【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 掲載年月日 平成27年9月8日 掲載アドレス http://www.jiji.com/jc/zc?k=201509/2015090800674&g=eco
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
加盟店における、利用者と前記加盟店との取引を管理する取引管理システム、及び前記利用者による前記取引の代金が引き落とされる利用者口座を管理する口座管理システム、
を備え、
前記取引管理システムは、
前記加盟店の端末から、前記取引の可否を問い合わせる信用承認情報を受信した場合に、前記口座管理システムに、前記利用者口座の残高が、前記信用承認情報に含まれる利用金額以上であるか否かを問い合わせる残高確認情報を送信する審査部と、
前記加盟店の端末から、前記取引が完了すると送信される売上情報を受信した場合に、前記加盟店に対して、立替口座から前記売上情報に含まれる売上金額に相当する金額を送金する送金処理を実行する送金指示部と、
前記送金処理が完了した後に、前記口座管理システムに、前記売上金額を振り込ませる指示を出す回収指示部と、
を有し、
前記口座管理システムは、
前記残高確認情報を受信した場合に、前記利用者口座の残高が、前記利用金額以上であるか否かを確認し、前記残高が前記利用金額以上である場合に、前記利用金額を前記利用者口座から、予備口座に移動させる仮押え部と、
前記回収指示部から指示を受信した後に、前記予備口座に移動された前記利用金額を、当該予備口座から立替回収口座へ振り込む回収実行部と、
を有する、代金支払管理システム。
加盟店の端末から、利用者と前記加盟店との取引の可否を問い合わせる信用承認情報を受信した場合に、前記利用者による前記取引の代金が引き落とされる利用者口座を管理する口座管理システムに、前記利用者口座の残高が、前記信用承認情報に含まれる利用金額以上であるか否かを問い合わせ、前記残高が前記利用金額以上である場合に、前記利用金額を前記利用者口座から、予備口座に移動させる残高確認情報を送信する審査部と、
前記加盟店の端末から、前記取引が完了すると送信される売上情報を受信した場合に、前記加盟店に対して、立替口座から前記売上情報に含まれる売上金額に相当する金額を送金する送金処理を実行する送金指示部と、
前記送金処理が完了した後に、前記口座管理システムに、前記売上金額を振り込ませる指示を出す回収指示部と、
を備える取引管理システム。
加盟店における、利用者と前記加盟店との取引を管理する取引管理システム、及び前記利用者による前記取引の代金が引き落とされる利用者口座と当該利用者口座を管理する口座管理システムとにおいて実行され、
前記取引管理システムが、
前記加盟店の端末から、前記取引の可否を問い合わせる信用承認情報を受信した場合に、前記口座管理システムに、前記利用者口座の残高が、前記信用承認情報に含まれる利用金額以上であるか否かを問い合わせる残高確認情報を送信する審査ステップと、
前記加盟店の端末から、前記取引が完了すると送信される売上情報を受信した場合に、前記加盟店に対して、立替口座から前記売上情報に含まれる売上金額に相当する金額を送金する送金処理を実行する送金ステップと、
前記送金ステップにおいて前記送金処理が完了した後に、前記口座管理システムに、前記売上金額を振り込ませる指示を出す回収指示ステップと、
を実行し、
前記口座管理システムが、
前記残高確認情報を受信した場合に、前記利用者口座の残高が、前記利用金額以上であるか否かを確認し、前記残高が前記利用金額以上である場合に、前記利用金額を前記利用者口座から、予備口座に移動させる仮押えステップと、
前記売上金額を振り込ませる指示を受信し、さらに前記送金ステップによる前記送金処理が実行された後に、前記予備口座に移動された前記利用金額を、当該予備口座から立替回収口座へ振り込む回収実行ステップと、
を実行する、代金支払管理方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1の実施形態]
以下、本発明の実施の形態の1つについて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。またさらに、必要に応じて示す上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図示の表示に基づくものとする。さらにまた、図面における各種の寸法比率は、その図示の比率に限定されるものではない。
【0013】
<1.システム構成の概要>
図1は、本実施形態に係る代金支払管理システム10の構成の一例を示している。
図1に示すように、代金支払管理システム10は、ネットワークNを介してカード発行元の会社(以下、「カード会社」とも呼ぶ。)と契約をしている小売店(以下、「加盟店」とも呼ぶ。)やATM等の端末300に接続されている。
【0014】
端末300は、インターネットや専用線等のネットワークNに接続されたコンピュータである。具体的には、端末300として、例えば携帯電話やスマートフォン、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistants)、タブレット、ウェアラブル(Wearable)端末等が挙げられる。端末300は、加盟店が実店舗を有する場合、クレジットカードに記録された情報をスキャンする機能、及びスキャンされた情報や支払い金額などの情報を代金支払管理システム10へ送信する機能を有する。加盟店がインターネットや電話等による通信販売を営むものである場合、端末300は、クレジットカードに記録された情報をスキャンする機能を省略することができる。
【0015】
