(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る遊技用装置と、遊技用表示機と、これらの装置を備える遊技場システム、及び特別遊技状態遊技機判定方法の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
[遊技場システム]
本実施形態に係る遊技場システム1は、
図1に示すように、遊技機10、台間機20、呼出ランプ30、台コンピュータ40、島コンピュータ50、遊技場管理装置60で構成されている。
これらの装置は、所定のネットワーク(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク)を介して接続され、遊技機10から出力された遊技に関する信号が、呼出ランプ30等を介して遊技場管理装置60へ送信されるようになっている。
以下、遊技場システム1を構成する各装置について詳述する。
【0018】
遊技機10は、スロットマシン10a、パチンコ機10b、パロット、アレンジボール、雀球等、メダルや遊技球等の遊技媒体を使用して所定の遊技を実行する各種の遊技機が挙げられる。
【0019】
この遊技機10が実行可能な遊技の状態には、遊技媒体を所定の割合で費やす通常遊技状態と、この通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態とがある。
遊技機10がスロットマシン10aの場合、このスロットマシン10aが実行可能な特別遊技状態には、例えば、レギュラーボーナスゲーム(RB)、ビッグボーナスゲーム(BB)、アシストタイム(AT)、リプレイタイム(RT)、アシストリプレイタイム(ART)などがある。
レギュラーボーナスゲーム(RB)とは、内部抽選の結果、RBに当選すると、そのゲーム又は次回以降のゲームで所定条件が成立することで、出玉の上限値で規定されたボーナスゲームと呼ばれる特定遊技状態が開始し、そのボーナスゲーム中は、少量の払出のある小役に高確率で当選するようになっており、例えば百枚以上の遊技媒体が払い出される遊技状態をいう。
ビッグボーナスゲーム(BB)とは、内部抽選の結果、BBに当選すると、そのゲーム又は次回以降のゲームで所定条件が成立することでボーナスゲーム(特定遊技状態)が開始し、このボーナスゲーム中は、少量の払出のある小役に高確率で当選するようになっており、例えば数百枚の大量の遊技媒体が払い出されるようにゲームが制御される遊技状態をいう。
【0020】
アシストタイム(AT)とは、リールの停止順や当選した小役に対応する図柄の組合せを遊技者に報知することで、その停止順で停止ボタンが押された場合等に所定の入賞配列が揃う遊技状態をいう。
リプレイタイム(RT)とは、メダルの投入なしで次回のゲームが行えるリプレイ役(再遊技)が高確率で揃う遊技状態をいう。
アシストリプレイタイム(ART)とは、再遊技が高確率で発生するとともに、液晶表示器やランプなどによって、当選した小役に対応する図柄の組合せやリールの停止順が報知(アシスト)される遊技状態をいう。
このように、スロットマシン10aは、複数種類の特別遊技状態を実行可能となっている。
【0021】
また、遊技機10がパチンコ機10bの場合、このパチンコ機10bが実行可能な特別遊技状態には、特定遊技状態と、確変状態と、時短状態がある。
特定遊技状態とは、盤面に配設された始動口に入賞した遊技球を検出することで抽選を行い、この抽選の結果、大当りになると移行する遊技状態であって、盤面に配設され扉状に形成された大入賞口が所定時間及び所定回数開放されて、遊技球の入賞率が高まる遊技状態をいう。
【0022】
確変状態とは、パチンコ機10bの大当り抽選確率が上昇した状態をいう。
時短状態とは、盤面中央の図柄表示手段の図柄が特定の組合せで停止すると、通常の大当り状態が発生するとともに、次回の大当りが発生するまでの間又は所定の回数、図柄表示手段の図柄の変動時間が短縮されるというもので、通常より多くの図柄抽選が行われることによって、次回の大当りを発生し易くするものをいう。
このように、パチンコ機10bは、複数種類の特別遊技状態を実行可能となっている。
【0023】
さらに、遊技機10は、稼動に伴って生成する遊技信号を出力可能に構成されており、例えば、遊技機10がパチンコ機10bの場合には、
図2に示すように、このパチンコ機10bに投入された遊技球の数を示す投入信号であるアウト信号、パチンコ機10bから払出された遊技球の数を示す払出信号であるセーフ信号、所定の大当り状態を示す特賞信号、確変状態を示す確変信号、時短状態を示す時短信号、所定の可変表示装置の変動・停止ごとに出力されるスタート信号などを、遊技信号として出力する。
【0024】
また、遊技機10がスロットマシン10aの場合には、そのスロットマシン10aの機種によって、出力される遊技信号の種類が異なる。
例えば、
図3に示すように、遊技媒体であるメダルの投入数を示すメダル投入信号と、メダルの払出数を示すメダル払出信号と、ビッグボーナスゲームであることを示すBB信号と、レギュラーボーナスゲームであることを示すRB信号とを、遊技信号として出力するスロットマシン10aがある。
また、
図4に示すように、メダル投入信号と、メダル払出信号と、ビッグボーナスゲームであること又はレギュラーボーナスゲームであることを示すBB+RB信号と、ARTであることを示すART信号とを、遊技信号として出力するスロットマシン10aがある。
【0025】
さらに、
図5に示すように、BB信号、ART信号、SBB信号のうちの二つの信号と、メダル投入信号と、メダル払出信号とを、遊技信号として出力するスロットマシン10aがある。なお、SBB信号とは、スーパービッグボーナスゲームであることを示す信号をいい、スーパービッグボーナスゲームとは、例えば、ビッグボーナス終了後にART状態への移行が保証されているボーナスゲームである。
そして、
図6に示すように、メダル投入信号と、メダル払出信号と、ART信号とを、遊技信号として出力するスロットマシン10aも存在する。
【0026】
また、遊技機10は、RAMの初期化作業が実行されたことを示す初期化情報であるRAMクリア信号を出力可能に構成されている。
これら遊技信号及びRAMクリア信号は、遊技機10から出力されると呼出ランプ30に入力されるようになっている。
【0027】
台間機20は、遊技機10ごとに設置された装置であって、現金、プリペイドカード、会員カード(例えば、獲得した遊技媒体を預け入れ又は引き出し可能な貯玉会員カード)などの投入に基づいて所定数の遊技媒体を貸し出す遊技媒体の貸出装置である。
【0028】
呼出ランプ30は、遊技場に設置されている複数の遊技機10のそれぞれに一対一に対応して設置された遊技用表示機であって、遊技信号にもとづいて算出された遊技データ、例えば、所定期間内に大当りが発生した回数を示す大当り回数などの遊技データを表示する液晶表示器や、店員を呼び出す際に操作される呼出ボタン、この呼出ボタンが操作されると点灯する呼出表示手段、遊技機10から入力された遊技信号やRAMクリア信号を台コンピュータ40へ送信する通信手段などを備えた構成となっている。
【0029】
台コンピュータ40は、遊技機10ごとに設けられる情報処理装置であって、呼出ランプ30から入力される遊技信号やRAMクリア信号を島コンピュータ50に中継する中継装置として機能する。
島コンピュータ50は、複数の台コンピュータ40と接続される上位の情報処理装置であって、台コンピュータ40から入力される遊技信号やRAMクリア信号を遊技場管理装置60に中継する中継装置として機能する。
【0030】
遊技場管理装置60は、複数の島コンピュータ50と接続される上位の情報処理装置であって、島コンピュータ50から送信された遊技信号やRAMクリア信号を受信するとともに、遊技信号にもとづいて所定の遊技情報を算出し、かつ、所定の遊技情報を集計管理する、いわゆるホールコンピュータである。
【0031】
