特許第6060232号(P6060232)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6060232
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】自立型電源
(51)【国際特許分類】
   H02J 1/00 20060101AFI20161226BHJP
   H03K 17/693 20060101ALI20161226BHJP
   H02M 3/07 20060101ALI20161226BHJP
   G05F 1/00 20060101ALI20161226BHJP
【FI】
   H02J1/00 304E
   H02J1/00 306K
   H02J1/00 304H
   H03K17/693 D
   H02M3/07
   G05F1/00 J
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-177421(P2015-177421)
(22)【出願日】2015年9月9日
(65)【公開番号】特開2016-93095(P2016-93095A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2015年9月9日
(31)【優先権主張番号】14/530,189
(32)【優先日】2014年10月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516255781
【氏名又は名称】ネクスぺリア ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】マダン モハン レッディ ベミュラ
【審査官】 古河 雅輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−308102(JP,A)
【文献】 特開2009−106058(JP,A)
【文献】 特開2013−158167(JP,A)
【文献】 特開平08−335866(JP,A)
【文献】 特開昭63−290159(JP,A)
【文献】 特開2008−182822(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0310689(US,A1)
【文献】 米国特許第05598041(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 1/00− 1/10
H02J 1/00− 1/16
H02M 3/00− 3/44
H03K 17/00−17/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、この装置が、
当該装置内の回路に電力を供給するように構成配置された内部電源レールと、
一次電源回路であって、第1入力ポートと、第1トランジスタの回路とを有し、前記第1トランジスタの回路が、第1ゲートに印加された電圧に基づいて前記第1入力ポートから前記内部電源レールに電力を選択的に供給するように構成配置されている一次電源回路と、
スイッチングトランジスタを有するスイッチング回路と
を具えており、
前記スイッチングトランジスタは、電流が前記一次電源回路からバックアップ電源回路へ流れるのを阻止するように構成配置されたダイオードと、第2ゲートと、一次電源回路及び前記内部電源レールに接続された第1ソース/ドレイン領域と、バックアップ電源回路に接続された第2ソース/ドレイン領域と、前記一次電源回路に結合された制御端子とを有しており、前記スイッチングトランジスタが前記第2ゲートに印加された電圧に基づいて前記バックアップ電源回路から前記内部電源レールに電力を供給するように構成配置されており、
前記一次電源回路に供給された電力を用いて前記第1及び第2ゲートにそれぞれ電圧を印加するように構成配置された単一の電荷ポンプを更に備え、この電荷ポンプは、
前記一次電源回路に供給された電力に応答して、前記第1トランジスタの回路を導通状態に動作させ且つ、前記スイッチング回路を遮断状態に動作させ、前記第1トランジスタが前記一次電源回路から前記内部電源レールに電力を供給するようにするとともに前記ダイオードが前記一次電源回路から前記バックアップ電源回路へ電流が逆流するのを阻止させ、
前記一次電源回路における電力がしきい値よりも降下するのに応答して、前記第1トランジスタの回路を遮断状態に動作させるとともに、前記スイッチング回路を導通状態に動作させ、前記スイッチング回路が前記バックアップ電源回路から前記内部電源レールに電力を供給するようにすることにより、
前記第1トランジスタの回路及び前記スイッチング回路が前記一次電源回路及び前記バックアップ電源回路を以て前記内部電源レールを選択的に附勢するように構成配置されているようにした、装置
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、前記電荷ポンプは、一次電源回路により得られる電力を用いて、前記遮断状態で前記制御端子に電圧を印加することにより前記スイッチングトランジスタをオフ状態に動作させるように構成配置されている装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置において、前記電荷ポンプは前記一次電源回路における電力が降下するのに応答して電圧を前記制御端子に印加するのを停止させるように構成配置されており、前記スイッチングトランジスタは、この電荷ポンプが電圧を印加するのを停止させるのに応答してオン状態に自動的に切換るように構成配置されている装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置において、
前記一次電源回路がこの一次電源回路に電力が供給されるようにする入力ポートと第2トランジスタとを具えているとともに、この第2トランジスタは前記電荷ポンプの出力電圧が供給されるゲートを有しているとともに、前記入力ポートと、前記内部電源レール及び前記スイッチングトランジスタの第1ソース/ドレイン領域の双方に直接接続されたノードとの間に接続されたソース及びドレインを有しており、
前記電荷ポンプは、前記一次電源回路により供給される電力を用いることにより前記入力ポートから前記内部電源レールに電力を供給し、前記第2トランジスタをオン状態に動作させるように構成配置されているようにするとともに前記スイッチングトランジスタがオフ状態に動作されるようにした
