(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6059638
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】組合せ式軸受装置を有する折込ローラモジュール
(51)【国際特許分類】
B65H 45/16 20060101AFI20161226BHJP
【FI】
B65H45/16
【請求項の数】4
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-237585(P2013-237585)
(22)【出願日】2013年11月18日
(65)【公開番号】特開2015-78062(P2015-78062A)
(43)【公開日】2015年4月23日
【審査請求日】2013年11月18日
【審判番号】不服2015-20418(P2015-20418/J1)
【審判請求日】2015年11月16日
(31)【優先権主張番号】102136916
(32)【優先日】2013年10月14日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】506069527
【氏名又は名称】全利機械股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】蔡 東義
【合議体】
【審判長】
吉村 尚
【審判官】
黒瀬 雅一
【審判官】
植田 高盛
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−126712(JP,A)
【文献】
特開2004−149319(JP,A)
【文献】
特開平4−72246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/02
B65H 5/06
B65H 5/22
B65H 23/00-23/16
B65H 23/24-23/34
B65H 27/00
B65H 29/12-29/24
B65H 29/32
B65H 37/00-37/06
B65H 41/00
B65H 45/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの中央軸と複数のローラを有し、前記複数のローラの間に一つの間隙をそれぞれ有する一つの折込ローラと、
それぞれ一つの軸受座、二つのC型軸受及び一つの軸受ハウジングを含み、前記複数の間隙内に位置して前記折込ローラを挟持する複数の組合せ式軸受装置と、を備え、
前記二つのC型軸受が前記中央軸の周囲を包囲しており、
前記軸受座と前記軸受ハウジングが前記二つのC型軸受の周囲を包囲しており、
前記複数の組合せ式軸受装置の厚みは、前記折込ローラの間隙において許容される最大幅であることを特徴とする組合せ式軸受装置を有する折込ローラモジュール。
【請求項2】
該軸受座及び該軸受ハウジングはネジによって固定されていることを特徴とする請求項1に記載の組合せ式軸受装置を有する折込ローラモジュール。
【請求項3】
該ローラはそれぞれ複数の突起と複数の凹スロットとを有し、前記複数の突起と前記複数の凹スロットは交互に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の組合せ式軸受装置を有する折込ローラモジュール。
【請求項4】
該ローラは該突起と該凹スロットとの近傍に複数の通気孔を備えることを特徴とする請求項3に記載の組合せ式軸受装置を有する折込ローラモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に組合せ式軸受装置を有する折込ローラモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
まず、
図1を参照すると、折込部の一例を表す構造模式図である。図示されているように、該折込部は一組の固定刃12と、一組の受け刃14と、一組の折込ローラ16とを含んでいる。
【0003】
従来、連続的な原紙11は該固定刃12及び該受け刃14によって一定の長さの用紙に切断されたあと、該折込ローラ16の間に送り込まれ、該折込ローラ16の相対する突起161と凹スロット163との作用により、用紙に折込線が圧出される。その後、さらに折込アーム18で用紙を既定の箇所に相互に折込み、相互に折込まれた用紙束13が形成されている。
【0004】
そのうち、上述の作業工程において、二折込ローラ16間の隙間は相互に折込まれた用紙の束の品質に対して多大な影響を及ぼしている。もしこの隙間が小さ過ぎると、稼働中に該折込ローラ16同士がぶつかり合い、用紙の損傷だけでなく、設備寿命を損ね、さらには設備の損傷を引き起こす恐れがある。逆に、もしこの隙間が大き過ぎると、用紙の折込線の圧出効果が好ましくないと同時に、相互に折込まれた用紙束の品質も影響を受ける。
【0005】
また、従来の該折込ローラ16は、その両側及び中央にのみ、固定式の軸受装置17が設置し、三点式の支持機構を形成している。そのため、当該業者が生産量の増加されるために該折込ローラ16の幅を広げようとしても、上述の問題が顕著なものとなっている。また、幅を広げた折込ローラは、同時に曲げ変形や回転による振動も大きくするという影響を及ぼす。そのため、どのように折込ローラの構造強度及び稼働時の安定性を強化するかが、急務に解決しなければならない課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、特に組合せ式軸受装置を有する折込ローラモジュールを提供するものである。
