特許第6060172号(P6060172)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6060172複数の排気ポートを含む基板処理装置及びその方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6060172
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】複数の排気ポートを含む基板処理装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20161226BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20161226BHJP
【FI】
   H01L21/205
   C23C16/44 E
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-542245(P2014-542245)
(86)(22)【出願日】2012年11月16日
(65)【公表番号】特表2014-533442(P2014-533442A)
(43)【公表日】2014年12月11日
(86)【国際出願番号】KR2012009725
(87)【国際公開番号】WO2013073887
(87)【国際公開日】20130523
【審査請求日】2014年5月15日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0120257
(32)【優先日】2011年11月17日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】509123895
【氏名又は名称】ユ−ジーン テクノロジー カンパニー.リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002398
【氏名又は名称】特許業務法人小倉特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100081695
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 正明
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,イル−クヮン
(72)【発明者】
【氏名】ジェ,ソン−テ
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ビョン−ギュ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨン−キ
(72)【発明者】
【氏名】キム,キョン−フン
(72)【発明者】
【氏名】シン,ヤン−シク
【審査官】 小川 将之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−303147(JP,A)
【文献】 特開2003−017422(JP,A)
【文献】 特開平02−152224(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対する工程が行われる基板処理装置において,
上部が開放され,一側に前記基板が出入する通路が形成される下部チャンバと,
前記下部チャンバの開放された上部を閉鎖し,前記工程が行われる工程空間を提供する外部反応チューブと,
一つ以上の前記基板が上下方向に積載され,前記基板が積載される積載位置及び前記基板に対する前記工程が行われる工程位置に転換可能な基板ホルダと,
前記外部反応チューブの内壁に沿って配置されて前記反応ガスを吐出する供給口を有する一つ以上の供給ノズルと,
前記外部反応チューブの内壁に沿って配置されて前記工程空間内の未反応ガス及び反応副産物を吸入する排気口を有する一つ以上の排気ノズルと,
前記排気ノズルに連結され,前記排気口を介して吸入した前記未反応ガス及び前記反応副産物を排出する第2排気ラインと,を含み,
前記下部チャンバは,前記排気ノズルと前記第2排気ラインを連結する排気ポート及び前記下部チャンバの内部に形成された積載空間を前記第2排気ラインに連結する補助排気ポートを有し,
前記基板処理装置は,
前記補助排気ポートに連結された補助排気ライン及び前記補助排気ラインを開閉する第1補助バルブと,
前記排気ポートと前記第2排気ラインを連結する第1排気ラインと,
前記第1排気ラインの上に設置されて前記第1排気ラインの内部をポンプするポンプと,
前記第1排気ラインの上に設置されて前記第1排気ラインを開閉する開閉バルブと,
前記第1補助バルブの後方に設置されて前記補助排気ラインを開閉する第2補助バルブと,
前記補助排気ラインと前記第1排気ラインを連結し,一端が前記第1補助バルブと第2補助バルブとの間に連結されて他端が前記ポンプの前方に連結される連結ラインと,
前記連結ラインの上に設置されて前記連結ラインを開閉する連結バルブと,を更に含み,
工程を進行する前に前記第1補助バルブ及び前記連結バルブ,そして前記開閉バルブは開放状態であり,前記第2補助バルブは閉鎖状態であることを特徴とする
基板処理装置。
【請求項2】
前記基板ホルダは前記積載位置で前記積載空間内に位置し,前記工程位置で前記工程空間内に位置することを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
基板に対する工程が行われる基板処理装置において,
上部が開放され,一側に前記基板が出入する通路が形成される下部チャンバと,
前記下部チャンバの開放された上部を閉鎖し,前記工程が行われる工程空間を提供する外部反応チューブと,
一つ以上の前記基板が上下方向に積載され,前記基板が積載される積載位置及び前記基板に対する前記工程が行われる工程位置に転換可能な基板ホルダと,
前記外部反応チューブの内壁に沿って配置されて前記反応ガスを吐出する供給口を有する一つ以上の供給ノズルと,
前記外部反応チューブの内壁に沿って配置されて前記工程空間内の未反応ガス及び反応副産物を吸入する排気口を有する一つ以上の排気ノズルと,
前記排気ノズルに連結され,前記排気口を介して吸入した前記未反応ガス及び前記反応副産物を排出する第2排気ラインと,を含み,
前記下部チャンバは,前記排気ノズルと前記第2排気ラインを連結する排気ポート及び前記下部チャンバの内部に形成された積載空間を前記第2排気ラインに連結する補助排気ポートを有し,
前記基板処理装置は,
前記補助排気ポートに連結された補助排気ライン及び前記補助排気ラインを開閉する第1補助バルブと,
前記排気ポートと前記第2排気ラインを連結する第1排気ラインと,