装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置において、
前記スイッチングトランジスタをPMOSトランジスタとし、このPMOSトランジスタは、前記電荷ポンプによりこのPMOSトランジスタのゲートに供給される電圧レベルに応答してオフ状態に動作するとともに、この電荷ポンプが電圧レベルをこのPMOSトランジスタのゲートに供給するのを停止させるのに応答してオン状態に動作するように構成配置されており、
前記第2トランジスタをNMOSトランジスタとし、このNMOSトランジスタは、前記電荷ポンプによりこのNMOSトランジスタのゲートに供給される電圧レベルに応答してオン状態に動作するとともに、この電荷ポンプが電圧レベルをこのNMOSトランジスタのゲートに供給するのを停止させるのに応答してオフ状態に動作するように構成配置されているようにした
装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置において、前記一次電源回路は更に、前記第2トランジスタ及び前記電荷ポンプに結合された抵抗回路を具え、この抵抗回路は、前記入力ポートに得られる電力が0Vに向かって変化するのに応答して前記第2トランジスタのゲートから電圧を放電させることにより、前記内部電源レールから前記入力ポートへの電流の逆流を軽減させるように構成配置されているようにした装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置において、前記一次電源回路は更に、前記抵抗回路と並列にして前記第2トランジスタ及び前記電荷ポンプに結合されたキャパシタ回路を具えており、このキャパシタ回路は、前記入力ポートから前記第2トランジスタのゲートへの電圧変動の結合を低減させるように構成配置されている装置。
【請求項8】
請求項5に記載の装置において、前記一次電源回路は更に、前記第2トランジスタ及び前記電荷ポンプに結合されたキャパシタ回路を具えており、このキャパシタ回路は、前記入力ポートから前記第2トランジスタのゲートへの電圧変動の結合を低減させるように構成配置されている装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置において、前記一次電源回路は、一次電源ポートと前記内部電源レールとの間に接続された入力トランジスタを具え、更に前記入力トランジスタ及び前記スイッチングトランジスタのそれぞれの制御端子に接続された電圧源を具え、この電圧源は、
前記内部電源レールを附勢する第1レベルで一次電源ポートに供給される電力に応答して、前記入力トランジスタをオン状態に駆動し且つ前記スイッチングトランジスタをオフ状態に駆動するとともに、
前記内部電源レールに対するしきい値電力よりも低い第2レベルで前記一次電源ポートに供給される電力に応答して、前記入力トランジスタをオフ状態に駆動し且つ前記スイッチングトランジスタをオン状態に駆動する
ように構成配置されている装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置において、この装置が更に、前記スイッチングトランジスタの制御端子に接続されているとともに前記一次電源回路を介して附勢される電圧源を有しており、
前記スイッチングトランジスタが前記内部電源レールに接続されたチャネルを有し、このスイッチングトランジスタの制御端子は、附勢する電圧源に応答して電流が逆流するのを阻止するオフ状態で動作させ、前記一次電源回路における電圧が予め決定したしきい値電圧よりも低く降下した際にオン状態で動作させて前記バックアップ電源回路を前記内部電源レールに接続することにより、電圧源に応答する、
装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置において、この装置が更に、前記スイッチングトランジスタの制御端子に接続されているとともに前記一次電源回路を介して附勢される電圧源を有しており、
前記スイッチングトランジスタが前記内部電源レールに接続されたチャネルを有し、このスイッチングトランジスタの制御端子は、附勢される電圧源に応答して電流が逆流するのを阻止するオフ状態で動作させ、前記バックアップ電源回路により前記スイッチングトランジスタに供給される電圧レベルよりも前記一次電源回路における電圧が降下した際にオン状態で動作させて前記バックアップ電源回路を前記内部電源レールに接続することにより、前記電圧源に応答する、装置。
【請求項12】
請求項1に記載の装置において、前記スイッチングトランジスタを、電源により供給されるゲート電圧に応答してオフ状態に動作され、前記電源により前記ゲート電圧を供給するのを停止させるのに応答してオン状態に変化させるように構成配置されたPチャネルトランジスタとした装置。
【請求項13】
請求項1に記載の装置において、前記一次電源回路が更に、
入力ポートと、前記内部電源レール及び前記スイッチングトランジスタの第1ソース/ドレイン領域の双方に直接接続されたノードとの間に接続されたソース及びドレインを有する第2トランジスタと、
この第2トランジスタのゲートに結合され、前記入力ポートに得られる電力が0Vに向かって変化するのに応答してこの第2トランジスタのゲートから電圧を放電させることにより、前記内部電源レールから前記入力ポートへの電流の逆流を軽減させるように構成配置されている抵抗回路と、
前記抵抗回路と並列にして前記第2トランジスタのゲートに結合され、前記入力ポートからこの第2トランジスタのゲートへの電圧変動の結合を低減させるように構成配置されているキャパシタ回路と
を具えている装置。
【請求項14】
請求項1に記載の装置において、前記スイッチング回路が、前記一次電源回路から前記バックアップ電源回路に流れる電流を阻止するように構成配置されたダイオード回路を具えている装置。
【請求項15】
外部電源から入力電力を供給するように構成配置された入力電力バスと、
内部電源レールであって、これに結合された回路に電力を供給するように構成配置された当該内部電源レールと、
前記入力電力バスに接続された第1入力ポートと、第1ゲートを有する第1トランジスタの回路とを有する外部電源回路であって、この第1トランジスタの回路が、前記第1ゲートに印加された電圧に基づいて前記第1入力ポートから前記内部電源レールに電力を選択的に供給するように構成配置されている当該外部電源回路と、
