特許第6060123号(P6060123)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6060123影響範囲特定装置、影響範囲特定方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6060123
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】影響範囲特定装置、影響範囲特定方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/70 20130101AFI20161226BHJP
   H04L 12/28 20060101ALI20161226BHJP
【FI】
   H04L12/70 100A
   H04L12/28 200M
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-196991(P2014-196991)
(22)【出願日】2014年9月26日
(65)【公開番号】特開2016-72668(P2016-72668A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2015年11月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】306029774
【氏名又は名称】ビッグローブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084250
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】永末 喜己
(72)【発明者】
【氏名】小田 勇一郎
(72)【発明者】
【氏名】淀野 直弥
【審査官】 宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−310160(JP,A)
【文献】 特開平05−260049(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0113815(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00−12/28,12/44−12/955
G06F13/00
H04M3/00,3/16−3/20,3/38−3/58,7/00−7/16,11/00−11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上のネットワーク装置同士を接続するネットワーク接続装置に対向して接続される対向装置を特定する対向装置データを前記ネットワーク接続装置から取得する対向装置データ取得手段と、
前記対向装置データと前記ネットワーク接続装置を特定するネットワーク接続装置情報とを対応させて記憶する対向装置データ記憶手段と、
前記ネットワーク接続装置であるか否かを判定するネットワーク接続装置判定データを前記ネットワーク接続装置情報と対応させて記憶するネットワーク接続装置判定データ記憶手段と、
前記対向装置データと前記ネットワーク接続装置判定データとを用いて、前記ネットワーク接続装置のうち障害が発生した障害発生装置が影響を及ぼす影響範囲を特定する影響範囲特定手段と、
を備え
前記対向装置データ記憶手段は、前記対向装置データ取得手段により取得した対向装置データと前記対向装置データが取得された前記ネットワーク接続装置の前記ネットワーク接続装置情報とを対応させて記憶することを特徴とする影響範囲特定装置。
【請求項2】
2以上のネットワーク装置同士を接続するネットワーク接続装置に対向して接続される対向装置を特定する対向装置データと前記ネットワーク接続装置を特定するネットワーク接続装置情報とを対応させて記憶する対向装置データ記憶手段と、
前記ネットワーク接続装置であるか否かを判定するネットワーク接続装置判定データを前記ネットワーク接続装置情報と対応させて記憶するネットワーク接続装置判定データ記憶手段と、
前記対向装置データと前記ネットワーク接続装置判定データとを用いて、前記ネットワーク接続装置のうち障害が発生した障害発生装置が影響を及ぼす影響範囲を特定する影響範囲特定手段と、
を備え、
前記影響範囲特定手段は、前記障害発生装置を含む調査対象の対象ネットワーク接続装置に対向して接続される対向装置が前記ネットワーク接続装置であるか否かを、前記ネットワーク接続装置に対応する対向装置データを前記対向装置データ記憶手段から読み込み、読み込んだ前記対向装置データが前記ネットワーク接続装置情報として前記ネットワーク接続装置判定データ記憶手段に記憶されているか否かにより判定することを特徴とする影響範囲特定装置。
【請求項3】
前記影響範囲特定手段は、前記対象ネットワーク接続装置に対向して接続される対向装置が、前記ネットワーク接続装置として前記ネットワーク接続装置判定データ記憶手段に記憶されている場合、前記対象ネットワーク接続装置に付与された前記ネットワーク接続装置判定データと、前記対向装置に付与された前記ネットワーク接続装置判定データとの比較により、前記対向装置が前記対象ネットワーク接続装置より上位、中位、又は下位の装置かを少なくとも判定することを特徴とする請求項記載の影響範囲特定装置。
【請求項4】
前記影響範囲特定手段は、前記対象ネットワーク接続装置に対向して接続される対向装置が前記対象ネットワーク接続装置より下位の装置であると判定したとき、下位の装置であると判定された前記対向装置を調査対象の対象ネットワーク接続装置とすることを特徴とする請求項記載の影響範囲特定装置。