このような各装置から構成される遊技場システム1において、遊技場管理装置60は、営業時間の終了後に、閉店時刻の時点で特別遊技状態にあった遊技機10、又は、所定の特別遊技状態の確率状態が高確率であった遊技機10を、特別遊技状態遊技機として抽出し、この抽出した特別遊技状態遊技機を出力表示部64である表示画面に表示させるとともに、その特別遊技状態遊技機に併設された呼出ランプ30を点灯させ、この点灯した呼出ランプ30が併設されている遊技機10に対して、遊技場の店員がRAM初期化作業を実行できるようになっている。
以下、このような特徴的な機能を発揮する遊技場管理装置60と呼出ランプ30の構成について説明する。
【0032】
[遊技場管理装置]
遊技場管理装置60は、
図7に示すように、島コンピュータ50から出力された遊技情報やRAMクリア信号を受信する受信手段である通信部61と、所定のプログラムやデータを記憶可能な記憶手段(例えば、不揮発性ROM、ハードディスク等)である記憶部62と、所定の情報や命令などを入力するためのキーボードやマウスなどの入力操作手段である入力操作部63と、所定の情報を画面表示する液晶ディスプレイなどの表示手段と所定の情報を所定の用紙に印字出力するプリンターなどの印刷手段とを出力手段として有する出力表示部64と、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータとして動作する制御部65とを備えている。
【0033】
制御部65は、ROMに記憶された制御プログラムやデータに基づいて各部からの入力を監視しながら各部を制御することにより、通信部61で受信された遊技情報にもとづいて遊技に関する所定の情報を集計し、記憶部62に記憶させる。例えば、通信部61で受信された投入信号や払出信号にもとづいて、遊技機10ごと又は機種ごとの所定時間内における遊技媒体の投入数や払出数を算出し、記憶部62に記憶させる。また、通信部61で受信されたBB信号やRB信号にもとづいて、遊技機10ごと又は機種ごとの所定時間内におけるBB回数やRB回数を算出し、記憶部62に記憶させる。
【0034】
記憶部62に記憶された遊技に関する情報は、店員が入力操作部63を操作することにより、出力表示部64である液晶ディスプレイに画面表示させたり、出力表示部64であるプリンターにて所定の用紙に印字出力させたりすることができる。そして、これら画面表示され、あるいは印字出力された遊技に関する情報は、これらの情報により示された営業の実績が遊技場の店員により解析され、その後の営業方針の指標として使用される。
【0035】
さらに、遊技場管理装置60は、上記のような基本的な動作を行いつつ、制御部65が自ら又は上記各部を制御することにより、以下のような特徴的な動作を行う。
具体的には、遊技場管理装置60は、制御部65が自ら遊技状態判定手段及び特別遊技状態遊技機抽出手段として動作し、閉店時刻における遊技状態が特別遊技状態である遊技機10、又は、閉店時刻における所定の特別遊技状態の確率状態が高確率である遊技機10を、特別遊技状態遊技機として抽出する。
この特別遊技状態遊技機の抽出方法には、ART信号を受信した後の差玉の推移にもとづく特別遊技状態遊技機の抽出方法と、遊技機10にて一定回数遊技をしたときに特別遊技状態に移行するときの当該一定回数である天井ゲーム数にもとづく特別遊技状態遊技機の抽出方法とがある。
以下、各抽出方法について、順に説明する。
【0036】
(1)差玉の推移にもとづく特別遊技状態遊技機の抽出方法
この抽出方法は、具体的には、次の手順で行うことができる。
前提として、遊技機10は、遊技信号としてART信号を出力する。このART信号は、
図10のパターンBに示すように、ART状態が開始したときに遊技機10から出力される1パルスの遊技信号である。つまり、このART信号は、特別遊技状態であるART状態が開始したことを示す特別遊技状態開始信号である。
【0037】
閉店時刻を起点として過去所定時間内(例えば、一営業日中)に一の遊技機10から出力され、遊技場管理装置60の通信部61で受信された一又は二以上のART信号のうち、閉店時刻から過去に遡って最後のART信号を特定する。具体的に、
図8においては、閉店時刻をA1の時刻又はA2の時刻とした場合に、これら閉店時刻A1又はA2から過去に遡って最後のART信号であるS1を特定する。
【0038】
なお、遊技機10がART信号を出力しない仕様のものである場合は、次の方法により、ART状態への移行を判定することができる。
例えば、所定ゲーム数内におけるリプレイ(再遊技)の発生回数、小役の発生回数、リプレイと小役の発生回数のいずれかにもとづいて、ART状態への移行を判定できる。
これらのうち、リプレイの発生回数にもとづくART状態への移行の判定は、次の手順で行うことができる。すなわち、遊技機10から出力されたメダル投入信号にもとづいて一の遊技におけるメダルの投入枚数を特定し、メダル払出信号にもとづいて、その一の遊技におけるメダルの払出枚数を特定し、これら投入枚数と払出枚数が同数であって、この払出枚数が小役特有の払出枚数と異なるときは、当該遊技においてリプレイが発生したものと判断する。あるいは、メダルの払出枚数を特定し、この払出枚数がリプレイ特有の払出枚数であるときは、当該遊技においてリプレイに入賞したものと判断するようにしてもよい。そして、所定ゲーム数内におけるリプレイの発生回数をカウントし、この発生回数が一定数以上であるときに(例えば、7回の遊技中、リプレイが3回以上発生したときに)、ART状態に移行したものと判定する。
また、小役の発生回数にもとづくART状態への移行の判定においては、受信したメダル払出信号にもとづいてメダルの払出枚数を特定し、この払出枚数が小役特有の払出枚数であるときは、当該遊技において小役に入賞したものと判断する。そして、所定ゲーム数内における小役の発生回数が一定数以上であるときに、ART状態に移行したものと判定する。
さらに、リプレイと小役の発生回数にもとづくART状態への移行の判定においては、所定ゲーム数内におけるリプレイ又は小役の発生回数が一定数以上であるときに、ART状態に移行したものと判定する。
【0039】
また、リプレイのみ、小役のみ、又は、リプレイと小役の発生回数ではなく、所定ゲーム数内でのハズレの発生回数が一定数以下の場合にART状態に移行したものと判定することができる。具体的には、受信したメダル投入信号と次に受信したメダル投入信号との間でメダル払出信号を受信しなかった場合に、当該遊技においてハズレが発生したものと判断し、所定ゲーム数内でのハズレの発生回数が一定数以下であるときに、ART状態に移行したものと判定することができる。
さらに、他の方法としては、例えば、ART状態に移行したことを報知するLEDなどの報知手段が遊技機10に搭載されている場合に、このLEDによる報知を光センサで検出することによりART状態への移行の有無を判断することができる。
【0040】
次いで、制御部65は、特定したART信号S1が通信部61で受信された時刻をART状態開始時刻とし、ART状態フラグをOFFからONに変移させる。具体的に、
図8においては、ART信号S1の立ち下がりの時刻をART状態開始時刻t11とし、このART状態開始時刻t11の時点で、ART状態フラグ(
図8(iv))をOFFからONに変移させる。これにより、制御部65は、一の遊技機10で実行されている遊技の状態がART状態開始時刻t11の時点でART状態に移行したものと判定する。
【0041】
続いて、制御部65が獲得遊技媒体数算出手段として動作し、ART状態開始時刻t11を起点とし、この時刻以降において、通信部61で受信された投入信号の示す投入数と払出信号の示す払出数との差を獲得遊技媒体数として、所定時間ごとに順次算出する。
そして、制御部65が自ら特別遊技状態終了判断手段として動作し、順次算出した獲得遊技媒体数である差玉の推移を監視する。この差玉の推移は、
図8(ii)に示すように、スランプグラフとして表すことができる。
このスランプグラフが表すように、ART状態中、差玉は、増加する方向に推移する(純増状態)。このとき、制御部65は、その差玉の増加にともなって、当該差玉の最大値mを随時更新する。
そして、ART状態が終了することで更新していた差玉の最大値mがそれ以上増加しなくなると、制御部65は、その時点の差玉の最大値mを到達すべき差玉の最大値mとして特定する。これにより、閉店時刻の前後における差玉の最大値mが特定される。
