特許第6060161号(P6060161)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6060161
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】多入力多出力動作の方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04J 99/00 20090101AFI20161226BHJP
   H04J 11/00 20060101ALI20161226BHJP
   H04J 13/18 20110101ALI20161226BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20161226BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20161226BHJP
   H04B 7/04 20170101ALI20161226BHJP
【FI】
   H04J15/00
   H04J11/00 Z
   H04J13/18
   H04W16/28 130
   H04W72/04 136
   H04B7/04
【請求項の数】14
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2014-526092(P2014-526092)
(86)(22)【出願日】2012年8月10日
(65)【公表番号】特表2014-529227(P2014-529227A)
(43)【公表日】2014年10月30日
(86)【国際出願番号】US2012050301
(87)【国際公開番号】WO2013025486
(87)【国際公開日】20130221
【審査請求日】2014年4月14日
(31)【優先権主張番号】61/522,934
(32)【優先日】2011年8月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510030995
【氏名又は名称】インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャーロック ナイェブ ナザール
(72)【発明者】
【氏名】リー ムン−イル
(72)【発明者】
【氏名】ロバート エル.オレセン
(72)【発明者】
【氏名】マナサ ラガバン
(72)【発明者】
【氏名】ラクシュミ アール.アイェル
(72)【発明者】
【氏名】ブノワ ペレティエール
【審査官】 吉江 一明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−200824(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/057257(WO,A1)
【文献】 Erik Dahlman et al.,4G: LTE/LTE-Advance for Mobile Broadband,英国,Academic Press,2011年 4月26日,pp.152-173
【文献】 Motorola,DM-RS Ports / Scrambling Sequence Design for DL Single Cell MU-MIMO[online], 3GPP TSG-RAN WG1#61 R1-103185,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_61/Docs/R1-103185.zip>,2010年 5月14日,pp.1-5
【文献】 Huawei,Dimensioning LTE-A MU-MIMO[online], 3GPP TSG-RAN WG1#59 R1-094711,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_59/Docs/R1-094711.zip>,2009年11月13日,第2節
【文献】 Huawei,DCI discussion on transparent MU-MIMO[online], 3GPP TSG-RAN WG1#61 R1-103103,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_61/Docs/R1-103103.zip>,2010年 5月14日,第2節
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 99/00
H04B 7/04
H04J 11/00
H04J 13/18
H04W 16/28
H04W 72/04
IEEE Xplore
CiNii
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多入力多出力(MIMO)伝送のための方法であって、前記方法は、
無線送信/受信ユニット(WTRU)が、eノードBから複数のダウンリンク伝送マルチユーザMIMOの複数のWTRUに送信される複数の空間レイヤで受信することであって、前記複数のダウンリンク伝送の少なくとも1つは、前記WTRUによる受信のために使用される2つの空間レイヤの少なくとも1つで受信される、ことと、
前記WTRUが、前記ダウンリンク伝送に対応する少なくとも1つのWTRU固有の参照信号を受信することと、
前記WTRUが、前記WTRUについての前記少なくとも1つの対応するWTRU固有の参照信号に基づいて前記ダウンリンク伝送を復号することと
を備え、
リソース要素は、リソースブロックに割り当てられ、前記リソースブロックは、前記複数のWTRUのWTRU固有の参照信号および前記ダウンリンク伝送を含み、異なるサブグループのアンテナポートのWTRU固有の参照信号が、周波数領域における異なるサブキャリアに多重化され、同じサブグループのアンテナポートの前記WTRU固有の参照信号はそれぞれ、時間領域における異なる直交カバーコードが適用され、
前記ダウンリンク伝送のために使用されるリソース要素は、1つのサブグループにおける前記eノードBの少なくとも1つのアンテナポートで前記WTRUについての前記少なくとも1つのWTRU固有の参照信号に割り当てられたリソース要素の周辺でレートマッチングされ、かつ別のサブグループにおける前記eノードBの少なくとも1つのアンテナポートで少なくとも別のWTRUについての少なくとも1つのWTRU固有の参照信号に割り当てられたリソース要素の周辺でレートマッチングされ、少なくとも別のWTRUについての前記少なくとも1つのWTRU固有の参照信号に割り当てられた前記リソース要素はミュートされる、方法。
【請求項2】
前記WTRUは、前記ミュートされたリソース要素ではどのデータも前記WTRUに送信されないと仮定した上で前記ダウンリンク伝送を復号する、請求項1の方法。
【請求項3】
4つのアンテナポートは、8つのレイヤまでサポートするために使用される、請求項1の方法。
【請求項4】
前記WTRUは、前記WTRU間の空間相関に基づいてマルチユーザMIMOのペアにされる、請求項1の方法。
【請求項5】
前記WTRUに割り当てられる帯域幅は、マルチユーザMIMOの別のWTRUに割り当てられる帯域幅とは異なる、請求項1の方法。
【請求項6】
前記WTRUは、マルチユーザMIMOの前記複数のWTRU間の最大帯域幅に関する情報を受信する、請求項5の方法。
【請求項7】
前記WTRUは、マルチユーザMIMOの別のWTRUに割り当てられる帯域幅が異なるという条件で、スクランブルシーケンスを前記WTRU固有の参照信号に適用しない、請求項6の方法。
【請求項8】
無線送信/受信ユニット(WTRU)であって、
eノードBから複数のダウンリンク伝送をマルチユーザMIMOの複数のWTRUに送信される複数の空間レイヤで受信するように構成されたレシーバであって、前記複数のダウンリンク伝送の少なくとも1つは、前記WTRUによる受信のために使用される2つの空間レイヤの少なくとも1つで受信される、レシーバと、
前記ダウンリンク伝送に対応する少なくとも1つのWTRU固有の参照信号を受信するように構成された前記レシーバと、
前記WTRUについての前記少なくとも1つの対応するWTRU固有の参照信号に基づいて前記ダウンリンク伝送を復号するように構成されたプロセッサと
を備え、
リソース要素は、リソースブロックに割り当てられ、前記リソースブロックは、前記複数のWTRUのWTRU固有の参照信号および前記ダウンリンク伝送を含み、異なるサブグループのアンテナポートのWTRU固有の参照信号が、周波数領域における異なるサブキャリアに多重化され、同じサブグループのアンテナポートの前記WTRU固有の参照信号はそれぞれ、時間領域における異なる直交カバーコードが適用され、
前記ダウンリンク伝送のために使用されるリソース要素は、1つのサブグループにおける前記eノードBの少なくとも1つのアンテナポートで前記WTRUについての前記少なくとも1つのWTRU固有の参照信号に割り当てられたリソース要素の周辺でレートマッチングされ、かつ別のサブグループにおける前記eノードBの少なくとも1つのアンテナポートで少なくとも別のWTRUについての少なくとも1つのWTRU固有の参照信号に割り当てられたリソース要素の周辺でレートマッチングされ、少なくとも別のWTRUについての前記少なくとも1つのWTRU固有の参照信号に割り当てられた前記リソース要素はミュートされる、WTRU。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記ミュートされたリソース要素ではどのデータも前記WTRUに送信されないと仮定した上で前記ダウンリンク伝送を復号するように構成される、請求項8のWTRU。
【請求項10】