前記第1排気ラインの上に設置されて前記第1排気ラインの内部をポンプするポンプと,
前記第1排気ラインの上に設置されて前記第1排気ラインを開閉する開閉バルブと,
前記第1補助バルブの後方に設置されて前記補助排気ラインを開閉する第2補助バルブと,
前記補助排気ラインと前記第1排気ラインを連結し,一端が前記第1補助バルブと第2補助バルブとの間に連結されて他端が前記ポンプの前方に連結される連結ラインと,
前記連結ラインの上に設置されて前記連結ラインを開閉する連結バルブと,を更に含み,
工程を進行する時,前記第1及び第2補助バルブ,そして前記開閉バルブは開放状態であり,前記連結バルブは閉鎖状態であることを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
前記積載空間の圧力は前記工程空間の圧力より高いことを特徴とする請求項1又は3記載の基板処理装置。
【請求項5】
基板に対する工程が行われる基板処理方法において,
下部チャンバの一側に形成された通路を介して前記下部チャンバの内部に形成された積載空間に位置する基板ホルダの上に前記基板を積載するステップと,
前記下部チャンバに形成され,前記積載空間に連結された補助排気ポートを介して前記積載空間を排気するステップと,
前記基板ホルダを前記下部チャンバの開放された上部を閉鎖して前記工程が行われる工程空間を提供する外部反応チューブの内部に移動するステップと,
前記工程空間に連結された供給ノズルを利用して前記工程空間に反応ガスを供給し,前記工程空間に連結された排気ノズル及び前記下部チャンバに形成され,前記排気ノズルに連結された排気ポートを利用して前記工程空間を排気するステップと,を含み,
前記工程空間を排気するステップは,
前記排気ポートに連結された第1排気ライン,前記第1排気ラインに連結されたポンプ及び前記ポンプに連結された第2排気ラインを介して前記工程空間を排気し,前記補助排気ポートと前記第2排気ラインの間に連結した補助排気ライン及び第2排気ラインを介して前記積層空間を排気し,
前記補助排気ラインと前記第1排気ラインを連結する連結ラインを閉鎖することを特徴とする基板処理方法。
【請求項6】
前記積載空間を排気するステップは,
前記補助排気ラインに設置され,前記補助排気ラインを開閉する第1補助バルブを開放し,前記補助排気ラインに前記第1補助バルブと一列に設置され,前記補助排気ラインを開閉する第2補助バルブを閉鎖し,
一端が前記補助排気ラインのうち前記第1補助バルブと前記第2補助バルブの間に連結され,他端が前記第1排気ラインに連結された連結ラインを開放し,前記補助排気ライン,前記連結ライン,前記第1排気ライン,前記ポンプ及び前記第2排気ラインを介して前記積載空間を排気することを特徴とする請求項5記載の基板処理方法。
【請求項7】
前記積載空間を排気するステップは、
前記補助排気ラインに一列に設置され,前記補助排気ラインを開閉する第1補助バルブ及び第2補助バルブを開放し,
一端が前記補助排気ラインのうち前記第1補助バルブと前記第2補助バルブの間に連結され,他端が前記第1排気ラインに連結された連結ラインを閉鎖し,前記補助排気ライン及び前記第2排気ラインを介して前記積載空間を排気するステップを更に含むことを特徴とする請求項5記載の基板処理方法。
【請求項8】
前記積載空間の圧力は前記工程空間の圧力より高いことを特徴とする請求項5〜7いずれか1項記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理装置及びその方法に関するものであり,より詳しくは,複数の排気ポートを含む基板処理装置及びその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常の選択的エピタキシープロセス(selective epitaxy process)は,蒸着反応及びエッチング反応を伴う。蒸着及びエッチング反応は多結晶層及びエピタキシャル層に対して比較的相異なる反応速度で同時に発生する。蒸着プロセスの途中,少なくとも一つの第2層の上に従来の多結晶層及び/又は非結晶層が蒸着される間,エピタキシャル層は単結晶表面の上に形成される。しかし,蒸着された多結晶層は一般にエピタキシャル層より速い速度でエッチングされる。よって,腐食ガスの濃度を変化させることでネット選択的プロセス(net selective process)がエピタキシー材料の蒸着及び制限された又は制限されていない多結晶材料の蒸着をもたらす。例えば,選択的エピタキシープロセスは,蒸着物がスペーサーの上に残っていないながらも単結晶シリコーンの表面上にシリコーン含有材料のエピ層(epilayer)の形成をもたらす。
【0003】
選択的エピタキシープロセスは一般にいくつかの短所を有する。このようなエピタキシープロセスの途中に選択性を維持するためには前駆体の化学的濃度及び反応温度が蒸着プロセスにわたって調節及び調整されるべきである。不十分なシリコーン前駆体が供給されると,エッチング反応が活性化されて全体プロセスが遅くなる。また,基板ピッチャーのエッチングに対して害が生じる恐れがある。不十分な腐食液前駆体が供給されると,蒸着反応は基板表面にわたって単結晶及び多結晶材料を形成する選択性(selectivity)が減少する可能性がある。また,通常の選択的エピタキシープロセスは約800℃,約1,000℃又はそれより高い温度のような高い反応温度を一般的に要求する。このような高い温度は基板表面に対するできるだけ統制されていない窒化反応及び熱予算(thermal budget)の理由のため製造プロセスの中に好ましくない。
【0004】
発明を実施するための形態
発明が解決しようとする課題
本発明の目的は,積載空間及び排気空間の排気を効果的に処理する基板処理装置及びその方法を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は,下部チャンバ内に反応ガスが蒸着されることを防止する基板処理装置及びその方法を提供することにある。
【0006】
