特許第6060742号(P6060742)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6060742
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】外用液体組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/196 20060101AFI20170106BHJP
   A61K 31/192 20060101ALI20170106BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20170106BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20170106BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20170106BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20170106BHJP
【FI】
   A61K31/196
   A61K31/192
   A61K9/08
   A61K47/12
   A61K47/10
   A61P29/00
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-46537(P2013-46537)
(22)【出願日】2013年3月8日
(65)【公開番号】特開2014-172857(P2014-172857A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2015年7月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079304
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100114513
【弁理士】
【氏名又は名称】重松 沙織
(74)【代理人】
【識別番号】100120721
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 克成
(74)【代理人】
【識別番号】100124590
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100157831
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 克彦
(72)【発明者】
【氏名】丸山 美由紀
(72)【発明者】
【氏名】石川 聡之
【審査官】 伊藤 基章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−280634(JP,A)
【文献】 特開2008−074873(JP,A)
【文献】 特開2003−160485(JP,A)
【文献】 特開2001−199883(JP,A)
【文献】 特開2002−020274(JP,A)
【文献】 特開2003−104877(JP,A)
【文献】 特開2003−206224(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/196
A61K 31/192
A61K 9/08
A61K 47/12
A61K 47/10
A61P 29/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ジクロフェナク、フェルビナク、ロキソプロフェン及びこれらの塩から選ばれる1種以上、(B)リンゴ酸及びその塩から選ばれる1種以上、及び(C)水を含有し、pHが6〜8である外用液体組成物。
【請求項2】
(A)成分が、ジクロフェナク、フェルビナク及びこれらの塩から選ばれる1種以上である請求項1記載の外用液体組成物。
【請求項3】
(A)成分が、ロキソプロフェン及びこれらの塩から選ばれる1種以上である請求項1記載の外用液体組成物。
【請求項4】
(B)成分が、DL−リンゴ酸又はその塩である請求項1〜3のいずれか1項記載の外用液体組成物。
【請求項5】
(A)成分の含有量が、組成物中0.5〜10質量%である請求項1〜4のいずれか1項記載の外用液体組成物。
【請求項6】
(B)成分の含有量が、リンゴ酸として組成物中0.1〜5質量%である請求項1〜のいずれか1項記載の外用液体組成物。
【請求項7】
(A)/(B)で表される(A)成分と(B)成分との含有質量比が、0.2〜50である請求項1〜6のいずれか1項記載の外用液体組成物。
【請求項8】
(C)成分の含有量が、組成物中5〜60質量%である請求項1〜7のいずれか1項記載の外用液体組成物。
【請求項9】
さらに、(D)エタノール30〜80質量%を含有する請求項1〜のいずれか1項記載の外用液体組成物。
【請求項10】
(C)/(D)で表される(C)成分と(D)成分との含有質量比が、0.1〜2である請求項9記載の外用液体組成物。
【請求項11】
さらに、ジイソプロパノールアミンを含有する請求項1〜10のいずれか1項記載の外用液体組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(A)ジクロフェナク、フェルビナク、ロキソプロフェン及びこれらの塩から選ばれる1種以上を含有する外用組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ジクロフェナク、フェルビナク、ロキソプロフェン及びこれらの塩は、外用鎮痛消炎剤の有効成分として配合される。これらの有効成分を、水を含有する水性組成物に配合した場合、組成物中の沈殿・浮遊物が発生、経時によって、組成物中の上記有効成分の含有量が低下し、組成物が黄褐色〜茶褐色に変色する問題があった。