【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 第30条第2項適用、平成26年10月7日〜10日、東京国際展示場において開催された2014東京国際包装展で発表
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
正面部(10)と右側面部(20)と左側面部(30)と背面部(40)と底面部(60)とを有する箱本体部(3)と、背面部の上辺から折れ線を介して連設された蓋部(90)と、蓋部の先端側の辺部から折れ線を介して連設された差込み片部(100)と、正面部の上辺から折れ線を介して連設された正面フラップ(70)とを有する包装箱であって、
包装箱がシート状のブランクにより形成され、
正面フラップの正面部側の辺部に沿って形成された切欠部(K2)と、正面部の正面フラップ側の辺部とにより囲まれた開口部が、左右方向において、正面部と正面フラップ間の折れ線で左右方向における一方の側である第1の側の折れ線である第1折れ線(C10a)と左右方向における他方の側である第2の側の折れ線である第2折れ線(C10b)間に形成され、
切欠部は、第1の側に設けられた第1切欠き構成部(K2a)と、第1切欠き構成部から第2の側に連設された第2切欠き構成部(K2b)とを有し、
第1切欠き構成部には、第1切欠き構成部の第1の側の端部を形成する第1辺部(70a)と、左右方向に形成された第2辺部(70b)と、第2辺部の第2の側の端部から連設された第3辺部(70c)とが形成され、第2切欠き構成部には、第3辺部の第2辺部とは反対側の端部から連設され、左右方向に形成された第4辺部(70d)と、第2切欠き構成部の第2の側の端部を形成する第5辺部(70e)とが形成され、第1切欠き構成部の幅で、第1切欠き構成部の第2辺部に沿った領域における正面フラップの先端と基端間の方向で左右方向に対する直角方向である先端基端間方向の幅である第1の幅(NK2a)が、第2切欠き構成部の幅で、第2切欠き構成部の第4辺部に沿った領域における先端基端間方向の幅である第2の幅(NK2b)よりも長く形成され、第2の幅は、差込み片部が差込み可能に差込み片部の厚み以上の幅を有し、
差込み片部は、第1の側に突出した突状部である係合用突状部(102)と、差込み片部の蓋部側とは反対側の先端側に突設された先端側角部(104)と、係合用突状部と先端側角部間に形成され、差込み片部の第2の側にいくほど先端側となるように傾斜して形成された辺部である第1の側形成辺部(100d)と、先端側角部よりも第2の側に形成された第2の側形成辺部(100f)とを有し、係合用突状部と蓋部の先端側の辺部の間には、係合用切欠部(K3)が形成され、
係合用突状部の第1の側の端部は、左右方向において、第1切欠き構成部の第1の側の端部よりも第1の側にあり、先端側角部は、左右方向において、第1切欠き構成部における第2辺部の第1の側の端部から第2の側の端部までの範囲にあり、
蓋部を閉状態にする際には、先端側角部を第1切欠き構成部内に進入させるとともに第2の側形成辺部を第3辺部に当接させた状態で差込み片部を正面側にスライドさせると、第2の側形成辺部が第2切欠き構成部に進入するとともに、第1の側形成辺部が第1辺部に当接し、さらに、差込み片部を下降させて、第1の側形成辺部が第1辺部に当接しながら下降することにより、差込み片部が蓋部の先端側とともに第2の側にスライドしながら下降し、係合用突状部が第1辺部を通過すると、蓋部の先端側が第2の側にスライドする前の状態に復帰することにより、正面フラップにおける第1辺部の第1の側に隣接する領域である係合領域(70R)が係合用切欠部に挿入して、係合用突状部と該係合領域とが係合して、包装箱が閉状態でロックされ、
包装箱が閉状態でロックされた状態からロックを解除する際には、第2の側に蓋部の先端側をスライドさせることにより、差込み片部が第2の側に移動して、係合用突状部と該係合領域の係合が解除されることを特徴とする包装箱。
正面部の正面フラップ側の端部には、第1折れ線と第2折れ線の間に、第1折れ線及び第2折れ線よりも上方に突出した正面部突状部(14a、14b、14c)が形成され、先端側角部が、左右方向において、正面部突状部の第1の側の端部から第2の側の端部までの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
正面部突状部は、第1の側に設けられ、第2辺部に対向して設けられた第1正面部突状部(14a)と第1正面部突状部と左右方向に間隔を介して設けられ、第4辺部に対向して設けられた第2正面部突状部(14b)とを有し、第1正面部突状部と第2正面部突状部の間には、第2切欠部(K1)が形成され、
第2切欠部の第1の側の端部は、左右方向において、第2辺部における第1の側の端部から第2の側の端部までの途中位置に対向した位置に設けられ、第2切欠部の第2の側の端部は、左右方向において、第4辺部における第1の側の端部から第2の側の端部までの途中位置に対向した位置に設けられ、
先端側角部が、左右方向において、第1正面部突状部の第1の側の端部から第2の側の端部までの範囲にあり、
包装箱が閉状態でロックされた状態では、第1正面部突状部の少なくとも一部の背面側と第2正面部突状部の少なくとも一部の背面側に差込み片部が位置する請求項2に記載の包装箱。
係合用突状部と該係合領域との係合が解除された状態である自然状態では、蓋部は、先端側の辺部が正面側斜め上方を向くように傾斜し、正面フラップは、先端側の辺部が背面側斜め上方を向くように傾斜していることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6に記載の包装箱。
蓋部における先端側の領域で、左右方向において差込み片部が連設された領域には、蓋部を開状態にする際に指を係止する指係止部(110)が設けられていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7に記載の包装箱。
正面部(10)と右側面部(20)と左側面部(30)と背面部(40)と底面部(60)とを有する箱本体部(3)と、背面部の上辺から折れ線を介して連設された蓋部(90)と、蓋部の先端側の辺部から折れ線を介して連設された差込み片部(100)と、正面部の上辺から折れ線を介して連設された正面フラップ(70)とを有する包装箱であって、
包装箱がシート状のブランクにより形成され、
正面フラップの正面部側の辺部に沿って形成された第1切欠部(K2)と、正面部の正面フラップ側の辺部に沿って形成された第2切欠部(K1)とからなる開口部(K)が、左右方向において、正面部と正面フラップ間の折れ線で左右方向における一方の側である第1の側の折れ線である第1折れ線(C10a)と左右方向における他方の側である第2の側の折れ線である第2折れ線(C10b)間に形成され、
第1切欠部は、第1の側に設けられた第1切欠き構成部(K2a)と、第1切欠き構成部から第2の側に連設された第2切欠き構成部(K2b)とを有し、
第1切欠き構成部には、第1切欠き構成部の第1の側の端部を形成し左右方向に対する略直角方向に形成された第1辺部(70a)と、左右方向に形成された第2辺部(70b)と、第2辺部の第2の側の端部から連設され、第2の側にいくほど正面フラップの基端側となるように左右方向に対して傾斜した第3辺部(70c)とが形成され、第2切欠き構成部には、第3辺部の第2の側の端部から連設され、左右方向に形成された第4辺部(70d)と、第2切欠き構成部の第2の側の端部を形成する第5辺部(70e)とが形成され、第1切欠き構成部の幅で、第1切欠き構成部の第2辺部に沿った領域における正面フラップの先端と基端間の方向で左右方向に対する直角方向である先端基端間方向の幅である第1の幅(NK2a)が、第2切欠き構成部の幅で、第2切欠き構成部の第4辺部に沿った領域における先端基端間方向の幅である第2の幅(NK2b)よりも長く形成され、第2の幅は、差込み片部が差込み可能に差込み片部の厚み以上の幅を有し、
正面部の正面フラップ側の端部には、第1折れ線よりも上方に突出した突状部である第1正面部突状部(14a)が、第2切欠部の第1の側に第2切欠部に隣接して第2辺部に対向して設けられ、第2折れ線よりも上方に突出した突状部である第2正面部突状部(14b)が、第2切欠部の第2の側に第2切欠部に隣接して第4辺部と対向して設けられ、