【0042】
ART状態が終了すると、差玉は、その後、減少する方向に推移する。このとき、制御部65は、特定した差玉の最大値mと減少した差玉との差分dを算出する。そして、この差分dと、所定の閾値であるART終了判定マイナス値とを比較する。この比較の結果、その差分dがART終了判定マイナス値よりも小さいときは、ART状態が終了していないものと判定する。一方、その差分dがART終了判定マイナス値よりも大きくなったときは、この時点でART状態が終了したものと判定する(
図8のt12の時点)。
【0043】
具体的な数値を挙げると、例えば、差玉の最大値mが2000枚で、ART終了判定マイナス値が30枚の場合、差玉が最大値mから減少して1969枚になった時点(
図8においては、t12の時点)で、差分dが31枚となり、ART終了判定マイナス値よりも大きくなるので、この時点t12でART状態が終了したものと判定する。
そして、そのART状態が終了したものと判定した時点t12で、ART状態フラグをONからOFFに変移させる。
【0044】
さらに、制御部65は、このART状態の終了時刻t12と、遊技場の閉店時刻とを比較して、その閉店時刻の時点で当該遊技機10にて実行されていた遊技の状態が特別遊技状態であるART状態であったか否かを判断する。
例えば、
図8に示すように、閉店時刻がA1の時刻の場合、この閉店時刻A1はART状態の終了時刻t12より早い時刻であり、この閉店時刻A1の前後でスランプグラフの示す差玉が増加しているため、制御部65は、閉店時刻A1の時点で当該遊技機10がART状態であったものと判断する。
一方、閉店時刻がA2の時刻の場合、この閉店時刻A2はART状態の終了時刻t12よりも遅い時刻であり、この閉店時刻A2の前後でスランプグラフの示す差玉が減少しているため、制御部65は、閉店時刻A2の時点で当該遊技機10がART状態でなかったものと判断する。
このような処理を実行することにより、制御部65は、ART信号を受信した後の差玉の推移にもとづいて、閉店時刻における遊技機10の遊技状態を判断できる。
【0045】
そして、制御部65は、自ら特別遊技状態遊技機抽出手段として動作し、遊技場に設置されたすべての遊技機10の中から、閉店時刻の時点で特別遊技状態にあった遊技機10であるものと判断した遊技機10を特別遊技状態遊技機として抽出する。この抽出した特別遊技状態遊技機は、記憶部62に記憶される。
【0046】
なお、上述した説明においては、ART状態の終了時の判定方法として、ART終了判定マイナス値を用いた方法を説明したが、当該判定方法は、ART終了判定マイナス値を用いた方法に限るものではなく、例えば、所定ゲーム数内におけるリプレイの発生回数、小役の発生回数、リプレイと小役の発生回数のいずれかにもとづいて、当該判定を行うことができる。
これらのうち、リプレイの発生回数にもとづくART状態の終了判定においては、所定ゲーム数内におけるリプレイの発生回数が一定数以下であるときに(例えば、7回の遊技中、リプレイの発生回数が3回以下のときに)、ART状態が終了したものと判定する。
また、小役の発生回数にもとづくART状態の終了判定においては、所定ゲーム数内における小役の発生回数が一定数以下であるときに、ART状態が終了したものと判定する。
さらに、リプレイと小役の発生回数にもとづくART状態の終了判定においては、所定ゲーム数内におけるリプレイ又は小役の発生回数が一定数以下であるときに、ART状態が終了したものと判定する。
【0047】
また、リプレイのみ、小役のみ、又は、リプレイと小役の発生回数ではなく、所定ゲーム数内でのハズレの発生回数が一定数以上の場合にART状態が終了したものと判定することができる。
さらに、他の方法としては、例えば、ART状態に移行したことを報知するLEDなどの報知手段が遊技機10に搭載されている場合に、このLEDによる報知を光センサで検出し、この検出が終了したときに、ART状態が終了したものと判定することができる。
【0048】
ここまで、ART信号を受信した後の差玉の推移にもとづく特別遊技状態遊技機の抽出方法について説明したが、制御部65は、特別遊技状態遊技機の抽出方法として、天井ゲーム数にもとづく方法も実行できる。
次に、この天井ゲーム数にもとづく特別遊技状態遊技機の抽出方法について詳述する。
【0049】
(2)天井ゲーム数にもとづく特別遊技状態遊技機の抽出方法
天井とは、前回のボーナス終了から一定のゲーム数を超えると、必ずボーナスを放出する、あるいは、リプレイタイムやアシストタイムに突入して、遊技媒体が減らない状態になることをいう。そして、この天井の定義における「一定のゲーム数」を特別遊技状態移行ゲーム数である天井ゲーム数というものとする。
なお、天井ゲーム数は、遊技機10の機種ごと、あるいは、遊技機10ごとに設定することができる。また、天井ゲーム数は、遊技場の店員が、遊技場管理装置60の入力操作部63を操作することにより、遊技場管理装置60の記憶部62に既定数として記憶させることができる。
【0050】
制御部65は、自ら遊技状態判定手段及び特別遊技状態遊技機抽出手段として動作し、その天井ゲーム数にもとづいて特別遊技状態遊技機を抽出する。具体的には、次の手順で行うことができる。
例えば、制御部65は、
図9に示すように、閉店時刻B1(又はB2)を起点として過去所定時間内(例えば、一営業日中)に一の遊技機10から出力され遊技場管理装置60の通信部61で受信された一又は二以上のART信号のうち、閉店時刻B1(又はB2)から過去に遡って最後のART信号S21を特定する。あるいは、閉店時刻B1(又はB2)を起点として過去所定時間内(例えば、一営業日中)に一の遊技機10から出力され遊技場管理装置60の通信部61で受信された一又は二以上のBB信号のうち、閉店時刻B1(又はB2)から過去に遡って最後のBB信号S22を特定する。
【0051】
次いで、制御部65は、特定したART信号S21が通信部61で受信された時刻、又は、特定したBB信号S22の受信が終了した時刻を、天井ゲーム数カウント開始時刻t2とする。具体的に、
図9においては、ART信号S1の立ち下がりの時刻、又は、BB信号S22の受信終了時の立ち下がりの時刻を、天井ゲーム数カウント開始時刻t2とする。
【0052】
続いて、制御部65が遊技回数計数手段として動作し、天井ゲーム数カウント開始時刻t2を起点として、その後に実行されたゲームの回数を実行ゲーム回数としてカウントする。
この実行ゲーム回数のカウントは、遊技機10から出力される所定の遊技信号、例えば、投入信号や払出信号などにもとづいて行うことができる。具体的には、例えば、遊技機10がスロットマシン10aの場合において、遊技媒体であるメダルが3枚投入されたことを示す投入信号が当該スロットマシン10aから出力されるとき、遊技場管理装置60の通信部61がその投入信号を受信することで、制御部65は、その遊技機10にて遊技が一回行われたものと判断して、実行ゲーム回数のカウント値に「1」を加算する。そして、その通信部61で投入信号が受信されるたびに、制御部65は、カウント値に「1」を加算していく。
このカウント値は、逐次、記憶部62に記憶される。
【0053】
さらに、制御部65は、閉店時刻B1(又はB2)に達すると、この時点における実行ゲーム回数のカウント値を天井ゲーム数から減算し、この減算により得られた差を実行ゲーム残数である天井ゲーム残数として算出する。
そして、この天井ゲーム残数を、記憶部62に予め記憶された閾値である判定ゲーム残数と比較し、その天井ゲーム残数が判定ゲーム残数よりも大きいときは、当該遊技機10が閉店時刻B1(又はB2)の時点で所定の特別遊技状態(例えば、RT(リプレイタイム)など)の当選確率が高確率ではない遊技機10であるものと判断する。
具体的に、
図9において、例えば閉店時刻がB1の時刻である場合、カウント値が小さく、天井ゲーム残数が判定ゲーム残数よりも大きくなるので、当該遊技機10については、閉店時刻B1の時点で所定の特別遊技状態の当選確率が高確率ではない遊技機10であるものと判断する。
【0054】
