(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6060190
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】スワラーファンを備えた排気装置モジュール
(51)【国際特許分類】
F04D 29/46 20060101AFI20161226BHJP
F04D 29/56 20060101ALI20161226BHJP
F24F 7/007 20060101ALI20161226BHJP
【FI】
F04D29/46 D
F04D29/56 C
F24F7/007 Z
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-29886(P2015-29886)
(22)【出願日】2015年2月18日
(65)【公開番号】特開2016-109112(P2016-109112A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2015年2月18日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0175073
(32)【優先日】2014年12月8日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515045743
【氏名又は名称】トルネード システムズ カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ヒ ボム,オ
【審査官】
所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭48−084713(JP,A)
【文献】
特開2014−139412(JP,A)
【文献】
特開2014−047750(JP,A)
【文献】
実開昭62−078395(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/46
F04D 29/56
F24F 7/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心部に貫通部を備えた環状の円板上に複数個のフィン(fin)が形成されたスワラーファンと、
前記スワラーファンの後段に配置される吸込ファンと、
前記スワラーファンと吸込ファンを同時に駆動するようにするため、二つのファンに同軸に連結されるように連結部材によって組み立てられるモータと、を含む排気装置モジュール。
【請求項2】
前記吸込ファンを内蔵し、底面に開口部が形成され、一側に排出口が組み立てられる吸込ファンケースと、をさらに含む請求項1に記載の排気装置モジュール。
【請求項3】
前記スワラーファンを囲み、上段部に開口部が形成され、上段部の周囲に沿って外側下向に傾斜された傾斜面が形成され、前記傾斜面の終端である下段部には水平に広がる水平段が形成された角錐台型、楕円錐台型または円錐台型のベルマウス(bell−mouth)と、をさらに含む請求項1に記載の排気装置モジュール。
【請求項4】
前記スワラーファンは、前記モータのモータ軸と結合する中心部と、前記中心部の外側を囲むように配置される円型帯部材と、前記中心部の外周面から前記円型帯部材の内周面まで放射状に延長して形成される複数個の連結ロードと、前記円型帯部材の外側周囲を囲むように結合され、一面に複数個のフィンが突出形成される回転板を含むことを特徴とする請求項1に記載の排気装置モジュール。
【請求項5】
前記スワラーファンは、前記モータのモータ軸と結合する中心部と、前記中心部に結合される回転板と、前記回転板の外側を囲むように配置され、外周面に沿って複数個のフィンが突出形成される円型帯部材と、前記回転板の外周面から前記円型帯部材の内周面まで放射状に延長して形成される複数個の連結ロードを含んでなることを特徴とする請求項1に記載の排気装置モジュール。
【請求項6】
前記スワラーファンは、前記連結ロードの一側に吸込流速を増大させる補助羽根を備えることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の排気装置モジュール。
【請求項7】
前記吸込ファンと前記モータを内蔵し、上段部に排出口が組み立てられる吸込ファンケースをさらに含み、前記吸込ファンは軸流型プロペラファンで構成され、前記排出口は前記軸流型プロペラファンの回転軸と同心に組み立てられる請求項1に記載の排気装置モジュール。
【請求項8】
中心部に貫通部を備えた環状の円板上に複数個のフィン(fin)が形成されたスワラーファンと、
前記スワラーファンを駆動するためのハウジングに連結部材によって組み立てられるモータと、
前記スワラーファンの後段に配置される吸込ファンと、