これに対し、組成物を予め着色することにより、経時による変色を目立たなくする方法等があるが、外用組成物は、塗布後に衣服を汚染することが懸念されるので、経時による、有効成分の含有量低下及び組成物の変色を抑制する技術が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−6790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、ジクロフェナク、フェルビナク、ロキソプロフェン及びこれらの塩と水とを含有する外用組成物であって、組成物中の沈殿・浮遊物が抑制され、経時による、上記有効成分の含有量低下及び組成物の変色が抑制された、外用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、ジクロフェナク、フェルビナク、ロキソプロフェン及びこれらの塩から選ばれる1種以上と水とを含有する組成物のpHを6〜8にし、リンゴ酸及びその塩から選ばれる1種以上を配合することにより組成物中の沈殿・浮遊物が抑制されると共に、経時による上記成分の組成物中の含量が低下、黄褐変色が抑制されることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0006】
従って、本発明は下記発明を提供する。
[1].(A)ジクロフェナク、フェルビナク、ロキソプロフェン及びこれらの塩から選ばれる1種以上、(B)リンゴ酸及びその塩から選ばれる1種以上、及び(C)水を含有し、pHが6〜8である外用液体組成物。
[2].(A)成分が、ジクロフェナク、フェルビナク及びこれらの塩から選ばれる1種以上である[1]記載の外用液体組成物。
[3].(A)成分が、ロキソプロフェン及びこれらの塩から選ばれる1種以上である[1]記載の外用液体組成物。
[4].(B)成分が、DL−リンゴ酸又はその塩である[1]〜[3]のいずれかに記載の外用液体組成物。
[5].(A)成分の含有量が、組成物中0.5〜10質量%である[1]〜[4]のいずれかに記載の外用液体組成物。
[6].(B)成分の含有量が、リンゴ酸として組成物中0.1〜5質量%である[1]〜[]のいずれかに記載の外用液体組成物。
[7].(A)/(B)で表される(A)成分と(B)成分との含有質量比が、0.2〜50である[1]〜[6]のいずれかに記載の外用液体組成物。
[8].(C)成分の含有量が、組成物中5〜60質量%である[1]〜[7]のいずれかに記載の外用液体組成物。
[9].さらに、(D)エタノール30〜80質量%を含有する[1]〜[]のいずれかに記載の外用液体組成物。
[10].(C)/(D)で表される(C)成分と(D)成分との含有質量比が、0.1〜2である[9]記載の外用液体組成物。
[11].さらに、ジイソプロパノールアミンを含有する[1]〜[10]のいずれかに記載の外用液体組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ジクロフェナク、フェルビナク、ロキソプロフェンナトリウム及びこれらの塩から選ばれる1種以上と水とを含有する外用組成物であって、組成物中の沈殿・浮遊物が抑制され、経時による、上記有効成分の含有量低下及び組成物の変色が抑制された、外用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の外用組成物は、(A)ジクロフェナク、フェルビナク、ロキソプロフェン及びこれらの塩から選ばれる1種以上、(B)リンゴ酸及びその塩から選ばれる1種以上、及び(C)水を含有し、pHが6〜8である外用組成物。
【0009】
(A)ジクロフェナク、フェルビナク、ロキソプロフェン及びこれらの塩から選ばれる1種以上
本発明の(A)成分は、ジクロフェナク、フェルビナク、ロキソプロフェン及びこれらの塩から選ばれる1種以上であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。塩としては、上記の薬学的に許容される塩が挙げられ、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム等が挙げられる。(A)成分としては、ジクロフェナクナトリウム、フェルビナク、ロキソプロフェンナトリウムが好ましく、フェルビナクがより本発明の効果が発揮され好ましい。
【0010】
(A)成分の組成物中の含有量は、その有効量であり、薬剤により適宜選択されるが、0.5〜10質量%が好ましく、1〜6質量%がより好ましい。通常、組成物中0.5質量%以上配合すると薬物の効果をより得ることができる。一方、10質量%を超えて配合しても効果もさほど高くはならず、組成物の均一性を保つのが難しくなるおそれがある。
【0011】
(B)リンゴ酸及びその塩から選ばれる1種以上
本発明において、(B)リンゴ酸及びその塩から選ばれる1種以上を配合することにより、経時による(A)成分の含有量低下抑制効果及び組成物の変色抑制効果が得られ、(B)成分は(A)成分の経時安定化成分、組成物変色抑制成分として作用する。リンゴ酸には、D体、L体、DL体があり、汎用性の高く水に対する溶解性が高いDL−リンゴ酸が好ましい。リンゴ酸は塩で配合されてもよく、リンゴ酸塩としては、リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酸カリウム等が挙げられる。
【0012】
(B)成分の含有量は、リンゴ酸として組成物中0.1〜5質量%が好ましく、0.1〜3質量%がより好ましく、0.2〜1.5質量%がさらに好ましい。リンゴ酸として組成物中0.1〜5質量%とすることで、(A)成分の含有量低下を抑制する効果、組成物の変色を抑制する効果がより発揮される。
【0013】
(A)/(B)で表される含有質量比は、0.2〜50が好ましく、0.5〜20がより好ましく、0.8〜20がさらに好ましい。この範囲とすることで、(A)成分の含有量低下を抑制する効果、組成物の変色を抑制する効果がより発揮される。
【0014】
(C)水
本願発明の組成物は水を含む水性組成物であり、水性組成物であるため、経時による(A)効成分の含有量低下、組成物の変色等の課題が特に生じるものである。(C)成分の組成物中の含有量は、通常5〜60質量%であり、10〜45質量%がより好ましく、15〜45質量%が特に好ましい。