第2入力ポートと、第2ゲートを有する第2トランジスタの回路とを有するバッテリ電源回路であって、この第2トランジスタの回路が、前記第2ゲートに印加された電圧に基づいて第2入力ポートに結合されたバッテリから電力が供給されるように構成配置されている当該バッテリ電源回路と、
スイッチング回路であって、電流が前記外部電源回路から前記バッテリ電源回路へ流れるのを阻止するように構成配置されたダイオードと、第3ゲート及びそれぞれのソース/ドレイン領域を有し、これらソース/ドレイン領域のうちの第1のソース/ドレイン領域が前記内部電源レールに接続され、第2のソース/ドレイン領域が前記第2トランジスタの回路に接続された第3トランジスタの回路とが設けられ、この第3トランジスタの回路が前記第3ゲートに印加された電圧に基づいて前記バッテリから第2トランジスタを介して前記内部電源レールに電力を供給するように構成配置されている当該スイッチング回路と、
前記入力電力バスに供給された電力を用いて前記第1及び第3ゲートにそれぞれ電圧を印加するように構成配置された電荷ポンプであって、この電荷ポンプは、
前記入力電力バスに供給された電力に応答して、前記第1トランジスタの回路を導通状態に動作させ且つ、前記第3トランジスタの回路を遮断状態に動作させ、前記第1トランジスタが前記入力電力バスから前記内部電源レールに電力を供給するようにするとともに前記ダイオードが前記入力電力バスから前記バッテリ電源回路へ電流が逆流するのを阻止させ、
前記入力電力バスにおける電力がしきい値よりも降下するのに応答して、前記第1トランジスタの回路を遮断状態に動作させるとともに、前記第3トランジスタの回路を導通状態に動作させ、前記第3トランジスタの回路が前記バッテリから前記第2トランジスタの回路を介して前記内部電源レールに電力を供給するようにすることにより、
前記第1及び第3トランジスタの回路が前記入力電力バス及び前記バッテリを以て前記内部電源レールを選択的に附勢するように構成配置されているようにした当該電荷ポンプと
を具えている装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置において、
前記第1トランジスタの回路をNMOS回路とし、このNMOS回路は、前記電荷ポンプが前記第1ゲートにゲートしきい値電圧を印加するのに応答して、前記第1入力ポートから前記内部電源レールに電力を供給するとともに、この電荷ポンプが前記ゲートしきい値電圧を前記第1ゲートに印加するのを停止するのに応答して前記第1入力ポートと前記内部電源レールとの間で電力が供給されるのを阻止するように構成配置されており、
前記第3トランジスタの回路をPMOS回路とし、このPMOS回路は、前記電荷ポンプが前記第3ゲートにゲートしきい値電圧を印加するのに応答して、前記バッテリから前記内部電源レールに電力が供給されるのを阻止するとともに、この電荷ポンプが前記ゲートしきい値電圧を前記第3ゲートに印加するのを停止するのに応答して前記バッテリから前記内部電源レールに電力が供給されるように構成配置されている
装置。
【請求項17】
請求項15に記載の装置において、この装置が更に、
第4ゲートを有する第4トランジスタの回路と、第3電源及び前記内部電源レール間に結合されたそれぞれのソース/ドレイン領域とが設けられた第3電源回路であって、前記第4トランジスタの回路は、前記第4ゲートに印加された電圧に応答して前記第3電源から前記内部電源レールに電力を供給するように構成配置されている当該第3電源回路と、
前記第2入力ポート及び第2トランジスタ間にあり、この第2入力ポートに結合されたゲートを有している第5トランジスタであって、オン状態で動作することにより前記第2入力ポートから前記第2トランジスタに電力を供給し、前記第2入力ポートにおける電力がバッテリしきい値よりも降下するのに応答してオフ状態に動作するように構成配置された当該第5トランジスタと
を具えており、
前記スイッチング回路は、前記入力電力バスにおける電力がしきい値よりも降下するのに応答して、前記第5トランジスタがオン状態にある際に前記バッテリから前記内部電源レールに電力を供給し、前記第5トランジスタがオフ状態になると前記第3電源回路から前記内部電源レールに電力を供給するように構成配置されている
装置。
【請求項18】
請求項1−17のいずれか一項に記載の装置内の回路に電力を供給する内部電源レールを用いる方法であって、この方法が、
前記一次電源回路を介して供給される電力に応答して、前記一次電源回路から前記バックアップ電源回路への電流の逆流が阻止される遮断状態に自動的に切り替わるとともに前記一次電源回路が前記内部電源レールに電力を供給することと、
前記一次電源回路を介して制御端子に供給される電圧、及び、前記バックアップ電源回路における電圧よりも小さい前記一次電源回路における電圧に応答して、前記内部電源レールが、前記バックアップ電源回路からこの内部電源レールへ電力が供給されるように接続される他の状態に自動的に切り替わることとによって、
前記一次電源回路及び前記内部電源レールに接続された前記第1ソース/ドレイン領域と、前記バックアップ電源回路に接続された前記第2ソース/ドレイン領域と、前記一次電源回路に接続された制御端子とを有する前記スイッチングトランジスタを含むスイッチング回路を使用するステップを有している方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、前記一次電源回路が、一次電源ポートと前記内部電源レールとの間に接続された入力トランジスタを具え、電圧源が前記入力トランジスタ及び前記スイッチングトランジスタのそれぞれの制御端子に接続されているようにした当該方法において、この方法が更に、
前記内部電源レールを附勢する第1レベルで前記一次電源ポートに供給される電力に応答して、前記入力トランジスタをオン状態に駆動し且つ前記スイッチングトランジスタをオフ状態に駆動するステップと、
前記内部電源レールに対するしきい値電力よりも低い第2レベルで前記一次電源ポートに供給される電力に応答して、前記入力トランジスタをオフ状態に駆動し且つ前記スイッチングトランジスタをオン状態に駆動するステップと
を具えている方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法であって、この方法が更に、
電力を入力ポートから前記内部電源レールに供給する第2トランジスタの制御端子から、前記入力ポートに得られる電力が0Vに向かって変化するのに応答して電圧を放電させることにより、前記内部電源レールから前記一次電源回路への電流の逆流を軽減させるステップと、