4つのアンテナポートは、8つの空間レイヤまでサポートするために使用される、請求項8のWTRU。
【請求項11】
前記WTRUは、前記WTRU間の空間相関に基づいてマルチユーザMIMOのペアにされる、請求項8のWTRU。
【請求項12】
前記WTRUに割り当てられる帯域幅は、マルチユーザMIMOの別のWTRUに割り当てられる帯域幅とは異なる、請求項8のWTRU。
【請求項13】
前記プロセッサは、マルチユーザMIMOの前記複数のWTRU間の最大帯域幅に関する情報を受信するように構成される、請求項12のWTRU。
【請求項14】
前記プロセッサは、マルチユーザMIMOの別のWTRUに割り当てられる帯域幅が異なるという条件で、スクランブルシーケンスを前記WTRU固有の参照信号に適用しないように構成される、請求項13のWTRU。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、多入力多出力動作の方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2011年8月12日に出願された米国特許仮出願第61/522934号明細書の利益を主張し、その開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
LTE−A(Long Term Evolution Advanced)における閉ループプリコーディング方式は、データのカバレッジを改善するためにWTRU(無線送信/受信ユニット)固有の参照信号を使用してダウンリンクで8送信アンテナ構成までサポートするように拡張されている。WTRU固有の復調参照信号(DM RS)は、データと同じやり方でプリコードされているので、非コードブックベースのプリコーディングを適用できる。
【0004】
LTEリリース10におけるDM RSポートの直交性は、符号分割多重化(CDM)と周波数分割多重化(FDM)との組み合わせを使用して実現される。図17は、アンテナポート7、8、9、および10の標準の循環プリフィックスの従来のWTRU固有の参照信号パターンを示している。各サブフレームの1レイヤ当たり計12のリソース要素(RE)が使用されている。2つのCDMグループは、周波数領域における異なるサブキャリアを占有する。LTEリリース10において、アンテナポート7、8、11、および13は、CDMグループ1に属し、アンテナポート9、10、12、および14は、CDMグループ2に属する。ランク1からランク4までは、長さ2をもつ直交カバーコード(OCC)は、各スロットの2つの隣接REに適用され、一方、ランク5からランク8までは、長さ4をもつOCCは、サブフレーム内の連続REから成る2つのグループに適用される。
【0005】
WTRUは、割り当てられたDM RSのアンテナポート(複数)、スクランブル識別子、およびダウンリンク制御情報(例えば、表1に示しているように、DCIフォーマット2Cにおける3ビットフィールド)を介したレイヤ数に関する情報を受信する。nSCIDは、アンテナポート7および8のスクランブル識別子である。
【0006】
【表1】
【0007】
LTEリリース10において、マルチユーザ多入力多出力(MU−MIMO)動作は、4つのレイヤまでを同じ周波数−時間リソースに同時スケジュールすることができる。このスケジュールは、2つのスクランブルシーケンス、nSCID={0,1}(表1の影付きの行)を有する2つの直交DM RSアンテナポート(アンテナポート7および8)のレイヤを多重化することによって達成される。
【発明の概要】
【0008】
MIMO(多入力多出力)伝送の方法および装置を開示する。WTRU(無線送信/受信ユニット)は、マルチユーザMIMOのペアである複数のWTRUに送信される複数の空間レイヤを含むeノードBからダウンリンク伝送を受信する。WTRUは、WTRU固有の参照信号に基づいてダウンリンク伝送を復号する。複数のWTRUのWTRU固有の参照信号をダウンリンク伝送に多重化して、異なるサブグループのアンテナポートのWTRU固有の参照信号が周波数領域における異なるサブキャリアに多重化され、同じサブグループのアンテナポートのWTRU固有の参照信号が時間領域における直交カバーコードに適用される。1つのサブグループのアンテナポートでWTRU固有の参照信号を伝送するために使用されるリソース要素は、別のサブグループのアンテナポートでミュートできる。WTRUは、ミュートされたリソース要素ではどのデータもWTRUに送信されないと仮定した上でダウンリンク伝送を復号できる。
【0009】
2つのスクランブルシーケンスを有する4つのアンテナポートを使用して、8(8つの)空間レイヤまでサポートできる。WTRUに割り当てられる帯域は、マルチユーザMIMOのペアであるWTRUに割り当てられる帯域とは異なる場合がある。この場合、マルチユーザMIMOのペアであるWTRUの最大帯域幅に関する情報をWTRUに提供できる。
【0010】
別の実施形態において、WTRUは、プリコーディングせずにアップリンクの復調参照信号を送信できる。
【0011】
別の実施形態において、アップリンクの復調参照信号に割り振られるリソースブロックの数は、ペイロードに割り振られるリソースブロックの数よりも多くすることができる。
【0012】
別の実施形態において、複数のWTRUからのアップリンクの復調参照信号は、周波数領域において多重化できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
添付図面とともに例として与えられた以下の説明からより詳細な理解が得られる。
図1A】開示されている1または複数の実施形態を実装できる例示的な通信システムのシステム図である。
図1B図1Aに示した通信システムで使用できる例示的なWTRU(無線送信/受信ユニット)のシステム図である。
図1C図1Aに示した通信システムで使用できる例示的な無線アクセスネットワークおよび例示的なコアネットワークのシステム図である。
図2】WTRUを2つの符号分割多重化(CDM)グループに分割した例を示す図である。
図3】8レイヤまでのMU−MIMO動作をミュートする復調参照信号(DM RS)の例を示す図である。
図4】繰り返しファクタ(RPF)を2として多重化される異なる数のリソースブロックを有する2つのWTRUの例示的なDM RSを示す図である。
図5】繰り返しファクタ(RPF)を3として多重化される同じ数のリソースブロックを有する3つのWTRUの例示的なDM RSを示す図である。
図6A】DM RSに対して相対周波数シフトを用いた例を示す図である。
図6B】DM RSに対して相対周波数シフトを用いた例を示す図である。
図7A】従来の方法に従った、MU−MIMOユーザへのDM RSのリソース割り当てを示す図である。
図7B】一実施形態に従った、MU−MIMOユーザへのDM RSのリソース割り当ての例を示す図である。
図8】一実施形態に従った、DM RSの例示的なリソース割り当ておよび物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)ペイロードを示す図である。
図9】PUSCHの従来のアップリンクDM RS構造を示す図である。
図10】レガシーDM RSと付加的なDM RSとの組み合わせとして定義されるPUSCHのDM RS構造の例を示す図である。
図11】長さ4をもつOCCマッピングを有する例示的なアップリンク(UL)DM RS構造を示す図である。
図12】付加的なDM RSのインターレース割り当てを有する例示的なUL DM RS構造を示す図である。
図13A】一実施形態に従った、2つの例示的なDM RSパターンを示す図である。
図13B】一実施形態に従った、2つの例示的なDM RSパターンを示す図である。
図14A】周波数領域においてそれぞれ異なるシフトを有するDM RSの異なるパターンを示す図である。
図14B】周波数領域においてそれぞれ異なるシフトを有するDM RSの異なるパターンを示す図である。
図15】DM RSの長さ4をもつOCCマッピングの例を示す図である。
図16】優先度に従った例示的なアップリンク制御情報(UCI)の多重化を示す図である。
図17】アンテナポート7、8、9、および10の標準の循環プリフィックスの従来のWTRU固有の参照信号パターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1Aは、開示された1または複数の実施形態を実装できる例示的な通信システム100の図である。通信システム100は、音声、データ、ビデオ、メッセージング、ブロードキャストなどのコンテンツを複数の無線ユーザに提供する多元接続システムにすることができる。通信システム100は、無線帯域幅を含むシステムリソースの共有を通じて、複数の無線ユーザがそのようなコンテンツにアクセスすることを可能にする。例えば、通信システム100は、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交FDMA(OFDMA)、単一キャリアFDMA(SC−FDMA)などの、1または複数のチャネルアクセス方法を用いることができる。
【0015】
図1Aに示しているように、通信システム100は、WTRU(無線送信/受信ユニット)102a、102b、102c、102dと、無線アクセスネットワーク(RAN)104と、コアネットワーク106と、公衆交換電話網(PSTN)108と、インターネット110と、他のネットワーク112とを含むことができるが、開示された実施形態は、任意の数のWTRU、基地局、ネットワーク、および/またはネットワーク要素も企図していることが認識されよう。WTRU102a、102b、102c、102dのそれぞれは、無線環境で動作および/または通信するように構成された任意のタイプのデバイスにすることができる。例として、WTRU102a、102b、102c、102dを無線信号を送信および/または受信するように構成でき、ユーザ機器(UE)、移動局、固定式または移動式加入者ユニット、ページャ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、ラップトップ、ネットブック、パーソナルコンピュータ、無線センサ、家電製品などを含むことができる。
