(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
[照光式押釦装置の全体構成]
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における遊技機としてのパチンコ機を示す図である。
図1に示すように、パチンコ機1は、遊技領域11、表示部12、ハンドル13、上皿14、下皿15および照光式押釦装置10を備えている。
【0017】
遊技領域11は、ハンドル13によって打ち出された遊技球が移動する領域である。遊技領域11は、ガラス板を嵌め込んだガラス枠(図示せず)によって覆われている。表示部12は、遊技領域11の中央部付近に配置され、例えば、液晶表示装置からなり、大当抽選を示す画像や大当の期待度を示す画像など、各種演出のための画像の表示を行うものである。ハンドル13は、遊技球の発射操作を行うための装置であり、利用者がハンドル13を捻った状態で保持すると、遊技球が連続発射されるようになっている。上皿14には、球貸操作によって貸し出された遊技球、および、遊技によって獲得した遊技球が貯留される。下皿15には、上皿14から溢れた遊技球が貯留される。
【0018】
照光式押釦装置(以下「押釦装置」と称す)10は、パチンコ機1において下皿15の左側に取り付けられており、所謂チャンスボタンとも称されるものである。例えば、押釦装置10は、所定のタイミングにて発光することによって遊技者に押下操作を行うことを促すようになっている。そして、遊技者が発光中の押釦装置10を押下すると、表示部12にて所定のキャラクタ等が表示されるような演出が行われる。
【0019】
以下、押釦装置10の構成について詳細に説明する。
図2Aは、押釦装置10の上面図である。
図2Bは、押釦装置10の内部に取り付けられている光源用基板105を示した上面図である。
図3は、押釦装置10を分解した分解斜視図である。
図4は、
図2AのEE線で押釦装置10を切断した断面を示す図である。
【0020】
押釦装置10は、
図3に示すように、ケース101、復帰バネ102、可動部材103、ベース部材104、光源用基板105、第1導光部材106、拡散レンズ107、遮光板108、第2導光部材109、ダブルレンズアレイ110、カバー111を備える。なお、
図1〜
図4に示すA方向は押釦装置10を押す方向であり、B方向はA方向と逆向きの方向である。
【0021】
ケース101は、復帰バネ102および可動部材103が挿入される部材である。ケース101は、A方向側に底面が形成されている円筒状部材であり、非透明の着色プラスチックからなる。また、ケース101はパチンコ機1にネジ止めされており、これにより、押釦装置10がパチンコ機1に固定されることになる。
【0022】
可動部材103は、平板状のプラスチックであり、ケース101の底面よりもB方向側に位置するようにケース101に挿入されている。復帰バネ102は、A方向およびB方向に伸縮可能なようにケース101と可動部材103との間に挿入されているスプリングである。
【0023】
次に、カバー111を説明する。カバー111は、B方向側に上面が形成されている円筒形状の部材であり(A方向側に底面は形成されていない)、透明プラスチックからなる。カバー111のA方向側の端部は可動部材103に固定されている。なお、本実施形態では、可動部材103に突起を設け、カバー111のA方向側の端部に前記突起と係合する係合部を設けることにより、カバー111を可動部材103に固定するようになっている。但し、カバー111と可動部材103とを接着することでカバー111を可動部材103に固定するようになっていてもよい。
【0024】
以上の構成によれば、遊技者の手によってカバー111がA方向へ押されると、ケース101は静止している一方、復帰バネ102が圧縮し、カバー111および可動部材103がA方向へ移動するようになっている。そして、遊技者がカバー111から手を離すと、ケース101は静止している一方、カバー111および可動部材103は、復帰バネ102の弾性力(復元力)によって、B方向へ移動し、カバー111が押される前の位置(ホームポジション)に戻るようになっている。つまり、押釦装置10のうち、ケース101、復帰バネ102、可動部材103、およびカバー111は、押釦機能部としての役割を担うものである。
【0025】
つぎに、ベース部材104、光源用基板105、第1導光部材106、拡散レンズ107、遮光板108、第2導光部材109、ダブルレンズアレイ110を順に説明する。
【0026】