一方、その天井ゲーム残数が判定ゲーム残数よりも小さいときは、当該遊技機10が閉店時刻の時点で所定の特別遊技状態の当選確率が高確率であった遊技機10であるものと判断する。
具体的に、
図9において、例えば閉店時刻がB2の時刻である場合、カウント値が大きく、天井ゲーム残数が判定ゲーム残数よりも小さくなるので、当該遊技機10については、閉店時刻B2の時点で所定の特別遊技状態の当選確率が高確率であった遊技機10であるものと判断する。
【0055】
なお、判定ゲーム残数は、遊技場ごと、遊技機10の機種ごと、あるいは、遊技機10ごとに決めることができる。また、判定ゲーム残数は、天井ゲーム数に応じて、任意の数値を設定することができる。ただし、判定ゲーム残数は、カウント値が天井ゲーム数に近似の数値であるものと判断可能な数値として定めることが望ましい。
具体的な数値として、例えば、天井ゲーム数を1000としたときに、判定ゲーム残数を300とすることができる。この場合、例えば閉店時刻が
図9に示すB1の時刻の場合において、カウント値が200であり、天井ゲーム残数が800であるとき、この天井ゲーム残数は、判定ゲーム残数である300よりも大きい数であり、カウント値である実行ゲーム回数(200)が天井ゲーム数(1000)に近似していないため、制御部65は、当該遊技機10については、閉店時刻B1の時点で所定の特別遊技状態の当選確率が高確率ではない遊技機10であると判断する。一方、閉店時刻が
図9に示すB2の時刻の場合において、カウント値が800であり、天井ゲーム残数が200であるとき、この天井ゲーム残数は、判定ゲーム残数よりも小さい数であり、カウント値である実行ゲーム回数(800)が天井ゲーム数(1000)に近似しているため、制御部65は、当該遊技機10については、閉店時刻B2の時点で所定の特別遊技状態の当選確率が高確率であった遊技機10であると判断する。
【0056】
また、上記の説明においては、天井ゲーム残数と判定ゲーム残数とを比較した結果から閉店時刻の時点で当該遊技機10における所定の特別遊技状態の当選確率が高確率であったか否かを判断することとしたが、この方法に限るものではなく、例えば、天井ゲーム数カウント開始時刻と閉店時刻との間で実行されたゲーム数(カウント値)と所定の閾値とを比較した結果から、当該遊技機10が閉店時刻の時点で所定の特別遊技状態の当選確率が高確率であったか否かを判断することもできる。この場合、そのカウント値が閾値よりも小さいときは、当該遊技機10が閉店時刻の時点で所定の特別遊技状態の当選確率が高確率ではない遊技機10であったものと判断する。一方、そのカウント数が閾値よりも大きいときは、当該遊技機10が閉店時刻の時点で所定の特別遊技状態の当選確率が高確率であったものと判断する。
【0057】
そして、制御部65は、自ら特別遊技状態遊技機抽出手段として動作し、遊技場に設置されたすべての遊技機10の中から、閉店時刻の時点で所定の特別遊技状態の確率状態が高確率であったものと判断した遊技機10を、特別遊技状態遊技機として抽出する。この抽出した特別遊技状態遊技機は、記憶部62に記憶される。
【0058】
このような処理を実行することにより、制御部65は、天井ゲーム数にもとづいて特別遊技状態遊技機を抽出できる。
【0059】
なお、以上のように、特別遊技状態遊技機を抽出する方法として、差玉の推移にもとづく方法と天井ゲーム数にもとづく方法とを挙げたが、本発明において、これら二つの方法を採用した理由は、次による。
遊技機10から出力される遊技信号のうち、BB信号、RB信号、ART信号などの遊技信号は、遊技機10で実行されている遊技の状態がBB、RB、ARTなどの特別遊技状態であることを示す信号である。このため、遊技場管理装置60の制御部65は、それら遊技信号を監視することで、その遊技機10にて実行されている遊技の状態が特別遊技状態であるか否かを判定することができる。
ただし、遊技機10が遊技信号を出力するタイミングは、遊技機10の機種によって異なっている。例えば、
図10に示すように、同じART信号でも、RT中にART信号を出力し続けるもの(パターンA)と、RT状態が開始した時点に1パルスのみART信号を出力するもの(パターンB)とがある。
これらのうち、パターンAの場合は、そのART信号を監視することで遊技機10の遊技状態を判定できる。つまり、ART信号を検出している間は、遊技機10の遊技状態がART状態であるものと判定し、ART信号を検出していない間は、ART状態でないものと判定できる。これに対し、パターンBの場合は、遊技機10にてART状態が継続して実行されていてもART信号がそのART状態の開始時点でのみ出力され、その後は出力されないため、遊技場管理装置60では、ART状態がいつまで継続し、いつ終了したかを把握することができない。
そこで、パターンBの場合には、ART信号検出後の差玉の推移を監視することで、当該遊技機10が閉店時刻の時点でART状態であるか否かを判定できるようにした。また、ボーナス終了後においては、実行ゲーム回数を監視することで、閉店時刻の時点で天井ゲーム数の近辺まで遊技が進行したために所定の特別遊技状態の当選確率が高確率となっている遊技機10を特別遊技状態遊技機として抽出できるようにした。
このような理由から、特別遊技状態遊技機の抽出方法に、差玉の推移にもとづく方法と天井ゲーム数にもとづく方法の二つの方法を採用することとしたものである。
なお、これら二つの方法は、両方を採用して実施してもよく、あるいは、一方のみを採用して実施してもよい。
また、それら二つの方法を併せて、「特別遊技状態遊技機抽出処理」というものとする。
【0060】
また、制御部65が自ら閉店時刻設定手段及び終了判定値設定手段として動作し、例えば、特別遊技状態遊技機の抽出処理を差玉の推移にもとづき行う場合には、遊技場の営業終了時刻である「閉店時刻」、制御部65が特別遊技状態遊技機抽出処理を実行可能な時刻として設定される「抽出開始可能時刻」、ART状態の終了時を判定する際に使用される終了判定値である「ART終了判定マイナス値」をそれぞれ設定するとともに、「抽出自動設定」又は「抽出手動設定」のいずれか一方を設定する。
「抽出自動設定」とは、現在の時刻が抽出開始可能時刻に到達した時点で、自動的に、特別遊技状態遊技機抽出処理を実行することとする設定をいう。
「抽出手動設定」とは、現在の時刻が抽出開始可能時刻に到達していること、及び、特別遊技状態遊技機抽出処理を開始するための入力操作が入力操作部63で実行されたことを条件とし、これらの条件をいずれも満たしたときに、特別遊技状態遊技機抽出処理を実行することとする設定をいう。
【0061】
この場合、制御部65が、出力表示部64に、「閉店時刻」等を入力設定するための「終了判定値等設定画面」を表示させる。
「終了判定値等設定画面」は、
図11に示すように、設定される項目の名称(例えば、「閉店時刻」、「抽出開始可能時刻」、「ART終了判定マイナス値」、「抽出自動設定」、「抽出手動設定」)や、これら設定項目に関する時刻又は数値を入力するためのテキストボックス、「抽出自動設定」又は「抽出手動設定」のいずれか一方を設定するためのラジオボタン、入力された時刻又は数値を各設定項目の時刻又は数値として設定するための「設定」ボタンなどを表示した画面である。
この「終了判定値等設定画面」が出力表示部64に表示された状態において、店員による入力操作部63の操作により、その「終了判定値等設定画面」に表示されたテキストボックスに、「閉店時刻」等として設定すべき時刻又は数値が入力されるとともに、「抽出自動設定」のラジオボタン又は「抽出手動設定」のラジオボタンのいずれか一方が選択されて、「設定」ボタンが押されると、制御部65が、それらテキストボックスに入力された時刻又は数値を対応する「閉店時刻」等の設定項目に関連付けて記憶部62に記憶させるとともに、選択された「抽出自動設定」又は「抽出手動設定」のいずれか一方を特定して記憶部62に記憶させる。これにより、テキストボックスに入力された時刻又は数値がそれぞれ対応する「閉店時刻」、「抽出開始可能時刻」、「ART終了判定マイナス値」の時刻又は数値として設定されるとともに、選択された「抽出自動設定」又は「抽出手動設定」のいずれか一方が設定される。