第2切欠部の第1の側の端部は、左右方向において、第2辺部における第1の側の端部から第2の側の端部までの途中位置に対向した位置に設けられ、第2切欠部の第2の側の端部は、左右方向において、第4辺部における第1の側の端部から第2の側の端部までの途中位置に対向した位置に設けられ、
差込み片部は、第1の側に突出した突状部である係合用突状部(102)と、差込み片部の蓋部側とは反対側の先端側に突設された第1角部(104)と、第1角部よりも第2の側に形成され、第1角部よりも基端側に形成された第2角部(106)と、係合用突状部と第1角部間に形成され、差込み片部の第2の側にいくほど先端側となるように傾斜して形成された辺部である第1傾斜辺部(100d)と、第1角部と第2角部の間に形成され、差込み片部の第2の側にいくほど基端側となるように傾斜して形成された辺部である第2傾斜辺部(100f)とを有し、係合用突状部と蓋部の先端側の辺部の間には、第3切欠部(K3)が形成され、
係合用突状部の第1の側の端部は、左右方向において、第1切欠き構成部の第1の側の端部よりも第1の側にあり、第1角部は、左右方向において、第1切欠き構成部における第2辺部の第1の側の端部から第2の側の端部までの範囲にあるとともに、第1正面部突状部の第1の側の端部から第2の側の端部までの範囲にあり、第2角部は、左右方向において、第2切欠き構成部における第1の側の端部から第2切欠部の第2の側の端部までの範囲にあり、
蓋部における先端側の領域で、左右方向において差込み片部が連設された領域には、蓋部を開状態にする際に指を係止する指係止部(110)が設けられ、
係合用突状部と正面フラップにおける第1辺部の第1の側に隣接する領域である係合領域(70R)との係合が解除された状態である自然状態では、蓋部は、先端側の辺部が正面側斜め上方を向くように傾斜し、正面フラップは、先端側の辺部が背面側斜め上方を向くように傾斜し、
蓋部を閉状態にする際には、第1角部を第1切欠き構成部内に進入させるとともに第2傾斜辺部を第3辺部に当接させた状態で差込み片部を下降させると、第2傾斜辺部が、先端側の辺部が背面側斜め上方を向くように傾斜した正面フラップの第3辺部に当接しながら正面側にスライドして第2切欠き構成部に進入するとともに、第1傾斜辺部が第1辺部に当接し、さらに、差込み片部を下降させて、第1傾斜辺部が第1辺部に当接しながら下降することにより、差込み片部が蓋部の先端側とともに第2の側にスライドしながら下降し、差込み片部の第2の側の領域は第2突状部と第4辺部の間の隙間に進入し、係合用突状部が第1辺部を通過すると、蓋部の先端側が第2の側にスライドする前の状態に復帰することにより、正面フラップにおける該係合領域(70R)が第3切欠部に挿入して、係合用突状部と該係合領域とが係合して、包装箱が閉状態でロックされ、包装箱が閉状態でロックされた状態では、第1正面部突状部の少なくとも一部の背面側と第2正面部突状部の少なくとも一部の背面側に差込み片部が位置し、
包装箱が閉状態でロックされた状態から蓋部を開状態にする際には、指係止部に指を掛止させて、第2の側に蓋部の先端側をスライドさせることにより、差込み片部が第2の側に移動して、係合用突状部と該係合領域の係合が解除され、蓋部が自然状態に復帰しようとすることにより蓋部の先端側の辺部が上方に回動することを特徴とする包装箱。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図15、
図16の包装箱では、切欠き134奥に位置する突出部120表面の一部に指を押し当てて蓋部90を押し上げることにより蓋部90を開けることとしているため、突出部120と正面部10との摩擦力が強い場合や、力の弱い高齢者等が蓋部90を開ける場合には、開ける作業が容易ではなかった。特に大きい包装箱では突出部120と正面部10との接触面積が広く摩擦力も大きくなり、切欠き134奥のわずかな1点に力をかけて蓋部90を開けるには、蓋部90を開ける際に指先に必要となる力が相当の大きさになり、開ける作業が困難であった。また、長孔130に挿入される突出部120は長孔130に対してロックされた状態ではないので、突出部120の正面部10に対する固定が確実とはならないおそれもあった。
【0007】
また、特許文献1に記載の段ボール箱では、第2の切り起こし8の嵌合孔9への嵌入が外れるおそれがあり、アウターフラップ3が意図せず開いてしまったり、逆に、第1の切り起こし7を手前に引いても第2の切り起こし8が嵌合孔9から外れなかったりして、アウターフラップ3の開閉に確実性がなかった。
【0008】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、前述した先行技術の問題点を解決するものであり、小さな力でも容易に蓋部を開けることができるとともに、蓋部の閉状態を確実に維持することのできる包装箱を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、正面部(10)と右側面部(20)と左側面部(30)と背面部(40)と底面部(60)とを有する箱本体部(3)と、背面部の上辺から折れ線を介して連設された蓋部(90)と、蓋部の先端側の辺部から折れ線を介して連設された差込み片部(100)と、正面部の上辺から折れ線を介して連設された正面フラップ(70)とを有する包装箱であって、包装箱がシート状のブランクにより形成され(「1枚のシート状ブランクにより形成され」としてもよい)、正面フラップの正面部側の辺部に沿って形成された切欠部(K2)と、正面部の正面フラップ側の辺部とにより囲まれた開口部が、左右方向において、正面部と正面フラップ間の折れ線で左右方向における一方の側である第1の側の折れ線である第1折れ線(C10a)と左右方向における他方の側である第2の側の折れ線である第2折れ線(C10b)間に形成され、切欠部は、第1の側に設けられた第1切欠き構成部(K2a)と、第1切欠き構成部から第2の側に連設された第2切欠き構成部(K2b)とを有し、第1切欠き構成部には、第1切欠き構成部の第1の側の端部を形成する第1辺部(70a)と、左右方向に形成された第2辺部(70b)と、第2辺部の第2の側の端部から連設された第3辺部(70c)とが形成され、第2切欠き構成部には、第3辺部の第2辺部とは反対側の端部から連設され、左右方向に形成された第4辺部(70d)と、第2切欠き構成部の第2の側の端部を形成する第5辺部(70e)とが形成され、第1切欠き構成部の幅で、第1切欠き構成部の第2辺部に沿った領域における正面フラップの先端と基端間の方向で左右方向に対する直角方向である先端基端間方向の幅である第1の幅(NK2a)が、第2切欠き構成部の幅で、第2切欠き構成部の第4辺部に沿った領域における先端基端間方向の幅である第2の幅(NK2b)よりも長く形成され、第2の幅は、差込み片部が差込み可能に差込み片部の厚み以上の幅を有し、差込み片部は、第1の側に突出した突状部である係合用突状部(102)と、差込み片部の蓋部側とは反対側の先端側に突設された先端側角部(104)と、係合用突状部と先端側角部間に形成され、差込み片部の第2の側にいくほど先端側となるように傾斜して形成された辺部である第1の側形成辺部(100d)と、先端側角部よりも第2の側に形成された第2の側形成辺部(100f)とを有し、係合用突状部と蓋部の先端側の辺部の間には、係合用切欠部(K3)が形成され、係合用突状部の第1の側の端部は、左右方向において、第1切欠き構成部の第1の側の端部よりも第1の側にあり、先端側角部は、左右方向において、第1切欠き構成部における第2辺部の第1の側の端部から第2の側の端部までの範囲にあり、蓋部を閉状態にする際には、先端側角部を第1切欠き構成部内に進入させるとともに第2の側形成辺部を第3辺部に当接させた状態で差込み片部を正面側にスライドさせると、第2の側形成辺部が第2切欠き構成部に進入するとともに、第1の側形成辺部が第1辺部に当接し、さらに、差込み片部を下降させて、第1の側形成辺部が第1辺部に当接しながら下降することにより、差込み片部が蓋部の先端側とともに第2の側にスライドしながら下降し、係合用突状部が第1辺部を通過すると、蓋部の先端側が第2の側にスライドする前の状態に復帰することにより、正面フラップにおける第1辺部の第1の側に隣接する領域である係合領域(70R)が係合用切欠部に挿入して、係合用突状部と該係合領域とが係合して、包装箱が閉状態でロックされ、包装箱が閉状態でロックされた状態からロックを解除する際には、第2の側に蓋部の先端側をスライドさせることにより、差込み片部が第2の側に移動して、係合用突状部と該係合領域の係合が解除されることを特徴とする。