ベース部材104は、光源用基板105の台座となる部材である。ベース部材104は、A方向側に底面が形成されている円筒状部材であり、非透明の着色プラスチックからなる。ベース部材104の外径は、カバー111の内径よりも短くなっている。
【0027】
ベース部材104は、カバー111の内側に配置され、且つ、ケース101に嵌められているビス200(
図4参照)に固定されている。具体的には、ケース101には、A方向に貫通している螺子穴が形成されており、ベース部材104には、A方向側に突起している突起部104aと(
図4参照)、突起部104aに形成されている螺子穴とが形成されている。可動部材103には、
図3で示されていないが、突起部104aを挿入するための貫通穴がA方向に貫通している。そして、可動部材103の貫通穴と突起部104aとの間に隙間が空くように突起部104aが可動部材103の貫通穴に挿入されており、ビス200が、ケース101の螺子穴およびベース部材104の突起部104aの螺子穴に嵌められる。これにより、可動部材103がA方向またはB方向に移動可能であると共に、ベース部材104はビス200に固定される状態を保つことになる。つまり、カバー111が押されることによってカバー111および可動部材103がA方向またはB方向に移動しても、ベース部材104は、ケース101と同様に静止状態を保つようになっている。
【0028】
光源用基板105は、ベース部材104の底面よりもB方向側に配置される円盤状のプリント基板である。光源用基板105は、ベース部材104に嵌められているビス201(
図4参照)に固定されている。具体的には、ベース部材104および光源用基板105の各々にはA方向に貫通する螺子穴(
図3では不図示)が形成されており、ビス201はベース部材104の螺子穴および光源用基板105の螺子穴に嵌められる。これにより、光源用基板105は、ベース部材104およびケース101と同じく、遊技者の押圧操作に関係なく、静止状態を保つようになっている。
【0029】
光源用基板105は、押釦装置10の光源を搭載するものであり、B方向側の面に光源として複数のLED素子を搭載している。
図2Bは、光源用基板105のB方向側の面を示した図である。
【0030】
図2Bに示すように、光源用基板105は、第1光源部205と第2光源部305と第3光源部405とを有している。
【0031】
第1光源部205は、光源用基板105のうち、
図3に示す文字型の第1導光部材106に覆われている領域において、一直線上に並ぶように搭載される3個のLED素子205aからなる。なお、3個のLED素子205aは互いに等間隔をあけて配置されており、3個のLED素子205aのうちの中央のLED素子205aは光源用基板105の中心位置に搭載されている。
【0032】
第2光源部305は、光源用基板105に搭載される一対のLED素子305aからなる。具体的には、
図4に示すように、光源用基板105にて、第1導光部材106(106a,106b)の搭載されている箇所と、第2導光部材109の搭載されている箇所との間に、LED素子305aが搭載される。また、第2光源部305の一方のLED素子305aと他方のLED素子305aとは、第1導光部材106を挟んで対向配置されることになる。
【0033】
図3に示すように、第3光源部405は、光源用基板105の外周に沿って等間隔に並ぶように光源用基板105に搭載される複数のLED素子405aからなる。また、第3光源部405に含まれる各LED素子405aは、光源用基板105において、B方向側に第2導光部材109を臨む位置に配される。
【0034】
なお、
図4に示すように、光源用基板105に搭載されているLED素子205a、305a、405aは、A方向側からB方向側へ向けて光を照射するようになっている。
図4に示される太線の矢印(A方向、B方向を示す矢印以外の矢印)は、LED素子205a、305a、405aから照射される光の進行方向を示したものである。
【0035】
第1導光部材106は、光を全反射する材料(例えばアクリル樹脂)からなり、透明性を有する光学部材である。第1導光部材106は、第1光源部205のLED素子205aを覆うように光源用基板105に搭載される。
【0036】
図3にて示されるように、第1導光部材106は、A方向側に形成されており第1光源部205のLED素子205aを覆うための平板状の入射部106aと、入射部106aからB方向に向けて延びる柱状の立設部106bとを有している。
【0037】
入射部106aのうち、光源用基板105の側(A方向側)の面には、光源用基板105と入射部106aとの間に密閉空間を形成するための凹部が形成されている。そして、入射部106aの凹部と光源用基板105との間に第1光源部205の3つのLED素子205aが位置するように、入射部106aが光源用基板105に搭載される。これにより、
