(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数のユーザをマッチングするマッチング手段と、特定のユーザとマッチングされたユーザに特典を受ける権利を付与する権利付与手段と、前記権利を有するユーザに前記特典を付与する特典付与手段と、を備え、前記権利付与手段は、前記権利を有するユーザとマッチングされたユーザにも前記権利を付与するゲームシステムであって、
前記複数のユーザがプレイしたゲームの結果において所定の条件を満たしていないユーザから前記権利を取り上げる権利剥奪手段をさらに備え、
前記権利を有するユーザと前記権利を有しないユーザとがマッチングされた場合、前記権利付与手段が前記権利を有しないユーザにも前記権利を付与し、その後、当該ゲームの結果に応じて前記権利が取り上げられるユーザと前記権利が取り上げられないユーザとが生じるように前記権利剥奪手段が前記権利の取り上げの有無を制御するゲームシステム。
前記特典付与手段は、前記権利を有するユーザが前記権利を有した状態で前記所定の条件を満たした回数が多くなるほどそのユーザに付与する特典を増やす請求項4に記載のゲームシステム。
前記マッチング手段は、前記権利を有するユーザと比較して前記権利を有していないユーザを前記特定のユーザ又は前記権利を有するユーザと優先的にマッチングする請求項1〜5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
前記特典付与手段は、前記権利を有するユーザに、前記特定のユーザに関連するアイテムを前記特典として付与する請求項1〜6のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一形態に係るゲームシステムを説明する。まず、
図1を参照して、ゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、サーバ装置としてのセンターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワーク5を介して接続可能なクライアント装置としてのゲーム機(ゲーム装置に相当する。)3を含む。センターサーバ2は、複数のサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0011】
ゲーム機3は、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。この種のゲーム機3は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム機3は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗6等の所定の施設に設置されるコンピュータゲーム装置である。なお、店舗6には一以上の適宜数のゲーム機3が設置される。
図1では、ゲーム機3を区別せずに描いているが、そのハードウエア構成やゲームの内容は適宜に選択されてよい。ゲーム機3は、特定のゲームに適合する物理的構成(例えば操作部等)を備えた専用機として構成されてもよいし、ソフトウエアの書き換えにより種々のゲームに対応可能な汎用機として構成されてもよい。ただし、ここでは、複数のゲーム機3のユーザがセンターサーバ2によりマッチングされて共通のゲームをプレイすることが可能であるものとする。
【0012】
ネットワーク5は、センターサーバ2に対してゲーム機3及びユーザ端末装置4をそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネット5Aと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれとインターネット5Aとを接続するLAN5B、5Cとがルータ5Dを介して接続されることにより構築される。ユーザ端末装置4も適宜の構成によりインターネット5Aに接続される。なお、ゲーム機3と店舗6のルータ5Dとの間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機3がセンターサーバ2と通信可能に接続されてもよい。センターサーバ2のサーバユニット2A、2B…はLAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aにより、相互に接続される場合もある。
【0013】
図2及び