【請求項5】
前記影響範囲特定手段は、前記対象ネットワーク接続装置に対向して接続される対向装置が前記対象ネットワーク接続装置より上位又は中位の装置であると判定したとき、上位又は中位の装置であると判定された前記対向装置を非調査対象とすることを特徴とする請求項3又は4記載の影響範囲特定装置。
【請求項6】
前記影響範囲特定手段は、前記対象ネットワーク接続装置に対向して接続される対向装置が、前記ネットワーク接続装置判定データ記憶手段に記憶されていないとき、前記対象ネットワーク接続装置に対向して接続される対向装置を前記障害発生装置における障害の影響が及ぶ影響対象装置と判定することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の影響範囲特定装置。
【請求項7】
前記影響範囲特定手段により判定された前記影響対象装置を特定する影響対象装置特定データを記憶する影響対象装置特定データ記憶手段を備え、
前記影響範囲特定手段は、前記影響対象装置特定データ記憶手段に記憶された前記影響対象装置特定データを外部装置に送信することを特徴とする請求項記載の影響範囲特定装置。
【請求項8】
2以上のネットワーク装置同士を接続するネットワーク接続装置に対向して接続される対向装置を特定する対向装置データを前記ネットワーク接続装置から取得する対向装置データ取得ステップと、
前記対向装置データと前記ネットワーク接続装置を特定するネットワーク接続装置情報とを対応させて記憶部に記憶する対向装置データ記憶ステップと、
前記ネットワーク接続装置であるか否かを判定するネットワーク接続装置判定データを前記ネットワーク接続装置情報と対応させて前記記憶部に記憶するネットワーク接続装置判定データ記憶ステップと、
前記対向装置データと前記ネットワーク接続装置判定データとを用いて、前記ネットワーク接続装置のうち障害が発生した障害発生装置が影響を及ぼす影響範囲を特定する影響範囲特定ステップと、
有し、
前記対向装置データ記憶ステップは、前記対向装置データ取得ステップにより取得した対向装置データと前記対向装置データが取得された前記ネットワーク接続装置の前記ネットワーク接続装置情報とを対応させて記憶することを特徴とする影響範囲特定方法。
【請求項9】
2以上のネットワーク装置同士を接続するネットワーク接続装置に対向して接続される対向装置を特定する対向装置データと前記ネットワーク接続装置を特定するネットワーク接続装置情報とを対応させて記憶部に記憶する対向装置データ記憶ステップと、
前記ネットワーク接続装置であるか否かを判定するネットワーク接続装置判定データを前記ネットワーク接続装置情報と対応させて前記記憶部に記憶するネットワーク接続装置判定データ記憶ステップと、
前記対向装置データと前記ネットワーク接続装置判定データとを用いて、前記ネットワーク接続装置のうち障害が発生した障害発生装置が影響を及ぼす影響範囲を特定する影響範囲特定ステップと、
を有し、
前記影響範囲特定ステップは、前記障害発生装置を含む調査対象の対象ネットワーク接続装置に対向して接続される対向装置が前記ネットワーク接続装置であるか否かを、前記ネットワーク接続装置に対応する対向装置データを前記記憶部から読み込み、読み込んだ前記対向装置データが前記ネットワーク接続装置情報として前記記憶部に記憶されているか否かにより判定することを特徴とする影響範囲特定方法。
【請求項10】
2以上のネットワーク装置同士を接続するネットワーク接続装置に対向して接続される対向装置を特定する対向装置データを前記ネットワーク接続装置から取得する対向装置データ取得処理と、
前記対向装置データと前記ネットワーク接続装置を特定するネットワーク接続装置情報とを対応させて記憶部に記憶する対向装置データ記憶処理と、
前記ネットワーク接続装置であるか否かを判定するネットワーク接続装置判定データを前記ネットワーク接続装置情報と対応させて前記記憶部に記憶するネットワーク接続装置判定データ記憶処理と、
前記対向装置データと前記ネットワーク接続装置判定データとを用いて、前記ネットワーク接続装置のうち障害が発生した障害発生装置が影響を及ぼす影響範囲を特定する影響範囲特定処理と、
をコンピュータに実行させ
前記対向装置データ記憶処理は、前記対向装置データ取得処理により取得した対向装置データと前記対向装置データが取得された前記ネットワーク接続装置の前記ネットワーク接続装置情報とを対応させて記憶することを特徴とするプログラム。
【請求項11】
2以上のネットワーク装置同士を接続するネットワーク接続装置に対向して接続される対向装置を特定する対向装置データと前記ネットワーク接続装置を特定するネットワーク接続装置情報とを対応させて記憶部に記憶する対向装置データ記憶処理と、
前記ネットワーク接続装置であるか否かを判定するネットワーク接続装置判定データを前記ネットワーク接続装置情報と対応させて前記記憶部に記憶するネットワーク接続装置判定データ記憶処理と、
前記対向装置データと前記ネットワーク接続装置判定データとを用いて、前記ネットワーク接続装置のうち障害が発生した障害発生装置が影響を及ぼす影響範囲を特定する影響範囲特定処理と、
をコンピュータに実行させ、
