特許第6060186号(P6060186)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6060186
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】複数のモードを有するチルドビーム
(51)【国際特許分類】
   F24F 3/04 20060101AFI20161226BHJP
   F24F 13/068 20060101ALI20161226BHJP
   F24F 1/00 20110101ALI20161226BHJP
   F24F 13/06 20060101ALI20161226BHJP
   F24F 7/10 20060101ALI20161226BHJP
   F24F 13/08 20060101ALI20161226BHJP
   F24F 11/04 20060101ALI20161226BHJP
   F24F 13/10 20060101ALI20161226BHJP
   F24F 13/30 20060101ALI20161226BHJP
   F24F 13/32 20060101ALI20161226BHJP
【FI】
   F24F3/04
   F24F13/068 B
   F24F1/00 301
   F24F13/06 A
   F24F7/10 101Z
   F24F13/08 A
   F24F11/04 Z
   F24F13/10 E
   F24F1/00 391A
   F24F1/00 431A
   F24F1/00 426
【請求項の数】8
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2014-561533(P2014-561533)
(86)(22)【出願日】2013年3月15日
(65)【公表番号】特表2015-513367(P2015-513367A)
(43)【公表日】2015年5月11日
(86)【国際出願番号】IB2013000771
(87)【国際公開番号】WO2013136177
(87)【国際公開日】20130919
【審査請求日】2016年3月11日
(31)【優先権主張番号】61/611,979
(32)【優先日】2012年3月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508058169
【氏名又は名称】オーワイ ハルトン グループ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウルマネン、ヘイモ
(72)【発明者】
【氏名】リブチャック、アンドレー ブイ
【審査官】 安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第2333436(EP,A2)
【文献】 国際公開第2009/050129(WO,A1)
【文献】 特開2011−021808(JP,A)
【文献】 特開平11−153332(JP,A)
【文献】 特開平05−052363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/00
F24F 1/01
F24F 3/02
F24F 3/04
F24F 3/06
F24F 7/08
F24F 7/10
F24F 13/06
F24F 13/068
F24F 13/08
F24F 13/10
F24F 13/30
F24F 13/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い単一の端末装置を形成する長手方向の一次空気プレナム(106)および長手方向の少なくとも1つの戻り空気プレナム(110)であって、前記一次空気プレナム(106)と前記戻り空気プレナム(110)とにそれぞれの圧力になるまで圧力をかけるために、別々の空気ソースに接続するための別々の取り付け用の継ぎ輪を有する、長手方向の一次空気プレナム(106)および長手方向の少なくとも1つの戻り空気プレナム(110)と、
前記単一の端末装置に隣接して画定されているとともに単一の端末装置に隣接する混合チャネル(114)を含む空気経路と、
前記空気経路における熱交換器(104)と、
を備えるチルドビーム装置において、
前記一次空気プレナム(106)と前記戻り空気プレナム(110)とのそれぞれが、前記熱交換器(104)を通る気流(102)を誘導するジェット(108,112)を形成するとともに前記単一の端末装置から空気を射出するように構成されたオリフィスまたはノズル(103,115)によって、前記混合チャネル(114)の中に互いに隣接して開口している、チルドビーム装置。
【請求項2】
前記戻り空気プレナム(110)が複数のプレナム部分に分かれており、それぞれのプレナム部分が、1つまたは複数の対応する開口部またはノズル(103,115)に対して開口している、請求項1に記載のチルドビーム装置。
【請求項3】
前記戻り空気プレナム(110)に対する前記取り付け用の継ぎ輪が、前記戻り空気プレナム(110)のそれぞれの部分に対して接続用の調節器によって開口しているマニホールドに接続されている、請求項1に記載のチルドビーム装置。
【請求項4】
前記接続用の調節器のうちの少なくともいくつかが、前記マニホールドから前記戻り空気プレナム(110)の各部分への相対的な量の空気が別々に調整され得る調整可能な開口領域を有する、請求項3に記載のチルドビーム装置。
【請求項5】
前記接続用の調節器の少なくとも1つが、モータを取り付けられたダンパーを有する、請求項4に記載のチルドビーム装置。
【請求項6】
前記接続用の調節器の少なくとも2つが、モータを取り付けられたダンパーを有する、請求項4に記載のチルドビーム装置。
【請求項7】
前記マニホールドが、前記細長い単一の端末装置の長さ部分に沿って延びているプレナムを含む、請求項6に記載のチルドビーム装置。
【請求項8】
前記マニホールドが、前記細長い単一の端末装置の長さ部分に沿って延びているプレナムを含む、請求項5に記載のチルドビーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気用の空気、および再循環する空気が流れる端末装置に関し、より詳細には、再循環する気流の少なくとも一部を、暖房および/または冷房用に熱交換器を通して誘導するために供給空気が用いられることのある端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
部屋を冷房するため、公知のシステムでは、中央換気システムからの一次空気を供給する端末装置が各空調スペースにおいて用いられている。空調スペースにおける空気の混合を確実なものとするために、高速の空気が用いられることがある。この高い速度の空気は、端末装置により、一次空気と二次空気の混合物から生成され得る。熱交換器を通って二次空気も端末空気装置に入る場合、すなわち、端末装置が熱交換器を含む場合には、暖房負荷または冷房負荷の少なくとも一部は、換気用の一次空気によって提供される負荷分に加え、さらに熱交換器の負荷分(heat exchanger load)によっても満たされ得る。このようなシステムの一般的な例は、アクティブチルドビームである。
【0003】
アクティブチルドビームでは、冷房能力は、チルドビームの熱交換器にパイプで送られる冷水によって部分的に満たされ得る。しかし、すべての冷房負荷を熱交換器が満たすわけではなく、冷房負荷は、冷却された十分な量の空気を、換気用の一次配管を介して送るようにサイズの決められた空気処理機によっても満たされることになる。したがって、換気の負荷分だけが空気処理システムによって扱われる必要がある。さらにチルドビームは、天井に取り付けるのに適しており、言い換えれば、吊るされている天井と同一平面上に取り付けられる。しかし、チルドビームはスタンドアローンのコンポーネントであるため、多くの様々な方法で取り付けることができる。チルドビームは、凝縮水を処理するようには適応しておらず、そのため端末装置自体の潜熱負荷を満たすことはできないため、潜熱負荷は、分配される新鮮な空気によって処理される必要がある。
【0004】
アクティブチルドビームは、天井に掛かっているか、または天井からぶらさがっているプレナムボックス(plenum box)の中にコイルを含んでいる。アクティブチルドビームは、小さい空気ジェットを通じてビームプレナム(beam plenum)の中に誘導される換気用の空気を用いて、自然な空気の誘導を向上させている。アクティブチルドビームは進化している。「アクティブチルドビーム」という用語は、アクティブチルドビームが冷房と暖房に用いられていることから、矛盾した表現となった。ビームは人気を得てきており、非常に高いスペース負荷に向けて設計されている。アクティブビームは、スペース負荷の増加に適合させるために、自身の最適性能の範囲を超えて動作するシステムにつながる高い気流によって仕様が決められ、高価なディフューザとして動作するアクティブビームになっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
このサマリーでは、いくつかの実施形態の特徴が説明および特定されている。このサマリーは、いくつかの実施形態における好都合なサマリーとして提供されているが、すべてのサマリーとして提供されているわけではない。さらにこのサマリーは、実施形態、発明、もしくはクレームにおける重要な特徴、または不可欠な特徴を特定するものではない。
【0006】
チルドビームは、別々になっている一次プレナムと二次プレナムとを提供し、一次プレナムと二次プレナムのそれぞれは、対応するフロー誘導ジェットを生成する。一次空気は、明確には、換気用の新鮮な空気を提供するともに設計上の所定の換気負荷を満たす空気であり、チルドビームの熱交換器を通じて誘導される再循環する流れを作り出すことができる。夜間などの、低い換気要件と、実質的な低い温度負荷との場合には、低い換気要件を満たすために一次気流が下げられつつ、負荷を満たすために端末装置によって二次気流がもたらされてもよい。
【0007】
開示される主題の実施形態における目的および利点は、添付図面と共に考慮される際に以下の説明より明らかとなろう。
【0008】
以下では、同一の参照番号が同一の要素を表している添付図面を参照して、実施形態を詳細に説明する。これらの添付図面は、必ずしも縮尺通りには描かれていない。該当する場合には、基本的な特徴の説明の際に助けとなるように、一部の特徴が示されていない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】開示される主題の実施形態によるチルドビーム装置に、暖房または冷房などの空調を伴う、または空調を伴わない新鮮な空気が供給されるチルドビームシステムを示す。チルドビームは、本明細書で説明されるチルドビームの実施形態のうちの任意のものの形態であってもよい。
図2】空調された空気が中央空気処理機に戻される、開示される主題の実施形態によるチルドビームシステムを示す。この中央空気処理機は、戻された空気と換気用の空気とを混合し、その混合物をチルドビーム装置に供給する。チルドビームは、本明細書で説明されるチルドビームの実施形態のうちの任意のものの形態であってもよい。
図3A】中央空気処理機によって換気用の空気が複数の端末装置に供給される、開示される主題の実施形態によるチルドビームシステムを示す。それぞれの端末装置は、対応する空調スペースまたは空調ゾーンにおけるチルドビームに供給を行う。端末装置は、冷房および/または暖房を行ってもよい。チルドビームは、本明細書で説明されるチルドビームの実施形態のうちの任意のものの形態であってもよい。
図3B】中央空気処理機によって換気用の空気が複数の端末装置に供給される、開示される主題の実施形態によるチルドビームシステムを示す。それぞれの端末装置は、対応する空調スペースまたは空調ゾーンにおけるチルドビームに供給を行う。端末装置は、冷房および/もしくは暖房、または他の空調を行ってもよい。チルドビームは、本明細書で説明されるチルドビームの実施形態のうちの任意のものの形態であってもよい。本実施形態では、別々のダクト網には、一次空気および二次空気用に、各チルドビームにおける一次空気の吸気口と二次空気の吸気口とが設けられている。
図3C】局所にある端末装置の機能、すなわち、動力による局所的に再循環する空気の供給が各チルドビームに提供される、チルドビームシステムの実施形態を示す。このことを実現するため、実施形態では、各チルドビームは、吸気調節器をもつファン装置を有し得る。それぞれが一次空気供給部と二次空気供給部とに対応する複数の吸気口を有するチルドビームの実施形態では、二次空気供給部にはファン装置が取り付けられ、一次空気供給部には中央装置または端末装置(またはその両方)が接続されている。
図3D】局所にある端末装置の機能、すなわち、動力による局所的に再循環する空気の供給が各チルドビームに提供される、チルドビームシステムの実施形態を示す。このことを実現するため、実施形態では、各チルドビームは、吸気調節器をもつファン装置を有し得る。それぞれが一次空気供給部と二次空気供給部とに対応する複数の吸気口を有するチルドビームの実施形態では、二次空気供給部にはファン装置が取り付けられ、一次空気供給部には中央装置または端末装置(またはその両方)が接続されている。
