(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6059462
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】携帯端末並びにその制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0481 20130101AFI20161226BHJP
G06F 3/0484 20130101ALI20161226BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20161226BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06F3/0484
G06F13/00 540P
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-173130(P2012-173130)
(22)【出願日】2012年8月3日
(65)【公開番号】特開2014-32554(P2014-32554A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2015年7月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社ミクシィ
(74)【代理人】
【識別番号】100134706
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】中河 宏文
【審査官】
池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−085849(JP,A)
【文献】
特開2001−070656(JP,A)
【文献】
特開2009−089752(JP,A)
【文献】
特開2003−324547(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0155597(US,A1)
【文献】
特開2011−082650(JP,A)
【文献】
特開2002−175464(JP,A)
【文献】
浅賀一樹ほか2名,“複数の玉を扱う携帯型迷路ゲームの自動生成”,第73回(平成23年)全国大会講演論文集(4) インタフェース コンピュータと人間社会,日本,一般社団法人情報処理学会,2011年 3月 2日,pp. 4-111〜4-112
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0481
G06F 3/0484
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メイン情報に関連しない指定動作を促すサブ情報を、該メイン情報に重畳させかつ該メイン情報より視認度合いが低くなるように表示装置に表示させる促進手段と、
前記促進手段により促される指定動作を、前記メイン情報に関連する入力操作の検知に使用する入力デバイス以外のセンサから取得される信号を用いて検知する検知手段と、
前記検知手段により検知される指定動作が所定条件を満たす場合に、広告情報のアクティベートを行わせる指示信号を出力する指示手段と、
を備える携帯端末。
【請求項2】
前記促進手段が、前記センサを用いて検知可能な前記指定動作を促す前記サブ情報を前記表示手段に表示させる、
請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記促進手段が、発声を促す前記サブ情報を前記表示装置に表示させ、
前記検知手段が、前記促進手段により促される発声を音声センサから取得される信号を用いて検知する、
請求項1又は請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記促進手段が、前記サブ情報に関連するリズム音を再生装置に再生させ、
前記検知手段が、前記促進手段により促される発声を検知し、
前記指示手段が、前記検知手段により検知される一連の発声が前記リズム音のタイミングに適合するという前記所定条件を満たす場合に前記指示信号を出力する、
請求項3に記載の携帯端末。
【請求項5】
メイン情報に関連しない指定動作を促すサブ情報を、該メイン情報に重畳させかつ該メイン情報より視認度合いが低くなるように表示装置に表示させる促進ステップと、
前記促進ステップにおいて促される指定動作を、前記メイン情報に関連する入力操作の検知に使用する入力デバイス以外のセンサから取得される信号を用いて検知する検知ステップと、
