(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
湯水を貯湯する貯湯タンクと、所定の加熱能力で前記貯湯タンク内の湯水を沸き上げるヒートポンプ式加熱手段と、電力会社の時間帯別料金制度に対応する深夜時間帯終了時刻より遡った沸き上げ完了目標時刻を設定する沸き上げ完了時刻設定手段と、前日までの使用熱量を学習して翌日の目標熱量を算出する目標熱量算出手段と、前記目標熱量の沸き上げを前記沸き上げ完了目標時刻に完了させるための沸き上げ開始時刻を前記所定の加熱能力の値を用いて算出する沸き上げ開始時刻算出手段と、前記沸き上げ開始時刻になると前記ヒートポンプ式加熱手段を駆動開始させて沸き上げを開始させる沸き上げ制御手段と、を備え、前記沸き上げ完了時刻設定手段は、外部から入力される太陽光発電装置の発電開始時刻を記憶する発電時刻記憶手段を有していると共に、記憶した前記発電開始時刻から前記沸き上げ完了目標時刻を決定するようにしたことを特徴とする太陽光発電装置対応ヒートポンプ貯湯式給湯機。
前記沸き上げ完了時刻設定手段は、さらに外部からの天気予報情報を取得して記憶する天気予報記憶手段を有し、記憶した前記天気予報情報に応じて前記沸き上げ完了目標時刻を補正するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電装置対応ヒートポンプ貯湯式給湯機。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の第1の実施形態のヒートポンプ貯湯式給湯機1を図面に基づいて説明する。
このヒートポンプ貯湯式給湯機1は、
図1に示すように、太陽光発電装置101が設置された住宅等に設置され、他の設備機器等と同様に、分電盤102を介して電力会社103からの電力で主に駆動されるものである。太陽光発電装置101は、太陽光によってパネルで発電した直流電力を交流に変換するパワーコンディショナ104を介して分電盤102に電力供給し、分電盤102では、住宅等内で消費する電力以上の発電電力量があると電力会社103へ売電するようにしている。
【0015】
次に、このヒートポンプ貯湯式給湯機1について説明すると、
図2に示すように、2は湯水を貯湯するステンレス製の貯湯タンク3を有した貯湯タンクユニット、4は貯湯タンク3内の湯水を主に深夜時間帯に沸き上げるヒートポンプ式加熱手段としてのヒートポンプユニット、5は給湯設定温度を変更する等の操作を行うためのリモートコントローラである。
【0016】
貯湯タンクユニット2には、貯湯タンク3底部に市水を給水する給水管6と、貯湯タンク3上部から出湯する出湯管7と、給水管6から分岐された給水バイパス管8と、出湯管7からの湯水と給水バイパス管8からの水とを給湯設定温度になるように混合する給湯混合弁9と、給湯混合弁9で混合された湯が流通する給湯管10と、給湯管10途中に設けられ給湯温度を検出する給湯温度センサ11と、給湯管10途中に設けられ給湯流量を検出する給湯流量センサ12と、貯湯タンク2の側面上下に複数設けられてそれぞれ貯湯温度を検出する貯湯温度センサ13と、給水管6に設けられ市水の給水圧を一定の圧力に減圧する減圧弁14と、貯湯タンク2内の過圧を逃がす過圧逃がし弁15と、ヒートポンプユニット4で加熱するため貯湯タンク2底部から取り出した湯水を流通させる加熱往き管16と、ヒートポンプユニット4で加熱された湯水を貯湯タンク2上部へ戻すために流通させる加熱戻り管17とが設けられている。
【0017】
また、貯湯タンクユニット2には、貯湯タンク2内の湯の熱で浴槽18からの浴水を加熱するための風呂熱交換器19と、浴槽18と風呂熱交換器19とを浴水が循環可能に接続する風呂循環回路20と、風呂循環回路20途中に設けられ浴水を循環させる風呂循環ポンプ21と、風呂循環回路20を風呂熱交換器19をバイパスして接続する熱交バイパス管22と、浴槽18からの浴水を風呂熱交換器19側へ流すか熱交バイパス管22側へ流すかを切り替える三方弁23と、浴槽18から風呂熱交換器19へ流れる浴水の温度を検出する風呂温度センサ24と、風呂循環回路20の浴水の循環の有無を検知する流水スイッチ25と、浴槽18内の水位を検出するための水位センサ26とが設けられている。
【0018】
