特許第6059835号(P6059835)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6059835
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】Oリング組付け機
(51)【国際特許分類】
   B23P 19/02 20060101AFI20161226BHJP
【FI】
   B23P19/02 E
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-24083(P2016-24083)
(22)【出願日】2016年2月10日
【審査請求日】2016年5月27日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591136872
【氏名又は名称】冨士高圧フレキシブルホース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111132
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 浩
(72)【発明者】
【氏名】藤井 佑三
(72)【発明者】
【氏名】仲原 知己
(72)【発明者】
【氏名】若上 道雄
【審査官】 大野 明良
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−318238(JP,A)
【文献】 特開平04−041131(JP,A)
【文献】 実開昭59−046678(JP,U)
【文献】 特開昭58−223538(JP,A)
【文献】 特開平09−323226(JP,A)
【文献】 特開2010−043717(JP,A)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークの孔部に形成される環状溝に、Oリングを組み付けるOリング組付け機であって、
その一端が前記環状溝を閉鎖しないように前記孔部へ挿入される筒状のガイドと、
このガイドの内部へ挿抜される軸体と、
前記軸体の外周面に係止される複数の爪部材と、を備え、
前記ガイドは、前記内部を構成する円周面のうち少なくとも一部に、その他端から前記一端の方向に向かって縮径するテーパ状面が設けられることで、前記一端及び前記他端にそれぞれ小径の開口端及び大径の開口端が形成され、
前記複数の爪部材は、前記軸体が前記内部へ挿入される以前に、前記Oリングがそれぞれの係止部に係止される複数の係止爪と、前記軸体が前記内部へ挿入された場合に、前記複数の係止爪に係止された前記Oリングを押圧する複数の押圧爪と、からなり、
前記複数の係止爪及び押圧爪は、前記Oリングの円周方向について均等に係止及び押圧可能にそれぞれ少なくとも一対設けられ、
前記複数の押圧爪は、前記外周面に設けられる押圧爪スライド部を介し、前記軸体の長手方向に沿ってスライド可能に構成されることを特徴とするOリング組付け機。
【請求項2】
ワークの孔部に形成される環状溝に、Oリングを組み付けるOリング組付け機であって、
その一端が前記環状溝を閉鎖しないように前記孔部へ挿入される筒状のガイドと、
このガイドの内部へ挿抜される軸体と、
前記軸体の外周面に係止される複数の爪部材と、を備え、
前記ガイドは、前記内部を構成する円周面のうち少なくとも一部に、その他端から前記一端の方向に向かって縮径するテーパ状面が設けられることで、前記一端及び前記他端にそれぞれ小径の開口端及び大径の開口端が形成され、
前記複数の爪部材は、前記軸体が前記内部へ挿入される以前に、前記Oリングがそれぞれの係止部に係止される複数の係止爪と、前記軸体が前記内部へ挿入された場合に、前記複数の係止爪に係止された前記Oリングを押圧する複数の押圧爪と、からなり、
前記複数の係止爪は、前記軸体の中心軸を中心として対称的に前記外周面に配置される一対の係止爪であり、
前記複数の押圧爪は、前記外周面に設けられる押圧爪スライド部を介し、前記軸体の長手方向に沿ってスライド可能に構成されるとともに、前記中心軸を中心として対称的に、かつ前記一対の係止爪に対し、前記中心軸を中心として90度回動するように前記外周面に配置される一対の押圧爪であることを特徴とするOリング組付け機。
【請求項3】
前記孔部は、前記環状溝に接する底面が形成され、
前記軸体は、その先端に、前記内部への前記軸体の挿入を制限するために、前記孔部の底面に当接可能なストッパー部材が備えられ、
前記複数の係止爪は、前記軸体が前記内部へ挿入される場合に、前記ストッパー部材に当接する当接端がそれぞれ備えられ、
前記係止部は、前記先端が前記ストッパー部材に当接した場合に、前記環状溝と同一高さとなるように前記当接端付近に設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のOリング組付け機。
【請求項4】