【0013】
第1の構成の包装箱によれば、蓋部を横方向にスライドさせるのみで、包装箱のロックを解除させることができ、ロックが解除されたら蓋部を上方に回動させればよいので、小さな力でも容易に蓋部を開けることができる。
【0014】
また、蓋部を閉状態にする際に、差込み片部と蓋部の先端側の辺部を横方向にスライドさせることにより歪んだ包装箱が復帰する力を利用して、係合用突状部と係合領域を係合させるので、差込みフラップを下降させるのみで自然にロックが行われ、よって、蓋部の閉状態を確実に維持させることができる。また、第1切欠き構成部は幅広に形成されているので、先端側角部を容易に第1切欠き構成部に挿入させることができる。
【0015】
また、
第2には、上記
第1の構成において、正面部の正面フラップ側の端部には、第1折れ線と第2折れ線の間に、第1折れ線及び第2折れ線よりも上方に突出した正面部突状部(14a、14b、14c)が形成され、先端側
角部が、左右方向において、正面部突状部の第1の側の端部から第2の側の端部までの範囲にあることを特徴とする。
【0016】
よって、第2の側形成辺部を第3辺部に当接させた状態で差込み片部を正面側にスライドさせた場合に、先端側角部が正面部突状部に接触して、正面部側へのスライドが遮られるので、確実に差込み片部を第2切欠き構成部内に進入させることができる。
【0017】
また、
第3には、上記
第2の構成において、正面部突状部は、第1の側に設けられ、第2辺部に対向して設けられた第1正面部突状部(14a)と第1正面部突状部と左右方向に間隔を介して設けられ、第4辺部に対向して設けられた第2正面部突状部(14b)とを有し、第1正面部突状部と第2正面部突状部の間には、第2切欠部(K1)が形成され、第2切欠部の第1の側の端部は、左右方向において、第2辺部における第1の側の端部から第2の側の端部までの途中位置に対向した位置に設けられ、第2切欠部の第2の側の端部は、左右方向において、第4辺部における第1の側の端部から第2の側の端部までの途中位置に対向した位置に設けられ、先端側
角部が、左右方向において、第1正面部突状部の第1の側の端部から第2の側の端部までの範囲にあり、包装箱が閉状態でロックされた状態では、第1正面部突状部の少なくとも一部の背面側と第2正面部突状部の少なくとも一部の背面側に差込み片部が位置する。
【0018】
第3の構成においては、第2切欠部が設けられているので、第2の側形成辺部が第2切欠き構成部内に入り込む際に、正面部の上辺に引っ掛かって第2切欠き構成部に入りにくくなることがない。
【0019】
また、
第4には、上記
第3の構成において、第2の側形成辺部の第2の側に、先端側角部よりも基端側に形成された基端側角部(106)が形成され、基端側角部は、左右方向において、第2切欠き構成部における第1の側の端部から第2切欠部の第2の側の端部までの範囲にあることを特徴とする。
【0020】
第4の構成においては、基端側角部が切欠部(K2)の位置に到達した際には、左右方向において、第4辺部の第1の側の端部から第2切欠部の第2の側の端部までの範囲にあるので、基端側角部が第2切欠き構成部内に入り込む際に、正面部の上辺に引っ掛かって第2切欠き構成部に入りにくくなることがない。
【0021】
また、
第5には、上記
第1から
第4までのいずれかの構成において、第2の側形成辺部(100f)が、差込み片部の第2の側にいくほど基端側となるように傾斜して形成されていることを特徴とする。よって、第2の側形成辺部が、第3辺部に当接しやすく、第3辺部に沿って正面側にスライドさせやすくすることができる。
【0022】
また、
第6には、上記
第1から
第5までのいずれかの構成において、第3辺部が、第2の側にいくほど正面フラップの基端側となるように左右方向に対して傾斜していることを特徴とする。よって、第2の側形成辺部が第3辺部に沿ってスライドする際に、第3辺部と第4辺部の角部に第2の側形成辺部が引っ掛かるのを防止でき、差込み片部を第2切欠き構成部に導きやすい。
【0023】
また、
第7には、上記第1から
第6までのいずれかの構成において、係合用突状部と該係合領域との係合が解除された状態である自然状態では、蓋部は、先端側の辺部が正面側斜め上方を向くように傾斜し、正面フラップは、先端側の辺部が背面側斜め上方を向くように傾斜していることを特徴とする。
【0024】
よって、係合用突状部と係合領域の係合が解除されると、差込み片部が開口部に対して上昇するので、あとは蓋部を回動させて開状態にすればよく、蓋部を開状態するのを容易とすることができる。
【0025】
また、
第8には、上記第1から
第7までのいずれかの構成において、蓋部における先端側の領域で、左右方向において差込み片部が連設された領域には、蓋部を開状態にする際に指を係止する指係止部(110)が設けられていることを特徴とする。
【0026】
また、
第9には、正面部(10)と右側面部(20)と左側面部(30)と背面部(40)と底面部(60)とを有する箱本体部(3)と、背面部の上辺から折れ線を介して連設された蓋部(90)と、蓋部の先端側の辺部から折れ線を介して連設された差込み片部(100)と、正面部の上辺から折れ線を介して連設された正面フラップ(70)とを有する包装箱であって、包装箱がシート状のブランクにより形成され(「1枚のシート状ブランクにより形成され」としてもよい)、正面フラップの正面部側の辺部に沿って形成された第1切欠部(K2)と、正面部の正面フラップ側の辺部に沿って形成された第2切欠部(K1)とからなる開口部(K)が、左右方向において、正面部と正面フラップ間の折れ線で左右方向における一方の側である第1の側の折れ線である第1折れ線(C10a)と左右方向における他方の側である第2の側の折れ線である第2折れ線(C10b)間に形成され、第1切欠部は、第1の側に設けられた第1切欠き構成部(K2a)と、第1切欠き構成部から第2の側に連設された第2切欠き構成部(K2b)とを有し、第1切欠き構成部には、第1切欠き構成部の第1の側の端部を形成し左右方向に対する略直角方向に形成された第1辺部(70a)と、左右方向に形成された第2辺部(70b)と、第2辺部の第2の側の端部から連設され、第2の側にいくほど正面フラップの基端側となるように左右方向に対して傾斜した第3辺部(70c)とが形成され、第2切欠き構成部には、第3辺部の第2の側の端部から連設され、左右方向に形成された第4辺部(70d)と、第2切欠き構成部の第2の側の端部を形成する第5辺部(70e)とが形成され、第1切欠き構成部の幅で、第1切欠き構成部の第2辺部に沿った領域における正面フラップの先端と基端間の方向で左右方向に対する直角方向である先端基端間方向の幅である第1の幅(NK2a)が、第2切欠き構成部の幅で、第2切欠き構成部の第4辺部に沿った領域における先端基端間方向の幅である第2の幅(NK2b)よりも長く形成され、第2の幅は、差込み片部が差込み可能に差込み片部の厚み以上の幅を有し、正面部の正面フラップ側の端部には、第1折れ線よりも上方に突出した突状部である第1正面部突状部(14a)が、第2切欠部の第1の側に第2切欠部に隣接して第2辺部に対向して設けられ、第2折れ線よりも上方に突出した突状部である第2正面部突状部(14b)が、第2切欠部の第2の側に第2切欠部に隣接して第4辺部と対向して設けられ、第2切欠部の第1の側の端部は、左右方向において、第2辺部における第1の側の端部から第2の側の端部までの途中位置に対向した位置に設けられ、第2切欠部の第2の側の端部は、左右方向において、第4辺部における第1の側の端部から第2の側の端部までの途中位置に対向した位置に設けられ、差込み片部は、第1の側に突出した突状部である係合用突状部(102)と、差込み片部の蓋部側とは反対側の先端側に突設された第1角部(104)と、第1角部よりも第2の側に形成され、第1角部よりも基端側に形成された第2角部(106)と、係合用突状部と第1角部間に形成され、差込み片部の第2の側にいくほど先端側となるように傾斜して形成された辺部である第1傾斜辺部(100d)と、第1角部と第2角部の間に形成され、差込み片部の第2の側にいくほど基端側となるように傾斜して形成された辺部である第2傾斜辺部(100f)とを有し、係合用突状部と蓋部の先端側の辺部の間には、第3切欠部(K3)が形成され、係合用突状部の第1の側の端部は、左右方向において、第1切欠き構成部の第1の側の端部よりも第1の側にあり、第1角部は、左右方向において、第1切欠き構成部における第2辺部の第1の側