前記影響範囲特定処理は、前記障害発生装置を含む調査対象の対象ネットワーク接続装置に対向して接続される対向装置が前記ネットワーク接続装置であるか否かを、前記ネットワーク接続装置に対応する対向装置データを前記記憶部から読み込み、読み込んだ前記対向装置データが前記ネットワーク接続装置情報として前記記憶部に記憶されているか否かにより判定することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、影響範囲特定装置、影響範囲特定方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ネットワーク上における障害発生箇所を特定する種々の技術が知られている。例えば特許文献1には、提供又は予約サービスの端点情報を収集し、端点からの障害情報を収集し、障害情報と端点情報から、障害により影響を受けるサービス候補を抽出し、抽出された影響サービス候補の端点間の疎通を確認することで、障害により影響を受けるサービスを特定する特定手段とを備える影響サービス特定装置が開示されている。
【0003】
また、例えば特許文献2には、障害発生通知と障害確率表とに基づいて障害箇所を推定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−206582号公報
【特許文献2】特開2013−46732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1や特許文献2に係る技術は、障害発生箇所を特定あるいは推定する技術に関するものであり、例えば1つのネットワーク機器において発生した障害が及ぶ影響範囲を特定することについて言及されていない。
【0006】
他方、近年、いわゆるクラウドコンピューティングの台頭に伴い、数百、数千の仮想サーバからなる大規模なネットワークが数分で立ち上がるようになってきている。
【0007】
このような大規模ネットワークにおいて、発生した障害が及ぼす影響範囲を特定するには、例えば人海戦術に頼ったり、あるいは複雑な構成管理データベース等を用意したりする等コストがかかり、長時間を要することになってしまう。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、少ないコストで、短時間に、障害が及ぼす影響範囲を特定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明は、2以上のネットワーク装置同士を接続するネットワーク接続装置に対向して接続される対向装置を特定する対向装置データをネットワーク接続装置から取得する対向装置データ取得手段と、対向装置データとネットワーク接続装置を特定するネットワーク接続装置情報とを対応させて記憶する対向装置データ記憶手段と、ネットワーク接続装置であるか否かを判定するネットワーク接続装置判定データをネットワーク接続装置情報と対応させて記憶するネットワーク接続装置判定データ記憶手段と、対向装置データとネットワーク接続装置判定データとを用いて、ネットワーク接続装置のうち障害が発生した障害発生装置が影響を及ぼす影響範囲を特定する影響範囲特定手段と、を備え、対向装置データ記憶手段は、対向装置データ取得手段により取得した対向装置データと対向装置データが取得されたネットワーク接続装置のネットワーク接続装置情報とを対応させて記憶することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、少ないコストで、短時間に、障害が及ぼす影響範囲を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態における影響範囲特定装置とネットワークを示す概略構成図である。
図2】本発明の実施形態における影響範囲特定処理手順を示すフローチャートである。
図3】本発明の実施形態における影響範囲特定処理手順の詳細を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施形態における影響範囲特定動作を説明するネットワーク事例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態における影響範囲特定装置について図面を用いて以下説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化乃至省略する。
【0013】
本発明の実施形態における影響範囲特定装置10の概略構成について図1を参照して説明する。本図では、ネットワーク監視用の管理ネットワーク50を介して、ネットワーク30に影響範囲特定装置10を接続した状態を示している。影響範囲特定装置10は、ネットワーク30のネットワーク接続装置(以下「NW接続装置」という。)31a、31b、31c(以下、これらをまとめて、単に「NW接続装置31」ということもある。)において発生した障害が及ぼす影響範囲を特定する。なお、本図におけるネットワーク構成は一例を示したものであり、NW接続装置31及び各サーバの数や、接続形態等は、これに限定されるものでないことは言うまでもない。例えば、本図では、NW接続装置31は、最も上位のNW接続装置31a、次段のNW接続装置31b、31c、最も下位の各サーバの3段構成となっているが、NW接続装置31を3段や4段構成とすることを妨げるものではない。
【0014】