前記検知ステップにおいて検知される指定動作が所定条件を満たす場合に、広告情報のアクティベートを行わせる指示信号を出力する指示ステップと、
を含む、携帯端末の制御方法。
【請求項6】
メイン情報に関連しない指定動作を促すサブ情報を、該メイン情報に重畳させかつ該メイン情報より視認度合いが低くなるように表示装置に表示させる促進機能と、
前記促進機能により促される指定動作を、前記メイン情報に関連する入力操作の検知に使用する入力デバイス以外のセンサから取得される信号を用いて検知する検知機能と、
前記検知機能により検知される指定動作が所定条件を満たす場合に、広告情報のアクティベートを行わせる指示信号を出力する指示機能と、
を携帯端末のコンピュータに実現させる制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話機(フィーチャーフォン)、及び携帯情報端末(PDA)等(以下単に「携帯端末」ということがある。)においてウェブ広告を行う
手法に関する。
【背景技術】
【0002】
Web上の広告においては、いわゆるバナー広告(広告主のサイトへのリンクが張られたアイコン表示)が主に用いられてきている。これはもともとPC画面上での簡易かつ広告効果の高い広告表示手段として汎用されてきた。しかし、例えばスマートフォンや携帯電話機等においては、一般的に画面サイズがPCより小さく、提供可能な総情報量に対する広告表示の比率が大きくなることから、閲覧者にとって望ましいものとは言えなかった。このことは広告出稿者にとっても同様で、広告主に対する悪感情をも引き起こしかねないものとなっていた。
【0003】
一方で日本国内において一人1台以上を保有している携帯端末における広告効果を無視することはできず、効率的な広告手段が望まれている。また更には、これまでのPC端末とは異なり、携帯端末は独自の種々の特徴を有している。こうした特徴を活用した広告表示手段が実現されれば、閲覧者がより能動的に広告情報にアクセスし、広告効果の向上が期待できる。
【0004】
こうした観点からの広告配信に関する技術として、例えば特許文献1に記載するように、各種操作に伴うイベント入力に応答して広告デモンストレーションを表示する際3Dオブジェクトの動きを定義するファイルを用いて表示データを前記3Dオブジェクトに張り付ける処理を行うことにより、閲覧中のウェブサイト等と調和した広告を実現するものがある。あるいは特許文献2に記載するように、第1の壁紙画像を分割回転させて表示し、タッチ位置検出機能をもちいて各分割領域をタッチ回転させ、全ての分割画像の回転角度がゼロになったと判別した際に別の壁紙画像を表示するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−103073
【特許文献2】特開2012− 4966
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に開示の広告表示は、特定の3D表示デバイスを有する端末によってしか実現することができない他、広告を表示させるにあたっての閲覧者の興趣を高めることはできない。一方特許文献2に開示の技術によっては、本来閲覧者が閲覧を望む閲覧画面への操作と背景画面への操作とが混同するおそれがあり誤操作を生じることがある他、携帯端末等の幅広い特性を生かすことができない。
本発明
が解決しようとする課題は、閲覧者が本来閲覧を求めていた画面表示を阻害することなく閲覧者の興趣及び広告情報への関心を高
めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る「携帯端末」は、メイン情報に関連しない指定動作を促すサブ情報を、該メイン情報に重畳させかつ該メイン情報より視認度合いが低くなるように表示装置に表示させる促進手段と、前記促進手段により促される指定動作を、前記メイン情報に関連する入力操作の検知に使用する入力デバイス以外のセンサから取得される信号を用いて検知する検知手段と、前記検知手段により検知される指定動作が所定条件を満たす場合に、広告情報のアクティベートを行わせる指示信号を出力する指示手段と、を備える。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る「携帯端末の制御方法」は、メイン情報に関連しない指定動作を促すサブ情報を、該メイン情報に重畳させかつ該メイン情報より視認度合いが低くなるように表示装置に表示させる促進ステップと、前記促進ステップにおいて促される指定動作を、前記メイン情報に関連する入力操作の検知に使用する入力デバイス以外のセンサから取得される信号を用いて検知する検知ステップと、前記検知ステップにおいて検知される指定動作が所定条件を満たす場合に、広告情報のアクティベートを行わせる指示信号を出力する指示ステップと、を含む。