【0062】
また、制御部65が自ら閉店時刻設定手段、特別遊技状態移行ゲーム数設定手段、及び、判定ゲーム残数設定手段として動作し、例えば、特別遊技状態遊技機の抽出処理を天井ゲーム数にもとづき行う場合には、「閉店時刻」、「抽出開始可能時刻」、「天井ゲーム数」、「判定ゲーム残数」をそれぞれ設定するとともに、「抽出自動設定」又は「抽出手動設定」のいずれか一方を設定する。
この場合、制御部65が、出力表示部64に、「閉店時刻」等を入力設定するための「天井ゲーム数等設定画面」を表示させる。
「天井ゲーム数等設定画面」は、
図12に示すように、設定される項目の名称(例えば、「閉店時刻」等)や、設定項目に関する時刻又は数値を入力するためのテキストボックス、「抽出自動設定」又は「抽出手動設定」のいずれか一方を設定するためのラジオボタン、入力された時刻又は数値を各設定項目の時刻又は数値として設定するための「設定」ボタンなどを表示した画面である。
なお、この「天井ゲーム数等設定画面」が出力表示部64に表示されたときの入力操作部63の操作や制御部65による設定項目の設定については、
図11に示す「終了判定値等設定画面」が出力表示部64に表示されたときの入力操作部63の操作や制御部65による設定項目の設定と同様であるため、ここでの説明は、省略する。
【0063】
さらに、制御部65が、出力表示部64に、特別遊技状態遊技機を一覧表示する「RAM初期化対象機種表示画面」を表示させることができる。
「RAM初期化対象機種表示画面」は、特別遊技状態遊技機抽出手段として動作した制御部65により抽出された特別遊技状態遊技機を識別可能に列記した一覧表であって、
図13に示すように、特別遊技状態遊技機の機種名及び台番号と、特別遊技状態遊技機ごとに、RAM初期化作業が実行されていないことを示す「未」の表示と、RAM初期化作業が実行されたことを示す「済」の表示と、これら「未」又は「済」のいずれの状態であるかを示すラジオボタンが表示された画面である。
この「RAM初期化対象機種表示画面」においては、特別遊技状態遊技機抽出手段として動作した制御部65により抽出されなかった遊技機10は、表示されない。すなわち、遊技場に設置された遊技機10のうち、閉店時刻の時点で特別遊技状態でなかった遊技機10については、「RAM初期化対象機種表示画面」に表示されないようになっている。これにより、「RAM初期化対象機種表示画面」には、RAM初期化作業を実行すべき遊技機10のみが表示されるので、その表示された遊技機10に対してのみRAM初期化作業を行えばよく、効率的なRAM初期化作業が可能となる。
【0064】
なお、「RAM初期化対象機種表示画面」に表示される内容のうち、「未」の状態であることを示すラジオボタンや、「済」の状態であることを示すラジオボタンのように、「未」又は「済」を示すためのウィジェットと、これに付記された「未」や「済」などの項目の表記については、「初期化作業実行・非実行表示」というものとする。
また、「初期化作業実行・非実行表示」は、初期状態(特別遊技状態遊技機が抽出された後、RAM初期化作業が実行される前に、「RAM初期化対象機種表示画面」が出力表示部64に表示されたときの状態)においては、特別遊技状態遊技機のすべてについて、「未」のラジオボタンに所定のマークが表示され、「済」のラジオボタンにはマークが表示されないようになっている。
【0065】
また、制御部65は、通信部61でRAMクリア信号が受信されたことを検出すると、そのRAMクリア信号を送信してきた遊技機10においてRAM初期化作業が実行されたものと判断する。
また、制御部65は、記憶部62に記憶されている特別遊技状態遊技機と、RAMクリア信号を送信してきた遊技機10とを比較する。すなわち、制御部65は、記憶部62に記憶されている特別遊技状態遊技機を参照し、RAMクリア信号を送信してきた遊技機10がその記憶されている特別遊技状態遊技機の中に存在しているか否かの検索を実行する。そして、検索の結果、RAMクリア信号を送信してきた遊技機10が記憶部62に記憶されている特別遊技状態遊技機の中に存在しているときに、この特別遊技状態遊技機をRAM初期化作業が完了した遊技機10であるものとして判定し、この遊技機10を初期化完了遊技機として検出する。
【0066】
さらに、制御部65が初期化完了遊技機を検出した場合において、「RAM初期化対象機種表示画面」(
図13参照)が出力表示部64に表示されているとき、制御部65が、その「RAM初期化対象機種表示画面」に表示されている「初期化作業実行・非実行表示」のうち、初期化完了遊技機に対応する「未」のラジオボタンに表示されていたマークを消去し、当該初期化完了遊技機に対応する「済」のラジオボタンに所定のマークを表示させる。
例えば、初期化完了遊技機が、「CR:aaa」という機種名のパチンコ機10b(セブン機)であって、台番号が「101番台」であるとき、制御部65は、出力表示部64に表示されている「RAM初期化対象機種表示画面」において、その「101番台」における「未」のラジオボタンに表示されていたマークを消去して、「済」のラジオボタンに所定のマークを表示させる。これにより、その「101番台」についての初期化作業実行・非実行表示が、「未」から「済」に自動的に切り換わって表示される。
【0067】
なお、制御部65が抽出した特別遊技状態遊技機を出力表示部64の表示画面に表示する場合、その表示態様は、
図13に示す「RAM初期化対象機種表示画面」の態様に限るものではなく、例えば、
図14に示すように、遊技場内における多数の遊技機10の配置を図式化した「遊技場内レイアウト表示」において、その抽出した特別遊技状態遊技機を表示するようにすることができる。
この場合は、特別遊技状態遊技機として抽出された遊技機10と、これ以外の遊技機10とを、様々な表示形態(例えば、色、文字、網掛け、点滅表示など)により、視覚的に区分けした態様で表示することができる。
また、制御部65が抽出した特別遊技状態遊技機は、出力表示部64であるプリンターを動作させて所定の用紙に印字出力することができる。この場合、それら特別遊技状態遊技機は、
図13又は
図14に示した表示態様で印字出力してもよく、あるいは、これら
図13又は
図14に示した表示態様以外の表示態様で印字出力してもよい。
【0068】
ここまで説明したように、遊技場管理装置60は、閉店時刻の時点で特別遊技状態にあった遊技機10を特別遊技状態遊技機として抽出して出力表示部64に表示させる機能を備えている。
また、遊技場管理装置60は、制御部65が、抽出した特別遊技状態遊技機に併設された呼出ランプ30に対し、この呼出ランプ30が併設された遊技機10が特別遊技状態遊技機であることを示す遊技状態情報信号を、通信部61を介して送信するようになっている。これにより、呼出ランプ30は、その遊技状態情報信号の受信にもとづいて、LEDからなる発光部35を点灯させて、この呼出ランプ30が併設された遊技機10が特別遊技状態遊技機であることを報知するようになっている。
この呼出ランプ30の構成について、
図15を参照して説明する。
【0069】
[呼出ランプ]
図15に示すように、呼出ランプ30は、遊技機10から出力された遊技信号やRAMクリア信号を受信して台コンピュータ40へ送信する通信手段である通信部31と、所定のプログラムやデータを記憶可能な記憶手段(例えば、不揮発性ROMなど)である記憶部32と、店員を呼び出す際に操作される呼出ボタンを有する入力操作部33と、大当り回数やスタート回数などの遊技データを表示する液晶表示器である出力表示部34と、呼出ボタンが操作されると点灯するLEDなどの発光素子からなる呼出表示手段である発光部35と、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータとして動作する制御部36とを備えている。
【0070】
通信部31は、本発明の遊技状態受信手段として動作し、遊技場管理装置60の通信部61から送信されてきた遊技状態情報信号を受信する。
制御部36は、通信部31から遊技状態情報信号を受け取ると、この遊技状態情報信号の示す遊技機10の遊技状態を判断する。そして、この遊技状態情報信号の示す遊技機10の遊技状態を、記憶部32に記憶させる。