【0007】
本発明のもう一つの目的は、組合せ式軸受装置を利用して折込ローラを挟持することで折込ローラの構造強度を強化する組合せ式軸受装置を有する折込ローラモジュールを提供するものである。
【0008】
さらに、本発明のもう一つの目的は、必要に応じて軸受装置の数量及び支持位置を増設することができ、これによって折込ローラの曲げ変形を低減し、稼働時の安定性を強化する組合せ式軸受装置を有する折込ローラモジュールを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、一中央軸及び複数のローラを有する一折込ローラと、それぞれ一軸受座、二C型軸受及び一軸受ハウジングを含み、該折込ローラを挟持する複数の組合せ式軸受装置と、を包括する組合せ式軸受装置を有する折込ローラモジュールである。
【0010】
上述の組合せ式軸受装置を有する折込ローラモジュールにおいて、該ローラはそれぞれの間に一間隙を有し、該組合せ式軸受装置はそれぞれ該間隙に設けている。
【0011】
上述の組合せ式軸受装置を有する折込ローラモジュールにおいて、これらC型軸受は該間隙にある該中央軸を取囲むように設置し、これらC型軸受を固定するように該軸受座及び該軸受ハウジングを結合している。
【0012】
上述の組合せ式軸受装置を有する折込ローラモジュールにおいて、該軸受座及び該軸受ハウジングはネジによって螺設している。
【0013】
上述の組合せ式軸受装置を有する折込ローラモジュールにおいて、該ローラはそれぞれ複数の突起と複数の凹スロットとを有し、適切な間隔で交互に設置している。
【0014】
上述の組合せ式軸受装置を有する折込ローラモジュールにおいて、該ローラは該突起と該凹スロットとの近傍に複数の通気孔を設けている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】本発明に係る
図2において図示された実施例の部分拡大図である。
【
図4】本発明に係る
図2において図示された実施例のその他の部分拡大図である。
【
図5】本発明に係る
図2において図示された実施例の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
まず、
図2乃至
図5を参照すると、それぞれ本発明の組合せ式軸受装置を有する折込ローラモジュールに係る一実施例の模式図、部分拡大図及び部分断面図である。図示されているとおり、本発明の組合せ式軸受装置を有する折込ローラモジュールは、一折込ローラ22及び複数の組合せ式軸受装置26を包括している。
【0017】
そのうち、該折込ローラ22は、一中央軸221及び複数のローラ223を有する。該組合せ式軸受装置26はそれぞれ一軸受座261、二C型軸受265及び一軸受ハウジング263を包括し、該折込ローラ22を挟持しており、いくつかの支持位置を提供することで、折込ローラの曲げ変形を低減し、稼働時の安定性を強化している。
【0018】
本発明に係る一実施例において、該ローラ223はそれぞれの間に一間隙229を有し、該組合せ式軸受装置26は、該折込ローラ22の挟持のために、それぞれ適切な該間隙229に設けている。
【0019】
本発明に係る一実施例において、該組合せ式軸受装置26は二C型軸受265で該ローラ223の該間隙229にある該中央軸221に取囲むように設置し、これらC型軸受265を固定するように該軸受座261及び該軸受ハウジング263を結合している。
【0020】
本発明に係る一実施例において、該軸受座261及び該軸受ハウジング263はそれぞれネジ孔(図示されていない)及び一穿孔264を設け、一ネジ267で螺設している。
【0021】
本発明に係る一実施例において、該ローラ223はそれぞれ複数の突起225と複数の凹スロット227とを等間隔且つ交互に設置している。
【0022】
本発明に係る一実施例において、該ローラ223は該突起225と該凹スロット227との近傍に複数の通気孔224を設け、通気によって用紙が該ローラ223に付着している。
【0023】
上述の説明から分かるとおり、本発明の構造を利用し、該折込ローラ22の幅に基づき該組合せ式軸受装置26を適量に用い、該間隙229の適切な位置に設置し、十分な支持力を提供することで、該折込ローラ22の曲げ変形を低減し、稼働時の安定性を強化し、折込ローラの回転による振動を低減すると同時に、製品の品質及び生産量を向上することができる。
【0024】
なお、上述したものは、本発明の実施例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明に係る特許請求の範囲で述べている形状、構造、特徴、方法及びその精神による変化及び修正は、本発明に係る特許請求の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0025】
11 原紙
12 固定刃
13 用紙束
14 受け刃
16 折込ローラ
161 突起
163 凹スロット
17 軸受装置
18 折込アーム
20 組合せ式軸受装置を有する折込ローラモジュール
22 折込ローラ
221 中央軸
223 ローラ
224 通気孔
225 突起
227 凹スロット
229 間隙
26 組合せ式軸受装置
261 軸受座
263 軸受ハウジング
264 穿孔
265 C型軸受
267 ネジ