代金支払管理システム10は、例えば、取引管理システム100と口座管理システム200とから構成される。本実施形態では、取引管理システム100と口座管理システム200とは、別筐体として説明するが同一筐体上に構築されてもよい。また、さらに、取引管理システム100と口座管理システム200とは、それぞれ複数の筐体上に構築されてもよい。
【0016】
取引管理システム100、及び口座管理システム200は、インターネットや専用線等のネットワークNに接続されたコンピュータから構成される。具体的には、取引管理システム100、及び口座管理システム200を構成するコンピュータとして、例えばPCやサーバ装置等が挙げられる。
【0017】
取引管理システム100は、カード会社により管理されるシステムである。取引管理システム100は、端末300からの要求に応じて、加盟店の端末300が読み取ったクレジットカードが、利用可能であるか否かの審査を行う機能等を有している。
【0018】
口座管理システム200は、例えば、銀行で用いられるシステムである。口座管理システム200は、利用者が開設した口座を管理する機能や、当該口座からクレジットカードの利用金額を引き落とす機能等を有している。
【0019】
なお、本実施形態において、代金支払管理システム10は、クラサバ型のシステムであるとして説明するが、これに限定されるものではない。例えば、代金支払管理システム10は、クラウドコンピューティング形式のシステムとして構成されてもよい。この場合、ユーザは、代金支払管理システム10のコンピュータ処理をネットワーク経由でサービスとして利用する。また、代金支払管理システム10は、ASP(Application Service Provider)のサーバを含むシステムとして構成されてもよい。さらに、本実施形態において、端末300は、代金支払管理システム10に含まれないとして説明するが、これに限定されない。代金支払管理システム10は、端末300を含んでもよい。
【0020】
<2.サービスの概要>
まず、代金支払管理システム10によって提供されるサービスの概要について説明する。代金支払管理システム10は、カードを用いた取引に関するサービスを提供する。
【0021】
カードは、カードの利用者(以下、カードの利用者を単に「利用者」とも呼ぶ。)が、加盟店で商品・サービスの代金を支払う場合や、利用者が、海外又は国内のATMで現金を引き出すサービスの提供を受ける場合に利用される。以下では、利用者がカードを利用して、商品やサービスの提供を加盟店やATM等(以下、加盟店やATMをまとめて「加盟店等」とも呼ぶ。)から受けることを「取引する」とも呼ぶ。
【0022】
詳細については後述するが、本発明に係るカードを用いた取引においては、利用者は取引の代金を即時決済することができる一方で、カード会社は、加盟店に対して取引の代金の立て替えを行う。
【0023】
本実施形態に係るカードは、カード会社が単独で、又はカード会社と銀行とが共同で発行するカードをいう。本実施形態においては、カードの一例として、クレジットカードを例にあげて説明する。なお、カードは、クレジットカードに限定されず、例えばプリペイドカードやキャッシュカード、デビッドカード、ペイメントカードでもよい。
【0024】
クレジットカードの利用者は、クレジットカードを利用するために、事前にカード会社及び銀行と利用契約を締結する。このとき、利用者は、一意なクレジットカード番号(以下、「クレジットカードの識別子」とも呼ぶ。)が割り当てられ、クレジットカードを利用した取引の代金が引き落とされる口座(以下、「利用者口座」とも呼ぶ。)を指定する。利用者口座とクレジットカードの識別子は紐づけられ、口座管理システム200によって管理される。
【0025】
本実施形態に係るクレジットカードは、対面販売だけでなくインターネットショッピング等の非対面販売に用いられることも可能である。利用者はクレジットカードを非対面販売に用いる場合には、取引に現実のカードではなく、例えばクレジットカードの識別子を用いることができる。さらに、非対面販売において、利用者はクレジットカードの識別子に紐づけられた所定のIDを用いて取引を行うことも可能である。所定のIDは、例えば所定のシステムへのログインIDやモバイルIDを含む。
利用者は、例えば所定のシステムへログインすることで、ログインIDに紐づくクレジットカードの識別子を用いて取引を行うことができる。
また、クレジットカードの識別子は、おサイフケータイ(登録商標)、その他ICチップ決済等に紐づけられていてもよい。
【0026】
利用者は、契約時に、クレジットカードを用いた取引に関する代金の支払時期に関して、以下の2種類からクレジットカードの利用方法を選択することができる。
・即日払い利用(即時決済利用)
・後払い利用
なお、利用者は、上記の2種類の利用方法を併用する契約を、カード会社と締結することも可能である。なお、利用者が選択した利用方法は、後述するカード情報DB132に登録される。
【0027】
即日払い利用は、本実施形態では、利用者口座から取引の代金が、取引が成立すると即日引き落とされる、クレジットカードの利用方法をいう。他方、後払い利用は、利用者口座から取引の代金が、取引が成立した、後日に引き落とされる、クレジットカードの利用方法をいう。なお、即日払い利用において、取引の成立から引き落としが行われるまでの期間は、即日に限定されない。この期間は、後払い利用の場合における取引成立から引き落としまでの期間よりも短ければよく、例えば、取引成立の数日後であってもよい。
【0028】
後払い利用の場合、引き落とし日は、例えば、取引成立日の翌月の末日や、カード会社が予め指定した日にちが取引成立日以降に到来した際、又は、利用者が指定した日にちが取引成立日以降に到来した際等である。さらに、後払い利用の場合、利用者は代金の支払いをクレジットカードの利用時に、一括払い、又は分割払いから選択することも可能である。なお、引き落とし日や、選択された支払方法(一括払いか、分割払いか)は、後述するカード情報DB132に登録される。