前記吸込ファンを駆動するためのハウジングに連結部材によって組み立てられるモータと、を含む排気装置モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気装置モジュールに関し、より詳細には環状の円板上に複数個のフィン(fin)が形成されたスワラーファンを適用し、効率を向上させた排気装置モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
すべての気体は気圧が高いところから気圧が低いところに移動する。このような原理を利用して作られたのが機械的なファンである。羽根を回転させると、空気を押し出して羽根の周辺の空気密度が低くなり、気圧が低くなる。そうすると、相対的に気圧が高くなった周辺の空気が羽根側に移動する。この際、羽根のよじれの方向によって空気を吸込したり送出したりする。
【0003】
一定空間の汚染物質を除去するために排気ファンが使用される。排気ファンは、送風機形態で作られて住宅、商家、工場など多様な空間にある汚染物質を除去するために使用され、また、レンジフード形態で作られ、厨房で料理する際に生じる各種汚染物質を除去する場合にも使用される。また局所作業現場で発生する奮進、オイルミスト、溶接ヒュームなどを除去するために移動式排気装置形態で作られて使用される。
【0004】
通常、排気ファンは空間の上部の壁面や天井配管にして外部に排気口を設け、配管の前段部または配管の後段部である排気口の近くに排気ファンを設置して構成される。この際、設置される排気ファンは多くの場合遠心型ファン(sirocco fanまたはturbo fan)であり、稀に軸流型プロペラファンが設置される場合もある。大韓民国登録特許第10−0845577号、登録特許第10−0684696号、登録特許第10−0589607号はいずれもこのような排気ファンを備えている。
【0005】
排気ファンは、ファンを駆動させて作り出す負圧によって空気流動を発生させて空気を排気口に排出させると、空間内の汚染物質も空気に載って共に排出されることを前提とする。しかし、重さと体積を有する汚染物質が空気に載って排出されるためには汚染源がある位置でそれが有する重力と慣性よりさらに大きい空気流動速度(流速)を有しなければならない。これを捕執速度(capture velocity)と言う。知らされたところによれば、20μm以下の微細ホコリの場合も最小捕執速度は0.25m/secである。したがって、排気ファンが作り出した空気流動速度(流速)が低いと、汚染物質は空気に載って排出されず、その場に留まり、軽い空気だけが排出される。
【0006】
このような理由から既存の排気ファンの汚染源の捕執範囲は
図1のシミュレーション図のように吸込口の隣接部にすぎないという短所がある。すなわち、すべての排気ファンは排気口の入口から、距離の2乗に反比例して吸込流速が急減し、一定の距離以上離れたところにある汚染源を運ぶことができない。
【0007】
これは
図2(velocity Contours − plain circular opening − % of opening velocity; American Conference of Governmental Industrial Hygienists(ACGIH) Industrial Ventilation Manual、23rd Edition)に示すように、通常の排気ファンの回転は空気流動を作るが、排気口の入口の直径ほど下降した部位に至ると、気流の流速が排気口の入口流速の7.4%に過ぎるほどに減少するからである。
【0008】
排気口の入口から、距離の2乗に反比例して流速が減少するのはDalle Valle方程式としても広く知られている。
【0009】
Dalla Valle方程式は、
【0010】
【数1】
【0011】
である。
【0012】
ここで、Vxはx地点での流速、Vfは排気口の入口流速、xは排気口からの距離、dは排気口の直径(diameter)を示す。
【0013】
したがって、排気口直径(d)の1倍、すなわち x=dの地点での流速は、
【0014】
【数2】
【0015】
すなわち、排気口の入口流速(Vf)の7.4%となる。
【0016】
このようなメカニズムにもかかわらず、多くの排気ファンの構成で排気口の位置は汚染物の発生源から排気口入口の直径よりさらに遠く離れた地点にあるため、排出力が非常に低い。
【0017】
したがって、既存のすべての排気装置は排気風量を増やして流速を増加させ、排出力の増加を試みている。
【0018】
しかし、Fan Affinity Lawによれば、流速を2倍に増加させるためにはファンの消費電力を2
3、すなわち8倍に上げなければならないため(流動速度3乗の法則)、消費電力が過度に大きくなり、それによる騒音が増加する問題がある。
【0019】
Fan Affinity Lawによる遠心型ファンの消費電力は、
P
1/P
2 = (n
1/n
2)
3 (d
1/d
2)
5、 q
1/q
2 = (n
1/n
2)(d
1/d
2)
3
このとき、
P = power (W、bhp、..)
