特許第6059622号(P6059622)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6059622無線中継装置、端末装置、無線中継方法及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6059622
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】無線中継装置、端末装置、無線中継方法及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/26 20090101AFI20161226BHJP
   H04W 88/04 20090101ALI20161226BHJP
【FI】
   H04W16/26
   H04W88/04
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-189696(P2013-189696)
(22)【出願日】2013年9月12日
(65)【公開番号】特開2015-56801(P2015-56801A)
(43)【公開日】2015年3月23日
【審査請求日】2015年6月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】399041158
【氏名又は名称】西日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】立石 尚之
(72)【発明者】
【氏名】海沼 義彦
(72)【発明者】
【氏名】寶満 剛
(72)【発明者】
【氏名】矢倉 拓馬
(72)【発明者】
【氏名】羽田 忠弘
【審査官】 石田 昌敏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−056905(JP,A)
【文献】 特表2010−520676(JP,A)
【文献】 特開2010−011110(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
H04L 12/28
H04B 7/14− 7/22
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
IEEE 802.11x
IEEE 802.16x
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置が基地局装置の圏外であるか否か判定する通信状態監視部と、
自装置に接続している端末装置と前記基地局装置との間の通信を中継する中継部と、
前記通信状態監視部の判定結果に応じて、圏外であるか否かを示す情報をIE(Information Element)の領域に含むビーコンを生成するビーコン生成部と、
前記ビーコン生成部によって生成された前記ビーコンを、端末装置にブロードキャスト送信する通信部と、
を備える無線中継装置。
【請求項2】
自装置と基地局装置との通信を中継する無線中継装置から、前記無線中継装置が前記基地局装置の圏外であるか否かを示す情報を含むビーコンを受信する通信部と、
前記通信部によって受信されたビーコンに含まれる情報に基づいて、前記無線中継装置が前記基地局装置の圏外であるか否か判定し、前記無線中継装置が前記基地局装置の圏外である場合に、自装置を消費電力がより少ないモードに遷移させる制御部と、
を備える端末装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記無線中継装置が前記基地局装置の圏外である場合と、前記無線中継装置が前記基地局装置の圏内である場合とで、それぞれ異なる処理を行う請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
自装置が基地局装置の圏外であるか否か判定する通信状態監視ステップと、
自装置に接続している端末装置と前記基地局装置との間の通信を中継する中継ステップと、
前記通信状態監視ステップの判定結果に応じて、圏外であるか否かを示す情報をIE(Information Element)の領域に含むビーコンを生成するビーコン生成ステップと、
前記ビーコン生成ステップによって生成された前記ビーコンを、端末装置にブロードキャスト送信する通信ステップと、
を有する無線中継方法。
【請求項5】
自装置と基地局装置との通信を中継する無線中継装置から、前記無線中継装置が前記基地局装置の圏外であるか否かを示す情報を含むビーコンを受信する通信ステップと、
前記通信ステップによって受信されたビーコンに含まれる情報に基づいて、前記無線中継装置が前記基地局装置の圏外であるか否か判定し、前記無線中継装置が前記基地局装置の圏外である場合に、自装置を消費電力がより少ないモードに遷移させる制御ステップと、