さらに、貯湯タンクユニット2には、給湯管10から分岐されて風呂循環回路20途中に接続される湯はり管27と、湯はり管26途中に設けられ湯はり流量を検出する湯はり流量センサ28と、湯はり管27途中に設けられ湯はり温度を検出する湯はり温度センサ29と、湯はり管27途中に設けられた電磁弁よりなる湯はり開閉弁30と、湯はり開閉弁30の下流に設けられ、湯はり開閉弁30上流側の給水圧よりも浴槽18からの逆流圧が高いときに浴水を外部に排水するホッパー弁31とが設けられている。
【0019】
ヒートポンプユニット4には、冷媒を圧縮する圧縮機32と、圧縮された高温冷媒と貯湯タンク3からの湯水とを熱交換する冷媒水熱交換器33と、冷媒水熱交換器33で放熱された冷媒を減圧する膨張弁34と、低温低圧の冷媒を蒸発する蒸発器35と、圧縮機32、冷媒水熱交換器33、膨張弁34、蒸発器35を環状に接続した冷凍サイクル配管36と、蒸発器35に熱源となる外気を送風する送風機37と、冷媒水熱交換器33の水側に貯湯タンク3からの湯水を供給する加熱循環ポンプ38と、加熱往き管15から冷媒水熱交換器33に流入する湯水の温度を検出する入水温度センサ39と、冷媒水熱交換器33から加熱戻り管16へ流出する湯水の温度を検出する沸き上げ温度センサ40とが設けられている。
【0020】
リモートコントローラ5には、給湯機に関する各種の情報(給湯設定温度、風呂設定温度、風呂設定湯量、残湯量、給湯機の作動状態等)を表示する表示部41と、給湯設定温度および風呂設定温度あるいは風呂設定湯量を設定操作するための設定スイッチ42と、浴槽18へ風呂設定湯量の湯はりを指示する湯はりスイッチ43等の複数の操作スイッチ44とが設けられている。
【0021】
45は貯湯タンクユニット2内に設けられ、給湯温度センサ11、給湯流量センサ12、貯湯温度センサ17、風呂温度センサ24、流水スイッチ25、水位センサ26、湯はり流量センサ28、湯はり温度センサ29の検出値が入力され、給湯混合弁9、風呂循環ポンプ21、三方弁23、湯はり開閉弁30の作動を制御すると共に、ヒートポンプユニット4およびリモートコントローラ5と必要な情報を送受信可能に接続された貯湯制御手段である。ここで、貯湯制御手段45は、MPU等の論理回路を有してメモリを参照しつつ予め記憶されているプログラムに従って作動を制御するものである。
【0022】
46はヒートポンプユニット4内に設けられ、入水温度センサ39、沸き上げ温度センサ40の検出値が入浴され、圧縮機32、膨張弁34、送風機37、加熱循環ポンプ38の作動を制御すると共に、貯湯制御手段45と必要な情報を送受信可能に接続された加熱制御手段である。ここで、加熱制御手段46は、MPU等の論理回路を有してメモリを参照しつつ予め記憶されているプログラムに従って作動を制御するものである。
【0023】
47はリモートコントローラ5内に設けられ、操作スイッチ44の操作信号や貯湯制御手段45からの信号を受け、表示部41に予め定められた必要な表示を行わせると共に、貯湯制御手段45に操作信号に基づく信号を送信するリモコン制御手段である。ここで、リモコン制御手段47は、MPU等の論理回路を有してメモリを参照しつつ予め記憶されているプログラムに従って作動を制御するものである。
【0024】
ここで、貯湯制御手段45と加熱制御手段46とリモコン制御手段47は互いに必要な情報を授受して、互いに連携してヒートポンプ貯湯式給湯機1の作動を制御する制御手段として振る舞うものである。
【0025】
図3は、貯湯制御手段45の要部の制御ブロック図で、51は、電力会社の時間帯別料金制度の電力料金単価の安価な深夜時間帯の終了時刻より遡った沸き上げ完了目標時刻を設定する沸き上げ完了時刻設定手段で、日付情報を出力する季節情報出力手段としてのカレンダ機能52と、ヒートポンプ貯湯式給湯機1の設置地域を示す情報を予め入力する地域情報入力手段53と、太陽光発電装置101のパネル設置方向を入力する設置方向入力手段54とを有しているものである。
【0026】
ここで、地域情報入力手段53は、リモートコントローラ5の操作スイッチ44の特定操作によって、予め定められた地域情報(経緯度、郵便番号の上3桁、電話番号の市外局番、関西、東北など、もしくは西日本や東日本などの地方名、県名、50Hzか60Hzのどちらかの電源周波数、設置地域の電力会社名のいずれかで、設置地域を特定するための情報)を直接入力あるいはリストから選択して入力するようにしているものである。
【0027】