図3を参照して、ゲームシステム1にて実施されるゲームについて説明する。ゲームシステム1では、現実の世界で行われている競技(一例として麻雀)を再現したゲームが実行可能である。複数のゲーム機3のユーザはセンターサーバ2のマッチング機能を利用して共通のゲーム(麻雀であれば対局)に参加して一緒にプレイすることができる。麻雀ゲームのユーザの一部には、現実の麻雀において、その競技活動を本職として活動する、いわゆるプロフェッショナルのユーザ(プロ雀士と呼ばれることがある。)としてユーザ間に認知されている者が含まれている。以下では、そのようなユーザをプロユーザと呼び、それ以外のユーザを一般ユーザと呼んで区別することがある。
【0014】
ゲームシステム1では、プロユーザと一般ユーザとでゲームをプレイする際にゲーム画面100に表示される演出を異ならせる。一般ユーザの場合、ゲーム画面100には全ての一般ユーザで共用される画像が自分のキャラクタとして表示される。また、そのキャラクタがゲーム画面100に表示される際の演出や、「リーチ」や「ロン」等の所定の操作を行った場合の演出も全ての一般ユーザで共用される演出が表示される。この他、ゲーム中にゲーム機3から出力されるBGMも全ての一般ユーザで共用されるものが使用される。これに対してプロユーザの場合には、そのプロユーザ用のキャラクタや演出が用意されている。
図2は、プロユーザが参加しているゲームのゲーム画面100の一例を示している。プロユーザの場合、ゲーム画面100にはそのプロユーザの画像101が自分のキャラクタとして表示される。また、その画像101がゲーム画面100に表示される際の演出や、「リーチ」や「ロン」等の所定の操作を行った場合の演出にも、そのプロユーザ用に用意された演出がゲーム画面100に表示される。この他、BGMもプロユーザ用のものが用意されている。
【0015】
ただし、このゲームシステム1では、プロユーザとマッチングされた一般ユーザに対してプロユーザのキャラクタ、すなわちプロユーザの画像101、BGM、及びプロユーザ用の演出を使用できる権利が付与される。また、その権利を有する一般ユーザとマッチングされた一般ユーザに対しても同様に権利が付与される。そして、この権利を有する一般ユーザがゲームをプレイすると、プロユーザのキャラクタ及びプロユーザ用の演出がゲーム画面100に表示される。また、ゲーム中はプロユーザ用のBGMがゲーム機3から出力される。なお、以降では、これらプロユーザのキャラクタ、プロユーザ用のBGM、及びプロユーザ用の演出を、まとめて特典と呼ぶことがある。
【0016】
特典を使用できる権利は、プロユーザ又は権利を有する一般ユーザとマッチングされた時点で付与される。そして、この特典は、権利を有する一般ユーザが麻雀ゲームで4位(最下位)になるまで使用できる。すなわち、ゲームで最下位になった場合には特典を使用する権利が取り上げられる。そのため、プロユーザ又は権利を有する一般ユーザと対局している間は、その対局に参加している全ての一般ユーザに権利が付与される。そして、対局の結果、一般ユーザが最下位になった場合にはその一般ユーザから権利が取り上げられる。なお、権利が取り上げられた一般ユーザは、ゲーム画面100に表示される画像、ゲーム中の演出、及びBGMが、全ての一般ユーザで共用される画像、演出、及びBGMに戻る。
【0017】
図3は、このように権利が拡散する状態を概略的に示している。なお、この図の「Pro」がプロユーザを示している。そして、「U」が権利を有していない一般ユーザを示し、「Up」が権利を有している一般ユーザを示している。上述したように特典を使用できる権利は、プロユーザProとマッチングされた一般ユーザUに付与される。そして、麻雀ゲームで最下位にならない限りその権利を有していることができる。そのため、この図に示した例では、1回目のマッチングでプロユーザProとマッチングされ、マッチングされた時点では全ての一般ユーザUに権利が付与されるが、麻雀ゲームの結果で2位又は3位になった一般ユーザUpの権利は維持され、4位になった一般ユーザUの権利は剥奪される。
【0018】
そして、この権利は、権利を有する一般ユーザとマッチングされた一般ユーザにも付与される。そのため、1回目のマッチングで2位又は3位になった二人の一般ユーザUpが2回目のマッチングで権利を有していない一般ユーザUとマッチングされると、その一般ユーザUに権利が付与され、その対局で1位〜3位になった一般ユーザUpの権利は維持される。
【0019】
このようにゲームシステム1では、特典を使用できる権利がプロユーザProとマッチングされた一般ユーザUに付与されるとともに、権利を有する一般ユーザUpとマッチングされた一般ユーザUにも付与される。そのため、プロユーザProとマッチングされた場合にのみ権利が付与される場合と比較して、より多くの一般ユーザUに権利を付与することができる。