を有する制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継装置を用いた無線通信技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基地局装置と端末装置との間で無線通信を中継する無線中継装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。無線中継装置の具体的な例として、ポータブル無線ルータ(Portable Wireless Router:PWR)がある。PWRは、例えば移動体通信網の基地局装置と無線通信することによって移動体通信網に接続し、PWRに接続された端末装置と移動体通信網との通信を中継する。端末装置は、PWRとの間でWi−Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)等の手段によって無線通信を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−217994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基地局装置と無線中継装置との間の接続と、無線中継装置と端末装置との間の接続とはそれぞれ独立している。そのため、端末装置において、基地局装置と無線中継装置との間の接続が維持されているか否かを判定することができないという問題があった。例えば、基地局装置と無線中継装置との間の接続が切れてしまったとしても、端末装置は無線中継装置との間で接続が維持されているかぎり無線中継装置を介した通信を実行してしまう。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、端末装置において、基地局装置と無線中継装置との間の接続が維持されているか否かを判定することを可能にする技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、自装置が基地局装置の圏外であるか否か判定する通信状態監視部と、自装置に接続している端末装置と前記基地局装置との間の通信を中継する中継部と、前記通信状態監視部の判定結果に応じて、圏外であるか否かを示す情報を含むビーコンを生成するビーコン生成部と、前記ビーコン生成部によって生成された前記ビーコンを、端末装置に送信する通信部と、を備える無線中継装置である。
【0007】
本発明の一態様は、自装置と基地局装置との通信を中継する無線中継装置から、前記無線中継装置が前記基地局装置の圏外であるか否かを示す情報を含むビーコンを受信する通信部と、前記通信部によって受信されたビーコンに含まれる情報に基づいて、前記無線中継装置が前記基地局装置の圏外であるか否か判定する制御部と、を備える端末装置である。
【0008】
本発明の一態様は、上記の端末装置であって、前記制御部は、前記無線中継装置が前記基地局装置の圏外である場合と、前記無線中継装置が前記基地局装置の圏内である場合とで、それぞれ異なる処理を行う。
【0009】
本発明の一態様は、自装置が基地局装置の圏外であるか否か判定する通信状態監視ステップと、自装置に接続している端末装置と前記基地局装置との間の通信を中継する中継ステップと、前記通信状態監視ステップの判定結果に応じて、圏外であるか否かを示す情報を含むビーコンを生成するビーコン生成ステップと、前記ビーコン生成ステップによって生成された前記ビーコンを、端末装置に送信する通信ステップと、を有する無線中継方法である。
【0010】
本発明の一態様は、自装置と基地局装置との通信を中継する無線中継装置から、前記無線中継装置が前記基地局装置の圏外であるか否かを示す情報を含むビーコンを受信する通信ステップと、前記通信ステップによって受信されたビーコンに含まれる情報に基づいて、前記無線中継装置が前記基地局装置の圏外であるか否か判定する制御ステップと、を有する制御方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、端末装置において、基地局装置と無線中継装置との間の接続が維持されているか否かを判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の無線中継装置20及び端末装置30の処理の概略を表す概略図である。
図2】無線中継装置20の機能構成を表す概略ブロック図である。
図3】ビーコン生成部205によって生成されるビーコンのフォーマットを示す図である。
図4】無線中継装置20の動作の具体例を示すフローチャートである。
図5】端末装置30の機能構成を表す概略ブロック図である。
図6】端末装置30の動作の具体例を示すフローチャートである。
図7】基地局装置10、無線中継装置20及び端末装置30の各装置の動作の具体例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[概略]
図1は、本発明の無線中継装置20及び端末装置30の処理の概略を表す概略図である。図1には、基地局装置10、無線中継装置20及び端末装置30が表されている。
基地局装置10は、移動体通信網に接続された基地局として機能する。
【0014】
無線中継装置20は、例えば、PWR、テザリング(tethering)可能な携帯電話機又はスマートフォン等の通信装置である。無線中継装置20は、基地局装置10と端末装置30との間で中継処理を行う。
端末装置30は、スマートフォン、タブレット、パソコン、ノートパソコン等の情報処理装置である。端末装置30は、無線中継装置20を経由して基地局装置10と通信する。
【0015】