の端部から第2の側の端部までの範囲にあるとともに、第1正面部突状部の第1の側の端部から第2の側の端部までの範囲にあり、第2角部は、左右方向において、第2切欠き構成部における第1の側の端部から第2切欠部の第2の側の端部までの範囲にあり、蓋部における先端側の領域で、左右方向において差込み片部が連設された領域には、蓋部を開状態にする際に指を係止する指係止部(110)が設けられ、係合用突状部と正面フラップにおける第1辺部の第1の側に隣接する領域である係合領域(70R)との係合が解除された状態である自然状態では、蓋部は、先端側の辺部が正面側斜め上方を向くように傾斜し、正面フラップは、先端側の辺部が背面側斜め上方を向くように傾斜し、蓋部を閉状態にする際には、第1角部を第1切欠き構成部内に進入させるとともに第2傾斜辺部を第3辺部に当接させた状態で差込み片部を下降させると、第2傾斜辺部が、先端側の辺部が背面側斜め上方を向くように傾斜した正面フラップの第3辺部に当接しながら正面側にスライドして第2切欠き構成部に進入するとともに、第1傾斜辺部が第1辺部に当接し、さらに、差込み片部を下降させて、第1傾斜辺部が第1辺部に当接しながら下降することにより、差込み片部が蓋部の先端側とともに第2の側にスライドしながら下降し、差込み片部の第2の側の領域は第2突状部と第4辺部の間の隙間に進入し、係合用突状部が第1辺部を通過すると、蓋部の先端側が第2の側にスライドする前の状態に復帰することにより、正面フラップにおける該係合領域(70R)が第3切欠部に挿入して、係合用突状部と該係合領域とが係合して、包装箱が閉状態でロックされ、包装箱が閉状態でロックされた状態では、第1正面部突状部の少なくとも一部の背面側と第2正面部突状部の少なくとも一部の背面側に差込み片部が位置し、包装箱が閉状態でロックされた状態から蓋部を開状態にする際には、指係止部に指を掛止させて、第2の側に蓋部の先端側をスライドさせることにより、差込み片部が第2の側に移動して、係合用突状部と該係合領域の係合が解除され、蓋部が自然状態に復帰しようとすることにより蓋部の先端側の辺部が上方に回動することを特徴とする。
【0027】
第9の構成においては、蓋部を横方向にスライドさせるのみで、包装箱のロックを解除させることができ、ロックが解除されたら蓋部が自然状態に復帰しようとすることにより蓋部の先端側の辺部が上方に回動するので、小さな力でも容易に蓋部を開けることができる。
【0028】
また、蓋部を閉状態にする際に、差込み片部と蓋部の先端側の辺部を横方向にスライドさせることにより歪んだ包装箱が復帰する力を利用して、係合用突状部と係合領域を係合させるので、差込みフラップを下降させるのみで自然にロックが行われ、よって、蓋部の閉状態を確実に維持させることができる。また、第1切欠き構成部は幅広に形成されているので、先端側角部を容易に第1切欠き構成部に挿入させることができる。
【0029】
また、第1突状部が設けられているので、第2傾斜辺部を第3辺部に当接させた状態で差込み片部を正面側にスライドさせた場合に、第1角部が第1突状部に接触して、正面部側へのスライドが遮られるので、確実に差込み片部を第2切欠き構成部内に進入させることができる。
【0030】
また、第2切欠部が設けられているので、第2傾斜辺部や第2角部が第2切欠き構成部内に入り込む際に、正面部の上辺に引っ掛かって第2切欠き構成部に入りにくくなることがない。
【0031】
また、第2角部は、左右方向において、第2切欠き構成部における第1の側の端部から第2切欠部の第2の側の端部までの範囲にあるので、第2角部が切欠部(K2)の位置に到達した際には、左右方向において、第4辺部の第1の側の端部から第2切欠部の第2の側の端部までの範囲にあり、第2角部が第2切欠き構成部内に入り込む際に、正面部の上辺に引っ掛かって第2切欠き構成部に入りにくくなることがない。
【0032】
また、第2傾斜辺部が、差込み片部の第2の側にいくほど基端側となるように傾斜して形成されているので、第3辺部に当接しやすく、第3辺部に沿って正面側にスライドさせやすくすることができる。
【0033】
また、第3辺部が、第2の側にいくほど正面フラップの基端側となるように左右方向に対して傾斜しているので、第2傾斜辺部が第3辺部に沿ってスライドする際に、第3辺部と第4辺部の角部に第2傾斜辺部が引っ掛かるのを防止でき、差込み片部を第2切欠き構成部に導きやすい。
【0034】
また、
第10には、上記
第8又は第9までのいずれかの構成において、指係止部が、蓋部に形成された開口部又は蓋部から差込み片部にかけて形成された開口部であることを特徴とする。
【0035】
また、以下の構成としてもよい。すなわち、
第11には、上記第1から
第10までのいずれかの構成において、差込み片部が蓋部の左右方向の略中央に設けられ、また、指係止部が左右方向の略中央に設けたことを特徴とする。これらを中央付近に設けることにより、蓋部の係合が左右方向においてバランスよく、蓋部の左右の一方だけが大きくめくりあがり易いということがない。
【発明の効果】
【0036】
本発明に基づく包装箱によれば、差込み片部(100f)を開口部(K)内に安定してスライド嵌合可能に設けることにより、蓋部(90)を正面フラップ(70)に確実に固定することができ、差込み片部(100)を開口部(K)に対してスライドさせて嵌合・嵌合解除を可能とすることにより、蓋部(90)の開閉を小さな力でも容易に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明においては、蓋部の先端に回動自在に連設された差込み片部を正面部の開口部に差し込むことにより包装箱を閉じる包装箱において、簡単な動作で蓋部を閉じて確実に固定し、また簡単な動作で蓋部を開けることのできる包装箱を提供するという目的を以下のようにして実現した。
【0039】
本発明に基づく包装箱Aは、
図1〜
図6に示すように構成され、スリーブ状部5と、底面部60と、正面フラップ70と、横フラップ82、84と、蓋部90と、差込み片部100とを有しており、包装箱Aは、1枚のシート状のブランク(具体的には、段ボール製(例えば、薄型段ボール製)のブランクであり、厚紙製のブランク等の他の紙製のブランクでもよい)を組み立てることにより形成されている。つまり、包装箱Aは、段ボール材(特に、両面段ボール材)等の紙製の箱である。段ボールにおける断面略波形形状の中芯の段の方向は、
図4における円内に示す方向(Y1−Y2方向)となっている。なお、図面において、Y1−Y2方向は、X1−X2方向に直角な方向を示している。
【0040】
スリーブ状部5は、
図1及び
図4に示すように、包装箱Aの周壁(側面としてもよい)を構成し、方形状の板状の右側面部20と、右側面部20の正面側の辺部から折れ線を介して連設された正面部10と、正面部10の左側面側(第1の側)の辺部から折れ線を介して連設された方形状の板状の左側面部30と、左側面部30の背面側の辺部から折れ線を介して連設され方形状の板状の背面部40と、背面部40の右側面側(第2の側)の辺部から折れ線を介して連設された糊代部50とを有している。
【0041】
正面部10は略方形状を呈し、正面部10の右側面側の辺部と左側面側の辺部とは互いに平行で、正面部10の下辺と正面フラップ70との折れ線C10とは互いに平行に形成されている。なお、折れ線C10は、左側面側の折れ線(第1折れ線)C10aと右側面側の折れ線(第2折れ線)C10bとから構成されている。折れ線C10aと折れ線C10bとは、同一直線上に形成されている。正面部10においては、その上端領域に、突状部(正面部突状部)14a、14bと、切欠部K1とが設けられているが、詳細は後述する。
【0042】
また、
図4に示すように、左側面部30は、右側面部20と略同大同形状に形成されている。また、背面部40は、正面部10と略同大同形状に形成されている。また、糊代部50は、帯状の台形形状に形成されている。糊代部50は、右側面部20の内側の面に接着されている。スリーブ状部5は、糊代部50を右側面部20に接着させることにより、筒状に形成される。
【0043】
また、底面部60は、片部62と、片部64と、片部66と、片部68とを有している。
【0044】