【0015】
(D)アルコール
本発明の組成物は、水の他に低級(炭素数1〜4)アルコールを配合することが好ましい。低級(炭素数1〜4)アルコールとしては、例えば、エチルアルコール、メチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール等が挙げられる。これらの中でも、臭い、刺激等の点から、エチルアルコール(エタノール)が好ましい。
【0016】
(D)成分の組成物中の含有量は、30〜80質量%が好ましく、40〜80質量%がより好ましく、50〜80質量%がさらに好ましい。(D)成分の含有量が80質量%を超えると、刺激を生じるおそれがある。
【0017】
また、(C)/(D)で表される含有質量比は、0.1〜2が好ましく、0.2〜0.8がより好ましい。上記比率以上とすることで、経時による(A)成分の含有量低下抑制効果及び組成物の変色抑制効果がより発揮され、上記比率以下とすることで、組成物中に沈殿・浮遊物がなく、より均一な組成物を得ることができる。
【0018】
組成物のpH(25℃)は、6〜8が好ましく、6.4〜8.0がより好ましい。この範囲とすることで、(A)成分の含有量低下を抑制する効果、組成物の変色を抑制する効果がより発揮される。pHが6未満だと、(A)成分のオリが発生しはじめる。一方、8より高い場合は、組成物の変色を抑制する効果が不十分となる。
【0019】
pH調整剤としては、クエン酸、乳酸等の有機酸、塩酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トロメタモール等が挙げられる。経時による(A)成分の含有量低下抑制の点から、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、特に塩酸等の無機酸の含有量はより少ないほうが好ましく、含有しないほうが望ましい。
【0020】
本発明の外用組成物には、皮膚等の外用剤に使用される薬物、添加物を、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば以下に挙げる成分を1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合することができる。しかしながら、(A)〜(D)成分以外の成分が多すぎると、組成物の均一な調製が難しくなるおそれがあるため、上記(A)〜(D)成分以外の成分が、組成物中20質量%以下、より好ましくは15質量%以下とすることが望ましい。下限は特に限定されないが、0質量%でもよく、0〜10質量%としてもよい。
【0021】
清涼化剤としては、精油、例えばl−メントール、dl−メントール、カンフル、dl−カンフル、ハッカ油、スペアミント油、ペパーミント油等が挙げられる。
【0022】
界面活性剤としては、例えば、化粧品、医薬品、医薬部外品等一般外用剤に使用される界面活性剤であれば特に制限はない。親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、及び、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0023】
親水性の非イオン界面活性剤としては、例えば、自己乳化型グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンフィトスタノール、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル(ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ酸オレイン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル)等が挙げられる。上述の非イオン界面活性剤等以外に、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸セッケン類、ラウリル硫酸ナトリウム、POEラウリル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル類、ラウロイルサルコシンナトリウム、ココイル−N−メチルタウリンナトリウム、ラウリルグルタミン酸ナトリウム等のアシル化アミノ酸塩類、モノラウリルリン酸ナトリウム等のリン酸エステル塩等のアニオン界面活性剤、第4級アンモニウム塩等のカチオン界面活性剤等を挙げることができる。
【0024】
高級アルコールとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール、オクチルドデカノール等が挙げられる。
【0025】
高級脂肪酸としては、特に限定されるものではないが、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等が挙げられる。
【0026】
ステロール類としては、特に限定されるものではないが、例えば、コレステロール、コレスタノール、ラノステロール、デヒドロコレステロール等の動物性ステロール、βシトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、エルゴステロール等の植物性ステロール、ミコステロール、チモステロール等の微生物由来のステロール類等が挙げられる。これらは、そのままでも、安定化のために水素添加等の化学処理を施されていてもよい。
【0027】
油性成分としては、スクワラン、流動パラフィン等の炭化水素類、オリーブ油、マカデミアンナッツ油、ホホバ油等の植物油、牛脂等の動物油、パルミチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ヒドロキシステアリン酸フィトステリル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル等の重縮合物等のエステル類、ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、シクロメチコン等のシリコーン類等を挙げることができる。