図4に示すように、第1光源部205のLED素子205aは光源用基板105および入射部106aに密閉されることになる。なお、光源用基板105と入射部106aとの間に形成される密閉空間は単一であり、第1光源部205の3つのLED素子205aは同じ密閉空間内に配置されている。
【0038】
また、
図4に示すように、入射部106aにおいて、LED素子205aの側の面には、当該LED素子205aの方へ突出した突起Tが形成されている。また、突起TはLED素子205aと同数だけ形成されている。
【0039】
第1導光部材106の立設部106bは、
図3に示すように、B方向側の端面を出射面Mとしており、B方向に垂直な平面で切断した場合の断面と出射面Mとが同じ文字形状になっている柱状部である。立設部106bは、第1光源部205に含まれるLED素子205aと同数形成されている。具体的には、
図3において左側から順に、「X」の形状を示す立設部106bと、「Y」の形状を示す立設部106bと、「Z」の形状を示す立設部106bとが並んでいる。
【0040】
つぎに、第1光源部205のLED素子205aと第1導光部材106の立設部106bとの関係を詳細に説明する。押釦装置10においては、
図4にて示されるように、一つのLED素子205aと一つの突起Tと一つの立設部106bとがB方向に並んでいる。つまり、LED素子205a毎に、LED素子205aからB方向に向けた位置に一つの突起Tと一つの立設部106bとが設けられていることになる。
【0041】
そして、
図4に示すように、LED素子205aは、当該LED素子205aからB方向に向けた方向に位置する突起Tと対向しているが、突起TにおけるLED素子205aと対向している面がLED素子205aの光を入射する入射面になる。また、この入射面から入射した光は、この入射面からB方向に向けた方向に位置する立設部106bによってB方向にストレートに導光され、立設部106bのB方向側の端面である出射面Mから出射するようになっている。
【0042】
これにより、B方向側からA方向側に向けて押釦装置10を見るユーザからすれば、
図2Aに示すように、「XYZ」の形状からなる立設部106bの出射面Mから光が照射されており、「XYZ」の形状をはっきりと認識できるようになっている。
【0043】
また、本実施形態では、
図2Aおよび
図4に示される出射面Mにはシボ加工が施されている。これにより、出射面Mから放たれる光を拡散させることができるため、文字形状の出射面Mをユーザに対してより際立たせることができる。
【0044】
つぎに、拡散レンズ107について説明する。拡散レンズ107は、
図3および
図4に示すように、表面が凸状であり裏面が凹状のドーム型であって、裏面から入射した光を表面から拡散出射する透明な光学部材であり、透明性を有するアクリル樹脂からなる。また、
図3および
図4に示すように、拡散レンズ107は複数の斜面が配列されてなる形状である。
【0045】
拡散レンズ107は、凹状の裏面が光源用基板105のLED素子の搭載側に対向するように、光源用基板105に搭載されている。つまり、拡散レンズ107は、A方向側の面が凹状の裏面になり、B方向側の面が凸状の表面となる。
【0046】
また、拡散レンズ107は、A方向側の面が凹状でありB方向側の面が凸状のドーム型であることから、
図3に示すようにA方向側の端部が円状エッジになっている。この円状エッジと光源用基板105とが密着するように拡散レンズ107が光源用基板105に搭載されている。そして、
図4に示すように、拡散レンズ107の円状エッジは、光源用基板105において、第3光源部405の各LED素子405aよりも光源用基板105の中心側に位置し、且つ、第1光源部205の各LED素子205aおよび第2光源部305の各LED素子305aよりも光源用基板105の外周側に位置する。
【0047】
さらに、
図3に示すように、拡散レンズ107には、裏面の側から前記表面の側に貫通する貫通穴107aが形成されている。貫通穴107aの輪郭は、第1導光部材106の立設部106bの断面および出射面Mの文字形状と同一の文字形状であり、遊びを有する状態で立設部106bが嵌め込まれるように立設部106bの断面よりも僅かに面積が広くなっている。
【0048】
そして、
図4に示されるように、第1導光部材106は、入射部106aが第1光源部205の各LED素子205aを覆い、立設部106bが貫通穴107aに嵌められつつ、光源用基板105に搭載されている。なお、第1導光部材106の立設部106bは、拡散レンズ107に接着剤等で接着されることなく、拡散レンズ107との間で遊びを有する状態で、拡散レンズ107の貫通穴107aに嵌められる。