片部62は、右側面部20の下端から折れ線を介して連設され、台形形状(両側の側辺のうち一方の側辺が右側面部20の下辺に対して直角の台形形状)の先端に略方形状を連設した形状を呈している。また、片部64は、正面部10の下端から折れ線を介して連設され、方形状の先端側において略方形状の切欠部を形成した形状を呈している。また、片部66は、左側面部30の下端から折れ線を介して連設され、片部62に対して対称(線対称)の形状を呈している。また、片部68は、背面部40の下端から折れ線を介して連設され、台形形状(両側の側辺が背面部40の下辺に対して傾斜した台形形状)の先端に略方形状を連設した形状を呈している。このような底面部60は、B式底組みタイプと呼ばれていて、アメリカンロック又は地獄底とも呼ばれている。
【0045】
また、正面フラップ70は、
図2及び
図3に示すように、正面部10の上端から連設されている。正面フラップ70は、正面部10の上端から折れ線を介して連設され、台形形状(両側の側辺のうち背面側の側辺が右側面部20の下辺に対して直角の台形形状)を呈している。正面フラップ70には、正面側の端部領域に横長の切欠部K2が設けられているが、詳細は後述する。正面部10と正面フラップ70との連設部位には、開口部Kが形成されていて、開口部Kは、切欠部K1と切欠部K2とから構成されている。
【0046】
正面フラップ70は、自然状態(外部から力を加えていない状態で、具体的には、突状部102と係合領域70Rの係合が解除された状態)で、ブランク(例えば、紙)の復元しようとする力により、正面部10に対して斜め上方(背面側斜め上方)に傾斜している(
図1、
図2、
図7、
図12参照)。なお、
図3は、正面フラップ70を正面部10に対して直角にした状態における正面フラップ70と正面部10の要部平面図である。
【0047】
横フラップ82は、左側面部30の上端から折れ線を介して連設され、台形形状(両側の側辺のうち背面側の側辺が左側面部30の下辺に対して直角の台形形状)を呈している。横フラップ82の左側面部30の上端から反対側の辺部までの長さは、正面部10や背面部40の上下方向の長さの1/2以下の長さに形成されている。
【0048】
横フラップ84は、右側面部20の上端から折れ線を介して連設され、台形形状(両側の側辺のうち背面側の側辺が右側面部20の下辺に対して直角の台形形状)を呈している。横フラップ84の右側面部20の上端から反対側の辺部までの長さは、正面部10や背面部40の上下方向の長さの1/2以下の長さに形成されている。
【0049】
なお、横フラップ82と横フラップ84と正面フラップ70とで上面部80が構成される。
【0050】
また、蓋部90は、背面部40の上端の辺部から折れ線を介して連設されている。蓋部90は、略方形状の板状を呈し、左右方向の長さは背面部40の左右方向の長さと略同一であり、背面部40の上端の辺部から反対側の辺部までの長さは、右側面部20や左側面部30の横方向の長さと略同一となっている。
【0051】
なお、蓋部90は自然状態(外部から力を加えていない状態で、具体的には、突状部102と係合領域70Rの係合が解除された状態)では、ブランク(例えば、紙)の復元しようとする力により、水平方向(スリーブ状部5の上辺の方向)に対して傾斜した状態となり、
図7、
図12に示すように、差込み片部100の先端と正面部10の上端(突状部14a、14bの上端)との間に間隔が形成された状態となり、また、蓋部90の内側の面と自然状態で背面側斜め上方を向く正面フラップ70の先端との間にも間隔が形成された状態となる。
【0052】
また、差込み片部100は、蓋部90の先端側の辺部90aから折れ線C100を介して連設されている。また、蓋部90の先端側の領域と差込み片部100の蓋部90側の領域には、開口部(指係止部)110が形成されている。つまり、折れ線C100は、辺部90aの一部と一致している。差込み片部100と開口部110の詳細については後述する。
【0053】
次に、正面部10における突状部14a、14b及び切欠部K1について詳述する。正面部10においては、正面フラップ70との折れ線C10a、C10b間に、2つの突状部14a、14bと、突状部(第1正面部突状部)14aと突状部(第2正面部突状部)14b間に横長に形成された切欠部K1が設けられている。
【0054】
すなわち、折れ線C10aの右側面側の端部位置からは、上下方向(折れ線C10aと直角方向)に短く形成された直線状の辺部10aと、辺部10aの上端から連設され、左右方向(折れ線C10の方向と平行な方向)に形成された直線状の辺部10bと、辺部10bの右側面側の端部から連設され、切欠部K1を形成する辺部10cと、辺部10cの右側面側の端部から連設され、左右方向(折れ線C10の方向と平行な方向)に形成された直線状の辺部10dと、辺部10dの右側面側の端部から連設され、上下方向(折れ線C10bと直角方向)に形成された直線状の辺部10eが形成され、辺部10eの右側面側の端部は、折れ線C10bの左側面側の端部位置に形成されている。
【0055】
ここで、辺部10aは、折れ線C10aの右側面側の端部から下方に形成された切込みJ1により形成された部分と、切込みJ1により形成された部分の延長線上に上方に形成された部分とを有し、全体に上下方向に短く形成されている。
【0056】
辺部10bは、切欠部K2aを構成する辺部70bよりも左右方向に短く形成され、辺部70bの左右方向の長さの略2/3程度の長さに形成されている。
【0057】
辺部10cは、辺部10bの右側面側の端部から連設された直線状の辺部(傾斜辺)12aと、辺部12aの右側面側の端部(下端)から連設された略円弧状の辺部12bと、辺部12bの右側面側の端部(下端)から連設され、左右方向(折れ線C10の方向と平行な方向)に形成された直線状の辺部12cと、辺部12cの右側面側の端部から連設された略円弧状の辺部12dと、辺部12dの右側面側の端部(上端)から連設された直線状の辺部(傾斜辺)12eとを有している。
【0058】
ここで、辺部12aは、右側面側にいくに従い下方となるように折れ線C10の方向に対して傾斜しており、また、辺部12eは、右側面側にいくに従い上方となるように折れ線C10の方向に対して傾斜している。辺部12aの折れ線C10の方向に対する角度(鋭角)は、辺部12eの折れ線C10の方向に対する角度(鋭角)よりも若干小さく形成されている。辺部12cの左右方向の長さは、差込み片部100(後述)の辺部100fの左右方向の幅よりも僅かに小さく形成されている。
【0059】
辺部12bは、辺部12aと辺部12c間のアールを形成し、辺部12dは、辺部12cと辺部12e間のアールを形成している。
【0060】
辺部12cの左右方向の長さは、差込み片部100の辺部100fの左右方向の長さM100fの略3/5に形成されている。
【0061】
辺部10dは、切欠部K2bを構成する辺部70dよりも左右方向に短く形成され、左右方向に辺部70dの長さの略1/3程度の長さに形成されている。また、辺部10dは、辺部10bよりも左右方向に長く形成されている。
【0062】
辺部10eは、折れ線C10bの左側面側の端部から下方に形成された切込みJ2により形成された部分と、切込みJ2により形成された部分の延長線上に上方に形成された部分とを有し、全体に上下方向に短く形成されている。辺部10eは、辺部10aと左右線対称に形成されている。
【0063】
以上のように、折れ線C10aと折れ線C10b間には、辺部10a〜10eが形成され、辺部10a、10bにより突状部14aが形成され、辺部10e、10dにより突状部14bが形成され、突状部14aと突状部14bの間には、横長の略台形形状の切欠部K1が形成されている。
【0064】
なお、切欠部K1の左右方向の長さ(辺部10cの左側面側の端部から右側面側の端部間の長さ)は、
次に、正面フラップ70の切欠部K2について詳述する。正面フラップ70においては、正面部10との折れ線C10a、C10b間に、切欠部K2が形成されている。
【0065】
切欠部K2は、正面視において左寄りの切欠部(第1切欠き構成部)K2aと、切欠部K2aより連設され切欠部K2の右寄りに形成された切欠部(第2切欠き構成部)K2bから構成されている。切欠部K2aはその左右方向の長さMK2aが切欠部K2全体の左右方向の長さMK2の略1/4に形成されている。また、切欠部K2bはその左右方向の長さMK2bが切欠部K2全体の左右方向長さMK2の略3/4に形成されている。つまり、切欠部K2aの左右方向の長さMK2aは、切欠部K2bの左右方向の長さMK2bよりも短く形成されている。また、正面フラップ70の前後方向(正面フラップ70の先端と基端間の方向で、折れ線C10に対して直角の方向)における切欠部K2bの長さは、正面フラップ70の前後方向における切欠部K2aの長さの略1/3に形成されている。そして、切欠部K2の左右方向の長さMK2は、後述する差込み片部100の左右方向の長さM100(最大長さ(すなわち、辺部100iと辺部100c間の長さ)より若干長く形成されている。これにより、差込み片部100を切欠部K2に挿入することができる。