q = volume flow capacity (m
3/s、gpm、cfm、..)
n = wheel velocity − revolution per minute − (rpm)
d = wheel diameter
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】韓国登録特許10−0845577号広報 (2008年7月4日登録)
【特許文献2】韓国登録特許10−0684696号広報 (2007年2月13日登録)
【特許文献3】韓国登録特許10−0589607号広報 (2006年6月7日登録)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
したがって、本発明の目的は、排気力を向上させ、かつ消費電力と騒音を両方とも低くすることができる新しい方式の排気装置モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記目的による本発明は、排気装置モジュールを構成することにおいて、二重構造のファンを適用し、排気ファンモジュールは前段(1段)のスワラーファンと後段(2段)の吸込ファンを含み、中心部に貫通部を備えた環状の円板上に複数個のフィン(fin)が形成されたスワラーファンを前段(1段)に配置し、スワラーファンの後段(2段)に通常の遠心型ファンまたは軸流型ファンのような吸込ファンを配置し、スワラーファンが回転すると、ドーナッツ型の渦流が形成され、ドーナッツ型渦流の内部は気圧が低くなるため、下部の相対的に高気圧帯にある気体が速い流速で上昇し、同時に後段(2段)の吸込ファンの駆動によってスワラーファンの入口に上昇した気体を排気口に強力に吸い込み排出するようにした。
【0023】
また、本発明は、前記排気装置モジュールを構成することにおいて、スワラーファンを囲み、下段部に水平段が形成された四角錐台型または円錐台型のベルマウス(bell−mouth)を配置し、ドーナッツ型渦流の低気圧帯の形成領域を広げることにより排気対象物質の捕執領域を効果的に広げるようにした。
【0024】
すなわち、本発明は、中心部に貫通部を備えた環状の円板上に複数個のフィン(fin)が形成されたスワラーファンと、前記スワラーファンの後段に配置される通常の遠心型または軸流型の吸込ファンと、前記スワラーファンと吸込ファンを同時に駆動するようにするため、二つのファンに同軸に連結されるように連結部材によって組み立てられるモータと、を含む排気装置モジュールを提供する。
【0025】
また、本発明は、前記スワラーファンを囲み、上段部に開口部が形成され、下段部に水平段が形成された四角錐台型または円錐台型のベルマウス(bell−mouth)をさらに含む排気装置モジュールを提供する。
【0026】
また、本発明は前記吸込ファンを内蔵し、底面に開口部が形成され、一側に排出口が組み立てられる吸込ファンケースをさらに含む排気装置モジュールを提供する。
【0027】
また、本発明は排気装置モジュールにおいて、スワラーファンの後段に設置される吸込ファンを軸流型プロペラファンで構成し、前記吸込ファンケースの排出口が吸込ファンが配置された地点と同一軸に位置するように組み立てられる排気装置モジュールを提供する。
【0028】
また、本発明の実施形態によれば、前記スワラーファンは、前記モータのモータ軸と結合する中心部と、前記中心部の外側を囲むように配置される円型帯部材と、前記中心部の外周面から前記円型帯部材の内周面まで放射状に延長して形成される複数個の連結ロードと、前記円型帯部材の外側周囲を囲むように結合され、一面に複数個のフィンが突出形成される回転板を含み得る。
【0029】
また、本発明は、前記スワラーファンの下方に配置される格子状ガードをさらに含む排気装置モジュールを提供する。
【0030】
また、本発明の実施形態によれば、前記スワラーファンは、前記モータのモータ軸と結合する中心部と、前記中心部に結合される回転板と、前記回転板の外側を囲むように配置され、外周面に沿って複数個のフィンが突出形成される円型帯部材と、前記回転板の外周面から前記円型帯部材の内周面まで放射状に延長して形成される複数個の連結ロードを含み得る。
【0031】
また、本発明の実施形態によれば、前記スワラーファンは前記連結ロードの一側に吸込流速を増大させる補助羽根を備えることができる。