【0020】
次に、
図4を参照してこの権利の付与や剥奪に関連した制御系の要部を説明する。センターサーバ2には、ゲームサービス管理部21、及び記憶部22が設けられる。ゲームサービス管理部21は、センターサーバ2のコンピュータハードウエア(CPU及びその動作に必要な内部記憶装置としてのメモリを含む。)とソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置である。記憶部22は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22は、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。
【0021】
記憶部22には、センターサーバ2のコンピュータハードウエア資源をゲームサービス管理部21として機能させるためのソフトウエアとしてのコンピュータプログラム23が記録される。また記憶部22には各種のデータも記録されるが、
図4ではプレイデータ24及びゲームデータ25が示されている。プレイデータ24は、ユーザがゲームを続きからプレイするためにゲームのプレイ内容を保存したデータである。プレイデータ24はユーザ毎に作成され、ユーザの識別情報と対応付けて記憶部22に記録される。ただし、
図4では一のユーザ識別情報に対応付けられたプレイデータ24のみを示す。ゲームデータ25は、ゲーム機3においてゲームが実行される際にゲーム中で使用される各種データである。ゲームデータ25には、上述したようにプロユーザ用の特別な演出データ25aや、一般ユーザ用の一般の演出データ25bなどが含まれる。
【0022】
ゲームサービス管理部21は、ゲーム機3に対して所定のゲームサービスを提供する。ゲームサービスとしては、例えば、ゲーム機3からユーザの認証情報(一例としてユーザの識別情報及びパスワード)を受け取ってユーザを認証し、そのユーザに対応するプレイデータ24をゲーム機3から受け取って記憶部22に保存し、あるいは、記憶部22に保存されたユーザのプレイデータ24をゲーム機3に提供するサービス、ゲーム機3のソフトウエア(ゲーム機3用のコンピュータプログラム33及び各種のデータ)をネットワーク5を介して更新するサービス等がある。また、ゲーム機3からユーザの認証情報を受け取ってユーザを認証し、そのユーザに対応するゲームデータ25をゲーム機に提供するサービスもある。ゲームサービス管理部21には、論理的装置としてのマッチング処理部26及びゲーム管理部27がさらに設けられる。マッチング処理部26は、対戦を希望するユーザ同士をマッチングする処理を担当する。ゲーム管理部27は、マッチングされたユーザのゲーム機3間の情報のやり取りの処理を担当する。なお、ゲームサービス管理部21には、この他にも種々の処理部が設けられるが、それらの図示は省略した。
【0023】
なお、センターサーバ2には、ユーザが所持するパーソナルコンピュータやモバイル端末装置等に対してゲームの情報を提供するサービス、ユーザ間における情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス等を提供す機能、ゲーム機3のユーザに対して、ゲーム上の有償サービスを提供する対価としての料金を課金してユーザからその料金を徴収する課金サービス機能等も実装されることがあるが、それらの説明は省略する。
【0024】
次に、ゲーム機3には、ゲーム制御部31と記憶手段としての記憶部32とが設けられる。ゲーム制御部31は、ゲーム機3のハードウエア(CPU及びその内部記憶装置としてのメモリを含む。)とソフトウエアとしてのコンピュータプログラム33との組み合わせによって実現される論理的装置である。ゲーム制御部31は、センターサーバ2のゲーム管理部27から送られてきた情報などに応じてゲームの進行に必要な各種の演算制御を実行するとともに、センターサーバ2のゲームサービス管理部21が提供するゲームサービスを享受するために必要な各種の処理を実行する。ゲーム制御部31には、論理的装置としての権利付与部34、特典付与部35、及び権利剥奪部36がさらに設けられる。権利付与部34は、上述した特典を使用できる権利を一般ユーザに付与するか否か判定し、判定結果に応じて特典を受ける権利を付与する処理を担当する。特典付与部35は、権利を有する一般ユーザに特典、すなわちプロユーザ用のキャラクタ、BGM、及び演出を付与する処理を担当する。権利剥奪部36は、権利を有する一般ユーザから権利を剥奪するか否か判定し、判定結果に応じて特典を受ける権利を剥奪する処理を担当する。
【0025】