【0016】
通信システム100は、基地局114aおよび基地局114bを含むこともできる。基地局114a、114bのそれぞれは、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの少なくとも1つとワイヤレスにインタフェースして、コアネットワーク106、インターネット110、および/またはネットワーク112などの、1または複数の通信ネットワークへのアクセスを容易にするように構成された任意のタイプのデバイスにすることができる。例として、基地局114a、114bは、ベーストランシーバ基地局(BTS)、ノードB、eノードB、ホームノードB、ホームeノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、無線ルータなどにすることができる。基地局114a、114bはそれぞれ、単一要素として示されているが、基地局114a、114bは、相互接続された任意の数の基地局および/またはネットワーク要素を含むことができることが認識されよう。
【0017】
基地局114aをRAN104の一部にすることができ、RANは、基地局コントローラ(BSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、中継ノードなどの、他の基地局および/またはネットワーク要素(図示せず)を含むこともできる。基地局114aおよび/または基地局114bをセル(図示せず)と呼ばれる、特定の地理的領域で無線信号を送信および/または受信するように構成できる。セルをセルセクタにさらに分割できる。例えば、基地局114aと関連付けられたセルを3つのセクタに分割できる。従って、一実施形態において、基地局114aは、3つのトランシーバ、即ち、セルの1セクタ当たり1トランシーバを含むことができる。別の実施形態において、基地局114aは、MIMO(多入力多出力)技術を用いることができるので、セルの1セクタ当たり複数のトランシーバを利用することができる。
【0018】
基地局114a、114bは、無線インタフェース116を介してWTRU102a、102b、102c、102dのうちの1または複数と通信でき、無線インタフェースを適した任意の無線通信リンク(例えば、無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)、紫外線(UV)、可視光線など)にすることができる。適した任意の無線アクセス技術(RAT)を使用して、無線インタフェース116を確立できる。
【0019】
より詳細には、上述のように、通信システム100は、多元接続システムにすることができ、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC−FDMAなどの、1または複数のチャネルアクセススキームを用いることができる。例えば、RAN104の基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、広域CDMA(WCDMA(登録商標))を使用して無線インタフェース116を確立できる、UTRA(UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)Terrestrial Radio Access)などの無線技術を実装できる。WCDMAは、高速パケットアクセス(HSPA)および/または進化型HSPA(HSPA+)などの通信プロトコルを含むことができる。HSPAは、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)および/または高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)を含むことができる。
【0020】
別の実施形態において、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、LTE(Long Term Evolution)および/またはLTE−A(LTE-Advanced)を使用して無線インタフェース116を確立できる、E−UTRA(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access)などの無線技術を実装できる。
【0021】
他の実施形態において、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、IEEE802.16(即ち、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、CDMA2000、CDMA20001X、CDMA2000EV−DO、IS−2000(Interim Standard 2000)、IS−95(Interim Standard 95)、IS−856(Interim Standard 856)、(GSM(登録商標))Global System for Mobile communications)、EDGE(Enhanced Data rates for GSM Evolution)、GERAN(GSM EDGE)などの無線技術を実装できる。
【0022】
図1Aの基地局114bは、例えば、無線ルータ、ホームノードB、ホームeノードB、またはアクセスポイントにすることができ、事業所、住居、車、キャンパスなどのローカルエリアで無線接続性を容易にするのに適した任意のRATを利用できる。一実施形態において、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を確立するIEEE802.11などの、無線技術を実装できる。別の実施形態において、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)を確立するIEEE802.15などの、無線技術を実装できる。さらに別の実施形態において、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、セルベースのRAT(例えば、WCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE−Aなど)を利用して、ピコセルまたはフェムトセルを確立できる。図1Aに示しているように、基地局114bは、インターネット110に直接接続できる。従って、基地局114bは、コアネットワーク106経由でインターネット110にアクセスする必要がない。
【0023】
RAN104は、コアネットワーク106と通信でき、コアネットワーク106は、音声、データ、アプリケーション、および/またはVoIP(voice over internet protocol)サービスを、WTRU102a、102b、102c、102dのうち1または複数に提供するように構成された任意のタイプのネットワークにすることができる。例えば、コアネットワーク106は、呼制御、課金サービス、モバイルロケーションベースのサービス、プリペイド電話、インターネット接続性、ビデオ配布などを提供でき、および/またはユーザ認証などの高レベルのセキュリティ機能を実行できる。図1Aに示していないが、RAN104および/またはコアネットワーク106は、RAN104と同じRATまたは異なるRATを用いる他のRANと直接または間接的に通信できることが認識されよう。例えば、コアネットワーク106は、E−UTRA無線技術を利用できるRAN104に接続されることに加えて、GSM無線技術を用いた別のRAN(図示せず)と通信することもできる。
【0024】
コアネットワーク106は、WTRU102a、102b、102c、102dがPSTN108、インターネット110、および/または他のネットワーク112にアクセスするためのゲートウェイとして機能することもできる。PSTN108は、旧来の音声電話サービス(POST)を提供する回線交換電話網を含むことができる。インターネット110は、TCP/IPインターネットプロトコルスイートにおける伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)およびインターネットプロトコル(IP)などの、共通の通信プロトコルを使用する相互接続されたコンピュータネットワークおよびデバイスのグローバルシステムを含むことができる。ネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有および/または運用される有線または無線通信ネットワークを含むことができる。例えば、ネットワーク112は、RAN104と同じRATまたは異なるRATを用いることができる1または複数のRANに接続された別のコアネットワークを含むことができる。
【0025】
通信システム100のWTRU102a、102b、102c、102dの一部またはすべては、マルチモード能力を含むことができる。即ち、WTRU102a、102b、102c、102dは、異なる無線リンク経由の異なる無線ネットワークと通信するために複数のトランシーバを含むことができる。例えば、図1Aに示したWTRU102cは、セルベースの無線技術を用いることができる基地局114aと、IEEE802無線技術を用いることができる基地局114bとの通信を行うように構成できる。