図4】別々になっている一次空気プレナムと戻り空気プレナムとを有するチルドビームを示す。一次空気プレナムと戻り空気プレナムのそれぞれは、熱交換器を通る流れを誘導するために共通の混合チャンバに運ばれる、それぞれの誘導ジェットを生成する。
図5】別々になっている一次空気プレナムと戻り空気プレナムとを有するチルドビームを示す。一次空気プレナムと戻り空気プレナムのそれぞれは、熱交換器を通る流れを誘導するために共通の混合チャンバに運ばれる、それぞれの誘導ジェットを生成する。本実施形態は、本明細書で開示されるチルドビームの実施形態のうちの任意のものについて他と組み合わせて用いられてもよいフロー制御装置の特徴を示す。
図6】別々になっている一次空気プレナムと戻り空気プレナムとを有するチルドビームを示す。一次空気プレナムと戻り空気プレナムのそれぞれは、熱交換器を通る流れを誘導するために共通の混合チャンバに運ばれる、それぞれの誘導ジェットを生成する。本実施形態は、本明細書で開示されるチルドビームの実施形態のうちの任意のものについて他と組み合わせて用いられてもよいフロー制御装置の特徴を示す。
図7A】チルドビームの長手方向に沿って割り当てられたプレナムセグメント(plenum segment)に空気を分配するマニホールドプレナム(manifold plenum)と、任意選択の特徴、すなわち、マニホールドからの流れが、たとえば制御システムによって自動的に、または手動で変更され得る可変ダンパーとを有するチルドビームの分解図を示す。
図7B】チルドビームの長手方向に沿って割り当てられたプレナムセグメントに空気を分配するマニホールドプレナムと、任意選択の特徴、すなわち、他のセグメントの流れとは無関係に特定のセグメントの流れを変化させてチルドビームの長さ部分に沿う流れが変更され得るように、マニホールドからの流れが、たとえば制御システムによって自動的に、または手動で変更され得る可変ダンパーとを有するチルドビームの分解図を示す。
図7C】ダンパーブレードの一方がずらされるにつれて、プレナムチャンバ(plenum chamber)を相次いで徐々に開く、ダンパーブレードのプレナム構成を示す。
図8A】チルドビームの実施形態のうちの任意のものと共に用いられてもよい、ジェットを形成する可変ダンパー装置を示す。3つのモードが得られる。あるモードは、第1のサイズのジェットノズルによるものである。範囲は、選択された可変サイズのジェットによる。可変サイズの場合には、ジェットは、第1のサイズのものより小さく数が多い。後者は、ジェット誘導比を向上させるためのものである。
図8B】チルドビームの実施形態のうちの任意のものと共に用いられてもよい、ジェットを形成する可変ダンパー装置を示す。3つのモードが得られる。あるモードは、第1のサイズのジェットノズルによるものである。範囲は、選択された可変サイズのジェットによる。可変サイズの場合には、ジェットは、第1のサイズのものより小さく数が多い。後者は、ジェット誘導比を向上させるためのものである。
図9A】チルドビームの実施形態のうちの任意のものと共に用いられてもよい、ジェットを形成する可変ダンパー装置を示す。2つのモードが示されている。1つは、第1のサイズのジェットノズルによるものである。また1つは、ジェットが、第1のサイズのものより小さく数が多い。後者は、ジェット誘導比を向上させるためのものである。
図9B】チルドビームの実施形態のうちの任意のものと共に用いられてもよい、ジェットを形成する可変ダンパー装置を示す。2つのモードが示されている。1つは、第1のサイズのジェットノズルによるものである。また1つは、ジェットが、第1のサイズのものより小さく数が多い。後者は、ジェット誘導比を向上させるためのものである。
図10】開示される主題の実施形態によるチルドビームの断面図を示す。この実施形態は、製造の可能性と性能上の利点とをもたらす特徴と実施態様とを示す。
図11図10におけるチルドビームの実施形態の斜視図を示す。
図12】一次空気プレナムと二次空気プレナムとの一方を通る気流を高めるための特徴を有する、チルドビームの実施形態を示す。この特徴は、高い潜熱負荷がかかっている場合に比較的高い二次空気の流れとなる暖房モード動作と、他の動作モードとを可能にするために用いられてもよい。
図13】二次空気の流れを変調するための特徴を有する、チルドビームの実施形態を示す。
図14】二次空気の流れを変調するためのさらなる特徴を有する、チルドビームの実施形態を示す。
図15】二次空気を二次空気ディフューザに選択的に通して出力するための特徴を有する、チルドビームの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照すると、チルドビームの空気システムは、空調された、かつ/または、空調されていない換気用の空気を、中央装置14から、1つもしくは複数の空調スペース10または空調ゾーンに供給している。空調スペースは、いかなるタイプの部屋、もしくはいかなる組の部屋であってもよく、または、いかなるタイプの占有スペースであってもよい。一般に占有スペースでは、その場にいる人の健康および快適さのために特定量の換気が必要となる。中央装置14は、占有スペース(たとえば10)の外部から新鮮な空気を取り込み、新鮮な一次空気をダクト網18を介して複数のチルドビーム12に分配する。それぞれの占有スペースは、1つまたは複数のチルドビーム12を有し得る。
【0011】
チルドビーム12は、アクティブチルドビーム12として知られているタイプのものであってもよく、チルドビームに供給される一次空気用の放出調節器(discharge register)を兼ね備えるとともに、熱交換器を用いてさらなる顕熱冷房を行う。チルドビーム12は、一般的には天井の中か、または天井の近くに設置される。放出調節器の部分は、空調スペース10における潜熱負荷、空調スペース10における換気要件、および、空調スペース10における顕熱負荷の一部を満たすために空調された一次空気を取り込む。顕熱負荷は、アクティブチルドビーム12において、熱交換器の部分を用いて空調スペースの一次空気と二次空気の一部とを冷却することによってさらに満たされる。冷房能力は、チルドビーム12に内蔵された熱交換器に対する熱伝導流体の流量によって調節される。チルドビーム12の実施形態では、一次空気はノズルを通じて放出され、それによって、熱交換器を介した空気の誘導による二次的な流れが作り出される。熱伝導流体は、熱交換器の部分が結露を引き起こすのを防止する露点を上まわる温度で、熱交換器を通してポンプで送られる。
【0012】
アクティブチルドビームは、実質的な顕熱冷房および顕熱暖房の要件と、比較的軽い換気要件とを伴うエリアにおいて利点をもたらす。これは、アクティブチルドビームが、従来のVAVシステムに関連する一次空気の要件を保ち得るためである。アクティブチルドビームは、低い騒音レベルで動作する傾向がある。
【0013】
また、アクティブチルドビームにおける極めて低い騒音レベルにより、騒音レベルの特別な要件を有する建物は好適な候補である。最後に、空調スペースには、換気用の適切な空気と適切な湿度調節とが、すべての負荷条件のもとで常に提供されるため、屋内環境の質について高い関心のあるゾーンは理想的な候補である。
【0014】
一般に、ゾーンにおけるアクティブチルドビームは、空気処理装置、屋上装置、または、少なくともファンを有するとともに新鮮な空気のソースから空気の供給も行い得る他の任意の好適な換気装置などの、対応する中央装置14によって供給が行われる。中央装置は、中央装置22が占有スペースから戻り空気のダクト網20を通じて戻り空気を取り込んでいる図2に示されているように、再循環に対して空調を行ってもよい。
【0015】
空気処理装置14、22は、温度変化のない潜熱負荷の低減を、デシカントホイール(desiccant wheel)などによってもたらし得る。水温は、水の供給元から戻り先への、熱交換器の部分を通じた流れを調節する調節弁によって調節されてもよい。また水温は、水から熱を取り除く、チルドビームにおける熱交換器のどちらかの側の流量を変更することによって調節されてもよい。
【0016】
本明細書において他の箇所で説明されたチルドビーム12は、すべての実施形態において、指向性ルーバー、照明、スピーカー、美観の良いパネル、または他の部品を含み得る。中央装置14、22は、すべての実施形態において、単一の装置でもよく、または、別になっているファン装置、空調装置などのそれぞれの機能を有する複数の装置でもよい。空調装置には、蒸気圧縮機、デシカント除湿装置、またはヒーターが含まれてもよい。フィルタ装置に加え、新鮮な空気と戻り空気とを混合する混合装置が、中央装置14、22を構成するために相互接続されていてもよい。
【0017】
図示されていないが、それぞれのチルドビームは、チルドビームに対して当技術分野で知られているように、チルドビームにおける熱交換器を通って流れる水などの熱伝導流体を受け入れている。熱伝導流体の流れは、それぞれのチルドビームに対する要求、または、それぞれの占有スペースもしくはゾーンに対する要求によって調節される。熱伝導流体の流れは、サーモスタットなどのセンサによって示される負荷が比較的高い温度を示す冷房の季節には増やされてもよく、快適な温度または低い温度をセンサが示す場合には減らされてもよい。
【0018】
次に図3Aを参照すると、空調スペースの負荷は、本実施形態では中央装置14または22からの一次空気を運ぶことによって満たされている(図3A図3Dにおける中央装置は、換気用の空気だけを提供するタイプ、または、空調された換気用の空気と、占有スペース10からの再循環空気との混合物を提供するタイプのいずれであってもよい)。空気は、中央装置14または22から、端末装置15を介して、チルドビーム12における一次空気の吸気口に供給される。あるいは、端末装置15は、チルドビーム12にさらなる供給を行うことによって中央装置14、22を補ってもよい。いずれの場合においても、端末装置によって空気がそれぞれのダクト網28を介して供給される。
【0019】
端末装置は、空気と、任意選択で、カバーされている1つまたは複数の占有スペース10から戻された空気に対して空調された補助的な空気とを供給する。これらの端末装置は、カバーされている1つまたは複数の占有スペースからの戻り空気を、中央装置からの空気と混合するように構成されていてもよい。中央装置からの空気は、端末装置15を通して供給される戻り空気に空調された新鮮な空気を加えるために、ダクト網28に直接的に供給されてもよい。
【0020】
各部屋、もしくは(複数の部屋を有する)各ゾーンに1つの端末装置15があってもよく、または、任意の方式に従って端末装置15が置かれていてもよい。これらの実施形態では、端末装置15は階層方式で設けられており、この階層方式では、中央装置14または22が扱っているすべての占有スペース10のサブセットに各端末装置が接続されている。端末装置15は、様々な構成におけるものでもよい。端末装置15は、第1の構成では、選択された割合の戻り空気と新鮮な空気とを混合し、それによって中央装置14または22を補う能力を提供する混合装置である。端末装置は、占有スペース10から空気を取り込むファンを代替的または付加的に有していてもよく、また、何らかの方法(フィルタリング、空調など)で空気を適宜処理して、処理された空気をチルドビーム12に供給してもよい。
【0021】
端末装置15は、たとえば国際公開第WO2011/091380号に記載されているものであってもよい。このように、端末装置15は、加熱、濾過、空調、デシカントエンタルピーの低減、新鮮な空気、または、任意の他の形態の空気処理を提供し得る。中央装置14、22および端末装置の制御は、端末装置によってカバーされている各ゾーンからの信号に基づいて端末装置15が制御されつつ、中央装置14、22が第1の基準に基づくベース負荷(base load)を提供するようなものであってもよい。たとえば、(コントローラ設備40として象徴的に示されている)1つまたは複数のコントローラが、プログラムされていてもよく、あるいは、占有スペース10のサーモスタットに基づいて端末装置15を制御するように構成されていてもよい。ある端末装置が複数の別々のスペースをサポートしている場合、その端末装置15は、局所的なベースライン負荷に従ってそれぞれ制御されるとともに、必要となる補助的な容量を提供するためにチルドビームにおける局所的な制御に依拠していてもよい。たとえば仮に、ホテルの二部屋が、それぞれサーモスタットと温度センサとを有しており、その二部屋が、共有されている1つの端末装置15にそれぞれ接続された1つまたは複数のチルドビーム12を有しているとする。この端末装置は、サーモスタットの設定値と部屋の温度との間の最も小さい差異による信号に応じて制御されてもよい。あるいは、両方の占有スペース10における組み合わせの負荷を予測するプログラマブルコントローラと、両方のスペースに必要な容量を与えるように制御される端末装置とによってアルゴリズムが用いられてもよい。さらに端末装置には、VACシステムのように、より多くの空気を高負荷の占有スペース10に運ぶためのダンパーが設けられてもよい。
【0022】