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、上述したプログラム33とともに、各種のデータが記録されるが、
図4ではセンターサーバ2から提供されたプレイデータ24及びゲームデータ25が示されている。
【0026】
図5は、プレイデータ24の一例を示している。このプレイデータ24においては、ゲーム機3のゲーム制御部31にて参照されるべき情報として、プレイヤ情報、プレイ履歴、ステータスといった各種の情報がユーザの識別情報と対応付けて記録されている。プレイヤ情報は、ユーザがゲームにて利用するニックネーム等を特定するための情報である。プレイ履歴はユーザがゲームをプレイした日時、プレイ回数、プレイ時間、及び対戦成績等のプレイ結果等を記録したログ情報である。また、このプレイ履歴には、ユーザがプロユーザと対戦したことがあるか否かといった対戦相手の情報も記録される。ステータスは、ユーザがゲームをプレイした結果として獲得したステータス、例えば段位、級、レベルといったユーザのゲームにおける格付けを特定するための情報である。また、ユーザがプロユーザか一般ユーザかを識別するための情報もステータスの一種としてプレイデータ24に記録される。
【0027】
図4に戻って制御系の説明を続ける。ゲーム機3には、ユーザの操作に対応した信号を出力する入力装置37、ユーザにゲーム画面100等を提示するための表示装置38、及びカードリーダ39といった各種の入出力装置が設けられる。カードリーダ39は、ユーザの認証に利用されるべき識別情報の一種として、ユーザが所持するカード40に記録されたカード毎にユニークなカードIDを読み取るための装置である。なお、ゲーム機3におけるユーザの認証に利用されるべきユーザの識別情報は、プレイデータ24の特定に利用されるべきユーザの識別情報と異なっていてもよいし、共通であってもよい。両者が異なる場合には、カードIDとプレイデータ24を特定するためのIDとを対応付けておけばよい。
【0028】
次に
図6を参照して特典を使用できる権利を付与する手順について説明する。この図の処理は、マッチング処理部26によって一緒に麻雀ゲームをするユーザのマッチングが完了したときに、ゲーム機3の権利付与部34にて実行される。この処理は、マッチングされた各一般ユーザに対して行われる。権利付与部34は、まずステップS1でプロユーザProとマッチングされたか否か判定する。なお、マッチングされた相手の情報は、マッチング処理部26によるマッチング結果から取得すればよい。プロユーザProとマッチングされたと判定した場合はステップS2に進み、権利付与部34はプロ演出フラグをONの状態に切り替える。そのため、プロ演出フラグがONであることは、その一般ユーザが特典を使用できる権利を有していることを示す。なお、このプロ演出フラグの状態は、プレイデータ24に記録される。その後、
図6の処理を終える。
【0029】
一方、プロユーザProとマッチングされなかったと判定した場合はステップS3に進み、権利付与部34はプロ演出フラグがONの一般ユーザとマッチングされたか否か判定する。プロ演出フラグがONの一般ユーザとマッチングされなかったと判定した場合は、
図6の処理を終える。一方、プロ演出フラグがONの一般ユーザとマッチングされたと判定した場合はステップS2を実行した後、
図6の処理を終える。
【0030】
図7は、特典を付与する手順を示している。
図7の処理は、権利付与部34による処理が終了し、かつゲーム機3のゲーム制御部31によって麻雀ゲームが開始される前に、特典付与部35によって実行される。また、この処理は、マッチングされた各一般ユーザに対して行われる。特典付与部35は、まずステップS11においてプロ演出フラグがONの状態か否か判定する。プロ演出フラグがOFFの状態と判定した場合は、
図7の処理を終える。一方、プロ演出フラグがONの状態と判定した場合はステップS12に進み、特典付与部35は特典付与処理を実行する。なお、この特典付与処理においてセンターサーバ2にプロユーザ用のキャラクタ、BGM、及び演出のデータを要求してもよいし、更新情報として予めセンターサーバ2からこれらのデータを受信しておいてもよい。そして、ゲーム機3のゲーム制御部31は、これらのデータを用いて麻雀ゲームを実行する。その後、
図7の処理を終える。
【0031】
図8は、特典を使用できる権利を取り上げる手順を示している。
図8の処理は、ゲーム機3のゲーム制御部31で麻雀ゲームが終了したときに、権利剥奪部36によって実行される。この処理は、対局を行った各一般ユーザに対して行われる。権利剥奪部36は、まずステップS21で麻雀ゲームでの順位が最下位であったか否か判定する。なお、麻雀ゲームでの順位は、ゲーム管理部27又は他のゲーム機3から送られてくる情報に基づいて判定すればよい。麻雀ゲームでの順位が最下位ではないと判定した場合は、