【0029】
また、後払い利用を選択した利用者には、利用契約時に、クレジットカードの利用の限度額が設定される。カード会社は、限度額として、1回の取引の利用の最大金額や、1ヶ月におけるクレジットカードの合計金額を利用者に対して設定することができる。なお、利用者の収入や、利用者口座の残高等に基づいて、あらかじめ限度額をカード会社が定めるとしてもよい。なお、設定された限度額は、後述するカード情報DB132に登録される。
【0030】
利用者とカード会社との間、及び利用者と銀行との間で利用契約が締結されると、当該利用者は加盟店や指定されたATMでクレジットカードを利用することができる。利用契約によって利用可能になったクレジットカードには代金支払管理システム10において一意な識別子が割り当てられる。このクレジットカードの識別子は、利用者と対応付けられて、後述する利用者情報DB131に登録される。
【0031】
<3.機能構成>
<3−1.端末300の機能>
端末300は、取引の可否を問い合わせる信用承認情報(以下、「オーソリデータ」とも呼ぶ)を、代金支払管理システム10に送信する。具体的には、端末300は、クレジットカード読み取り時に、オーソリデータを送信して、取引に用いられるクレジットカードの利用の可否を問い合わせることで、発生した取引の可否を問い合わせることができる。
【0032】
オーソリデータは、クレジットカードの識別子と、加盟店の識別子と、取引の代金(以下、「利用金額」とも呼ぶ。)と、利用方法の種別(即日払い利用か、後払い利用か、以下「利用種別」とも呼ぶ。)と、取引日とを、少なくとも含む情報をいう。利用方法の種別の一例として、例えば、クレジットカード番号の上6桁等、所定の桁数(以下、「BIN番号」とも呼ぶ。)が挙げられる。また、オーソリデータは、上述した所定のIDに関する情報も含むことが可能である。
【0033】
端末300は、クレジットカードの表裏や、読み取る向き等によって、クレジットカードの利用種別を判別することが可能である。また例えば利用種別は、利用者が、クレジットカードの利用時に指定するとしてもよいし、クレジットカードの識別子に応じてあらかじめ定められているとしてもよい。
【0034】
代金支払管理システム10から、端末300が読み取ったクレジットカードの利用を承認する旨の通知(以下、「承認通知」とも呼ぶ。)を、端末300が受信すると、取引が成立する。取引が成立すると、端末300は、代金支払管理システム10に対して、売上情報を送信する。
【0035】
売上情報は、クレジットカードの識別子と、加盟店の識別子と、加盟店の今回の取引による売上金額(以下、単に「売上金額」とも呼ぶ。)と、利用種別を示すBIN番号等の情報と、取引日とを、少なくとも含む情報をいう。
【0036】
他方、代金支払管理システム10から、端末300が読み取ったクレジットカードの利用を承認しない旨の通知(以下、「否認通知」とも呼ぶ。)を、端末300が受信すると、取引が不成立となる。
【0037】
<3−2.取引管理システム100の機能>
図2(A)を参照して、本実施形態に係る取引管理システム100の機能構成について説明する。
図2(A)は、取引管理システム100の機能ブロック図の一例を示す図である。取引管理システム100は、利用者情報DB131と、カード情報DB132と、加盟店情報DB133と、不正検知部101と、審査部102と、突合部103と、送金指示部104と、回収指示部105と、ポイント付与部106とを有している。
【0038】
利用者情報DB131には、利用者の識別子と、当該利用者が保有するクレジットカードの識別子と、ポイント合算値とが対応付けられて保存される。クレジットカードの識別子は、利用者がカード会社及び銀行と利用契約を締結した時に、割り当てられた識別子である。利用者がカード会社及び銀行と複数の利用契約を締結する等して、複数のクレジットカードを保有している場合には、1つの利用者の識別子に複数のクレジットカードの識別子が対応付けられる。例えば、1つの利用者の識別子に、利用方法の異なる複数のクレジットカードの識別子が対応付けられてもよい。
【0039】
ポイント合算値は、1つの利用者の識別子に対応付けられた、複数のクレジットカードに対して、後述するポイント付与部106によって付与されたポイントの合算値をいう。
【0040】
カード情報DB132には、例えば、クレジットカードの識別子と、利用種別と、当該クレジットカードが利用された場合に、利用金額が引き落とされる利用者口座と、当該クレジットカードの利用履歴と、限度額(後払い利用に対応するクレジットカードの場合)と、ポイント合計とが対応付けられて保存されている。また、カード情報DB132には、利用者口座と紐づくID(上述したシステムIDやモバイルID等)が保存されていてもよい。
【0041】
クレジットカードの利用履歴は、例えば、当該クレジットカードが利用された加盟店等の識別子や、利用金額、利用金額の当月の合計額、利用日時、利用者口座から利用金額が引き落とされた日時、引き落としの際の遅滞の有無等を含む。
ポイント合計は、後述するポイント付与部106によって付与されたポイントの合計値をいう。
【0042】
なお、カード情報DB132に保存される利用種別は、利用者がカード会社と利用契約を締結した時に、選択したクレジットカードの利用方法である。1つのクレジットカードの識別子に対して、複数の種類の利用種別(即日払い利用か、後払い利用か、これらの併用か)が対応付けられてもよい。また、カード情報DB132に保存される限度額の初期値として、利用者がカード会社と利用契約を締結した時に設定された限度額が保存される。限度額は、対応するクレジットカードの利用履歴に応じて更新されてもよい。この更新は、例えば、所定の期間連続して引き落としの際の遅滞が無、と利用履歴に記録された場合や、利用金額等に基づいて行われる。