前記小径の開口端は、前記軸体とこの軸体に係止される前記複数の爪部材が通過可能に開口し、かつ、前記軸体の外周面及び前記複数の爪部材の外側面のうち、少なくともいずれかが摺動しつつ通過可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のOリング組付け機。
【請求項5】
前記大径の開口端は、その直径が前記Oリングの外径以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のOリング組付け機。
【請求項6】
前記複数の係止爪は、前記外周面に設けられる係止爪スライド部を介し、前記軸体の長手方向に沿ってスライド可能に構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のOリング組付け機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、孔部に形成される環状溝に、Oリングを組み付けるOリング組付け機に係り、特に、孔部へ挿入されるガイドと、このガイドへ挿抜される軸体と、軸体に係止される複数の爪部材と、を備えるOリング組付け機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、円筒管の内周面に形成される環状溝にOリングを組み付ける場合、専ら手作業により、細長い棒状の組付け用治具等を用いて、Oリングを徐々に環状溝に嵌め込むといった方法が取られていた。
しかし、このような場合、弾性を有し、かつ小径であるOリングを組付け用治具等で確実に保持することが困難である等の理由で、Oリングを環状溝へ組み付けるのに手間が掛かり、作業効率が良好でないという課題があった。
そこで、近年、自動的にOリングを環状溝へ組み付ける技術が開発されており、それに関して既にいくつかの発明が開示されている。
【0003】
特許文献1には「穴用Oリングの自動挿入装着方法」という名称で、Oリングの撓正と復元性を利用して自動的に装着する方法に関する発明が開示されている。
以下、特許文献1に開示された発明について説明する。特許文献1に開示された発明は、Oリングの撓性を利用して、つかみ機構でOリングを故意に変形挿入し、所定の位置付近においてOリングをしごき外して、所定のOリング溝へOリングを装着させることを特徴とする。
このような特徴を有する穴用Oリングの自動挿入装着方法によれば、従来のような手作業によるOリング装着の煩雑性と能率の低下が解決されるとともに、省力化が可能である。
【0004】
次に、特許文献2には「弾性リングの組付装置」という名称で、ワークの孔に形成された内周環状溝に弾性リングを嵌入する組付装置に関する発明が開示されている。
以下、特許文献2に開示された発明について説明する。特許文献2に開示された発明は、下部支持体に貫通固定され、かつ、テーパ孔を有するテーパガイドと、上部支持体に装設された装置本体とからなり、弾性リングを係止保持可能な鍔状のリング保持部を設けた中空軸状のホルダと、下端部をリング保持部と所定の間隔をおいて対向させた複数の押圧爪と、下端に、押圧爪の下端部とホルダのリング保持部との間で径方向外側に出没可能なL字形状の押込部を形成した押込軸と、押込軸を揺動させる揺動機構と、ホルダを軸回り方向に回転させる回転機構とで構成し、ホルダのリング保持部に係止保持された弾性リングを、テーパ孔に、このテーパ孔との摺接により付勢力に抗して閉方向に回動する押圧爪で下方へ押圧可能に、かつ、押込軸の押込部で径方向外側に押出可能に受け渡すことを特徴とする。 このような特徴を有する弾性リングの組付装置によれば、ワークの孔に形成された内周環状溝に弾性復元力の弱いゴム製や合成樹脂製の弾性リングを確実に嵌め込むことができる。しかも構造が簡単であり、製作が容易であって、製作コストが安いという効果を有する。
【0005】
さらに、特許文献3には「Oリング組付け装置」という名称で、Oリング装着孔の内周面に形成された環状溝にOリングを組付ける組付け装置に関する発明が開示されている。
以下、特許文献3に開示された発明について説明する。特許文献3に開示された発明は、Oリング装着孔の内周面に形成された環状溝にOリングを組付ける装置であって、Oリングを保持する保持手段と、保持手段を、保持したOリングをOリング装着孔に対して同軸配置した状態でOリング装着孔に対して挿抜移動させる移動手段と、保持部材で保持されたOリングを、挿入移動中ではOリング装着孔の内径より小径に縮径させる一方、Oリングが環状溝に対向する挿入終端位置ではOリングの変形を解除して元の径に弾性復元させるOリング変形手段とを備えることを特徴とする。 このような特徴を有するOリング組付け装置によれば、Oリング組付けの機械化が可能となり、Oリング装着孔に指を差し入れて行う手作業に比して作業時間を大幅に短縮することができるとともに、Oリング装着孔の内奥の深い位置に設けられた環状溝にも容易に組付けることができ、また、指先を負傷するおそれもなく、安全、かつ、能率的なOリング組付けを行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭47−40566号公報