無線中継装置20が基地局装置10との間で行う無線通信の具体例として、3G(第三世代移動通信システム)やLTE(Long Term Evolution)やWiMAX(ワイマックス:Worldwide Interoperability for Microwave Access)等の規格を用いた移動体通信がある。
【0016】
無線中継装置20が端末装置30との間で行う通信は、無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。無線中継装置20が端末装置30との間で行う通信の具体例として、無線LAN(Local Area Network;例えばWi−Fi(登録商標))、Bluetooth(登録商標)、USB(Universal Serial Bus)等の規格を用いた通信がある。
【0017】
無線中継装置20−1は、基地局装置10の圏内に位置している。そのため、無線中継装置20−1は、基地局装置10との間で無線通信を行うことが可能である。したがって、端末装置30−1は、無線中継装置20−1を経由して基地局装置10と通信することが可能である。
【0018】
このような場合、無線中継装置20−1は、端末装置30−1に対し、基地局装置10との間で無線通信が可能な状態であることを示す情報(以下、「圏内通知情報」という。)が付与されたビーコンを送信する。端末装置30−1は、圏内通知情報が付与されたビーコンを受信することによって、基地局装置10と無線中継装置20−1との間の接続が維持されていることを判定できる。
【0019】
一方、無線中継装置20−2は、基地局装置10の圏外に位置している。そのため、無線中継装置20−2は、基地局装置10との間で無線通信を行うことができない。したがって、端末装置30−2は、無線中継装置20−2を経由して基地局装置10と通信することができない。
【0020】
このような場合、無線中継装置20−2は、端末装置30−2に対し、基地局装置10との間で無線通信ができない状態であることを示す情報(以下、「圏外通知情報」という。)が付与されたビーコンを送信する。端末装置30−2は、圏外通知情報が付与されたビーコンを受信することによって、基地局装置10と無線中継装置20−2との間の接続が維持されていないことを判定できる。
【0021】
[詳細]
図2は、無線中継装置20の機能構成を表す概略ブロック図である。無線中継装置20は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、無線中継プログラムを実行する。無線中継装置20は、無線中継プログラムを実行することによって、第一通信部201、第二通信部202、中継部203、通信状態監視部204、ビーコン生成部205を備える装置として機能する。なお、無線中継装置20の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。
【0022】
第一通信部201は、基地局装置10との間で無線通信を行う。第一通信部201が基地局装置10との間で行う無線通信の具体例として、3GやLTEやWiMAX等の規格を用いた移動体通信がある。
【0023】
第二通信部202は、端末装置30との間で通信を行う。第二通信部202が端末装置30との間で行う通信の具体例として、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、USB等の規格を用いた通信がある。
【0024】
中継部203は、基地局装置10と端末装置30との間で行われる通信を中継する。例えば、中継部203は、移動体通信網から端末装置30へ送信されたデータや、端末装置30から移動体通信網へ送信されたデータを中継する。
【0025】
通信状態監視部204は、第一通信部201と基地局装置10との間の通信状態を監視し、自装置(無線中継装置20)が基地局装置10の圏内に位置するか圏外に位置するかを判定する。例えば、通信状態監視部204は、第一通信部201において基地局装置10から受信された信号(以下、「受信信号」という。)の受信電力を取得し、受信電力が所定の閾値以下である場合に圏外に位置すると判定してもよい。例えば、通信状態監視部204は、第一通信部201において移動体通信網側との通信遅延時間が所定の閾値以上である場合に圏外に位置すると判定してもよい。通信状態監視部204は、他の基準に基づいて圏外に位置するか否か判定してもよい。
【0026】
ビーコン生成部205は、通信状態監視部204の判定結果を示す情報が付与されたビーコンを生成する。例えば、通信状態監視部204によって圏外であると判定された場合、ビーコン生成部205は、圏外通知情報をビーコンに付与する。例えば、通信状態監視部204によって圏外でないと判定された場合(圏内であると判定された場合)、ビーコン生成部205は、圏内通知情報をビーコンに付与する。ビーコン生成部205は、生成したビーコンを第二通信部202を介してブロードキャスト送信する。
【0027】
図3は、ビーコン生成部205によって生成されるビーコンのフォーマットを示す図である。
図3(A)は、圏外通知情報が付与されたビーコンのフォーマットを示す図である。圏外通知情報は、ビーコンに規定されたIE(Information Element )のうち、Vendor-Specific-contentに”out of radar range”という文字列として付与される。