設置方向入力手段54は、リモートコントローラ5の操作スイッチ44の特定操作によって、太陽光発電装置101のパネル設置方向を東西南北4方位あるいは8方位から選択して入力可能としているものである。
【0028】
そして、沸き上げ完了時刻設定手段51は、カレンダ機能52の出力する日付情報と、地域情報入力手段53で入力されている地域情報と、設置方向入力手段54から入力されている太陽光発電装置101のパネル設置方向とから太陽光発電装置101の発電開始予想時刻に基づく沸き上げ完了目標時刻を決定するようにしている。
【0029】
ここで、沸き上げ完了時刻設定手段51は、地域情報と日付情報とを対応させて日の出の時刻を予め記憶しており、地域情報と日付情報とから日の出の時刻を予測し、この日の出の時刻と太陽光発電装置101の設置方向から太陽光発電装置101の発電開始時刻を予測して、これに基づいて沸き上げ完了目標時刻を決定している。なお、発電開始時刻が深夜時間帯終了時刻よりも後である場合は、深夜時間帯の終了時刻を沸き上げ完了目標時刻とするようにしている。
【0030】
55は、給湯温度センサ11、給湯流量センサ12、湯はり温度センサ28、湯はり流量センサ29で検出した湯の温度やその流量から一日の間の使用熱量を算出し、これを複数日分記憶して、平均や偏差を算出して翌日の目標熱量を算出する目標熱量算出手段である。なお、使用熱量の算出には、浴水の加熱に用いられた貯湯熱量を加えてもよいものである。
【0031】
56は、目標熱量算出手段55で算出した目標熱量を、沸き上げ完了時刻設定手段51で設定した沸き上げ完了目標時刻に沸き上げ完了させるための沸き上げ開始時刻を所定の加熱能力を用いて算出する沸き上げ開始時刻算出手段で、ここでは、深夜時間帯開始時刻になると、目標熱量から貯湯温度センサ17で検出した貯湯タンク3内の残熱量を減じた値をヒートポンプユニット4の所定の加熱能力で除して算出した沸き上げ所要時間を深夜時間帯終了時刻から逆算して沸き上げ開始時刻を算出するようにしている。なお、最先の沸き上げ開始時刻は、深夜時間帯開始時刻に制限しており、沸き上げ開始時刻が深夜時間帯開始時刻よりも前になる場合は、沸き上げ開始時刻を深夜時間帯開始時刻とするようにしている。
【0032】
57は、沸き上げ開始時刻算出手段53が算出した沸き上げ開始時刻になると、ヒートポンプユニット30を所定の加熱能力(ここでは4.5kW)で駆動させるよう加熱制御手段46へ沸き上げ開始指示を出力し、深夜時間帯終了時刻が到来するか、貯湯温度センサ17で目標熱量が貯湯されたことを検知したら加熱制御手段46へ沸き上げ停止指示を出力する沸き上げ制御手段である。
【0033】
そして、沸き上げ開始時刻算出手段56は、深夜時間帯開始時刻になると、沸き上げ完了目標時刻に沸き上げ完了させるための沸き上げ開始時刻を算出し、沸き上げ制御手段57は、算出された沸き上げ開始時刻になると、ヒートポンプユニット4を所定の加熱能力で駆動させるよう加熱制御手段46へ沸き上げ開始指示を出力し、沸き上げ完了目標時刻までに沸き上げを完了させるように作動する。
【0034】
このようにして、地域情報と日付情報とから沸き上げ完了目標時刻を決定するようにしているため、太陽光発電装置101およびヒートポンプ貯湯式給湯機1が設置されている地域における発電開始状況に合わせた適切な時刻までに沸き上げを終了させることができ、太陽光発電装置の売電量を増加することができるものである。
【0035】
さらには、太陽光発電装置101のパネル設置方向も考慮して沸き上げ完了目標時刻を決定するので、例えば西向きのパネル設置では太陽光発電装置101の発電開始時刻が東向きに比べて遅くなることを考慮して沸き上げ完了目標時刻を遅くすることができ、沸き上げ完了から給湯に使用されるまでの貯湯タンク3における自然放熱量を抑制することができるものである。
【0036】
ここで、沸き上げ開始後に給湯がされるなどして沸き上げ完了目標時刻に目標熱量が沸き上がらなかった場合は、沸き上げ完了目標時刻を過ぎても深夜時間帯終了時刻の到来までは、目標熱量が貯湯されるまで沸き上げを継続し、沸き上げ制御手段54は深夜時間帯終了時刻が到来するか、貯湯温度センサ17で目標熱量が貯湯されたことを検知したら加熱制御手段46へ沸き上げ停止指示を出力する。
【0037】
このようにして、沸き上げ完了目標時刻までに沸き上げが完了しなければ、太陽光発電装置101の発電電力の売電よりも優先して深夜時間帯終了時刻まで沸き上げを継続するため、電力料金単価の安価な深夜時間帯での沸き上げを継続し、湯切れの心配もないものである。