【特許文献2】特開平5−318238号公報
【特許文献3】特開平11−33842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された発明においては、つかみレバーを動作させるために圧縮ばねや制御ピン等の開閉機構が必要となることから、構成がやや複雑となる。また、小径であるOリングを確実につかみ、かつしごきバーがOリングを押すときにOリングが容易に外れるように、つかみレバーの開閉度合いを調節する必要がある。すなわち、このような制約を有するつかみレバーの調整を行うことは容易でない可能性がある。
さらに、同文献の図4に開示されたように、つかみレバーがOリングをつかむ際、つかみレバーの内側面が滑らかに形成されているため、Oリングがつかみレバーの奥側(b方向)に移動してしまうおそれがある。この場合、図5に開示されたように、しごきバーをc方向へ進行させたとしてもOリングが側面視で同図の逆方向の「くの字」に屈曲し、OリングがOリング溝に装着され難いおそれがある。
【0008】
次に、特許文献2に開示された発明においては、弾性リングをワークの内周環状溝に押し込むために、押込軸を枢軸を中心として回動させ、その後ホルダを所定方向に回転させる動作が行われる。このような動作を実現するには、同文献の図1に開示されたように、ある程度複雑な構造が必要となるため、製造コストを低廉に抑制できないおそれがある。
【0009】
さらに、特許文献3に開示された発明においては、同文献の図3,4に開示されたように、小径のOリングの一部分のみをU字状に屈曲させることは困難であるため、比較的大径のOリングでなければ組み付け困難な可能性がある。また、特許文献2に開示された発明と同様に、Oリングを完全に環状溝に装着するために保持部材をその軸心周りに回転駆動させるので、組み付けのための動作が煩雑となる可能性がある。
【0010】
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、簡易な構成を備えることで安価に製造可能でありながら、簡単かつ確実にOリングを環状溝へ組み付けることが可能なOリング組付け機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、第1の発明は、ワークの孔部に形成される環状溝に、Oリングを組み付けるOリング組付け機であって、その一端が環状溝を閉鎖しないように孔部へ挿入される筒状のガイドと、このガイドの内部へ挿抜される軸体と、軸体の外周面に係止される複数の爪部材と、を備え、ガイドは、内部を構成する円周面のうち少なくとも一部に、その他端から一端の方向に向かって縮径するテーパ状面が設けられることで、一端及び他端にそれぞれ小径の開口端及び大径の開口端が形成され、複数の爪部材は、軸体が内部へ挿入される以前に、Oリングがそれぞれの係止部に係止される複数の係止爪と、軸体が内部へ挿入された場合に、複数の係止爪に係止されたOリングを押圧する複数の押圧爪と、からなり、この複数の押圧爪は、外周面に設けられる押圧爪スライド部を介し、軸体の長手方向に沿ってスライド可能に構成されることを特徴とする。
【0012】
このような構成の発明においては、ワークの上方にガイドが配置され、このガイドの上方に複数の爪部材が係止される軸体が配置される。なお、Oリングは、複数の係止爪を介してこの軸体によって保持される。
また、ガイドと軸体と複数の押圧爪は、例えばエアシリンダと連結されることによって、それぞれ独立して上下動可能に構成される。
さらに、「ガイドは、内部を構成する円周面のうち少なくとも一部に、」とは、テーパ状面が、円周面のうち一端寄りの一部、又は他端寄りの一部、あるいは他端から一端の全体にかけて形成されても良いという意味である。
【0013】
そして、ガイドの一端が環状溝を閉鎖しないように孔部へ挿入されることで、小径の開口端が環状溝の直上に配設される。
また、複数の押圧爪は、軸体の長手方向に沿ってスライド可能に構成されるが、
複数の係止爪については、スライド可能に構成されていても、いなくても良い。前者では、例えば複数の係止爪はエアシリンダと連結されることによって、それぞれ軸体とは独立して上下動可能に構成される。後者では、複数の係止爪は軸体と一体的に上下動可能に構成される。
【0014】
上記構成の発明においては、まず、ワークの上方から、その孔部にガイドが挿入される。次に、複数の係止爪の係止部にOリングが係止され、さらに軸体がガイドの一端に向かって下降される。このとき、複数の押圧爪は、Oリングの上方にこれと接触しない状態で配置されている。