本発明の更に他の目的は,後述する発明の概要と添付した図面からより明確になるはずである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施例によると,基板に対する工程が行われる基板処理装置は,上部が開放され,一側に前記基板が出入する通路が形成される下部チャンバと,前記下部チャンバの開放された上部を閉鎖し,前記工程が行われる工程空間を提供する外部反応チューブと,一つ以上の前記基板が上下方向に積載され,前記基板ホルダ内に前記基板が積載される積載位置及び前記基板に対する前記工程が行われる工程位置に転換可能な基板ホルダと,前記外部反応チューブの内壁に沿って配置されて前記反応ガスを吐出する供給口を有する一つ以上の供給ノズルと,前記外部反応チューブの内壁に沿って配置されて前記工程空間内の未反応ガス及び反応副産物を吸入する排気口を有する一つ以上の排気ノズルと,前記排気ノズルに連結され,前記排気口を介して吸入した前記未反応ガス及び前記反応副産物を排出する第2排気ラインと,を含み,前記下部チャンバは,前記排気ノズルと前記第2排気ラインを連結する排気ポート及び前記下部チャンバの内部に形成された積載空間を前記第2排気ラインに連結する補助排気ポートを有し,前記基板処理装置は,前記補助排気ポートに連結された補助排気ライン及び前記補助排気ラインを開閉する第1補助バルブと,前記排気ポートと前記第2排気ラインを連結する第1排気ラインと,前記第1排気ラインの上に設置されて前記第1排気ラインの内部をポンプするポンプと,前記第1排気ラインの上に設置されて前記第1排気ラインを開閉する開閉バルブと,前記第1補助バルブの後方に設置されて前記補助排気ラインを開閉する第2補助バルブと,前記補助排気ラインと前記第1排気ラインを連結し,一端が前記第1補助バルブと第2補助バルブとの間に連結されて他端が前記ポンプの前方に連結される連結ラインと,前記連結ラインの上に設置されて前記連結ラインを開閉する連結バルブと,を更に含み,工程を進行する前に前記第1補助バルブ及び前記連結バルブ,そして前記開閉バルブは開放状態であり,前記第2補助バルブは閉鎖状態である。
【0008】
前記基板ホルダは前記積載位置で前記積載空間内に位置し,前記工程位置で前記工程空間内に位置する。
【0011】
また,本発明の基板処理装置は,基板に対する工程が行われる基板処理装置において,上部が開放され,一側に前記基板が出入する通路が形成される下部チャンバと,前記下部チャンバの開放された上部を閉鎖し,前記工程が行われる工程空間を提供する外部反応チューブと,一つ以上の前記基板が上下方向に積載され,前記基板が積載される積載位置及び前記基板に対する前記工程が行われる工程位置に転換可能な基板ホルダと,前記外部反応チューブの内壁に沿って配置されて前記反応ガスを吐出する供給口を有する一つ以上の供給ノズルと,前記外部反応チューブの内壁に沿って配置されて前記工程空間内の未反応ガス及び反応副産物を吸入する排気口を有する一つ以上の排気ノズルと,前記排気ノズルに連結され,前記排気口を介して吸入した前記未反応ガス及び前記反応副産物を排出する第2排気ラインと,を含み,前記下部チャンバは,前記排気ノズルと前記第2排気ラインを連結する排気ポート及び前記下部チャンバの内部に形成された積載空間を前記第2排気ラインに連結する補助排気ポートを有し,
前記基板処理装置は,前記補助排気ポートに連結された補助排気ライン及び前記補助排気ラインを開閉する第1補助バルブと,前記排気ポートと前記第2排気ラインを連結する第1排気ラインと,前記第1排気ラインの上に設置されて前記第1排気ラインの内部をポンプするポンプと,前記第1排気ラインの上に設置されて前記第1排気ラインを開閉する開閉バルブと,前記第1補助バルブの後方に設置されて前記補助排気ラインを開閉する第2補助バルブと,前記補助排気ラインと前記第1排気ラインを連結し,一端が前記第1補助バルブと第2補助バルブとの間に連結されて他端が前記ポンプの前方に連結される連結ラインと,前記連結ラインの上に設置されて前記連結ラインを開閉する連結バルブと,を更に含み,工程を進行する時,前記第1及び第2補助バルブ,そして前記開閉バルブは開放状態であり,前記連結バルブは閉鎖状態でもいい。
【0012】
前記積載空間の圧力は前記工程空間の圧力より高い。
【0013】
本発明の一実施例によると,基板に対する工程が行われる基板処理方法は,下部チャンバの一側に形成された通路を介して前記下部チャンバの内部に形成された積載空間に位置する基板ホルダの上に前記基板を積載するステップと,前記下部チャンバに形成され,前記積載空間に連結された補助排気ポートを介して前記積載空間を排気するステップと,前記基板ホルダを前記下部チャンバの開放された上部を閉鎖して前記工程が行われる工程空間を提供する外部反応チューブの内部に移動するステップと,前記工程空間に連結された供給ノズルを利用して前記工程空間に反応ガスを供給し,前記工程空間に連結された排気ノズル及び前記下部チャンバに形成され,前記排気ノズルに連結された排気ポートを利用して前記工程空間を排気するステップと,を含み,
前記工程空間を排気するステップは,前記排気ポートに連結された第1排気ライン,前記第1排気ラインに連結されたポンプ及び前記ポンプに連結された第2排気ラインを介して前記工程空間を排気し,前記補助排気ポートと前記第2排気ラインの間に連結した補助排気ライン及び第2排気ラインを介して前記積層空間を排気し,前記補助排気ラインと前記第1排気ラインを連結する連結ラインを閉鎖する。
【0014】
前記積載空間を排気するステップは,前記補助排気ラインに設置され,前記補助排気ラインを開閉する第1補助バルブを開放し,前記補助排気ラインに前記第1補助バルブと一列に設置され,前記補助排気ラインを開閉する第2補助バルブを閉鎖し,一端が前記補助排気ラインのうち前記第1補助バルブと前記第2補助バルブの間に連結され,他端が前記第1排気ラインに連結された連結ラインを開放し,前記補助排気ライン,前記連結ライン,前記第1排気ライン,前記ポンプ及び前記第2排気ラインを介して前記積載空間を排気する。
【0015】
前記積載空間を排気するステップは,前記補助排気ラインに一列に設置され,前記補助排気ラインを開閉する第1補助バルブ及び第2補助バルブを開放し,一端が前記補助排気ラインのうち前記第1補助バルブと前記第2補助バルブの間に連結され,他端が前記第1排気ラインに連結された連結ラインを閉鎖し,前記補助排気ライン及び前記第2排気ラインを介して前記積載空間を排気するステップを更に含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施例によると積載空間及び排気空間の排気を効果的に処理することができ,特に下部チャンバ内に反応ガスが蒸着されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施例による半導体製造設備を概略的に示す図,
図2】本発明の一実施例によって処理された基板を示す図,
図3】本発明の一実施例によってエピタキシャル層を形成する方法を示すフローチャート,
図4図1に示したエピタキシャル装置を概略的に示す図,
図5図1に示した下部チャンバ及び基板ホルダを示す断面図,
図6図1に示した外部反応チューブ及び内部反応チューブと供給ノズル及び排気ノズルを概略的に示す断面図,
図7図1に示した供給ノズルの配置と熱電対の配置を示す断面図,