【0043】
加盟店情報DB133には、加盟店等の識別子と、加盟店等の名称と、業種と、業歴と、クレジットカードによる売上月額と、売上月額の推移に関する情報と、不正取引に関する情報等とが保存されている。
【0044】
加盟店情報DB133は、売上月額の推移に関する情報として、例えば、売上の急激な減少や消滅を示す情報を保存することができる。また、加盟店情報DB133は、不正取引に関する情報として、例えば、売上単価が不当に高いことを示す情報を保存することができる。加盟店情報DB133は、さらに、その他の情報として、加盟店契約の解除、閉店及び代表者の変更、官報に掲載された企業倒産や不渡りの情報等を保存することができる。
【0045】
加盟店情報DB133に保存された、加盟店等の名称、業種及び業歴は、カード会社が加盟店契約をする際に取得することができる。また、加盟店情報DB133に保存されたその他の情報については、加盟店契約以降のクレジットカードによる支払い実績等に基づいて追加・更新することができる。
【0046】
不正検知部101は、端末300からオーソリデータを受信した際に、利用者情報DB131、カード情報DB132、及び加盟店情報DB133に基づいて、不正検知処理を実行する。
【0047】
例えば、不正検知部101は、不正検知処理として、加盟店情報DB133を参照して、オーソリデータに含まれる加盟店等の識別子に対応する業種が、利用者に選択された利用種別に対応する業種であるか否かを判定することができる。具体的には、利用者が「即日払い利用」を選択している場合には、不正検知部101は、公共料金の支払いや新聞の購読等、利用金額が一定の間隔で所定の期間繰り返し発生するような業種へのクレジットカードの利用を保留する。なお、不正検知部101は、利用者が後払い利用のクレジットカードを利用した際に、加盟店情報DB133において、このような業種の加盟店に対応するレコードを更新することができる。具体的には、不正検知部101は、加盟店の端末300から、利用金額が一定の間隔で所定の期間繰り返し受信した場合に、当該加盟店に対して、繰り返し利用金額が発生する業種であることを示す業種コードを割り当てる。
【0048】
また、例えば、不正検知部101は、不正検知処理として、カード情報DB132を参照して、オーソリデータに含まれるクレジットカードの識別子に対応する利用履歴から、当該クレジットカードの利用を保留すべきか否かを判定することができる。具体的には、利用者が「後払い利用」を選択している場合には、不正検知部101は、前回のクレジットカードの利用金額が利用者口座から引き落とされておらず、かつ支払期日が到来している利用履歴に対応するクレジットカードの利用を保留する。この場合、不正検知部101は、カード情報DB132の当該クレジットカードに対応するレコードを更新する。具体的には、クレジットカードの利用履歴の、「引き落としの際の遅延」を「有」に更新する。さらに、この場合、利用者が「即日払い利用」を選択している場合であっても、不正検知部101は、利用者情報DB131を参照して、支払期日が過ぎているのに引き落としが完了していないクレジットカードを有する利用者に紐づくクレジットカードの利用を、一括して保留することが可能である。
【0049】
このように本実施形態に係る不正検知部101によれば、利用種別が異なるクレジットカードの利用履歴に基づいて、不正検知処理を実行することができる。これによって、不正検知の精度を向上することができる。
【0050】
なお、不正検知部101は、カード情報DB132や加盟店情報DB133を参照して、過去の不正な利用履歴を解析し、あらかじめ不正検知ルールを作成してもよい。不正検知ルールは、例えば、利用者が過去一定期間クレジットカードを利用していた地域から、「遠隔した地域において、高額の利用が相次いだ場合」や、「換金性が高く、かつ高額の商品ばかりの利用が続いた場合」等が挙げられる。この場合、不正検知部101は、不正検知ルールにマッチするクレジットカードの利用を保留することができる。
【0051】
不正検知部101は、不正検知処理によってクレジットカードの利用を保留した場合、端末300に対して、当該クレジットカードの利用を保留する旨の通知(以下、「保留通知」とも呼ぶ。)を行う。
【0052】
審査部102は、端末300からオーソリデータを受信し、不正検知部101が利用を保留しなかった場合に、クレジットカードの利用を承認すべきか否かを判定する。審査部102は、オーソリデータに含まれる利用種別を示すBIN番号等の情報に基づいて、以下の2種類の審査処理を実行する。
・与信枠に基づく審査処理
・口座残高に基づく審査処理
【0053】
(与信枠に基づく審査処理)
オーソリデータに含まれる利用種別が「後払い利用」である場合には、審査部102は、審査処理として、利用金額が与信枠の範囲内であるか否かの審査を行う。例えば、審査部102は、カード情報DB132を参照して、当月の利用金額の合計額に今回の利用金額を足した加算額が、限度額を上回っているか判定を行うことができる。当該加算額が、限度額以下である場合には、審査部102は、端末300に対して承認通知を行う。
【0054】
他方で、加算額が、限度額より大きい場合には、審査部102は、端末300に対して否認通知を行う。
【0055】
(口座残高に基づく審査処理)