軸体が下降することによって、Oリングはガイドのテーパ状面を摺動することとなり、複数の係止爪の個数や配置によって異なるが、略U字状や不定形の湾曲形状に変形される。より詳細には、変形されたOリングの側面視における最下部が複数の係止爪によって係止される部分である。この最下部が、環状溝と同一高さに達すると軸体の下降は停止され、続いて複数の押圧爪が変形したOリングの最上部を押圧すべく下降される。この結果、変形したOリングは元の形状に復元されるため、環状溝に嵌め込まれることとなる。
その後、軸体と複数の係止爪がそれぞれ上昇してガイドの内部から抜き出されて、Oリング組付け機はその係止部に新たなOリングを係止可能な状態に復帰する。なお、ガイドは、ワークの孔部に挿入されたままでも良く、抜き出されても良い。
【0015】
次に、第2の発明は、第1の発明において、複数の係止爪は、軸体の中心軸を中心として対称的に外周面に配置される一対の係止爪であり、複数の押圧爪は、中心軸を中心として対称的に、かつ一対の係止爪に対し、中心軸を中心として90度回動するように外周面に配置される一対の押圧爪であることを特徴とする。
このような構成の発明においては、第1の発明の作用に加えて、一対の係止爪によって、Oリングが軸体の中心軸を中心として180度毎に係止される。したがって、Oリングがテーパ状面を摺動する際に、Oリング自体が撚れたり、傾斜したりすることなく、その側面視における一対の最下部が環状溝に対して均等な高さを維持しながら、それぞれ環状溝と同一の高さに到達する。なお、この場合、Oリングは側面視で略U字状に変形される。
次に、一対の押圧爪が、Oリングが軸体の中心軸を中心として180度毎に、かつ一対の係止爪に対し、中心軸を中心として90度回動するように配置されることから、一対の押圧爪はOリングの側面視における一対の最上部を均等に押圧する。したがって、その側面視における一対の最上部が、環状溝に対して均等な高さを維持しながら、それぞれ環状溝と同一の高さに到達する。
【0016】
続いて、第3の発明は、第1又は第2の発明において、孔部は、環状溝に接する底面が形成され、軸体は、その先端に、内部への軸体の挿入を制限するために、孔部の底面に当接可能なストッパー部材が備えられ、複数の係止爪は、軸体が内部へ挿入される場合に、ストッパー部材に当接する当接端がそれぞれ備えられ、係止部は、先端がストッパー部材に当接した場合に、環状溝と同一高さとなるように当接端付近に設けられることを特徴とする。
このような構成の発明において、ストッパー部材として、例えば小径の開口端を通過可能な直径を有する円板状部材が考えられ、係止部としては、例えば、複数の係止爪の外側面に設けられる凹部が考えられる。
上記構成の発明においては、第1又は第2の発明の作用に加えて、複数回軸体をガイドの内部に挿入する場合に、軸体の先端が環状溝の高さとほぼ同一の一定の高さに統一される。
また、一対の係止爪に係止部が設けられることで、Oリングがテーパ状面を摺動する際に、一対の係止爪に沿って上昇することが防止される。さらに、この係止部は、軸体の先端がストッパー部材に当接した場合に、環状溝と同一高さとなるように当接端付近に設けられるので、Oリングが複数の押圧爪によって押圧されることで復元するOリングが、直ちに係止部から取り外され環状溝へ嵌め込まれる。
【0017】
さらに、第4の発明は、第1乃至第3のいずれかに記載の発明において、小径の開口端は、軸体とこの軸体に係止される複数の爪部材が通過可能に開口し、かつ、軸体の外周面及び複数の爪部材の外側面のうち、少なくともいずれかが摺動しつつ通過可能であることを特徴とする。
このような構成の発明においては、第1乃至第3のいずれかに記載の発明の作用に加えて、軸体とこの軸体に係止される複数の爪部材が小径の開口端を通過することで、小径の開口端よりも下方に配置される環状溝にOリングを嵌め込むことができる。
さらに、軸体の外周面及び複数の爪部材の外側面のうち、少なくともいずれかが小径の開口端における内周面を摺動することにより、軸体の先端付近が小径の開口端によって案内されることから、軸体と複数の爪部材が下降する際のぐらつきが防止される。
【0018】
続いて、第5の発明は、第1乃至第4のいずれかに記載の発明において、大径の開口端は、その直径がOリングの外径以上であることを特徴とする。
このような構成の発明においては、第1乃至第4のいずれかに記載の発明の作用に加えて、大径の開口端の直径がOリングの外径以上であることにより、Oリングが最初にガイドの内部へ導入される際に、Oリングがガイドの内部に導入され易いとともに、不要な変形を受けない。
【0019】
そして、第6の発明は、第1乃至第5のいずれかに記載の発明において、複数の係止爪は、外周面に設けられる係止爪スライド部を介し、軸体の長手方向に沿ってスライド可能に構成されることを特徴とする。
このような構成の発明においては、第1乃至第5のいずれかに記載の発明の作用に加えて、複数の係止爪の上下動が、軸体の上下動とは独立して行われるため、複数の係止爪の上下動の速度や可動範囲が独自に設定される。
【発明の効果】