【0026】
図1Bは、例示的なWTRU102のシステム図である。図1Bに示しているように、WTRU102は、プロセッサ118、トランシーバ120、送信/受信要素122、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、ディスプレイ/タッチパッド128、ノンリムーバブルメモリ130、リムーバブルメモリ132、電源134、全地球測位システム(GPS)チップセット136、および他の周辺機器138を含むことができる。WTRU102は、実施形態と整合性を保った上で、上述の要素の部分的組み合わせを任意に含むことができることが認識されよう。
【0027】
プロセッサ118は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来型プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連動する1または複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、その他のタイプの集積回路(IC)、ステートマシンなどにすることができる。プロセッサ118は、信号コーディング、データ処理、電力制御、入力/出力処理、および/またはWTRU102が無線環境で動作できるようにさせるその他の機能性を実行できる。プロセッサ118をトランシーバ120に結合でき、トランシーバ120を送信/受信要素122に結合できる。図1Bでは、プロセッサ118とトランシーバ120とを個別のコンポーネントとして示しているが、プロセッサ118とトランシーバ120とを電子パッケージまたはチップ内で一体化できることが認識されよう。
【0028】
送信/受信要素122は、無線インタフェース116経由で基地局(例えば、基地局114a)に信号を送信し、または基地局から信号を受信するように構成できる。例えば、一実施形態において、送信/受信要素122は、RF信号を送信および/または受信するように構成されたアンテナにすることができる。別の実施形態において、送信/受信要素122は、例えば、IR、UV、または可視光線の信号を送信および/または受信するように構成されたエミッタ/検出器にすることができる。さらに別の実施形態において、送信/受信要素122は、RF信号と光信号との両方を送受信するように構成できる。送信/受信要素122は、無線信号の任意の組み合わせを送信および/または受信するように構成できることが認識されよう。
【0029】
さらに、送信/受信要素122を単一要素として図1Bに示しているが、WTRU102は、任意の数の送信/受信要素122を含むことができる。より詳細には、WTRU102は、MIMO技術を用いることができる。従って、一実施形態において、WTRU102は、無線インタフェース116経由で無線信号を送受信する2または3以上の送信/受信要素122(例えば、複数のアンテナ)を含むことができる。
【0030】
トランシーバ120は、送信/受信要素122によって送信される信号を変調し、そして送信/受信要素122によって受信される信号を復調するように構成できる。上述のように、WTRU102は、マルチモード能力を有することができる、従って、トランシーバ120は、WTRU102が、例えば、UTRAおよびIEEE802.11などの、複数のRATを介して通信できるようにさせる複数のトランシーバを含むことができる。
【0031】
WTRU102のプロセッサ118をスピーカ/マイクロフォン124、キーバッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)表示ユニットまたは有機発光ダイオード(OLED)表示ユニット)に結合し、そしてこれらからユーザ入力データを受信できる。プロセッサ118は、スピーカ/マイクロフォン124、キーバッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128にユーザデータを出力することもできる。さらに、プロセッサ118は、ノンリムーバブルメモリ130および/またはリムーバブルメモリ132などの、適した任意のタイプのメモリからの情報にアクセスし、そしてこれらのメモリにデータを記憶できる。ノンリムーバブルメモリ130は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、ハードディスク、またはその他のタイプのメモリ記憶デバイスを含むことができる。リムーバブルメモリ132は、SIM(subscriber identity module)カード、メモリスティック、SD(secure digital)メモリカードなどを含むことができる。他の実施形態において、プロセッサ118は、サーバまたはホームコンピュータ(図示せず)などの、物理的にWTRU102に置かれないメモリからの情報にアクセスし、そしてこれらのメモリにデータを記憶できる。
【0032】
プロセッサ118は、電源134から電力を受信でき、そしてその電力をWTRU102の他のコンポーネントに分配および/または制御するように構成することができる。電源134は、WTRU102に電力供給するのに適した任意のデバイスにすることができる。例えば、電源134は、1または複数の乾電池(例えば、ニッケルカドミウム(NiCd)、ニッケル亜鉛(NiZn)、ニッケル水素(NiMH)、リチウムイオン(Li−ion)など)、太陽電池、燃料電池などを含むことができる。
【0033】
プロセッサ118をGPSチップセット136に結合することもでき、GPSチップセット136は、WTRU102の現在の位置に関する位置情報(例えば、経緯度)を提供するように構成できる。追加または代替として、GPSチップセット136からの情報により、WTRU102は、無線インタフェース116経由で基地局(例えば、基地局114a、114b)から位置情報を受信し、および/または2または3以上の近隣の基地局から受信される信号のタイミングに基づいてWTRUの位置を判定できる。WTRU102は、実施形態と整合性を保った上で、適した任意の位置判定方法によって位置情報を取得できることが認識されよう。
【0034】
プロセッサ118をさらに他の周辺機器138に結合することができ、周辺機器138は、付加的な特徴、機能性および/または有線または無線接続性を提供する、1または複数のソフトウェアモジュールおよび/またはハードウェアモジュールを含むことができる。例えば、周辺機器138は、加速度計、電子コンパス、衛星トランシーバ、デジタルカメラ(写真またはビデオ用)、USB(universal serial bus)ポート、振動デバイス、テレビトランシーバ、ハンズフリーヘッドセット、Bluetooth(登録商標)モジュール、周波数変調(FM)無線ユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザなどを含むことができる。
【0035】
図1Cは、実施形態に従ったRAN104およびコアネットワーク106のシステム図である。上述のように、RAN104は、無線インタフェース116経由でWTRU102a、WTRU102b、WTRU102cと通信するE−UTRA技術を用いることができる。RAN104は、コアネットワーク106とも通信できる。
【0036】
RAN104は、eノードB140a、140b、140cを含むことができるが、実施形態と整合性を保った上でRAN104は、任意の数のeノードBを含むことができることが認識されよう。eノードB140a、140b、140cのそれぞれは、無線インタフェース116経由でWTRU102a、WTRU102b、WTRU102cと通信するために1または複数のトランシーバを含むことができる。一実施形態において、eノードB140a、140b、140cは、MIMO技術を実装できる。従って、eノードB140aは、例えば、WTRU102aに無線信号を送信し、そしてWTRU102aから無線信号を受信する複数のアンテナを使用できる。
【0037】
eノードB140a、140b、140cのそれぞれを特定のセル(図示せず)と関連付けることができ、そして無線リソース管理決定、ハンドオーバー決定、アップリンクおよび/またはダウンリンクにおけるユーザのスケジューリングなどを処理するように構成できる。図1Cに示しているように、eノードB140a、140b、140cは、X2インタフェース経由で互いに通信できる。
【0038】
図1Cに示しているコアネットワーク106は、モビリティ管理ゲートウェイ(MME)142、サービングゲートウェイ144、およびパケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ146を含むことができる。上述した要素のそれぞれをコアネットワーク106の一部として示しているが、これらの要素のいずれも、コアネットワークオペレータ以外のエンティティによって所有および/または運用できることが認識されよう。
【0039】
MME142は、S1インタフェース経由でRAN104のeノードB142a、142b、142cのそれぞれに接続されて、制御ノードとして機能できる。例えば、MME142は、WTRU102a、102b、102cのユーザを認証し、ベアラのアクティブ化/非アクティブ化を行い、WTRU102a、102b、102cの初期接続(initial attach)時に特定のサービングゲートウェイを選択することなどに関与することができる。MME142は、RAN104と、GSMまたはWCDMAなどの他の無線技術を用いる他のRAN(図示せず)とを切り替える制御プレーン機能を提供することもできる。
【0040】