【0032】
また、本発明の実施形態によれば、前記吸込ファンと前記モータを内蔵し、上段部に排出口が組み立てられる吸込ファンケースをさらに含み、前記吸込ファンは軸流型プロペラファンで構成され、前記排出口は前記軸流型プロペラファンの回転軸と同心に組み立てられる。
【0033】
また、本発明は、中心部に貫通部を備えた環状の円板上に複数個のフィン(fin)が形成されたスワラーファンと、前記スワラーファンを駆動するためにハウジングに連結部材によって組み立てられるモータと、前記スワラーファンと離隔して後段に配置される通常の遠心型または軸流型の吸込ファンと、前記遠心型または軸流型の吸込ファンを独立的に駆動するため、ハウジングに連結部材によって組み立てられる別途のモータと、を含む排気装置モジュールを提供する。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、気体を吸い込む排気装置モジュールが二重構造のファンであるため、非常に強力な旋風気流が形成され、強力な吸い込み及び排気力を有する排気ファンを提供することができる。すなわち、中心部に貫通部を備えた環状の円板上に複数個のフィン(fin)が形成されたスワラーファンが回転すると、ドーナッツ型の渦流が形成され、ドーナッツ型渦流の内部は気圧が低くなるため、下部の相対的に高気圧帯にある気体が速い流速で上昇し、同時に後段の吸込ファンの駆動によってスワラーファンの周辺に上昇した気体を強力に吸い込み排出する。
【0035】
この際、スワラーファンの中央の貫通部に流入する空気の一部は回転板のフィン(fin)が空気を外側方向に押し出す力に巻きこまれて排気口に排出せされず、外側方向に再拡散され得る。環状回転板の内周面と連結ロードとの間に垂直に貫通して一定の高さを有し、円型帯形状に形成される円型帯部材は中央の貫通部に流入する空気が外側方向に再拡散されることを防ぎ、円滑に排気されるようにする役割を果たす。
【0036】
このような本発明の排気装置モジュールの場合、従来の吸込ファンのみによる排気ファンに比べてはるかに広範囲な領域にわたって吸い込み排出力を発揮し、上昇気流の流速が速いため、迅速に汚染物質及びの臭いを消す。
【0037】
また、本発明のベルマウス(bell−mouth)は、スワラーファンの周辺部からさらに拡張した範囲にドーナッツ型渦流の低気圧帯を形成できるように誘導し、旋風気流の中心部を拡大及び維持させて上昇気流の発生領域を広げる。
【0038】
本発明のような二重構造のファン及びベルマウス(bell−mouth)を適用した排気装置モジュールは、人為的にファンの回転速度を高めて風量を増やし、吸込流速を増加させる従来の技術と異なり、ファンの同一の回転速度でも吸込流速を増加させて捕執深さが及び捕執範囲を広げ、比較的低消費電力及び低騒音でも汚染物質及びの臭いを強力かつ迅速に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】従来の排気装置の気流と流速分布をシミュレーションした結果による捕執領域を示す図解図である。
【
図2】通常の排気ファンの流速分布を示す図解図である。(velocity Contours − plain circular opening − % of opening velocity; American Conference of Governmental Industrial Hygienists(ACGIH) Industrial Ventilation Manual、23rd Edition)
【
図3】本発明の排気装置モジュールの構成を説明するための分解斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態において本発明の排気装置モジュールを利用して構成したレンジフードを示す分解斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態においてスワラーファンを示す斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態においてまた他のスワラーファンを示す斜視図である。
【
図7】本発明の排気装置モジュールの組立図である。
【
図8】本発明のまた他の実施形態による排気装置モジュールの分解斜視図である。
【