本実施形態を説明する前提として、まず、ネットワークを構成する各装置を総称して「ネットワーク装置」とする。例えば、図1に示す、NW接続装置31、仮想サーバ32a、32b、及び物理サーバ33はいずれもネットワーク装置に含まれるものとする。また、NW接続装置31は、例えばルータ、ブリッジ、スイッチ、ハブ等、2以上のネットワーク装置同士を接続、あるいは中継する装置であってよい。本実施形態におけるネットワーク30は、最上位のNW接続装置31aの配下にNW接続装置31b及びNW接続装置31cが接続され、NW接続装置31bの配下に仮想サーバ32a及び物理サーバ33が、NW接続装置31cの配下に仮想サーバ32bがそれぞれ接続された構成としている。なお、図1では、サーバとして、仮想サーバ、物理サーバの2種類を記載したが、どちらか1種類のサーバでもよく、NAS(Network Attached Storage)等の記憶装置でもよく、これ以外にもサービスやプログラム、データ等を提供する装置でもよい。以下、本実施形態では、サーバと記載して説明する。
【0015】
運用者端末20は、例えばネットワーク30を監視する監視用端末である。例えば、運用者端末20にネットワーク30から障害が通知されると、管理者が運用者端末20を操作して、影響範囲特定装置10に影響範囲特定処理を行わせるための実行命令が送信される。障害とは、例えば、ネットワーク装置間を接続するケーブルが物理的に切断された状態や、人為的ミスによりケーブルがネットワーク装置の接続端子等から抜去された状態や、ネットワーク装置それ自体に不具合が発生した状態等の、通信が正常に行えない状態をいう。
【0016】
なお、本実施形態においては、影響範囲特定装置10と運用者端末20とをネットワーク経由で接続可能な別体構成としているが、これらが一体に構成されるものであってもよい。また、運用者端末20の記憶部に、本発明における影響範囲特定処理のためのプログラムを格納しておき、当該プログラムを運用者端末20のCPU等によって実行させる構成であってもよい。
【0017】
また、影響範囲特定装置10や運用者端末20は、例えばパーソナルコンピュータ(以下「PC」という。)やサーバ等を用いて構築されるものであってよい。さらに、パーソナルコンピュータやサーバに限定されず、本実施形態における影響範囲特定処理を実現するだけの情報処理能力を備えていれば、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレットPC、PDA等であってもよい。
【0018】
影響範囲特定装置10は、少なくとも、影響範囲特定部11と、対向装置データ取得部12と、NW接続装置判定データ記憶部13と、対向装置データ記憶部14と、影響対象装置特定データ記憶部15を備えていることが好ましい。
【0019】
対向装置データ取得部12は、2以上のネットワーク装置同士を接続するNW接続装置に対向して接続される対向装置を特定する対向装置データをNW接続装置から取得する対向装置データ取得手段である。「対向装置」は、例えば、図1でいえば、NW接続装置31aに対向して接続されるNW接続装置31bやNW接続装置31c、NW装置31bに対抗して接続されるNW接続装置31aや仮想サーバ32a、物理サーバ33である。また「対向装置を特定する対向装置データ」とは、例えば、対向装置の装置名、例えば、図1におけるNW接続装置31aに対向して接続されるNW接続装置31bやNW接続装置31cの装置名等であればよい。なお、対向装置データは、装置名に限らず、各装置に割り当てられたIPアドレス情報等の各装置を特定できる情報であればよい。なお、以下の説明では、装置名を用いて説明する。更に、対向装置データ取得部12は、対向装置データに限らず、当該データの取得先であるネットワーク装置自身を特定する、例えば当該ネットワーク装置の装置名やIPアドレス等を取得してもよい。そして、対向装置データ取得部12は、各ネットワーク装置から取得した対向装置データ等を、例えば毎日2時あるいは24時間毎等の所定のタイミングで取得することが好ましい。
【0020】
対向装置データ記憶部14は、2以上のネットワーク装置同士を接続するNW接続装置に対向して接続される対向装置を特定する対向装置データとNW接続装置31を特定するNW接続装置情報とを対応させて記憶する対向装置データ記憶手段である。なお、装置名に限らず、各NW接続装置に割り当てられたIPアドレス情報等のNW接続装置を特定できる情報であればよい。対向装置データ記憶部14には、例えば、図1に示すNW接続装置31aの装置名と、NW接続装置31aの対向装置である、NW接続装置31b及びNW接続装置31cの各装置名とが対応付けて記憶される。この場合、各装置名の対応関係を、テーブル形式で記憶しても、リレーショナルデータベース形式で記憶してもよい。また、取得した対向装置データ等を取得先のNW接続装置毎に分けて記憶してもよい。なお、上記の対向装置データは、例えば、ネットワーク構築時や、ネットワーク装置の追加や変更、削除時、本実施形態における影響範囲特定装置10の導入時等に、各NW接続装置31の記憶部等に記憶しておくことが好ましい。さらに、対向装置データやスコアデータ等は、ネットワーク構成が変更された場合等に、手動あるいは自動で変更、又は更新されるものであってよい。
【0021】