図3Aに関して説明された実施形態は、端末装置15からの再循環空気の他に、中央装置14、22からの新鮮な空気が、別接続のチルドビーム12によってチルドビーム12に供給されるように変更されてもよい。本願では、このようなチルドビームの実施形態が開示される。図3Bのシステムは、図3Aのシステムと類似しているが、チルドビーム17に対して一次供給と二次供給が別々に行われている点で異なる。一次供給は、上記の実施形態で説明されたものと同様であってもよい。二次供給は、一実施形態では、空調された戻り空気を供給するダクト網28を通じて行われる(総称して二次と呼ばれるが、これは、いくつかの実施形態では、二次空気が空調されていないか、または、二次空気が、混合された換気用の新鮮な空気と、空調されているかもしくは空調されていない戻り空気とを含み得る、換気用の新鮮な空気以外のソースから生じるためである)。
【0023】
それぞれのチルドビーム17における一次空気の吸気口と二次空気の吸気口との別々の提供は、チルドビーム17とシステムにさらなる機能をもたらし得る。たとえば、いくつかの実施形態では、二次供給の流量が、端末装置15によって負荷に応じて変更されてもよい。これは、たとえば、再循環する部屋の空気と換気用の新鮮な空気との割合を変えるために用いられてもよく、また、強いジェット流を加えることによって高速ジェットを介する誘導効果を高めることにより、チルドビーム17の熱交換器を通る空気の速度を変更するために用いられてもよい。たとえば、端末装置15の制御部は、占有スペースの負荷と、チルドビームの熱交換器に流れる冷却水の温度とを示すセンサ信号を受け取り、誘導される流れを増やして補償を行うために再循環空気の流量を上げることができる。
【0024】
次に図3Cおよび図3Dを参照すると、チルドビーム55は、一次吸気口54と二次吸気口52とを有している。一次吸気口54は、他の占有スペース59のチルドビームにも一次空気を供給している中央装置14又は22から空気を直接的に受け取る。二次空気の吸気口52はそれぞれ、占有スペース10から吸気調節器57を通じて空気を取り込むとともに、その空気を圧力で二次空気の吸気口52に供給する専用のファン装置56から空気を受け取る。図3Dの実施形態では、それぞれのチルドビーム55における一次空気の吸気口54には、本明細書で開示された実施形態のうちの任意のものに従って説明された端末装置15から、空気が圧力で供給される。システムレイアウトは、上記のいくつかの実施形態において同様に説明されたものであってもよい。与えられた任意の占有スペースでは、任意の数のチルドビームが、すべてのチルドビーム、またはチルドビームのサブセットを含む専用のファン装置を有していてもよい。
【0025】
図4は、別々になっている一次プレナム106と二次プレナム110とを有するチルドビーム100Aの概略断面図である。一次プレナム106は、一次空気の吸気口を通じて空気を受け取るように構成されており、二次空気プレナム110は、二次空気の吸気口から空気を受け取るように構成されている。一次空気と二次空気の吸気口(図示せず)は、開示された実施形態のうちの任意のものに従うシステムに接続されていてもよい。各プレナム106、110は、チルドビーム100Aの(この図面ページの中の方に入っていく)長さ部分に沿うそれぞれのジェット108、112を生成するためのオリフィスまたはスロット115を有している。ジェット108および112における角度のある射出は、斜めの小さい部分、すなわちフローデフレクタ(flow deflector)を設けることによって実現されてもよいことに留意されたい。オリフィスと、プレナムの形状とは、所望のジェット方向を実現するために変更されてもよい。混合チャンバ114を通り、また混合チャンバ114から出力されるジェット108、112の流れは、102の所で示されているように、熱交換器104を通じて空気を取り込む混合チャンバ114の中に空気を誘導する。誘導された空気とジェットは、混ざり合い、放出口111から流れ出る。チルドビーム100Aは、一次空気の吸気口と二次空気の吸気口とを有する、開示された任意の実施形態において用いられてもよい。この特定の構成は象徴的なものである。気流の方向、割合、および部品の配置は、技術的および美観的な様々な要件、または好みに合わせるために変更されてもよい。配管に接続するための好適な接続用の継ぎ輪などの細部が設けられてもよいが、ここでは図示されていない。
【0026】
図5は、別々になっている一次プレナム106と二次プレナム110とを有するチルドビーム100Bの概略断面図である。一次プレナム106は、一次空気の吸気口を通じて空気を受け取るように構成されており、二次空気プレナムは、二次空気の吸気口から空気を受け取るように構成されている。一次空気と二次空気の吸気口(図示せず)は、開示された実施形態のうちの任意のものに従うシステムに接続されていてもよい。各プレナム106、110は、チルドビーム100Bの(この図面ページの中の方に入っていく)長さ部分に沿うそれぞれのジェット108、112を生成するためのオリフィスまたはスロット103、115を有している。混合チャンバ114を通り、また混合チャンバ114から出力されるジェット108、112の流れは、102の所で示されているように、熱交換器104を通じて空気を取り込む混合チャンバ114の中に空気を誘導する。誘導された空気とジェットは、混ざり合い、放出口111から流れ出る。このチルドビーム100Bは、一次空気の吸気口と二次空気の吸気口とを有する、開示された任意の実施形態において用いられてもよい。本実施形態では、一次空気プレナム106は、ダンパー、可変サイズのオリフィスもしくはスロット、または、数と間隔が変更され得るオリフィスなどのフロー制御装置120を有している。実施形態が以下で説明されるフロー制御装置120は、チルドビーム100B全体の流量を変更するために用いられてもよく、または、チルドビーム100Bの別々の部分に分配される流れの割合を調節してもよい。フロー制御装置は、手動で調整されてもよく、または、モータを取り付けられてコントローラ(たとえば、コントローラ40、または、チルドビームに組み込まれたコントローラ)によって調節されてもよい。フロー制御装置120は、一次プレナムにおいて示されているが、二次空気プレナムにおいて同様に用いられてもよく、または、図6の実施形態100Cに示されているように両方において用いられてもよい。実施形態100Cは、他の点では本実施形態100Bと同一である。さらにフロー制御装置は、一次空気プレナムもしくは二次空気プレナムのうちの吸気口の側に配置されていてもよく(たとえば、図7Aおよび図7Bの実施形態を参照)、または、ジェットが形成される排気口の側に配置されていてもよい(たとえば、図8Aおよび図9Aを参照)。チルドビームの様々な部分の所で一次空気の様々な流量の選択を可能にすることにより、それらの様々な部分の下にある負荷に即座に適合するようにチルドビームの容量が変更され得る。たとえば、オフィスにおける作業用の小部屋の上に配置されたビームは、その場にいる人のワークステーションに容量を集中させるように構成されていてもよく、または、局所的な流量を調節するために、チルドビームに沿った温度センサが用いられてもよい。この構成は象徴的なものである。気流の方向、割合、および部品の配置は、技術的および美観的な様々な要件、または好みに合わせるために変更されてもよい。配管に接続するための接続用の継ぎ輪が設けられてもよいが、ここでは図示されていない。
【0027】
図6は、別々になっている一次空気プレナムと戻り空気プレナムとを有するチルドビームを示す。一次空気プレナムと戻り空気プレナムのそれぞれは、熱交換器を通る流れを誘導するために共通の混合チャンバに運ばれる、それぞれの誘導ジェットを生成する。本実施形態は、本明細書で開示されるチルドビームの実施形態のうちの任意のものについて他と組み合わせて用いられてもよいフロー制御装置の特徴を示す。
【0028】
図7Aは、いくつかのプレナムセグメントに空気を分配するマニホールドプレナム202を有するチルドビーム200の分解図を示す。219の所には、プレナムセグメントのうちの1つが示されている。これらのプレナムセグメント219は、パーティション217によって分かれている。プレナムセグメント219は、チルドビーム200の長手方向に沿って割り当てられており、開口部206を通して空気を受け取る。図示されているプレナムセグメント219は、二次空気のジェット(図示せず)のためのオリフィスの方に開口しており、二次空気の吸気口218を介してマニホールドプレナム202から供給が行われる。マニホールドプレナム202は、吸気口218への気流によって圧力をかけられ、それにより、空気が開口部210からダンパーブレード208の開口部212を通って流れ、最後にそれぞれの開口部206を通ってチルドビーム200のプレナムセグメント219の中に流れ込む。ダンパーブレード208を(矢印207で示されているように)長手方向に動かすことにより、開口部210および212を通じた効果的な開口領域が変化し得る。ダンパーブレード208は、手動で駆動されてもよく、または、コントローラによる制御のもとでモータ220によって駆動されてもよい。一次空気は、ビームの長さ部分に沿ってダクトを介して割り当てられた一次空気の吸気口216を通じて供給され得る。ダクトは図示されていないが、任意の好適な説明におけるものであってもよく、様々な例が本開示で示されている。
【0029】
ダンパーブレード208は、いくつかの実施形態では存在しない。このような実施形態では、開口部210が単独でフロー制限部として働き、それぞれのプレナムセグメント219への流れのバランスをとるのを助ける。代替実施形態では、二次空気の代わりに一次空気を分配するためにマニホールドプレナム202が用いられる。また、ルーバー型装置、絞り機構、および、知られている他のフロー調節装置を含む他のタイプのフロー調節装置が、ダンパーブレード208の代わりに用いられてもよい。さらに、単一のフロー調節器が吸気口の所で用いられてもよい。
【0030】
図7Bは、図7Aに示されている素子と同様の素子を有するチルドビーム201の分解図を示す。マニホールドプレナム202は、空気をプレナムセグメント219に分配する。プレナムセグメント219は、パーティション217によって分けられ、チルドビーム201の長手方向に沿って割り当てられている。プレナムセグメント219は、開口部206を通じて空気を受け取る。プレナムセグメント219は、二次空気のジェット(図示せず)のためのオリフィスの方に開口しており、二次空気の吸気口218を介してマニホールドプレナム202から供給が行われる。マニホールドプレナム202は、吸気口218への気流によって圧力をかけられ、それにより、空気が開口部210からダンパーブレード231および230の小さい開口部232と大きい開口部237とを通って流れ(または、大きい開口部233と小さい開口部238とを通って流れ)、最後にそれぞれの開口部206を通ってチルドビーム201のプレナムセグメント219の中に流れ込む。ダンパーブレード231を(矢印207で示されているように)長手方向に動かすことにより、ダンパーブレード230の位置の範囲内においてダンパーブレード230の位置がどこであっても、大きい開口部237が制限を加えることなく、開口部210および小さい開口部232を通じた効果的な開口領域が変化し得る。ダンパーブレード230を(矢印207で示されているように)長手方向に動かすことにより、ダンパーブレード231の位置の範囲内においてダンパーブレード231の位置がどこであっても、大きい開口部233が制限を加えることなく、開口部210および小さい開口部238を通じた効果的な開口領域が変化し得る。このように、プレナムセグメント219における第1のサブセット、すなわち219Aへの流れが、プレナムセグメント219における第2のサブセット、すなわち219Bへの流れとは無関係に調節され得ることがわかる。ダンパーブレード230および231は、手動で駆動されてもよく、または、コントローラによる制御のもとでモータ220によって駆動されてもよい。図7Aの実施形態と同様に、一次空気は、ビームの長さ部分に沿ってダクトを介して割り当てられた一次空気の吸気口216を通じて供給され得る。ダクトは図示されていないが、任意の好適な説明におけるものであってもよく、様々な例が本開示で示されている。
【0031】
いくつかの実施形態では、プレナムセグメント219のうちの1つだけのサブセットにおける流れが調節されるように、1つだけのダンパーブレードが存在する。代替実施形態では、二次空気の代わりに一次空気を分配するためにマニホールドプレナム202が用いられる。
【0032】
図7Cは、マニホールドプレナム202が、270で示されている形態を有するとともに、開口部210が、開口部272〜275で置き換えられたダンパー構成を示す。変更されたプレナムボックスと共に、単一のダンパーブレード280が用いられている。すなわち、図7Aの実施形態におけるダンパーブレード208が、ダンパーブレード280に置き換えられ、開口部212が、ダンパーブレード280の開口部282285に置き換えられている。ダンパーブレード280と開口部282〜285とを、開口部272〜275に対して徐々にずらすことによって、初めに有効開口部が開口部275と285とによって生じ、次に有効開口部が274と284との間に生じ、次に有効開口部が283と273との間に生じ、最後に、最後の有効開口部が272と282との間に生じることを検査で確認することができる。このように、徐々に大きくなるチルドビーム200の容量の部分が実現され得る。この特徴は、単一プレナムのアクティブビームに同様に適用されてもよい。システムへの応用では、熱交換器を通る空気を負荷信号に応じてドライブするために、負荷の増加とともに、より多くの再循環空気がチルドビームの流れに加えられてもよい。このことは、中央空気装置からの、より多くの空気を求める必要なく行われてもよい。
