(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6060018
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】携帯電話機保持具
(51)【国際特許分類】
H04M 1/11 20060101AFI20161226BHJP
H04M 1/02 20060101ALI20161226BHJP
【FI】
H04M1/11 Z
H04M1/02 C
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-73860(P2013-73860)
(22)【出願日】2013年3月29日
(65)【公開番号】特開2014-199978(P2014-199978A)
(43)【公開日】2014年10月23日
【審査請求日】2016年2月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】391021226
【氏名又は名称】株式会社カーメイト
(72)【発明者】
【氏名】辰巳 剛太郎
(72)【発明者】
【氏名】久木田 充子
(72)【発明者】
【氏名】名塚 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】土橋 潤
【審査官】
石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/105549(WO,A1)
【文献】
実開昭54−029831(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0069823(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/02−1/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話機の裏面と対向する表面を有する保持具本体と、前記保持具本体に対する携帯電話機の保持手段と、取り付け対象への前記保持具本体の固定手段を有し、
前記携帯電話機の保持手段は携帯電話機の下端部の底面を支持可能な下端支持部と、
両端部が夫々前記保持具本体の下方位置で前記保持具本体の左右部分に固定され、携帯電話機の下端部の表面を保持可能な下側バンドと、
両端部が夫々前記保持具本体の下方位置から上方に離間した位置で前記保持具本体の左右部分に固定され、携帯電話機の下端部から上方に離間した位置で携帯電話機の表面を保持可能な上側バンドを有し、
前記上側バンドは上下方向に離間して配置された複数の上側バンドよりなり、前記上側バンドは夫々伸縮性を有し、携帯電話機を何れか1つの上側バンドで保持した際に、携帯電話機を非保持状態の前記上側バンドは、前記保持具本体の表面に沿って直線状に配置されるように構成されることを特徴とする携帯電話機保持具。
【請求項2】
前記下端支持部がベルト状部材からなり、前記下端支持部は下端部が前記保持具本体の下部分に固定され、上端部が前記下側バンドに固定されることを特徴とする請求項1記載の携帯電話機保持具。
【請求項3】
前記上側バンドの表面が滑り止め機能を有する部材で構成されることを特徴とする請求項1または2記載の携帯電話機保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォンを含む携帯電話機を、自動車の車内や、家庭内、身の回り品、および身体等に装着する際に、携帯電話機の表示パネル部を露出させることができ、携帯電話機の画面位置や携帯電話自体のサイズに対して汎用性がある携帯電話機保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯電話機保持具として、特開2000−184911号公報では、
図9に示す様に、ノートパソコン150等に接続する携帯電話機を取り付けるための携帯電話機保持具であって、前記携帯電話機を支持する本体部20が、携帯電話機の下端部と当接する支持フレーム21と、前記本体部20から上方へ延設してノートパソコン等のディスプレイ上縁又は本体上縁に係止する上部係止部22とからなり、前記本体部20には携帯電話機を前記本体部20に締め付けて密着、一体化するベルト23を取り付けてなり、上部係止部22は、本体部20に対して略直角方向に延びてノートパソコン等のディスプレイ又は本体縁部に当接する中間部24と、前記中間部24から折り返して本体部20と略平行に延びるフック部25とからなる携帯電話機保持具が開示されている。
【0003】
また、他の従来の携帯電話機保持具として実用新案登録第3068324号公報では、
図10に示す様に、携帯電話機100の裏面と当接するホルダーシート30の表面に面ファスナーの一方の面材を貼着し、且つ前記ホルダーシート30の表側下方に携帯電話機100の下方部が嵌まるポケット部32を形成するとともに、携帯電話機100の裏面に面ファスナーの他方の面材を接着し、さらにホルダーシート30の裏側に環状の取り付けバンド33を備える。携帯電話機100を使用者の前腕または腰ベルトの所望の位置で保持し、前腕で保持したまま送受信を可能とすることができる携帯電話機保持具が開示されている。
【0004】
前記特開2000−184911号公報で開示される携帯電話機保持具において携帯電話機の上下位置は、携帯電話機の下端部と当接する支持フレーム21によって決定し、本体部20のフレーム構造の片側にベルト23の引出基部26を設け、携帯電話機に前記ベルト23を巻きつけ、面ファスナー27で固定する構造であるため、ベルト23によって一部の携帯電話の押しボタンが隠れてしまい、操作に支障がでる不具合があった。
【0005】
また、前記実用新案登録第3068324号公報で開示される携帯電話機保持具は、携帯電話機100の押しボタン110がポケット部32内に保持されているため、操作に支障がでる不具合があり、また携帯電話機100の裏面に面ファスナーの他方の面材を接着するため、携帯電話機保持具から外して携帯電話機100を使用する際には、面ファスナーが外面に露出しファッション性が損なわれる欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−184911号公報