NW接続装置判定データ記憶部13は、例えばネットワーク装置がNW接続装置であるか否かを判定するNW接続装置判定データをNW接続装置情報と対応させて記憶するネットワーク接続装置判定データ記憶手段である。NW接続装置判定データとは、上述したように、例えば「10」、「50」、「100」等の特定の数値で示したスコアデータ等である。本実施形態においては、NW接続装置31の全てにこのスコアデータが付与され、NW接続装置判定データ記憶部13に記憶されているものとして説明する。本実施形態においては、後述する影響範囲特定部11が、対向装置がNW接続装置としてNW接続装置判定データ記憶部13に記憶されているか否かによって、具体的には、対向装置の装置名が、スコアデータに対応付けられているNW接続装置の装置名としてNW接続装置判定データ記憶部13に記憶されているか否かによって、その対向装置がNW接続装置であるか否かを判定する。また、対向装置とNW接続装置判定データ記憶部13に記憶されているNW接続装置とが一致するか否かで判定してもよい。なお、NW接続装置判定データ記憶部13と対向装置データ記憶部14は、1つの記憶部として構成されても、別体として構成されてもどちらでもよい。また、本実施形態においては、これらの記憶部は影響範囲特定装置10に内蔵された構成としているが、任意のネットワークを介して接続される外部記憶装置として構成されるものであってもよい。
【0022】
NW接続装置判定データは、例えばスコアデータの大小によって、各NW接続装置31が、他のネットワーク装置より上位、中位、又は下位であるかを判定する判定指標として機能させることが好ましい。例えば、スコアデータであれば、「10」のように他の数値と比較して相対的に小さい数値のスコアデータが付与されたNW接続装置31が上位であり、他の数値と比較して相対的に真ん中程のスコアデータである「50」が付与されたNW接続装置31が中位であり、「100」のように他の数値と比較して相対的に大きい数値のスコアデータが付与されたNW接続装置31が下位であると判定されるように規定してよい。他方、これに替えて、他の数値と比較して相対的に大きい数値である「100」が付与されたNW接続装置31を上位とし、他の装置と比較して相対的に小さい数値である「10」が付与されたNW接続装置31を下位であると判定されるように規定してもよい。なお、NW接続装置判定データとして、上記スコアデータに替えて、「A」、「B」、「C」等のアルファベットや、その他の記号等を用いてもよい。また、上位、中位、又は下位であるかの判定指標は一例であって、これに限定されず、例えば、上位と下位だけでも、あるいはNW接続装置31の階層数によって、判定指標を増減させてやればよい。さらに、ネットワーク接続形態に応じて、判定指標を設定することが好ましい。例えば、リング状のネットワーク接続形態であれば、障害発生装置を基準として、右側が上位、左側が下位と設定し、障害発生装置から何番目の装置かによって、スコアデータを付与することとしてもよい。
【0023】
影響範囲特定部11は、対向装置データとNW接続装置判定データとを用いて、NW接続装置のうち障害が発生した障害発生装置が影響を及ぼす影響範囲を特定する影響範囲特定手段である。障害発生装置が影響を及ぼす影響範囲とは、本実施形態においては、NW接続装置31aに何らかの障害が発生した場合に、つまり、NW接続装置31aが障害発生装置であるとして、その障害の影響が波及する可能性のある範囲をいう。例えば、NW接続装置31aに接続されるサーバや、NW接続装置31aより下位に接続されるNW接続装置31bやNW接続装置31cに接続されるサーバを含む範囲であってよい。影響範囲特定部11は、障害発生装置が影響を及ぼす影響範囲を特定するため、例えば、以下の処理を行うことが好ましい。
【0024】
影響範囲特定部11は、障害発生装置を含む調査対象の対象NW接続装置に対向して接続される対向装置がNW接続装置であるか否かを、NW接続装置に対応する対向装置データを対向装置データ記憶部14から読み込み、読み込んだ対向装置データがNW接続装置情報としてNW接続装置判定データ記憶部13に記憶されているか否かにより判定することが好ましい。よって、本実施形態によれば、対向装置がNW接続装置か否かを判定するための処理が簡易迅速である。例えば、NW接続装置31bに障害Aが発生した場合、影響範囲特定部11は、障害Aの通知を受けた運用者端末20からの実行命令に基づいて影響範囲特定処理を実行する。影響範囲特定部11は、障害Aが発生したNW接続装置31bに対向して接続されるNW接続装置31a、仮想サーバ32a、物理サーバ33を特定する対向装置データである各装置名を対応装置データ記憶部14から読み込む。そして、影響範囲特定部11は、読み込んだ各装置名で特定される対向装置がNW接続装置であるか否かを、NW接続装置判定データ記憶部13を参照して、スコアデータが付与された対向装置がNW接続装置判定データ記憶部13に記憶されているか否かにより判定する。つまり、スコアデータが付与された対向装置がNW接続装置判定データ記憶部13に記憶されていれば、その対向装置はNW接続装置であると判定される。具体的な処理内容については後述する。
【0025】
また、影響範囲特定部11は、対象NW接続装置に対向して接続される対向装置が、NW接続装置としてNW接続装置判定データ記憶部13に記憶されている場合、NW接続装置判定データ記憶部13を参照し、対象NW接続装置に付与されたNW接続装置判定データと、対向装置に付与されたNW接続装置判定データとの比較により、対向装置が対象NW接続装置より上位、中位、又は下位の装置かを判定することが好ましい。これにより、各NW接続装置の階層を把握することが可能となる。具体的な処理内容については後述する。
【0026】
また、影響範囲特定部11は、対象NW接続装置に対向して接続される対向装置が対象NW接続装置より下位の装置であると判定したとき、下位の装置であると判定された対向装置を影響範囲特定の調査対象の対象NW接続装置とすることが好ましい。他方、影響範囲特定部11は、対象NW接続装置に対向して接続される対向装置が対象NW接続装置より上位又は中位の装置であると判定したとき、上位又は中位の装置であると判定された対向装置を影響範囲特定の非調査対象とすることが好ましい。これにより、影響範囲を絞り込むように限定していくことができ、大規模ネットワークにおける影響範囲を特定することが可能となる。