【0033】
図8Aおよび図8Bは、チルドビームの実施形態のうちの任意のものと共に用いられてもよいジェットを形成する可変ダンパー装置を示す。250Aで示されている第1の位置において部分的に重なっている2つのブレード252および254は、第1のサイズである第1の組のオリフィス251を提供する。オリフィス251のサイズは、ブレード252および254を互いに対して長手方向に動かすことによって、250Bで示されている構成において255の所で示されている第2のサイズまで徐々に増やされてもよい。オリフィス251は、ブレード252および254を互いに対して長手方向に反対方向に、またはさらに長手方向に動かすことによって、250Cで示されている構成において253の所で示されているように、効果的に数が2倍にされるとともにサイズが小さくされてもよい。すべての構成と、それらの構成間とにおいて、オリフィス254は依然として一定である。オリフィス251、255、および253は、本明細書で説明されたチルドビームの実施形態における一次空気または二次空気からジェットを形成するために用いられてもよい。たとえば、これらのオリフィスは、図5および図6などにおける実施形態100Bおよび100Cのうちのフロー制御装置を構成するために設けられてもよい。ジェットの誘導比(entrainment ratio)は、オリフィスの間隔を変えることによって変更することができる。すなわち、2つの流量が同じ場合であっても、多数の小さいオリフィスの方が、少数の大きいオリフィスよりも、当初の射出距離に沿って多くの周囲空気を誘導する。大部分の形状では当然ながら、ある離れた距離では、誘導比における差異はなくなる。図8Bは、それぞれの開口部248および246がわかるように、ブレード252および254を別々に示している。この文脈で用いられる場合、誘導比は、ジェット生成器(たとえば、この場合にはオリフィス)から生じる流れに対する、1つまたは複数のジェットの周りの空気の比を指す。この選択可能な誘導比は、チルドビームの熱交換器を通じて誘導される流れの量を選択するために用いられてもよい。この特徴は、任意の実施形態において利用されてもよく、また、別々になっている一次空気プレナムおよび二次空気プレナムと共に、チルドビームにおける一次フロー、または二次フロー、またはその両方のジェットに適用されてもよい。可変フローのジェットと、可変誘導比のジェットとの特徴は、従来のアクティブチルドビームに適用されてもよく、また、本明細書で開示された適用可能なシステムの実施形態に適用されるのと同様に、従来のアクティブチルドビームに適用されてもよい。
【0034】
上記の実施形態は、可変間隔と可変オリフィスサイズとを実現する方法を示すが、これらの機能を実現する他の方法もあることが当業者には明らかとなろう。たとえば、ノズルなどの任意のタイプのジェット生成器が用いられてもよい。また、平行なトラックの上でジェット生成器が移動してもよく、それによってジェット生成器のペアが互いに近づいたり、またはジェット生成器が等間隔で離れてもよい。2つのジェット生成器が互いに近づいている場合、それらのジェット生成器は1本のジェットを形成する効果を有し、それによって誘導比が同様に変更され得る。
【0035】
図9Aおよび図9Bは、チルドビームの実施形態のうちの任意のものと共に用いられてもよいジェットを形成する可変ダンパー装置を示す。2つのモードが示されている。第1のモード260Aは、第1のサイズのオリフィス263を有し、第2のモード260Bは、数の増えた第2のサイズのオリフィス266を有する。部分的に重なっている構成におけるそれぞれのブレード262および264の中の穴257および259により、一方のブレードを他方のブレードに対してスライドさせることによってこれらのモードが得られることがわかる。オリフィスの間隔とサイズにおける変更は、図8Aおよび図8Bの実施形態と同様に、誘導比を変えるために用いられてもよい。
【0036】
図10および図11は、開示される主題の実施形態によるチルドビーム300の断面図及び斜位図を示す。この実施形態は、製造の可能性と性能上の利点とをもたらす特徴と実施態様とを示す。チルドビーム300は、戻り空気を運ぶためにマニホールドプレナム308に接続された戻り空気用の継ぎ輪306を介して二次空気を受け取る。マニホールドプレナム308の中の空気は、開口部326(図11の326A、326B、326C、および326D)を通って流れ、図7Aおよび図7Bを参照して説明されたようにセグメント化されていてもよい二次空気プレナム302の中に流れ込む(ダンパーブレードのない実施形態)。戻り空気は、戻り空気プレナム302の長さ部分に沿って流れるとともに混合チャンバ310に射出される戻り空気のジェット314を作り出すため、戻り空気プレナム302に圧力をかけて開口部315を通って流れる。これにより、誘導される戻り空気用の吸気口323と熱交換器301とを通じて部屋の空気を誘導する混合チャンバ内の流れが誘導される。供給空気は、供給空気プレナム304に圧力をかけ、それによって、供給空気プレナム304の長さ部分に沿って流れるとともに混合チャンバ310に射出される供給空気のジェット316を作り出し、それと同時に熱交換器301を通じて部屋の空気を誘導する。この誘導プロセスは、他の点では、冷房と、変形形態では一部のシステムにおける特定の場合の暖房とを行う、熱交換器を有するアクティブチルドビームの誘導プロセスと基本的に同じである。熱交換器には、高温または低温の熱伝導流体が供給されてもよい。通気口322から占有スペースに放出される混合ジェットの速度を変更するために、調整可能なフロー制限器320が設けられてもよい。
【0037】
一次空気のジェット314と二次空気のジェット316とは、同じ誘導機能をもたらす平行な組を形成していることがわかる。上記で説明されたフロー制御装置120は、図8Aおよび図9Aの実施形態を含む本実施形態で用いられるように適合していてもよい。マニホールドプレナム308は、二次空気プレナム302の側面に配置されているが、変形形態では二次空気プレナム302の上面に配置されてもよい。この側面には吸気口用の継ぎ輪306が取付けられているが、この吸気口用の継ぎ輪306は、マニホールドプレナムの端部に取付けられてもよい。二次空気プレナムは、4つのセグメントである302A、302B、302C、および302Dで示されているように、任意の数のセグメントに分かれていてもよく、それぞれのセグメントは、開口部である326A、326B、326C、および326Dのうちの対応する開口部によって供給が行われてもよい。
【0038】
図12は、一次空気プレナムと二次空気プレナムのうちの一方を通る気流を増すための特徴を有する、チルドビームの実施形態を示す。この特徴は、高い潜熱負荷がかかっている場合に比較的高い二次気流となる暖房モード動作と、他の動作モードとを可能にするために用いられてもよい。チルドビーム400は、二次空気プレナム404と一次空気プレナム422とを有し、全体的には、二次空気プレナム404のセグメント化構成を有する図10および図11におけるこれまでの実施形態で説明されたように構成されていてもよく、またマニホールドを介して供給を行う。あるいは、二次空気プレナム404のための連続的な単一のプレナム構成が設けられてもよい。フロー調節器402は、二次空気プレナム404から二次放出チャネル410への空気の選択的な通過を可能にする。チルドビームシステムからの空気によって、それぞれの吸気口を通る一次空気と二次空気とが供給される。吸気口の一例は420の所に示されている。これらの吸気口は、それぞれのプレナムに圧力をかけるのに適した任意の位置に配置されていてもよい。一次空気プレナム422と二次空気プレナム404からの空気は、他の実施形態に関連してすでに説明された特徴と原理に従ってそれぞれのジェット425および424を形成する。120などのフロー制御装置(たとえば、図6図7、および、図7Aなどにおける特定の実施形態)が、ジェットを調節するために設けられてもよい。対称性の混合チャンバが、熱交換器418を通る流れを誘導することが明らかとなろう。フロー調節器402は、放出チャネル408を通る、混合された最終的な流れを生み出すため、放出チャネル408への空気の選択的な放出を可能にする。この機能は、様々な機能を提供するために用いられてもよい。たとえば、チルドビーム400は、加熱された空気を端末装置または中央装置から放出するとともに、その空気を二次空気プレナム404に供給することによって、暖房用の混合調節器として用いられてもよい。このフロー調節器402は、放出チャネル410を通じた放出のために開口していてもよい。流量は、混ぜ合わせを可能にするために暖房中に増やされてもよい。別の機能としては、たとえば、量を可変するために制御される端末装置を用いた冷房または暖房に向けて、その端末装置によって高容量と高流量とがもたらされる場合には、空気が放出チャネル410を通じて放出されてもよい。このことは、通常の負荷がピークを実質的に下まわっており、ピークの発生が比較的まれである用途において有益となり得る。
【0039】
対称性のチルドビームの実施形態が説明されたが、これらのうちの任意のものは、占有スペースの壁の近くで用いられるような非対称性の設計によって、または、指向性のある非対称性の流れを生み出すために変更されてもよい。
【0040】
図13は、開示される主題の実施形態によるチルドビーム500の断面図を示す。この実施形態500は、製造の可能性と性能上の利点とをもたらす特徴と実施態様とを示す。チルドビーム500は、戻り空気を運ぶためにマニホールドプレナム508に接続された戻り空気用の継ぎ輪506を介して二次空気を受け取る。マニホールドプレナム508の中の空気は、開口部(たとえば、図11の326A、326B、326C、および326D)を通って流れ、図10および図11などを参照して説明されたようにセグメント化されていてもよい二次空気プレナム502の中に流れ込む。戻り空気は、戻り空気プレナム502の長さ部分に沿って流れるとともに混合チャンバ510に射出される戻り空気のジェット314を作り出すため、戻り空気プレナム502に圧力をかけて開口部を通って流れる。これにより、誘導される戻り空気用の熱交換器501を通じて部屋の空気を誘導する、混合チャンバ内の流れが誘導される。供給空気は、供給空気プレナム504に圧力をかけ、それによって、供給空気プレナム504の長さ部分に沿って流れるとともに混合チャンバ510に射出される供給空気のジェットを作り出し、それと同時に熱交換器501を通じて部屋の空気を誘導する。この誘導プロセスは、他の点では、冷房と、変形形態では一部のシステムにおける特定の場合の暖房とを行う、熱交換器を有するアクティブチルドビームの誘導プロセスと基本的に同じである。熱交換器501には、高温または低温の熱伝導流体が供給されてもよい。本実施形態では、図7Aおよび図7Bを参照して説明されたように構成されていてもよい、たとえばダンパーブレード208に相当するダンパーブレード552が示されている。
【0041】
図14を参照すると、図13の実施形態と類似の実施形態によって、任意の実施形態に適用されてもよい特徴、すなわち、二次空気の選択可能な放出スロット522が示されている。放出スロット522を通じて二次空気を放出するために、フレキシブルパネル556がアクチュエータ554によって選択的に開放される。この特徴は、一方の側のみに見られるが、チルドビーム501としての、対称性のチルドビームの両側で用いられてもよい。この実施形態は、二次空気プレナムにおける圧力の増加によってフレキシブルパネル562がパッシブに開いて、二次空気の放出スロット523を形成する代替形態も示している。この特徴は、一方の側のみに見られるが、チルドビーム501としての、対称性のチルドビームの両側で用いられてもよく、または、アクチュエータ554を伴うアクティブパネル556の実施形態と組み合わせて用いられてもよい。
【0042】
次に図15を参照すると、さらに図13の実施形態と類似の実施形態によって、任意の実施形態に適用されてもよい特徴、すなわち、ダンパーブレード568によって閉じるか、または開き得る二次放出部569が示されている。マニホールドプレナム508に隣接する側面からは、二次空気を下方にそらすためのデフレクタ570が延びている。この特徴は、端末装置または中央装置が、チルドビームを、場合によっては混合調節器として用いるか、または、図12のチルドビーム400を参照して説明された他の機能(すなわち、放出チャネル410)に向けて用いることを可能にするために使われてもよい。さらに、混合調節器の機能によって、開示された実施形態に従うチルドビームの動作が補われてもよい。
【0043】
図12図15の実施形態における補助的放出の特徴は、二次吸気口だけを有するチルドビーム(すなわち、従来のアクティブチルドビーム)に適用されてもよい。したがって、従来のビームは、端末装置または中央装置による高容量出力に向けた混合調節器として機能し得る。
【0044】
