【実施例】
【0034】
以下に実施例として製剤例および薬理試験を示すが、これらの例は本発明をより良く理解するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
本発明におけるレバミピド又はその塩と涙液保持作用を有する薬剤とを配合する点眼剤の一般的な製剤例を以下に示す。
【0035】
製剤例1
ヒアルロン酸ナトリウム(0.1g)、ポリビニルアルコール(1g)、塩化ナトリウム(0.8g)及びクエン酸ナトリウム(0.2g)に精製水を適量加えて溶かし、レバミピド(2g)を加え、精製水を適量加えて全体量を100mLとした懸濁液を製造した。
【0036】
製剤例2
レバミピド(20g)、ポリビニルピロリドン(30g)、メグルミン(42g)、ホウ酸(10g)、塩化亜鉛(0.00104g)、ヒアルロン酸ナトリウム(1g)及びグリセリン(12g)に精製水を適量加えて溶かし、更に精製水を加えて1000mLとした溶液を製造した。
【0037】
製剤例3
レバミピド(20g)、ポリビニルピロリドン(30g)、メグルミン(42g)、ホウ酸(10g)、塩化亜鉛(0.001456g)、ヒアルロン酸ナトリウム(1g)及びグリセリン(12g)に精製水を適量加えて溶かし、更に精製水を加えて1000mLとした溶液を製造した。
【0038】
製剤例4
レバミピド(20g)、ポリビニルピロリドン(30g)、メグルミン(42g)、ホウ酸(10g)、塩化亜鉛(0.00208g)、ヒアルロン酸ナトリウム(1g)及びグリセリン(12g)に精製水を適量加えて溶かし、更に精製水を加えて1000mLとした溶液を製造した。
【0039】
製剤例5
レバミピド(20g)、ポリビニルピロリドン(30g)、メグルミン(42g)、ホウ酸(10g)、塩化亜鉛(0.00208g)及びヒアルロン酸ナトリウム(1g)に精製水を適量加えて溶かし、更に精製水を加えて1000mLとした溶液を製造した。
【0040】
日本薬局方及び米国薬局方による保存効力試験を、製剤例1、3および4を用いて実施し、結果はすべて適合した。
【0041】
薬理試験1
レバミピドと涙液保持作用を有する薬剤または人工涙液との組み合わせによる効果を調べるため、マウスドライアイモデルにレバミピドとヒアルロン酸ナトリウムを併用投与し角結膜表面の涙液貯留量の測定と角膜上皮障害の評価を行った。
【0042】
(被験化合物溶液)
レバミピド投与には、レバミピド点眼液2%(2%レバミピドを含む点眼液)を使用した。ヒアルロン酸ナトリウム投与には、ヒアレインミニ点眼液0.1%(0.1%ヒアルロン酸ナトリウムを含む点眼液)を使用した。
【0043】
(対照モデル群)
無処置の正常群(非ドライアイ群)は1群設定した。
【0044】
(ドライアイモデル群)
ドライアイモデルには、非点眼群、レバミピド投与群、ヒアルロン酸ナトリウム投与群およびレバミピド+ヒアルロン酸ナトリウム併用投与群の4つの群を設定した。
【0045】
(マウスドライアイモデルの作製)
マウスドライアイモデルは、C57BLマウスにスコポラミン(副交感神経遮断薬)生理食塩液水溶液を0.5mg/0.1mL/個体、4回/日、連日皮下投与を行い作製した。
【0046】
(投与方法)
2%レバミピド投与群(4回/日)、0.1%ヒアルロン酸ナトリウム投与群(6回/日)、2%レバミピド(4回/日)+0.1%ヒアルロン酸ナトリウム(6回/日)併用投与群のマウスに、各薬物点眼剤を片眼に対して2μL連日点眼投与した。併用投与は2%レバミピドの点眼から5分以上の点眼間隔を空けて0.1%ヒアルロン酸ナトリウムを点眼した。
