形成されざるを得ない領域を除いた全体領域に形成されることも含む。
【0031】
エミッタ領域20(より正確には、第1部分20a)上には、第1パッシベーション膜21及び/または第1反射防止膜22を形成することができる。本実施例では、エミッタ領域20上に第1パッシベーション膜21が形成され、第1パッシベーション膜21上に第1反射防止膜22が形成された場合を例示した。本実施例において、第1パッシベーション膜21は、第1電極24に対応する部分を除いて、実質的にエミッタ領域20上の全面全体に形成することができる。そして、第1反射防止膜22は、第1電極24に対応する部分を除いて、実質的に第1パッシベーション膜21上の全面全体に形成することができる。
【0032】
第1パッシベーション膜21は、エミッタ領域20に存在する欠陥を不動化させて、少数キャリアの再結合サイトを除去することで、太陽電池100の開放電圧を増加させることができる。そして、第1反射防止膜22は、半導体基板10の前面を介して入射する光の反射率を下げることによって、半導体基板10とエミッタ領域20によって形成されたトンネルジャンクションまで到達する光量を増加させることができる。これによって、太陽電池100の短絡電流(Isc)を増加させることができる。このように、第1パッシベーション膜21及び第1反射防止膜22によって太陽電池100の開放電圧と短絡電流を増加させることによって、太陽電池100の効率を向上させることができる。
【0033】
第1パッシベーション膜21は、エミッタ領域20を効果的にパッシベーションすることができる物質で構成できる。一例として、第1パッシベーション膜21は、シリコン窒化物、水素含有シリコン窒化物、シリコン酸化物、シリコン酸化窒化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、MgF
2、ZnS、TiO
2及びCeO
2からなる群から選択されたいずれか一つを含む単一膜または2以上の膜が組み合わせられた多層膜構造を有することができる。このとき、エミッタ領域20がn型である場合には、第1パッシベーション膜21が正電荷を有するシリコン酸化物、シリコン窒化物などを含むことができ、エミッタ領域20がp型である場合には、第1パッシベーション膜21が負電荷を有するアルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物などを含むことができる。
【0034】
そして、第1反射防止膜22は、表面での反射を防止できる様々な物質で構成することができる。一例として、第1反射防止膜22は、シリコン窒化物、水素含有シリコン窒化物、シリコン酸化物、シリコン酸化窒化物、アルミニウム酸化物、MgF
2、ZnS、TiO
2及びCeO
2からなる群から選択されたいずれか一つを含む単一膜または2以上の膜が組み合わせられた多層膜構造を有することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1反射防止膜22が様々な物質を含んでもよいことは勿論である。
【0035】
第1電極24は、第1パッシベーション膜21及び第1反射防止膜22に形成された開口部を通して(すなわち、第1パッシベーション膜21及び第1反射防止膜22を貫通して)エミッタ領域20に電気的に接続される。このような第1電極24は、様々な物質によって様々な形状を有するように形成できる。第1電極24の平面形状などは、以下でより詳細に説明する。
【0036】
一方、半導体基板10の他の一面(一例として、後面)(以下、「後面」)には、第2トンネル層44が全体的に形成される。ここで、全体的に形成されるというのは、空き領域なしに全体面の全てに形成されることのみならず、外郭領域、アイソレイション領域などのように不可避に形成されざるを得ない領域を除いた全体領域に形成されることも含む。
【0037】
第2トンネル層44は、再結合サイトが多い半導体基板10の表面をパッシベーションしながら、トンネル効果によってキャリアは円滑に移動できるようにする。
【0038】
第2トンネル層44は、パッシベーション効果及びトンネル効果を具現できる物質、一例として、酸化物、窒化物、半導体、導電性高分子などを含むことができる。例えば、第2トンネル層44は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸化窒化物、真性非晶質シリコン、真性多結晶シリコンなどを含むことができる。すると、第2トンネル層44を容易且つ安定的に形成することができる。
【0039】
パッシベーション効果及びトンネル効果を十分に具現できるように、第2トンネル層44の厚さは、5nm以下であってもよく、0.5nm〜5nm(一例として、0.5nm〜4nm、例えば、0.5nm〜2nm)であってもよい。第2トンネル層44の厚さが5nmを超えると、トンネリングが円滑に行われないため、太陽電池100が作動しないことがあり、第2トンネル層44の厚さが0.5nm未満であると、パッシベーション特性が低下することがある。トンネル効果をさらに向上させるためには、第1トンネル層44の厚さが、0.5nm〜4nm、より正確には、0.5nm〜2nmであればよい。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第2トンネル層44の厚さは多様に変更可能である。
【0040】
本実施例では、半導体基板10の後面に全体的に第2トンネル層44を形成することで、半導体基板10の後面での欠陥を全体的に除去することができる。これによって、太陽電池100の開放電圧が向上して、太陽電池100の効率を向上させることができる。
【0041】
本実施例では、後面電界領域30が、第2トンネル層44上に形成される第1部分30aを含む。第2トンネル層44上に形成される後面電界領域30の第1部分30aが、半導体基板10と同一の導電型(一例として、n型またはp型)を含む多結晶、非晶質、または微細結晶半導体で構成され得る。一例として、後面電界領域30の第1部分30aは、第1導電型ドーパントがドープされた多結晶シリコン、非晶質シリコン、または微細結晶シリコンで構成することができる。このとき、後面電界領域30の第1部分30aを多結晶、非晶質、または微細結晶半導体で形成して、後面電界領域30を様々な方法で容易に製造することができる。
【0042】
本実施例において、後面電界領域30は、第2トンネル層44上に全体的に形成することができる。ここで、全体的に形成するというのは、空き領域なしに全体面の全てに形成されることのみならず、外郭領域、アイソレイション領域などのように不可避に形成されざるを得ない領域を除いた全体領域に形成されることも含む。
【0043】