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る「制御プログラム」は、メイン情報に関連しない指定動作を促すサブ情報を、該メイン情報に重畳させかつ該メイン情報より視認度合いが低くなるように表示装置に表示させる促進機能と、前記促進機能により促される指定動作を、前記メイン情報に関連する入力操作の検知に使用する入力デバイス以外のセンサから取得される信号を用いて検知する検知機能と、前記検知機能により検知される指定動作が所定条件を満たす場合に、広告情報のアクティベートを行わせる指示信号を出力する指示機能と、を携帯端末のコンピュータに実現させる。
【0008】
上記「携帯端末」には、以下に例示する技術的限定を加えてもよい。また、同趣旨の技術的限定を、上記「携帯端末の制御方法」及び上記「制御プログラム」に加えてもよい。
例えば、前記促進手段が、前記センサを用いて検知可能な前記指定動作を促す前記サブ情報を前記表示手段に表示させる、という技術的限定を加えてもよい。
【0009】
上記技術的限定を加えていない「携帯端末」及び上記技術的限定を加えた「携帯端末」には、以下に例示する技術的限定をさらに加えてもよい。また、同趣旨の技術的限定を、上記「携帯端末の制御方法」及び上記「制御プログラム」に加えてもよい。
例えば、前記促進手段が、発声を促す前記サブ情報を前記表示装置に表示させ、前記検知手段が、前記促進手段により促される発声を音声センサから取得される信号を用いて検知する、という技術的限定をさらに加えてもよい。
このとき、前記促進手段が、前記サブ情報に関連するリズム音を再生装置に再生させ、前記検知手段が、前記促進手段により促される発声を検知し、前記指示手段が、前記検知手段により検知される一連の発声が前記リズム音のタイミングに適合するという前記所定条件を満たす場合に前記指示信号を出力する、という技術的限定をさらに加えてもよい。
【0016】
なお本発明において、
「携帯型コンピュータ端末」とは、いわゆるタブレット端末、スマートフォン、フィーチャーホンなど、常法において使用者が持ち運び可能な電子端末をいう。
【0017】
「センサ」とは、上記の携帯型コンピュータ端末が備える入力装置であって操作用のパッド、キーボード、ボタン、ダイヤル、タッチパネルなど使用者が能動的な操作により入力を行う入力デバイス以外のものをいう。具体的には、加速度センサ、GPS、ジャイロセンサ、照度センサ、電波センサ、NFCなどが挙げられる。「入力デバイス」とは、使用者が能動的な操作により入力を行うデバイスをいい、操作用のパッド、キーボード、ボタン、ダイヤル、タッチパネルなどが該当する。
【0018】
「メイン画面」とは、表示画面の全部または一部において重畳的に表示される複数の画面のうち、より視認性の高い透過度において表示されている画面をいう。「サブ画面」とは、表示画面の全部または一部において重畳的に表示される複数の画面のうち、メイン画面以外の画面をいう。
【0019】
「ミッション達成型のゲームプログラム」とは、ゲームのクリア条件として、例えば所定期間内における加速度センサの検知量が所定の閾値に達することや、所定のタイミングにおいて所定の一又は複数のセンサからの入力が検知されること、といったように、あらかじめクリア条件(ミッション)が定義されており、これを達成することによりゲームが完結するゲームプログラムをいう。
【0020】
「背景情報」とは、端末のユーザに対して端末を振動させる、傾ける、マイク入力をする、いずれかの位置への移動を促す、どこかにタッチするなど、端末に対してあるいは端末を介して何らかの動作を起こさせる視覚情報をいう。上記のミッション達成型のゲームプログラムの場合、クリアされるまでサブ画面として表示される視覚情報が該当し、ゲームプログラムのUIが典型的に挙げられる。また「広告情報」とは、閲覧者が当初閲覧を希望し表示するよう操作した情報以外の情報を含む視覚情報であって、広告出稿主により出稿されるものを指し、場合によっては閲覧者である端末ユーザに対して何らかのインセンティブを与えるものである。「背景情報」と「広告情報」とは同一ないし同種の視覚情報であっても良いし、別の視覚情報でもよい。
【0021】