前記入力ポートから前記第2トランジスタのゲートへの電圧変動の結合を低減させるステップと
を具えている方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
様々な実施形態の態様は、それぞれの電源を自立的に選択することに関するものである。
【背景技術】
【0002】
2つ以上の電源を用いる多くの回路及び装置が実施可能となっている。これらの電源は、例えば、異なる電源レール上に設けることができるとともに、内部的に又は外部的に或いはその双方で設けることができる。例えば、携帯用コンピュータのような多くの装置は内蔵バッテリを有しており、外部の電源により動作させることもできる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
種々の回路は2つ以上の外部電源から導出される電力が提供される電源レールを有している。これらの外部電源を接続したり分離したりするか、又はターンオンさせたりターンオフさせたりして、内部電源レールに電力を提供する課題が達成されるようにしうる。例えば、それぞれの外部電源をターンオンさせたりターンオフさせたりする場合に如何なる電圧ディップをも生じることのない内部電源を形成することを課題としうる。更に、外部電源が分離されるか又は0Vになった場合に、内部電源に逆流や電圧ディップが生じるおそれがある。内部電源電圧が大きな電圧降下を受けると、附勢される(電力が与えられる)回路がパワーサイクルを受けるようになり、このことにより回路の動作に悪影響を及ぼすおそれがある。例えば、バッテリとAC/DCアダプタとの双方がラップトップ型コンピュータに接続されている場合に、AC/DCアダプタ又はバッテリを除去することによりこのラップトップ型コンピュータを不所望に再起動させるおそれがある。
【0004】
これらの事及びその他の事が種々の分野に対し異なる電源から電力を得るようにする課題を提供するものである。
【0005】
様々な実施形態の例は電力回路及びこれらの実現方法に向けるものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一例によれば、装置には、この装置内の回路に電力を供給する内部電源レールと、スイッチングトランジスタを有するスイッチング回路とを設けるようにする。このスイッチングトランジスタは、一次(主)電源回路及び内部電源レールに接続された第1ソース/ドレイン領域と、バックアップ電源回路に接続された第2ソース/ドレイン領域とを有している。一次電源回路にはスイッチングトランジスタの制御端子が結合されている。このスイッチングトランジスタは一次電源回路及びバックアップ電源回路に対して以下のように動作する。スイッチングトランジスタは、一次電源回路を介して供給される電力に応答して、一次電源回路からバックアップ電源回路への逆流が阻止される遮断状態に自動的に切換えられるとともに、一次電源回路が内部電源レールに電力を供給するようにする。スイッチング回路は更に、一次電源回路を介して制御端子に供給される電圧と、バックアップ電源回路における電圧よりも小さい一次電源回路における電圧とに応答し、内部電源レールが、バックアップ電源回路からこの内部電源レールへ電力が供給されるように接続される他の状態に自動的に切換えられる。
【0007】
本発明の他の例は、外部電源から入力電力を得る入力電力バスを具える装置であって、この装置はこの装置内の回路に電力を供給する内部電源レールと、外部電源及びバッテリ電源を有する少なくとも2つの電源とを具える当該装置に向けるものである。外部電源は、入力電力バスに接続された第1入力ポートと、第1ゲートを有する第1トランジスタ回路とを具えており、この第1トランジスタ回路は第1ゲートに印加された電圧に基づいて電力を第1入力ポートから内部電源レールに選択的に供給する。バッテリ電源は、第2入力ポートと、第2ゲートを有する第2トランジスタ回路とを具え、第2トランジスタ回路は、第2ゲートに印加された電圧に基づいて第2入力ポートに結合されたバッテリから電力を取出す。前記装置は更に、外部電源回路からバッテリ電源回路に電流が流れるのを阻止するダイオードを有するスイッチング回路と、第3ゲート及びそれぞれのソース/ドレイン領域を有する第3トランジスタとを具える。これらソース/ドレイン領域のうちの第1のソース/ドレイン領域は内部電源と内部電源レールとに接続されており、これらソース/ドレイン領域のうちの第2のソース/ドレイン領域は第2トランジスタ回路に接続されている。第3トランジスタ回路は、第3ゲートに印加された電圧に基づいてバッテリから内部電源レールに電力を供給する。電荷ポンプは、入力電力バスに供給された電力を用いて第1及び第3ゲートにそれぞれ電圧を印加するとともに、第1及び第3トランジスタ回路が内部電力バス及びバッテリから内部電源レールに以下のように電力を選択的に供給するように動作する。電荷ポンプは、入力電力バスに供給される電力に応答して、第1トランジスタ回路を導通状態に動作させるとともに、第3トランジスタ回路を遮断状態に動作させ、第1トランジスタ回路により入力電力バスから内部電源レールに電力を供給するとともにダイオードにより入力電力バスからバッテリ電源回路へ電流が逆流するのを阻止するようにする。電荷ポンプは、入力電力バスにおける電力がしきい値よりも降下するのに応答して、第1トランジスタ回路を遮断状態に動作させるとともに、第3トランジスタ回路を導通状態に動作させて、この第3トランジスタ回路によりバッテリから第2トランジスタ回路を介して内部電源レールに電力を供給するようにする。
【0008】
他の実施例は、装置内の回路に電力を供給する内部電源レールを用いる方法に向けたものである。一次電源回路及び内部電源レールに接続された第1ソース/ドレイン領域と、バックアップ電源回路に接続された第2ソース/ドレイン領域と、一次電源回路に接続された制御端子とを有するスイッチングトランジスタを含むスイッチング回路を以下のようにして使用する。一次電源回路を介して供給される電力に応答して、一次電源回路からバックアップ電源回路への電流の逆流を阻止する遮断状態に自動的に切換えられるとともに、一次電源回路が内部電源レールに電力を供給するようにする。又、一次電源回路を介して制御端子に供給される電圧と、バックアップ電源回路における電圧よりも小さい一次電源回路における電圧とに応答して、内部電源レールが、バックアップ電源回路からこの内部電源レールへ電力が供給されるように接続される他の状態に自動的に切換えられるようにする。