【0028】
保湿成分としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0029】
香料としては、ユーカリ油、ラベンダー油、ローズマリー油、レモン油、オレンジ油、グレ−プフルーツ油等の精油、ラベンダー香料、ハーブ香料、ローズマリー香料、柑橘系香料、グレープフルーツ香料等が挙げられる。
【0030】
防腐剤としては、パラベン類、安息香酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。
【0031】
粘度調整剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒアルロン酸、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、カラギーナン、キサンタンガム、プルラン等の水溶性高分子等が挙げられる。
【0032】
その他の有効成分としては、ノニル酸ワニリルアミド、乳酸メンチル、カンタリスチンキ等の局所刺激剤、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸ベンジルエステル、カプサイシン、トウガラシチンキ、塩化カルプロニウム、センブリエキス、アルニカチンキ等の血行促進剤、ユーカリ油、オサンショウエキス等の生薬成分、グリチルレチン酸及びこの塩、グリチルリチン酸及びこの塩、グリチルリチン、グアイアズレン等の抗炎症剤、アミノ酸等のNMF成分、水溶性コラーゲン、エラスチン、サリチル酸、セラミド等の肌荒れ防止剤、パントテン酸、トコフェロール、トコフェロール酢酸エステル、レチノール、ビタミンA酸等の抗老化剤や各種ビタミン類やその誘導体、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、エラグ酸、ルシノール、グリシン亜鉛錯体、トラネキサム酸及びその誘導体等の美白剤、キレート剤としてエデト酸ナトリウム水和物等を挙げることができる。
【0033】
本発明の外用組成物の剤型としては、液体組成物が好ましい。液体組成物としては特に限定されず、適宜容器に充填されて用いられ、スポンジ状、ボール状等の塗布部を有するものでもよい。
【0034】
本発明の外用組成物の色差は、衣類への汚染を抑制する点から、分光色差計の黄色度(b*値)が、5以下が好ましく、2以下がより好ましい。下限は特に限定されず、0でもよい。外用組成物の色差の測定方法は、分光色差計を用いて測定する。精製水にて0補正をし、組成の黄色度(b*値)を求める。より詳細には、測定温度は15〜25℃の常温、セルの光路長は10mm、ガラス製のセルを用いて測定する。
【0035】
色素は、上記点から配合しない方が好ましいが、場合によっては、b*値2以下となるように、法定色素(染料、顔料、レーキ)等を配合してもよい。
【0036】
本発明の外用組成物の調製法としては、特に制限されるものではないが、次の公知の方法で容易に行うことができる。例えば、スリーワンモーター、パドルミキサー、ホモミキサー等の通常の攪拌、乳化装置が使用できる。これらを用い、均一な溶液に調製する。
【0037】
また、本発明は、(A)ジクロフェナク、フェルビナク、ロキソプロフェン及びこれらの塩から選ばれる1種以上及び(C)水を含有し、pHが6〜8である外用組成物に配合するための組成物変色抑制剤であって、(B)リンゴ酸及びその塩から選ばれる1種以上からなる組成物変色抑制剤を提供する。好適範囲等は上記と同様である。
【実施例】
【0038】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%、比率は質量比を示す。
【0039】
[実施例1〜18、比較例1〜5]
表1〜6に示す組成の液体組成物を、スリーワンモーターにて撹拌し、均一な溶液に調製した。得られた液体組成物について、下記方法で外観を評価し、得られた液体組成物50mLを内径35mmのプラスチック製で蓋を有するガラス製スクリュー管に充填し、60℃・2週間保存した。保存後について下記(2),(3)の評価を行った。
【0040】
(1)外観
内径35mmのプラスチック製で蓋を有するガラス製スクリュー管に充填された液体組成物を白色の背景を用い、目視判定した。結果を下記基準で示す。
<基準>
◎:オリ濁りが全くなく澄明。
○:若干の濁りはあるが均一且つ3分間の遠心処理※で沈殿・浮遊物を認めない。
△:若干の濁りはあり均一且つ3分間の遠心処理※で沈殿・浮遊物を認める。
×:不均一又はオリ、濁りが認められる。
※2000rpm・3分間・常温
【0041】
(2)(A)成分の含有量低下抑制
60℃・2週間保存後の(A)成分含量を、高速液体クロマトグラフィーを使用し、内部標準法にて定量確認した。製造直後の(A)成分含量と比較し、下記式で含量低下率(%)を求め、結果を下記基準で示す。

含量低下率(%)=(製造直後の(A)成分含量−60℃・2週間保存後の(A)成分含量)/製造直後の(A)成分含量*100
<基準>
◎:0.3%未満
○:0.3%以上0.5%未満
△:0.5%以上1.0%未満
×:1.0%以上
【0042】
(3)組成物の変色抑制
60℃・2週間保存後の、液体組成物の黄色度(b*値)を、分光色差計(日本電色工業(株)製、Spectro color meter SE2000型)で測定した。標準は精製水で0を合わせた。製造直後のb*値と比較し、下記基準で示す。
<基準>
◎:製造直後のb*値と比較して、b*値の増加が0.5未満
○:製造直後のb*値と比較して、b*値の増加が0.5以上1未満
△:製造直後のb*値と比較して、b*値の増加が1以上2未満
×:製造直後のb*値と比較して、b*値の増加が2以上
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】