「背景情報」と「広告情報」とが同一ないし同種のものである場合、「広告情報のアクティベート」とは、もともとサブ画面に表示されていた情報とメイン画面の情報とを切り替えることが挙げられる。あるいは「広告情報のアクティベート」とは、サブ画面によって誘導される他のWebページの表示や、サブ画面において起動されるメディア再生アプリケーションの起動のように、更に他の情報を操作者に対して提示する制御を行うことを含むだけでなく、他の入力手段としてのカメラやバーコードリーダ、NFCリーダを起動させ、インタラクティブに広告を操作者と結びつける制御を行うことも含んでよい。あるいはその両者を同時に起動しても良い。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、閲覧者が本来閲覧を求めていた画面表示を阻害することなく閲覧者の興趣及び広告情報への関心を高め、結果広告効果の向上が期待される。特に画面表示領域が限定的なスマートフォンや携帯電話機において、単に表示効率を向上させるだけにとどまらず、閲覧者の広告表示への能動的なアクセスを促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施例による広告表示制御プログラムがインストールされた携帯用コンピュータ端末を含むネットワークシステムの概略構成を示すネットワーク構成図である。
【
図2】携帯用コンピュータ端末における広告表示制御部の概略構成を示すブロック図である。
【
図3A】広告表示制御の処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図3B】広告表示制御の処理の流れの別の例を示すシーケンス図である。
【
図4】携帯用コンピュータ端末における画面表示例を示す模式図である。
【
図5】他の実施例における背景画面502及び広告画面503の模式図である。
【
図6A】位置センサを活用した広告表示制御方法を示す模式図である。
【
図6B】位置センサを活用した広告表示制御方法を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ本発明の広告表示制御システムないし制御方法について詳細を説明する。なお以下に挙げる実施例はあくまで本発明を具現化した一例に過ぎず、これに限定する趣旨ではない。
【0025】
図1は、本発明の実施例による広告表示制御プログラムがインストールされた携帯用コンピュータ端末を含むネットワークシステムの概略構成を示すネットワーク構成図である。携帯端末1は、基地局2に無線により接続して、ゲートウェイ等のネットワーク機器3を介してインターネット4に接続される。ユーザはインターネット4を介しさまざまなサイトが提供する種々のコンテンツや情報の閲覧・取得を行うほか、ユーザ自身も携帯端末1から情報の送信を行う。携帯端末1はインターネット4におけるデータの送受信に必要なプロトコルとして、例えばTCP/IP(Transmission
Control Protocol/Internet Protocol)及びHTTP(Hyper Text Transfer
Protocol)を用いており、TCP/IPを使用してWebサーバ5及び広告配信サーバ6それぞれとの間の通信路を開設し、HTTPを使用してデータの送受信を行う。
【0026】
Webサーバ5は、Webデータベース51に種々のHTML文書や画像などのWebページ情報を蓄積しており、携帯端末1におけるWebブラウザなどのクライアントソフトウェアの要求に応じてこれらの情報を送信する。広告/背景配信サーバ6は、所定のWebページ情報と関連付けられた広告情報611及び背景情報612を蓄積した広告情報データベース61を備えており、携帯端末1からの要求に応じて当該所定のWebページ情報がリクエストされた際に、併せてこれらの情報を送信する。
【0027】
図2は、携帯端末1の機能ブロック図である。携帯端末1は、本発明にかかる広告表示制御を含む携帯端末の動作制御を行うCPU110、広告表示制御の実行時におけるセンサからの入力パラメータなどのデータを一時的に保存するメモリ120、ダウンロードされたアプリケーションプログラムや上記入力パラメータ、その他の情報を保存する記憶部130、基地局2を通じて音声通信やインターネット4との接続制御を行う送受信部140、各種視覚情報を表示する表示部150、現在位置、方向、加速度、照度あるいは音など、操作者による端末操作のための能動的な入力操作を伴わない入力情報を検知するセンサ160、テンキーやタッチパネルなど、操作者による端末操作のための能動的な入力操作を行うための入力デバイス170を備える。CPU110と他の各要素とはバスを通じて電気的に接続されている。