【0027】
さらに、影響範囲特定部11は、対象NW接続装置に対向して接続される対向装置が、NW接続装置判定データ記憶部13に記憶されていないとき、対象NW接続装置に対向して接続される対向装置を障害発生装置における障害の影響が及ぶ影響対象装置と判定することが好ましい。本実施形態によれば、障害発生装置に対向して接続される対向装置がNW接続装置判定データ記憶部13に記憶されていないことを確認するだけで、その対向装置が影響対象装置であると判定することができる。
【0028】
影響対象装置特定データ記憶部15は、影響範囲特定部11により判定された影響対象装置を特定する影響対象装置特定データを記憶する影響対象装置特定データ記憶手段である。影響対象装置特定データは、例えば、物理サーバ33の装置名等であってよい。影響対象装置特定データ記憶部15は、例えばRAM等の一次メモリであることが好ましい。これにより、大規模ネットワークにおいて影響対象と判定された装置データを記憶し、運用者端末20に影響範囲を通知することができる。
【0029】
影響範囲特定部11は、影響対象装置特定データ記憶部15に記憶された影響対象装置特定データを影響範囲特定装置10と接続された外部装置である運用者端末20に送信することが好ましい。なお、影響対象装置特定データを出力するタイミングは、影響範囲特定処理が終了した任意のタイミングでよい。運用者端末20は、例えば内蔵するディスプレイ等に影響対象装置特定データとしての、例えばサーバ33等の装置名を表示する。これにより、管理者は、ネットワークにおける障害の影響が及ぶ影響範囲を確認することができる。
【0030】
次に、本実施形態における影響範囲特定処理手順について図1及び図2を参照して説明する。例えば、毎日午前2時等の所定のタイミングで、対向装置データ取得部12は、ネットワーク30に設置されたNW接続装置31の各々に対向装置データを取得する命令を送信し、NW接続装置31の各々から、対向装置データを取得する。そして、対向装置データ取得部12は、取得した対向装置データを対向装置データが取得されたNW接続装置の装置名と対応させて、対向装置データ記憶部14に記憶しておく。そして、NW接続装置31に障害が発生した場合、障害が発生したNW接続装置31から運用者端末20へ例えばメールやメッセンジャー等により障害Aが通知される。管理者は、運用者端末20を操作し、影響範囲特定装置10に、処理プログラムの実行命令を送信するとともに、障害が発生したNW接続装置31の装置名を入力する。
【0031】
影響範囲特定部11は、入力された装置名で特定されるNW接続装置31を障害発生装置として、記憶部に記憶された影響範囲特定処理プログラムを呼出し、影響範囲特定処理を開始する(ステップS1)。影響範囲特定処理が終了すると、影響範囲特定部11は、影響対象装置特定データ記憶部15に記憶された影響対象装置特定データを運用者端末20へ送信する。そして、運用者端末20のディスプレイ等に影響対象装置特定データで特定される装置名が表示される(ステップS2)。なお、装置名の表示に替えて、運用者端末20に備わる記憶装置に装置名を記憶することで、後で、影響対象装置を管理者が確認できることとしてもよい。
【0032】
次に、図2における影響範囲特定処理の詳細手順について図3を参照して説明する。なお、ここでは、NW接続装置判定データを上述したスコアデータとし、数値が小さいほど上位装置であり、数値が大きいほど下位装置であるとの判定指標を採用して説明する。まず、影響範囲特定部11は、障害発生装置であるNW接続装置31を影響範囲特定処理の対象NW接続装置として、NW接続装置31の装置名に対応付けて記憶されている全ての対向装置名を対向装置データ記憶部14から読み込む(ステップS11)。
【0033】
影響範囲特定部11は、全ての対向装置について影響範囲特定処理を終了している場合(ステップS12、YES)、本処理が呼び出された図2のステップS1の処理後へ戻る。または、本処理が呼び出された図3のステップS16の処理後に戻る(リターン)。
【0034】
他方、影響範囲特定部11は、全ての対向装置について影響範囲特定処理が終了していない場合(ステップS12、NO)、全ての対向装置から、処理対象としての対向装置名を1つ読み込む(ステップS13)。
【0035】
次に、影響範囲特定部11は、NW接続装置判定データ記憶部13に記憶されたNW接続装置判定データを参照し、NW接続装置判定データに読み込んだ対向装置の装置名が記憶されているか否かを基に、読み込んだ対向装置がNW接続装置かどうかを判定する(ステップS14)。
【0036】
影響範囲特定部11は、NW接続装置判定データを参照して、NW接続装置判定データに読み込んだ対向装置の装置名が記憶されておらず、読み込んだ対向装置がNW接続装置でないと判定した場合(ステップS14、NO)、読み込んだ対向装置を影響対象装置と判定し、その対向装置名を影響対象装置として影響対象装置特定データ記憶部15に記録する(ステップS17)。その後、影響範囲特定部11は、全ての対向装置について影響範囲特定処理を継続する(ステップS12)。
【0037】
他方、影響範囲特定部11は、NW接続装置判定データを参照して、NW接続装置判定データに読み込んだ対向装置の装置名が記憶されており、読み込んだ対向装置がNW接続装置であると判定した場合(ステップS14、YES)、NW接続装置判定データを参照して、障害発生装置であるNW接続装置31のスコアデータと対向装置のスコアデータとを比較する(ステップS15)。