また、制御部36は、その遊技状態情報信号の示す遊技機10の遊技状態が特別遊技状態であるときは、当該呼出ランプ30が併設された遊技機10が特別遊技状態遊技機であるものと判断し、特別遊技状態遊技機であることを示す点灯パターンで、報知手段である発光部35を発光させる。これにより、当該呼出ランプ30が併設された遊技機10が特別遊技状態遊技機であることを発光演出により報知することができる。
【0071】
さらに、通信部31は、本発明の初期化情報受信手段として動作し、当該呼出ランプ30が併設された遊技機10から出力されたRAMクリア信号を受信する。このRAMクリア信号は、制御部36へ送られる。
制御部36は、自ら遊技機比較手段として動作し、記憶部32に記憶されている遊技状態情報信号の示す遊技機とRAMクリア信号を送信してきた遊技機とを比較する。
制御部36は、記憶部32に記憶されている遊技状態情報信号の示す遊技機とRAMクリア信号を送信してきた遊技機が同一であるものと判断すると、発光部35の発光による報知演出の制御を終了する。これにより、発光部35が消灯する。
その後、制御部36は、記憶部32に記憶されていた遊技状態情報信号の示す情報を消去(クリア)する。
また、制御部36は、RAMクリア信号を、通信部31、台コンピュータ40、島コンピュータ50を介して、遊技場管理装置60へ送信する。
【0072】
この処理を実行することにより、遊技場管理装置60で抽出された特別遊技状態遊技機に併設されている呼出ランプ30の発光部35を点灯させることができる。これにより、遊技場の店員は、遊技機10が設置された営業フロアへ行って、呼出ランプ30が点灯している遊技機10を探すことにより、RAM初期化作業が必要な遊技機10を容易に見つけ出すことができる。
また、RAM初期化作業を行うと、当該遊技機10に併設された呼出ランプ30が消灯することから、店員は、その点灯していた呼出ランプ30が消灯した様子を視認することにより、当該遊技機10のRAM初期化作業が確実に完了したことを確認できる。
さらに、営業フロア内で呼出ランプ30が点灯している状態は、非常に目立つものであり、一見して分かるため、フロア内を見渡して、すべての呼出ランプ30が消灯していることを視認することにより、すべての特別遊技状態遊技機に対してRAM初期化作業が完了したことを容易に確認できる。
【0073】
なお、ここでは、遊技機10が特別遊技状態遊技機であることを報知する報知手段として発光部35を挙げたが、報知手段は、発光部35に限るものではなく、例えば、所定の音出力パターンにより音声や効果音を出力する音出力手段を報知手段として用いることもできる。
【0074】
以上のような構成を備えた遊技場システム1においては、遊技場管理装置60が、閉店時刻の時点で特別遊技状態にあった遊技機10、又は、閉店時刻の時点で所定の特別遊技状態の確率状態が高確率であった遊技機10を、特別遊技状態遊技機として抽出して出力表示部64に出力させる機能と、抽出した特別遊技状態遊技機に併設されている呼出ランプ30の発光部35を点灯させる機能とを備えている。また、呼出ランプ30は、当該呼出ランプ30の併設された遊技機10にてRAMの初期化作業が実行されると、点灯していた発光部35を消灯する機能も備えている。
これらの特徴的な動作は、遊技場管理装置60や呼出ランプ30のそれぞれにおいて、各制御部65、36が遊技場管理装置60又は呼出ランプ30の構成各部を制御しながら特別遊技状態遊技機の抽出や表示、発光部35の点灯や消灯等といった各種機能を実行させることで実現される。
以下、遊技場管理装置60及び呼出ランプ30の有する上記機能を発揮するために当該遊技場管理装置60及び呼出ランプ30が実行する動作の手順を、「特別遊技状態遊技機判定方法」として、
図16〜
図20に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0075】
[特別遊技状態遊技機判定方法]
ここでは、「特別遊技状態遊技機判定方法」の内訳として、特別遊技状態遊技機の抽出方法として差玉の推移にもとづく抽出を行う場合の当該抽出に関する種々の情報を入力・設定するための「ART終了状態検知設定処理」、差玉の推移にもとづいて特別遊技状態遊技機を抽出するための特別遊技状態遊技機抽出処理である「ART状態遊技機抽出処理」、特別遊技状態遊技機の抽出方法として天井ゲーム数にもとづく抽出を行う場合の当該抽出に関する種々の情報を入力・設定するための「天井ゲーム数遊技機抽出設定処理」、天井ゲーム数にもとづいて特別遊技状態遊技機を抽出するための特別遊技状態遊技機抽出処理である「天井ゲーム近辺遊技機抽出処理」、点灯した呼出ランプ30を消灯するための「呼出ランプ消灯処理」のそれぞれの実行手順について、順に説明する。
【0076】
(1)ART終了状態検知設定処理
遊技場管理装置60において、遊技場の店員による入力操作部63の操作により、「閉店時刻」、「抽出開始可能時刻」、「ART終了判定マイナス値」、「抽出自動・手動設定」の設定を開始するための指示が入力されると、制御部65は、出力表示部64に「終了判定値等設定画面」(
図11参照)を表示させる。
【0077】
店員による入力操作部63の操作により、「終了判定値等設定画面」に表示されたテキストボックスに、「閉店時刻」、「抽出開始可能時刻」、「ART終了判定マイナス値」として設定すべき時刻又は数値がそれぞれ入力され(
図16のS10〜S12)、また、ラジオボタンの選択により「抽出自動設定」又は「抽出手動設定」のいずれか一方が選択される(S13)。そして、「設定」ボタンが押されると、制御部65は、テキストボックスに入力された時刻又は数値と設定項目の時刻又は数値とを対応付けてそれぞれ記憶部62に記憶させるとともに、「抽出自動設定」又は「抽出手動設定」のいずれか一方が選択されたことを記憶部62に記憶させる。これにより、テキストボックスに入力された時刻又は数値が、対応する設定項目の時刻又は数値としてそれぞれ設定されるとともに、「抽出自動設定」又は「抽出手動設定」のうち選択されたいずれか一方が設定される。
なお、
図16に示すフローチャートにおいては、「閉店時刻」(S10)、「抽出開始可能時刻」(S11)、「ART終了判定マイナス値」(S12)、「抽出自動・手動設定」(S13)の順に入力を実行することとなっているが、入力の順番は、
図16に示す順番に限るものではなく、それらは順不同であって、いずれを先に入力してもよい。
【0078】
(2)ART状態遊技機抽出処理
図17に示すように、制御部65は、現在の時刻が抽出開始可能時刻に到達しているか否かを判断する(S20)。
現在の時刻が抽出開始可能時刻に到達していないときは(S20−No)、抽出開始可能時刻に到達するまで待機する。
【0079】
一方、現在の時刻が抽出開始可能時刻に到達したときは(S20−Yes)、制御部65は、抽出自動設定又は抽出手動設定のいずれが設定されているかを判断する(S21)。
抽出自動設定又は抽出手動設定のうち抽出手動設定が設定されているときは(S21−抽出手動設定)、制御部65は、遊技場の店員による入力操作部63の操作により特別遊技状態遊技機の抽出処理を開始するための入力操作が行われたか否かを判断する(S22)。
そして、遊技場の店員による入力操作部63の操作により特別遊技状態遊技機の抽出処理を開始するための入力操作が行われていないときは(S22−No)、S20の処理に戻る。
【0080】
一方、遊技場の店員による入力操作部63の操作により特別遊技状態遊技機の抽出処理を開始するための入力操作が行われたとき(S22−Yes)、又は、S21の判断の結果、抽出自動設定若しくは抽出手動設定のうち抽出自動設定が設定されているときは(S21−抽出自動設定)、制御部65は、差玉の推移にもとづいて遊技機10が閉店時刻の時点で特別遊技状態であったか否かを判断する。そして、この遊技機10が閉店時刻の時点で特別遊技状態であるときは、当該遊技機10を特別遊技状態遊技機であるART状態遊技機として抽出する(S23)。
【0081】