サービングゲートウェイ144をS1インタフェース経由でRAN104のeノードB140a、140b、140cのそれぞれに接続できる。サービングゲートウェイ144は、一般に、WTRU102a、102b、102cへの/からのユーザデータパケットをルートして転送できる。サービングゲートウェイ144は、eノードB間のハンドオーバー時にユーザプレーンをアンカーし、ダウンリンクデータがWTRU102a、102b、102cに使用可能になった時にページングをトリガし、WTRU102a、102b、102cのコンテキストを管理して記憶するなどの、他の機能も実行できる。
【0041】
サービングゲートウェイ144をPDNゲートウェイ146に接続することもでき、PDNゲートウェイは、WTRU102a、102b、102cにインターネット110などの、パケット交換ネットワークへのアクセスを提供して、WTRU102a、102b、102cとIP対応のデバイスとの間の通信を容易にすることができる。
【0042】
コアネットワーク106は、他のネットワークとの通信を容易にすることができる。例えば、コアネットワーク106は、WTRU102a、102b、102cにPSTN108などの回路交換ネットワークへのアクセスを提供して、WTRU102a、102b、102cと従来の固定電話回線の通信デバイスとの間の通信を容易にすることができる。例えば、コアネットワーク106は、コアネットワーク106とPSTN108との間のインタフェースとして機能するIPゲートウェイ(例えば、IPマルチメディアサブシステム(IMS)サーバ)を含むことができる、またはこれと通信できる。さらに、コアネットワーク106は、WTRU102a、102b、102cにネットワーク112へのアクセスを提供でき、ネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有および/または運用される他の有線または無線通信ネットワークを含むことができる。
【0043】
MU−MIMOのダウンリンクDM RSエンハンスメントの実施形態を以下に開示する。
【0044】
低電力のリモート無線ヘッド(RRH)を有するマクロノードのMIMO実装などの、MIMO実装は、より多くのWTRUをそれぞれのカバレッジエリア内でサポートできる。しかしながら、2つのスクランブルシーケンスを有するアンテナポート7および8を使用するLTEリリース10におけるMU−MIMOの場合、4つまでのレイヤを同じ周波数−時間リソース(即ち、リソースブロック)に同時スケジュールできる。これらの4つのレイヤのうち2のレイヤは、完全直交であるが、残りの2つのレイヤは、2つのスクランブルシーケンスを使用するために準直交である。この結果、WTRUにおいて直交性を失い、逆にシステムスループットに悪影響を与える。
【0045】
一実施形態において、レイヤの直交性を改善し、そしてMU−MIMO動作のためのレイヤ数を増加するために、DM RSポートの新しいセットをMU−MIMO動作のために定義できる。例えば、MU−MIMO動作は、DM RSアンテナポート7、8、9、および10を使用して実行できる(即ち、CDMグループ1(アンテナポート7および8)とCDMグループ2(アンテナポート9および10)の両方をMU−MIMO動作に使用できる)。この実施形態では、2つのスクランブルシーケンスを用いてMIMO動作を行うために8レイヤまでを一斉に同時スケジュールできる。
【0046】
eノードBスケジューラ(またはその他のネットワークノード)は、MU−MIMO動作のためにWTRUをWTRUの空間相関に基づいて複数の(例えば、2つの)グループに分割でき、そしてWTRUから成る各グループを異なるCDMグループ(即ち、OCCを使用して同じ周波数リソースに多重化されるアンテナポート)に割り当てることができる。eノードBは、レイヤ3、2、または1のシグナリングを使用して半静的または動的のいずれかで各グループのWTRUに、WTRUが割り当てられるDM RS CDMグループを通知できる。図2は、WTRUを2つのCDMグループに分割する例を示している。この例において、WTRU202およびWTRU204は、それらの空間相関に基づいて一緒にグループ化されて、CDMグループ1に割り当てられ、そしてWTRU206およびWTRU208は、それらの空間相関に基づいて一緒にグループ化されて、CDMグループ2に割り当てられる。
【0047】
WTRUは、割り当てられるDM RSポート(複数)に関する設定を上位層メッセージまたはダウンリンク制御情報(例えば、DCIフォーマット2C)を介して行うことができる。表2は、3ビットのDCIフォーマット2Cを使用してCDMグループ2におけるMU−MIMO動作に対するアンテナポート(複数)、スクランブリング識別子(nSCID)、およびレイヤ数を表示した例を示している。WTRUは、WTRUのダウンリンク割り当てを復号し、その後、表1または表2で示しているように、WTRUの割り当ての3ビットフィールドを使用して、割り当てられたアンテナポート、スクランブリング識別子、レイヤ数を識別する。
【0048】
【表2】
【0049】
一実施形態において、CDMグループに同時スケジュールされたWTRUの直交性を改善し、そしてWTRUにおけるチャンネル推定を容易するために、DM RSミューティングを用いることができる。図3は、8レイヤまでのMU−MIMO動作のDM RSミューティングの例を示している。図3に示しているように、CDMグループ1のアンテナポートにWTRU固有の参照信号を伝送するために使用されるリソース要素は、CDMグループ2のアンテナポートの送信に使用できず、逆の場合も同じである。
【0050】
この実施形態において、WTRUが、チャネル推定のために1つのCDMグループに割り当てられたDM RSポート(例えば、DM RSポート{7,8}または{9,10}のいずれか)を用いていても、WTRUは、データのレートマッチングがMU−MIMOのDM RSポート(例えば、アンテナポート7、8、9、および10)に割り振られたリソース要素の周辺で実行されると仮定する。WTRUは、ミュートされたリソース要素ではどのデータもWTRUに送信されないと仮定した上でダウンリンク伝送を復号できる。この実施形態において、アンテナポートp(p∈{7,8,9,10})が使用される場合、WTRUは、セット{7,8,9,10}内の他のアンテナポートが別のWTRUへのPDSCH伝送と関連していないと仮定することができない。
【0051】
LTEリリース10において、MU−MIMOの同時スケジュールされたWTRUの直交性を維持するために、MU−MIMO動作のペアであるWTRUの伝送帯域幅は、双方のWTRUに同じDM RSが使用される場合、同一である。言い換えれば、3以上のWTRUに対するMU−MIMO動作の不均一なDLリソース割り当ては、LTEリリース10では不可能である。これによってスケジューリングの柔軟性が低下し、代わって実現可能なセルのスループットに悪影響を与える。
【0052】
一実施形態において、MU−MIMO動作は、不均一な帯域幅で実行できる(即ち、不均一な帯域幅のリソースをMU−MIMOのペアであるWTRUに割り振ることができる)。MU−MIMO動作を強化するために、MU−MIMO動作のペアであるWTRUの最大伝送帯域幅を、同じCDMグループに同時スケジュールされたすべてのWTRUに信号で送ることができる。WTRUは、この情報を使用して、DM RSに適用されるスクランブルシーケンスを生成し、MU−MIMOの同時スケジュールされた干渉の知識に基づいて干渉測定を改善し、MU−MIMOの同時スケジュールされたWTRUによって生じた干渉を考慮に入れることによってチャネル状態情報(CSI)のフィードバックを計算し、MU−MIMOの同時スケジュールされた干渉のDM RS情報を使用したチャネル推定を強化するなどを行うことができる。
【0053】
PDSCHRBは、RBの数で表された対応するPDSCH伝送の物理リソースブロックの帯域幅を示している。K個のWTRUにMU−MIMO動作が同時スケジュールされていると仮定した上で、WTRUは、上位層シグナリングまたはダウンリンク制御情報(DCI)のいずれかを介して、MU−MIMOのペアであるWTRUの最大帯域幅の付加的なパラメータNmax,PDSCHRBを備えることができ、そのパラメータを以下によって導出できる。
【0054】
【数1】
【0055】
PDSCHRB,kは、k番目にMU−MIMO動作が同時スケジュールされたWTRUに割り振られた物理リソースブロックの総数を示す。
【0056】
不均一な帯域幅割り当てを伴うMU−MIMO動作のサポートでは、MU−MIMOのペアであるWTRUのDM RSを分割する必要がある。WTRUが同じDM RSポートを割り当てられている場合、同時スケジュールされたレイヤの直交性を維持するために不均一な帯域幅割り当てを伴うMU−MIMO動作においては、WTRU固有の参照信号のスクランブル機能は無効にされることができる。WTRU固有の参照信号のスクランブリングの無効化は、上位層またはWTRU固有のやり方によるその他のシグナリングによって行うことができる。
【0057】
MU−MIMO動作は、セルエッジ上のWTRUに対して使用されないので、スクランブリングを用いないことによるセル間干渉は、同時スケジュールされたMU−MIMO WTRUの性能を阻害する要因にならない。セル間干渉が激しい場合、WTRU固有の参照信号のリソース要素のロケーションは、セル固有のやり方で周波数領域または時間領域においてシフトできる。例えば、WTRU固有の参照信号を1つのWTRUに伝送するために使用されるアンテナポートがセットSに属する場合、ここでのS={7,8,11,13}またはS={9,10,12,14}であり、WTRU固有の参照信号を伝送するリソース要素は、
【0058】