【0038】
なお、季節情報出力手段としては、カレンダ機能52に代えて、外気温度または給水温度から冬期、夏期、中間期のいずれかの季節にあたるかの季節情報を出力する構成としてもよい。日付情報に比べて精度は劣るが、地域情報との組合せによる適切な沸き上げ完了目標時刻を決定することができるものである。
【0039】
また、日付情報としては、日単位のみならず、月単位あるいは季節単位として対応して記憶する日の出の時刻情報の量を圧縮するようにしてもよいものである。
【0040】
この第1の実施形態では、ヒートポンプ貯湯式給湯機1と、太陽光発電装置101または外部のネットワーク機器との直接的、間接的な通信がなくとも、ヒートポンプ貯湯式給湯機1を太陽光発電装置101の発電状況に応じていると思われる適切な沸き上げ完了目標時刻を決定することができるものである。
【0041】
次に、本発明の第2の実施形態について
図4に基づいて説明する。なお、先の実施形態と同一のものには同一の符号を付してその説明を省略する。
【0042】
105はHEMS機器等の外部サーバに接続されたネットワーク機器で、地域情報入力手段53と接続され、ネットワーク機器105の操作端末の操作によって予め定められた地域情報(経緯度、郵便番号の上3桁、電話番号の市外局番、関西、東北など、もしくは西日本や東日本などの地方名、県名、50Hzか60Hzのどちらかの電源周波数、設置地域の電力会社名のいずれか)を直接入力あるいはリストから選択して入力するようにしているものである。
【0043】
58はヒートポンプ貯湯式給湯機1が設置されている地域の天気予測情報を記憶する天気予測情報記憶手段で、ネットワーク機器105と接続され、深夜時間帯の開始時刻ごろに外部サーバから当該地域における翌朝の天気予測情報を入手して記憶するようにしている。
【0044】
そして、沸き上げ完了時刻設定手段51は、カレンダ機能52の出力する日付情報と、地域情報入力手段453で入力されている地域情報と、天気予測情報記憶手段58で記憶している天気予測情報とから太陽光発電装置101の発電開始予想時刻に基づく沸き上げ完了目標時刻を決定するようにしている。ここでは、沸き上げ完了時刻設定手段51は、地域情報と日付情報とから日の出の時刻を予測し、この日の出の時刻と天気予測情報の内容から太陽光発電装置101の発電開始時刻を予測して、これに基づいて沸き上げ完了目標時刻を決定している。
【0045】
具体的には、天気予測情報の内容が雨や厚い雲が存在する情報であれば、日の出時刻ごろでの発電は期待できないため、沸き上げ完了目標時刻を深夜時間帯終了時刻とし、晴天や薄曇りの情報であれば、日の出時刻ごろでの発電を可能な限り売電可能なように、予測した日の出の時刻を沸き上げ完了目標時刻とするようにしている。
【0046】
そして、沸き上げ開始時刻算出手段56は、深夜時間帯開始時刻になると、沸き上げ完了目標時刻に沸き上げ完了させるための沸き上げ開始時刻を算出し、沸き上げ制御手段57は、算出された沸き上げ開始時刻になると、ヒートポンプユニット4を所定の加熱能力で駆動させるよう加熱制御手段46へ沸き上げ開始指示を出力し、沸き上げ完了目標時刻までに沸き上げを完了させるように作動する。
【0047】
このようにして、地域情報と日付情報とから沸き上げ完了目標時刻を決定するようにしているため、太陽光発電装置101およびヒートポンプ貯湯式給湯機1が設置されている地域における発電開始状況に合わせた適切な時刻までに沸き上げを終了させることができ、太陽光発電装置の売電量を増加することができるものである。
【0048】
さらには、地域の天気予測情報も考慮して沸き上げ完了目標時刻を決定するので、例えば太陽光発電装置101による売電量を増加させるために日の出時刻ごろに沸き上げを完了させても、雨や厚い雲が存在していれば太陽光発電装置101の発電量が少なく、早く沸き上げ完了させた分だけ貯湯タンク3における余分な放熱量が増加するが、天気予測情報が雨や厚い雲が存在する予想であれば、沸き上げ完了目標時刻を深夜時間帯の終了時刻とすれば、沸き上げ完了から給湯に使用されるまでの貯湯タンク3における自然放熱量を抑制することができるものである。
【0049】
次に、本発明の第3の実施形態について
図5に基づいて説明する。なお、先の実施形態と同一のものには同一の符号を付してその説明を省略する。