制御部65は、抽出したART状態遊技機である特別遊技状態遊技機を識別可能に一覧表として列記した「RAM初期化対象機種表示画面」を出力表示部64に表示させる(S24)。
なお、プリンターなどの印刷装置が出力表示部64として遊技場管理装置60に設けられているときは、特別遊技状態遊技機の一覧表を、所定の用紙に印字出力させることもできる。
【0082】
また、制御部65は、遊技状態情報信号を、特別遊技状態遊技機に併設された呼出ランプ30へ送信する。
この遊技状態情報信号を受信した呼出ランプ30は、発光部35を点灯させることにより、当該呼出ランプ30が併設された遊技機10が特別遊技状態遊技機であることを報知する(S25)。
【0083】
遊技場の店員は、遊技場管理装置60の出力表示部64が画面表示した特別遊技状態遊技機を視認し、又は、出力表示部64が出力した用紙に印字されている特別遊技状態遊技機を視認することで、それら画面表示又は印字出力された特別遊技状態遊技機を確認することができる。
また、店員は、遊技場の営業フロアへ行き、呼出ランプ30の発光部35が点灯している遊技機10を確認することで、特別遊技状態遊技機を特定できる。
そして、店員は、特別遊技状態遊技機の一台一台に対してRAMの初期化作業を実行する。これにより、特別遊技状態遊技機においては、RAMに記憶されていた特別遊技状態に関するデータがクリアされ、翌営業日には、通常遊技状態から遊技を開始することができる。
【0084】
ここまで説明した「(1)ART終了状態検知設定処理」と、「(2)ART状態遊技機抽出処理」では、差玉の推移にもとづいて特別遊技状態遊技機を抽出する処理を実行する場合の特別遊技状態遊技機判定方法について説明した。
ただし、特別遊技状態遊技機判定方法には、差玉の推移にもとづいて特別遊技状態遊技機を抽出する処理の他に、天井ゲーム数にもとづいて特別遊技状態遊技機を抽出する処理もある。
この天井ゲーム数にもとづいて特別遊技状態遊技機を抽出する処理を実行する場合の特別遊技状態遊技機判定方法について、次の「(3)天井ゲーム数遊技機抽出設定処理」と「(4)天井ゲーム近辺遊技機抽出処理」にて説明する。
【0085】
(3)天井ゲーム数遊技機抽出設定処理
遊技場管理装置60において、遊技場の店員による入力操作部63の操作により、「閉店時刻」、「抽出開始可能時刻」、「天井ゲーム数」、「判定ゲーム残数」、「抽出自動・手動設定」の設定を開始するための指示が入力されると、制御部65は、出力表示部64に「天井ゲーム数等設定画面」(
図12参照)を表示させる。
【0086】
店員による入力操作部63の操作により、「天井ゲーム数等設定画面」に表示されたテキストボックスに、「閉店時刻」、「抽出開始可能時刻」、「天井ゲーム数」、「判定ゲーム残数」として設定すべき時刻又は数値が入力され(
図18のS30〜S33)、また、ラジオボタンの選択により「抽出自動設定」又は「抽出手動設定」のいずれか一方が選択される(S34)。そして、「設定」ボタンが押されると、制御部65は、テキストボックスに入力された時刻又は数値と設定項目の時刻又は数値とを対応付けてそれぞれ記憶部62に記憶させるとともに、「抽出自動設定」又は「抽出手動設定」のいずれか一方が選択されたことを記憶部62に記憶させる。これにより、テキストボックスに入力された時刻又は数値が、対応する設定項目の時刻又は数値としてそれぞれ設定されるとともに、「抽出自動設定」又は「抽出手動設定」のうち選択されたいずれか一方が設定される。
なお、
図18に示すフローチャートにおいては、「閉店時刻」(S30)、「抽出開始可能時刻」(S31)、「天井ゲーム数」(S32)、「判定ゲーム残数」(S33)、「抽出自動・手動設定」(S34)の順に入力を実行することとなっているが、入力の順番は、
図18に示す順番に限るものではなく、それらは順不同であって、いずれを先に入力してもよい。
【0087】
(4)天井ゲーム近辺遊技機抽出処理
天井ゲーム近辺遊技機抽出処理を説明するにあたり、
図19に示すS40〜S42は、
図17に示すART状態遊技機抽出処理のS20〜S22と同じ内容であるため、ここでの説明は、省略する。
【0088】
遊技場管理装置60において、遊技場の店員による入力操作部63の操作により特別遊技状態遊技機の抽出処理を開始するための入力操作が行われたとき(S42−Yes)、又は、S41の判断の結果、抽出自動設定若しくは抽出手動設定のうち抽出自動設定が設定されているときは(S41−抽出自動設定)、制御部65は、天井ゲーム数にもとづいて、閉店時刻の時点で遊技機10における特別遊技状態の確率状態が高確率であったか否かを判断する。そして、この遊技機10が閉店時刻の時点で特別遊技状態の確率状態が高確率であるものと判断したときは、当該遊技機10を特別遊技状態遊技機である天井ゲーム近辺遊技機として抽出する(S43)。
【0089】
制御部65は、抽出した天井ゲーム近辺遊技機である特別遊技状態遊技機を識別可能に一覧表として列記した「RAM初期化対象機種表示画面」を出力表示部64に表示させる(S44)。
また、制御部65は、遊技状態情報信号を、特別遊技状態遊技機に併設された呼出ランプ30へ送信する。
この遊技状態情報信号を受信した呼出ランプ30は、発光部35を点灯させることにより、当該呼出ランプ30が併設された遊技機10が特別遊技状態遊技機であることを報知する(S45)。
【0090】
遊技場の店員は、遊技場管理装置60の出力表示部64の表示画面を視認するなどして、特別遊技状態遊技機を確認することができる。また、店員は、遊技場の営業フロアへ行き、呼出ランプ30の発光部35が点灯している遊技機10を確認することで、特別遊技状態遊技機を特定できる。
そして、店員は、特別遊技状態遊技機の一台一台に対してRAMの初期化作業を実行する。これにより、特別遊技状態遊技機においては、RAMに記憶されていた特別遊技状態に関するデータがクリアされ、翌営業日には、通常遊技状態から遊技を開始することができる。
【0091】
しかも、特別遊技状態遊技機は、RAMの初期化作業が実行されたことにともなって、RAMクリア信号を出力する。このRAMクリア信号は、呼出ランプ30へ送信される。呼出ランプ30は、RAMクリア信号を受信すると、次の(5)に説明する「特別遊技状態遊技機初期化検出処理」を実行する。
【0092】
(5)特別遊技状態遊技機初期化検出処理
図20に示すように、呼出ランプ30の制御部36は、通信部31がRAMクリア信号を受信したか否かを判断する(S50)。
通信部31がRAMクリア信号を受信していないときは(S50−No)、通信部31がRAMクリア信号を受信するまで待機する。
一方、通信部31がRAMクリア信号を受信したときは(S50−Yes)、
制御部36は、記憶部32に記憶されている特別遊技状態遊技機を参照し、RAMクリア信号を送信してきた遊技機10が特別遊技状態遊技機であるか否かを判断する(S51)。
【0093】
RAMクリア信号を送信してきた遊技機10が特別遊技状態遊技機でないときは(S51−No)、S50の処理に戻る。
一方、RAMクリア信号を送信してきた遊技機10が特別遊技状態遊技機であるときは(S51−Yes)、制御部36は、発光部35の発光による報知演出の制御を終了する。これにより、発光部35が消灯する(S52)。
【0094】
この処理を実行することにより、遊技場の店員は、特別遊技状態遊技機に対してRAMの初期化作業を実行したことを、この特別遊技状態遊技機に併設された呼出ランプ30の発光部35が消灯したことを視認することによって確認することができる。
そして、店員は、呼出ランプ30の発光部35が点灯している遊技機10に対してRAM初期化作業を実行し、遊技場に設置された呼出ランプ30のすべてが消灯するようにそのRAM初期化作業を実行することにより、すべての特別遊技状態遊技機に対してRAM初期化作業を実行することができる。特に、遊技場において、点灯している呼出ランプ30は、非常に目立つので、RAM初期化作業の取りこぼしをなくすことができ、特別遊技状態や所定の特別遊技状態の高確率状態を翌営業日に持ち越さないようにすることができる。
【0095】