【0009】
上述した説明/要約は本発明の各例又は全ての実施を表すものではない。以下の図面及び詳細な説明も種々の例を例示するにすぎないものである。
【0010】
添付図面に関連する以下の詳細な説明を考慮することにより種々の実施例をより一層理解しうるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の一実施例による自立型電源結合用装置を示すブロック線図である。
図2図2は、本発明の他の実施例による自立型電源結合用装置を示すブロック線図である。
図3図3は、本発明の他の実施例による自立型電源結合のためのタイミングを示す線図である。
図4図4は、本発明の更に他の実施例による自立型電源結合用装置を示すブロック線図である。
図5図5は、本発明の更に他の実施例による自立型電源結合のためのタイミングを示す線図である。
図6図6は、本発明の更に他の実施例による自立型電源結合用装置を示すブロック線図である。
図7図7は、本発明の更に他の実施例による自立型電源結合のためのタイミングを示す線図である。
図8図8は、本発明の更に他の実施例によるスイッチング回路を示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここに開示する種々の実施例には変更及び変形を行い得るものであるが、その態様を図面に例示し詳細に説明するものである。しかし、本発明はここに開示する実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に規定される態様を含む明細書の範囲内に入るあらゆる変形例、均等例及び代案例に及びうるものである。更に、本明細書で用いる用語“例”は説明の目的で用いるものであり、本発明を限定するものではない。
【0013】
本明細書に開示する態様は、電源の選択性を含む種々に異なる種類の装置、システム及び方法に適用しうるものである。必ずしも限定されるものではないが、この状況を用いる本発明の例を説明することにより、種々の態様を理解することができるものである。
【0014】
種々の実施例は、入力(例えば、ライン)電源とバックアップ/バッテリ電源との間のような、2つ以上の利用可能な電源から自立的に選択を行うことに向けたものである。自立型のスイッチング回路は、第1/一次電源回路から第2/バックアップ電源に自動的に切換えることにより、第1/一次電源回路に得られる電力に基づいて動作する。これに対応し、スイッチング回路は、第1/一次電源回路が利用可能となると、第2/バックアップ電源を自動的にオフ状態に切換えるようにも動作する。
【0015】
さまざまな状況で、他の電源を用いた場合、何れかの電源内での電流の逆流が軽減させるか又は阻止される。このような実施例は例えば、外部電源又はバックアップバッテリ(又は他の電源)から取出される内部電源レールを有する集積回路チップ上に実現しうる。又、電圧ディップを軽減させた自立型スイッチングを実現しうる。
【0016】
より特殊の実施例では、スイッチング回路が、電力を第1/一次電源回路に与える入力ポートに内部電源レールを結合する入力スイッチと、入力ポートに得られる電圧(又は電圧不足)に基づいて内部電源レールをバックアップ/バッテリ電源に結合するバックアップスイッチとを有している。これらのスイッチは自動的に制御されるようにする。入力ポートにおける電圧が除去されるか又はしきい値よりも降下すると、入力スイッチ回路が入力ポートを切断するとともに、バックアップスイッチがバックアップ/バッテリ電源を内部電源レールに接続するようにする。(例えば、外部電源に接続されることにより)入力ポートにおける電圧がバックアップされると、入力スイッチ回路が入力ポートを再接続するとともに、バックアップスイッチをバックアップ/バッテリ電源から分離させようにする。
【0017】
ある実施例では、入力ポートに得られる電力に基づいて動作する電荷ポンプにより各スイッチング機能を達成するトランジスタのゲートに制御入力を供給することにより、スイッチング処理を実行するようにする。回路は、単一の電荷ポンプが各状態でそれぞれのトランジスタをターンオン及びターンオフさせるようにする(すなわち、一方のトランジスタを、他方のトランジスタがオン状態に移行した際にオフ状態に移行させるようにする)。ある例では、異なる型(n/p)のトランジスタを用い、電圧がこれらの双方のゲートに印加された際に、n型トランジスタをオン状態に動作させるとともにp型トランジスタをオフ状態に動作させ、この電圧が降下するか又は除去された際に、n型トランジスタをオフ状態に動作させるとともにp型トランジスタをオン状態に動作させるようにする。
【0018】
これらの及びここに開示するような他の手段を用いることにより、モバイル機器、パーソナルコンピュータ、タブレット及びその他の電子機器に対する電源を、これらの電源間例えば、外部電源と内部バッテリ電源との間の途切れの無い電力スイッチングを容易にするように構成することができる。更に、このような手段を、電力の変動により生じるおそれのある問題に対処するように、例えば、1つの電源が除去された際のリセット問題に関する電力の低減又は除去を行うように構成することができる。これらの手段は、電源が互いを附勢しないように、例えば、電力の変化中に又は1つの電源が他の1つの電源よりも低い電圧レベルにある際に或いはこれらの双方の際に、動作中の電源から動作していない電源への電流の逆流が生じないように動作させるようにもする。
【0019】
本発明の他の実施例によれば、スイッチング回路が、一次電源回路及び内部電源レールに接続された第1ソース/ドレイン領域と、バックアップ電源に接続された第2ソース/ドレイン領域とを有するスイッチングトランジスタ(例えば、PMOSトランジスタ)を具えるようにする。このスイッチングトランジスタの制御端子は一次電源回路に結合させて、このスイッチングトランジスタが一次電源回路及びバックアップ電源に応じて以下のように動作するようにする。一次電源回路が有効になると、一次電源回路が内部電源レールに電力を供給するとともに、スイッチングトランジスタは、(例えば、オフ状態に動作させるか又はダイオードを設けることにより、或いはこれらの双方を達成することにより)、一次電源回路からバックアップ電源への逆流が阻止される遮断状態に動作されるようにする。このスイッチング回路は更に、内部電源レールがバックアップ電源からこの内部電源レールへ電力が供給されるように接続される他の状態に自動的に切り替わることで、一次電源回路を介して制御端子に供給される電圧と、バックアップ電源における電圧よりも小さい一次電源回路における電圧とに応答する。この他の状態は、一次電源回路における電圧がしきい値よりも降下するか又は除去された場合に生じうる。