後面電界領域30上には第2パッシベーション膜31及び/または第2反射防止膜32を形成することができる。本実施例では、後面電界領域30上に第2パッシベーション膜31が形成され、第2パッシベーション膜31上に第2反射防止膜32が形成された場合を例示した。本実施例において、第2パッシベーション膜31は、第2電極34に対応する部分を除いて、実質的に後面電界領域30上の全面全体に形成することができる。そして、第2反射防止膜32は、第2電極34に対応する部分を除いて、実質的に第2パッシベーション膜31上の全面全体に形成することができる。
【0044】
第2パッシベーション膜31は、後面電界領域30に存在する欠陥を不動化させて、少数キャリアの再結合サイトを除去することで、太陽電池100の開放電圧を増加させることができる。そして、第2反射防止膜32は、半導体基板10の後面を介して入射する光の反射率を下げることによって、半導体基板10とエミッタ領域20によって形成されるトンネルジャンクションまで到達する光量を増加させることができる。これによって、太陽電池100の短絡電流を増加させることができる。このように、第2パッシベーション膜31及び第2反射防止膜32によって太陽電池100の開放電圧と短絡電流を増加させることによって、太陽電池100の効率を向上させることができる。
【0045】
第2パッシベーション膜31は、後面電界領域30を効果的にパッシベーションすることができる物質で構成できる。一例として、第2パッシベーション膜31は、シリコン窒化物、水素含有シリコン窒化物、シリコン酸化物、シリコン酸化窒化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、MgF
2、ZnS、TiO
2及びCeO
2からなる群から選択されたいずれか一つを含む単一膜または2以上の膜が組み合わせられた多層膜構造を有することができる。このとき、後面電界領域30がp型である場合には、第2パッシベーション膜31が負電荷を有するアルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物などを含むことができ、後面電界領域30がn型である場合には、第2パッシベーション膜31が正電荷を有するシリコン酸化物、シリコン窒化物などを含むことができる。
【0046】
そして、第2反射防止膜32は、表面での反射を防止できる様々な物質で構成することができる。一例として、第2反射防止膜32は、シリコン窒化物、水素含有シリコン窒化物、シリコン酸化物、シリコン酸化窒化物、アルミニウム酸化物、MgF
2、ZnS、TiO
2及びCeO
2からなる群から選択されたいずれか一つを含む単一膜または2以上の膜が組み合わせられた多層膜構造を有することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第2反射防止膜32が様々な物質を含んでもよいことは勿論である。
【0047】
第2電極34は、第2パッシベーション膜31及び第2反射防止膜32に形成された開口部を通して(すなわち、第2パッシベーション膜31及び第2反射防止膜32を貫通して)後面電界領域30に電気的に接続される。このような第2電極34は、様々な物質によって様々な形状を有するように形成することができる。
【0048】
以下では、第1及び第2電極24,34の平面形状を、
図2を参照してより詳細に説明する。
【0049】
図2を参照すると、第1及び第2電極24,34は、一例として、第1ピッチP1を持って互いに平行に配置される複数のフィンガー電極24a,34aを含むことができる。このように、第1電極24,34は、フィンガー電極24a,34aと交差する方向に形成されてフィンガー電極24a,34aを連結するバスバー電極24b,34bを含むことができる。このようなバス電極24b,34bは、一つのみ備えられてもよく、
図2に示すように、第1ピッチP1よりも大きい第2ピッチP2を持って複数個備えられてもよい。このとき、フィンガー電極24aの幅W1よりもバスバー電極24bの幅W2を大きくすることができるが、本発明がこれに限定されるものではなく、両者の幅を同一にしてもよく、またはフィンガー電極24aの幅W1よりもバスバー電極24bの幅W2を小さくしてもよい。また、バスバー電極24bを形成しないなど、様々な変形が可能である。このように、第1電極24の形状は、一例として提示したものに過ぎず、本発明がこれに限定されるものではない。このとき、図面では、第1及び第2電極24,34の第1ピッチP1を互いに区別せずに説明し、第1及び第2電極24,34の第2ピッチP2を互いに区別せずに説明した。第1電極24の第1ピッチP1は、第2電極34の第1ピッチP1と同一の値を有するか、または異なる値を有してもよく、第1電極24の第2ピッチP2は、第2電極34の第2ピッチP2と同一の値を有するか、または異なる値を有してもよい。
【0050】
断面から見て、第1電極24のフィンガー電極24a及びバスバー電極24bが、第1パッシベーション膜21及び第1反射防止膜22を貫通して形成されてもよい。同様に、第2電極34のフィンガー電極34a及びバスバー電極34bが、第2パッシベーション膜31及び第2反射防止膜32を貫通して形成されてもよい。または、第1電極24のフィンガー電極24aが第1パッシベーション膜21及び第1反射防止膜22を貫通し、バスバー電極24bは第1パッシベーション膜21上に形成されてもよい。同様に、第2電極34のフィンガー電極34aが第2パッシベーション膜31及び第2反射防止膜32を貫通し、バスバー電極34bは第2パッシベーション膜31及び第2反射防止膜32上に形成されてもよい。
【0051】
上述した第1及び第2電極24,34は、導電性に優れた金属などで構成することができ、メッキ、蒸着、印刷などの様々な方法で形成することができる。本発明が、第1及び第2電極24,34の物質、形成方法などに限定されるものではない。
【0052】
上述したような構造の太陽電池100では、導電型領域であるエミッタ領域20の第1部分20aが、第1トンネル層42を挟んで半導体基板10の前面に形成される。第1トンネル層42は、半導体基板10の前面に全体的に形成されて、半導体基板10の前面表面の欠陥を効果的に除去することができる。このとき、第1トンネル層42は、光電変換を起こすキャリアは効果的に移動できるようにする。すなわち、従来には、半導体基板の一定領域にドーパントを高い濃度にドープして、エミッタ領域の機能を果たすドーピング領域を半導体基板内に形成した。このとき、ドーパントのドーピングによって半導体基板が損傷し、半導体基板の表面に多くの再結合サイトが発生した。これを防止するためにパッシベーション膜を形成する場合にも、半導体基板において電極と隣接した部分ではパッシベーション膜が形成されないため、再結合サイトを効果的に除去することが難しかった。これによって、半導体基板の表面の再結合サイトのため、太陽電池の効率が低い水準であった。
【0053】