図8図1に示した排気ノズルの配置と熱電対の配置を示す断面図,
図9図1に示した供給ノズルにそれぞれ連結される供給ラインを示す図,
図10図1に示した内部反応チューブの中での反応ガスの流動を示す図,
図11】排気ポート及び補助排気ポートを利用した排気過程を示す図,
図12】排気ポート及び補助排気ポートを利用した排気過程を示す図,
図13】排気ポート及び補助排気ポートを利用した排気過程を示す図,
図14図1に示した基板ホルダが工程位置に転換された様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下,本発明の好ましい実施例を添付した図1乃至図14を参照してより詳細に説明する。本発明の実施例は様々な形に変形されてもよく,本発明の範囲が後述する実施例に限られると解釈されてはならない。本実施例は,該当発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明をより詳細に説明するために提供されるものである。よって,図面に示した各要素の形状はより明確な説明を強調するために誇張される可能性がある。
【0019】
一方,以下ではエピタキシャル工程を例に挙げて説明するが,本発明はエピタキシャル工程を含む多様な半導体製造工程に応用される。
【0020】
図1は,本発明の一実施例による半導体製造設備1を概略的に示す図である。半導体製造設備1は工程設備2,設備前方端部モジュール(Equipment Front End Module: EFEM)3,そして境界壁(interface wall)4を含む。設備前方端部モジュール3は工程設備2の前方に装着され,基板Sが収容された容器(図示せず)と工程設備2との間にウェハWを移送する。
【0021】
設備前方端部モジュール3は複数のロードポート(load ports)60とフレーム(frame)50を有する。フレーム50はロードポート60と工程設備2との間に位置する。基板Sを収容する容器はオーバーヘッドトランスファー(overhead transfer),オーバーヘッドコンベヤー(overhead conveyor)又は自動案内車両(automatic guided vehicle)のような移送手段(図示せず)によってロードポート60の上に置かれる。
【0022】
容器は前面開放一体式ポッド(Front Open Unified Pod: FOUD)のような密閉容器が使用される。フレーム50内にはロードポート60に置かれた容器と工程設備2との間に基板Sを移送するフレームロボット70が設置される。フレーム50内には容器のドアを自動的に開閉するドアオープナー(図示せず)が設置される。また,フレーム50には清浄空気がフレーム50内で上部から下部に流れるように清浄空気をフレーム50内に供給するファンフィルターユニット(Fan Filter Unit: FFU)(図示せず)が提供される。
【0023】
基板Sは工程設備2内で所定の工程が行われる。工程設備2は移送チャンバ(transfer chamber)102,ロードロックチャンバ(loadlock chamber)106,洗浄チャンバ(cleaning chamber)108a,108b,バッファチャンバ(buffer chamber)110,そしてエピタキシャルチャンバ(epitaxial chamber)(又はエピタキシャル装置)112a,112b,112cを含む。移送チャンバ102は上部から見ると大よそ多角形状を有し,ロードロックチャンバ106,洗浄チャンバ108a,108b,バッファチャンバ110,そしてエピタキシャルチャンバ112a,112b,112cは移送チャンバ102の側面に設置される。
【0024】
ロードロックチャンバ106は移送チャンバ102の側部のうち設備前方端部モジュール3と隣接する側部に位置する。基板Sはロードロックチャンバ106内に一時的に留まってから工程設備2にロードされて工程が行われ,工程が完了した後,基板Sは工程設備2からアンロードされてロードロックチャンバ106内に一時的に留まる。移送チャンバ102,洗浄チャンバ108a,108b,バッファチャンバ110,そしてエピタキシャルチャンバ112a,112b,112cは真空に維持され,ロードロックチャンバ106は真空及び大気圧に転換される。ロードロックチャンバ106は外部の汚染物質が移送チャンバ102,洗浄チャンバ108a,108b,バッファチャンバ110,そしてエピタキシャルチャンバ112a,112b,112cに流入されることを防止する。また,基板Sが移送される間には基板Sが大気に露出されないため,基板Sの上で酸化膜が成長することを防止する。
【0025】
ロードロックチャンバ106と移送チャンバ102との間,そしてロードロックチャンバ106と設備前方端部モジュール3との間にはゲートバルブ(図示せず)が設置される。設備前方端部モジュール3とロードロックチャンバ106との間に基板Sが移動すればロードロックチャンバ106と移送チャンバ102との間に提供されたゲートバルブが閉まり,ロードロックチャンバ106と移送チャンバ102との間に基板Sが移動すればロードロックチャンバ106と設備前方端部モジュール3との間に提供されるゲートバルブが閉まる。
【0026】
移送チャンバ102は基板ハンドラー104を具備する。基板ハンドラー104はロードロックチャンバ106,洗浄チャンバ108a,108b,バッファチャンバ110,そしてエピタキシャルチャンバ112a,112b,112cの間で基板Sを移送する。移送チャンバ102は基板Sが移動する際に真空を維持するように密封される。真空を維持することは,基板Sが汚染物質(例えば,O2,粒子状物質など)に露出されることを防止するためである。
【0027】
エピタキシャルチャンバ112a,112b,112cは基板Sの上にエピタキシャル層を形成するために提供される。本実施例では3つのエピタキシャルチャンバ112a,112b,112cが提供される。エピタキシャル工程は洗浄工程に比べ多くの時間を要するため,複数のエピタキシャルチャンバを介して製造収率を向上させることができる。本実施例とは異なって,4つ以上や2つ以下のエピタキシャルチャンバが提供されてもよい。
【0028】