図9】本発明のまた他の排気装置モジュールの分解斜視図である。
【
図10】本発明の排気装置モジュールによって形成される気流と圧力分布をシミュレーションした結果を示す図解図である。
【
図11】本発明の排気装置モジュールによって形成される気流と流速分布をシミュレーションした結果による捕執領域を示す図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の望ましい実施形態について添付する図面を参照して詳細に説明する。
【0041】
図3は、本発明による排気装置モジュールの分解斜視図である。
【0042】
本発明の一実施形態による排気装置モジュールは、スワラーファン100、吸込ファン200、モータ300を含み、吸込ファンケース400、ベルマウス(bell−mouth)500、排出口600、及び組立部材700をさらに含み得る。
【0043】
中心部に貫通部107を備えた環状の円板上に複数個のフィン104が形成されたスワラーファン100と、その後段(図面の上段)に配置される吸込ファン200は同時に駆動するように一つのモータ300によって連結部材に連結される。前記二つのファンは同軸を維持し、前記モータ300と連結して組み立てられる。すなわち、モータ軸330を同軸としてスワラーファン100と吸込ファン200が同時に駆動される。
【0044】
図4は、本発明による排気装置モジュールを適用して構成した厨房用レンジフードの一実施形態を示す分解斜視図である。通常、レンジフードは厨房天井に設置されるため、天井に固定すべき各種部材の支持体となり、美観を良くするフードボディー710が天井に取り付けられる。フードボディー710はその中心に開口部が形成され、フードボディー710の前段(図面の下段)にはベルマウス500とスワラーファン100が配置され、フードボディー710の後段(図面の上段)には吸込ファン200が収容される吸込ファンケース400及び排出口600が配置される。
【0045】
また、前記スワラーファン100の下方に格子状ガード800を設置するのが好ましい。
【0046】
この際、底面に開口部420を有して内部に空間部が形成される六面体状の組立部材700がフードボディー710の後段に結合される。この場合、吸込ファンケース400は組立部材700の内部空間部に収容され、モータ300と排出口600は吸込ファンケース400と連通するように組立部材700の後段に配置される。
【0047】
前記スワラーファン100の一実施形態は
図5に示すように、回転板102と回転板102の内周面に沿って連結ロード106を複数個配置して固定し、回転板102上に複数個の一定角度のフィン104が直立形成され、前記環状回転板102の内周面と連結ロード106との間に垂直に貫通して一定の高さを有し、円型帯形状に形成される円型帯部材108からなる。
【0048】
すなわち、
図5に示すスワラーファン100は、モータ300のモータ軸330が結合される中心部100aと、中心部100aの外側を囲むように配置される円型帯部材108と、中心部100aの外周面から円型帯部材108の内周面まで放射状に延長して形成される複数個の連結ロード106と、円型帯部材108の外側周囲を囲むように結合され、一面に複数個のフィン104が突出形成される回転板102を含む。
【0049】
この際、連結ロード106の一側に所定角度に傾斜した補助羽根101が形成される。この補助羽根101は、回転板102の回転時に貫通部107を通過する吸込流速を増大させる役割を果たす。
【0050】
前記スワラーファン100のまた他の実施形態は
図6に示すように、モータ軸330と連結される中心部100aにおいて連結ロード106を複数個配置し、前記連結ロード106の周囲に沿って円型帯部材108が形成され、前記円型帯部材108の外側面に複数個のフィン104が半径方向に直立固定され得る。
【0051】
すなわち、
図6に示すスワラーファン100は、モータ300のモータ軸330と結合する中心部100aと、中心部100aに結合される回転板102と、回転板102の外側を囲むように配置され、外周面に沿って複数個のフィンが半径方向の外側に突出形成される円型帯部材108と、回転板102の外周面から円型帯部材108の内周面まで放射状に延長して形成される複数個の連結ロード106を含んでなる。
【0052】