【0047】
(涙液貯留量の測定方法)
涙液保持作用の指標として、綿糸法(phenol red thread test)を用いて涙液貯留量を測定した。即ち、被験化合物溶液投与6日目にマウスの耳側結膜に綿糸を留置し、点眼10分後の涙液量を30秒間計測した。
綿糸が涙液で変色した長さを測定して、涙液貯留量(mm)とした。
【0048】
(角膜上皮障害の評価方法)
角膜上皮障害を、ブルーフィルター照明下フルオレセインナトリウムを用いて評価した。即ち、被験化合物溶液投与6日目にマウスの眼に1%フルオレセインナトリウム1μL点眼後、生理食塩液で洗浄し、角膜の染色性をスコアー評価(スコアー:0〜9)した。
【0049】
(結果)
結果を
図1及び
図2に示す。
【0050】
(考察)
図1に示したとおり、レバミピド+ヒアルロン酸ナトリウム併用投与群は、レバミピド投与群およびヒアルロン酸ナトリウム投与群に比べて有意に涙液貯留量が多かった。また、
図2に示したとおり、レバミピド+ヒアルロン酸ナトリウム併用投与群は非投与群に比べて有意に角膜上皮障害を改善させた。これらの結果から、レバミピドとヒアルロン酸ナトリウムの組み合わせにより、より優れた涙液保持作用および顕著な角膜上皮障害改善作用が得られることが示された。
【0051】
薬理試験2
上記薬理試験1と同様に、レバミピドとヒアルロン酸ナトリウムの合剤を投与し、角結膜表面の涙液著流量の測定し、角膜上皮障害を評価した。
【0052】
(被験化合物溶液)
レバミピド投与には、レバミピド点眼液2%(2%レバミピドを含む点眼液)を使用した。ヒアルロン酸ナトリウム投与には、ヒアレインミニ点眼液0.1%(0.1%ヒアルロン酸ナトリウムを含む点眼液)を使用した。合剤投与群には、上記製剤例4にて製造した合剤を使用した。
【0053】
(対照モデル群)
無処置の正常群(非ドライアイ群)は1群設定した。
【0054】
(ドライアイモデル群)
ドライアイモデルには、非点眼群、レバミピド投与群、ヒアルロン酸ナトリウム投与群およびレバミピド+ヒアルロン酸ナトリウム合剤(製剤例4)投与群の4つの群を設定した。
【0055】
(マウスドライアイモデルの作製)
C57BLマウスにスコポラミン(副交感神経遮断薬)生理食塩液水溶液を0.5mg/0.1mL/個体、4回/日、連日皮下投与を行い作製した。
【0056】
(投与方法)
2%レバミピド投与群(4回/日)、0.1%ヒアルロン酸ナトリウム投与群(6回/日)、レバミピド+ヒアルロン酸ナトリウム合剤投与群(4回/日)のマウスに、各薬物点眼剤を片眼に対して2μL連日点眼投与した。
【0057】
(涙液貯留量の測定方法)
涙液保持作用の指標として、綿糸法(phenol red thread test)を用いて涙液貯留量を測定した。即ち、被験化合物溶液投与6日目にマウスの耳側結膜に綿糸を留置し、点眼10分後の涙液量を30秒間計測した。
綿糸が涙液で変色した長さを測定して、涙液貯留量(mm)とした。
【0058】
(角膜上皮障害の評価方法)
角膜上皮障害を、ブルーフィルター照明下フルオレセインナトリウムを用いて評価した。即ち、被験化合物溶液投与6日目にマウスの眼に1%フルオレセインナトリウム1μL点眼後、生理食塩液で洗浄し、角膜の染色性をスコアー評価(スコアー:0〜9)した。
【0059】
(結果)
結果を
図3および
図4に示す。
【0060】
(考察)
図3に示したとおり、レバミピド+ヒアルロン酸ナトリウム合剤投与群は非点眼群に比べて有意に涙液貯留量が多かった。また、