【0049】
さらに、
図4に示すように、第2光源部305のLED素子305aからB方向に向けた方向には拡散レンズ107が位置しており、LED素子305aと拡散レンズ107の裏面とが対向している。これにより、第2光源部305のLED素子305aから放たれる光は、拡散レンズ107の裏面から拡散レンズ107に入射し、拡散レンズ107の表面から拡散されるようになっている。また、第2光源部305の光は、第1導光部材106の壁面に照射されても、第1導光部材106によって全反射されるため、第1導光部材106への入射が妨げられるようになっている。
【0050】
つぎに、遮光板108を説明する。遮光板108は、中空円筒部材であり、外周面および内周面が鏡面になっている光反射部材である。
【0051】
遮光板108は、
図3および
図4に示すように、拡散レンズ107と第2導光部材109との間に取り付けられる。つまり、第1光源部205(LED素子205a)、第1導光部材106、第2光源部305(LED素子305a)、拡散レンズ107が遮光板108の内周側に配置され、第3光源部405(LED素子405a)、第2導光部材109が遮光板108の外周側に配置される。
【0052】
これにより、遮光板108の内周側に位置する第1光源部205および第2光源部305から放たれる光が遮光板108の外周側にて進行する光の光路(第3光源部405の光の光路)に漏れてしまう事が抑制され、遮光板108の外周側に位置する第3光源部405から放たれる光が遮光板108の内周側にて進行する光の光路(第1光源部205、第2光源部305の光の光路)に漏れてしまう事が抑制される。例えば、
図4に示すように、第2光源部305のLED素子305aから射出されて拡散レンズ107にて拡散される光が、第2導光部材109の方向へ向かっていても、第2導光部材109に到達せずに遮光板108にて反射されてB方向側へ向かうようになっている。
【0053】
つぎに、第2導光部材109について説明する。第2導光部材109は、光を全反射する材料(例えばアクリル樹脂)からなり、透明性を有する光学部材である。第2導光部材109は、第3光源部405のLED素子405aのB方向側に位置するように光源用基板105に搭載される。これにより、
図4に示されるように、光源用基板105と第2導光部材109との間に第3光源部405のLED素子405aが配置されることになる。
【0054】
第2導光部材109は、
図3および
図4に示すように、A方向側に形成されており第3光源部405のLED素子405aと対面するリング状の入射部109aと、入射部109aからB方向に向けて延びる棒状の立設部109bとを有している。
【0055】
入射部109aのA方向側の面において、LED素子405aと対向していない部分には、LED素子405aとの対向部分よりもA方向に突出している突起部109c(
図4参照)が形成されている。この突起部109cは光源用基板105上にて第2導光部材109を支持する支持柱として機能する。つまり、突起部109cが光源用基板105に密着することにより、第2導光部材109の入射部109aのうちLED素子405aとの対向部分と、光源用基板105との間にスペースが形成されつつ、第2導光部材109が光源用基板105に搭載されることになる。つまり、
図4に示すように、第2導光部材109の入射部109aと光源用基板105との間のスペースに、第3光源部405のLED素子405aが配置される。
【0056】
第2導光部材109の立設部109bは、
図3および
図4に示すように、入射部109aからB方向に向けて延びており、B方向側の端面が出射面R(
図5参照)になっている柱状部である。立設部109bはLED素子405aと同数形成されている。具体的には、
図3に示すように、入射部109aのB方向側において、入射部109aの外周に沿って等間隔に立設部109bが並んでいる。なお、LED素子405a毎に、LED素子405aからB方向に向けた位置に立設部109bが一つ配置されることになる。
【0057】
つぎに、ダブルレンズアレイ110について説明する。ダブルレンズアレイ110は、B方向側に上面が形成されている円筒形状の光学部材であり(A方向側に底面は形成されていない)、透明なアクリル樹脂からなる。ダブルレンズアレイ110のA方向側の端部は光源用基板105およびベース部材104に固定されている。そして、
図3および