【0050】
59は太陽光発電装置101と直接またはHEMS機器を介して間接的に接続されて太陽光発電装置101の発電開始時刻を記憶する発電時刻記憶手段で、最新の発電開始時刻を記憶すると共に、最新の発電開始時刻が過去複数日間(例えば7個のデータ)の発電開始時刻の平均値から一定時間以上離れている場合には、この値を記憶せずに、前日までの発電開始時刻の記憶を保持するようにしている。
【0051】
沸き上げ完了時刻設定手段51は、発電時刻記憶手段で記憶している発電開始時刻から沸き上げ完了目標時刻を決定するようにしているもので、ここでは記憶している発電開始時刻そのものを沸き上げ完了目標時刻とし、発電開始時刻が深夜時間帯終了時刻よりも後である場合は、深夜時間帯の終了時刻を沸き上げ完了目標時刻とするようにしている。
【0052】
そして、沸き上げ開始時刻算出手段56は、深夜時間帯開始時刻になると、沸き上げ完了目標時刻に沸き上げ完了させるための沸き上げ開始時刻を算出し、沸き上げ制御手段57は、算出された沸き上げ開始時刻になると、ヒートポンプユニット4を所定の加熱能力で駆動させるよう加熱制御手段46へ沸き上げ開始指示を出力し、沸き上げ完了目標時刻までに沸き上げを完了させるように作動する。
【0053】
このようにして、発電開始時刻から沸き上げ完了目標時刻を決定するようにしているため、太陽光発電装置101およびヒートポンプ貯湯式給湯機1が設置されている地域における発電開始状況に合わせた適切な時刻までに沸き上げを終了させることができ、太陽光発電装置の売電量を増加することができるものである。
【0054】
次に、本発明の
参考実施形態について
図6に基づいて説明する。なお、先の実施形態と同一のものには同一の符号を付してその説明を省略する。
【0055】
60はヒートポンプ貯湯式給湯機1が設置されている地域の日の出時刻情報を記憶する日の出時刻記憶手段で、ネットワーク機器105と接続され、深夜時間帯の開始時刻ごろに外部サーバから当該地域における翌朝の日の出時刻情報を入手して記憶するようにしている。なお、日の出時刻の記憶頻度は、毎日でなくともよく、週単位、月単位あるいは季節単位としてもよいものである。
【0056】
ここで、ネットワーク機器105は、ネットワーク機器105の操作端末の操作によって予め定められた地域情報(経緯度、郵便番号の上3桁、電話番号の市外局番、関西、東北など、もしくは西日本や東日本などの地方名、県名、50Hzか60Hzのどちらかの電源周波数、設置地域の電力会社名のいずれか)を直接入力あるいはリストから選択して入力可能なもので、入力された地域情報を用いて、ヒートポンプ貯湯式給湯機1が設置されている地域の日の出時刻情報を取得して、日の出時刻記憶手段60に対して送信可能としているものである。
【0057】
沸き上げ完了時刻設定手段51は、日の出時刻記憶手段で記憶している日の出時刻から沸き上げ完了目標時刻を決定するようにしているもので、ここでは記憶している日の出時刻そのものを沸き上げ完了目標時刻とし、日の出時刻が深夜時間帯終了時刻よりも後である場合は、深夜時間帯の終了時刻を沸き上げ完了目標時刻とするようにしている。
【0058】
そして、沸き上げ開始時刻算出手段56は、深夜時間帯開始時刻になると、沸き上げ完了目標時刻に沸き上げ完了させるための沸き上げ開始時刻を算出し、沸き上げ制御手段57は、算出された沸き上げ開始時刻になると、ヒートポンプユニット4を所定の加熱能力で駆動させるよう加熱制御手段46へ沸き上げ開始指示を出力し、沸き上げ完了目標時刻までに沸き上げを完了させるように作動する。
【0059】
このようにして、日の出時刻から沸き上げ完了目標時刻を決定するようにしているため、太陽光発電装置101およびヒートポンプ貯湯式給湯機1が設置されている地域における発電開始状況に合わせた適切な時刻までに沸き上げを終了させることができ、太陽光発電装置の売電量を増加することができるものである。
【0060】
なお、日の出時刻記憶手段60は、日の出時刻情報を記憶するものであるため、外部サーバが近隣地域の発電開始時刻の情報を収集している場合は、この近隣地域の発電開始時刻情報をもって日の出時刻情報として取得して記憶する構成としてもよい。
【0061】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で改変可能なものである。