洗浄チャンバ108a,108bは,エピタキシャルチャンバ112a,112b,112c内で基板Sに対するエピタキシャル工程が行われる前に基板Sを洗浄するために提供される。エピタキシャル工程が成功的に行われるためには,結晶性基板の上に存在する酸化物の量が最小化されるべきである。基板の表面酸素含有量が高すぎれば酸素原子がシード基板の上の蒸着材料の結晶学的配置を妨害するため,エピタキシャル工程は有害な影響を受ける。例えば,シリコーンエピタキシャル蒸着の際,結晶性基板の上の過度な酸素は原子単位の酸素原子クラスタによってシリコーン原子をそのエピタキシャル位置から変位させる。このような局所的な原子変位は層がより厚く成長する際に後続原子配列に誤差を起こす恐れがある。このような現象はいわゆる積層欠陥又はヒロック(hillock defects)と称される。基板表面の酸素化(oxygenation)は,例えば基板が移送される際に大気に露出される場合に発生する。よって,基板Sの上に形成された自然酸化膜(native oxide)(又は表面酸化物)を除去する洗浄工程が洗浄チャンバ108a,108b内で行われる。
【0029】
洗浄工程とは,ラジカル状態の水素(H)とNFガスを使用する乾式エッチング工程である。例えば,基板の表面に形成されたシリコーン酸化膜をエッチングする場合,チャンバ内に基板を配置してチャンバ内に真空雰囲気を形成した後,チャンバ内でシリコーン酸化膜と反応する中間生成物を発生させる。
【0030】
例えば,チャンバ内に水素ガスのラジカル(H)とフッ化物ガス(例えば,フッ化窒素(NF))のような反応性ガスを供給すると,下記反応式1のように反応性ガスが還元されてNH(x,yは任意の整数)のような中間生成物が生成される。
【0031】
中間生成物はシリコーン酸化膜(SiO)と反応性が高いため,中間生成物がシリコーン基板の表面に到達するとシリコーン酸化膜と選択的に反応して下記反応式2のように反応生成物((NHSiF)が生成される。
【0032】
次に,シリコーン基板を100℃以上に加熱すると下記反応式3のように反応生成物が熱分解されて熱分解ガスになって蒸発されるため,結果的に基板の表面からシリコーン酸化膜が除去される。下記反応式3のように,熱分解ガスはHFガスやSiFガスのようにフッ素を含有するガスが含まれる。
【0033】
前記のように,洗浄工程は反応生成物を生成する反応工程及び反応生成物を熱分解するヒーティング工程を含み,反応工程及びヒーティング工程は洗浄チャンバ108a,108b内で一緒に行われるか,洗浄チャンバ108a,108bのうちいずれか一つで反応工程が行われて洗浄チャンバ108a,108bのうち他の一つでヒーティング工程が行われてもよい。
【0034】
バッファチャンバ110は洗浄工程が完了した基板Sが積載される空間とエピタキシャル工程が行われた基板Sが積載される空間を提供する。洗浄工程が完了すると,基板Sはエピタキシャルチャンバ112a,112b,112cに移送される前にバッファチャンバ110に移動してバッファチャンバ110内に積載される。エピタキシャルチャンバ112a,112b,112cは複数の基板に対する単一工程が行われるバッチタイプ(batch type)であってもよく,エピタキシャルチャンバ112a,112b,112c内でエピタキシャル工程が完了するとエピタキシャル工程が行われた基板Sはバッファチャンバ110内に順次に積載され,洗浄工程が完了した基板Sはエピタキシャルチャンバ112a,112b,112c内に順次に積載される。この際,基板Sはバッファチャンバ110内に縦方向に積載される。
【0035】
図2は,本発明の一実施例によって処理された基板を示す図である。上述したように,基板Sに対するエピタキシャル工程が行われる前に基板Sに対する洗浄工程が洗浄チャンバ108a,108b内で行われ,洗浄工程を介して基板70の上面に形成された酸化膜72を除去する。酸化膜は洗浄チャンバ108a,108b内で洗浄工程を介して除去される。洗浄工程を介して基板70の表面上にエピタキシー表面74が露出され,それを介してエピタキシャル層の成長を助ける。
【0036】
次に,基板Sの上にエピタキシャル工程がエピタキシャルチャンバ112a,112b,112c内で行われる。エピタキシャル工程は化学気相蒸着によって行われ,エピタキシー表面74の上にエピタキシー層76を形成する。基板70のエピタキシー表面74はシリコーンガス(例えば,SiCl,SiHCl,SiHCl,SiHCl,Si又はSiH)及びキャリアガス(例えば,N及び/又はH)を含む反応ガスに露出される。また,エピタキシー層76がドーパントを含むことが要求される場合,シリコーン含有ガスはドーパント含有ガス(例えば,アルシン(AsH),ホスフィン(PH)及び/又はジボラン(B))を含む。
【0037】
図3は,本発明の一実施例によってエピタキシャル層を形成する方法を示すフローチャートである。方法はステップ10から始まる。ステップ20において,基板Sはエピタキシャル工程の前に洗浄チャンバ108a,108bに移動し,基板ハンドラー104は基板Sを洗浄チャンバ108a,108bに移送する。移送は真空に維持される移送チャンバ102を介して行われる。ステップ30で基板Sに対する洗浄工程が行われる。上述したように,洗浄工程は反応生成物を生成する反応工程及び反応生成物を熱分解するヒーティング工程を含む。反応工程及びヒーティング工程は洗浄チャンバ108a,108b内で一緒に行われるか,洗浄チャンバ108a,108bのうちいずれか一つで反応工程が行われて洗浄チャンバ108a,108bのうち他の一つでヒーティング工程が行われてもよい。
【0038】
ステップ40で洗浄工程が完了した基板Sはバッファチャンバ110に移送されてバッファチャンバ110内に積載され,バッファチャンバ110内でエピタキシャル工程を待機する。ステップ50で基板Sはエピタキシャルチャンバ112a,112b,112cに移送され,移送は真空に維持される移送チャンバ102を介して行われる。ステップ60で基板Sの上にエピタキシャル層が形成される。次に,基板Sはステップ70で更にバッファチャンバ110に移送されてバッファチャンバ110内に積載され,ステップ80で工程が終了される。
【0039】
図4図1に示したエピタキシャル装置を概略的に示す図であり,図5図1に示した下部チャンバ及び基板ホルダを示す断面図である。エピタキシャル装置(又はエピタキシャルチャンバ)は上部が開放された形状を有する下部チャンバ312bを含み,下部チャンバ312bは移送チャンバ102に連結される。下部チャンバ312bは移送チャンバ102と連結される通路319を有し,基板Sは通路319を介して移送チャンバ102から下部チャンバ312bにロードされる。ゲートバルブ(図示せず)は通路319の外側に設置され,通路319はゲートバルブによって開放及び閉鎖される。
【0040】
エピタキシャル装置は複数の基板Sが積載される基板ホルダ328を具備し,基板Sは基板ホルダ328の上に上下方向に積載される。例えば,基板ホルダ328は15枚の基板Sを積載する。基板ホルダ328が下部チャンバ312bの内部に提供された積載空間内に位置する間(又は「積載位置」),基板Sは基板ホルダ328内に積載される。後述するように基板ホルダ328は昇降可能であり,基板ホルダ328のスロットの上に基板Sが積載されると基板ホルダ328が上昇して基板ホルダ328の次のスロットの上に基板Sが積載される。基板ホルダ328の上に基板が全て積載されると,基板ホルダ328は外部反応チューブ312aの内部に移動し(又は「工程位置」),外部反応チューブ312aの内部でエピタキシャル工程が行われる。