チルドビームは、任意の実施形態において、空調スペース用のシステムの中に設けられてもよい。このシステムは、中央空気処理装置からチルドビームの一次空気吸気口に一次空気を運ぶように構成された中央装置を含み得る。端末装置は、空調された戻り空気を、チルドビームの一次空気吸気口または二次空気吸気口に運ぶように構成されていてもよい。空調された戻り空気は、端末装置によって冷却されてもよい。冷却された戻り空気は、端末装置によってチルドビームに供給されてもよい。端末装置は、端末装置において冷却された戻り空気を中央空気処理装置からの一次空気と混合して、混合された一次空気のストリームを作り出し、そのストリームをチルドビームの一次空気吸気口に供給するように構成されていてもよい。このことは、一次空気用の単一の吸気口を有するチルドビームの実施形態に対して行われてもよい。
【0045】
中央空気処理装置からの一次空気は、ある質と量で一次空気を運ぶためのしくみを含み得るが、その質と量は、空調スペースの換気負荷を満たすには十分であるものの、設計上の温度負荷要件を満たすには不十分である。端末装置は、戻り空気の水分を減らすように構成された凝縮用の冷却コイルを含み得る。端末装置は、戻り空気の水分を減らすように構成されたデシカントコンポーネントを含み得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、開示される主題には、空調スペースの負荷を満たす方法が含まれる。この方法は、中央空気処理装置からの一次空気の流れを作り出すことを含む。この中央空気処理装置は、建物の外部からの新鮮な空気と、任意選択で、再循環した空気とを選択可能な割合で供給する。この方法はさらに、空気を中央空気処理装置からチルドビームの一次吸気口に運ぶことを含む。この実施形態では、二次空気を端末装置からチルドビームの二次空気吸気口に供給することが含まれる。本方法はさらに、一次空気のジェットと二次空気のジェットとを混合チャンバの中に作り出し、それによって、熱交換器を通る占有スペースからの気流を誘導することを含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、端末装置は、低負荷における第1の場合において第1の流量で放出を行い、高負荷における第2の場合において第2の流量で放出を行う。端末装置に接続されたチルドビームは、第2の場合においては、第1の場合の時よりも大きい、排気口におけるフロー領域を画定するように再構成し、それにより、チルドビームを通る二次空気の全体的な流れは、第1の場合に比べて第2の場合には、必要以上の制限を受けることなく増加し得る。
【0048】
一次ジェットと二次ジェットを有するチルドビームは、制御信号に応じて第1の構成から第2の構成に変わることによって、一次ジェットの有効数を増やすように再構成される。第1の構成は、ノズルのペアどうし、またはノズルのサブセットどうしの間の第1の間隔、または、ノズルの第1の数を有する。第2の構成は、ノズルのペアどうし、またはノズルのサブセットどうしの間の第2の間隔、または、ノズルの第2の数を有する。このうち、第2の間隔は第1の間隔より小さく、第1の数は第の数より小さい。ノズルは、オリフィスでもよく、スロットでもよく、または、ジェットを生成するための他の構成でもよい。
【0049】
説明された実施形態によるチルドビームは、二次空気を二次空気プレナムに運ぶために接続された二次空気用の継ぎ輪を通じて二次空気を受け取る。二次空気は、二次空気プレナムの長さ部分に沿って流れるとともに、誘導されるフローチャンバに射出される二次空気のジェットを作り出して、誘導される二次空気用の吸気口と熱交換器とを通じた部屋の空気の誘導を助けるため、二次空気プレナムに圧力をかける。供給空気は、供給空気プレナムの長さ部分に沿って流れるとともに、誘導されるフローチャンバに射出される供給空気のジェットを作り出して、誘導される二次空気用の吸気口と熱交換器とを通じた部屋の空気の誘導を助けるため、供給空気プレナムに圧力をかける。この誘導プロセスは、他の点では、冷房と、一部のシステムにおける特定の場合の暖房とを行う、熱交換器を有するアクティブチルドビームの誘導プロセスと基本的に同じである。熱交換器には、高温または低温の熱伝導流体が供給されてもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、二次空気のジェット、および/もしくは、供給空気のジェットは、制御システムの制御のもとで止められてもよく、または、空気の量が変更されてもよい。このことは、二次空気のジェットと一次空気のジェットのノズルの所に配置された空気弁(たとえば、連結スライドシャッターのダンパー)を用いて行われてもよい。これらのダンパーは、単一スペースの別々のエリアに供給される相対的な空調量における独立制御を可能にする、1つまたは複数のビームの長さ部分に沿うゾーンを作り出すように延びていてもよい。あるいは、二次空気の各プレナムチャンバに流れる空気の量を調節するポートの代わりにダンパーが用いられてもよい。
【0051】
添付書類Iで説明されたシステムの変形形態は、二次空気と換気用の空気とをチルドビームに供給する端末装置の動作モードによって別々の二次空気と一次空気とが供給されるというものである。
【0052】
二次空気プレナムと一次空気プレナムとは、長手方向において複数のプレナムに分けられていてもよい。
【0053】
制御方式においては、換気用の一次空気は、一定の割合で供給されるか、あるいは、(スケジュール設定された、もしくは、予測による)占有状態ベースの制御、または、温度などの検出負荷、もしくは占有状態、もしくは他のパラメータに基づくフィードバック制御に従って制御される。
【0054】
二次空気は、空気を濾過するとともに空調を行うゾーン装置によって供給されてもよい。このゾーン装置は、たとえば、各ゾーンの要求に従って空気を冷却/除湿してもよい。二次空気は、各部屋または各ビームの要求に従ってゾーン装置によって制御されてもよい。一次空気は、中央空気処理装置(AHU)によって送出されてもよい。
【0055】
第1の実施形態によれば、開示される主題は、チルドビーム装置を含む。このチルドビーム装置は、細長い単一の端末装置を形成する長手方向の一次空気プレナムおよび長手方向の少なくとも1つの戻り空気プレナムであって、一次空気プレナムと戻り空気プレナムとにそれぞれの圧力になるまで圧力をかけるために、別々の空気ソースに接続するための別々の取り付け用の継ぎ輪を有する、長手方向の一次空気プレナムおよび長手方向の少なくとも1つの戻り空気プレナムを備える。単一の端末装置に隣接して画定されているとともに単一の端末装置に隣接する混合チャネルを含む空気経路には熱交換器がある。一次空気プレナムと戻り空気プレナムとのそれぞれは、熱交換器を通る気流を誘導するジェットを形成するとともに単一の端末装置から空気を射出するように構成されたオリフィスまたはノズルによって、混合チャネルの中に互いに隣接して開口している。
【0056】
第1の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第1の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、戻り空気プレナムは複数のプレナム部分に分かれており、それぞれのプレナム部分は、1つまたは複数の対応する開口部またはノズルに対して開口している。
【0057】
第1の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第1の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、戻り空気プレナムに対する取り付け用の継ぎ輪は、戻り空気プレナムのそれぞれの部分に対して接続用の調節器によって開口しているマニホールドに接続されている。
【0058】
第1の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第1の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、接続用の調節器のうちの少なくともいくつかは、マニホールドから戻り空気プレナムの各部分への相対的な量の空気が別々に調整され得る調整可能な開口領域を有する。
【0059】
第1の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第1の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、接続用の調節器の少なくとも1つは、モータを取り付けられたダンパーを有する。
【0060】
第1の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第1の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、接続用の調節器の少なくとも2つは、モータを取り付けられたダンパーを有する。
【0061】
第1の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第1の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、マニホールドは、細長い単一の端末装置の長さ部分に沿って延びているプレナムを含む。
【0062】
第2の実施形態によれば、開示される主題はチルドビーム装置を含む。一次空気プレナム、および、少なくとも1つの戻り空気プレナムは、端末装置を画定する。一次空気プレナムおよび戻り空気プレナムは、上記一次空気プレナムと上記戻り空気プレナムとにそれぞれの圧力になるまで圧力をかけるために、別々の空気ソースに接続するための別々の取り付け用の継ぎ輪を有する。単一の端末装置に隣接して画定されているとともに端末装置に隣接する混合チャネルを含む空気経路には少なくとも1つの熱交換器がある。一次空気プレナムと戻り空気プレナムとのそれぞれは、熱交換器を通る気流を誘導するジェットを形成するとともに端末装置から空気を射出するように構成されたオリフィスまたはノズルによって、混合チャネルの中に互いに隣接して開口している。
【0063】
第2の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第2の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、戻り空気プレナムは複数のプレナム部分に分かれており、それぞれのプレナム部分は、1つまたは複数の対応する開口部またはノズルに対して開口している。
【0064】
第2の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第2の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、戻り空気プレナムに対する取り付け用の継ぎ輪は、戻り空気プレナムのそれぞれの部分に対して接続用の調節器によって開口しているマニホールドに接続されている。
【0065】
第2の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第2の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、接続用の調節器のうちの少なくともいくつかは、マニホールドから戻り空気プレナムの各部分への相対的な量の空気が別々に調整され得る調整可能な開口領域を有する。
【0066】
第2の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第2の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、接続用の調節器の少なくとも1つは、モータを取り付けられたダンパーを有する。
【0067】
第2の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第2の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、接続用の調節器の少なくとも2つは、モータを取り付けられたダンパーを有する。
【0068】
第2の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第2の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、マニホールドは、細長い単一の端末装置の長さ部分に沿って延びているプレナムを含む。
【0069】
第3の実施形態によれば、開示される主題は、一次空気ダクトと戻り空気ダクトとに接続された、対応する一次空気プレナムと戻り空気プレナムとをそれぞれが有する複数のチルドビーム端末装置を有するチルドビームシステムを含む。それぞれのチルドビーム端末装置は、端末装置に隣接して画定されているとともに端末装置に隣接する混合チャネルを含む空気経路における少なくとも1つの熱交換器と共に構成されている。一次空気プレナムと戻り空気プレナムとのそれぞれは、熱交換器を通る気流を誘導するジェットを形成するとともに端末装置から空気を射出するように構成されたオリフィスまたはノズルによって、混合チャネルの中に開口している。空気処理装置は、換気用の空気を含む一次空気を端末装置の一次空気プレナムのそれぞれに運ぶように構成されている。空調装置は、戻り空気を受け取り、戻り空気の空調を行い、空調された戻り空気を端末装置の戻り空気プレナムに供給するように構成されている。
【0070】