【0020】
ある実施例では、電荷ポンプが一次電源回路により得られる電力を用いてスイッチングトランジスタを動作させるようにする。このスイッチングトランジスタは、遮断状態で制御端子に電圧を印加することによりオフ状態に動作させるようにする。この電荷ポンプは更に、一次電源回路における電力が降下するのに応答して電圧を制御端子に印加するのを停止させ、これに応答してスイッチングトランジスタが、(例えば、より小さい電圧を印加するか又は電圧を印加しないことにより)電圧を印加するのを停止する電荷ポンプを介してオン状態に自動的に切換るようにすることができる。
【0021】
ある実施例では、一次電源回路がこの一次電源回路に電力が供給されるようにする入力ポートと第2トランジスタとを具え、この第2トランジスタは電荷ポンプの出力電圧が供給されるゲートを有しているとともに、入力ポートと、内部電源レール及びスイッチングトランジスタの第1ソース/ドレイン領域の双方に直接接続されたノードとの間に接続されたソース及びドレインを有するようにする。電荷ポンプは、一次電源回路により供給される電力を用いることにより入力ポートから内部電源レールに電力を供給し、第2トランジスタをオン状態に動作させるとともにスイッチングトランジスタをオフ状態に動作させるようにする。
【0022】
ある実施例では、スイッチングトランジスタをPMOSトランジスタとし、第2トランジスタをNMOSトランジスタとする。このPMOSトランジスタは、電荷ポンプによりこのPMOSトランジスタのゲートに供給される電圧レベルに応答してオフ状態に動作するとともに、この電荷ポンプが電圧レベルをこのPMOSトランジスタのゲートに供給するのを停止させるのに応答してオン状態に動作するようにする。NMOSトランジスタは、電荷ポンプによりこのNMOSトランジスタのゲートに供給される電圧レベルに応答してオン状態に動作するとともに、この電荷ポンプが電圧レベルをこのNMOSトランジスタのゲートに供給するのを停止させるのに応答してオフ状態に動作するようにする。ある実施例では、一次電源回路が、第2トランジスタ及び電荷ポンプに結合された抵抗回路を具え、この抵抗回路は、入力ポートに得られる電力が0Vに向かって変化するのに応答して第2トランジスタのゲートから電圧を放電させることにより、内部電源レールから入力ポートへの電流の逆流を軽減させるようにする。他の実施例では、一次電源回路が、抵抗回路と並列にして第2トランジスタ及び電荷ポンプに結合されたキャパシタ回路を具えており、このキャパシタ回路により、入力ポートから第2トランジスタのゲートへの電圧変動の結合を低減させるようにする。更に他の実施例では、抵抗とキャパシタとの双方を用いこれらを並列に接続する。
【0023】
電荷ポンプ又はそれ以外のような電圧源と、電力を一次電源回路に入力させる一次電源ポート及び内部電源レール間に接続された入力トランジスタとを用いて、種々の方法で一次電源回路からスイッチングトランジスタを制御するために電力を供給するようにしうる。電圧源は、入力トランジスタをオン状態で駆動することにより、一次電源ポートに第1レベルで与えられる電力に応答して内部電源レールを附勢し、スイッチングトランジスタをオフ状態で駆動する。電圧源は更に、入力トランジスタをオフ状態で駆動することにより、内部電源レールに対するしきい値電力よりも低い第2レベルで一次電源ポートに与えられる電力に応答して、スイッチングトランジスタをオン状態に駆動する。
【0024】
ある実施例では、スイッチングトランジスタが、内部電源レールに接続されたチャネルを具え、且つ、電流がバックアップ電源に流れるのを阻止するオフ状態で動作させることと、一次電源回路における電圧が予め決定したしきい値電圧とバックアップ電源回路によりスイッチングトランジスタに与えられる電圧レベルとの双方又は何れか一方よりも低く降下した際にオン状態で動作しバックアップ電源を内部電源レールに接続することとによって、電圧源に応答する制御端子(例えば、ゲート)を有する。
【0025】
上述した一次電源回路を有する他の実施例では、トランジスタが、入力ポートと、内部電源レール及びスイッチングトランジスタの第1ソース/ドレイン領域の双方に直接接続されたノードとの間に接続されたソース及びドレインを有しているとともに、一次電源回路が有効になると入力ポートをノードに接続するように動作しうるようにする。ある実施例では、上述したような抵抗とキャパシタとの双方又は何れか一方をトランジスタで構成し、入力ポートに得られる電力が0Vに向かって変化する際に抵抗がトランジスタのゲートから電圧を放電させ、キャパシタが(例えば、電荷ポンプを経由する際に)入力ポートから第2トランジスタのゲートへの電圧変動の結合を低減させるようにしうる。
【0026】
より詳細な実施例では、入力電力バスと、内部電源レール(例えば、オンチップ電源)と、2つ以上の電源とを有する装置を設け、上述したようなスイッチング回路がこれら電源の接続を達成するようにする。例えば、スイッチング回路により、電流がこれら電源のうちの一次電源回路から二次電源に流れるのを阻止するとともに、一次電源回路がしきい値よりも降下するか又は除去されるか或いはこれらの双方が達成された場合に二次電源の1つを内部電源レールに選択的に結合させるようにする。このスイッチング回路は、一次電源回路における電力の存在に基づいて後に説明するゲート制御処理を介して自立的に動作するようにする。又、以下のように電荷ポンプにより電圧をスイッチング回路に印加する。この電荷ポンプは、入力電源で得られる電力に応答して第1トランジスタ回路を動作させて、入力電力バスから入力電源レールに電力を供給するとともに、スイッチング回路が一次電源回路から二次電源の1つ以上に流れる電流の逆流を阻止するようにする。電荷ポンプは、一次電源回路における電力がしきい値よりも降下するのに応答して第1トランジスタ回路を遮断状態に動作させるとともに、第3トランジスタ回路を導通状態に動作させて、この第3トランジスタ回路が電力を1つ以上の二次電源から内部電源レールに供給するようにする。ある場合には、2つの二次電源を用い、これらの2つの二次電源のうちの一方を優先電源とし、これに関連する回路がこれらの二次電源間の選択を行い、選択された二次電源からスイッチング回路に電力を供給するとともに電流の逆流がこれらの二次電源間に生じるのを阻止するようにする(例えば、図6に示すように、トランジスタ230がバッテリ電力の存在に基づいて有効にする又は無効にする)ことができる。この追加の電源は例えば、(例えば、2つの二次バッテリ電源を含む)他のバッテリ電源とするか、又は1つ以上の電源から形成するシステム電源とすることができる。又、NMOS及びPMOSトランジスタスイッチの組合せを用いて、上述したように単一の電荷ポンプ電圧に対する所望のオン状態及びオフ状態を容易に達成するようにすることができる。