一方、本実施例では、上述したように、再結合サイトが多く存在し得る半導体基板10の前面を、第1トンネル層42を用いて全体的にパッシベーションし、第1トンネル層42上にエミッタ領域20の第1部分20aを形成する。これによって、半導体基板10の損傷を防止し、半導体基板10の前面での再結合サイトを効果的に除去できるようになる。特に、エミッタ領域20が第1部分20aのみからなるので、エミッタ領域20の構造を単純化し、半導体基板10の損傷を最小化することができる。これによって、太陽電池100の効率を向上させることができる。
【0054】
そして、さらに他の導電型領域である後面電界領域30が、第2トンネル層44を挟んで半導体基板10の後面に形成される。第2トンネル層44は、半導体基板10の後面に全体的に形成されて、半導体基板10の後面表面の欠陥を効果的に除去することができる。このとき、第2トンネル層44は、光電変換を起こすキャリアは効果的に移動できるようにする。これによって、半導体基板10の損傷をさらに防止し、半導体基板10の後面での再結合サイトを効果的に除去できるようになる。特に、後面電界領域30が第1部分30aのみからなるので、後面電界領域30の構造を単純化し、半導体基板10の損傷を最小化することができる。これによって、太陽電池100の効率をさらに向上させることができる。
【0055】
これによって、半導体基板10が、別途のドーピング領域を備えずにベース領域110のみからなるので、半導体基板10が優れた特性をそのまま維持することができる。
【0056】
このとき、エミッタ領域20と後面電界領域30とが半導体基板10において互いに異なる側に位置することで、両面受光型構造を具現することができる。これによって、半導体基板10の前面のみならず後面にも光が入射して、入射される光の量が増加することで太陽電池100の効率を向上させることができる。また、エミッタ領域20と後面電界領域30とが互いに隣接して形成されていないので、エミッタ領域20及び後面電界領域30が隣接して形成される場合に行わなければならないアイソレイション工程などを行わなくてもよい。また、エミッタ領域20及び後面電界領域30が全体的に形成されるので、別途のパターニング工程、アライン工程などが追加されない。したがって、製造工程を単純化してコストを低減することができる。
【0057】
また、半導体基板10の前面に第1パッシベーション膜21及び第1反射防止膜22を形成することで、太陽電池100の効率をさらに向上させることができる。
【0058】
そして、第2電極34をフィンガー電極34a及びバスバー電極34bを含む構造で形成して、半導体基板10の後面にも光が入射できるようにして、光の利用量をさらに向上させた。このとき、半導体基板10の後面に第2パッシベーション膜31及び第2反射防止膜32を形成することで、太陽電池100の効率をさらに向上させることができる。
【0059】
以下、
図3乃至
図10を参照して、本発明の変形例及び他の実施例に係る太陽電池をさらに詳細に説明する。上述した実施例と同一または極めて類似の部分については詳細な説明を省略し、互いに異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0060】
図3は、
図1の実施例の一変形例に係る太陽電池の断面図である。
【0061】
図3を参照すると、本変形例に係る太陽電池は、第1及び第2パッシベーション膜21,31を備えておらず、エミッタ領域20上に第1反射防止膜22が形成され、後面電界領域30上に第2反射防止膜32が形成される。これによって、工程を単純化し、コストを低減することができる。そして、第1及び第2反射防止膜22,32がパッシベーションの役割を兼ねることができる。これによって、生産性を向上させると共に、太陽電池の優れた特性を維持することができる。
【0062】
本発明は、その他にも様々な変形が可能である。例えば、第1及び第2パッシベーション膜21,22、第1及び第2反射防止膜31,32のうち少なくとも一つを備えない全ての場合が本発明の範囲に属する。
【0063】
図4は、本発明の他の実施例に係る太陽電池の断面図である。
【0064】
図4を参照すると、本実施例に係る太陽電池では、後面電界領域30が、半導体基板10内に形成されたドーピング領域で構成される第2部分30bからなる。すなわち、半導体基板10が、トープされていない領域であるベース領域110と、半導体基板10に半導体基板10と同一の導電型のドーパントをドープして形成された後面電界領域30の第2部分30bとを含むことができる。これによって、第2部分30bがベース領域110と同一の結晶構造を有することができる。後面電界領域30の第2部分30bは、様々なドーピング方法(一例として、熱拡散法、イオン注入法など)で形成することができる。
【0065】
図面では、後面電界領域30の第2部分30bが、均一なドーピング濃度を有する均一な構造(homogeneous structure)を有する場合を例示したが、本発明がこれに限定されるものではない。これに対する変形例は、
図5及び
図6を参照して再び説明する。
【0066】
後面電界領域30上には第2パッシベーション膜31及び/または第2反射防止膜32を形成することができる。
【0067】
このように、半導体基板10をドープして形成された第2部分30bを備えるように後面電界領域30を形成すれば、後面電界領域30を形成する時、後面側においては既存の工程をそのまま使用することができる。すなわち、半導体基板10の前面においては、第1トンネル層42上にエミッタ領域20の第1部分20aを形成して太陽電池の効率を向上させ、後面電界領域30の第2部分30bには既存の設備をそのまま使用することができる。すなわち、効率及び生産性を共に考慮して、様々な特性を共に向上させることができる。
【0068】
図5は、
図4の実施例の一変形例を示す図である。
【0069】
図5を参照すると、本変形例では、後面電界領域30が選択的構造(selective structure)を有してもよい。すなわち、後面電界領域30は、高いドーパント濃度を有することで相対的に低い抵抗を有する第1領域301と、第1領域301より低いドーパント濃度を有することで相対的に高い抵抗を有する第2領域302とを有することができる。第1領域301は、第2電極34の一部または全体(即ち、少なくとも一部)に接触形成されるように形成される。
【0070】
これによれば、光が入射される第2電極34の間に対応する部分に、相対的に高い抵抗の第2領域302を形成することで、パッシベーション効果を向上させることができる。このように、第1電極34と隣接する部分に相対的に低い抵抗の第1領域301を形成して、第1電極34との接触抵抗を低減させることができる。すなわち、本実施例の後面電界領域30の第2部分30bは、選択的構造によって太陽電池の効率を最大化することができる。
【0071】
図6は、
図4の実施例の他の変形例を示す図である。
【0072】