【0028】
センサ160には、例えば現在位置の位置情報を取得するためのGPS(Global Positioning System)、端末の方角情報を取得するための電子コンパス、傾きや振動のベクトル及び量を検知する加速度センサ、端末周囲の明るさを検知する照度センサ、端末外部の環境にある電子タグから近距離無線通信により位置に関する情報等を受け取るNFC(Near Field Communication)リーダ、マイクロホンなどが含まれる。
【0029】
なお携帯端末1には、通常の携帯端末に備えられているその他の要素(例えば外部記憶装置をマウントするためのスロットや拡張端子など)も備えられているが、本明細書において詳述は省略する。
【0030】
図3Aは、広告表示制御の処理の流れを示すシーケンス図である。携帯端末1を操作者が操作することにより外部からWebページの閲覧要求が入力されると(ステップS301)、携帯端末1はネットワーク(基地局2、ネットワーク機器3、インターネット4)を介してWebサーバ5に対して閲覧要求がなされたウェブページ情報の送信要求信号を発信する(ステップS302)。要求信号を受けたWebサーバ5は、要求に対応するウェブページ情報を要求のあった携帯端末1に送信する(ステップS303)。送信されるウェブページ情報には、所定の広告情報及び背景情報の所在情報が関連付けられている場合があり、携帯端末1は受信したウェブページ情報に所定の広告情報及び背景情報の所在情報が関連付けられているかを確認する(ステップS304)。携帯端末1は、関連付けられた広告/背景情報が所在する広告/背景配信サーバ6に対して当該広告/背景情報の送信を要求する(ステップS305)。要求を受けた広告/背景配信サーバ6は、対応する広告/背景情報を送信する(ステップS306)。携帯端末1は、受信したウェブページ情報、及びこれに関連付けられた広告情報並びに背景情報を表示制御する(ステップS307)。
【0031】
なお、
図3Aにおいては広告/背景情報の取得を携帯端末1から広告/背景配信サーバ6に対して直接リクエストを行い取得する例を示したが、これに限らず、
図3Bに示すように、広告/背景情報のリクエスト及び送受信において、例えば閲覧要求を受信したWebサーバ5が広告/背景配信サーバ6に広告/背景情報のリクエストを行い(ステップS1302、S1303)、広告/背景配信サーバ6から携帯端末1への広告/背景情報の送信にあってもWebサーバ5を仲介して送信するよう(ステップS1304からS1306)構成されても良い。その場合、Webサーバ5において広告/背景情報を重複表示させるにあたっての適合化処理を行う。
【0032】
図4は、表示部150に表示されるウェブページ情報401及び背景情報402、並びに広告情報403の関係を示した模式図である。携帯端末1のCPU110は、送受信部140を介して各サーバから受信したウェブページ情報及び背景情報、広告情報をメモリ120に保存するとともに、表示部150においてウェブページ情報に基づくウェブページ画面401、背景情報に基づく背景画面402とを重畳的に表示する。ここで、ウェブページ画面401は操作者のリクエストに基づいて表示される画面であり、背景画面402よりも視認性が高く表示される。具体的には、ウェブページ画面401と背景画面402とがレイヤ表示されている場合に、ウェブページ画面の壁紙情報以外のテキスト・画像・埋め込みアプリケーション等を最前面に表示させる。あるいは、背景画面402の透過度を高く表示することにより相対的にウェブページ画面401の視認性を高めるようにしてもよい。このように、CPU110、メモリ120、送受信部140、表示部150は、広告表示制御プログラムと協働することによりメイン画面表示手段、及びサブ画面表示手段として機能する。
【0033】
ここで、背景画面402においては操作者に携帯端末1のセンサ160で検知可能な入力情報の入力を促すテキスト表示・画像表示その他のプロンプトが表示ないし表現され、所定センサの入力情報の監視が行われる(ステップS308)。具体的には、例えば加速度センサにおける所定期間内の加速度検知総量が閾値に達することが条件である場合、背景画面に飲料のシルエットとともに「Shake!」の文字が表示される。操作者により携帯端末に振動が加えられると、メモリ120において検知開始からの加速度検知総量が時系列に記録される。操作者による携帯端末1への作用により所定のセンサにおける入力情報検知があらかじめ定義されていた条件を満たすと(ステップS308:Yes)、広告情報がアクティベートされる。具体的には、例えば広告情報のアクティベートが表示部150における広告画面403の表示である場合、それまで表示されていなかった広告情報に基づく広告画面403が視認性の高い状態で表示部150に表示され、ウェブページ画面401は視認性が低下されて表示され、背景画面402は表示されなくなる。このように、CPU110、メモリ120、表示部150、センサ160は、広告表示制御プログラムと協働することにより広告情報アクティベート手段として機能する。