【0027】
上述した装置に関連して説明した手段を以下の図面において実施するのに、種々の方法に基づく実施例を達成しうる。例えば、電力制御、電力消費及び電圧スパイク雑音の低減化に関する態様は、図1、2、4及び6で説明する以下の実施例に関連させて且つ図8におけるスイッチを以て実施することができ、例えば、且つ図8におけるスイッチを以て実施できる。
【0028】
ここで図面を参照するに、図1は、自立型電源を内部電源レール110に結合するように動作しうる本発明の一実施例による装置100を示す。スイッチング回路120は、一次電源回路130及びバックアップ電源回路140(及び任意ではあるが1つ以上の追加の二次バックアップ電源回路150)で動作して、内部電源レール110を附勢する。
【0029】
電力が入力ポート132に存在すると、スイッチング回路120は、バックアップ電源回路140が内部電源レールに接続されていない開路状態、すなわち遮断状態で動作することにより一次電源回路130からの制御入力に応答する。更に、スイッチング回路120は、電流が一次電源回路130からバックアップ電源回路140内に流れるのを阻止する。この点での制御入力は例えば、トランジスタを開路/遮断状態に維持するために形成した電圧を有することができる。この状態で、一次電源回路130は、入力ポート132に得られた電力を用いて内部電源レール110を附勢する。
【0030】
入力ポート132における電力が除去されるか又はしきい値レベル(例えば、バックアップ電源回路140により得られる電圧レベルよりも低いレベル)よりも低く降下すると、スイッチング回路120は、電力がバックアップ電源回路から内部電源レール110に供給されている導通状態で動作することにより一次電源回路130からの制御入力に応答しうる。この状態で、一次電源回路130はバックアップ電源回路140から入力ポートへ流れる電流の逆流を阻止することもできる。制御入力には例えば、バックアップ電源回路を結合するようにスイッチング回路120を動作させるのに設けた電圧レベル(又はレベル不足、例えば、0V)を含めることができる。
【0031】
図2は、それぞれ所定の代表的な動作電圧レベルを有する主電圧VBUS_IN区分202、バッテリバックアップVBAT区分204及びシステムレベル電圧VSYS区分206に対し自立型電源結合を行う本発明の他の実施例による装置200を示す。スイッチング回路(トランジスタ)210は、バッテリ入力VBATを内部電源Vddint に選択的に結合させるように動作するとともに、VBAT区分204内に流れる電流の逆流をも阻止する。スイッチング回路210は、Vddint に結合されたn型ウェルを有し電流の逆流を阻止する内蔵ダイオードを具えるものとして示してある。
【0032】
区分202は、トランジスタ222と、(スイッチング回路における)トランジスタ210とのゲートを駆動する電圧出力を発生する電荷ポンプ220を具えている。電力がVBUS_INに得られると、この電荷ポンプ220が動作状態となり、トランジスタ222を閉成状態に動作させるとともにトランジスタ210を開放状態に動作させて、VBUS_INが内部電源レールをVddint で附勢するようにする。
【0033】
VBUS_INにおける電圧が除去されるか又はしきい値よりも低く降下すると、電荷ポンプ220は電圧をトランジスタ222及び210のゲートに与えるのを中止し、これによりトランジスタ222をオフ状態にするとともにトランジスタ210をオン状態にする。従って、トランジスタ210はこれに応答してVddint にある内部電源レールを区分204に結合する。抵抗224は、電荷ポンプ220が遮断した際に電圧をトランジスタ222のゲートから除去するように作用して、区分204内への如何なる逆流の結合をも軽減させるとともに、バックアップ又はシステム電力をVddint に与えるようにする。キャパシタ226はトランジスタ222のゲートに印加される電圧の変動/ピークを減少させるように作用する。トランジスタ222はNMOSトランジスタとして構成し、トランジスタ210はPMOSトランジスタとして構成して、電荷ポンプ220に対する上述したオン及びオフ状態が容易に達成されるようにすることができる(例えば、トランジスタ210は、そのゲート電圧が0Vにありソース/ドレイン電圧が0.7Vよりも大きい際にターンオンする)。スイッチ210により区分204が結合されると、スイッチ230、232及び234がVBATの結合を制御し、スイッチ240がレベルシフタ242と相俟ってバックアップ電源VSYSの結合を制御する。
【0034】
図3は、自立型電源結合を行う本発明の他の実施例によるタイミング線図を示す。この図3に示す方法は例えば、図2における装置200により実現でき、従って、例示的に説明する。VBUSが有効範囲として設定した電圧範囲内にある場合には、電荷ポンプ電圧をVcp_vbus =5.4Vとし、高入力電圧(例えば、30V)のNMOSトランジスタ(222)を有効化し、MP1(210)をそのゲートに印加される5.4Vにより無効化する。VBATが有効電圧範囲にある場合には、VBATスイッチが自立的に有効化されるとともに、MP1の無効化によりVddint がVBUSから附勢される。VBUSが附勢されないと、電荷ポンプ電圧をVcp_vbus =0Vとし、高電圧NMOSトランジスタ(222)を無効化するとともにMP1(210)を有効化し、Vddint をVBATから附勢する。Vsys (例えば、ID_CON)が有効電圧範囲内にある場合には、Vsys スイッチ(240)が自立的に有効化される。ある実施に当っては、電圧範囲が互いに異なるVBAT電源及びVsys 電源間に直列スイッチを設ける。これらのVBAT電源及びVsys 電源に対し電力が除去されるか又は中断される場合には、Vddint がVBUSに戻るように初期設定される。このような場合、VBUSを最大電圧が28Vである場合に4〜5.5Vの電圧範囲で実施でき、VBATを最大電圧が6Vである場合に3〜4.6Vの電圧範囲で実行でき、Vsys は最大電圧が6Vである場合に3〜4.6Vの電圧範囲で実行できる。