図4にて示されるように、光源用基板105とダブルレンズアレイ110の上面との間に、第1導光部材106、拡散レンズ107、遮光板108、第2導光部材109が配置される。
【0058】
図3に示すように、ダブルレンズアレイ110の上面には、立設部109bの数と同数のレンズ部110aが形成されている。レンズ部110aは、ダブルレンズアレイ110の上面において、当該上面の外周に沿って等間隔に並んでいる。
【0059】
レンズ部110aは、
図5に示すように、入射した光を拡散して出射する光拡散部である。レンズ部110aにおいて、B方向側は出射面Sであり、A方向側は入射面Nになっている。出射面Sはレンズ部110aの表面であり、入射面Nは、出射面Sの裏側に形成されており、レンズ部110aの裏面をなす。
【0060】
また、
図4および
図5に示すように、1つのレンズ部110aの出射面Sは、光の出射方向(B方向)に凸状の単一の球面になっている。これに対し、1つのレンズ部110aの入射面Nは、光の入射方向と逆方向(A方向)に凸状の球面(出射面Nの球面よりも小さな球面)が複数形成されている形態である。
【0061】
そして、
図5に示すように、LED素子405a毎に、LED素子405aからB方向に向けた位置に一つの立設部109bと一つのレンズ部110aとが設けられており、当該立設部109bの出射面(端面)Rと当該レンズ部110aの入射面Nとは僅かな隙間を挟んで対面している。なお、立設部109bの出射面Rは、この出射面RのB方向側にて出射面Rと対面している入射面Nよりも狭くなるように設計されている。
【0062】
そして、
図4に示されるように、LED素子405aから放たれる光は、第2導光部材109の入射部109aから第2導光部材109に入射し、当該LED素子405aのB方向側に位置する立設部109bによってB方向にストレートに導光され、立設部109bの出射面Rから出射し、当該LED素子405aのB方向側に位置するレンズ部110aの入射面Nからレンズ部110aに入射する。さらに、レンズ部110aに入射する光は入射面Nの複数の球面によって出射面Sに集光され、出射面Sに集光された光は外部へ向けて拡散する。このように、レンズ部110aにおいて一旦集光した光を拡散しているため、レンズ部110aから拡散される光は煌びやかになる。
【0063】
また、
図3に示すように、ダブルレンズアレイ110の上面には、A方向の側からB方向の側へ貫通する貫通穴110bが形成されている。貫通穴110bの輪郭は、貫通穴107aの輪郭と同一形状である。つまり、貫通穴110bの輪郭は、第1導光部材106の立設部106bの断面および出射面Mの文字形状と同一の文字形状であり、遊びを有する状態で立設部106bが嵌め込まれるように立設部106bの断面よりも僅かに面積が広くなっている。そして、
図4に示されるように、第1導光部材106の立設部106bの出射面Mが貫通穴110bからB方向側に突出するように、第1導光部材106の立設部106bが貫通穴110bに嵌め込まれている。なお、第1導光部材106の立設部106bは、ダブルレンズアレイ110に接着剤等で接着されることなく、ダブルレンズアレイ110との間で遊びを有する状態で、ダブルレンズアレイ110の貫通穴110bに嵌められる。
【0064】
また、
図4に示すように、カバー111の上面とダブルレンズアレイ110の上面のレンズ部110aの出射面Sとが対面し、カバー111の上面と第1導光部材106の出射面Mとが対向するように、カバー111がケース101に固定されている。これにより、カバー111の上面と、光源用基板105との間に、第1導光部材106、拡散レンズ107、遮光板108、第2導光部材109、ダブルレンズアレイ110が配置されることになる。
【0065】
以上の構成によれば、
図4に示すように、LED素子205a(第1光源部205)の光は、拡散レンズ107およびダブルレンズアレイ110を通ることなく、第1導光部材106によってB方向に向けて導光され、ダブルレンズアレイ110よりもB方向側において第1導光部材106の出射面Mから出射し、カバー111を通過して外部に放たれるようになっている。また、LED素子305a(第2光源部305)の光は、拡散レンズ107によって拡散された後、カバー111を通過して外部に放たれるようになっている。さらに、LED素子405a(第3光源部405)の光は、第2導光部材109によってB方向に向けて導光され、ダブルレンズアレイ110のレンズ部110a(
図5参照)にて一旦集光されてから拡散され、カバー111を通過して外部に放たれるようになっている。
【0066】
[ダブルレンズアレイ110について]