第3の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第3の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、戻り空気プレナムは複数のプレナム部分に分かれており、それぞれのプレナム部分は、1つまたは複数の対応する開口部またはノズルに対して開口している。
【0071】
第3の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第3の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、戻り空気プレナムに対する前記取り付け用の継ぎ輪は、戻り空気プレナムのそれぞれの部分に対して接続用の調節器によって開口しているマニホールドに接続されている。
【0072】
第3の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第3の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、接続用の調節器のうちの少なくともいくつかは、マニホールドから戻り空気プレナムの各部分への相対的な量の空気が別々に調整され得る調整可能な開口領域を有する。
【0073】
第3の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第3の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、接続用の調節器の少なくとも1つは、モータを取り付けられたダンパーを有する。
【0074】
第3の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第3の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、接続用の調節器の少なくとも2つは、モータを取り付けられたダンパーを有する。
【0075】
第3の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第3の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、マニホールドは、細長い単一の端末装置の長さ部分に沿って延びているプレナムを含む。
【0076】
第4の実施形態によれば、開示される主題は、混合チャネルの中に空気が誘導されるいくつかのノズルまたは開口部をそれぞれが有する別々の一次空気チャンバおよび二次空気チャンバにおいて、一次空気チャンバおよび二次空気チャンバのそれぞれが、それぞれの空気ソースに接続するための対応する吸気接続部を有する、一次空気チャンバおよび二次空気チャンバを有する空気端末装置を含む。この空気端末装置は、熱交換器を含み、さらに、いくつかのノズルまたは開口部からの一次空気および二次空気の流れによって誘導されるとともに熱交換器を通って流れる再循環する空気が流れる、空気端末装置の一方の側または両方の側にあるフロー開口部を含む。
【0077】
第4の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第4の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、混合チャネルは、スロットを通じて占有スペースの中に開口している。
【0078】
第4の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第4の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、混合チャネルは、部分的に下の方に向けられた指向性ノズルを形成している。
【0079】
第4の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第4の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、混合チャネルは、部分的に水平方向に向けられた指向性ノズルを形成している。
【0080】
第4の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第4の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、二次空気チャンバの吸気口を通る流れを調節するように構成されたダンパーを含む。
【0081】
第4の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第4の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、二次空気チャンバのノズルを通る空気の流量は、二次空気チャンバのノズルを通るフロー領域を変更する少なくとも1つの機構によって選択的に変更可能である。
【0082】
第4の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第4の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、二次空気チャンバのノズルを通る空気の流量は、二次空気チャンバのノズルを通るフロー領域を変更する少なくとも1つの機構によって選択的に変更可能である
【0083】
第4の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第4の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、少なくとも二次空気チャンバは、上記の対応する吸気接続部に接続された共通のマニホールドを通る空気が供給されるように構成されたそれぞれの部分になるように、長手方向に分かれている。
【0084】
第4の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第4の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、共通のマニホールドは、二次空気チャンバのそれぞれの部分に空気の量が選択的に配分され得るように選択的に徐々に閉じることができるダンパーを介して、二次空気チャンバのそれぞれの部分に接続されている。
【0085】
第4の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第4の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、マニホールドは、空気端末装置の長さ部分にわたっているダクトであり、マニホールド、一次空気チャンバ、および二次空気チャンバは細長く、一次空気チャンバ、および二次空気チャンバは、連続的なプレナムを形成しているマニホールドと構成において概して平行である。
【0086】
第4の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第4の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、マニホールドは二次チャンバに隣接しており、ダンパーは、対応する二次空気チャンバとマニホールドとの間に配置されている。
【0087】
第4の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第4の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、ダンパーはモータを取り付けられている。
【0088】
第4の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第4の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、ダンパーは、上記それぞれの部分を通る気流が空気端末装置の長さ部分に沿って変更され得るように別々に移動可能である。
【0089】
第4の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第4の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、一次空気チャンバと二次空気チャンバとは細長いエンクロージャである。
【0090】
第4の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第4の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、少なくとも二次空気チャンバは、上記の対応する吸気接続部に接続された共通のマニホールドを通る空気が供給されるように構成されたそれぞれの部分になるように、長手方向に分かれている。
【0091】
第4の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第4の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、共通のマニホールドは、二次空気チャンバのそれぞれの部分に供給される空気の量の調整が可能となるように調整され得るダンパーを介して、二次空気チャンバのそれぞれの部分に接続されている。
【0092】
第4の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第4の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、マニホールドは、空気端末装置の長さ部分にわたっているダクトであり、マニホールド、一次空気チャンバ、および二次空気チャンバは細長く、一次空気チャンバ、および二次空気チャンバは、連続的なプレナムを形成しているマニホールドと構成において概して平行である。
【0093】
第4の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第4の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、マニホールドは二次チャンバに隣接しており、ダンパーは、対応する二次空気チャンバとマニホールドとの間に配置されている。
【0094】
第4の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第4の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、ダンパーはモータを取り付けられている。
【0095】
第4の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第4の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、ダンパーは、それぞれの部分を通る気流が空気端末装置の長さ部分に沿って変更され得るように別々に移動可能である。
【0096】
第4の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第4の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、共通のマニホールドは、二次空気チャンバのそれぞれの部分に空気の量が選択的に分配され得るように選択的に徐々に閉じることができるダンパーを介して、二次空気チャンバのそれぞれの部分に接続されている。
【0097】
第4の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第4の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、マニホールドは、空気端末装置の長さ部分にわたっているダクトであり、マニホールド、一次空気チャンバ、および二次空気チャンバは細長く、一次空気チャンバ、および二次空気チャンバは、連続的なプレナムを形成しているマニホールドと構成において概して平行である。
【0098】
第4の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第4の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、マニホールドは二次チャンバに隣接しており、ダンパーは、対応する二次空気チャンバとマニホールドとの間に配置されている。
【0099】
第4の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第4の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、ダンパーはモータを取り付けられている。
【0100】
第4の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第4の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、ダンパーは、それぞれの部分を通る気流が空気端末装置の長さ部分に沿って変更され得るように別々に移動可能である。
【0101】
