【実施例】
【0035】
次に、本発明の実施の形態を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0036】
*評価項目
<接合部柔軟性>
実施例および比較例で作成した接合体について、
図15の様に、突き合わせ部位を含む
熱融着接合部から30cm×3cmの短冊状にサンプル(10)を3点採り、JISL
1096 8.21.A法(45°カンチレバー法)に準じて剛軟度を測定した。また、
膜材単体(長さ方向)の剛軟度も測定し、双方の剛軟度を比較して、以下の基準で評価し
た。
1、接合部の剛軟度が、膜材単体の剛軟度の3倍以下であり高い柔軟性を有する
2、接合部の剛軟度が、膜材単体の剛軟度の3倍を超えて、4倍以下であり、柔軟性
を有する
3、接合部の剛軟度が、膜材単体の剛軟度の4倍を超え、剛直である
<部分的なテンションがかかった際の接合部周辺の皺発生評価(
図16参照)>
・評価用サンプル
実施例および比較例で作成した接合体について、突き合わせ部位を中央に含んで40c
m×15cmの短冊状にカットし、突き合わせ部位を含まない1辺を折り返して高周波
ウェルダーにより熱融着(融着幅3cm)して内径2cmのループ状とし、対向する1
辺は3cm折り返し、ループを作らずに高周波ウェルダーにより熱融着した上で、折り
返し部分中央から左右5cmの位置にそれぞれはと目を打ち、皺発生評価用サンプルと
した。
・試験方法
まず、ループ内に外径1.5cmのアルミパイプを通して、ロープで評価用サンプルを
吊り下げた。次に、はと目に通したロープにより、別のアルミパイプ(中央と、中央か
ら左右10cmの位置にフックを有する)を水平になる様吊り下げ、その中心に錘を
取り付けて、接合部周辺の皺の状態を目視により、以下の基準で評価した。なお、錘に
は10kgと20kgの2種を用いた。
1、20kgの錘で皺が入らず、部分的なテンションに対して皺が入りにくい
2、20kgの錘では多少の皺を生じるが、10kgの錘では皺が入らず、皺が入る
ことが抑制される
3、10kgの錘で皺を生じ、部分的なテンションに対して皺が入る事を抑制できな
い
<接合部周辺のゆがみ>
実施例及び比較例で作成した接合体について、
図17の様に、突き合わせ部位を中央と
し、熱融着部の端から左右2cmの部分の膜材を含んで長さ10cmの試験片(12)
を採取し、この試験片を水平で平坦な台の上に、膜材側を下にして静置し、膜材周囲の
浮き上がりを観察して、最も浮き上がった部分の台の面からの高さを、ノギスを用いて
測定し、以下の基準で評価した。
1、浮き上がりが1mm以下であり、接合部のゆがみはほとんど見られない
2、浮き上がりが1mmを超えるが2mm以下であり、接合部のゆがみは許容範囲
3、浮き上がりが2mmを超え、接合部のゆがみにより外観が損なわれる
<透過光に対するテープ状接合部材の視認性>
実施例・比較例で作成した膜材接合体について、暗室内にて、テープ状接合部材を配した側の面から10cmの位置に設置した20Wの蛍光灯で照らした状態で、反対面側から1m離れて観察し、テープ状接合部材の影が視認できるかどうかについて以下の様に評価した。
1、テープ状接合部材の影はほとんど視認できない
2、テープ状接合部材の影が視認できる
また、テープ状接合部材の全光線透過率をJISK7375に従い測定した。
【0037】
[実施例1]
<膜材>
277dtexのポリエステルマルチフィラメント糸条を、経24本/インチ×緯25本/インチの織密度で製織した粗目状長尺平織織布(幅220cm、空隙率30%)を基布1とし、カレンダー成型法により成型された厚さ0.14mmの軟質ポリ塩化ビニル樹脂フィルム(下記配合1)を、基布1の両面に、目抜け空隙部を介して熱ラミネート積層して、基布1の両面に熱可塑性樹脂被覆層を有する長尺広幅のターポリン(質量430g/m
2)を得た。このターポリンから、長さ(経糸方向)150cm×幅(緯糸方向)25cmの試験片を2枚採取して、実施例1の膜材とした。