【0020】
第1の発明によれば、ワークの孔部にガイドを挿入し、複数の係止爪の係止部にOリングを係止した後、軸体をガイドの一端に向かって下降し、さらに複数の押圧爪を下降するという簡単な動作によって、Oリングを確実に環状溝に組み付けることができる。
また、第1の発明によれば、ガイドと、軸体と、複数の爪部材と、からなり、特許文献1乃至3に開示された従来技術と比較して簡易な構成であることから、より安価な製造と導入が可能である。
【0021】
第2の発明によれば、第1の発明の効果に加えて、それぞれ一対の係止爪及び押圧爪によって、Oリングにそれぞれ一対の最下部及び最上部が、異なるタイミングで形成されるので、Oリングをガイドの内部を下降し易く、かつ環状溝に嵌め込まれ易い形状に自在に変形することができる。そして、最終的には、それぞれ一対の最下部及び最上部が、いずれも環状溝と同一の高さに到達するため、Oリングを完全に元の環状に復元することが可能である。したがって、Oリングを確実に環状溝に組み付けることができる。
【0022】
第3の発明によれば、第1又は第2の発明の効果に加えて、動作時間を最短とすることができることができる。
【0023】
第4の発明によれば、第1乃至第3のいずれかの発明の効果に加えて、軸体等が下降する際のぐらつきが防止されるので、Oリングが、ガイドのテーパ状面を摺動する際に、例えば、軸体の中心軸を中心として非対称に変形すること等を防止できる。したがって、Oリングを精度良く環状溝に組み付けることができる。
【0024】
第5の発明によれば、第1乃至第4のいずれかの発明の効果に加えて、Oリングがガイドの内部に導入され易いので、Oリングを確実にテーパ状面に沿って下降させることができる。
【0025】
第6の発明によれば、第1乃至第5の発明のいずれかの効果に加えて、軸体の上下動の速度等と複数の係止爪の上下動の速度等を組み合わせることで、太さの異なるOリングに対しても、細かく対応可能であり、汎用性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施例に係るOリング組付け機の分解側面図である。
図2】(a)及び(b)は、それぞれ実施例に係るOリング組付け機を構成するガイド及び軸体の側面図である。
図3】(a)及び(b)は、それぞれ実施例に係るOリング組付け機を構成する複数の係止爪の側面図及び(a)のB方向矢視図であり、(c)及び(d)は、それぞれ複数の押圧爪の側面図及び(c)のC方向矢視図である。
図4】(a)及び(b)は、それぞれ実施例に係るOリング組付け機を構成する軸体及び複数の爪部材の側面図であり、(c)は(a)におけるD−D線矢視断面図である。
図5】(a)及び(b)は、それぞれ実施例に係るOリング組付け機の動作を説明する側面図である。
図6】(a)及び(b)は、それぞれ実施例に係るOリング組付け機の動作を説明する側面図である。
図7】(a)及び(b)は、それぞれ実施例に係るOリング組付け機を動作させた場合に対応する、Oリングの変形について説明する縦断面図である。
図8】(a)及び(b)は、それぞれ実施例に係るOリング組付け機を動作させた場合に対応する、Oリングの変形について説明する縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0027】
本発明の実施の形態に係るOリング組付け機について、図1乃至図8を用いて詳細に説明する。図1は、実施例に係るOリング組付け機の分解側面図である。
図1に示すように、実施例に係るOリング組付け機1は、ワーク50の孔部51に形成される環状溝52に、弾性を有するOリング100(図5乃至図8参照)を組み付けるOリング組付け機であって、その一端2aが環状溝52を閉鎖しないように孔部51へ挿入される筒状のガイド2と、このガイド2の内部3へ挿抜される(図中V,V方向)軸体4と、軸体4の外周面5に係止される複数の爪部材6と、を備える。なお、ワーク50は台座54に固定され、孔部51は環状溝52の下方(図中V方向)に底面53が形成されている。また、環状溝52は、ワーク50を台座54に固定した際に、側面視で底部52aが水平となるように形成されている。
【0028】
次に、本実施例にかかるOリング組付け機を構成するガイド及び軸体について、図2を用いながらより詳細に説明する。図2(a)及び図2(b)は、それぞれ実施例に係るOリング組付け機を構成するガイド及び軸体の側面図である。なお、図1で示した構成要素については、図2においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図2(a)に示すように、ガイド2は、内部3を構成する円周面3aのうち一部に、その他端2bから一端2aの方向に向かって縮径するテーパ状面3bが設けられることで、一端2a及び他端2bにそれぞれ小径の開口端7及び大径の開口端8が形成される。