オーソリデータに含まれるBIN番号等の情報が示す利用種別が「即日払い利用」である場合には、審査部102は、審査処理として、利用者口座の残高が利用金額以上であるか否かの問合せ(以下、「残高確認依頼」とも呼ぶ。)を、口座管理システム200に対して行う。例えば、審査部102は、カード情報DB132を参照して、オーソリデータに含まれるクレジットカードの識別子に対応する利用者口座と、利用金額とを、口座管理システム200に対して、送信して、残高確認依頼をすることができる。口座管理システム200から、利用者口座の残高が利用金額以上である旨が通知された場合には、審査部102は、端末300に対して承認通知を行う。
【0056】
他方で、口座管理システム200から、利用者口座の残高が利用金額未満である旨が通知された場合には、審査部102は、端末300に対して否認通知を行う。
【0057】
突合部103は、端末300から、売上情報を受信した場合に、オーソリデータと、売上情報とが一致するか否かの判定を行う。例えば、突合部103は、所定のロジックに基づいて、売上情報とオーソリデータとに含まれる、取引日、クレジットカードの識別子、加盟店の識別子、売上金額・利用金額等の情報が一致するか否かの判定を行う。突合部103は、オーソリデータと売上情報とが一致しない場合(オーソリデータを、利用情報を受信する前に受信していなかった場合を含む)には、取引を保留する旨の通知を端末300に送信することができる。突合部103によって保留された取引は、例えば、システム管理者等が目視によって確認することができる。また、突合部103は、利用金額と売上金額とが一致しない場合には、利用者に対して入金を依頼するメールを送信してもよい。さらに、この場合には、上述した不正検知部101が、今回受信したオーソリデータに基づいて不正検知ルールを作成することが望ましい。
【0058】
送金指示部104は、売上金額に相当する金額を加盟店に対して、送金する送金処理を実行する。送金指示部104は、例えば、加盟店の口座に対して送金を行うことができる。また、送金指示部104は、カード会社の口座(以下、「立替口座」とも呼ぶ。)から売上金額に相当する金額を送金することができる。なお、送金指示部104は、突合部103が、オーソリデータに含まれる情報と、売上情報に含まれる情報とが一致しないと判定した場合であっても、送金処理を実行することが望ましい。
【0059】
回収指示部105は、突合部103が利用金額と売上金額とが一致したと判定した場合に、債権回収処理を実行する。例えば、回収指示部105は、選択された利用種別に基づいて、以下の2種類の債権回収処理のいずれかを行う。
・引き落とし指示処理
・口座移動指示処理
【0060】
(引き落とし指示処理)
オーソリデータに含まれるBIN番号等の情報が示す利用種別が「後払い利用」である場合には、回収指示部105は、引き落とし指示処理を実行する。引き落とし処理は、口座管理システム200に対して、利用者口座からカード会社が保有する口座(以下、「立替回収口座」とも呼ぶ。)へと、売上金額に相当する金額の引き落としを指示する処理をいう。なお、立替回収口座は、上述した立替口座と同一の口座でもよいし、口座管理システム200以外の外部システムによって管理される口座であってもよい。例えば、回収指示部105は、カード情報DB132を参照して、オーソリデータに含まれるクレジットカードの識別子に対応する利用者口座と、売上金額に相当する引き落とし金額と、引き落としの日にちとを指定して、口座管理システム200へ、引き落としを指示することができる。利用者が分割払いを選択している場合には、回収指示部105は、さらに、分割回数を指定することが望ましい。
【0061】
(口座移動指示処理)
オーソリデータに含まれる利用種別が「即日払い利用」である場合には、回収指示部105は、口座移動指示処理を実行する。口座移動指示処理は、口座管理システム200に対して、銀行が保有する口座(以下、「予備口座」とも呼ぶ。)から立替回収口座へと、売上金額に相当する金額の移動を指示する処理をいう。詳細については後述するが、上述した口座残高に基づく審査処理に応答して、口座管理システム200では、利用者口座から予備口座への利用金額の移動が行われている。例えば、回収指示部105は、予備口座と移動金額とを指定して、予備口座から立替回収口座への売上金額に相当する移動金額の移動を指示することができる。
【0062】
なお、回収実行部202は、複数の取引分の債権回収処理を、まとめて行ってもよい。この場合、回収指示部105は、口座管理システム200に、支払期日を指定して通知し、当該支払期日の到来時に、指定した口座(利用者口座、又は予備口座)から立替回収口座へと複数の取引の売上金額の合算額に相当する金額を移動(又は引き落とし)させるように指示を送る。
【0063】
ポイント付与部106は、回収指示部105の債権回収処理が完了した場合に、ポイント付与処理を実行する。具体的には、ポイント付与部106は、クレジットカードの識別子に対応する、利用者情報DB131のポイント合算値、及びカード情報DB132のポイント合計に、今回立替回収口座に移動された金額に対応するポイントを加算して、更新する。
【0064】
図3を参照して、取引管理システム100の処理フローについて説明する。
加盟店の端末300が利用者に提示されたクレジットカードを読み取ると、代金に相当する利用金額を含むオーソリデータが取引管理システム100に送信される。不正検知部101が、オーソリデータを受信する(S101:YES)と、不正検知処理を実行する。例えば、不正検知部101は、あらかじめ作成した不正検知ルールに、今回受信したオーソリデータが当てはまるか否かの検証を行う。不正検知部101は、今回受信したオーソリデータが不正利用に関するものである、と判断した場合(S102:NO)には、端末300に対して保留通知を行う(S157)。
【0065】