配合1(カレンダーフィルム配合)
ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1300) 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 60質量部
ステアリン酸亜鉛(安定剤) 2質量部
酸化チタン(無機顔料) 5質量部
安定剤:Ba−Zn系安定剤 3質量部
<テープ状接合部材>
膜材を採取したターポリンの残りの部分より、基布の経糸方向に対して、斜めに45°傾けて6cm幅にスリットして切り出し、実施例1のテープ状接合部材(長さ150cm)を得た。テープ状接合部材をこの様にして得ることで、テープ状接合部材に含まれる基布(基布2)は、2方向の軸糸を有し、それぞれがテープ状接合部材の長さ方向に対して45°傾いていた。また、両面に熱ラミネート積層された軟質ポリ塩化ビニル樹脂フィルムは、膜材の両面に形成された熱可塑性樹脂被覆層と同じ組成で、熱可塑性樹脂被覆層に対して熱融着可能であるため、テープ状接合部材の熱融着性樹脂層として機能するものである。
<膜材接合体>
2枚の膜材を、長さ方向に平行に並べ、その端面を間隙を設けずに突き合わせて配列し、この突き合わせ部位に跨ってテープ状接合部材を左右均等になる様配置し、高周波ウェルダー融着法により熱融着して貼着することで、2枚の膜材を繋いで、実施例1の膜材接合体を得た。得られた膜材接合体の接合部において、基布1の経糸に対して、基布2の2方向の軸糸は、ともに45°の傾きを有していた。この膜材接合体について、各種評価を行った。結果を表1に示す。
【0038】
[実施例2]
<膜材>
20番手(295dtex)のポリエステル短繊維紡績糸条を用い、織密度経55本/インチ×緯48本/インチで製織した非粗目状長尺平織織布(幅220cm、空隙率0%)を基布1とし、軟質ポリ塩化ビニル樹脂ペースト組成物(下記配合2)を含浸させ、これを加熱により乾燥・ゲル化することで、基布1内部に含浸し、かつ、両面を被覆した熱可塑性樹脂(軟質ポリ塩化ビニル樹脂)被覆層を有する長尺広幅の防水帆布(質量560g/m
2)を得た。この防水帆布から、長さ(経糸方向)150cm×幅(緯糸方向)25cmの試験片を2枚採取して、実施例2の膜材とした。
配合2(ペースト配合)
ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1600) 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 60質量部
エポキシ化大豆油(可塑剤・安定剤) 5質量部
Ba−Zn系安定剤 2質量部
酸化チタン(無機顔料) 5質量部
希釈溶剤:トルエン 20質量部
<テープ状接合部材>
膜材を採取した防水帆布の残りの部分より、基布1の経糸方向に対して、斜めに45°傾けて6cm幅にスリットして切り出し、実施例2のテープ状接合部材(長さ150cm)を得た。テープ状接合部材をこの様にして得ることで、テープ状接合部材に含まれる基布(基布2)は、2方向の軸糸を有し、それぞれがテープ状接合部材の長さ方向に対して45°傾いていた。また、含浸被覆された軟質ポリ塩化ビニル樹脂被覆層は、膜材の熱可塑性樹脂被覆層と同じ組成であり、熱可塑性樹脂被覆層に対して熱融着可能であるため、テープ状接合部材の熱融着性樹脂層として機能するものである。
<膜材接合体>
先に採取した2枚の膜材を、長さ方向に平行に並べ、その端面を間隙を設けずに突き合わせて配列し、この突き合わせ部位に跨ってテープ状接合部材を、高周波ウェルダー融着法により熱融着して貼着することで、2枚の膜材どうしを繋いで、実施例2の膜材接合体を得た。この膜材接合体の接合部において、基布1の経糸に対して、基布2の2方向の軸糸は、ともに45°の傾きを有していた。得られた膜材接合体について、各種評価を行った。結果を表1に示す。
【0039】
[実施例3]
<膜材接合体>