図3(B)は、圏内通知情報が付与されたビーコンのフォーマットを示す図である。圏内通知情報は、ビーコンに規定されたIEのうち、Vendor-Specific-contentに”within the range”という文字列として付与される。
【0028】
図4は、無線中継装置20の動作の具体例を示すフローチャートである。通信状態監視部204は、所定のタイミングで第一通信部201の通信状態を判定する(ステップS101)。所定のタイミングは、基地局装置10から信号を受信したタイミングであってもよいし、所定の時間が経過したタイミングであってもよいし、他のタイミングであってもよい。通信状態監視部204は、通信状態を判定することによって、自装置(無線中継装置20)が基地局装置10の圏外に位置しているか否か判定する。
【0029】
通信状態監視部204は、新たな判定結果が、前回の判定結果と異なるか否か判定する(ステップS102)。新たな判定結果と前回の判定結果とが同じである場合(ステップS102−NO)、通信状態監視部204はビーコン生成部205に判定結果を出力せずに処理は終了する。一方、新たな判定結果と前回の判定結果とが異なる場合(ステップS102−YES)、通信状態監視部204はビーコン生成部205に判定結果を出力する。
【0030】
ビーコン生成部205は、通信状態監視部204から判定結果を受けると、判定結果に応じてビーコンを生成する。圏外に位置していると判定された場合(ステップS103−YES)、ビーコン生成部205は、ビーコンに圏外通知情報を付与する(ステップS104)。一方、圏外に位置していないと判定された場合(ステップS103−NO)、ビーコン生成部205は、ビーコンに圏内通知情報を付与する(ステップS105)。そして、第二通信部202は、ビーコン生成部205によって生成されたビーコンをブロードキャスト送信する(ステップS106)。
【0031】
図5は、端末装置30の機能構成を表す概略ブロック図である。端末装置30は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、制御プログラムを実行する。端末装置30は、制御プログラムを実行することによって、通信部301、制御部302、入力部303、出力部304を備える装置として機能する。なお、端末装置30の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。
【0032】
通信部301は、無線中継装置20との間で通信を行う。通信部301が無線中継装置20との間で行う通信の具体例として、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、USB等の規格を用いた通信がある。
【0033】
制御部302は、端末装置30の制御やデータ処理を行う。例えば、制御部302は、通信部301を介して受信されたビーコンに基づいて、自装置(端末装置30)の動作の制御を行う。
【0034】
入力部303は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部303は、ユーザの指示を端末装置30に入力する際にユーザによって操作される。入力部303は、入力装置を端末装置30に接続するためのインタフェースであっても良い。この場合、入力部303は、入力装置においてユーザの入力に応じ生成された入力信号を端末装置30に入力する。
【0035】
出力部304は、端末装置30の出力装置を介し、端末装置30のユーザに対してデータや信号の出力を行う。出力装置は、例えば画像や文字を画面に出力する装置を用いて構成されても良い。例えば、出力装置は、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescent)ディスプレイ等を用いて構成できる。また、出力装置は、1又は複数のライト(発光部)、スピーカ−、バイブレーター(振動発生部)等の装置を用いて構成されてもよい。
【0036】
図6は、端末装置30の動作の具体例を示すフローチャートである。通信部301が無線中継装置20からビーコンを受信すると(ステップS201)、制御部302はビーコンに基づいて無線中継装置20が圏外であるか否か判定する。圏外である場合(ステップS202−YES)、制御部302は圏外処理を実行する(ステップS203)。一方、圏外でない場合(ステップS202−NO)、制御部302は圏内処理を実行する(ステップS204)。
【0037】
<圏外処理>
圏外処理とは、無線中継装置20が圏内から圏外に移動した場合に実行される処理である。以下、圏外処理の具体例について列挙する。制御部302は、無線中継装置20を介することなく移動体通信網に接続可能な通信手段(以下、「他の通信手段」という。)が自装置(端末装置30)に備えられている場合、他の通信手段によって移動体通信網に接続するように通信手段の切り替えを行ってもよい。制御部302は、自装置(端末装置30)を消費電力がより少ないモード(以下、「パワーセーブモード」という。)に遷移させてもよい。例えば、パワーセーブモードは、無線中継装置20との間で通信を行わないモードであってもよい。
【0038】