【特許文献2】実用新案登録第3068324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の携帯電話保持具は、携帯電話機の画面位置や携帯電話自体のサイズが異なっても、表示パネル部に干渉せず、タッチパネル方式の携帯電話の操作時や表示内容の確認時に、前記保持構造部が妨げにならないことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の携帯電話機保持具は、携帯電話機の裏面と対向する表面を有する保持具本体と、前記保持具本体に対する携帯電話機の保持手段と、取り付け対象への前記保持具本体の固定手段を有し、前記携帯電話機の保持手段は携帯電話機の下端部の底面を支持可能な下端支持部と、両端部が夫々前記保持具本体の下方位置で前記保持具本体の左右部分に固定され、携帯電話機の下端部の表面を保持可能な下側バンドと、両端部が夫々前記保持具本体の下方位置から上方に離間した位置で前記保持具本体の左右部分に固定され、携帯電話機の下端部から上方に離間した位置で携帯電話機の表面を保持可能な上側バンドを有し、前記上側バンドは上下方向に離間して配置された複数の上側バンドよりなり、前記上側バンドは夫々伸縮性を有し、携帯電話機を何れか1つの上側バンドで保持した際に、携帯電話機を非保持状態の前記上側バンドは、前記保持具本体の表面に沿って直線状に配置されるように構成されることを特徴とする。
【0009】
更に前記下端支持部がベルト状部材からなり、前記下端支持部は下端部が前記保持具本体の下部分に固定され、上端部が前記下側バンドに固定されると良い。
【0010】
更に前記上側バンドの表面が滑り止め機能を有する部材で構成されると良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明の携帯電話機保持具は、携帯電話機の保持手段が携帯電話機の表示画面を隠すことなく保持可能であり、安価な構成でありながら汎用性が高い点で、従来技術にない優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】本発明の実施例に係る小さい携帯電話機を保持した使用形態を示す参考図
【
図4】本発明の実施例に係る大きい携帯電話機の保持状態を示す平面図
【
図5】本発明の実施例に係る大きい携帯電話機の保持状態を示す側面図
【
図6】本発明の実施例に係るベルト部材を示す参考図
【
図7】本発明の実施例に係るサンバイザーへのベルト部材の装着状態を示す参考図
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0013】
本発明の第1実施例は、
図1〜
図8に示すように、携帯電話機100の裏面と対向する表面を有する保持具本体1と、前記保持具本体1に対する携帯電話機100の保持手段と、取り付け対象への前記保持具本体1の固定手段を有しする。
【0014】
前記携帯電話機100の保持手段は両端部が夫々前記保持具本体1の下方位置で前記保持具本体1の左右部分に固定され、携帯電話機100の下端部の表面を保持可能な下側バンド2と、下端部が前記保持具本体1の下部分に固定され、上端部が前記下側バンド2に固定され、携帯電話機100の下端部の底面を支持可能な下端支持バンド3と、両端部が夫々前記保持具本体1の下方位置から上方に離間した位置で前記保持具本体1の左右部分に固定され、携帯電話機100の下端部から上方に離間した位置で携帯電話機100の表面を保持可能な上側バンド4を有する。
【0015】
前記上側バンド4は上下方向に離間して配置された複数の上側バンド4よりなり、前記上側バンド4は夫々伸縮性を有し、携帯電話機100の上部を保持する際に、その表示画面が前記上側バンド4で隠れないように、少なくとも何れか1つの適切な位置に配置された上側バンド4を選択して携帯電話機100を保持し、その際に携帯電話機100を非保持状態にある前記上側バンド4は、前記保持具本体1の表面に沿って直線状に配置されるように構成されるため、携帯電話機100を保持する際の障害にならない。
【0016】
前記保持具本体1は摩擦係数の少ない素材を用いた方が携帯電話機100を保持する際の作業性が良いが、特に自動車など振動や揺れが生じる環境で、本発明の携帯電話機保持具を使用する際には、前記上側バンド4の表面に滑り止め機能を有する部材を配置すると更に良く、その際には上側バンド4の表面の一部もしくは全面にゴム等の滑り止め素材を配置(塗布を含む)すると良い。(図示せず)また、前記保持具本体1の表面の一部に滑り止め素材を配置しても良い。(図示せず)
【0017】
なお、本発明の携帯電話機保持具は、特にスマートフォンなど表示画面がタッチパネル式で操作可能な携帯電話機100に使用すると、利便性が高いが、保持する携帯電話機はスマートフォンに限定されず、様々な携帯電話機に使用可能な汎用性を有する。
【0018】
本実施例の取り付け対象への前記保持具本体1の固定手段は、自動車のサンバイザー200の外周に対して上下方向にベルト部材5巻き付け、ベルト部材5の端部に固定されたバックル7によってベルト部材5のループ径を縮小させた状態で固定することにより、ベルト部材5がサンバイザー200にしっかり固定され、前記ベルト部材5の外周面と前記保持具本体1の裏面に面ファスナー6を固定し、互いの面ファスナー6が着脱自在に構成する。
【0019】
尚、本発明における取り付け対象への前記保持具本体の固定手段は、本実施例に限定されず、既存の固定手段を利用することができ、取り付け対象は、自動車の構成部品に限定されず、自転車等他の乗り物や、家庭内、他の電気器具、身体や衣服、かばんなどに固定して使用しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明の携帯電話機保持具は、安価な構成でありながら、携帯電話機の保持手段が携帯電話機の表示画面を隠すことなく保持可能であり、汎用性が高い携帯電話機保持具として産業上、広く利用することができる。
【符号の説明】
【0021】
1:保持具本体、2:下側バンド、3:下端支持バンド、4:上側バンド、5:ベルト部材、6:面ファスナー、7:バックル、20:本体部、21:支持フレーム、22:上部係止部、23:ベルト、24:中間部、25:フック部、26:引出基部、27:面ファスナー、30:ホルダーシート、32:ポケット部、33:取り付けバンド、100:携帯電話機、110:押しボタン、150:ノートパソコン、200:サンバイザー