図4に示したとおり、レバミピド+ヒアルロン酸ナトリウム合剤投与群は非点眼群に比べて有意に角膜上皮障害を改善させた。これらの結果から、レバミピドとヒアルロン酸ナトリウムを組み合わせにより、より優れた涙液保持作用および顕著な角膜上皮障害改善作用が得られることが示された。
【0061】
薬理試験3
レバミピドと涙液保持作用を有する薬剤または人工涙液との組み合わせの有用性を調べるため、ラット涙液減少モデルにレバミピドとヒアルロン酸ナトリウムを併用投与し、涙液貯留量を測定し、角膜上皮障害を評価した。試験は単回投与試験と連続投与試験を実施した。
【0062】
(被験化合物溶液)
レバミピド投与には、レバミピド点眼液2%(2%レバミピドを含む点眼液)を使用した。ヒアルロン酸ナトリウム投与には、ヒアレインミニ点眼液0.1%(0.1%ヒアルロン酸ナトリウムを含む点眼液)を使用した。
【0063】
(対照モデル群)
無処置の正常群(非涙液減少群)を1群設定した。
【0064】
(ラット涙液減少モデル群)
ラット涙液減少モデルは非点眼群、レバミピド投与群、ヒアルロン酸ナトリウム投与群およびレバミピド+ヒアルロン酸ナトリウム併用投与群の4群を設定した。
【0065】
(ラット涙液減少モデルの作製)
生後4日齢のWister/STラットにカプサイシンを投与(50mg/kg)し、4週間経過後のラットをラット涙液減少モデルとして使用した。
【0066】
(投与方法)
単回投与試験では、2%レバミピド投与群、0.1%ヒアルロン酸ナトリウム投与群、および2%レバミピド+0.1%ヒアルロン酸ナトリウム投与群のラットに各薬物点眼剤を片眼に対して5μL点眼した。併用投与群では2%レバミピドを点眼して5分後に0.1%ヒアルロン酸ナトリウムを点眼した。
連続投与試験では、2%レバミピド投与群(4回/日)、0.1%ヒアルロン酸ナトリウム投与群(6回/日)、および2%レバミピド(4回/日)+0.1%ヒアルロン酸ナトリウム(6回/日)併用投与群のラットに、各薬物点眼剤を片眼に対して5μL点眼した。併用投与群は2%レバミピド点眼から5分以上間隔を空けて0.1%ヒアルロン酸ナトリウムを点眼した。
【0067】
(涙液貯留量の測定方法)
涙液保持作用の指標として、シルマー試験法を用いて涙液量を測定した。ラットの下側結膜にシルマー試験紙(1.5mm幅)を留置し、涙液量を1分間計測した。
【0068】
(角膜上皮障害の評価方法)
角膜上皮障害を、ブルーフィルター照明下フルオレセインナトリウムを用いて評価した。即ち、被験化合物溶液連続投与10日目にラットの眼に1%フルオレセインナトリウム1μL点眼後、生理食塩液で洗浄し、角膜の染色性をスコアー評価(スコアー:0〜9)した。
【0069】
(結果)
結果を
図5および
図6に示す。
【0070】
(考察)
図5に示したとおり、単回投与試験に関して、レバミピド+ヒアルロン酸ナトリウム併用投与群とヒアルロン酸ナトリウム投与群は、非点眼群に比べて有意に涙液貯留量が多かった。また、連続投与試験に関して、レバミピド+ヒアルロン酸ナトリウム併用投与群とヒアルロン酸ナトリウム投与群及びレバミピド投与群は、非点眼群に比べて有意に涙液貯留量が多かった。更に、
図6に示したとおり、レバミピド+ヒアルロン酸ナトリウム併用投与群は、非点眼群に比べて有意に角膜上皮障害を改善させた。これらの結果から、レバミピドとヒアルロン酸ナトリウムの組み合わせにより、即効性の涙液保持作用および顕著な角膜上皮障害改善作用が得られることが示された。