【0038】
影響範囲特定部11は、対向装置のスコアデータがNW接続装置31のスコアと同じか、又は小さい場合(ステップS15、YES)、その対向装置の調査は終了し、全ての対向装置について影響範囲特定処理が終了したか否かの手順に戻る(ステップS12)。
【0039】
他方、影響範囲特定部11は、対向装置のスコアデータが障害発生装置であるNW接続装置31のスコアデータより大きい場合(ステップS15、NO)、その対向装置を対象NW接続装置として影響範囲特定処理を再帰的に実行する(ステップS16)。
【0040】
なお、本実施形態においては、読み込んだ1つの対向装置のスコアデータが障害発生装置のスコアデータより大きい場合に、その対向装置について影響範囲特定処理を呼び出して実行する手法をとっているが、これに限定されない。例えば、全ての対向装置のスコアデータを障害発生装置のスコアデータと比較して、全ての対向装置について影響範囲特定処理対象とするかどうかを判定しておき、その後、影響範囲特定処理対象と判定された対向装置全てについて影響範囲特定処理を呼び出して実行する手法をとってもよい。
【0041】
次に、本実施形態における影響範囲特定処理の具体例について図4を参照して説明する。図4(a)は、上位、中位、下位の3段構成とされた8台のNW接続装置とこれらNW接続装置に接続された7つの各サーバから構成されたネットワーク構成例を示したものである。すなわち、NW接続装置として、上位のNW接続装置101〜102と、中位のNW接続装置103〜105と、下位のNW接続装置106〜108とを備え、サーバとして、仮想サーバ111〜113と、物理サーバ121〜124とを備えている。なお、図示はしないが、上位のNW接続装置101〜102が、その上位に存在するインターネット等の通信ネットワークに繋がっていることは言うまでもない。
【0042】
NW接続装置101の対向装置は、仮想サーバ111及びNW接続装置102〜104であり、NW接続装置102の対向装置は、NW接続装置101及びNW接続装置105である。NW接続装置103の対向装置は、NW接続装置101、NW接続装置104、NW接続装置106、NW接続装置107、及び物理サーバ121である。NW接続装置104の対向装置は、NW接続装置101、NW接続装置103、NW接続装置108であり、NW接続装置105の対向装置は、NW接続装置102及び物理サーバ122である。また、NW接続装置106の対向装置は、NW接続装置103、NW接続装置107及び仮想サーバ112〜113であり、NW接続装置107の対向装置は、NW接続装置103、NW接続装置106及び物理サーバ123である。さらに、NW接続装置108の対向装置は、NW接続装置104及び物理サーバ124である。これらのNW接続装置の装置名に、その対向装置の装置名である対向装置データが対応付けられて、上述した対向装置データ記憶部14に記憶されているものとする。
【0043】
そして、図4(b)に示すように、各NW接続装置にはスコアデータが予め付与されているものとする。上位のNW接続装置101及びNW接続装置102には、それぞれスコアデータとして「10」が付与され、中位のNW接続装置103〜105には、それぞれスコアデータとして「50」が付与され、下位のNW接続装置106〜108には、それぞれスコアデータとして「100」が付与されている。なお、これらのスコアデータの数値が一例であることは言うまでもない。また、例えば、NW接続装置103〜105と、NW接続装置106〜108との間に、さらに別のNW接続装置の層を設けた4段構成とし、その階層に位置するNW接続装置のスコアデータを「70」としてもよい。また、これらのNW接続装置の装置名に、そのスコアデータが対応付けられて、上述したNW接続装置判定データ記憶部13に記憶されているものとする。
【0044】
図4を用いて、例えばNW接続装置103に障害が発生した場合における影響範囲特定処理について具体的に説明する。なお、以下では、各ネットワーク装置の装置名を新たに命名して記載せず、例えば「NW接続装置103」の装置名を単に「NW接続装置103」として記載して説明している。
【0045】
NW接続装置103に障害が発生し、運用者端末20から実行命令とともにNW接続装置103の装置名を受けた影響範囲特定部11は、対向装置データ記憶部14を参照して、NW接続装置103の対向装置として、NW接続装置101、NW接続装置104、NW接続装置106、NW接続装置107、及び物理サーバ121を特定する。
【0046】
次に、影響範囲特定部11は、NW接続装置判定データ記憶部13を参照して、NW接続装置103のスコアデータ「50」とNW接続装置101のスコアデータ「10」を比較し、NW接続装置101のスコアデータがNW接続装置103のスコアデータより小さいため、つまりNW接続装置101がNW接続装置103より上位装置であるため、これについては非調査対象とする。
【0047】
同様に、影響範囲特定部11は、NW接続装置判定データ記憶部13を参照して、NW接続装置103のスコアデータ「50」とNW接続装置104のスコアデータ「50」を比較し、NW接続装置104のスコアデータがNW接続装置103のスコアデータと同じであるため、つまりNW接続装置104とNW接続装置103が共に中位装置であるため、これについても非調査対象とする。
【0048】