【0041】
熱遮断プレート316は基板ホルダ328の下部に設置され,基板ホルダ328と一緒に昇降する。基板ホルダ328が工程位置に転換されると,図14に示したように熱遮断プレート316は内部反応チューブ314の開放された下部を閉鎖する。熱遮断プレート316はセラミックやクオーツ(quartz)又はメタルにセラミックをコーティングした材質であってもよく,工程進行の際に反応領域内の熱が積載空間に移動することを遮断する。反応領域内に供給された反応ガスのうち一部は内部反応チューブ314の開放された下部を介して積載空間に移動するが,この際,積載空間が一定温度以上であれば反応ガスのうち一部が積載空間の内壁に蒸着される。よって,熱遮断プレート316を介して積載空間が過熱されることを防止する必要があり,それを介して反応ガスが積載空間の内壁に蒸着されることを防止することができる。
【0042】
下部チャンバー312bは排気ポート344及び補助排気ポート328a,そして補助ガス供給ポート362を有する。排気ポート344は
字形状であり,後述する排気ノズルユニット334は排気ポート344を介して第1排気ライン342と連結される。また,補助排気ポート328aは補助排気ライン328bに連結され,下部チャンバ312b内部の積載空間は補助排気ポート328aを介して排気可能である。
【0043】
補助ガス供給ポート362は補助ガス供給ライン(図示せず)に連結され,補助ガス供給ラインを介して供給されたガスを積載空間内に供給する。例えば,非活性ガスが補助ガス供給ポート362を介して積載空間内に供給されてもよい。非活性ガスを積載空間内に供給することで工程空間内に供給された反応ガスが積載空間に移動することを防止する。
【0044】
より詳しくは,非活性ガスを積載空間内に連続的に供給し,補助排気ポート328aを介して排気することで工程空間内に供給された反応ガスが積載空間に移動することを防止する。この際,積載空間内の圧力が工程空間内の圧力より少し高くなるように設定してもよい。積載空間内の圧力が工程空間内の圧力より少し高い場合,工程空間内の反応ガスが積載空間に移動することができない。
【0045】
図6図1に示した外部反応チューブ及び内部反応チューブと供給ノズル及び排気ノズルを概略的に示す断面図である。外部反応チューブ312aは上部が開放された下部チャンバ312bの上部を閉鎖し,エピタキシャル工程が行われる工程空間を提供する。支持フランジ442は下部チャンバ312bと外部反応チューブ312aとの間に設置され,外部反応チューブ312は支持フランジ442の上部に設置される。下部チャンバ312bの積載空間と外部反応チューブ312aの工程空間は支持フランジ442の中央に形成された開口を介して互いに連通され,上述したように基板ホルダ328の上に基板が全て積載されると,基板ホルダ328は外部反応チューブ312aの工程空間に移動する。
【0046】
内部反応チューブ314は外部反応チューブ312aの内部に設置され,内部反応チューブ314は基板Sに対する反応領域を提供する。外部反応チューブ312aの内部は内部反応チューブ314によって反応領域と非反応領域に区画され,反応領域は内部反応チューブ314の内部に位置し,非反応領域は内部反応チューブ314の外部に位置する。基板ホルダ328は工程位置に転換する際に反応領域に位置し,反応領域は工程空間より小さい容積を有する。よって,反応領域内に供給する場合には反応ガスの使用量を最小化することができるだけでなく,反応ガスを基板ホルダ328内に積載された基板Sに集中することができる。内部反応チューブ314の上部は閉鎖された状態で外部が開放され,基板ホルダ328は内部反応チューブ314の下部を介して反応領域に移動する。
【0047】
図4に示したように,側部ヒータ324及び上部ヒータ326は外部反応チューブ312aを囲むように配置される。側部ヒータ324及び上部ヒータ326は外部反応チューブ312a内部の工程空間を過熱し,それを介して工程空間(又は反応領域)はエピタキシャル工程が可能な温度に到達する。側部ヒータ324及び上部ヒータ326は支持フレーム327を介して上部昇降ロード337に連結され,昇降モータ338によって上部昇降ロード337が回転することで支持フレーム327が昇降する。
【0048】
エピタキシャル装置はガス供給ユニットを更に含み,ガス供給ユニットは供給ノズルユニット332及び排気ノズルユニット334を具備する。供給ノズルユニット332は複数の供給管332a及び複数の供給ノズル332bを具備し,供給ノズル332bは供給管332aにそれぞれ連結される。それぞれの供給ノズル332bは円形の管状であり,供給口332cは供給ノズル332bの先端に位置して反応ガスは供給口332cを介して吐出される。供給口332cは円形の断面を有し,図6に示したように供給ノズル332bは供給口332cの高さが互いに異なるように配置される。
【0049】
供給管332a及び供給ノズル332bは外部反応チューブ312aの内部に位置する。供給管332aは上下に連結され,供給ノズル332bは前記供給管332aに対してそれぞれほぼ垂直に配置される。供給口332cは内部反応チューブ314の内側に位置し,それによって供給口332cを介して吐出された反応ガスは内部反応チューブ314内部の反応領域に集中される。内部反応チューブ314は複数の貫通孔374を有し,供給ノズル332bの供給口332cは貫通孔374を介してそれぞれ内部反応チューブ314の内側に配置される。
【0050】
図7は,図1に示した供給ノズルの配置と熱電対の配置を示す断面図である。図7に示したように,供給ノズル332bは円形の供給口をそれぞれ有する。供給ノズル332bの供給口は内部反応チューブ314の内壁に沿って円周方向に配置され,それぞれ互いに異なる高さに位置する。基板ホルダ328が工程位置に転換されると,供給ノズル332bは基板ホルダ328の上に置かれた基板Sに向かってそれぞれ反応ガスを噴射する。この際,供給口の高さはそれぞれの基板Sの高さとほぼ一致する。図6に示したように,供給ノズル332bは支持フランジ442に形成された供給ライン342を介してそれぞれ反応ガスソース(図示せず)と連結される。
【0051】