他方で、不正検知部101が、今回受信したオーソリデータが不正利用に関するものではない、と判断した場合(S102:YES)には、審査部102が審査処理を実行する。具体的には、審査部102は、まずオーソリデータに含まれるBIN番号等の利用種別を示す情報参照して、今回のクレジットカードの利用が、後払い利用であるか、即日払い利用であるかを確認する(S103)。
【0066】
利用種別が後払い利用である場合には、審査部102は、与信枠審査処理を実行する(S104)。他方で、利用種別が即日払い利用である場合には、審査部102は、口座残高審査処理を実行して、残高確認依頼を口座管理システム200に送信する(S124)。
【0067】
審査部102は、審査の結果、取引が承認できないものである、と判断した場合(S105:NO)には、否認通知を端末300に送信する(S155)。
【0068】
他方で、審査部102は、審査の結果、取引が承認できるものである、と判断した場合(S105:YES)には、承認通知を端末300に送信する(S106)。端末300は、承認通知を受信すると、取引を成立させ、今回の実際の売上金額を含む、売上情報を取引管理システム100に送信する。
【0069】
売上情報を受信すると、送金指示部104が、加盟店へ、売上金額の送金処理を実行する(S107)。次に、突合部103は、すでに受信したオーソリデータと、今回受信した売上情報とが一致するか否か判定する(S108)。
【0070】
突合部103が、オーソリデータと売上情報とが一致しないと判断した場合(S108:NO)には、突合部103は、取引を保留する旨の通知を端末300に送信する(S157)。
【0071】
他方で、突合部103が、オーソリデータと売上情報とが一致すると判断した場合(S108:YES)であって、かつ、送金処理が完了する(S109:YES)と、回収指示部105は、利用種別に応じて債権回収処理を実行する。
【0072】
例えば、利用種別が後払い利用である場合には、回収指示部105は、引き落とし指示処理を実行して、口座管理システム200に、売上金額に相当する引き落とし金額を利用者口座から立替回収口座へ引き落とすように指示する(S111)。他方で、利用種別が即日払い利用である場合には、回収指示部105は、口座移動指示処理を実行して、口座管理システム200に、売上金額に相当する移動金額を予備口座から立替回収口座へ移動させるように指示する(S124)。
【0073】
債権回収処理が完了すると、ポイント付与部106は、クレジットカードの利用者、及び利用されたクレジットカードに対して、立替回収口座へ移動された金額に対応するポイントを付与する(S112)。
【0074】
<3−3.口座管理システム200>
図2(B)を参照して、本実施形態に係る口座管理システム200の機能構成について説明する。
図2(B)は、口座管理システム200の機能ブロック図の一例を示す図である。口座管理システム200は、顧客情報DB231と、仮押え部201と、回収実行部202とを有している。
【0075】
顧客情報DB231には、利用者が銀行に開設した口座の口座番号、普通/当座等の預金の種別、口座の名義、残高等が対応付けられて保存されている。本実施形態においては、口座情報DB231に、少なくとも利用者口座、予備口座、及び立替回収口座に関する情報が記録されている。
【0076】
仮押え部201は、取引管理システム100から残高確認依頼を受信した場合に、顧客情報DB231を参照して、利用者口座の残高が、利用金額以上であるか否かを確認する。仮押え部201は、確認後、利用者口座の残高を、審査部102に返すことができる。
【0077】
さらに、仮押え部201は、利用者口座の残高が利用金額以上である場合に、利用金額を利用者口座から予備口座に移動させる。例えば、仮押え部201は、顧客情報DB231の利用者口座の残高から利用金額を減算して、予備口座の残高に利用金額を加算して、顧客情報DB231を更新することができる。
【0078】
回収実行部202は、回収指示部105から指示を受信し、さらに送金指示部104による上述した送金処理が実行された後に、指定された口座から指定された金額を立替回収口座へと移動させる。例えば、回収実行部202は、回収指示部105から、口座移動指示を受信した場合には、顧客情報DB231の予備口座の残高から指定された移動金額を減算して、立替回収口座の残高に移動金額を加算して、顧客情報DB231を更新することができる。また、例えば、回収実行部202は、回収指示部105から、引き落とし指示を受信した場合には、顧客情報DB231の利用者口座の残高から指定された引き落とし金額を減算して、立替回収口座の残高に引き落とし金額を加算して、顧客情報DB231を更新することができる。
【0079】
図4を参照して、利用者が即日払い利用のクレジットカードを利用した場合の、口座管理システム200の処理フローについて説明する。
【0080】
口座管理システム200が、取引管理システム100から残高確認依頼を受信した場合(S201:YES)、仮押え部201は、残高確認処理を実行する。具体的には、残高確認依頼を参照して、指定された利用者口座の残高が、指定された利用金額以上であるか否かを判定する(S202)。利用者口座の残高が利用金額以上である場合(S202:YES)には、仮押え部201は、利用者口座から利用金額を予備口座へと移動させる(S230)。仮押え部201は、さらに、残高確認結果を取引管理システム100へ通知する(S204)。
【0081】
次に、口座管理システム200が、取引管理システム100から、口座移動指示を受信した場合(S205:YES)であって、さらに、送金指示部104による送金処理が完了済みである場合(S206:YES)、回収実行部202は、予備口座から立替回収口座へと、指定された移動金額を移動させる(S207)。
【0082】