【数2】
【0059】
により、周波数領域においてシフトできる。ここでのNcellIDは、物理レイヤのセル識別子である。
【0060】
アップリンクDM RSを強化する実施形態を以下に開示する。
【0061】
LTE−Aにおいて、アップリンクDM RSシーケンスは、Zadoff−Chu(ZC)シーケンスまたはコンピュータ生成のシーケンスから導出される。それらのシーケンスは、最適な自己相関プロパティと時間および周波数領域においてほぼ一定の振幅とを有する。循環シフトのDM RSシーケンスは、相互に直交し、多重化に好適である。LTEリリース8において、複数のWTRUが均一な帯域幅割り当てで同時スケジュールされる時、循環シフトされたDM RSシーケンスを用いてMU−MIMOをサポートする。セル間干渉は、セル内でDM RSのベースシーケンスをスロット毎に変更するシーケンスグループホッピング(SGH)を用いることによってさらにランダム化される。これは、隣接セルから干渉を受けたDM RSとの相互相関をランダム化して、セル間干渉を緩和させることができる。しかしながら、相互相関の効果によって、LTEリリース8は、不均一な長さのDM RSシーケンスを多重化できる柔軟なリソース割り当てを用いてMU−MIMOをサポートできない。
【0062】
LTE−Aリリース10は、MU−MIMOの柔軟なスケジューリングを容易にするプロビジョンを導入している。一部のWTRUに対して、SGHは、DM RSシーケンスをサブフレームの2つのスロット内で同一にするためにWTRUに固有のやり方で無効にすることができ、その後、長さ2をもつ直交カバーコード(OCC)をサブフレーム内のDM RSシンボルに適用できる。この方式は、ファクタを2にすることによってリソースの多重化容量を増やす。SGHを無効にすることによって、異なるOCCを有するMU−MIMO WTRUは、それらの帯域幅割り当てに関係なくDM RSの直交性を有する。しかしながら、無効化したSGHによって、隣接セル上のWTRUからのセル間干渉が増える。
【0063】
一実施形態において、WTRUのアップリンクDM RSは、周波数領域において多重化できる。WTRUに異なる周波数オフセットが割り当てられていれば、それらのDM RSは、直交し、多重化できる。多重化は、セル内WTRUおよび/またはセル間WTRUの間で行うことができる。DM RSの定振幅ゼロ自己相関(CAZAC)プロパティを保存する必要がある場合、DM RSシーケンスは、従来のLTEリリース8/10シーケンス(以下「ベースシーケンス」と呼ぶ)から、適した繰り返しファクタ(RPF)を用いて適切なベースシーケンスを一様にアップサンプリングすることによって導出できる。LTEリリース8/10のベースシーケンスは、すべて12の倍数である。
【0064】
図4は、RPFが2で多重化された異なる数のリソースブロック(この例において1つのRBおよび2つのRB)を有する2つのWTRUの例示的なDM RSを示している。図5は、RPFが3で多重化された同じ数のリソースブロック(この例において3つのRB)を有する3つのWTRUの例示的なDM RSを示している。
【0065】
WTRUは、WTRUのRB割り当ておよびRPFからベースシーケンス長を導出できる。割り振られたリソースブロック(N)の数がRPFの整数倍であれば、WTRUは、12N/RPF長のベースシーケンスをアップサンプリングして、DM RSシーケンスを導出できる。例えば、RPF=2および10RB割り当ての場合、WTRUは、ファクタ2で60長(=12×5/2)のベースシーケンスをアップサンプリングすることによってWTRUのDM RSシーケンスを導出できる。
【0066】
割り振られたRB(N)の数がRPFの整数倍でなければ、DM RSは、アップサンプリングされたベースシーケンスを循環拡張または切り捨てて12N/RPF長に最も近づけるか、またはアップサンプリングされたベースシーケンスを循環拡張または切り捨てて最も近い素数に等しくなるようにするいずれかによって導出できる。現在、LTEにおいて、DM RSのベースシーケンス長は、12の倍数である。本実施形態では、この要件を緩和して、DM RS長をより柔軟に割り振ることができるようにする。
【0067】
周波数多重化方式は、UL DM RSのREの数を減らす。これは、LTEリリース10に比べて電力損失をもたらす。これを補うために、WTRUは、電力を上げてDM RSを送信できる。例えば、RPF=2の場合、WTRUは、WTRUのペイロードを公称電力レベルに維持しながらWTRUのDM RS信号を2倍に増幅(6dBに出力増大する)できる。
【0068】
DM RSのRPFおよびWTRUの周波数オフセットは、固定または構成可能であり、WTRU ID、セルID、またはその両方に基づくことができる。WTRUの周波数オフセットは、スロット毎またはサブフレーム毎に変更できる。周波数オフセットパターンは、WTRU ID、セルID、またはその両方に基づくことができる。
【0069】
WTRUは、上記の実施形態に従って周波数分割多重化モードで動作するか、または例えば、上位層シグナリングまたはL1シグナリングを介してLTEリリース10モード(即ち、周波数分割多重化を行わないDM RS)に従って動作するように柔軟に割り当てられ得る。
【0070】
SGHが無効になっていて、WTRUがOCCを介して多重化されている時、同じOCCを有するセル間WTRUは、高レベルの干渉を引き起こす恐れがある。この干渉は、干渉しているWTRU(複数)のDM RSシーケンスに対して異なる相対周波数シフト(Δ)を導入することによって、緩和できる。
【0071】
図6Bは、DM RSに相対周波数シフト(Δ=2)を導入している例を示している。LTEリリース10方式において、図6Aに示しているように、サブフレームの第2スロットのDM RSシーケンスは、SGHが無効の時には同一である。[1 1]または[1 −1]のいずれかのOCCは、サブフレームの2つのスロットのシーケンスに適用できる。
【0072】
実施形態に従って、相対シフトΔは、図6Bに示しているように、サブフレームの2つのスロットのDM RSシーケンスにおいて導入されている。図6Bにおいて、サブフレームの第2スロットのDM RSは、2の循環シフト以外は第1スロットのDM RSと同じである。
【0073】
相対シフト(Δ)が、干渉しているWTRU間で異なるのであれば、干渉のエネルギーは、コヒーレントに付加されず、その結果、干渉を減らすことができる。相対シフト(Δ)は、サブフレームにわたって変更でき、そしてWTRU IDおよび/またはセルIDから導出できる。ネットワークは、セル内のすべてのWTRUまたはWTRUのサブセットに対してこの実施形態を実装できる。
【0074】
LTEリリース10において、DM RS OCCは、アップリンクに関連するDCIフォーマットで循環シフトフィールド(cyclicShift)から導出される。一実施形態において、OCCは、時間関数として導出できる(例えば、OCCは、サブフレームにわたって変更できる)。代替的または付加的には、OCCは、WTRU IDおよび/またはセルIDに基づいて導出できる。これは、WTRUのレイヤにわたって干渉をランダム化する。
【0075】
MU−MIMO WTRUが異なるリソース割り当てを有する時、それらのDM RSシーケンスは、長さが異なり、結果として相互相関プロパティが少なくなる。一実施形態に従って、MU−MIMO WTRUは、ペイロードに対して異なるリソース割り当て(例えば、PUSCH+アップリンク制御情報(UCI))を行うことができるが、WTRUは、より多いリソース割り当てに対応する長さのDM RSシーケンスを割り当てられることもある。WTRUのシーケンスの循環シフトの差異は、直交性を保証できる。この場合、DM RSは、サウンディングに使用できる。この実施形態に従って、SGHは、無効にできず、従って、セル間干渉に対するロバスト性が増す。図7Aは、従来の方法に従って、MU−MIMOユーザにおけるDM RSのリソース割り当てを示している。図7Bは、本実施形態に従って、MU−MIMOユーザにおけるDM RSのリソース割り当ての例を示している。図7Aにおいて、異なる量のリソース割り当てを有する異なるWTRUのDM RS712、714は、異なる長さの異なるベースシーケンスに由来し、直交でない。図7Bにおいて、異なる量のリソース割り当てを有する異なるWTRUのDM RS722、724は、異なる循環シフトを有する同じ長さの同じベースシーケンスに由来し、直交である。
【0076】
DM RSをサウンディングに使用する実施形態を以下に開示する。
【0077】
LTE−Aにおいて、サウンディングリソース信号(SRS)を使用して、eノードBにおいてチャネルサウンディングができるようにする。チャネルサウンディングは、プリコーディング行列インジケータ(PMI)およびランクを推定し、そして周波数選択スケジューリング(FSS)などを実行するために行われる。LTEリリース8において、WTRUにサウンディングがスケジュールされている時、WTRUは、割り当てられたリソース(周期性、伝送コム、伝送帯域幅、循環シフトなど)を使用して、サブフレームの最後のSC−FDMAシンボルによってSRSを送信する。1WTRU当たりの単一レイヤおよび単一の単入力多出力(SIMO)伝送モードをサポートするLTEリリース8において、DM RSは、ペイロードを復調するチャネル推定に加え、チャネルサウンディングにも使用できる。言い換えれば、DM RSは、SRSの役割を果たすことができる。
【0078】