制御部302は、出力部304に対し、無線中継装置20が圏外になったことを示す出力を実行させてもよい。このとき、制御部302は、通信手段を他の通信手段に変更するための設定画面を表示するように出力部304を制御してもよい。制御部302は、自装置をパワーセーブモードに遷移させるための設定画面を表示するように出力部304を制御してもよい。これらの場合、ユーザは、出力部304によって表示された設定画面にしたがって入力部303を操作することによって、通信手段やモードを容易に変更することができる。
【0039】
圏外処理として、制御部302は以下のように動作してもよい。まず、制御部302は、他の通信手段の有無を判定する。他の通信手段がない場合、制御部302は、自装置をパワーセーブモードに遷移させる。他の通信手段がある場合、制御部302は、他の通信手段の電波状態を確認し、他の通信手段が圏外であるか否か判定する。他の通信手段が圏外である場合、制御部302は、自装置をパワーセーブモードに遷移させる。一方、他の通信手段が圏外でない(圏内である)場合、制御部302は、他の通信手段を用いて移動体通信網に接続するように通信手段の切り替えを行う。
【0040】
他の通信手段は複数存在してもよい。また、複数の他の通信手段には、優先順位が付与されていてもよい。この場合、制御部302は、他の通信手段ごとの優先順位を記憶している。制御部302は、優先順位が高い方から他の通信手段が圏外であるか否か判定する。そして、制御部302は、圏内であると判定された他の通信手段を用いて移動体通信網に接続するように通信手段の切り替えを行う。一方、全ての他の通信手段が圏外であると判定された場合には、制御部302は、自装置をパワーセーブモードに遷移させる。
【0041】
<圏内処理>
圏内処理とは、無線中継装置20が圏外から圏内に移動した場合に実行される処理である。以下、圏内処理の具体例について列挙する。制御部302は、他の通信手段によって移動体通信網に接続していた場合、無線中継装置20を介した通信によって移動体通信網に接続するように通信手段の切り替えを行ってもよい。制御部302は、自装置(端末装置30)がパワーセーブモードになっている場合、自装置をパワーセーブモードから通常モードに遷移させてもよい。
【0042】
制御部302は、出力部304に対し、無線中継装置20が圏内になったことを示す出力を実行させてもよい。このとき、制御部302は、通信手段を無線中継装置20を介した通信に変更するための設定画面を表示するように出力部304を制御してもよい。制御部302は、自装置をパワーセーブモードから通常モードに遷移させるための設定画面を表示するように出力部304を制御してもよい。これらの場合、ユーザは、出力部304によって表示された設定画面にしたがって入力部303を操作することによって、通信手段やモードを容易に変更することができる。
【0043】
圏内処理として、制御部302は以下のように動作してもよい。まず、制御部302は、他の通信手段が使用されているか否か判定する。他の通信手段が使用されている場合、制御部302は、無線中継装置20を介した通信によって移動体通信網に接続するように通信手段の切り替えを行う。一方、他の通信手段が使用されていない場合、制御部302は、自装置をパワーセーブモードから通常モードに遷移させる。以上で、圏内処理についての説明を終える。
【0044】
図7は、基地局装置10、無線中継装置20及び端末装置30の各装置の動作の具体例を示すシーケンス図である。基地局装置10と無線中継装置20とは、無線通信が可能な間はデータ通信を行う(ステップS301)。無線中継装置20は、所定のタイミングで基地局装置10との間の通信状態を判定する(ステップS302)。無線中継装置20は、判定結果に応じてビーコンを生成しブロードキャスト送信する(ステップS303)。端末装置30は、ビーコンを受信すると、受信されたビーコンに基づいて無線中継装置20の通信状態を判定する(ステップS304)。そして、端末装置30は、通信状態に関する判定結果に応じて圏外処理又は圏内処理を実行する(ステップS305)。
【0045】
以上のように構成された無線中継装置20及び端末装置30によれば、基地局装置10と無線中継装置20との間の接続が維持されているか否かを、端末装置30において容易に判定することが可能となる。
【0046】
また、端末装置30の制御部302は、基地局装置10と無線中継装置20との間の通信が維持されているか否か(圏外か否か)の判定結果に応じて、圏外処理又は圏内処理を実行する。そのため、端末装置30において、移動体通信網との通信を維持することや、無駄な消費電力を低減させることが可能となる。たとえば、無線中継装置20との間の通信で通信を行わないモードに遷移することによって、圏外となっている無線中継装置20との間の無駄な通信に要する電力を抑えることが可能となる。
【0047】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0048】
10…基地局装置, 20…無線中継装置, 30…端末装置, 201…第一通信部, 202…第二通信部, 203…中継部, 204…通信状態監視部, 205…ビーコン生成部, 301…通信部, 302…制御部, 303…入力部, 304…出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7