【0066】
すなわち、折れ線C10aの右側面側の端部位置からは、前後方向に形成された直線状の辺部(第1端部辺部、第1辺部)70aと、辺部70aの背面側(正面フラップ70の先端側)の端部から連設され、折れ線C10の方向と平行に右側面側に向けて形成された直線状の辺部(左右方向辺部、第2辺部)70bと、辺部70bの右側面側の端部から連設され、斜め正面側(正面側は正面フラップ70の基端側である)に形成された直線状の辺部(第3辺部)70cと、辺部70cの右側面側の端部から連設され、折れ線C10の方向と平行に形成された直線状の辺部(左右方向辺部、第4辺部)70dと、辺部70dの右側面側の端部から正面側に折れ線C10の方向に対して直角方向に形成された辺部(第2端部辺部、第5辺部)70eとが形成され、辺部70aは、折れ線C10aの右側面側の端部と連設され、辺部70eは、折れ線C10bの左側面側の辺部と連設されている。
【0067】
ここで、辺部70aの長さは、辺部70eよりも長く形成され(具体的には、辺部70aの長さは、差込み片部100の厚みの略4倍に形成されている)、切欠部K2aの前後方向の長さ(第1の幅)NK2aは、切欠部K2bの前後方向の長さ(第2の幅)NK2bよりも長く形成されている(具体的には、長さNK2aは、長さNK2bの略3倍に形成されている)。よって、切欠部K2aには、差込み片部100の角部104を挿入しやすくなっている。また、長さNK2bは、差込み片部100の厚みよりも長く形成されている。長さNK2aと長さNK2bは、正面フラップ70の先端と基端間の方向で左右方向に対する直角方向である先端基端間方向の幅である。
【0068】
また、切欠部K2aにおいて、長さMK2aは、長さNK2aの略3.5倍に形成され、また、切欠部K2bにおいて、長さMK2bは、長さNK2bの略36倍に形成されている。
【0069】
正面フラップ70を正面部10に対して背面側に直角に折り曲げた状態では、
図3に示すように、切欠部K2は、平面視において、正面側が直線状に形成され、前後方向には、切欠部K2aが、切欠部K2bよりも幅広に形成されている。
【0070】
また、辺部70cの左側面側の端部(辺部70b側の端部)70cLは、辺部10cの左側面側の端部(辺部12aの左側面側の端部)10cLよりも右側面側にあり、辺部70cの左側面側の端部70cLは、辺部12cの左側面側の端部12cLと左右方向に同一の位置(略同一の位置としてもよい)に形成されている。これにより、切欠部K2aの領域と切欠部K1の領域とが左右方向において重なっており、これにより、切欠部K2aに差込み片部100の角部104を挿入しやすくなっている。辺部70cは、第2の側にいくほど正面フラップの基端側となるように左右方向に対して傾斜している。
【0071】
また、包装箱Aの展開状態では、正面部10の辺部10bと正面フラップ70の辺部70bは互いに平行に間隔を介して対向して形成され、正面部10における辺部12aと正面フラップ70における辺部70cとは互いに略平行に間隔を介して対向して形成され、正面部10における辺部12cと正面フラップ70における辺部70dは互いに略平行に間隔を介して対向して形成され、正面部10における辺部10bと正面フラップ70における辺部70dとは、直線状の切込みJ3を介して隣接している。
【0072】
次に、差込み片部100及び開口部110について詳述する。差込み片部100は、その先端の辺部100fが蓋部90の上端の辺部に対してやや傾斜した略台形状に形成されている。
【0073】
差込み片部100は、蓋部90の先端側の辺部90aにおける左右方向の略中央領域に設けられている(少なくとも蓋部90の辺部90aの左右方向の中央位置は、差込み片部100の左右方向における左側面側の端部から右側面側の端部までの範囲にある)。
【0074】
また、差込み片部100は、辺部90aに対して直角に形成された直線状の辺部100aと、辺部100aの辺部90aとは反対側の端部から連設され、左側面側(
図4では右側)で辺部90aの方向に対して傾斜した方向に形成された直線状の辺部100bと、辺部100bの辺部100aとは反対側の端部から連設された略円弧状の辺部100cと、辺部100cの辺部100bとは反対側の端部から連設され、右側面側(
図4では左側)で辺部90aの方向に対して傾斜した方向に形成された直線状の辺部(傾斜辺部、第1の側形成辺部)100dと、辺部100dの辺部100cとは反対側の端部から連設された略円弧状の辺部100eと、辺部100eの辺部100dとは反対側の端部から連設され、右側面側(
図4では左側)で辺部90aの方向に対して傾斜した方向に形成された直線状の辺部(第2の側形成辺部)100fと、辺部100fの辺部100eとは反対側の端部から連設された略円弧状の辺部100gと、辺部100gの辺部100fとは反対側の端部から連設され、右側面側(
図4では左側)で辺部90aの方向に対して傾斜した方向に形成された直線状の辺部100hと、辺部100hの辺部100gとは反対側の端部から連設され、辺部90aに対して直角に形成された直線状の辺部100iとを有している。
【0075】
辺部100bは、辺部100a側から辺部100c側にいくに従い(つまり、左側面側にいくに従い)辺部90aとの距離が長くなるように、辺部90aに対して傾斜している。また、辺部100dは、辺部100c側から辺部100e側にいくに従い(つまり、右側面側にいくに従い)辺部90aとの距離が長くなるように、辺部90aに対して傾斜している。また、辺部100fは、辺部100e側から辺部100g側にいくに従い(つまり、右側面側にいくに従い)辺部90aとの距離が短くなるように、辺部90aに対して傾斜している。また、辺部100hは、辺部100g側から辺部100i側にいくに従い(つまり、右側面側にいくに従い)辺部90aとの距離が短くなるように、辺部90aに対して傾斜している。
【0076】
また、辺部100cは、辺部100bと辺部100dの角部にアールを形成しており(辺部100bは辺部100cの辺部100b側の端部における接線をなし、辺部100dは辺部100cの辺部100d側の端部における接線をなす)、辺部100eは、辺部100dと辺部100fの角部にアールを形成しており(辺部100dは辺部100eの辺部100d側の端部における接線をなし、辺部100fは辺部100eの辺部100f側の端部における接線をなす)、辺部100gは、辺部100fと辺部100hの角部にアールを形成している(辺部100fは辺部100gの辺部100f側の端部における接線をなし、辺部100hは辺部100gの辺部100h側の端部における接線をなす)。
【0077】
ここで、辺部100aの長さN100aは、差込み片部100を蓋部90に対して直角に折曲した状態(蓋部90の内側に向けて折曲した状態)で、蓋部90の内側の面と辺部100b間に正面フラップ70の辺部70aの左側面側の領域が挿入できるだけの長さに形成されている。
【0078】
また、辺部100aと辺部100bと辺部90a(特に辺部90aにおける辺部100bと対向した部分)とにより切欠部(係合用切欠部)K3が形成されている。この切欠部K3は、その開口側が奥側よりも幅広となるように形成され、辺部100bの左右方向の長さM100b(切欠部K3の左右方向の長さとしてもよい)は、差込み片部100の左右方向の長さM100の略1/6に形成されている。
【0079】
また、差込み片部100には、辺部100bと辺部100cと辺部100dとにより左側面側に突出した突状部(係合用突状部)102が設けられている。突状部102は、差込み片部100において辺部100aよりも左側面側の部分である。辺部100bと辺部100dは、鋭角(具体的には、略50〜60度)の角度をなしている。なお、辺部100dは、辺部90aの方向に対しては略45度の角度をなしている。
【0080】
また、差込み片部100には、辺部100eの位置が角部(先端側角部)104となり、角部104は、辺部100dと辺部100f間の角部であるといえる。角部104は、差込み片部100の先端側(蓋部90側とは反対側)の斜め左側面側に突出している。辺部100dと辺部100eは、鈍角(具体的には、120〜140度(好適には、125〜135度))の角度をなしている。