より詳細には、大径の開口端8は、その直径がOリング100の外径と同等である。また、小径の開口端7は、軸体4とこの軸体4に係止される複数の爪部材6が通過可能に開口し、かつ、軸体4の外周面5が摺動しつつ通過可能である。一方、小径の開口端7は、Oリング100の外径よりも小さい直径を有する。
【0029】
また、図2(b)に示すように、軸体4は、その先端4aが先細部4bを形成するとともに、その外周面5に複数の爪部材6を係止するための係止爪スライド部12と、押圧爪スライド部13が設けられる。さらに、軸体4は、先端4aに、内部3への軸体4の挿入を制限するために、底面53(図1参照)に当接可能なストッパー部材9が備えられる。具体的には、ストッパー部材9は、小径の開口端7を通過可能な直径dを有する円板状部材である。
【0030】
さらに、本実施例に係るOリング組付け機を構成する複数の係止爪について、図2(b)乃至図4を用いてより詳細に説明する。図3(a)及び図3(b)は、それぞれ実施例に係るOリング組付け機を構成する複数の係止爪の側面図及び図3(a)のB方向矢視図であり、図3(c)及び図3(d)は、それぞれ複数の押圧爪の側面図及び図3(c)のC方向矢視図である。なお、図1及び図2で示した構成要素については、図3においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
まず、再度図2(b)に戻ると、複数の爪部材6は、軸体4が内部3へ挿入される以前に(図5(a)参照)、Oリング100がそれぞれの係止部10aに係止される複数の係止爪10と、軸体4が内部3へ挿入された場合に(図6(a)参照)、複数の係止爪10に係止されたOリング100(図5乃至図8参照)を押圧する複数の押圧爪11と、からなる。
【0031】
次に、図3(a)及び図3(b)に示すように、複数の係止爪10は、それぞれ、長尺状をなし、その一端に凹状の係止部10aと、その他端及び中間部に係止爪10を上下動させるエアシリンダ(図示せず)に固定するための固定部10bと、を備える。このうち、図3(b)に示すように、係止部10aの上縁uは、下方へ凸の緩く湾曲した形状となっており、図7(b)及び図8(a)に示すように、Oリング100が屈曲し易いように構成されている。
また、複数の係止爪10は、軸体4が内部3へ挿入される場合に、ストッパー部材9に当接する当接端10cがそれぞれ備えられる。
なお、係止部10aは、先端4a(図2(b)参照)がストッパー部材9に当接した場合に、環状溝52と略同一高さとなるように当接端10c付近に設けられる。
【0032】
続いて、図3(c)に示すように、複数の押圧爪11は、それぞれ、略L字状をなし、その一端にOリング100を押圧する押圧部11aと、その他端及び中間部に押圧爪11を支持体55(図5,6参照)に固定するための固定部11bと、を備える。このうち、図3(d)に示すように、押圧部11aは、溝部Sが設けられ、Oリング100を押圧する際に、圧力が高まり易いように構成されている。
【0033】
さらに、本実施例に係るOリング組付け機を構成する軸体及び複数の爪部材について、図4を用いながらより詳細に説明する。図4(a)及び図4(b)は、それぞれ実施例に係るOリング組付け機を構成する軸体及び複数の爪部材の側面図であり、図4(c)は図4(a)におけるD−D線矢視断面図である。なお、図1乃至図3で示した構成要素については、図4においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図4(a)及び図4(b)に示すように、複数の係止爪10及び複数の押圧爪11は、それぞれレール状をなし外周面5に設けられる係止爪スライド部12及び押圧爪スライド部13を介し、軸体4の長手方向Yに沿ってスライド可能に構成される。
【0034】
また、図4(c)に示すように、複数の係止爪10は、軸体4の中心軸Eを中心として対称的に外周面5に配置される一対の係止爪10,10である。
さらに、複数の押圧爪11は、中心軸Eを中心として対称的に、かつ一対の係止爪10,10に対し、中心軸Eを中心として90度回動するように外周面5に配置される一対の押圧爪11,11である。
【0035】
さらに、本実施例に係るOリング組付け機の動作について、図5及び図6を用いてより詳細に説明する。図5(a)及び図5(b)、図6(a)及び図6(b)は、それぞれ実施例に係るOリング組付け機の動作を説明する側面図である。なお、図1乃至図4で示した構成要素については、図5及び図6においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
まず、図5(a)は、軸体4が内部3へ挿入される以前の初期状態を示したものである。