実施例2と同様にして膜材接合体を得た。ただし、端面と端面の突き合わせ部位において、0.5mmの間隙を設けた状態で、テープ状接合部材を熱融着した。接合部において、基布1の経糸に対して、基布2の2方向の軸糸は、ともに45°の傾きを有していた。得られた膜材接合体について、各種評価を行った。結果を表1に示す。得られた膜材接合体について、各種評価を行った。結果を表1に示す。
【0040】
[実施例4]
<膜材>
20番手(295dtex)のポリエステル短繊維紡績糸条を用い、織密度経55本/インチ×緯48本/インチで製織した非粗目状長尺綾織(三つ綾)織布(幅220cm、空隙率0%)を基布1とし、配合2の軟質ポリ塩化ビニル樹脂ペースト組成物を含浸させ、これを加熱により乾燥・ゲル化することで、基布1内部に含浸し、かつ、両面を被覆した熱可塑性樹脂(軟質ポリ塩化ビニル樹脂)被覆層を有する長尺広幅の防水帆布(質量580g/m
2)を得た。この防水帆布から、長さ(経糸方向)150cm×幅(緯糸方向)25cmの試験片を2枚採取して、実施例4の膜材とした。
<テープ状接合部材>
膜材を採取した防水帆布の残りの部分より、基布1の経糸方向に対して、斜めに45°傾けて6cm幅にスリットして切り出し、実施例4のテープ状接合部材(長さ150cm)を得た。テープ状接合部材をこの様にして得ることで、テープ状接合部材に含まれる基布(基布2)は、2方向の軸糸を有する綾織(三つ綾)織布であり、軸糸それぞれがテープ状接合部材の長さ方向に対して45°傾いていた。また、含浸被覆された軟質ポリ塩化ビニル樹脂被覆層は、膜材の熱可塑性樹脂被覆層と同じ組成であり、熱可塑性樹脂被覆層に対して熱融着可能であるため、テープ状接合部材の熱融着性樹脂層として機能するものである。
<膜材接合体>
先に採取した2枚の膜材を、長さ方向に平行に並べ、その端面を間隙を設けずにつき合わせて配列し、この突き合わせ部位に跨ってテープ状接合部材を、高周波ウェルダー融着法により熱融着して貼着することで、2枚の膜材どうしを繋いで、実施例4の膜材接合体を得た。この膜材接合体の接合部において、基布1の経糸に対して、基布2の2方向の軸糸は、ともに45°の傾きを有していた。得られた膜材接合体について、各種評価を行った。結果を表1に示す。
【0041】
[実施例5]
<膜材>
実施例1と同様にして、実施例5の膜材を得た。
<テープ状接合部材>
277dtexのポリエステルマルチフィラメント糸条を、織密度経24本/インチ×緯25本/インチで製織した粗目状長尺平織織布(幅220cm、空隙率30%)を基布2とし、この基布2に下記配合3の軟質ポリ塩化ビニル樹脂ペースト組成物を含浸し、過熱により乾燥・ゲル化して樹脂含浸基材とした。この樹脂含浸基材の両面に、下記配合4よりカレンダー成型法により成型された厚さ0.14mmの軟質ポリ塩化ビニル樹脂フィルムを熱ラミネート積層して得た積層体を、基布の経糸方向に対して、斜めに45°傾けて6cm幅にスリットして切り出し、実施例5の透明なテープ状接合部材(長さ150cm)を得た。テープ状接合部材に含まれる基布(基布2)は、2方向の軸糸を有し、それぞれがテープ状接合部材の長さ方向に対して45°傾いていた。両面に熱ラミネート積層された軟質ポリ塩化ビニル樹脂フィルムは、膜材の熱可塑性樹脂被覆層に対して熱融着可能であり、テープ状接合部材の熱融着性樹脂層として機能するものであった。
配合3(ペースト配合)
ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1600) 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 60質量部
エポキシ化大豆油(可塑剤・安定剤) 5質量部
Ba−Zn系安定剤 2質量部
希釈溶剤:トルエン 20質量部
配合4(カレンダーフィルム配合)
ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1300) 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 60質量部