以下では、ダブルレンズアレイ110の利点を説明する。前述したように、本実施形態の押釦装置10は、第3光源部405と、ダブルレンズアレイ110とを備えている。そして、ダブルレンズアレイ110は、
図4および
図5に示すように、表側の出射面Sと裏側の入射面Nとからなるレンズ部110aが1以上形成されており、第3光源部405から射出される光を入射面Nから入射し、入射した光を出射面Sから外部へ向けて出射するようになっている。さらに、一つのレンズ部110aの出射面Sには、光の出射方向に凸となる単一の球面が形成されており、1つのレンズ部110aの入射面Nには、光の入射方向とは逆向きの凸部であり且つ出射面Sの球面よりも小さな球面が複数形成されている構成である。
【0067】
このような構成によれば、
図4および
図5に示すように、入射面Nからレンズ部110aへ入射する光は、入射面Nの複数の球面によって出射面Sに集光され、出射面Sに集光された光は外部へ向けて拡散するようになっている。このように、レンズ部110aによって一旦集光した光を拡散しているため、高輝度の光源を用いずに低輝度の光源でも、レンズ部110aからの照射光を煌びやかにできる。
【0068】
なお、レンズ部110aの出射面Sは、光の出射方向に凸になっており且つ出射方向に光を拡散する形態であれば、球面形状に限定されるものではなく、例えば非球面形状になっていてもよい。但し、出射面Sにおける光拡散機能を高めるには、本実施形態のように出射面Sを球面形状とすることが好ましい。また、レンズ部110aの入射面Nは、光の出射方向に凸になっている凸部が複数形成されており且つ入射方向に集光する形態であれば、当該凸部が球面形状であることに限定されるものではなく、例えば当該凸部が非球面形状であってもよい。但し、入射面Nにおける集光機能を高めるには、本実施形態のように、入射面Nに形成されている凸部が球面形状であることが好ましい。
【0069】
また、本実施形態の押釦装置10は、
図3〜
図5に示すように、第3光源部405から射出された光を入射して導光する第2導光部材109を有し、第2導光部材109には、レンズ部110aの入射面Nに向かって伸びる立設部109bが形成され、立設部109bは、レンズ部110aの入射面Nと対向しており当該入射面Nへ光を出射する出射面(端面)Rを有している。そして、立設部109bの出射面Rは、当該出射面Rと対向する入射面Nよりも狭くなっている。
【0070】
この構成によれば、第2導光部材109の立設部109bの出射面Rから出射した光を入射面N全体に拡散させることができ、且つ、立設部109bの出射面Rから出射する光のうち入射面Nに入射せずに漏れてしまう光の量を抑制できる。それゆえ、第3光源部405から射出されて第2導光部材109に入射する光を有効利用でき、低輝度の光源でも照射光をより煌びやかにできるという効果を奏する。
【0071】
[第1導光部材106および拡散レンズ107について]
つぎに、第1導光部材106および拡散レンズ107の利点を説明する。前述したように、本実施形態の押釦装置10は、光源用基板105と、第1光源部205および第2光源部305と、第1導光部材106と、拡散レンズ107とを備える。
【0072】
拡散レンズ107は、表面が凸状であり裏面が凹状のドーム型になっており、前記裏面が光源用基板105に対向するように配置されている。第1光源部205および第2光源部305は、光源用基板105における拡散レンズ107と対向する側に搭載される。第1導光部材106は、拡散レンズ107の裏面の側から表面の側に貫通するように拡散レンズ107に形成される貫通穴107aに嵌められ、一端側が第1光源部205を覆うように光源用基板105に搭載され、他端側が拡散レンズ107よりもB方向(拡散レンズ107の裏面から表面へ向かう方向)に向けて突出している。
【0073】
そして、第2光源部305の光は、拡散レンズ107の裏面から拡散レンズ107に入射し、拡散レンズ107の表面から拡散されることによって、外部へ向けて照射されるようになっている。これに対し、第1光源部205の光は、第1導光部材106の一端側のうち第1光源部205と対向している入射部106aから第1導光部材106に入射して第1導光部材106の内部を導光し、第1導光部材106の他端側の端面(出射面M)から出射することによって、外部へ向けて照射されるようになっている。
【0074】
以上の構成によれば、第2光源部305の光は拡散レンズ107の表面から拡散出射することで外部へ向けて照射され、第1光源部205の光は第1導光部材106に導光されて第1導光部材106の出射面Rから出射することで外部へ向けて照射されるようになっている。