第5の実施形態によれば、開示される主題は、複数の空気端末装置を有する換気システムを含む。それぞれの空気端末装置は、混合チャネルの中に空気が誘導されるいくつかのノズルまたは開口部をそれぞれが有する別々の一次空気チャンバおよび二次空気チャンバであって、一次空気チャンバおよび二次空気チャンバのそれぞれが、それぞれの空気ソースに接続するための対応する吸気接続部を有する、一次空気チャンバおよび二次空気チャンバを含む。それぞれの空気端末装置は、熱交換器を含む。それぞれの空気端末装置は、いくつかのノズルまたは開口部からの一次空気および二次空気の流れによって誘導されるとともに熱交換器を通って流れる再循環する空気が流れる、空気端末装置の一方の側または両方の側にあるフロー開口部を含む。中央空気処理装置は、換気用の空気を第1のダクト網を通じて分配するように構成され、一次空気チャンバの吸気接続部は、第1のダクト網から空気を受け取るように接続されている。1つまたは複数の、分配される再循環空気の空調装置は、それぞれの占有スペースから空気を受け取るとともに、その空気を対応する上記の二次空気チャンバの吸気接続部に分配するように構成されている。
【0102】
第5の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第5の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、混合チャネルは、スロットを通じて占有スペースの中に開口している。
【0103】
第5の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第5の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、混合チャネルは、部分的に下の方に向けられた指向性ノズルを形成している。
【0104】
第5の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第5の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、混合チャネルは、部分的に水平方向に向けられた指向性ノズルを形成している。
【0105】
第5の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第5の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、二次空気チャンバのノズルを通る空気の流量は、二次空気チャンバのノズルを通るフロー領域を変更する少なくとも1つの機構によって選択的に変更可能である。
【0106】
第5の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第5の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、二次空気チャンバのノズルを通る空気の流量は、二次空気チャンバのノズルを通るフロー領域を変更する少なくとも1つの機構によって選択的に変更可能である。
【0107】
第5の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第5の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、一次空気チャンバと二次空気チャンバとは細長いエンクロージャである。
【0108】
第5の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第5の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、少なくとも二次空気チャンバは、対応する吸気接続部に接続された共通のマニホールドを通る空気が供給されるように構成されたそれぞれの部分になるように、長手方向に分かれている。
【0109】
第5の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第5の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、共通のマニホールドは、二次空気チャンバのそれぞれの部分に空気の量が選択的に配分され得るように選択的に徐々に閉じることができるダンパーを介して、二次空気チャンバのそれぞれの部分に接続されている。
【0110】
第5の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第5の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、マニホールドは、空気端末装置の長さ部分にわたっているダクトであり、マニホールド、一次空気チャンバ、および二次空気チャンバは細長く、一次空気チャンバ、および二次空気チャンバは、連続的なプレナムを形成しているマニホールドと構成において概して平行である。
【0111】
第5の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第5の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、マニホールドは二次チャンバに隣接しており、ダンパーは、対応する二次空気チャンバとマニホールドとの間に配置されている。
【0112】
第5の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第5の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、ダンパーはモータを取り付けられている。
【0113】
第5の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第5の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、ダンパーは、それぞれの部分を通る気流が空気端末装置の長さ部分に沿って変更され得るように別々に移動可能である。
【0114】
第5の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第5の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、一次空気チャンバと二次空気チャンバとは細長いエンクロージャである。
【0115】
第5の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第5の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、少なくとも二次空気チャンバは、対応する吸気接続部に接続された共通のマニホールドを通る空気が供給されるように構成されたそれぞれの部分になるように、長手方向に分かれている。
【0116】
第5の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第5の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、共通のマニホールドは、二次空気チャンバのそれぞれの部分に供給される空気の量の調整が可能となるように調整され得るダンパーを介して、二次空気チャンバのそれぞれの部分に接続されている。
【0117】
第5の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第5の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、マニホールドは、空気端末装置の長さ部分にわたっているダクトであり、マニホールド、一次空気チャンバ、および二次空気チャンバは細長く、一次空気チャンバ、および二次空気チャンバは、連続的なプレナムを形成しているマニホールドと構成において概して平行である。
【0118】
第5の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第5の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、マニホールドは二次チャンバに隣接しており、ダンパーは、対応する二次空気チャンバとマニホールドとの間に配置されている。
【0119】
第5の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第5の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、ダンパーはモータを取り付けられている。
【0120】
第5の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第5の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、ダンパーは、それぞれの部分を通る気流が空気端末装置の長さ部分に沿って変更され得るように別々に移動可能である。
【0121】
第5の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第5の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、共通のマニホールドは、二次空気チャンバのそれぞれの部分に空気の量が選択的に分配され得るように選択的に徐々に閉じることができるダンパーを介して、二次空気チャンバのそれぞれの部分に接続されている。
【0122】
第5の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第5の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、マニホールドは、空気端末装置の長さ部分にわたっているダクトであり、マニホールド、一次空気チャンバ、および二次空気チャンバは細長く、一次空気チャンバ、および二次空気チャンバは、連続的なプレナムを形成しているマニホールドと構成において概して平行である。
【0123】
第5の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第5の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、マニホールドは二次チャンバに隣接しており、ダンパーは、対応する二次空気チャンバとマニホールドとの間に配置されている。
【0124】
第5の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第5の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、ダンパーはモータを取り付けられている。
【0125】
第5の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第5の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、ダンパーは、それぞれの部分を通る気流が空気端末装置の長さ部分に沿って変更され得るように別々に移動可能である。
【0126】
第6の実施形態によれば、開示される主題は、占有スペースを冷房する方法を含む。本方法は、チルドビームによって冷房が行われる占有スペースの負荷を検出するステップを含む。チルドビームは、中央装置からの一次空気を用いて顕熱冷房を行う。本方法は、チルドビームの熱交換器における第1の部分を通る大きい流れを誘導するために、上記検出ステップに応じて第1の量の二次空気を供給して、チルドビームの混合チャンバにおける第1の部分にジェットを生成するステップを必要とする。
【0127】
第6の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第6の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、チルドビームは、一次空気と二次空気用の別々のプレナムを有する。
【0128】
第6の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第6の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、二次空気用のプレナムは、再循環する空気を一次空気から離れたソースから受け取る。
【0129】
第6の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第6の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、二次空気用のプレナムは別々の部分に分かれている。
【0130】
第6の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第6の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、二次空気用のプレナムは、第1および第2の別々の部分となるように長手方向に分かれている。
【0131】
第6の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第6の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、二次空気プレナムの第1の部分からの空気によって第1の量が生成される。
【0132】