反応ガスソースは蒸着用ガス(シリコーンガス(例えば,SiCl,SiHCl,SiHCl,SiHCl,Si又はSiH)及びキャリアガス(例えば,N及び/又はH)を供給するかエッチング用ガスを供給する。選択的エピタキシープロセスは蒸着反応及びエッチング反応を伴う。本実施例では図示していないが,エピタキシー層がドーパントを含むことが要求される場合,ドーパントを含有するガス(例えば,アルシン(AsH),ホスフィン(PH)及び/又はジボラン(B))が供給されてもよい。また,洗浄又はエッチングの場合には塩化水素(HCl)が供給されてもよい。
【0052】
図6に示したように,排気ノズルユニット334は複数の排気管334a及び複数の排気ノズル334bを具備し,排気ノズル334bは排気管334aにそれぞれ連結される。排気口334cは排気ノズル334bの先端に位置して未反応ガス及び反応副産物を吸入する。排気口334cはスロット状の断面を有し,図6に示したように排気ノズル334bは排気口334cの高さが互いに異なるように配置される。
【0053】
排気管334a及び排気ノズル334bは外部反応チューブ312aの内部に位置する。排気管334aは上下に延長され,排気ノズル334bは排気管334aに対してそれぞれほぼ垂直に配置される。排気口334cは内部反応チューブ314の内側に位置し,それによって排気口334cを介して内部反応チューブ314内部の反応領域から未反応ガス及び反応副産物を効果的に吸入する。内部反応チューブ314は複数の貫通孔376を有し,排気ノズル334bの排気口334cは貫通孔376を介してそれぞれ内部反応チューブ314の内側に配置される。
【0054】
図8は,図1に示した排気ノズルの配置と熱電対の配置を示す断面図である。図8に示したように,排気ノズル334bはスロット状の断面である排気口334cをそれぞれ有する。排気ノズル334bの排気口334cは内部反応チューブ314の内壁に沿って円周方向に配置され,それぞれ異なる高さに位置する。基板ホルダ328が工程位置に転換されると供給ノズル332bは基板ホルダ328の上に置かれた基板Sに向かってそれぞれ反応ガスを噴射し,この際,内部反応チューブ314内には未反応ガス及び副産物が発生する。排気ノズル334bは未反応ガス及び反応副産物を吸入して外部に排出する。排気口334cの高さはそれぞれの基板Sの高さとほぼ一致する。図4に示したように,排気ノズル334bは下部チャンバ312bに形成された排気ポート334を介して第1排気ライン342と連結され,未反応ガス及び反応副産物は第1排気ライン342を介して排出される。開閉バルブ346は第1排気ライン342の上に設置されて第1排気ライン342を開閉し,ターボポンプ348は第1排気ライン342の上に設置されて第1排気ライン342を介して未反応ガス及び反応副産物を強制排出する。第1排気ライン342は第2排気ライン352に連結され,第1排気ライン342に沿って移動した未反応ガス及び反応副産物は第2排気ライン352を介して排出される。
【0055】
一方,補助排気ポート328aは下部チャンバ312bに形成され,補助排気ライン328bが補助排気ポート328aに連結される。補助排気ライン328bは第2排気ライン352に連結され,第1及び第2補助バルブ328c,328dは補助排気ライン328bの上に設置されて補助排気ライン328bを開閉する。補助排気ライン328bは連結ライン343を介して第1排気ライン342に連結され,連結バルブ343aは連結ライン343の上に設置されて連結ライン343を開閉する。
【0056】
図7及び図8に示したように,熱電対(thermocouples)382,384は外部反応チューブ312aと内部反応チューブ314との間に設置され,熱電対382,384は上下方向に配置されて高さに応じた温度を測定する。よって,作業者は工程空間内の温度を高さに応じて把握することができ,温度分布が工程に及ぼす影響を事前に点検することができる。
【0057】
図9図1に示した供給ノズルにそれぞれ連結される供給ラインを示す図である。図9に示したように,供給ノズル332bはそれぞれ別途の供給ライン342を介して反応ガスソース(図示せず)と連結される。よって,複数の供給ノズル332bを介して均一な流量の反応ガスを内部反応チューブ314の反応領域に供給することができる。もし,一つの供給ライン342が複数の供給ノズル332bに連結される場合,供給ノズル332bによって互いに異なる流量の反応ガスを供給することができ,それによって基板ホルダ328の上の位置に応じて工程率が異なるように示される。
【0058】
図10は,図1に示した内部反応チューブ内での反応ガスの流動を示す図である。上述したように,供給ノズル332bの供給口332cは内部反応チューブ314の内壁に沿って円周方向に配置され,それぞれ異なる高さに位置する。また,排気ノズル334bの排気口334cは内部反応チューブ314の内壁に沿って円周方向に配置され,それぞれ異なる高さに位置する。この際,同じ高さを基準に供給口332cの中心と排気口334cの中心は対称を成す。即ち,基板ホルダ328に積載された基板Sの中心を基準に供給ノズル332bの供給口332cと排気ノズル334bの排気口334cは互いに反対側に位置する。よって,供給ノズル332bから噴射された反応ガスは反対側に位置する排気ノズル334bに向かって流れ(矢印で表示),それを介して反応ガスと基板Sの表面が反応する十分な時間を確保することができる。この際,工程の途中で発生した未反応ガス及び反応副産物は排気ノズル334bを介して吸入されて排出される。
【0059】
また,図10に示したように,基板ホルダ328に積載された基板Sの高さに応じて反応ガスの流動は互いに異なるように現れ,基板Sの高さに応じて反応ガスの流動は位相差を有する。即ち,供給ノズル332bの供給口332cの位置と排気ノズル334bの排気口334cの位置が基板Sの高さに応じて位相差を有するため,同じく,反応ガスの位相も基板Sの高さに応じて位相差を有する。図10を参照すると,(1)は最上端に位置する供給ノズル332bから排気ノズル334bに向かう反応ガスの流動を示し,(2)は最下端に位置する供給ノズル332bから排気ノズル334bに向かう反応ガスの流動を示す。(1)と(2)との間には一定角度の位相差がある。よって,供給口から噴射された反応ガスは異なる高さにある供給口から噴射された反応ガスによって拡散される効果を示す。即ち,位相差を有する反応ガスの流動の間に干渉が発生する可能性があり,それによって反応ガスは干渉によって拡散された状態で排気ノズル334bに向かって移動する。
【0060】
