特許第6059892号(P6059892)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6059892物標識別装置、レーダ装置、物標識別方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6059892
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】物標識別装置、レーダ装置、物標識別方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/41 20060101AFI20161226BHJP
【FI】
   G01S7/41
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-130229(P2012-130229)
(22)【出願日】2012年6月7日
(65)【公開番号】特開2013-253889(P2013-253889A)
(43)【公開日】2013年12月19日
【審査請求日】2015年5月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】特許業務法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】淺田 泰暢
(72)【発明者】
【氏名】箕輪 昌裕
【審査官】 三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】 特許第2745588(JP,B2)
【文献】 特開2008−185357(JP,A)
【文献】 特開2012−38077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00− 7/51,
G01S 13/00−13/95,
G01S 17/00−17/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方位毎に電磁波を送受信するアンテナからエコー信号を取得するエコー取得部と、
今回取得した所定方位のエコーと、過去に取得した他方位のエコーとの位相を、自機の位置を基準とする距離毎に検出する位相検出部と、
前記所定方位のエコーの位相と、前記他方位のエコーの位相と、の差分値を算出する差分算出部と、
前記差分値の分散を検出する位相変化検出部と、
前記分散に基づいてエコーの種別を判断する物標識別部と、
を備えたことを特徴とする物標識別装置。
【請求項2】
請求項に記載の物標識別装置において、
前記物標識別部は、前記分散が所定の閾値よりも低い場合に、取得したエコーが物標からのエコーであると判断することを特徴とする物標識別装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の物標識別装置において、
前記位相変化検出部は、前記分散として、移動分散値を算出することを特徴とする物標識別装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項のいずれかに記載の物標識別装置において、
前記物標識別部が物標からのエコーであると判断した領域を拡張する拡張部を備えたことを特徴とする物標識別装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項のいずれかに記載の物標識別装置において、
前記物標識別部が物標からのエコーであると判断したエコーについて、当該物標からのエコーに係る成分を除去する除去処理部を備えたことを特徴とする物標識別装置。
【請求項6】
請求項に記載の物標識別装置において、
前記除去処理部は、取得したエコーの値と、当該取得したエコーの移動平均値と、の差分を求めることにより前記物標からのエコーを除去することを特徴とする物標識別装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項のいずれかに記載の物標識別装置と、
電磁波を送信し、受信した電磁波を前記エコー取得部に入力するアンテナと、
を備えたことを特徴とするレーダ装置。
【請求項8】
所定方位毎に電磁波を送受信するアンテナからエコー信号を取得するエコー取得ステップと、
今回得られた所定方位のエコーと、過去に得られた他方位のエコーとの位相を、自機の位置を基準とする距離毎に検出する位相検出ステップと、
前記所定方位のエコーの位相と、前記他方位のエコーの位相と、の差分値を算出する差分算出ステップと、
前記差分値の分散を検出する位相変化検出ステップと、
前記分散に基づいてエコーの種別を判断する物標識別ステップと、
を実行することを特徴とする物標識別方法。
【請求項9】
所定方位毎に電磁波を送受信するアンテナからエコー信号を取得するエコー取得ステップと、
今回得られた所定方位のエコーと、過去に得られた他方位のエコーとの位相を、自機の位置を基準とする距離毎に検出する位相検出ステップと、
前記所定方位のエコーの位相と、前記他方位のエコーの位相と、の差分値を算出する差分算出ステップと、
前記差分値の分散を検出する位相変化検出ステップと、