図5(a)に示すように、まず、中心軸Eと同一軸線上に配列されるワーク50の孔部51へ、ガイド2が挿入される。そして、軸体4、一対の係止爪10,10及び一対の押圧爪11,11は、ワーク50及びガイド2の直上に配置される。このうち、図示しないエアシリンダによって上下動される一対の係止爪10,10は、係止部10a,10aが軸体4の先細部4bよりもやや下方(Vに向かう側)で停止した状態となっている。そのため、係止部10a,10aにOリング100が係止される。また、一対の押圧爪11,11は、それぞれ支持体55,55によって支持されており、この支持体55は、これを上下動させるためのエアシリンダ(図示せず)と接続されている。
なお、軸体4に先細部4bが設けられる理由は、係止部10aが凹状であることに起因する。すなわち、仮に先細部4bが設けられない場合では、係止部10aを下降させ係止爪スライド部12から脱出させた場合であっても、係止部10aにOリング100を係止させることができないためである。
次に、図5(b)は、軸体4と一対の係止爪10,10が内部3へ挿入され始めた状態を示したものである。
図5(b)に示すように、ストッパー部材9が孔部51の底面53へ当接するまで軸体4が下降した後、一対の係止爪10,10のみが、なおも独立して下降する。
【0036】
続いて、図6(a)は、軸体4のストッパー部材9が孔部51の底面53へ当接するとともに、当接端10cがストッパー部材9に当接した状態を示したものである。
図6(a)に示すように、軸体4と一対の係止爪10,10が停止した後、一対の押圧爪11,11が、Oリング100を押圧するように、いずれも押圧爪スライド部13を同一速度でスライドして下降する。
さらに、図6(b)は、一対の押圧爪11,11が最も下降した状態を示したものである。
図6(b)に示すように、一対の押圧爪11,11は、ガイド2に当接している。なお、軸体4と一対の係止爪10,10が小径の開口端7(図2参照)を通過した後に、一対の押圧爪11,11も小径の開口端7を通過可能である。ただし、一対の押圧爪11,11がガイド2に当接するとき、押圧部11a,11a(図3参照)とストッパー部材9の間に、Oリング100の幅と同等な幅の隙間がそれぞれ形成されるため、一対の押圧爪11,11によって環状溝52が閉鎖されることはない。すなわち、一対の押圧爪11,11によって環状溝52に嵌め込まれたOリング100が押圧され続けることはない。
【0037】
加えて、本実施例に係るOリング組付け機によって組み付けられるOリングの変形について、図7及び図8を用いてより詳細に説明する。図7(a)及び図7(b)、図8(a)及び図8(b)は、それぞれ実施例に係るOリング組付け機を動作させた場合に対応する、Oリングの変形について説明する縦断面図である。なお、図1乃至図6で示した構成要素については、図7及び図8においても同一の符号を付して、その説明を省略するとともに、軸体のハッチングも省略する。また、図8では、支持体55の図示も省略する。
まず、図7(a)は、図5(a)に対応するものである。
図7(a)に示すように、Oリング100が一対の係止爪10,10によって中心軸Eを中心として対称的(図の前後方向)に係止されることで、側面視でほぼ水平になるように保持される。
次に、図7(b)は、図5(b)に対応するものである。
図7(b)に示すように、小径の開口端7の直径がOリング100の外径よりも小さく、かつ、大径の開口端8の直径がOリング100の外径と同等であることから、係止部10a,10aに係止されたOリング100は、軸体4が内部3へV方向に向かって下降するにつれ、図中における左右端100a,100aがそれぞれテーパ状面3bに当接し始める。ただし、左右端100a,100aの中央部分100bは、係止部10a,10aに係止されていることから、Oリング100は、側面視で「くの字」に屈曲し始める。なお、左右端100a,100a及び中央部分100bとは、それぞれOリング100を構成する特定の一部を指すものではなく、側面視で左右端及び中央部分に相当することになるOリング100の位置を指すものである。
【0038】
続いて、図8(a)は、図6(a)に対応するものである。
図8(a)に示すように、Oリング100の中央部分100bがさらに屈曲され、側面視で「U字状」に変形される。より詳細には、中央部分100bは環状溝52の底部52a付近に到達し、左右端100a,100aは小径の開口端7付近に到達する。このとき、一対の押圧爪11,11がV方向に下降すると、Oリング100の左右端100a,100aはそれぞれ押圧部11a,11aによって押圧される。
さらに、図8(b)は、図6(b)に対応するものである。
図8(b)に示すように、Oリング100の左右端100a,100aがそれぞれ押圧部11a,11aによって押圧されると、左右端100a,100aは軸体4と小径の開口端7の隙間をくぐり抜ける。その後、Oリング100は、その復元力によって中央部分100bが係止部10a,10aから外れ、側面視でほぼ水平になるように復元される。したがって、Oリング100はその全周に亘って環状溝52に嵌め込まれる。この後、軸体4、一対の係止爪10,10及び一対の押圧爪11,11は、ガイド2の内部3から抜き去られる。