また,供給ノズル332bの供給口332cは円形である一方,排気ノズル334bの排気口334cはスロット状である。よって,供給ノズル332bの供給口332cから噴射された反応ガスは排気口334cの形状に応じて一定な幅を有するように拡散され(図10に図示),それを介して反応ガスが基板Sの表面と接触する面積を増加させることができる。また,十分な反応を誘導することで未反応ガスの発生を抑制することができる。反応ガスは供給口332cから排気口334cに至るまで基板Sの上で層流流動(laminar flow)を形成する。
【0061】
図11乃至図13は,排気ポート及び補助排気ポートを利用した排気過程を示す図である。図4に示したように,排気ノズル334bは下部チャンバ312bに形成された排気ポート344を介して第1排気ライン342と連結され,未反応ガス及び反応副産物は第1排気ライン342を介して排出される。開閉バルブ346は第1排気ライン342の上に設置されて第1排気ライン342を開閉し,ターボポンプ348は第1排気ライン342の上に設置されて第1排気ライン342を介して未反応ガス及び反応副産物を強制排出する。第1排気ライン342は第2排気ライン352に連結され,第1排気ライン342に沿って移動した未反応ガス及び反応副産物は第2排気ライン352を介して排出される。
【0062】
補助排気ポート328aは下部チャンバ312bに形成され,補助排気ライン328bが補助排気ポート328aに連結される,補助排気ライン328bは第2排気ライン352に連結され,第1及び第2補助バルブ328c,328dは補助排気ライン328bの上に設置されて補助排気ライン328bを開閉する。補助排気ライン328bは連結ライン343を介して第1排気ライン342に連結され,連結バルブ343aは連結ライン343の上に設置されて連結ライン343を開閉する。
【0063】
補助排気ポート328aに対してより詳しく説明すると以下のようである。まず,工程を行う前に下部チャンバ312bの内部及び外部反応チューブ312a(又は内部反応チューブ314)の内部は真空が形成されているべきである。この際,作業者は補助排気ポート328aを利用して下部チャンバ312b及び外部反応チューブ312a(又は内部反応チューブ314)内部の真空を形成する。作業者は第1及び第2補助バルブ328c,328dを開放した状態で連結バルブ343a及び開閉バルブ346を閉鎖し,この場合,補助排気ライン328b及び第2排気ライン352を介して排気が行われる。
【0064】
次に,一定時間の間に補助排気ライン328b及び第2排気ライン352を介して排気が行われると,作業者は第1補助バルブ328c及び連結バルブ343a,そして開閉バルブ346を開放した状態で第2補助バルブ328dを閉鎖し,この場合,補助排気ライン328b及び連結ライン343,第1排気ライン342,そして第2排気ライン352を介して排気が行われる。この際,ターボポンプ348を介して排気可能であり,ターボポンプ348を利用して下部チャンバ312b及び外部反応チューブ312a(又は内部反応チューブ314)内部の圧力を工程圧力に調節することができる。
【0065】
このように2段階に分けて下部チャンバ312b及び外部反応チューブ312a(又は内部反応チューブ314)の内部に真空を形成する場合,高真空を形成する高性能のターボポンプ348によって下部チャンバ312b及び外部反応チューブ312a(又は内部反応チューブ314)に過度な圧力が加えられることを防止することができる。また,下部チャンバ312bに直接連結された補助排気ポート328aを利用して真空を形成する場合,排気ノズル334bに連結された排気ポート344を利用することに比べ効果的に真空を形成することができる。
【0066】
一方,工程進行の途中,作業者は第1及び第2補助バルブ328c,328d,開閉バルブ346を開放した状態で連結バルブ343aを閉鎖することができ,この場合,排気ノズル334bを利用して吸入した未反応ガス及び反応副産物が第1及び第2排気ライン342,352を介して排出される。また,補助ガス供給ポート362を介して下部チャンバ312bの積載空間内に非活性ガスを供給し,同時に補助排気ライン328bを介して下部チャンバ312bの積載空間内部の非活性ガスを外部に排出する。このような方法を介して積載空間内の圧力が工程空間内の圧力より少し高くなるように設定し,工程空間内の反応ガスが積載空間に移動することを防止する。
【0067】
図4に示したように基板ホルダ328は回転軸318に連結され,回転軸318は下部チャンバ312bを貫通して昇降モータ319a及び回転モータ319bに連結される。回転モータ319bはモータハウジング319cの上に設置され,回転モータ319bはエピタキシャル工程が行われる間に回転軸318を駆動して回転軸318と共に基板ホルダ328(及び基板S)を回転させる。これは,反応ガスが供給口332cから排気口334cに向かって流れ,基板Sに対する蒸着が供給口332c側から排気口334c側に進行されることで反応ガスの濃度が減少する傾向があるためである。このような結果を防止し,基板Sの表面で均一な蒸着が行われるように基板Sが回転する。
【0068】
モータハウジング319cはブラケット319dに固定され,ブラケット319dは下部チャンバ312bの下部に連結された昇降ロード319eの上に連結されて昇降ロード319eに沿って昇降する。ブラケット319dは下部ロード419にねじ締結され,下部ロード419は昇降モータ319aによって回転する。即ち,昇降モータ319aの回転によって下部ロード419が回転し,それによってブラケット319cとモータハウジング319cが共に昇降する。よって,回転軸318と基板ホルダ328は共に昇降する。基板ホルダ328は昇降モータ319aによって積載位置及び工程位置に転換される。ベローズ318aは下部チャンバ312bとモータハウジング319cを互いに連結し,それを介して下部チャンバ312b内部の機密を維持する。図11図1に示した基板ホルダが工程位置に転換された様子を示す図である。
【0069】
一方,図11に示したように熱遮断プレート316は基板ホルダ328の下部に設置され,回転軸318が昇降することで基板ホルダ328と共に昇降する。熱遮断プレート316は内部反応チューブ314の開放された下部を閉鎖して内部反応チューブ314内部の熱が下部チャンバ312b内の積載空間に移動することを防止する。
【0070】
本発明を,実施例を介して詳細に説明したが,これとは異なる他の実施例も可能である。よって,後述する特許請求の範囲の技術的思想と範囲は実施例に限られない。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は,多様な形態の半導体製造設備及び製造方法に応用される。
図1
図2(a)】
図2(b)】
図2(c)】
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14