【0075】
さらに、以上の構成によれば、第1光源部205は光源用基板105および第1導光部材106に覆われていることになるため、第1光源部205の光が第1導光部材106と光源用基板105との間から漏れてしまうことを抑制でき、第2光源部305から射出されて拡散レンズ107に到達する光に第1光源部205の光が混ざるといった事態を抑制できる。また、第2光源部305から放たれる光が第1導光部材106と光源用基板105との間に入ってしまうことも抑制できるため、第1光源部205から第1導光部材106に入射する光に第2光源部305の光が混ざるといった事態を抑制できる。このように、第1光源部205の光と第2光源部305の光とが混ざるといった事を抑制できるため、押釦装置10を見る者にとっては、押釦装置10のうち、第1光源部205からの光が照射されている領域と第2光源部305からの光が照射されている領域とを明確に区別できるという効果を奏する。これにより、第1導光部材106のB方向側の端面(出射面M)を所定形状(本実施形態では文字形状)にすることで、当該所定形状をユーザに明確に示すことができるというメリットを有する。
例えば、第2光源部305の一対のLED素子305aの光をいずれも同色にし、第1光源部205の3つのLED素子305aの光の色を第2光源部305のLED素子305aの光の色と異ならせればよい。これにより、第1導光部材106の所定形状の出射面Mから放たれる光の色と、第1導光部材106の周囲において拡散レンズ107にて拡散される光の色とが異なることになり、ユーザは所定形状を明確に認識できることになる。なお、第1光源部205の3つのLED素子305aの光の色は第2光源部305のLED素子305aの光の色と異なってさえいれば、3つのLED素子305aの光の色は互いに同じでもよいし互いに異ならせていてもよい。また、前記の所定形状としては、文字形状、文字以外の装飾的形状(星型等)、パチンコ機1に採用されているキャラクタの輪郭等であってもよい。但し、本実施形態では、前記の所定形状は文字形状になっている。具体的には、本実施形態の第1導光部材106は、一端側(A方向側)に形成されており第1光源部205のLED素子205aを覆う入射部106aと、入射部106aから第1導光部材106の他端側(B方向側)へ向けて延びる柱状の立設部106bとを有しており、立設部106bの前記他端側(B方向側)の端部が出射面Mになっており、立設部106bの断面および出射面Mが互いに同じ文字形状になっている。これにより、文字形状の出射面から第1光源部205の光を出射させることによって当該文字形状を際立たせることができる。
【0076】
また、本実施形態の構成によれば、第1光源部205と第2光源部305との間に遮光板を取り付けなくても、前述したように、第1光源部205の光路に第2光源部305の光が漏れることや第2光源部305の光路に第1光源部205の光が漏れることを抑制できるため、特許文献1(特開2010−33860号公報)の構成よりも部品点数を削減できるという効果を奏する。
【0077】
さらに、本実施形態の第1導光部材106の出射面Mにはシボ加工が施されている。シボ加工されている出射面は光を拡散させる効果があるため、文字形状の出射面Mをユーザに対してより際立たせることができるという効果を奏する。
【0078】
また、本実施形態において、第1導光部材106の立設部106bは、拡散レンズ107およびダブルレンズアレイ110に接着されることなく、拡散レンズ107の貫通穴107a、および、ダブルレンズアレイ110の貫通穴に嵌められている。言い換えると、立設部106bは、拡散レンズ107およびダブルレンズアレイ110に対して遊びを有する状態で、拡散レンズ107の貫通穴およびダブルレンズアレイ110の貫通穴に嵌められている。このように、拡散レンズ107およびダブルレンズアレイ110に立設部106bを接着させずに単に嵌め込むようにすれば、第2光源部305から射出される光が第1導光部材106に入射してしまう事態を一層抑制できる。この理由は以下の通りである。仮に、ダブルレンズアレイ110の貫通穴110aにおいて立設部106bとダブルレンズアレイ110とを接着剤で接着したり、拡散レンズ107の貫通穴107aにおいて立設部106bと拡散レンズ107とを接着剤で接着した場合、接着剤により形成される接着層を介して第2光源部305から射出される光が第1導光部材106に入射してしまう事態が生じることがあるが、接着しなければ当該事態は生じないためである。
【0079】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。