図6を参照すると、本変形例では、後面電界領域30の第2部分30bが局部的構造(local structure)を有してもよい。すなわち、後面電界領域30の第2部分30bが、第2電極34の少なくとも一部に対応する部分にのみ局部的に形成される第1領域301のみを備えることができる。これによれば、半導体基板10の損傷を最小化すると共に、表面再結合サイトを最小化することができる。
【0073】
図7は、
図4の実施例の更に他の変形例に係る太陽電池の断面図である。
【0074】
図7を参照すると、本変形例に係る太陽電池は、第1及び第2パッシベーション膜21,31を備えておらず、エミッタ領域20上に第1反射防止膜22が形成され、後面電界領域30上に第2反射防止膜32が形成される。これによって、工程を単純化し、コストを低減することができる。そして、第1及び第2反射防止膜22,32がパッシベーションの役割を兼ねることができる。これによって、生産性を向上させると共に、太陽電池の優れた特性を維持することができる。
【0075】
本発明は、その他にも様々な変形が可能である。例えば、第1及び第2パッシベーション膜21,22、第1及び第2反射防止膜31,32のうち少なくとも一つを備えない全ての場合が本発明の範囲に属する。
【0076】
図7では、後面電界領域30の第2部分30bが、
図4に示した均一な構造を有する場合を一例として図示しているが、後面電界領域30の第2部分30bが、
図5又は
図6に示した選択的構造または局部的構造を有してもよい。
【0077】
図8は、本発明の更に他の実施例に係る太陽電池の断面図である。
【0078】
図8を参照すると、本実施例に係る太陽電池では、エミッタ領域20が、半導体基板10内に形成されたドーピング領域で構成される第2部分20bからなる。すなわち、半導体基板10が、ドープされていない領域であるベース領域110と、半導体基板10に半導体基板10と異なるドーパントをドープして形成されたエミッタ領域20の第2部分20bとを含むことができる。これによって、第2部分20bが、ベース領域110と同一の結晶構造を有することができる。エミッタ領域20は、様々なドーピング方法(一例として、熱拡散法、イオン注入法など)で形成することができる。
【0079】
図面では、エミッタ領域20の第2部分20bが、均一なドーピング濃度を有する均一な構造を有する場合を例示したが、本発明がこれに限定されるものではない。これに対する変形例は、
図9を参照して再び説明する。
【0080】
そして、エミッタ領域20上には第1パッシベーション膜21及び/または第1反射防止膜22を形成することができる。
【0081】
このように、半導体基板10をドープして形成された第2部分20bからなるエミッタ領域20を形成すれば、エミッタ領域20を形成する時、後面側においては既存の工程をそのまま使用することができる。これによって、既存の設備をそのまま利用することができる。すなわち、効率及び生産性を共に考慮して、様々な特性を共に向上させることができる。
【0082】
図9は、
図8の実施例の一変形例に係る太陽電池の断面図である。
【0083】
図9を参照すると、本変形例では、エミッタ領域20の第2部分20bが選択的構造(selective structure)を有してもよい。
【0084】
すなわち、エミッタ領域20は、高いドーパント濃度を有することで相対的に低い抵抗を有する第1領域201と、第1領域201より低いドーパント濃度を有することで相対的に高い抵抗を有する第2領域202とを有することができる。第1領域201は、第1電極24の一部または全体(即ち、少なくとも一部)に接触形成されるように形成される。
【0085】
このように、本実施例では、光が入射される第1電極24の間に対応する部分に、相対的に高い抵抗の第2領域202を形成することで、浅いエミッタ(shallow emitter)を具現する。これによって、太陽電池の電流密度を向上させることができる。このように、第1電極24と隣接する部分に相対的に低い抵抗の第1領域201を形成して、第1電極24との接触抵抗を低減させることができる。すなわち、本実施例のエミッタ領域20の第2部分20bは、選択的エミッタ構造によって太陽電池の効率を最大化することができる。
【0086】
図10は、
図8の実施例の他の変形例に係る太陽電池の断面図である。
【0087】
図10を参照すると、本変形例に係る太陽電池は、第1及び第2パッシベーション膜21,31を備えておらず、エミッタ領域20上に第1反射防止膜22が形成され、後面電界領域30上に第2反射防止膜32が形成される。これによって、工程を単純化し、コストを低減することができる。そして、第1及び第2反射防止膜22,32がパッシベーションの役割を兼ねることができる。これによって、生産性を向上させると共に、太陽電池の優れた特性を維持することができる。
【0088】
本発明は、その他にも様々な変形が可能である。例えば、第1及び第2パッシベーション膜21,22、第1及び第2反射防止膜31,32のうち少なくとも一つを備えない全ての場合が本発明の範囲に属する。
【0089】
図10では、エミッタ領域20の第2部分20bが、
図8に示した均一な構造を有する場合を一例として図示しているが、エミッタ領域20の第2部分20bが、
図9に示した選択的構造を有してもよい。
【0090】
図11は、本発明の更に他の実施例に係る太陽電池の断面図である。
【0091】
図11を参照すると、本実施例では、導電型領域20,30のうち少なくとも一つが、トンネル層42,44を挟んで位置する複数の部分20a,20b、30a,30bを含むことができる。
【0092】
本実施例において、エミッタ領域20は、第1トンネル層42を挟んで位置する複数の部分を含む。具体的に、本実施例では、エミッタ領域20が、第1トンネル層42を挟んで位置する第1部分20a及び第2部分20bを含む。図面及び説明では、エミッタ領域20の複数の部分が、計2層(すなわち、第1部分20aと第2部分20b)からなることを例示したが、本発明がこれに限定されるものではなく、3層以上の複数の部分を含んでもよい。エミッタ領域20をさらに詳細に説明する。
【0093】
ここで、エミッタ領域20の第1部分20aは、第1トンネル層42上において第1トンネル層42と第1電極24との間に位置することができる。第1部分20aについては、
図1に示した実施例を通じて説明したので、これと重複する内容は詳細な説明を省略する。
【0094】
エミッタ領域20の第2部分20bは、半導体基板10の前面側に隣接した半導体基板10の内部に形成されるか、または半導体基板10の前面上で半導体基板10に隣接して形成されてもよい。すなわち、エミッタ領域20は、第1トンネル層42に隣接した半導体基板10の部分に形成されるか、または半導体基板10と第1トンネル層42との間又はベース領域110と第1トンネル層42との間に位置することができる。