【0034】
なお、背景画面402と広告画面403とは、同一あるいは実質的に同一なものであってもよい。この場合、所定条件の達成によりあたかも背景画面402とウェブページ画面401とが切り替わったかのような外観を呈することになる。
【0035】
また、加速度センサの活用例としては、単にスカラーの検知及びその総量の閾値に基づく条件(ミッション)達成の成否、といったものに限られない。たとえば
図4における背景画面402に代え、
図5のように背景画面502のように迷路とボール、及びゴールである穴を画面表示上操作者に提示されるように構成し、操作者の作用によって携帯端末1が傾くと、重力を加速度センサが検知し、その向き及び量に応じて背景画面上のボールを移動表示するよう制御しても良い。ボールがゴールである穴に導かれたことをトリガとして、クーポン情報を記した広告画面503を表示するようにしても良い。
【0036】
更には、センサ160は当然に加速度センサに限られない。また背景情報は文字通り表示部150における背景画面402と、これに伴ったリズム音をスピーカ(図示しない)から出力するようにしても良い。操作者が出力された リズム音に合わせてマイクから音声入力を行い、CPU110は入力された音声入力情報が所定のタイミング及び/又は音量の範囲内か否かを都度判定する。判定の結果ポイントが記憶部130に蓄積され、蓄積されたポイントが所定値に達すると、カラオケボックスの広告がメイン画面として表示されるように構成することもできる。更には当該入力条件が達成されるまでの所要時間をタイマ(図示しない)で計時し、所定値以内である場合など、ゲーム結果に応じてクーポン券を表示するように構成しても良い。
【0037】
或いは方角センサを活用した例として以下が考えられる。向いた方向に応じて背景画面が変化し、特定の方向を向いたことによって入力条件が達成される。するとメイン画面にキャラクターが現れる、もしくはそのキャラクターのデジタルコンテンツが入手可能なWebページにジャンプするように構成することができる。
【0038】
また、位置情報センサとしてGPS(Global Positioning System)、Wi−Fi(WirelessFiderity:登録商標)、或いはNFC(Near Field Communication)を用いた例として、以下が考えられる。
図6Aに示すように、位置センサが定義された広域エリアW
のエリア外にある場合、背景情報602は表示されない(=a)。位置情報センサが起動している状態において携帯端末1があらかじめ定められた広域エリアWの位置情報を検知することを条件として、背景画面602にクーポンに関するティーザー広告的表現(「今ならお近くの・・で・・・?。」)を表示する(=b)。そして実際に表示された場所(店舗)に行くと、位置情報センサが当該表示場所であることを認識し、クーポン(広告情報)603(=“期間限定!xxがなんと20%OFF!!”)がメイン画面に表示される(=c)。
【産業上の利用可能性】
【0039】
このように、本発
明によって、表示面積が限定的な携
帯端末にあっても、その限られた表示部に重畳的に情報を表示することで情報効率を向上することができる。しかもそれが本来操作者が表示を望んだ画面を阻害することなく、更には興趣を伴ってかつインタラクティブに広告表示へと誘導することができるため、広告メディアとしての優位性が大いに認められる。一般的なセンサを備えている携帯端末であれば端末を選ぶことはなく、また出稿される広告の種類や業種も幅広いバリエーションが期待できる。
【符号の説明】
【0040】
1 携帯端末(携帯型コンピュータ端末)
110 CPU
120 メモリ
130 記憶部
140 送受信部
150 表示部
160 センサ
170 入力デバイス
2 基地局
3 ネットワーク機器
4 インターネット
5 Webサーバ
6 広告/背景情報サーバ
401 ウェブページ画面
402 背景画面
403 広告画面