ステアリン酸亜鉛(安定剤) 2質量部
安定剤:Ba−Zn系安定剤 3質量部
<膜材接合体>
上述した実施例5のテープ状接合部材を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例5の膜材接合体を得た。この膜材接合体の接合部において、基布1の経糸に対して、基布2の2方向の軸糸は、ともに45°の傾きを有していた。得られた膜材接合体について、各種評価を行った。結果を表1に示す。
【0042】
[実施例6]
<膜材>
実施例1のターポリンから、長さ(経糸方向)150cm×幅(緯糸方向)25cmの試験片を1枚採取(試験片6-1)し、また、経糸方向に対して30°傾けて長さ150cm×幅25cmの試験片を1枚採取(試験片6-2)して、実施例6の膜材とした。
<テープ状接合部材>
幅方向に平行に挿入された経糸に対して、それぞれ左右に60°傾いた2軸の交錯糸を有する長尺の3軸織織布(3軸とも277dtexのポリエステルマルチフィラメント糸条を用い、打ち込み密度、たて(経糸)20本/インチ、交錯糸20本/インチ、空隙率15%)を基布2とし、この基布2に配合3の軟質ポリ塩化ビニル樹脂ペースト組成物を含浸し、過熱により乾燥・ゲル化して樹脂含浸基材とし、その両面に配合4からカレンダー成型法により成型された厚さ0.12mmの軟質ポリ塩化ビニル樹脂フィルムを熱ラミネート積層して得た積層体を、長さ方向に平行に6cm幅でスリットして、実施例6のテープ状接合部材(長さ150cm)を得た。得られたテープ状接合部材において、基布2は、長さ方向に平行な軸糸と、長さ方向に対してそれぞれ左右に60°傾いた2方向の軸糸を有していた。また、両面に熱ラミネート積層された軟質ポリ塩化ビニル樹脂フィルムは、膜材の熱可塑性樹脂被覆層に対して熱融着可能であり、テープ状接合部材の熱融着性樹脂層として機能するものであった。
<膜材接合体>
先に採取した2枚の膜材を、
図18の様に並べ、その端面を間隙を設けずにつき合わせて配列し、この突き合わせ部位に跨ってテープ状接合部材を、高周波ウェルダー融着法により熱融着して貼着することで、2枚の膜材どうしを繋いで、実施例6の膜材接合体を得た。この膜材接合体の接合部の試験片6-1側において、基布1の経糸に対して、基布2の緯糸の交差角は90°であったが、交錯糸はともに30°の傾きを有していた。一方、接合部の試験片6-2側においては、基布1の経糸に対して、基布2の経糸が30°の交差角を有し、交差糸の一方は60°の交差角を有し、交差糸のもう一方は直交していた。得られた膜材接合体について、各種評価を行った。結果を表1に示す。
【0043】
実施例1の膜材接合体は、基布1の経糸に対して、基布2の2方向の軸糸は、ともに45°の傾きを有しており、基布2が30%の空隙率を有する平織織布であるため、接合部が非常に柔軟であり、接合部のゆがみもほとんど見らず、また、接合部に部分的なテンションがかかっても皺が入りにくい膜材接合体であった。実施例2は、実施例1同様、基布1の経糸に対して、基布2の2方向の軸糸は、ともに45°の傾きを有しており、接合部の柔軟性を有し、接合部のゆがみは許容範囲であり、接合部に部分的なテンションがかかっても皺が入りにくい膜材接合体であった。接合部の柔軟性および接合部のゆがみは、実施例1に比べてやや劣っていたが、これは、基布2が非粗目状(空隙率0%)の平織織布であったためであると考えられる。実施例3の膜材接合体は、突き合わせ部位において、0.5mmの間隙を設けた以外は実施例2と同様にして得たものであるが、突き合わせ部位に間隙を設けたことで、実施例2に比べて部分的なテンションに対して皺が入りにくくなり、接合部周辺のゆがみも改善された。実施例4の膜材接合体は、膜材およびテープ状接合部材に含まれる基布が共に綾織(三つ綾)織物であることを除けば、実施例2と同様にして得たものであるが、基布(特に基布2)が綾織(三つ綾)織物である事により、実施例2に比べて接合部が柔軟であり、部分的なテンションに対して皺が入りにくくなり、接合部周辺のゆがみも改善された。