<3−4.処理シーケンス>
次に、
図5を参照して、利用者が加盟店において、即日払い利用のクレジットカードを利用した場合の、本実施形態に係る代金支払管理システム10及び端末300の処理シーケンスについて説明する。なお、この例では、利用者が加盟店で行った取引は正当なものであり、利用者口座には、利用金額よりも多くの残高が残っている場合を例として説明する。
【0083】
端末300は、オーソリデータを取引管理システム100に送信する(S31)。このオーソリデータには、端末300が読み取ったクレジットカードの識別子と、加盟店の識別子と、今回の利用金額が含まれている。
【0084】
取引管理システム100がオーソリデータを受信すると、不正検知部101が、あらかじめ作成した不正検知ルールを参照して、今回の取引が承認可能な取引かを検証する(S11)。今回の取引を承認可能であると不正検知部101が判断した場合には、審査部102は、利用金額と利用者口座とを指定して、残高確認依頼を、口座管理システム200に送信する(S12)。
【0085】
口座管理システム200の、仮押え部201は、顧客情報DB231を参照して、指定された利用者口座の残高が、指定された利用金額を上回っているかを判定する(S21)。利用者口座の残高が、利用金額を上回っている場合には、仮押え部201は、利用金額を利用者口座から予備口座へと移動させる(S22)。
【0086】
さらに、仮押え部201は、利用者口座の残高が利用金額を上回っている旨の通知を審査部102へと送信する(S23)。審査部102は、仮押え部201から残高確認結果を受けると、加盟店の端末300へ、オーソリデータを承認する旨の通知を行う(S12)。
【0087】
端末300は、通知を受けると、取引を成立させ(S32)、利用者に商品・役務(この場合は鞄)の提供を行う。取引が成立すると端末300は、売上情報を取引管理システム100に送信する(S33)。
【0088】
取引管理システム100が、売上情報を受信すると、送金指示部104は、加盟店へと、売上金額を送金する(S13)。なお、この送金処理は、複数の取引に関する送金をまとめて行ってもよい。
【0089】
次に、突合部103は、オーソリデータと売上情報とが一致するか判定する(S14)。利用金額と売上金額とが一致している場合であって、送金指示部104による送金処理が完了した場合には、回収指示部105が、口座管理システム200に口座移動指示を通知する(S15)。
【0090】
回収実行部202は、回収指示部105から指示を受信し、送金指示部104の送金処理が完了した場合に、予備口座から立替回収口座へと売上金額に相当する移動金額を移動させる(S24)。
【0091】
このように、取引の承認をカード会社のシステムが行い、口座間の金額の移動を銀行のシステムで行うことによって、クレジットカードであっても即日引き落としが可能となる。
【0092】
<4.ハードウェア構成>
以下、
図6を参照しながら、上述してきた端末300、取引管理システム100、及び口座管理システム200をコンピュータ800により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0093】
図9に示すように、コンピュータ800は、プロセッサ801、メモリ803、記憶装置805、入力I/F部807、データI/F部809、通信I/F部811、及び表示装置813を含む。
【0094】
プロセッサ801は、メモリ803に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ800における様々な処理を制御する。例えば、取引管理システム100の不正検知部101や審査部102、突合部103、送金指示部104、回収指示部105、口座管理システム200の仮押え部201や回収実行部202などは、メモリ803に一時記憶された上で、主にプロセッサ801上で動作するプログラムとして実現可能である。
【0095】
メモリ803は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ803は、プロセッサ801によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0096】
記憶装置805は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置805は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。この他、記憶装置805は、利用者情報DB131や、カード情報DB132、加盟店情報DB133、顧客情報DB231を記憶することも可能である。このようなプログラムやデータは、必要に応じてメモリ803にロードされることにより、プロセッサ801から参照される。
【0097】
入力I/F部807は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部807の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部807は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続されても良い。
【0098】
データI/F部809は、コンピュータ800の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部809の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部809は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部809は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800へと接続される。