図8の処理を終える。一方、麻雀ゲームでの順位が最下位であると判定した場合はステップS22に進み、権利剥奪部36はプロ演出フラグをOFFの状態に切り替える。その後、
図8の処理を終える。
【0032】
以上に説明したように、本発明のゲームシステム1では、特典を使用できる権利がプロユーザとマッチングされた一般ユーザに付与されるとともに、権利を有する一般ユーザとマッチングされた一般ユーザにも付与される。そのため、
図3に示したようにプロユーザがゲームに参加することによる効果を多くの一般ユーザに速やかに拡散させることができる。したがって、プロユーザとマッチングされた一般ユーザのみに権利が付与される場合と比較して、より多くの一般ユーザに権利を付与することができる。これにより特典を享受できる一般ユーザを増やすことができる。
【0033】
この権利は、ゲームで最下位になると取り上げられるので、ゲームで1位〜3位になろうとする動機付けを一般ユーザに与えることができる。
【0034】
また、ゲームシステム1では、プロユーザ用のキャラクタ、BGM、及び演出などプロユーザに関連するアイテムが特典として付与される。そのため、プロユーザがゲームに参加しているということを一般ユーザに容易に認識させることができる。
【0035】
なお、上述した形態では、プロユーザPro及び一般ユーザU、Upが本発明の複数のユーザに相当する。マッチング処理部26が本発明のマッチング手段に相当する。プロユーザProが本発明の特定のユーザに相当する。一般ユーザUpが本発明の権利を有するユーザに相当する。ゲーム中で使用できるプロユーザ用のキャラクタ、BGM、及び演出が本発明の特典に相当する。権利付与部34が本発明の権利付与手段に相当する。特典付与部35が本発明の特典付与手段に相当する。権利剥奪部36が本発明の権利剥奪手段に相当する。
【0036】
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。本形態では、ゲーム機3でプレイされるゲームとして麻雀で説明したが、これに限られない。例えば、ポーカーやブラックジャック等のテーブルゲームを含む各種カードゲームや、オセロ、囲碁、将棋等のボードゲームに対しても適用できる。また、ゲーム機は商業用途に利用されるいわゆるアーケードゲーム機に限らない。家庭用の据置型ゲーム機、携帯型ゲーム機、汎用性を有するパーソナルコンピュータ、携帯通信端末(携帯電話を含む。)その他のコンピュータ装置を特定のゲームプログラムと組み合わせてゲーム機として機能させる場合のそのコンピュータ装置も本発明のゲーム機の概念に含まれる。本発明における特定のユーザは、プロ雀士に限らず、麻雀ゲームにおいて著名である者であってもよい。つまり、特定のユーザは、必ずしも現実の世界における競技等で著名な者に限らない。あるいは、文化芸能活動や政治活動、経済活動の世界における著名人を、それらの活動とゲームとの関連性の有無に関わりなく、特定のユーザとして設定することもできる。
【0037】
特典は、プロユーザ用のキャラクタ、BGM、及び演出に限定されない。例えば、コレクター要素のあるアイテムや、ゲームの進行を有利に進めることができるアイテム、さらにはゲームとは関係のない、ユーザ端末装置で利用できる壁紙やアプリ等であってもよい。
【0038】
また、付与される特典は適宜に変化させてもよい。例えば、権利を有する一般ユーザが権利を有した状態で麻雀ゲームで1位〜3位になった回数に応じて特典を変化させてもよい。この場合、例えばプロ演出フラグにはON、OFFの代わりに1位〜3位になった回数を設定すればよい。特典を変化させる場合、プロユーザ又は権利を有する一般ユーザとマッチングされると、プロ演出フラグに「1」が代入される。その後、権利を有する状態で1位〜3位になる毎にプロ演出フラグに1が加算される。そして、例えばプロ演出フラグが「1」の場合には普通演出を、「2」の場合には上演出を、「3」以上の場合には最高演出をそれぞれ付与すればよい。なお、このように特典を変化させる場合には、現在のプロ演出フラグの状態をゲーム画面100に表示させてもよい。例えば、プロ演出フラグが「1」以上になるとゲーム画面100にハートマークを表示させ、プロ演出フラグの数値が大きくなるに従って表示されるハートマークの大きさを大きくすればよい。
【0039】