この際も同様に、回転板102の回転時に貫通部107を通過する吸込流速を増大させるため、連結ロード106の一側に所定角度に傾斜した補助羽根101が形成される。
【0053】
また、本発明のまた他の実施形態によれば、連結ロード106の端部が円型帯部材108を貫通して外側に突出し、連結ロード106の端部の一側にフィン104が垂直に形成され得る。他の例として、フィン104は円型帯部材108の外周面に回転板102と平行するように突出する水平部材と、水平部材の一側に垂直に形成される垂直部材を含んでなることも可能である。
【0054】
前記スワラーファン100がモータ300によって回転すると、渦流を形成する。このような渦流は
図10、
図11に示すようにドーナッツ型の低気圧帯を形成する。
図10、
図11は一種の断面図であり、スワラーファン100の駆動によってスワラーファン100の外側に向かって流れた気流が戻ってきながら低気圧の谷を形成する。スワラーファン100の外側の周辺部に一種のドーナッツ型(立体的に見るとき)の低気圧帯が形成される。このような低気圧帯によりドーナッツ型渦流の中心部も低気圧が形成されて上昇気流が生じる。しかし、このようなスワラーファン100による中心部の低気圧だけでは所望する水準の気体吸込及び排出効果が得られない。したがって、本発明のようにスワラーファン100の後段に吸込ファン200を追加して駆動させることによって強力な上昇気流を作るのである。吸込ファン200がスワラーファン100と共に回転駆動されることによってドーナッツ型の低気圧帯は円運動をし、これによる旋風気流は広範囲に気体を捕執できるようにする。旋風気流の中心部は非常に低い低気圧帯で吸込ファン200によって上昇推進力の供給を受けて気流は高速上昇する。このようなメカニズムにより発明の排気ファンは強力かつ迅速に汚染物質及び臭いを排出できる効果がある。
【0055】
スワラーファン100と吸込ファン200は同軸に組み立てされて軸上に一つのモータ300が連結され、同時に駆動される。
【0056】
特に、本発明者は、スワラーファン100のだけでは渦流がドーナッツ型の低気圧帯をより広い面積に形成しにくいという点を発見し、上段部に開口部が形成され、傾斜面を有し、下段部に水平段が形成されたベルマウス(bell−mouth)500を設置した。ベルマウス500は、
図3、
図4に示すように、上段部に開口部520を形成し、上段部の周囲に沿って外側下向に傾斜した傾斜面を形成し、傾斜面の終端すなわち、下部には水平に広がる水平段510を備える。このような水平段510は
図10のシミュレーションから分かるように、表面に近接して噴出した気流がその面に引き寄せられて流れるコアンダ効果(Coanda Effect)を発生させ、スワラーファン100の駆動によって発生される気流は水平段510に沿って渦流を形成して渦流帯のサイズを大きくし、結果的に捕執領域を拡張する。
【0057】
すなわち、ベルマウス(bell−mouth)500の傾斜面と水平段510に沿って気流が流れながら気流の移動距離を拡大して気流が継続的な推進力を得ず、戻ってドーナッツ型の低気圧帯を形成する。このようなベルマウス(bell−mouth)500は、傾斜面と水平段510を備えるだけで良いため、必ず円錐台形状である必要はなく、四角錐台をはじめ角錐台、楕円錐台形状で構成し、その下段部は水平段510を備えると同じ機能を有する。四角錐台型の場合、左右方向の端にのみ水平段510を構成して簡素化することができる。
【0058】
ベルマウス(bell−mouth)500の中心部も開口部520を備え、これを設置することによって中心部での上昇気流の速度向上と捕執範囲を拡大する結果をもたらす。
【0059】
スワラーファン100とベルマウス(bell−mouth)500の構成によりドーナッツ型の低気圧帯が形成されると、これを回転させて旋風気流を形成し、その中心部で強力な上昇気流を形成する駆動力を与える必要があるが、吸込ファン200がこのような役割を果たす。吸込ファン200は既に広く知られている遠心型ファン(シロッコファン、ターボファン)、または軸流型ファンなどを適用することができ、吸込ファンケース400も従来に知らされているものを使用する。例えば、吸込ファンは中心の開口部220を有する円筒に多数の羽根210を有する。
【0060】