【0095】
一例として、本実施例において、第2部分20bが、半導体基板10において第2導電型ドーパントがドープされて形成されたドーピング領域で構成され得る。これによって、第2部分20bは、第2導電型ドーパントがドープされた単結晶半導体(一例として、単結晶シリコン)で構成され得る。このとき、第2導電型ドーパントは、ベース領域110と反対の第2導電型を有する不純物であれば足りる。すなわち、第2導電型ドーパントがp型の場合には、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などの3族元素を使用することができる。第2導電型ドーパントがn型の場合には、リン(P)、ヒ素(As)、ビズマス(Bi)、アンチモン(Sb)などの5族元素を使用することができる。
【0096】
第1部分20a及び第2部分20bは、半導体基板10の前面側に全体的に形成することができる。ここで、全体的に形成するというのは、100%全て形成されたことのみならず、不可避に一部分に第1部分20aまたは第2部分20bが形成されていない部分が位置することも含むことができる。このように、第1部分20a及び第2部分20bを全体的に形成することによって、pn接合の面積を最大化することができ、別途のパターニング工程などを省略できる。
【0097】
第2部分20bは、第1部分20a内の第2導電型ドーパントを半導体基板10の内部に拡散させて形成されるドーピング領域で構成することができる。この場合、第2部分20b内の第2導電型ドーパントと第1部分20a内の第2導電型ドーパントとが互いに同一の物質を含む。例えば、第1部分20aが第2導電型ドーパントとしてボロン(B)を含む場合に、第2部分20bも第2導電型ドーパントとしてボロンを含むことができる。これについての詳細は後述する。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1部分20aと第2部分20bを互いに別個に形成するなど、様々な工程が可能である。
【0098】
第2部分20bは、半導体基板10の内部においてベース領域110とpn接合を形成する部分である。第1部分20aは、第1トンネル層42上において第1電極24と接続される部分である。
【0099】
ここで、エミッタ領域20の第2部分20b及び第1部分20aは、第2導電型ドーパントのドーピング濃度が互いに異なる。具体的には、第2部分20bのドーピング濃度よりも第1部分20aのドーピング濃度が高いので、第2部分20bが低濃度ドーピング部を形成し、第1部分20aが高濃度ドーピング部を形成する。このとき、第1部分20a内でのドーピング濃度を均一にすることができる。または、第1トンネル層42に隣接した領域よりも第1電極24に隣接した領域のドーピング濃度をさらに高くしてもよい。このとき、第1部分20aを形成する際に、工程条件を調節することによって、第1トンネル層42から遠ざかるにつれてドーピング濃度を次第にまたは段階的に増加させることができる。このように、第1電極24に隣接した部分でのドーピング濃度を高くすると、エミッタ領域20と第1電極24との接触抵抗を最小化することができる。
【0100】
半導体基板10の内部に位置する第2部分20bを低濃度に形成して、第2部分20bで生じ得る再結合(特に、オージェ再結合(Auger recombination))を最小化することができる。また、第1電極24と接触して第1電極24に接続される第1部分20aを高濃度にして、第1電極24との接触抵抗を最小化することができる。
【0101】
一例として、第2部分20bのドーピング濃度に対する第1部分20aのドーピング濃度の比率が5倍〜10倍であればよい。前記濃度の比率が5倍未満であると、第2部分20bのドーピング濃度が高いため、再結合を低減する効果が十分でないことがある。前記濃度の比率が10倍を超えると、第2部分20bが十分に形成されないため、pnジャンクションの特性が低下することがある。ここで、第2部分20bのドーピング濃度が5X10
18/cm
3〜5X10
19/cm
3であり、第1部分20aのドーピング濃度が、第2部分20bのドーピング濃度より大きい値を有し、5X10
19/cm
3〜5X10
20/cm
3であればよい。上述したドーピング濃度において、第1部分20aがpnジャンクションを形成しながらも再結合を最小化することができ、第2部分20bが第1電極24と優れた電気的特性を有することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1及び第2部分20a,20bのドーピング濃度などは変更可能である。
【0102】
そして、エミッタ領域20の第2部分20b及び第1部分20aは互いに異なる厚さを有することができる。より詳細には、第2部分20bよりも第1部分20aを厚くし、第1及び第2部分20a,20bを第1トンネル層42よりも厚くすることができる。第2部分20bの厚さを相対的に薄くすることで、半導体基板10で生じ得る再結合を最小化することができる。そして、第1部分20aを相対的に厚く形成することで、第1電極24との優れた接触特性を維持することができる。そして、第1トンネル層42の厚さを最も小さくして、第2部分20bと第1部分20aとの間での多数キャリアの流れを妨げないようにすることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第2部分20bを第1部分20aよりも厚く形成してもよいことは勿論である。
【0103】
一例として、第2部分20bの厚さに対する第1部分20aの厚さの比率が0.5〜100倍であってもよく、より正確には、前記厚さの比率が1〜100倍であってもよい。第2部分20bによって生じ得る再結合及び半導体基板10の損傷などを最小化し、第1部分20aの電気的特性などを考慮すると、前記厚さの比率が10倍〜50倍であればよい。ここで、第2部分20bの厚さが5nm〜100nmであり、第1部分20aの厚さが50nm〜500nmであってもよい。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1及び第2部分20a,20bの厚さなどは変更可能である。
【0104】
上述したように、低濃度ドーピング部である第2部分20bは、ベース領域110とpn接合を形成する。これによって、本実施例とは異なり、エミッタ層を第1トンネル層42上にのみ形成することで、第1トンネル層42とエミッタ層との間にpn接合を形成する場合の問題を防止することができる。すなわち、エミッタ層を第1トンネル層42上にのみ形成すると、pn接合を構成する第1トンネル層42とエミッタ層との間に物理的な境界面(interface)が形成されて、エミッタ層の特性が境界面の特性に敏感に反応するようになる。そのため、エミッタ層の品質安定性を確保するのに困難がある。反面、本実施例では、エミッタ領域20の第2部分20bを半導体基板10の内部に位置させるか、または半導体基板10と接触してpn接合を形成するので、pn接合の安定性を確保することができる。これによって、太陽電池100の開放電圧が向上して、太陽電池100の効率を向上させることができる。