第6の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第6の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、チルドビームの熱交換器における第2の部分を通る大きい流れを誘導するために、上記検出ステップに応じて第2の量の二次空気を供給して、チルドビームの混合チャンバにおける第2の部分にジェットを生成するステップをさらに含む。
【0133】
第6の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第6の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、二次空気プレナムの第2の部分からの空気によって第の量が生成される。
【0134】
第7の実施形態によれば、開示される主題は、一次空気プレナムであって、一次空気プレナムにおける空気から一次ジェットを生成するように構成された、一次空気プレナムにおける長手方向の側面に沿う一次ジェット開口部を有する、一次空気プレナムを有するチルドビーム装置を含む。二次空気プレナムは、セグメントに分けられ、それぞれのセグメントは、上記二次空気プレナムにおける空気から二次ジェットを生成するように構成された、二次空気プレナムにおける長手方向の側面に沿う二次ジェット開口部を有する。この場合、あるセグメントの圧力が別のセグメントの圧力に影響を及ぼすことのないように、セグメントは互いから封止されている。二次ジェット開口部は、上記セグメントのうちの第1のセグメントに対して開口している第1の二次ジェット開口部と、上記セグメントのうちの第2のセグメントに対して開口している第2の二次ジェット開口部とを含む。二次空気プレナムは、コントローラに応じて、選択された量の空気を上記第1のセグメントと上記第2のセグメントとのそれぞれに送出するように構成されたフロー調節部を有する。
【0135】
第7の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第7の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、フロー調節部はダンパーを含む。
【0136】
第7の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第7の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、フロー調節部は、第1の構成において空気を二次吸気口から第1のセグメントに送出するとともに、第2の構成において空気を二次吸気口から第2のセグメントに送出するように構成されている。
【0137】
第7の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第7の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、フロー調節装置が第1の構成にある場合に、第1のセグメントだけに空気が流れる。
【0138】
第7の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第7の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、フロー調節装置が第1の構成にある場合に、第1および第2のセグメントに空気が流れる。
【0139】
第7の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第7の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、フロー調節装置は、チルドビーム装置の長さ部分に沿って空気を分配するマニホールドを含む。
【0140】
第7の実施形態のうちのいずれかは、可能であれば、さらなる第7の実施形態をなすために変更されてもよい。この場合、フロー調節器が第1の構成にある場合に、第1の二次ジェット開口部は、空気を受け取るとともに熱交換器の第1の部分にさらなる流れを誘導する。
【0141】
上記のすべての実施形態では、オリフィスを用いて生成されるジェットが示されたが、スロット、ディフューザ、ノズル、または、知られている他のフロー構成を用いてジェットを生成することも可能である。開示された実施形態は、代替のジェット生成器などを用いるように変更されてもよい。上記の実施形態では、特定のタイプのフロー調節器が説明された。多くの場合には、これらの代用がなされてもよく、たとえば、ダンパーブレードは、ルーバー、絞りなどの他のタイプのフロー調節器に代えられてもよいことが明らかとなろう。
【0142】
本明細書で用いられる場合、端末装置は、階層関係におけるものであって、中央装置の下にあり、端末装置が扱うチルドビームの上にあるものである。したがって、1つの中央装置は、(換気用の空気を含む)一次空気を複数の端末装置に供給することができ、それぞれの端末装置は、空気を一組のチルドビームに供給する。チルドビームのサブセットは、1つの中央装置が扱うチルドビームの一部である。建物は2つ以上の中央装置を有し得るが、階層はそれぞれの中央装置に対して想定されている。一次空気は換気用の(新鮮な)空気を指し、再循環する空調された空気、または、再循環した空調されていない空気を含み得る。二次空気は、占有スペースから取り込まれた(再循環した)空気を指し、中央装置からの新鮮な空気を含み得る。
【0143】
そのため、一次空気は、一次空気と二次空気が2つの異なるソースより生じるという点で、二次空気と区別される。いくつかの実施形態では、一次空気は中央装置より生じ、二次空気は端末装置より生じる。他の実施形態では、一次空気は中央装置より生じ、二次空気は、占有スペースから直接的に空気を取り込む、1つまたは複数のチルドビームの近くにあるファン装置より生じる。実施形態のいずれにおいても、(単一のチルドビーム装置を構成するために端と端が相互接続された単一機器であってもよい)チルドビーム装置に直接的に関連するファン装置は、空気フィルタなどの空気処理部品、または任意の他の種類の空気処理装置を含み得る。
【0144】
上記で説明されたモジュール、プロセス、システム、およびセクションは、ハードウェアで実施されてもよく、ソフトウェアによってプログラムされたハードウェアで実施されてもよく、非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェアの命令で実施されてもよく、または、上記の組み合わせで実施されてもよいことが理解されよう。例として、換気システムを制御するための方法は、たとえば、非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶された、プログラムされた命令のシーケンスを実行するように構成されたプロセッサを用いて実施されてもよい。たとえば、プロセッサは、限定されないが、パーソナルコンピュータ、またはワークステーションを含むことができ、また、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ装置を含むか、もしくは、特定用途向け集積回路(ASIC)などの集積回路を含む制御ロジックから構成されるその他のものを含み得る。命令は、Java、C++、C#.netなどのプログラミング言語によって提供されたソースコード命令からコンパイルされてもよい。命令はまた、Visual Basic(商標)言語、LabVIEW、または、その他の構築されたプログラミング言語もしくはオブジェクト指向のプログラミング言語によって提供されたコードおよびデータオブジェクトを含み得る。プログラムされた命令のシーケンスと、命令に関連するデータとは、コンピュータメモリか、または、限定されないが、リードオンリーメモリ(ROM)、書き込み可能なリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去および書き込み可能なリードオンリーメモリ(EEPROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、ディスクドライブなどの任意の好適なメモリ装置であってもよいストレージ装置などの非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶されていてもよい。
【0145】
さらに、モジュール、プロセス、システム、およびセクションは、単一プロセッサとして実施されてもよく、または分散プロセッサとして実施されてもよい。さらに、上記で説明されたステップは、単一プロセッサまたは分散プロセッサ(シングルコアおよび/またはマルチコア)において実行されてもよいことを理解されたい。また、上記の実施形態における、または上記の実施形態に向けた様々な図で説明されたプロセス、モジュール、およびサブモジュールは、複数のコンピュータ、もしくは複数のシステムにわたって分散していてもよく、または、単一のプロセッサもしくは単一のシステムの中に一緒に配置されていてもよい。本明細書で説明されたモジュール、セクション、システム、手段、またはプロセスを実施するのに好適な、例示的な構成上の代替実施形態が、以下で提供されている。
【0146】
上記で説明されたモジュール、プロセス、またはシステムは、たとえば、プログラムされた汎用コンピュータ、マイクロコードを用いてプログラムされた電子デバイス、ハードワイヤードのアナログロジック回路、コンピュータ可読媒体もしくはコンピュータ可読信号に記憶されたソフトウェア、光コンピューティングデバイス、電子デバイスおよび/もしくは光学デバイスからなるネットワークシステム、特殊用途のコンピューティングデバイス、集積回路デバイス、半導体チップ、ならびに、コンピュータ可読媒体もしくはコンピュータ可読信号に記憶されたソフトウェアモジュールまたはソフトウェアオブジェクトとして実施されてもよい。
【0147】
方法およびシステム(または、それらのサブコンポーネントもしくはモジュール)の実施形態は、汎用コンピュータ、特殊用途のコンピュータ、プログラムされたマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラと周辺集積回路素子、ASICもしくは他の集積回路、デジタル信号プロセッサ、ディスクリート素子の回路などのハードワイヤードの電子回路もしくはロジック回路、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルアレイロジック(PAL)デバイスなどのプログラムされたロジック回路において実施されてもよい。総じて、方法、システム、またはコンピュータプログラム製品(非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェアプログラム)の実施形態を実施するために、本明細書で説明された機能またはステップを実施することができる任意のプロセスが用いられてもよい。
【0148】
さらに、開示された方法、システム、およびコンピュータプログラム製品における実施形態は、たとえば、様々なコンピュータプラットフォームにおいて用いられてもよいポータブルソースコードを提供する、オブジェクトまたはオブジェクト指向のソフトウェア開発環境を用いて、完全に、または部分的にソフトウェアで容易に実施され得る。あるいは、開示された方法、システム、およびコンピュータプログラム製品における実施形態は、たとえば、標準ロジック回路または超大規模集積回路(VLSI)の設計を用いて、完全に、または部分的にハードウェアで実施され得る。システムにおける速度および/もしくは効率性の要件、特定の機能、ならびに/または、特定のソフトウェアもしくはハードウェアのシステムに応じて実施形態を実施するために、他のハードウェアまたはソフトウェアが用いられてもよく、マイクロプロセッサまたはマイクロコンピュータが利用されてもよい。方法、システム、およびコンピュータプログラム製品における実施形態は、本明細書で提供された機能の説明により、当業者が、知られている任意の、もしくは新たに開発されたシステムもしくは構造、デバイス、および/または、ソフトウェアを使い、また、換気システム、制御システム、および/または、コンピュータプログラミングの技術における一般的な基礎知識を用いて、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで実施されてもよい。
【0149】
さらに、開示された方法、システム、およびコンピュータプログラム製品における実施形態は、プログラムされた汎用コンピュータ、特殊用途のコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実行されるソフトウェアで実施されてもよい。
【0150】
このように、チルドビームと、同様の端末装置とに向けたデバイス、方法、およびシステムが、本開示に従って提供されることは明白である。本開示によって、多くの代替形態、変更形態、および変形形態が可能である。開示された実施形態における特徴は、さらなる実施形態を生み出すために、本発明の範囲内において組み合わされてもよく、再構成されてもよく、または省略されてもよい。さらに、いくつかの特徴は、利益をもたらすために、対応する他の特徴を用いずに用いられる場合がある。したがって出願人は、本発明の趣旨と範囲に含まれるこのようなすべての代替形態、変更形態、等価物、および変形形態を包含するように意図している。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15