以上説明したように、本発明の遊技用装置、遊技用表示機及び特別遊技状態遊技機判定方法によれば、遊技場管理装置の出力手段で出力された特別遊技状態遊技機を確認することにより、その特別遊技状態遊技機をRAM初期化作業が必要な遊技機として容易かつ確実に選別できる。
また、抽出した特別遊技状態遊技機に併設された呼出ランプを点灯させることにより、遊技場の営業フロア内で、特別遊技状態遊技機を容易に見つけ出すことができる。
【0096】
さらに、その特別遊技状態遊技機に対してのみRAM初期化作業を行えばよく、それ以外の遊技機に対してはその作業を行わなくてもよいことから、当該作業を効率的に行うことができ、店員の作業負担を軽減できる。
しかも、所定の遊技信号を参照することにより特定遊技状態遊技機を抽出することとしたので、RAM初期化作業により初期化すべき特別遊技状態を示す信号を出力しない遊技機又はその信号を当該特別遊技状態の移行時にしか出力しない遊技機についても上記抽出を確実に行うことができる。
すなわち、上述した特許文献1,2に示されるような従来のRAM初期化作業においては、次のような問題があった。
例えば、遊技場に設置されているすべての遊技機に対してRAM初期化作業を実行すると、遊技機の一台一台に対してその作業を行っていくことになるため、その作業が完了するまでに相当の時間を要することとなっていた。しかも、この方法では、閉店時刻に高確率状態でなかった遊技機に対してもその作業を実行することになるため、効率の悪いものとなっていた。
ここで、このRAM初期化作業の効率を上げるための方法として、次の方法が考えられる。例えば、遊技場に設置されている遊技場管理装置に、遊技機ごとの遊技状態をレイアウト表示させ、この表示内容を遊技場の店員が確認することにより、RAM初期化作業が必要な遊技機とそうでない遊技機とを選別可能とすることが考えられる。
遊技場管理装置とは、各遊技機から所定の遊技信号を収集し、遊技に関する所定のデータを集計する情報処理装置(いわゆるホールコンピュータ)をいい、この遊技場管理装置に設けられた液晶ティスプレイなどの表示手段に、遊技機ごとの稼動状況、例えば、特賞中,確変中,稼動中などの情報を表示可能とするものである(例えば、特開2004−089395号公報)。
この方法によれば、遊技場の店員は、遊技場管理装置の表示手段にレイアウト表示された遊技機ごとの遊技状態を確認することで、RAM初期化作業が必要な遊技機とそうでない遊技機とを選別できる。
ところが、その遊技場管理装置に表示される情報は、特賞中,確変中,稼動中などの稼動状況を示す情報であって、RAM初期化作業を必要とする遊技機を抽出した情報ではなかった。このため、遊技場の店員は、その表示された稼動状況にもとづいてRAM初期化作業を必要とするか否かを自ら判断しなければならなかった。このように店員による判断が介在すると、その選別を誤る可能性があり、例えば、RAM初期化作業が必要と判断すべき遊技機を必要でない遊技機であるものと判断してしまい、RAM初期化作業を実行しないで翌営業日を迎えてしまうことも考えられる。そうすると、その遊技機は営業開始時から高確率状態で遊技を開始することから、遊技場が損害を被りやすい状態になってしまうという問題があった。
また、遊技機の中には、遊技者に有利な遊技状態である特別遊技状態に移行した場合に、その特別遊技状態であることを示す信号を、その特別遊技状態が実行されている期間のうちの所定のタイミング(例えば、当該特別遊技状態への移行時、移行から所定時間経過後のタイミング、あるいは、当該期間のうちの一部の期間など)で出力し、それ以外の期間では、当該信号を出力しないものがあった。このような遊技機に対しては、その信号を監視したとしても、その特別遊技状態がいつまで継続し、いつの時点で終了したのかを正確に把握することができない。
このため、このような遊技機が複数又は多数設置された遊技場では、上記信号を監視するのではなく、店員が閉店間際に各遊技機の状況を一台一台見てまわって上記作業を必要とする遊技機かどうかを判断するか、あるいは、そのような見まわり作業を行わずに全ての遊技機に対して上記作業を行うか、のいずれかの方法しか取ることができないことから、依然として店員の作業負担が大きいものとなっていた。
これに対して、本発明によれば、RAMの初期化作業が必要な遊技機と必要でない遊技機とを容易かつ確実に選別可能とするとともに、遊技場の店員によるRAM初期化作業の負担を軽減可能とし、かつ、RAM初期化作業により初期化すべき特別遊技状態を示す信号を出力しない遊技機又はその信号を当該特別遊技状態の移行時にしか出力しない遊技機についてもRAMの初期化作業が必要な遊技機であるか否かを確実に判定することが可能となる。
【0097】
以上、本発明の遊技用装置、遊技用表示機及び特別遊技状態遊技機判定方法の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技用装置、遊技用表示機及び特別遊技状態遊技機判定方法は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態においては、スロットマシンにおける特別遊技状態として、レギュラーボーナスゲーム(RB)、ビッグボーナスゲーム(BB)、アシストタイム(AT)、リプレイタイム(RT)、アシストリプレイタイム(ART)を挙げたが、例えば、短期間にメダルが増加する状態ではなく、遊技回数が多くなるにつれて段々とメダルが増加する状態を特別遊技状態として定義することもできる。
【0098】
また、上述した実施形態においては、遊技機がRAMクリア信号を出力するようにしているが、これに限るものではなく、RAMクリア信号を出力しない遊技機にも本発明を適用できる。ただし、後者の場合は、店員が手動でリモコンや呼出ボタンなどを操作して、RAM初期化作業の完了を呼出ランプに認識させることにより、当該呼出ランプを消灯させることができる。また、その手動操作により、呼出ランプの記憶部に記憶されている特別遊技状態遊技機を示す情報を消去させることができる。さらに、その呼出ランプが、RAM初期化作業の完了を示す信号を遊技場管理装置へ送信することにより、遊技場管理装置の記憶部に記憶されている特別遊技状態遊技機を初期化済みの遊技機に変更させることができる。
【0099】
また、上述した実施形態においては、特別遊技状態遊技機を抽出する対象となる遊技機を、遊技場に設置されたすべての遊技機としたが、すべての遊技機を対象とすることに限るものではなく、遊技場に設置された遊技機のうちの一部の遊技機を対象とするようにしてもよい。この場合、遊技場に設置された多数の遊技機の中から、複数の遊技機を選択し、この選択した遊技機の中から特別遊技状態遊技機を抽出するようにする。
さらに、上述した実施形態においては、特別遊技状態遊技機判定方法を実行する装置として遊技場管理装置を挙げたが、その特別遊技状態遊技機判定方法を実行する装置は、遊技場管理装置に限るものではなく、遊技場に導入された遊技場システムに接続可能な装置を遊技用装置として特別遊技状態遊技機判定方法を実行させることができる。この遊技用装置の具体例としては、例えば、呼出ランプ、台コンピュータ、島コンピュータ、遊技媒体の数量を計数する遊技媒体計数機、景品交換に関する情報を管理する景品交換装置、所定の遊技情報を表示する遊技情報表示装置などを挙げることができる。
【0100】
また、上述した実施形態においては、遊技機から出力されたRAMクリア信号を呼出ランプが受信した場合、この呼出ランプの制御部が、そのRAMクリア信号を送信してきた遊技機と記憶部に記憶されている遊技状態情報信号の示す遊技機とを比較し、これらRAMクリア信号を送信してきた遊技機と記憶部に記憶されている遊技状態情報信号の示す遊技機が同一であるものと判断すると、発光部の発光による報知演出の制御を終了させることとしたが、この内容に限るものではなく、例えば、遊技場管理装置から遊技状態情報信号が送信されてきたときに、「遊技状態情報信号なし」から「遊技状態情報信号あり」に切り換わる遊技状態情報信号の有無情報を記憶部に記憶させるとともに、この有無情報が「遊技状態情報信号あり」を示す場合において遊技機からRAMクリア信号が送信されてきたときに、発光部の発光による報知演出の制御を終了させるようにすることもできる。