【0105】
第2部分20bと第1部分20aとの間に位置した第1トンネル層42は、少数キャリアが第2部分20bから第1部分20aに注入されることを遮断して、高濃度である第1部分20aの間での再結合を抑制することができる。そして、高濃度ドーピング部である第1部分20aに第1電極24を接続して、エミッタ領域20と第1電極24との接触抵抗を最小化することができる。これによって、太陽電池100の充密度が向上して、太陽電池100の効率を向上させることができる。
【0106】
本実施例において、後面電界領域30は、第2トンネル層44を挟んで位置する複数の部分を含む。具体的に、本実施例では、後面電界領域30が、第2トンネル層44を挟んで位置する第2部分30b及び第1部分30aを含む。図面及び説明では、後面電界領域30の複数の部分が、計2層(すなわち、第1部分30aと第2部分30b)からなる場合を例示したが、本発明がこれに限定されるものではなく、3層以上の複数の部分を含んでもよい。後面電界領域30をさらに詳細に説明する。
【0107】
後面電界領域30の第2部分30bは、半導体基板10の後面側に隣接した半導体基板10の内部に形成されるか、または半導体基板10の後面上において半導体基板10に隣接して形成さされてもよい。すなわち、後面電界領域20は、第2トンネル層44に隣接した半導体基板10の部分に形成されるか、または半導体基板10と第2トンネル層44との間又はベース領域110と第2トンネル層44との間に位置することができる。
【0108】
ここで、後面電界領域30の第1部分30aは、第2トンネル層44上において第2トンネル層44と第2電極34との間に位置することができる。第1部分30aについては、
図1に示した実施例を通じて説明したので、これと重複する内容は詳細な説明を省略する。
【0109】
一例として、本実施例において、第2部分30bは、半導体基板10において第1導電型ドーパントがベース領域100より高い濃度にドープされて形成されたドーピング領域で構成され得る。これによって、第2部分30bは、第1導電型ドーパントがドープされた単結晶半導体(一例として、単結晶シリコン)で構成することができる。このとき、第1導電型ドーパントは、ベース領域110と同一の第1導電型を有する不純物であれば足りる。すなわち、第1導電型ドーパントがn型である場合には、リン(P)、ヒ素(As)、ビズマス(Bi)、アンチモン(Sb)などの5族元素を使用することができる。第1導電型ドーパントがp型である場合には、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などの3族元素を使用することができる。
【0110】
第2部分30b及び第1部分30aは、半導体基板10の後面側において全体的に形成することができる。ここで、全体的に形成するというのは、100%全て形成されたことのみならず、不可避に一部分に第2部分30bまたは第1部分30aが形成されていない部分が位置することも含むことができる。このように、第2部分30b及び第1部分30aを全体的に形成することによって、後面電界構造の面積を最大化することができ、別途のパターニング工程などを省略できる。
【0111】
第2部分30bは、第1部分30a内の第1導電型ドーパントを半導体基板10の内部に拡散させて形成されるドーピング領域で構成することができる。この場合、第2部分30b内の第1導電型ドーパントと第1部分30a内の第1導電型ドーパントとが互いに同一の物質を含む。例えば、第1部分30aが第1導電型ドーパントとしてリン(P)を含む場合に、第2部分30bも第1導電型ドーパントとしてリン(P)を含むことができる。これについての詳細は後述する。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第2部分30bと第1部分30aを互いに別個に形成するなど、様々な工程が可能である。
【0112】
第2部分30bは、半導体基板10の内部においてベース領域110と後面電界構造を形成する部分である。第1部分30aは、第2トンネル層44上において第2電極34と接続される部分である。
【0113】
ここで、後面電界領域30の第2部分30b及び第1部分30aは、第1導電型ドーパントのドーピング濃度が互いに異なる。具体的には、第2部分30bのドーピング濃度よりも第1部分30aのドーピング濃度が高いので、第2部分30bが低濃度ドーピング部を形成し、第1部分30aが高濃度ドーピング部を形成する。このとき、第1部分30a内でのドーピング濃度を均一にすることができる。または、第2トンネル層44に隣接した領域よりも第2電極34に隣接した領域のドーピング濃度をさらに高くしてもよい。このとき、第1部分30aを形成する際に、工程条件を調節することによって、第2トンネル層44から遠ざかるにつれてドーピング濃度を次第にまたは段階的に増加させることができる。このように、第2電極34に隣接した部分でのドーピング濃度を高くすると、後面電界領域30と第2電極34との接触抵抗を最小化することができる。
【0114】
半導体基板10の内部に位置する第2部分30bを低濃度に形成して、第2部分30bで生じ得る再結合を最小化することができる。また、第2電極34と接触して第2電極34に接続される第1部分30aを高濃度にして、第2電極34との接触抵抗を最小化することができる。
【0115】
一例として、第2部分30bのドーピング濃度に対する第1部分30aのドーピング濃度の比率が5倍〜10倍であればよい。前記濃度の比率が5倍未満であると、第2部分30bのドーピング濃度が高いため、再結合を低減する効果が十分でないことがある。前記濃度の比率が10倍を超えると、第2部分30bが十分に形成されないため、後面電界構造の効果が十分でないことがある。ここで、第2部分30bのドーピング濃度が5X10
18/cm
3〜5X10
19/cm
3であり、第1部分30aのドーピング濃度が、第2部分30bのドーピング濃度よりも大きい値を有し、5X10
19/cm
3〜5X10
20/cm
3であればよい。上述したドーピング濃度において、第2部分30bが優れた特性の後面電界構造を形成することができ、第1部分30aが第2電極34と優れた電気的特性を有することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1及び第2部分30a,30bのドーピング濃度などは変更可能である。
【0116】