さらに、影響範囲特定部11は、NW接続装置判定データ記憶部13を参照して、NW接続装置103のスコアデータ「50」とNW接続装置106のスコアデータ「100」を比較し、NW接続装置106のスコアデータがNW接続装置103のスコアデータより大きいため、つまりNW接続装置106がNW接続装置103より下位装置であるため、これについては調査対象とする。
【0049】
次に、影響範囲特定部11は、NW接続装置106を対象NW接続装置として影響範囲特定処理を呼び出して実行する。影響範囲特定部11は、調査対象とされたNW接続装置106について、対向装置データ記憶部14を参照して、その対向装置である、NW接続装置103、NW接続装置107、仮想サーバ112及び仮想サーバ113を特定する。
【0050】
そして、影響範囲特定部11は、NW接続装置判定データ記憶部13を参照して、NW接続装置106のスコアデータ「100」とNW接続装置103のスコアデータ「50」を比較し、NW接続装置103のスコアデータがNW接続装置106のスコアデータより小さいため、つまりNW接続装置103がNW接続装置106より上位装置であるため、これについては非調査対象とする。
【0051】
同様に、影響範囲特定部11は、NW接続装置判定データ記憶部13を参照して、NW接続装置106のスコアデータ「100」とNW接続装置107のスコアデータ「100」を比較し、NW接続装置107のスコアデータがNW接続装置106のスコアデータと同じであるため、つまりNW接続装置107とNW接続装置106が共に中位装置であるため、これについても非調査対象とする。
【0052】
さらに、影響範囲特定部11は、仮想サーバ112及び仮想サーバ113の装置名についてはNW接続装置判定データ記憶部13に記憶されていないため、影響対象装置と判定し、影響対象装置特定データ記憶部15に仮想サーバ112及び仮想サーバ113の装置名を記憶する。
【0053】
呼び出された処理に戻り、影響範囲特定部11は、NW接続装置判定データ記憶部13を参照して、NW接続装置103のスコアデータ「50」とNW接続装置107のスコアデータ「100」を比較し、NW接続装置107のスコアデータがNW接続装置103のスコアデータより大きいため、つまりNW接続装置107がNW接続装置103より下位装置であるため、これについては調査対象とする。
【0054】
次に、影響範囲特定部11は、NW接続装置107を対象NW接続装置として影響範囲特定処理を呼び出して実行する。影響範囲特定部11は、調査対象とされたNW接続装置107について、対向装置データ記憶部14を参照して、その対向装置である、NW接続装置103、NW接続装置106、物理サーバ123を特定する。
【0055】
そして、影響範囲特定部11は、NW接続装置判定データ記憶部13を参照して、NW接続装置107のスコアデータ「100」とNW接続装置103のスコアデータ「50」を比較し、NW接続装置103のスコアデータがNW接続装置107のスコアデータより小さいため、つまりNW接続装置103がNW接続装置107より上位装置であるため、これについては非調査対象とする。
【0056】
同様に、影響範囲特定部11は、NW接続装置判定データ記憶部13を参照して、NW接続装置107のスコアデータ「100」とNW接続装置106のスコアデータ「100」を比較し、NW接続装置106のスコアデータがNW接続装置107のスコアデータと同じであるため、つまりNW接続装置106とNW接続装置107が共に中位装置であるため、これについても非調査対象とする。
【0057】
さらに、影響範囲特定部11は、物理サーバ123の装置名についてはNW接続装置判定データ記憶部13に記憶されていないため、影響対象装置と判定し、影響対象装置特定データ記憶部15に物理サーバ123の装置名を記憶する。
【0058】
呼び出された処理に戻り、影響範囲特定部11は、物理サーバ121の装置名についてはNW接続装置判定データ記憶部13に記憶されていないため、影響対象装置と判定し、影響対象装置特定データ記憶部15に物理サーバ121の装置名を記憶する。
【0059】
そして、全ての対向装置の処理が終了した後、影響範囲特定部11は、影響対象装置特定データ記憶部15に記憶された物理サーバ121、仮想サーバ112及び仮想サーバ113、及び物理サーバ123の各装置名を運用者端末20に送信する。
【0060】
なお、上述する各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。例えば、上述した本実施形態における各処理を、ハードウェア、又は、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成を用いて実行することも可能である。
【0061】
なお、ソフトウェアを用いて処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させることが可能である。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【符号の説明】
【0062】
10 影響範囲特定装置
11 影響範囲特定部
12 対向装置データ取得部
13 NW接続装置判定データ記憶部
14 対向装置データ記憶部
15 影響対象装置特定データ記憶部
20 運用者端末
30 ネットワーク
31a、31b、31c、101〜108 NW接続装置
32a、32b、111〜113 仮想サーバ
33、121〜124 物理サーバ
50 管理ネットワーク
図1
図2
図3
図4