なお、このように特典を変化させる代わりにユーザに付与される特典の数を変化させてもよい。例えば、プロ演出フラグが「1」の場合にはプロユーザ用のキャラクタを使用でき、「2」の場合にはプロユーザ用のキャラクタ及び演出を使用でき、「3」の場合にはプロユーザ用のキャラクタ、演出、及びBGMを使用できるようにしてもよい。
【0040】
また、実際にプロユーザとマッチングされた一般ユーザに付与される特典と、権利を有する一般ユーザとマッチングされた一般ユーザに付与される特典とを異ならせてもよい。例えば、実際にプロユーザとマッチングされた一般ユーザに付与される特典を、権利を有する一般ユーザとマッチングされた一般ユーザに付与される特典よりも豪華になるようにそれぞれに付与される特典を変化させてもよい。この場合も上述した場合と同様に、プロ演出フラグに数値を代入して一般ユーザが有する権利を区別すればよい。例えば、実際にプロユーザとマッチングされた一般ユーザのプロ演出フラグには「1」を代入し、権利を有する一般ユーザとマッチングされた一般ユーザのプロ演出フラグには「2」を代入して区別すればよい。
【0041】
上述した形態では、麻雀ゲームで最下位になると権利が取り上げられたが、権利を取り上げる条件はこれに限定されない。例えば、麻雀ゲーム終了時の得点が所定の値(例えば、0点)以下の一般ユーザから権利を取り上げてもよいし、麻雀ゲームで一回もあがれなかった一般ユーザから権利を取り上げてもよい。
【0042】
また、付与される特典が1位〜3位になった回数で変化する場合には、最下位になると権利を取り上げる代わりに付与される特典のレベルを下げてもよい。例えば、最高演出が特典として付与されていた一般ユーザが最下位になると、次のゲームで上演出が特典として付与されるようにしてもよい。
【0043】
このような特典が使用できる権利の付与は、予め設定された期間内だけ行われるようにしてもよい。そして、その期間が過ぎると全ての一般ユーザから権利を取り上げてもよい。また、一般ユーザに対して権利を付与するイベントに参加するか否か質問し、イベントに参加すると回答した一般ユーザ(参加ユーザ)に対してのみ権利を付与するようにしてもよい。この場合、イベントに参加しない一般ユーザ(非参加ユーザ)には、プロユーザとマッチングされたゲームの最中だけ特典が付与される。なお、この場合には、非参加ユーザと比較して参加ユーザをプロユーザと優先的にマッチングしてもよいし、非参加ユーザも参加ユーザも分け隔てなくプロユーザとマッチングしてもよい。
【0044】
また、上述した形態では、特典を付与するタイミングとして、マッチングの直後としたが、この例に限られず、任意のタイミングとすることができる。例えば、対局の終了時点において権利を有している一般ユーザに対して特典を付与してもよいし、イベント期間の終了時点において権利を有している一般ユーザに対して特典を付与してもよい。
【0045】
また、複数のユーザをマッチングする場合、権利を有する一般ユーザと比較して権利を有していない一般ユーザをプロユーザ又は権利を有する一般ユーザと優先的にマッチングしてもよい。このようにマッチングすることにより、権利の拡散をさらに促進させることができる。そのため、プロユーザがゲームに参加したことによる効果をさらに多くのユーザに速やかに拡散できる。
【0046】
マッチング処理部26がマッチングを行っているときは、今回のゲームに参加するユーザのうち権利を有するユーザの数やプロユーザの数をゲーム画面100に表示してもよい。
【0047】
上述した形態では、権利付与部34、特典付与部35、及び権利剥奪部36をゲーム機3に設けたが、これらはセンターサーバ2に設けてもよい。
【0048】
以上に説明したように、本発明のゲームシステムは、複数のユーザ(例えば、プロユーザPro、一般ユーザU、Up)をマッチングするマッチング手段(例えば、
図4に記載のマッチング処理部26)と、特定のユーザ(例えば、プロユーザPro)とマッチングされたユーザ(例えば、一般ユーザU)に特典を受ける権利を付与する権利付与手段(例えば、
図4に記載の権利付与部34)と、前記権利を有するユーザ(例えば、一般ユーザUp)に前記特典(例えば、ゲーム中で使用できるプロユーザ用のキャラクタ、BGM、及び演出)を付与する特典付与手段(例えば、
図4に記載の特典付与部35)と、を備え、前記権利付与手段は、前記権利を有するユーザとマッチングされたユーザにも前記権利を付与するものである。
【0049】
このゲームシステムによれば、権利を有するユーザとマッチングされたユーザにも権利が付与されるので、特定のユーザがゲームに参加したことによる効果を多くのユーザに速やかに拡散させることができる。この場合、特定のユーザとマッチングされた場合にのみユーザに権利が付与される場合と比較して、より多くのユーザに権利を付与できる。そのため、特典を享受できるユーザの数を増やすことができる。