【0099】
通信I/F部811は、コンピュータ800の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部811は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部811は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続される。
【0100】
表示装置813は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置813の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示装置813は、コンピュータ800の外部に設けられても良い。その場合、表示装置813は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ800に接続される。
【0102】
第2の実施形態以降では第1の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
【0103】
本実施形態において、審査部102は、与信枠に基づく審査処理、及び口座残高に基づく審査処理に加えて、利用種別切替処理を実行することができる。
【0104】
(与信枠に基づく審査処理)
本実施形態に係る与信枠審査処理は第1の実施形態と同様である。
【0105】
(口座残高に基づく審査処理)
本実施形態に係る、口座残高に基づく審査処理において、審査部102は、口座管理システム200から、利用者口座の残高が利用金額未満である旨が通知された場合には、端末300に対して否認通知を行わず、利用種別切替処理を実行することも可能である。
その他の口座残高に基づく審査処理は第1の実施形態と同様である。
【0106】
(利用種別切替処理)
利用種別切替処理において、審査部102は、まず、口座管理システム200から利用者口座の残高の通知を受ける。審査部102は、利用金額から、当該通知された残高を減じた金額(以下、「残高超過金額」とも呼ぶ。)に基づいて、与信審査枠に基づく審査処理を実行する。具体的には、審査部102は、カード情報DB132を参照して、当月の利用金額の合計額に残高超過金額を足した加算額が、限度額を上回っているか判定を行うことができる。当該加算額が、限度額以下である場合には、審査部102は、端末300に対して承認通知を行う。さらに、この場合、審査部102は、回収指示部105に対して、引き落とし依頼処理を、引き落とし金額を残高超過金額として、実行する旨の通知を行う。他方で、加算額が、限度額より大きい場合には、審査部102は、端末300に対して否認通知を行う。その他の審査部102の機能は第1の実施形態と同様である。
【0107】
本実施形態に係る代金支払管理システム10においては、利用者が即日払い利用を指定した場合であって、利用者口座の残高が不足していた場合には、自動的に後払い利用に変更することが可能になる。
【0108】
その他の構成、効果は第1の実施形態と同様である。
【0109】
[第3の実施形態]
本実施形態において、送金指示部104は加盟店に対する送金処理が完了すると、証明書を発行する。証明書は、例えば加盟店への支払いが済んだことを示す電文である。
【0110】
本実施形態において、回収指示部105は、回収指示を行う際に、この証明書を、口座管理システム200に送信する。回収指示部105は、回収指示を送信した日時と、送信した証明書とを、カード情報DB132の対応するクレジットカードの識別子のレコードに紐づけて保存することができる。その他の取引管理システム100の構成・機能は第1の実施形態と同様である。
【0111】
本実施形態において、口座管理システム200の回収実行部202は回収指示と証明書を受信した場合にのみ、指定された口座から指定された金額を立替回収口座へと移動させる。
また、本実施形態において、口座管理システム200は、回収履歴DBを有していることが望ましい。回収履歴DBには、例えば、回収指示を受けた日時と、指定された口座(予備口座や利用者口座)の識別子と、回収指示部105から受信した証明書とが対応付けられて保存されている。その他の口座管理システム200の構成・機能は第1の実施形態と同様である。
【0112】
このように本実施形態に係る代金支払管理システム10によると、加盟店への送金が完了した際に発行される証明書がなければ、回収実行部202は、指定された口座から指定された金額を立替回収口座へと移動させる処理を実行しない。これによって、送金前に利用者口座や予備口座から、立替回収口座へと売上金額(または利用金額)が移動されるのを防ぐことができる。その他の構成・効果は第1の実施形態と同様である。
【0113】
以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。また、各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもなく、これらも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【解決手段】加盟店とカードの利用者との取引を管理する取引管理システムから、取引の可否を問い合わせる信用承認情報を受信した場合に、利用者口座の残高が、利用金額以上であるか否かを確認し、残高が利用金額以上である場合に、利用金額を利用者口座から、予備口座に移動させる仮押え部と、回収指示部から指示を受信し、さらに送金指示部による送金処理が実行された後に、予備口座に移動された利用金額を、立替回収口座へ振り込む回収実行部と、を有する。