図3に示すように、吸込ファンケース400の下段部は吸込ファン200が内蔵するように開口されており、上段部にもモータ300を組み立てるための開口部420を備え、排出口600が組み立てられる部分も開口部を備える。また、中心に開口部720を有する平面形組立部材700を吸込ファンケース400の下段部に配置して吸込ファンケース400の底面を成し、吸込ファン200が位置した部分が開口部720により露出し、その他部分は密閉して気流が乱れずに上昇するようにする。
【0061】
図3の排気装置モジュールの分解斜視図の構成品を組み立てた斜視図を
図7に示す。
【0062】
この際、吸込ファンケース400の後段(図面の上段)の開口部420を介してモータ300が結合され、吸込ファンケース400の内部に吸込ファン200が収容される。吸込ファンケース400の前段(図面の下段)には組立部材700とベルマウス500が順次に結合され、モータ300のモータ軸330は吸込ファンケース400の開口部420と吸込ファン200、組立部材の開口部720とベルマウス500の開口部520を順次に貫通してスワラーファン100の中心部100aに結合される。一方、この際、排出口600は吸込ファンケース400の一側すなわち、吸込ファン200の半径方向の外側に向かって形成される。
【0063】
また、
図8に示すように、中心部に開口部を備えたスワラーファン100の後段(図面の上段)に設置される吸込ファンを軸流型プロペラファン250で構成する場合、排気ファンケースの排出口600は吸込ファンが配置された地点と同一軸に位置するように組み立てられる。排出口600の組み立ては
図8の吸込ファンケース450(ハウジングとも言う)の後段(図面上上段)で行われる。軸流型プロペラファン250の中心部にも気流が疎通できる開口部が羽根の骨格の間に形成される。排気ファンを
図8のように構成する場合、構成品がさらに簡素化される長所がある。この際、モータ300と軸流型プロペラファン250は吸込ファンケース450内部に収容され、ベルマウス500とスワラーファン100は吸込ファンケース450の前段(図面の下段)に配置される。
【0064】
図9は、本発明のまた他の排気装置モジュールの構成を示す分解斜視図である。本発明の排気装置モジュールを移動式集塵装置などに適用する場合、集塵した微細ホコリなどを処理するために後段にフィルタを設置する必要がある。この際、フィルタによる圧力損失によって吸込ファン200の吸込力が低下し得る。このような問題点を解消するためには後段の吸込ファン200をより強力に駆動しなければならない。このため、前段(図面の下段)のスワラーファン100を駆動するためのモータ300及びモータハウジング310とは別途に後段(図面の上段)の吸込ファン200を駆動するためのモータ900及び吸込ファンケース400を備え、排気装置モジュールを構成できる。
【0065】
図10は、本発明による排気装置モジュールを駆動したとき、気流変化をシミュレーションした場合を示す図である。スワラーファン100によってベルマウス(bell−mouth)500の壁面を沿って外側に流れた気流は水平段510に沿って誘導されて流れてから戻ってきながら、ドーナッツ型渦流の低気圧帯を形成する。吸込ファン200によってドーナッツ型渦流の低気圧帯は旋風を起こし、ドーナッツ型渦流の中心部の極低気圧帯の上昇気流は吸込ファン200駆動によって強い推進力で速く上昇する。また、ベルマウス(bell−mouth)500構成により捕執範囲が拡大されることが分かる。
【0066】
このようにして高効率の排気ファンを実現することができる。
【0067】
本発明の権利は、上記説明した実施形態に限定されず、請求範囲に記載された内容によって定義され、本発明の分野で通常の知識を有する者が請求範囲に記載されている権利範囲内で多様に変形と改作ができることは自明である。
【符号の説明】
【0068】
100 スワラーファン
100a 中心部
101 補助羽根
102 回転板
104 フィン
106 連結ロード
107 貫通部
108 円型帯部材
210 羽根
220、420、520、720 開口部
200 吸込ファン
250 軸流型プロペラファン
300、900 モータ
310 モータハウジング
330 モータ軸
400、450 吸込ファンケース
500 ベルマウス(bell−mouth)
510 水平段
600 排出口
700 組立部材
710 フードボディー
800 ガード