実施例5の膜材接合体は、実施例1と同様、基布1の経糸に対して、基布2の2方向の軸糸が、ともに45°の傾きを有しており、接合部が非常に柔軟であり、接合部のゆがみもほとんど見られず、接合部に部分的なテンションがかかっても皺が入りにくい膜材接合体であった。また、透明なテープ状接合部材を用いた事により、透過光に対してテープ状接合部材の影がほとんど視認されなかった。実施例6の膜材接合体は、斜めに裁断された端面と、長さ方向と平行な端面とが突き合わされて接合されたものである。テープ状接合部材の基布2を15%の空隙率を有する3軸の織布とすることで、基布2の3軸の軸糸の内2方向の軸糸が、突き合わせ部位の左右で、基布1の経糸に対して30°および60°の交差角を有しており、接合部の柔軟性を有し、接合部のゆがみがほとんど見られず、接合部に部分的なテンションがかかっても皺が入りにくい膜材接合体であった。
【0044】
[比較例1]
<膜材接合体>
実施例1と同様にして得た膜材の端部を、
図1の様に重ね合わせて(重ね合わせ幅3cm)、高周波ウェルダー融着法により熱融着することで、2枚の膜材を繋いで、比較例1の膜材接合体を得た。この膜材接合体について、各種評価を行った。結果を表2に示す。
【0045】
比較例1の膜材接合体は、端部の重ねあわせにより接合した部分において、上下の膜材の経糸および緯糸の方向が同じであったため、接合部が剛直であり、接合部のゆがみにより外観が損なわれ、また、接合部に部分的なテンションがかかった時に皺が入り易い膜材接合体であった。
【0046】
[比較例2]
<膜材>
実施例1と同様にして、比較例2の膜材を得た。
<テープ状接合部材>
膜材を採取したターポリンの残りの部分より、基布の経糸方向に対して平行に、6cm幅にスリットして切り出し、比較例2のテープ状接合部材(長さ60cm)を得た。テープ状接合部材に含まれる基布(基布2)は、長さ方向に平行な経糸と、その経糸に直行する緯糸を有していた。また、両面に熱ラミネート積層された軟質ポリ塩化ビニル樹脂フィルムは、膜材の両面に形成された熱可塑性樹脂被覆層と同じ組成で、熱可塑性樹脂被覆層に対して熱融着可能であるため、テープ状接合部材の熱融着性樹脂層として機能するものである。
<膜材接合体>
上述の比較例2のテープ状接合部材を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2の膜材接合体を得た。この膜材接合体について、各種評価を行った。結果を表2に示す。
【0047】
比較例2の膜材接合体は、接合部において、基布1の経糸に対して、基布2の経糸は平行であり、緯糸が90°の交差角を有するため、接合部が剛直であり、接合部のゆがみにより外観が損なわれ、また、接合部に部分的なテンションがかかった時に皺が入り易い膜材接合体であった。
【0048】
[比較例3]
<膜材接合体>
膜材を採取したターポリンの残りの部分より、基布の経糸方向に対して、斜めに45°傾けて6cm幅にスリットして切り出したテープ状接合部材(長さ150cm)を用いた以外は、実施例6と同様にして、比較例3の膜材接合体を得た。この膜材接合体について、各種評価を行った。結果を表2に示す。
【0049】
比較例3の膜材接合体は、実施例6と同様、斜めに裁断された膜材(6−2)の端面と、長さ方向と平行に裁断された膜材(6−1)の端面とが突き合わされて接合されたものである。接合部において、長さ方向に平行に裁断された膜材(6−1)の側では、膜材の基布1の経糸に対して、基布2の軸糸は何れも45°の交差角を有しているが、斜めに裁断された膜材(6−2)の側では、15°および75°になり、接合部のゆがみにより外観が損なわれ、また、接合部に部分的なテンションがかかった時に皺が入り易い膜材接合体であった
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】