前記分散に基づいてエコーの種別を判断する物標識別ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、送信した電磁波の反射波を受信して物標を識別する物標識別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、気象レーダでは、晴天時の陸地のエコーをリファレンスとして、雨天時のエコーから当該リファレンスを除去することで、雨のエコーを観測することが行われていた(例えば特許文献1,2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62−197779号公報
【特許文献2】米国特許第7307576号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、船舶等の移動物体は、リファレンスを作成することができないため、特許文献1に示されたような手法で除去することができなかった。
【0005】
そこで、この発明は、移動物体を識別する物標識別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の物標識別装置は、エコー信号を取得するエコー取得部と、今回得られたエコーと、過去に得られたエコーとの位相を、自機の位置を基準とする距離毎に検出する位相検出部と、時間の経過に伴って前記検出した位相がどのように変化するかを検出する位相変化検出部と、前記位相の変化に基づいてエコーの種別を判断する物標識別部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
船舶等の移動物体のエコーは、時間軸上の位相の変化が一定であり、ばらつきが少ない。一方で、雨のエコー等は、時間軸上の位相の変化がランダムであり、ばらつきが多い。したがって、本発明の物標識別装置は、位相の時間軸上の変化を検出することで、エコーの種別を検出することができる。例えば、時間軸上の位相のばらつき度合いが所定の閾値よりも低いエコーは、船舶等の特定の物標であると判定することができる。
【0008】
また、物標識別装置は、前記位相の差分値を算出する差分算出部を備え、前記位相変化検出部は、前記差分値の分散を検出し、前記物標識別部は、前記分散に基づいてエコーの種別を判断することが好ましい。
【0009】
時間軸上の位相の変化が一定である場合、時間軸上で隣接する位相の差分値が一定となる。したがって、差分値を算出すると、移動分散処理によりばらつき度合いを容易に検出することができる。
【0010】
なお、特定の物標であると判定した領域とそれ以外の領域との境界付近は、ばらつき度合いが高くなるため、物標が存在しないと判定した領域においても実際には物標が存在する可能性がある。そこで、物標識別装置は、物標識別部が特定の物標からのエコーであると判断した領域を拡張する拡張部を備えた態様とすることも可能である。
【0011】
また、前記物標識別部が特定の物標であると検出したエコーについて、当該特定の物標に係る成分を除去する除去処理部を備える態様も可能である。除去手法は、例えば、取得したエコーの値と、当該取得したエコーの移動平均値と、の差分を求めることにより行う。この場合、船舶等の移動物体のエコーを除去することができるため、例えば気象レーダでは、不要なエコーが除去されることになる。
【0012】
上記物標識別装置は、電磁波を送信し、受信した電磁波を前記エコー取得部に入力するアンテナを備えるレーダ装置として用いることができる。この場合、アンテナは、所定スイープ毎に電磁波を送受信し、ばらつき検出部は、スイープ方向に対する位相変化のばらつき度合いを検出する。
【0013】
なお、本発明の物標識別装置は、コンピュータに実行されるプログラムとして実現することも可能である。
【発明の効果】
【0014】
この発明の物標識別装置によれば、移動物体を識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態のレーダ装置の構成を示すブロック図である。
図2】信号処理部の構成を示す機能ブロック図である。
図3】船舶のエコーと雨のエコーの位相を示した図である。
図4】信号処理部の動作を示すフローチャートである。
図5】フェーズドアレイレーダの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の物標識別装置を内蔵したレーダ装置の構成を示すブロック図である。レーダ装置は、例えば船舶に設置され、自船の周囲に電磁波を送受信し、他船等の物標を探知する装置である。本実施形態においては、レーダ装置について説明するが、本発明の物標識別装置は、魚群探知機等、パルス状の信号を送受信する他の装置にも適用可能である。
【0017】
同図において、レーダ装置は、送信部10、アンテナ11、切替部12、受信部13、A/D変換器14、メモリ15、信号処理部16、および表示処理部17を備えている。
【0018】
送信部10は、半導体等の発振素子を有し、所定のタイミングでパルス状の電磁波を送信信号として出力する。送信部10から出力された送信信号は、切替部12を介してアンテナ11に伝送される。アンテナ11は、自船の周囲に所定スイープ毎(所定回転角度毎)に送信信号を発射し、物標で反射したエコー信号を受信する。
【0019】
受信部13は、アンテナ11で受信したエコー信号のレベルに応じた値をA/D変換器14に出力する。A/D変換器14は、入力されたアナログ値のエコー信号をデジタル変換し、離散化した各値(サンプルデータ)をメモリ15に出力する。
【0020】