しかしながら、LTEリリース10は、サウンディングにおけるDM RSの役割を制限する。LTEリリース10は、DM RSリソースが1送信アンテナ当たりはなく、レイヤ毎に適用される、マルチレイヤ伝送モードをサポートする。その結果、DM RSは、チャネルの知識がレイヤ1の意味のあるフィードバックにとって事前に必要な(送−受信アンテナペア毎の)個々のチャネルではなく、レシーバにおいて複合チャネル(プリコードされたチャネル)をサウンドするために使用することができる。現在、個々のチャネルは、複合チャネル推定から導出できない。
【0079】
一実施形態において、プリコードされていないDM RSをULで使用して、すべての送信−受信リンクをeノードBによって推定できるようにする。DM RSリソースをすべての送信アンテナに割り振ることができる。アンテナの数が送信されるレイヤの数よりも多い場合、LTEリリース10で使用されるよりもより多くのDM RSリソースが使用される。プリコードされていないDM RSは、半静的シグナリング(例えば、RRCシグナリング)によってまたは動的表示(例えば、修正されたDCIフォーマット4)によって構成できる。
【0080】
従来、DM RSに割り振られる物理リソースブロック(PRB)の数は、ペイロード(例えば、PUSCHペイロード)に割り振られる物理リソースブロックの数と同じである。一実施形態において、DM RSベースのサウンディングが実行される場合、DM RS割り当ては、ペイロードの割り当てから独立し得る。図8は、一実施形態に従って、DM RSおよびPUSCHペイロードの例示的なリソース割り当てを示している。図8において、DM RS(中央のSC−FDMAシンボル802)は、ペイロード(残りのSC−FDMAシンボル804)よりも広い帯域幅を有する。DM RSのリソース割り当ては、WTRUにサウンディングがスケジュールされている時、上位層シグナリング(例えば、RRC)経由またはレイヤ1またはレイヤ2経由で表示できる。特別な例では、DM RSは、PUSCH割り当てを用いずにサウンディングにスケジュールされ得る。
【0081】
要求されるリソースの数は、プリコードされていないDM RSを用いて増加できる。一実施形態において、付加的なセルID(複数)(NcellID)をセルに割り当てることによってより多くのDM RSシーケンスから成るセルを構成できる。NcellIDは、物理レイヤのセル識別子である。例えば、ネットワークは、オフセットδをNcellIDに提供することによって、DM RSシーケンスの付加的なセットをセルに割り当てることができる。各セルは、セルのNcellIDとNcellID+δの両方に対応するDM RSリソースを有することができる。2つのセルIDから生成されたDM RSシーケンスは、SGHが無効化されたサブフレーム内の2つのスロットにわたるOCCを使用することによって直交にすることができる。
【0082】
DM RSを用いてサウンディングする時、上記の実施形態を使用して、SU−MIMOとMU−MIMOの両方においてDM RSリソースをインターリーブできる。
【0083】
WTRUは、サブフレーム内の時間スロットにわたるWTRUのDM RSリソースの時分割多重化を使用できる。例えば、WTRUは、サブフレームの第1スロットの第1アンテナにリソースを割り振り、同じスロットの第2アンテナにはリソースを割り振らないことができる一方、WTRUは、第2スロットの第2アンテナにリソースを割り振り、第2スロットの第1アンテナにはリソースを割り振らないことができる。
【0084】
別の実施形態において、プリコードされたDM RSをサウンディングに使用でき、そして個々のチャネルは、レシーバ(例えば、eノードB)において、プリコードされた複合チャネルから計算できる。異なるPMIがチャネルのコヒーレンス時間内の連続伝送に使用される場合、レシーバは、サウンディングする個々のチャネルをレシーバの複合チャネルの推定から計算できる。WTRUは、サウンディングする目的で異なるPMIを連続的に送信するように構成され得る。WTRUによって使用されるPMIのシーケンスは、上位層によって構成できるか、またはWTRU ID、セルIDなどから導出できる。TDDにおいて、チャネルを相互依存性に基づいて推定できる。FDDにおいて、DL上のチャネル相関などの統計は、UL上の相互依存性に使用できる。
【0085】
図9は、PUSCHの従来のアップリンクDM RS構造を示している。DM RS割り当ては、循環シフトを有するTDMベースである。TDMベースのDM RS構造のため、チャネル推定の精度は、ドップラー周波数が高くなりおよび/または変調次数が高くなる時に低下する恐れがある。さらに、DM RS SC−FDMAシンボルは、スロットの中央に位置し、従って、サブフレーム境界のSC−FDMAシンボルのチャネル状態情報を取得するために外挿を必要とする。これは、高モビリティおよび変調次数がより高い場合に復調性能の低下を招く恐れがある。
【0086】
表3は、アップリンクDM RSの循環シフト割り当ておよびOCCマッピングを示している。この例において、4レイヤまでを異なる循環シフトおよびOCCを用いて多重化でき、この多重化は、レイヤまたは複数のユーザ間で直交性を維持するのに役立つ。
【0087】
【表3】
表3
【0088】
マルチユーザMIMOのレガシーWTRU(即ち、LTEリリース8、9、および10)の直交性を維持するために、DM RSパターンおよび多重化を以前のLTEリリースで行われるように維持できる。この制約を所与として、(例えば、高ドップラー周波数において)チャネル推定の精度を上げるために、付加的なDM RSをレガシーDM RSの上に付加できる。図10は、レガシーDM RS1002と付加的なDM RS1004との組み合わせとして定義された、PUSCHのDM RS構造の例を示している。同じ循環シフトおよびOCCを付加的なDM RS1004に使用できる。
【0089】
別の実施形態において、長さ2をもつOCCの代わりに、長さ4をもつOCCをレガシーDM RS1002および付加的なDM RS1004に使用して、マルチユーザMIMOおよびアップリンクのマルチポイント協調伝送(CoMP)をより良くサポートするための直交参照信号の数を増やすことができる。長さ4をもつOCCが使用されているが、下位互換性は、同じOCCがレガシーDM RS1002に使用される限り維持できる。図11は、長さ4をもつOCCマッピングを用いた例示的なUL DM RS構造を示している。長さ2をもつOCCは、長さ4をもつOCCのサブセットであるので、このサブセットをレガシーDM RSに使用して下位互換性を維持する。
【0090】
表4は、以前のLTEリリースで行われるようなレガシーDM RSの長さ2をもつOCCマッピングが維持された、例示的な長さ4をもつOCCマッピングを示している。付加的なDM RS1004は、同じ時間および周波数リソースに同時スケジュールされる時にはレガシーWTRUに対して直交でないので、長さ4をもつOCCは、マルチユーザMIMO伝送のレガシーWTRUに使用できない。
【0091】
【表4】
【0092】
レガシーDM RS構造が維持されているので、マルチユーザMIMOのレガシーWTRUの性能も維持できる。一方、図10のDM RSパターンを使用するWTRUは、DM RSタイプに従って異なるチャネル推定の精度を有し得る。例えば、レガシーDM RSのチャネル推定は、付加的なDM RSが他の同時スケジュールされたWTRUのPUSCHシンボルに対して直交でないので、付加的なDM RSのチャネル推定よりも良い。この場合、eノードBは、より大きい電力を付加的なDM RSに割り振ることができ、そしてレガシーDM RSと付加的なDM RSとの電力差を例えば、上位層シグナリングによってWTRUに通知できる。
【0093】
付加的なDM RSを導入したため、参照信号のオーバーヘッドは、以前のLTEリリースに比べて2倍になる。これは、WTRUスループットの性能損失を招く恐れがある。参照信号のオーバーヘッドを削減するために、図12に示しているように、付加的なDM RSのインターレース割り当てを使用できる。
【0094】
図10から図12において、付加的なDM RSが各スロット内の1番目のSC−FDMAシンボルに位置していることを示していても、付加的なDM RSの時間位置は、各スロット内の他のSC−FDMAシンボル(例えば、6番目または7番目のSC−FDMAシンボル)に変更されてよいことに留意されたい。さらに、付加的なDM RSの位置は、各スロット内で変えることができる。
【0095】
別の実施形態において、DM RSパターンは、異なるように設計できる。図13Aおよび図13Bは、一実施形態に従って、2つの例示的なDM RSパターンを示している。例として図13Aおよび図13Bに示しているように、DM RSオーバーヘッドをレガシーDM RSパターンと同じように維持するために、周波数領域においてインターレースされたDM RS1302のパターンを、4つのSC−FDMAシンボルに使用できる。
【0096】
図14Aおよび図14Bは、周波数領域において異なるシフト(この例においてn−shift=0または1)を有するDM RS1402の異なるパターンをそれぞれ示している。DM RS1402を包含するSC−FDMAシンボルのデータREは、図14Aおよび図14Bに示しているように、ミュートされ得る。ミューティングをデフォルトとして使用または上位層シグナリングによって構成できる。n−シフトを使用してミューティングすることによって、直交DM RSを用いてより多数のWTRUを同時スケジュールできるように、DM RS容量を(例えば、2倍に)増加できる。さらに、異なるセルに位置している複数のWTRU間の直交性をサポートできる。
【0097】