【0035】
図4は、自立型電源結合を行う本発明の他の実施例による装置400を示し、この場合バッテリ電圧源が一次/主電圧源として設定されている。この装置400は図2の装置200に類似しており、同様な構成素子に図2と同じ符号を付してある。この装置400には更に、スイッチ428と、スイッチ回路210を動作させるしきい値電圧を設定するように動作する抵抗回路429とが設けられている。一実施例では、スイッチ428及び抵抗回路429が動作することにより、VBATが2.8Vよりも大きい場合にスイッチを閉じ、VBATが2.8Vよりも小さい場合にスイッチを開くようにしきい値を設定するようにする。従って、VBUSが4V以上で、VBATが2.8Vよりも小さい場合に、電荷ポンプ電圧Vcp_vbus が3.0Vとなる。VBUSが4Vよりも小さいと、電荷ポンプ電圧Vcp_vbus が0Vとなり、しきい値(4V)を設定し、これよりも低い場合に電源をVBUSからバックアップ電源VBAT及びVsay の一方に切換えるようにする。
【0036】
VBATのある実施例で、図5は、自立型電源結合を行う本発明の更に他の実施例によるタイミング線図を示す。この図5に示す方法は例えば、図4における装置400により実現できる(従って、図4に応じて説明する)。VBUS電源領域における状態検出器を用いることにより、スイッチ428を有効にも無効にもすることができる。VBATの状態検出器が有効になると、電荷ポンプの電圧が低くなり、Vddint がVBATから附勢され、VBATからVBUSへの逆流が生じない。その理由は、トランジスタ222のゲートの電圧がVBATよりも低くなる為である。VBAT電源が取外されると、Vddint がVBUSに切換る。
【0037】
図6は、自立型電源結合を行う本発明の更に他の実施例による装置600を示し、この装置を用いて、優先二次電源(VBAT)を設定することができるとともに、VBUSを一次/主電源とする。この装置600は図2に示す装置200と同様に構成することができ、これらの図で同様な構成素子に同じ符号を付してある。この装置600にはスイッチ650及び652も設けられており、スイッチ650はVBATにより制御されてVBATとVSYSとの間の選択を行い、スイッチ652は電荷ポンプ220により制御される。ある実施例では、スイッチ650に示すトランジスタのゲートを2VBATに結合して、VBATをVsys に対して優先電源として設定し、有効な電圧範囲にあるようにする。スイッチ240のゲートは、Vsys が優先電源である場合に2Vsys に結合し、有効な電圧範囲にあるようにする。
【0038】
図7は、自立型電源結合を行う本発明の更に他の実施例によるタイミング線図を示す。この図7に示す方法は例えば、図6における装置600により実現できる(従って、図6に応じて説明する)。VBATが2.8Vより低いと、スイッチ650が閉成する。VBATが2.8Vより高いと、スイッチ650が開放する。スイッチ210、230、650及び652はPMOSトランジスタであって、内部ダイオードを有するこれらのゲートが0Vである場合にターンオンする。VBUSが4V以上である場合に、電荷ポンプ電圧Vcp_vbus が5.4Vとなる。VBUSが4Vよりも低いと、電荷ポンプ電圧Vcp_vbus が0Vとなる。
【0039】
図8は、本発明の他の実施例によるスイッチング回路800を示す断面図である。このスイッチング回路800は例えば、図2の回路210で構成しうる。ソース/ドレイン領域810及び812はPMOS構成配置でチャネル領域814により分離されており、この場合随意ではあるがそのn型ウェルが内部電源レールに結合されている。内蔵ダイオードも典型的に図示しており、ソース/ドレイン領域810はN領域に結合してある。ゲート/制御ポート818はチャネル領域814の導電性を制御する。
【0040】
上述した及び図示した双方又は何れか一方の処理及び動作の1つ以上を実行するのに種々のブロック、モジュール又はその他の回路を構成しうる。この場合、“ブロック”は(しばしば“論理回路”又は“モジュール”も)、これらの又は関連の処理/動作(例えば、スイッチング又は制御)の1つ以上を実行する回路である。例えば、上述した実施例のあるものでは、1つ以上のモジュールを、図1に示す回路モジュールにおけるようにこれらの処理/動作を実行するように構成及び配置した個別の論理回路又はプログラマブル論理回路とする。ある実施例では、このようなプログラマブル回路は、一組の(又は複数組の)命令(又はコンフィギュレーションデータ或いはこれらの双方)を実行するようにプログラミングされた1つ以上のコンピュータ回路とする。命令(又はコンフィギュレーションデータ或いはこれらの双方)はメモリ(回路)内に記憶させこのメモリ(回路)からアクセスしうるファームウェア又はソフトウェアの形態としうる。一例として、第1及び第2モジュールがCPUハードウェア基本回路とファームウェアの形態の一組の命令との組合せを有し、第1モジュールが一組の命令を有する第1CPUハードウェア回路を具え、第2モジュールが他の組の命令を有する第2CPUハードウェア回路を具えるようにする。
【0041】
ある実施例は、コンピュータ(又は他の電子装置)により実行してこれらの処理/動作を行うようにする命令が蓄積されている機構又はコンピュータ可読媒体を有するコンピュータプログラム製品(例えば、不揮発性メモリ装置)に向けるものである。
【0042】
当業者は上述した説明に基づいて、上述した代表的な実施例及び適用分野に厳密に従うことなく、種々の実施例に種々の変形及び変更を行うことができることを容易に認識しうる。例えば、図面に示す回路とは異なる回路を構成して同様な機能を達成することができる。他の電源を用いるのが好ましく、さもなければ他の電源に対し優先度を与えることができる。更に、上述した種々の実施例をある実施例において組合せることができ、個々の実施例の種々の観点を別の実施例として構成することができる。上述した変形例は、特許請求の範囲に開示した観点を含む本発明の真の精神及び範囲から逸脱するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8