メモリ15は、測定1周期分(自船の周り360度分)のサンプルデータを記憶する。サンプルデータは、送信から受信までの時間差に応じて、極座標系の座標(スイープおよび距離)と対応付けられて記憶される。すなわち、サンプルデータは、余弦成分(実数成分)と90度位相がずれた正弦成分(虚数成分)とからなる複素信号(位相の情報を含んだデータ)として記憶される。
【0021】
信号処理部16は、メモリ15からサンプルデータを読み出し、特定の物標を検出して、当該特定の物標のエコーの成分を除去する処理を行う。
【0022】
表示処理部17は、信号処理部16で特定の物標のエコーの成分が除去された後のサンプルデータを入力し、自船の位置を原点とした直交座標系に変換して、各サンプルのレベルに応じた階調の画素輝度値を有する画像データを生成する。この画像データが表示器(不図示)等に出力され、レーダ画像(エコー画像)としてユーザに表示される。
【0023】
信号処理部16は、図2に示すように、機能的に、検出処理部160および除去処理部170を備えている。検出処理部160は、本発明の物標識別装置に相当する。
【0024】
まず、検出処理部160の機能的構成、および動作について、図3のフローチャートを参照しながら説明する。検出処理部160は、位相算出部161、差分算出部162、移動分散処理部163、船舶領域検出部164、および船舶領域拡張部165を備えている。なお、これら検出処理部160の各構成は、コンピュータに実行されるソフトウェアとして実現することも可能である。
【0025】
位相算出部161は、本発明のエコー取得部および位相検出部に相当し、メモリ15から複数スイープ(例えば最新のスイープを含む過去5スイープ分)の全ての距離に関するサンプルデータを読み出し(s11)、読み出したサンプルデータの各サンプルの位相を算出する(s12)。
【0026】
差分算出部162は、時間軸上で隣り合う位相の差分値(スイープ間の位相の差分値)を算出する(s13)。
【0027】
移動分散処理部163は、本発明の位相変化検出部に相当し、上記差分値から移動分散値(移動平均値と各データとの差分値を自乗加算し、サンプル数で除算した値)を算出する(s14)。
【0028】
船舶領域検出部164は、本発明の物標識別部に相当し、移動分散値と所定の閾値を比較する(s15)。船舶領域検出部164は、移動分散値が所定の閾値よりも低い値である場合、船舶のエコーが含まれた領域(船舶領域)であると判断する(s16)。
【0029】
図4は、船舶のエコーと雨のエコーの位相を示した図である。図4(A)は、雨のエコーの位相を示した図であり、図4(A)に示すグラフの横軸はスイープに対応し、縦軸は距離に対応する。図4(B)は、船舶のエコー(スイープs1〜スイープs2までが船舶のエコーである。)の位相を示した図であり、図4(B)に示すグラフの横軸はスイープに対応し、縦軸は距離に対応する。図4(C)は、雨のエコーにおけるスイープと位相の関係を示した図であり、図4(C)に示すグラフの横軸はスイープに対応し、縦軸は位相に対応する。図4(D)は、船舶のエコーにおけるスイープと位相の関係を示した図であり、図4(D)に示すグラフの横軸はスイープに対応し、縦軸は位相に対応する。
【0030】
雨は、異なる時間毎に存在する位置が変化するため、図4(A)および図4(C)に示すように、雨のエコーは、ランダムに変化し、スイープ方向に対するばらつきが大きい。一方で、船舶は、異なる時間毎に位置が変化しない(または一定の相対速度で変化する)ため、図4(B)および図4(D)に示すように、船舶のエコーは、スイープ方向に対するばらつきが小さい。
【0031】
したがって、検出処理部160は、位相の時間軸上のばらつき度合いを示す値として、移動分散値を算出し、当該移動分散値が所定の閾値未満のサンプルを船舶領域とし、閾値以上のサンプルを非船舶領域とする。
【0032】
ただし、図3に示すように、船舶領域拡張部165は、船舶領域検出部164が非船領域であると判断した場合であっても、拡張処理の対象であると判断した場合には(s17)、当該サンプルを船舶領域とし(s18)。拡張処理の対象でないと判断した場合に、当該サンプルを非船舶領域とする(s19)。
【0033】
すなわち、船舶領域拡張部165は、船舶領域検出部164で検出された船舶領域を距離方向およびスイープ方向に拡大する処理を行う。船舶領域検出部164で検出された船舶領域と非船舶領域の境界付近は、移動分散値が高くなるため、実際には船舶が存在する位置においても非船舶領域として判定する可能性がある。そこで、境界付近(例えば、過去3サンプルのうちいずれか1つのサンプルにおいて船舶領域であると判定されていた場合等)については、船舶領域検出部164で非船舶領域であると判定された場合であっても、船舶領域拡張部165において船舶領域であると判定する。ただし、船舶領域拡張部165は、本発明において必須の構成要素ではない。
【0034】
また、上記例においては、差分算出部162で差分値を算出する例を示したが、この処理は必須ではない。例えば、船舶が停止している場合、スイープ毎の位相の変化がないため、差分値の算出は不要である。また、スイープ毎の位相変化について、近似直線を算出し、当該近似直線との差分値を算出することでもばらつき度合いを求めることができる。また、上記の例では、時間軸上で隣り合う位相の変化(スイープ間の位相の差分値)を毎スイープ算出する例を示したが、例えば、3スイープ連続して差分値を算出した後に、1スイープだけ差分値を算出しないようにする等、差分値を算出するタイミングは固定である必要はない。ただし、差分値を算出する対象スイープとの時間差は予め定めておくものとする(今回のスイープと前回のスイープとの差分値とする、あるいは前回のスイープと前々回のスイープとの差分値とする、等)。仮に、対象スイープとの時間差が異なる場合、この時間差が同一となるような補正処理を行う(例えば今回のスイープと前々回のスイープとの差分値を求める場合、時間差が2倍になるのであれば、差分値を1/2に補正する、等)。