【0081】
また、差込み片部100には、辺部100gの位置が角部106となり、角部106は、辺部100fと辺部100h間の角部であるといえる。角部106は、差込み片部100の先端側の斜め右側面側に突出している。辺部100fと辺部100hは、鈍角(具体的には、125〜145度(好適には、130〜140度))の角度をなしている。
【0082】
辺部100fの左右方向の長さM100fは、辺部70aから辺部10cの右側面側の端部10cRまでの左右方向における長さM10よりも短く形成されている。
【0083】
また、辺部100hの左右方向に対する角度は、35〜55度(好適には、40〜50度)となっている。
【0084】
また、蓋部90には辺部100aと辺部100iの延長線上に短い切込みが形成され、これにより、差込み片部100が蓋部90に対して十分折り曲がるようになっている。
【0085】
また、左右方向の位置関係としては(つまり、蓋部90の左側面側の辺部の左右方向の位置を正面部10の左側面側の辺部の左右方向の位置に一致させ、蓋部90の右側面側の辺部の左右方向の位置を正面部10の右側面側の辺部の左右方向の位置に一致させた場合の左右方向の位置関係)、
図6に示すように以下のようになる。すなわち、辺部100aの位置は、辺部70aに一致(略一致でもよい)し、突状部102は、辺部70aよりも左側面側に位置する。また、角部104は、切欠部K2aの領域(左右方向の領域)に位置し(つまり、蓋部90を閉じる方向に回動させて、差込み片部100を切欠部K2に向けて下降させると、角部104が切欠部K2a内に入り込む)、角部106は、切欠部K1の領域(左右方向の領域)における右側領域に位置する。また、辺部70aの位置は、辺部100dにおける辺部100c側の端部から辺部100e側の端部までの途中位置(辺部100dにおける左右方向の中間位置よりも右側面側の位置)となる。
【0086】
また、開口部110は、左右方向には、差込み片部100の領域(具体的には、左右方向に、辺部100aから辺部100iまでの領域)に形成されている。つまり、開口部110は、蓋部90の先端側の辺部90aにおける左右方向の略中央領域に設けられている(少なくとも蓋部90の辺部90aの左右方向の中央位置は、開口部110の左右方向における左側面側の端部から右側面側の端部までの範囲にある)。
【0087】
また、開口部110は、包装箱Aの展開状態では、方形状(略方形状としてもよい)に形成されている。すなわち、開口部110は、蓋部90に形成された切欠部110aと差込み片部100に形成された切欠部110bとにより形成され、切欠部110aは、方形状の切欠部であり(厳密には、切欠部110aの奥側の2つの角部にアールが形成されている)、切欠部110bが、横長長方形状の切欠部であり、切欠部110bの左側面側の辺部は、切欠部110aの左側面側の辺部の延長線上にあり、切欠部110bの右側面側の辺部は、切欠部110aの右側面側の辺部の延長線上にある。切欠部110aと切欠部110bとを対向させて開口部110が形成されている。
【0088】
次に、本発明の使用状態について説明する。まず、包装箱Aに被収納物を収納するには、蓋部90を外側に開いた状態にするとともに、正面フラップ70と横フラップ82、84を外側に開いた状態(又は立設した状態)として、包装箱A内に被収納物を収納する。
【0089】
次に、包装箱Aを閉状態にするには、正面フラップ70と横フラップ82、84をスリーブ状部5に対して内側に折り曲げた状態で、蓋部90を正面部10側に回動させ、差込み片部100を蓋部90に対して内側に折曲した状態で、差込み片部100の先端を切欠部K2の上方に位置させ、その後、差込み片部100を切欠部K2に導入する。
【0090】
すると、角部104は、左右方向において、切欠部K2aの領域に対応するので、角部104は切欠部K2aに入り込む。切欠部K2aは、上記のように幅広に形成されているので、角部104を容易に切欠部K2a内に導入させることができる。
【0091】
その後、蓋部90を下方に回動させて差込み片部100を下降させていくと、辺部100fが切欠部K2内に侵入しようとするが(
図8参照)、その際、差込み片部100の辺部100fが辺部70cに当接した場合でも、辺部70cが左右方向に対して傾斜して形成され、辺部70cは幅の狭い切欠部K2bに向かって形成されているので、辺部100fは、この辺部70cに案内されて切欠部K2bに導かれる。特に、正面フラップ70は、実際には、ブランク(例えば、紙)の復元しようとする力により、正面部10に対して斜め上方(背面側斜め上方)に傾斜しており、辺部100fが辺部70cの当接した段階では、正面部10の上端と蓋部90の先端間には間隔が形成されているので、正面フラップ70は斜め上方に傾斜しており、辺部70cも実際には前後方向(左右方向及び上下方向に対する直角の方向)にも斜めに傾斜していて、辺部100fを辺部70cに当接させながら辺部70c沿って下方に(つまり、正面部10側に)スライドさせることにより、幅狭の切欠部K2bに導きやすい。また、辺部70cは、第2の側にいくほど正面フラップの基端側となるように左右方向に対して傾斜しているので、辺部100fが辺部70cに沿ってスライドする際に、辺部70cと辺部70dの角部に辺部100fが引っ掛かるのを防止でき、差込み片部100を切欠部K2に導きやすい。また、辺部100fが辺部70cに沿って正面部10側にスライドさせた場合でも、角部104が突状部14aに接触して、正面部10側へのスライドが遮られるので、確実に辺部100fが切欠部K2に進入する。なお、辺部100fは、辺部90aの方向に対して傾斜しているので、辺部70cに当接しやすく、辺部70cに沿ってスライドしやすい。
【0092】
以上のようにして、差込み片部100の先端は、正面側の面が正面部10の内側の面(特に、突状部14aの内側の面)に位置し、背面側の面が辺部70dの正面側に位置した状態となり(具体的には、差込み片部100の先端は、突状部14aの内側の面に接するとともに、辺部70dの正面側に接する)、その状態で差込み片部100をさらに下降させることにより、角部106が切欠部K2b内に進入していく。角部106は、高さ方向において、切欠部K2の位置に到達した際には、左右方向において、辺部70dの左側面側の端部から切欠部K1の右側面側の端部までの範囲にある。
【0093】
ここで、正面部10には切欠部K1が形成されているので、辺部100fや角部106が切欠部K2b内に入り込む際に、辺部100fや角部106が正面部10の上辺に引っ掛かって切欠部K2bに入りにくくなることがない。
【0094】
つまり、仮に切欠部K1が設けられていない場合には、辺部10cが設けられないので、辺部10dが辺部10bまで形成され、辺部70dの正面側には辺部10d(辺部10bまで伸びた辺部10d)のみが対向して辺部70dの正面側には辺部10dとの間に狭い隙間しか存在しないことになり、差込み片部100の先端が辺部10d(辺部10bまで伸びた辺部10d)に引っ掛かってしまい、辺部70dと辺部10d間に容易には挿入することができない。特に、辺部100fが切欠部K2b内に進入しようとする段階では、差込み片部100は下側が正面側に傾斜しており(つまり、正面部10と平行又は平行に近い状態になっていない)、特に、辺部100fが辺部70cをスライドしながら正面側に移動する際には、差込み片部100の下側が正面側に傾斜しているので、その点でも容易に切欠部K2bに挿入することができない。
【0095】
本実施例では、切欠部K1が設けられているので、辺部100fが切欠部K1における辺部12cの高さ位置に到達する段階では、差込み片部100は正面部10の内側の面に沿った状態(つまり、正面部10と平行又は平行に近い状態)となっているので、差込み片部100は正面部10とほぼ平行になっており、差込み片部100をそのまま下降させても辺部100fや角部106が切欠部K1の辺部(辺部12a〜12c)に引っ掛かることがない。
【0096】
その後、角部106が辺部70dの位置に達した後に、さらに差込み片部100が下降すると、辺部100dが切欠部K2aの左端の辺部70aに当接する。辺部100dは、左右方向に対して辺部100c側が上方となるように傾斜して形成されているので、差込み片部100を下降させるに従い、辺部100dが辺部70aに当接しながら下降し、これにより、差込み片部100が正面部10及び正面フラップ70に対して右側面側にスライドする。差込み片部100が右側面側にスライドするので、蓋部90の先端側の辺部90aも右側面側にスライドし、蓋部90の右側面側の辺部90bは右側面部20の上辺に対して傾斜し、蓋部90の左側面側の辺部90cは左側面部30の上辺に対して傾斜して、包装箱Aの一部が歪むことになる。