DM RSは、SC−FDMAシンボルのインターレースされたパターンに割り振られるので、DM RSのベースシーケンスの使用可能な数の循環シフトは、同じチャネル遅延拡散に基づいて減らすことができる。直交DM RSポートの数は、長さ4をもつOCCマッピングを使用することによって増加できる。図15は、DM RS1502の長さ4をもつOCCマッピングの例を示している。レイヤは、OCCの組み合わせによる循環シフトで表示できる。
【0098】
DM RSリソースは、PDCCH経由で動的に割り振ることができる。3つのパラメータ(循環シフト、OCC、およびn−シフト)を使用して、DM RSリソースを割り振ることができる。表5は、DM RSリソースマッピングの例を示している。
【0099】
【表5】
【0100】
DM RS割り当ての3つのパラメータのうち、3つのパラメータのサブセットをシステムに使用できる。あるいは、パラメータ(例えば、循環シフトおよびOCC)のサブセットは、PDCCHによって表示でき、そして他のパラメータ(例えば、n−シフト)は、上位層シグナリングによって表示できる。
【0101】
WTRUが同じサブフレームによってPUCCHおよびPUSCHを送信する必要がある場合、PUCCH上のアップリンク制御情報(UCI)は、SC−FDMA伝送のキュービックメトリック(CM)が増加しないようにするために、PUSCH上でピギーバックできる。UCIは、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)の肯定応答/否定応答(ACK/NACK)、チャネル品質インジケータ(CQI)、プリコーディング行列インジケータ(PMI)、およびランクインジケータ(RI)を含む。UCIのうち、HARQ ACK/NACKは、より高いチャネル推定の精度を提供できる時間/周波数リソースに多重化できるように、最も高い優先度を有することができる。RIは、RIの誤検知がCQI/PMI情報の誤った解釈を招く恐れがあるので、2番目に最も高い優先度を有することができる。PMI/CQIを以前のリリースと同じやり方で多重化できる。UCIをそれらの優先度に従って多重化できる。図16では、例示的なUCIの多重化をそれらの優先度に従って示している。
【0102】
(実施形態)
1、MIMO伝送のための方法。
2、eノードBからダウンリンク伝送を受信するWTRUを備える方法であって、前記ダウンリンク伝送は、マルチユーザMIMOのペアである複数のWTRUに送信される複数の空間レイヤを含むことを特徴とする実施形態1に記載の方法。
3、対応するWTRU固有の参照信号に基づいて前記ダウンリンク伝送を復号する前記WTRUを備えることを特徴とする実施形態2に記載の方法。
4、異なるサブグループのアンテナポートのWTRU固有の参照信号が周波数領域における異なるサブキャリアに多重化され、そして同じサブグループのアンテナポートの前記WTRU固有の参照信号が時間領域における直交カバーコードに適用されるように、前記複数のWTRUのWTRU固有の参照信号が前記ダウンリンク伝送に多重化されることを特徴とする実施形態3に記載の方法。
5、1つのサブグループのアンテナポートで前記WTRU固有の参照信号を伝送するために使用されるリソース要素は、別のサブグループのアンテナポートでミュートされることを特徴とする実施形態3乃至4のいずれかに記載の方法。
6、前記WTRUは、前記ミュートされたリソース要素ではどのデータも前記WTRUに送信されないと仮定した上で前記ダウンリンク伝送を復号することを特徴とする実施形態5に記載の方法。
7、4つのアンテナポートを使用して8(8つの)レイヤまでサポートすることを特徴とする実施形態2乃至6のいずれかに記載の方法。
8、前記WTRUは、前記WTRUの空間相関に基づいてマルチユーザMIMOのペアにされることを特徴とする実施形態2乃至7のいずれかに記載の方法。
9、前記WTRUに割り当てられる帯域幅は、マルチユーザMIMOのペアであるWTRUに割り当てられる帯域幅とは異なることを特徴とする実施形態2乃至8のいずれかに記載の方法。
10、前記WTRUは、マルチユーザMIMOのペアであるWTRUの最大帯域幅に関する情報を受信することを特徴とする実施形態9に記載の方法。
11、前記WTRUは、マルチユーザMIMOのペアであるWTRUに割り当てられる帯域幅が異なるという条件でスクランブルシーケンスを前記WTRU固有の参照信号に適用しないことを特徴とする実施形態9乃至10のいずれかに記載の方法。
12、復調参照信号を生成するWTRUを備えることを特徴とする実施形態1に記載の方法。
13、空間多重化のためにペイロードのプリコーディングを実行する前記WTRUを備えることを特徴とする実施形態12に記載の方法。
14、割り振られた時間−周波数リソースに前記復調参照信号および前記ペイロードを送信する前記WTRUを備えることを特徴とする実施形態13に記載の方法。
15、前記復調参照信号は、空間多重化のためのプリコーディングを用いずに送信されることを特徴とする実施形態14に記載の方法。
16、前記復調参照信号に割り振られるリソースブロックの数は、前記ペイロードに割り振られるリソースブロックの数よりも多いことを特徴とする実施形態13乃至15のいずれかに記載の方法。
17、直交カバーコードをサブフレームの2つのスロットにわたって前記復調参照信号に適用する前記WTRUをさらに備えることを特徴とする実施形態13乃至16のいずれかに記載の方法。
18、復調参照信号を生成するWTRUを備えることを特徴とする実施形態1に記載の方法。
19、割り振られた時間−周波数リソースに前記復調参照信号およびペイロードを送信する前記WTRUを備えることを特徴とする実施形態18に記載の方法。
20、前記復調参照信号に割り振られるリソースブロックの数は、前記ペイロードに割り振られるリソースブロックの数よりも多いことを特徴とする実施形態19に記載の方法。
21、前記復調参照信号に割り振られるリソースブロックの前記数は、マルチユーザMIMOのペアであるWTRUに割り振られるリソースブロックの最大数と同じであることを特徴とする実施形態19乃至20のいずれかに記載の方法。
22、eノードBからダウンリンク伝送を受信するように構成されたレシーバを備えることを特徴とするWTRU。
23、前記ダウンリンク伝送は、マルチユーザMIMOのペアである複数のWTRUに送信される複数の空間レイヤを含むことを特徴とする実施形態22に記載のWTRU。
24、対応するWTRU固有の参照信号に基づいて前記ダウンリンク伝送を復号するように構成されたプロセッサを備えることを特徴とする実施形態22乃至23のいずれかに記載のWTRU。
25、異なるサブグループのアンテナポートのWTRU固有の参照信号が周波数領域における異なるサブキャリアに多重化され、そして前記同じサブグループのアンテナポートの前記WTRU固有の参照信号が時間領域における直交カバーコードに適用されるように、前記複数のWTRUのWTRU固有の参照信号が前記ダウンリンク伝送に多重化されることを特徴とする実施形態24に記載のWTRU。
26、1つのサブグループのアンテナポートで前記WTRU固有の参照信号を伝送するために使用されるリソース要素は、別のサブグループのアンテナポートでミュートされることを特徴とする実施形態24乃至25のいずれかに記載のWTRU。
27、前記プロセッサは、前記ミュートされたリソース要素ではどのデータも前記WTRUに送信されないと仮定した上で前記ダウンリンク伝送を復号するように構成されることを特徴とする実施形態24乃至26のいずれかに記載のWTRU。
28、4つのアンテナポートを使用して8(8つの)レイヤまでサポートすることを特徴とする実施形態23乃至27のいずれかに記載のWTRU。
29、前記WTRUは、前記WTRUの空間相関に基づいてマルチユーザMIMOのペアにされることを特徴とする実施形態23乃至28のいずれかに記載のWTRU。
30、前記WTRUに割り当てられる帯域幅は、マルチユーザMIMOのペアであるWTRUに割り当てられる帯域幅とは異なることを特徴とする実施形態23乃至29のいずれかに記載のWTRU。
31、前記プロセッサは、マルチユーザMIMOのペアであるWTRUの最大帯域幅に関する情報を受信するように構成されることを特徴とする実施形態30に記載のWTRU。
32、前記プロセッサは、マルチユーザMIMOのペアであるWTRUに割り当てられる帯域幅が異なるという条件でスクランブルシーケンスを前記WTRU固有の参照信号に適用しないように構成されることを特徴とする実施形態30乃至31のいずれかに記載のWTRU。
【0103】
本特徴および要素を特定の組み合わせにおいて上述したが、各特徴または要素を単独で、または他の特徴および要素との任意の組み合わせにおいて使用することができることが当業者には認識されよう。さらに、本明細書で説明した方法は、コンピュータまたはプロセッサによって実行されるコンピュータ可読媒体に組み込まれるコンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアに実装できる。コンピュータ可読媒体の例は、(有線または無線接続経由で送信される)電子信号およびコンピュータ可読記憶媒体を含む。コンピュータ可読記憶媒体の例は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内部ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、およびCD−ROMおよびデジタル多用途ディスク(DVD)などの光媒体を含むが、これらに限らない。ソフトウェアと連動するプロセッサを使用して、WTRU、UE、端末機、基地局、RNC、または任意のホストコンピュータで使用するための無線周波数トランシーバを実装することができる。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16
図17