【0035】
さらに、ばらつき度合いは、分散値に限るものではなく、標準偏差等の他の指標を用いることも可能である。
【0036】
以上のようにして、検出処理部160は、船舶領域を判定し、判定結果を除去処理部170に出力する。
【0037】
次に、除去処理部170の構成および動作について説明する。図2に示すように、除去処理部170は、振幅算出部171、移動平均処理部172、加算器173、船舶領域置換処理部174、位相算出部175、および複素数算出部176を備えている。なお、これら除去処理部170の各構成についても、コンピュータに実行されるソフトウェアとして実現することも可能である。
【0038】
振幅算出部171は、メモリ15からサンプルデータを読み出し、読み出したサンプルデータの各サンプルの振幅値を算出する。サンプルデータは、複素信号であるため、振幅算出部171は、1スイープ分のサンプルデータから振幅値を求めることができる。
【0039】
移動平均処理部172は、振幅算出部171から出力された振幅値の移動平均値を算出する。すなわち、振幅算出部171から出力された振幅値を所定数(例えば過去5サンプル)保持し、これら所定数の振幅値の平均値を算出する。
【0040】
加算器173は、振幅算出部171から出力された振幅値から、移動平均処理部172で算出された平均値を差分する。これにより、サンプルデータの平滑成分が除去されることになる。すなわち、船舶のエコーが含まれたサンプルデータであれば、船舶のエコーに係る成分が除去されることになる。
【0041】
船舶領域置換処理部174は、検出処理部160から出力された判定結果に応じて、振幅算出部171から出力された振幅値、または加算器173から出力された振幅値(平滑成分が除去されたもの)のいずれかを出力する。すなわち、船舶領域置換処理部174は、対象サンプルについて、検出処理部160から船舶領域の判定結果が出力された場合、当該対象サンプルについて、加算器173から出力された振幅値を出力することで、船舶のエコーを除去した後の振幅値を出力する。一方で、船舶領域置換処理部174は、検出処理部160から非船舶領域の判定結果が出力された場合、当該対象サンプルについて、振幅算出部171から出力された振幅値を出力する。
【0042】
複素数算出部176は、位相算出部175で算出された位相を入力し、対象サンプルを複素信号に変換する。これにより、船舶のエコーに係る成分だけが除去されたサンプルデータに変換されることになる。
【0043】
なお、この例では、船舶のエコーに係る成分を除去する例を示したが、逆に船舶に係るエコー以外の成分を除去する態様とすることも可能である。また、検出した船舶領域を自動衝突予防援助装置(ARPA)における追従処理に適用することも可能である。
【0044】
また、特定の物標として船舶の例を示したが、陸地や航空機等の他の物標についても特定の物標として検出することが可能である。
【0045】
また、上記例においては、アンテナ11が回転し、所定スイープ毎に電磁波を送受信し、スイープ方向に対する位相変化のばらつき度合いを検出する例を示したが、アンテナが回転せず、単一方向に電磁波を送受信する場合であっても、異なる時間に複数回の電磁波を送受信し、時間軸上の位相変化のばらつき度合いを検出することでも船舶等の特定の物標を検出することができる。
【0046】
また、図5に示すようなフェーズドアレイレーダにおいても本発明の物標識別装置を適用することが可能である。図5は、フェーズドアレイレーダの構成を示すブロック図である。図1と共通する構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0047】
フェーズドアレイレーダは、上述の送信部10、アンテナ11、切替部12、受信部13、およびA/D変換器14からなる送受信回路101を複数備えている。この場合、各送受信回路101のアンテナ11は、回転せず、無指向または単一方向に電磁波を送受信する。
【0048】
ビーム処理部21は、各送受信回路101から入力した受信信号を遅延合成することで、所定方向のエコーを強調した受信ビームを生成する。受信ビームに係るサンプルデータがメモリ15に記憶される。ただし、この場合、メモリ15には、異なる時間に複数回生成された各方向の受信ビームのサンプルデータが記憶される。
【0049】
この場合においても、異なる時間に複数回の電磁波を送受信し、時間軸上の位相変化のばらつき度合いを検出することで船舶等の特定の物標を検出することができる。
【符号の説明】
【0050】
10…送信部
11…アンテナ
12…切替部
13…受信部
14…A/D変換器
15…メモリ
16…信号処理部
17…表示処理部
160…検出処理部
161…位相算出部
162…差分算出部
163…移動分散処理部
164…船舶領域検出部
165…船舶領域拡張部
図1
図2
図3
図4
図5