【0097】
そして、辺部100dが辺部70aに当接した状態で、差込み片部100が右側面側にスライドしながら下降していき、突状部102が辺部70aを通過すると、包装箱Aが歪んだ状態から復帰しようとして、
図9に示すように、差込み片部100が蓋部90の先端側の辺部90aとともに辺部70aに対して左側面側に移動し、切欠部K3内に正面フラップ70における辺部70aの左側面側に辺部70aに隣接する領域である係合領域70Rが嵌合して、これにより、突状部102が係合領域70Rとが係合して(つまり、差込み片部100と正面フラップ70とが係合する)、包装箱Aが閉状態でロックされた状態となる。包装箱Aが閉状態でロックされた状態では、辺部70aと辺部100aとは接触しており、また、蓋部90の右側面側の辺部90bは右側面部20の上辺と平行な状態に復帰し、蓋部90の左側面側の辺部90cは左側面部30の上辺と平行な状態に復帰する。
【0098】
なお、辺部100bは辺部90aの方向に対して傾斜しており、切欠部K3は、その開口側が奥側よりも幅広となるように形成されているので、辺部70aに隣接する係合領域70Rが切欠部K3に入り込みやすい。
【0099】
また、切欠部K2の左右方向の長さは、差込み片部100の左右方向の長さM100より長く形成されているので、差込み片部100が右側面側にスライドしながら切欠部K2内に入り込む際に支障とはならない。
【0100】
包装箱Aが閉状態でロックされた状態では、突状部14aの背面側と突状部14bの背面側に差込み片部100が位置し、突状部14aの全領域の背面側に差込み片部100が存在し、突状部14bの一部の背面側に差込み片部100が存在している。このように、突状部14a、14bの背面側に差込み片部100が存在するので、包装箱Aの閉状態でロックされた状態を強固に保つことができる。なお、突状部14aの少なくとも一部の背面側と突状部14bの少なくとも一部の背面側に差込み片部100が位置すればよい。
【0101】
次に、包装箱Aが閉状態でロックされた状態から蓋部90を開状態にするには、
図10に示すように、開口部110に指を引っ掛けて、蓋部90を開口部Kに対して右側面側にスライドさせる。すると、突状部102の左側面側の端部が辺部70aの位置まで到達すると(
図11参照)、突状部102と係合領域70Rの係合が解除され(つまり、ロックが解除される)、すると、蓋部90が水平方向に対して傾斜した状態に復帰しようとするので、差込み片部100が開口部Kに対して上昇し、
図12に示すように、差込み片部100が開口部Kから完全に離脱するか、あるいは、
図8に示すように、角部104が突状部14aに接触した状態にまで上昇する。差込み片部100が開口部Kから完全に離脱した場合には、そのまま蓋部90を回動させて開状態とすればよく、また、角部104が突状部14aに接触している場合には、蓋部90を上方に回動させることにより、開口部Kから離脱させることができるので、その後は、蓋部90を回動させて開状態とすればよい。
【0102】
また、正面フラップ70は、その先端が背面側斜め上方になるように復帰しようと回動するので、突状部102と係合領域70Rの係合が解除されると、正面フラップ70が蓋部90を下方から押し上げることにより、蓋部90を回動させることができる。
【0103】
なお、蓋部90や正面フラップ70の復帰力が弱く、突状部102と係合領域70Rの係合を解除するのみでは蓋部90が上昇しない場合には、係合が解除された状態で蓋部90を上方に回動させればよい。
【0104】
なお、開口部110に指を引っ掛けて蓋部90をスライドさせる際に、他方の手は包装箱Aにおける蓋部90と差込み片部100以外の箇所を支持するのが好ましい。その際、正面フラップ70の正面部10側の領域における左右いずれかの角部を他方の指で押さえる場合には、正面フラップ70を押さえている状態では、正面フラップ70は背面側が斜め上方となるように回動できないが、正面フラップ70を押さえる手(他方の手)を正面フラップ70から離すことにより、正面フラップ70が回動して、蓋部90を下方から押し上げることが可能となる。
【0105】
また、辺部100c、100e、100gはアールを構成するので、差込み片部100を開口部K内に差し込む際や、差込み片部100を開口部Kから離脱させる際に、辺部100c、100e、100gが形成されない場合に比べて、開口部Kにおけるいずれかの部位に引っ掛かりにくくすることができ、差込み片部100の開口部Kへの挿脱を円滑に行なうことができる。
【0106】
以上のように、本実施例の包装箱Aによれば、蓋部90を横方向にスライドさせるのみで、包装箱Aのロックを解除させることができ、ロックが解除されたら蓋部90を上方に回動させればよいので、小さな力でも容易に蓋部を開けることができる。
【0107】
また、蓋部90を閉状態にする際に、差込み片部100と蓋部90の先端側の辺部90aを横方向にスライドさせることにより歪んだ包装箱Aが復帰する力を利用して、突状部102と係合領域70Rを係合させるので、差込み片部100を下降させるのみで自然にロックが行われ、よって、蓋部の閉状態を確実に維持させることができる。
【0108】
なお、上記の説明において、開口部Kは、切欠部K1と切欠部K2とにより構成されるとして説明したが、切欠部K1の構成を省略して、切欠部K2のみにより開口部Kを構成してもよい。その場合には、突状部14aと突状部14b間の領域は、突状部14a及び突状部14bの高さと同じ高さの突状部が形成され、
図13に示すように、辺部10aと辺部10e間は辺部10aや辺部10eの延長線により構成され、1つの突状部(正面部突状部)14cが形成され、突状部14cの上辺は、1つの辺部10fにより構成されることになる。このように切欠部K1が形成されていない場合には、上記のような問題点はあるが、突状部102と係合領域70Rの係合と解除は上記のように行なうことができる。
【0109】
また、切欠部K1の構成を省略する場合に、折れ線C10a、C10bから上方に突出した突状部を設けずに、正面部10の上辺で開口部Kに沿った辺部も折れ線C10a、C10bの延長線としてもよい。この場合には、正面部10の上辺は、左側面側の端部から右側面側に端部まで1つの直線状に形成されることになる。
【0110】
また、切欠部K1を設ける場合でも、切欠部K1の左右両側には突状部14a、14bを設けずに、折れ線C10a、C10bの延長線としてもよい。つまり、切欠部K1の左側面側の領域で開口部Kに沿った領域の上辺は、折れ線C10aの延長線上にあり、切欠部K1の右側面側の領域で開口部Kに沿った領域の上辺は、折れ線C10bの延長線上にあることになる。
【0111】
また、上記の説明では、切欠部K2は、幅広の切欠部K2aと幅狭の切欠部K2bとにより構成されるとしたが、
図14に示すように、切欠部K2全体を切欠部K2bの幅で構成してもよい。この場合には、
図3における辺部70dの左側面側の端部を辺部70aまで延長して切欠部K2を辺部70aと辺部70fと辺部70eにより構成する。辺部70fは、
図3における辺部70dと辺部70dを左側面側に延長した辺部である。
【0112】
また、上記の説明において、蓋部90から差込み片部100にかけて開口部110が設けられているとしたが、開口部110を省略した構成として、蓋部90を開ける際には、蓋部90を直接保持してスライドさせるようにしてもよい。また、開口部110の構成を省略するとともに、蓋部90の上面の先端側の領域で、左右方向において差込み片部が連設された領域に他の方形状の片部(例えば、開口部110の形状・大きさの片部)を貼り付けて、突状部を形成し、その突状部を指係止部として、蓋部90を横方向にスライドできる構成としてもよい。
【0113】
また、正面部10と正面フラップ70と蓋部90と差込み片部100の構成は、左右線対称の構成としてもよい。つまり、上記の説明では、左側面側を第1の側とし、右側面側を第2の側として説明したが、左側面側を第2の側とし、右側面側を第1の側としてもよい。その場合には、包装箱Aのロックを解除する際には、蓋部90を左側面側にスライドさせることになる。