【0050】
本発明のゲームシステムの一形態においては、前記複数のユーザがプレイしたゲームの結果において所定の条件を満たしていないユーザから前記権利を取り上げる権利剥奪手段(例えば、
図4に記載の権利剥奪部36)をさらに備えていてもよい。この場合、ゲームの結果において所定の条件を満たすようにゲームをプレイする動機付けをユーザに与えることができる。
【0051】
例えば、前記権利剥奪手段は、前記ゲームで最下位であったユーザから前記権利を取り上げてもよい。この場合、ユーザはゲームで最下位にならないようにゲームをプレイしようとする。
【0052】
本発明のゲームシステムの一形態において、前記特典付与手段は、前記権利を有するユーザが前記権利を有した状態で前記所定の条件を満たした回数に応じてそのユーザに付与する特典を変化させてもよい。例えば、前記特典付与手段は、前記権利を有するユーザが前記権利を有した状態で前記所定の条件を満たした回数が多くなるほどそのユーザに付与する特典を増やしてもよい。このように特典を変化させたり増やしたりすることにより、ユーザにゲームを複数回プレイする動機付けを付与できる。
【0053】
本発明のゲームシステムの一形態において、前記マッチング手段は、前記権利を有するユーザと比較して前記権利を有していないユーザを前記特定のユーザ又は前記権利を有するユーザと優先的にマッチングしてもよい。この場合、権利の拡散をさらに促進させることができる。そのため、より多くのユーザに速やかに権利を拡散できる。従って、特典を享受できるユーザの数をさらに増やすことができる。
【0054】
本発明のゲームシステムの一形態において、前記特典付与手段は、前記権利を有するユーザに、前記特定のユーザに関連するアイテム(例えば、ゲーム中で使用されるプロユーザ用のキャラクタ、BGM、及び演出)を前記特典として付与してもよい。このように特定のユーザに関連するアイテムを付与することにより、この特定のユーザがゲームに参加していることをユーザに容易に認識させることができる。
【0055】
本発明の制御方法は、ゲームシステム(例えば、
図4に記載のゲームシステム1)に組み込まれるコンピュータ(例えば、
図4に記載のセンターサーバ2のゲームサービス管理部21、ゲーム機3のゲーム制御部31)に、複数のユーザ(例えば、プロユーザPro、一般ユーザU、Up)をマッチングするマッチング工程(例えば、
図4に記載のマッチング処理部26が実行する処理)と、特定のユーザ(例えば、プロユーザPro)とマッチングされたユーザ(例えば、一般ユーザU)に特典を受ける権利を付与する権利付与工程(例えば、
図6のステップS1、S2)と、前記権利を有するユーザに前記特典(例えば、ゲーム中で使用できるプロユーザ用のキャラクタ、BGM、及び演出)を付与する特典付与工程(例えば、
図7のステップS11、S12)と、を実行させ、前記権利付与工程では、前記権利を有するユーザとマッチングされたユーザにも前記権利を付与する(例えば、
図6のステップS3、S2)。
【0056】
また、本発明のゲーム機用のコンピュータプログラムは、ゲームシステム(例えば、
図4に記載のゲームシステム1)に組み込まれるコンピュータ(例えば、
図4に記載のセンターサーバ2のゲームサービス管理部21、ゲーム機3のゲーム制御部31)を、複数のユーザ(例えば、プロユーザPro、一般ユーザU、Up)をマッチングするマッチング手段(例えば、
図4に記載のマッチング処理部26)と、特定のユーザ(例えば、プロユーザPro)とマッチングされたユーザ(例えば、一般ユーザU)に所定の権利を付与する権利付与手段(例えば、
図4に記載の権利付与部34)と、前記権利を有するユーザ(例えば、一般ユーザUp)に特典(例えば、ゲーム中で使用できるプロユーザ用のキャラクタ、BGM、及び演出)を付与する特典付与手段(例えば、
図4に記載の特典付与部35)と、として機能させるように構成され、前記権利付与手段は、前記権利を有するユーザとマッチングされたユーザにも前記権利を付与する。
【0057】
本発明の制御方法若しくはコンピュータプログラムが実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【0058】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために各構成の一例を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。