【0039】
以上説明したように、実施例に係るOリング組付け機1によれば、図5,6に示したように、ワーク50の孔部51へガイド2を挿入し、軸体4、一対の係止爪10,10及び一対の押圧爪11,11を、ワーク50及びガイド2の直上に配置し、さらに係止部10a,10aにOリング100を係止した後、軸体4、一対の係止爪10,10及び一対の押圧爪11,11をそれぞれ異なるタイミングで下降させるという簡単な動作によって、Oリング100を確実に環状溝52に組み付けることができる。したがって、Oリング100を完全に環状溝52に装着するために軸体4を中心軸E周りに回転駆動させる必要がないので、組み付けのための動作が煩雑とならない。
また、Oリング組付け機1によれば、ガイド2と、軸体4と、一対の係止爪10,10及び一対の押圧爪11,11と、からなり、前述したような開閉機構が不要である。したがって、部品点数が少なく従来技術と比較して簡易な構成であることから、より安価な製造と導入が可能である。
【0040】
さらに、ガイド2の内部3にテーパ状面3bが形成され、かつ一対の係止爪10,10及び一対の押圧爪11,11が、軸体4の中心軸Eを中心として、90度毎に配置されていることによって、Oリング100にそれぞれ一対の最下部(中央部分100b,100b)及び最上部(左右端100a,100a)を無理なく形成することができる(図7(b),図8(a)参照)。すなわち、Oリング100の一部分のみをU字状に屈曲させるといった必要がないため、Oリング100の径に関わらず組み付けが可能である。
加えて、ガイド2の小径の開口端7は、軸体4の外周面5が摺動しつつ通過可能であることから、軸体4、一対の係止爪10,10及び一対の押圧爪11,11が下降する際のぐらつきが防止されるので、Oリング100が、ガイド2のテーパ状面3bを摺動する際に、軸体4の中心軸Eを中心として非対称に変形することや、特定の箇所が擦れたりすることを防止できる。したがって、Oリング100を精度良く環状溝52に組み付けることができる。
そして、Oリング100がガイド2の内部3に導入され易いので、Oリング100が捩じれて撚りが形成された状態のまま軸体4等の下降によってガイド2の内部3に押し込まれ、Oリング100が損傷するリスクが軽減される。したがって、Oリング組付けの再現性が良好である。
【0041】
また、複数の係止爪10の係止部10aが凹状であることから、これに係止されたOリング100が軸体4の下降の際にずれることがない。したがって、安定的にOリング100を屈曲させることが可能である。
また、軸体4の上下動の速度等と複数の係止爪10の上下動の速度等を組み合わせることで、太さの異なるOリング100に対しても、細かく対応可能であり、汎用性が向上する。
【0042】
なお、本発明に係るOリング組付け機1は、本実施例に示すものに限定されない。例えば、複数の係止爪10及び複数の押圧爪11は、Oリング100がその円周方向について均等に係止及び押圧されるのであれば、それぞれの個数は1対に限定されない。また、複数の係止爪10は、軸体4に沿ってスライド不能に固定されても良い。さらに、小径の開口端7は、複数の爪部材6の外側面が摺動しつつ通過可能であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、ワークの孔部に形成される環状溝に、Oリングを組み付けるOリング組付け機として利用可能である。
【符号の説明】
【0044】
1…Oリング組付け機 2…ガイド 2a…一端 2b…他端 3…内部 3a…円周面 3b…テーパ状面 4…軸体 4a…先端 4b…先細部 5…外周面 6…爪部材 7…小径の開口端 8…大径の開口端 9…ストッパー部材 10…係止爪 10a…係止部 10b…固定部 10c…当接端 11…押圧爪 11a…押圧部 11b…固定部 12…係止爪スライド部 13…押圧爪スライド部 50…ワーク 51…孔部 52…環状溝 52a…底部 53…底面 54…台座 55…支持体 100…Oリング 100a…左右端 100b…中央部分
【要約】
【課題】簡易な構成を備え、簡単かつ確実にOリングを組み付けることが可能なOリング組付け機を提供する。
【解決手段】孔部51へ挿入されるガイド2と、ガイド2へ挿抜される軸体4と、軸体4の外周面5に係止される複数の爪部材6と、を備え、ガイド2は、円周面3aに、テーパ状面3bが設けられることで、一端2a及び他端2bにそれぞれ小径の開口端7及び大径の開口端8が形成され、複数の爪部材6は、軸体4が内部3へ挿入される以前に、Oリング100がそれぞれの係止部10aに係止される一対の係止爪10,10と、軸体4が内部3へ挿入された場合に、一対の係止爪10,10に係止されたOリング100を押圧する一対の押圧爪11,11と、からなる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8