そして、後面電界領域30の第2部分30b及び第1部分30aは互いに異なる厚さを有することができる。より詳細には、第2部分30bよりも第1部分30aを厚くし、第1及び第2部分30a,30bを第2トンネル層44よりも厚くすることができる。第2部分30bの厚さを相対的に薄くすることで、半導体基板10で生じ得る再結合を最小化することができる。そして、第1部分30aを相対的に厚く形成することで、第2電極34との優れた接触特性を維持することができる。そして、第2トンネル層44の厚さを最も小さくして、第1部分20aと第2部分20bとの間での多数キャリアの流れを妨げないようにすることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第2部分30bを第1部分30aよりも厚く形成してもよいことは勿論である。
【0117】
一例として、第2部分30bの厚さに対する第1部分30aの厚さの比率が0.5〜100倍であってもよく、より正確には、前記厚さの比率が1〜100倍であってもよい。第2部分30bによって生じ得る再結合及び半導体基板10の損傷などを最小化し、第1部分30aの電気的特性などを考慮すると、前記厚さの比率が10倍〜50倍であればよい。ここで、第2部分30bの厚さが5nm〜100nmであり、第1部分30aの厚さが50nm〜500nmであってもよい。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1及び第2部分30a,30bの厚さなどは変更可能である。
【0118】
上述したように、低濃度ドーピング部である第2部分30bは、ベース領域110と後面電界構造を形成する。これによって、後面電界構造を半導体基板10の内部または半導体基板10と接触して形成するので、後面電界構造の安定性を確保することができる。これによって、太陽電池100の開放電圧が向上して、太陽電池100の効率を向上させることができる。
【0119】
第2部分30bと第1部分30aとの間に位置した第2トンネル層44は、少数キャリアが第2部分30bから第1部分30aに注入されることを遮断して、高濃度である第1部分30aの間での再結合を抑制することができる。そして、高濃度ドーピング部である第1部分30aに第2電極34を接続して、後面電界領域30と第2電極34との接触抵抗を最小化することができる。これによって、太陽電池100の充密度が向上して、太陽電池100の効率を向上させることができる。
【0120】
本実施例では、導電型領域20,30が、トンネル層42,44を挟んで位置する第1部分20a,30a及び第2部分20b,30bを含むことで、半導体基板10内での再結合を最小化すると共に、第1及び第2電極24,34との電気的接続特性を向上させることができる。これによって、太陽電池100の効率を向上させることができる。
【0121】
図11の図面では、エミッタ領域20が第1及び第2部分20a,20bを含み、後面電界領域30が第1及び第2部分30a,30bを含む場合を例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。変形例として、
図12及び
図13に示すように、エミッタ領域20が第1及び第2部分20a,20bを含み、後面電界領域30は一つの部分により形成されていてもよい。このとき、
図12に示すように、後面電界領域30が、半導体基板10内に位置したドーピング領域で構成される第2部分30bからなることができる。または、
図13に示すように、後面電界領域30が、半導体基板10の後面に形成された第2トンネル層44上に形成された別途の第1部分30aからなることができる。更に他の変形例として、
図14及び
図15に示すように、後面電界領域30が第1及び第2部分30a,30bを含み、エミッタ領域20は一つの部分により形成されていてもよい。このとき、
図14に示すように、エミッタ領域20が、半導体基板10内に位置したドーピング領域で構成される第2部分20bからなることができる。または、
図15に示すように、エミッタ領域20が、半導体基板10の前面に形成された第1トンネル層42上に形成された別途の第1部分20aからなることができる。そして、エミッタ領域20または後面電界領域30の第2部分20b,30bは、ドーピング濃度が互いに異なる部分を含む選択的構造(selective structure)、または電極42,44と隣接した部分において局部的に形成される局部的構造(local structure)などの様々な構造を有することができる。選択的構造または局部的構造などについては、
図5、
図6及び
図9を参照して既に説明したので、詳細な説明を省略する。
【0122】
以下、
図16A乃至
図16Eを参照して、
図11に示した実施例に係る太陽電池100の製造方法を詳細に説明する。以下では、上述した内容については詳細な説明を省略し、互いに異なる部分のみを詳細に説明する。また、後述する製造方法は、
図1に示した実施例の該当部分にも適用可能である。
【0123】
図16A乃至
図16Eは、本発明の一実施例に係る太陽電池の製造方法を示す断面図である。
【0124】
まず、
図16Aに示すように、第1導電型ドーパントを有するベース領域110で構成される半導体基板10を準備する。本実施例において、半導体基板10は、n型の不純物を有するシリコンからなることができる。n型の不純物としては、リン(P)、ヒ素(As)、ビズマス(Bi)、アンチモン(Sb)などの5族元素を使用することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0125】
このとき、半導体基板10の前面及び後面のうち少なくとも一面が凹凸を有するようにテクスチャリングすることができる。半導体基板10の表面のテクスチャリングとしては、湿式または乾式テクスチャリングを使用することができる。湿式テクスチャリングは、テクスチャリング溶液に半導体基板10を浸漬することにより行うことができ、工程時間が短いという長所がある。乾式テクスチャリングは、ダイヤモンドドリルまたはレーザーなどを用いて半導体基板10の表面を削る方法であって、凹凸を均一に形成できる一方、工程時間が長く、半導体基板10に損傷が生じ得る。その他に、反応性イオンエッチング(RIE)などにより半導体基板10をテクスチャリングしてもよい。このように、本発明では、様々な方法で半導体基板10をテクスチャリングすることができる。
【0126】
次に、
図16Bに示すように、半導体基板10の前面に第1トンネル層42及びエミッタ領域20の第1部分20aを形成し、半導体基板10の後面に第2トンネル層44及び後面電界領域30の第1部分30aを形成する。
【0127】
ここで、第1及び第2トンネル層42,44は、一例として、熱的成長法、蒸着法(例えば、化学気相蒸着法(PECVD)、原子層蒸着法(ALD))などにより形成することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、様々な方法で第1及び第2トンネル層42,44を形成することができる。
【0128】
また、導電型領域20,30の第1部分20a,30aは、非晶質、微細結晶、または多結晶半導体で構成することができる。このとき、第1部分20a,30aは、一例として、熱的成長法、蒸着法(例えば、化学気相蒸着法(PECVD))などにより形成することができる。
【0129】
また、第1又は第2導電型ドーパントは、第1部分20a,30aを形成する半導体層を形成するときに含まれてもよく、または第1部分20a,30aを構成する半導体層を形成した後にドープされてもよい。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、様々な方法で第1部分20a,30aを形成することができる。
【0130】
第1トンネル層42、第2トンネル層44、第1部分20a,30aの形成順序などを多様に変形することができる。
【0131】
次に、
図16Cに示すように、熱処理によって、第1部分20a内の第2導電型ドーパントを半導体基板10に拡散させて、エミッタ領域20の第2部分20bを形成し、第1部分30a内の第1導電型ドーパントを半導体基板10に拡散させて、後面電界領域30の第2部分30bを形成する。このように、本実施例では、第1部分20a,30aをドーピングソース(doping source)として機能するようにして、第2部分20b,30bをイオン注入法のような別途のドーピング方法を使用せずに、熱処理による拡散により形成することができる。これによって、製造工程を単純化することができる。
【0132】
次に、
図16Dに示すように、エミッタ領域20の第1部分20a上に第1パッシベーション膜21及び第1反射防止膜22を形成し、後面電界領域30の第1部分30a上に第2パッシベーション膜31及び第2反射防止膜32を形成する。パッシベーション膜21,31及び反射防止膜22,32は、真空蒸着法、化学気相蒸着法、スピンコーティング、スクリーン印刷またはスプレーコーティングなどのような様々な方法により形成することができる。また、パッシベーション膜21,31及び反射防止膜22,32の形成順序などは多様に変形することができる。
【0133】
次いで、
図16Eに示すように、導電型領域20,30にそれぞれ電気的に接続される第1及び第2電極24,34を形成する。この場合には、一例として、パッシベーション膜21,31及び反射防止膜22,32に開口部を形成し、開口部内にメッキ法、蒸着法などの様々な方法で第1及び第2電極24,34を形成することができる。
【0134】
他の実施例において、第1及び第2電極形成用ペーストをパッシベーション膜21,31及び反射防止膜22,32上にそれぞれスクリーン印刷などで塗布した後、ファイアスルー(fire through)またはレーザー焼成コンタクト(laser firing contact)などを行って、上述した形状の第1及び第2電極24,34を形成することも可能である。この場合には、第1及び第2電極24,34を形成するときに開口部が形成されるので、別途に開口部を形成する工程を追加しなくてもよい。
【0135】
本実施例によれば、第1部分20a,30a内の第1又は第2導電型ドーパントの拡散によって、イオン注入法のような別途のドーピング方法を使用せずに第2部分20b,30bを形成することができる。これによって、単純な製造工程により、優れた効率を有する太陽電池100を生産することができる。
【0136】
上述した実施例では、第1及び第2トンネル層42,44、導電型領域20,30を形成した後にパッシベーション膜21,31及び反射防止膜22,32を形成し、その後に第1及び第2電極24,34を形成する場合を例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、第1及び第2トンネル層42,44、導電型領域20,30、パッシベーション膜21,31及び反射防止膜22,32、そして、第1及び第2電極24,34の形成順序は多様に変形することができる。
【0137】
また、上述した実施例では、エミッタ領域20の第1部分20a内の第2導電型ドーパントを拡散させて第2部分20bを形成し、後面電界領域30の第1部分30a内の第2導電型ドーパントを拡散させて第2部分30bを形成した場合を例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第2部分20b,30bを別途の工程(イオン注入法、熱拡散法、レーザードーピング法など)により形成することも可能である。
【0138】
図17は、本発明の更に他の実施例に係る太陽電池の断面図である。
【0139】
図17を参照すると、本実施例では、エミッタ領域20が、第1トンネル層42を挟んで位置する第1部分20a及び第2部分20bを含み、後面電界領域30が、第2トンネル層44を挟んで位置する第1部分30a及び第2部分30bを含む。
【0140】
本実施例では、導電型領域20,30の第2部分20b,30bが、半導体基板10上に形成された非晶質、微細結晶、または多結晶半導体層(一例として、シリコン層)などに導電型ドーパントがドープされて形成され得る。すなわち、導電型領域20,30の第2部分20b,30bが、半導体基板10とトンネル層42,44との間に位置することができる。このとき、導電型ドーパントは、第2部分20b,30bを構成する半導体層を形成するときに共に含まれてもよく、または第2部分20b,30bを構成する半導体層を形成した後にドープされてもよい。
【0141】
このように、第1及び第2部分20a,30aを半導体基板10上に形成すると、半導体基板10がベース領域110のみで構成され得る。すると、半導体基板10にドーピング領域を形成する時に生じ得る半導体基板10の損傷または再結合の増加などの問題を根本的に防止することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。エミッタ領域20及び後面電界領域30のいずれか一方の第2部分20b,30bのみが半導体基板10上に形成されてもよい。または、エミッタ領域20及び後面電界領域30のいずれか一方のみが第1部分20a,30a及び第2部分20b,30bを含むことも可能である。
【0142】
上述したような特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施例に含まれ、必ずしも一つの実施例にのみ限定されるものではない。さらに、各実施例で例示した特徴、構造、効果などは、実施例の属する分野における通常の知識を有する者によって、他の実施例に対しても組み合わせ又は変形して実施可能である。したがって、このような組み合わせ及び変形に係わる内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈しなければならない。