特許第6061038号(P6061038)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6061038洗濯機の排水濾過システムおよび当該排水濾過システムを備えた洗濯機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6061038
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】洗濯機の排水濾過システムおよび当該排水濾過システムを備えた洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/10 20060101AFI20170106BHJP
【FI】
   D06F39/10 D
【請求項の数】13
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-538239(P2015-538239)
(86)(22)【出願日】2012年10月29日
(65)【公表番号】特表2015-535724(P2015-535724A)
(43)【公表日】2015年12月17日
(86)【国際出願番号】CN2012083699
(87)【国際公開番号】WO2014067054
(87)【国際公開日】20140508
【審査請求日】2015年4月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】512127855
【氏名又は名称】海爾集団公司
(73)【特許権者】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QingDao Haier Washing Machine Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】田云
(72)【発明者】
【氏名】李峰
(72)【発明者】
【氏名】徐▲ウェン▼ティン
(72)【発明者】
【氏名】張剛金
(72)【発明者】
【氏名】周春霞
【審査官】 村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04125003(US,A)
【文献】 仏国特許出願公開第01380081(FR,A1)
【文献】 実開昭53−131768(JP,U)
【文献】 実開昭49−098164(JP,U)
【文献】 実開昭48−080369(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外槽と濾過装置を含み、前記外槽の底部にへこみ溝を設けて、前記へこみ溝の底部に排水口を設けて、前記濾過装置が前記へこみ溝の中に、前記排水口の上方を覆うように据え付けられて、前記濾過装置に少なくとも一本の前記排水口へ通じる濾過通路を設けて、前記濾過通路内に異物止め構造を設け洗濯機の排水濾過システムであって、
前記濾過装置が前記へこみ溝の開口の形に合わせる上板と、前記上板の下表面に設けられた複数の止め板を含んで、前記複数の止め板は前記濾過通路の側壁を形成する側壁止め板と、前記濾過通路内に異物止め構造を形成する濾過止め板を含み、
前記上板の縁に前記へこみ溝の開口に対応して少なくとも一つの欠けを設けて、前記欠けが前記濾過通路の取水口を形成して、前記濾過通路の出口と前記排水口が通じて、前記濾過止め板が前記濾過通路の前記取水口から前記出口の方向に延びて、前記濾過止め板と前記側壁止め板の前記取水口に近い端部が傾斜状であることを特徴とする、洗濯機の排水濾過システム。
【請求項2】
複数
前記濾過止め板と前記側壁止め板の間、すなわち、二つの前記濾過止め板の間及び前記濾過止め板と前記側壁止め板の間で前記濾過通路内の折曲げ水路を合わせて形成して、前記折曲げ水路と前記濾過止め板が合わせて前記異物止め構造を構成していることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機の排水濾過システム。
【請求項3】
前記折曲げ水路は単独の「<」の形を呈したり連続的に折曲げたりして、すべての「<」形の折曲げ夾角が40°−90°であることを特徴とする請求項2に記載の洗濯機の排水濾過システム。
【請求項4】
前記濾過止め板の高さが前記側壁止め板の高さと同じで、またはそれより低くて、前記濾過装置が前記側壁止め板を経由してへこみ溝の中で支えられていること特徴とする請求項に記載の洗濯機の排水濾過システム。
【請求項5】
前記濾過止め板の下端面と前記へこみ溝の底部に隙間を残して、前記隙間の高さは3mm以下とすることを特徴とする請求項2に記載の洗濯機の排水濾過システム。
【請求項6】
前記上板の下表面の排水口に対応する場所に環状の突出筋を設けて、前記環状の突出筋の高さが前記濾過止め板より低くて、前記環状の突出筋の内部に中心から輻射状の方向に沿って複数の引導羽根が分布して、前記引導羽根の前記環状突出筋に対応する一端が円弧的に移行することを特徴とする請求項に記載の洗濯機の排水濾過システム。
【請求項7】
前記引導羽根の高さが前記環状突出筋より高くて、前記止め板より低いことを特徴とする請求項6に記載の洗濯機の排水濾過システム。
【請求項8】
前記引導羽根が中心の交差部で最も高くて、中心部の高さが前記側壁止め板より高くて、前記引導羽根の高さが中心から輻射状の方向に外へ向かって下がって、錐体形の構造を形成して、前記引導羽根の錐体形構造が排水口に入って、前記環状の突出筋の半径の三分の一から二分の一までの範囲内に直接に平坦部に下がって、前記引導羽根の平坦部の高さが前記濾過止め板と同じで、またはそれより低いことを特徴とする請求項6に記載の洗濯機の排水濾過システム。
【請求項9】
前記濾過装置がねじで前記へこみ溝に固定されて、前記へこみ溝内に前記濾過装置の前記上板を支えるねじ据付ピンを設けて、前記上板に対応するねじ孔を設けていることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載の洗濯機の排水濾過システム。
【請求項10】
前記へこみ溝の周壁が上から下に向けてスロープ形状又は階段形状で前記へこみ溝の周壁に近接する前記側壁止め板の形状は前記へこみ溝の周壁の形状に合わせられていることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載の洗濯機の排水濾過システム。
【請求項11】
前記上板が前記へこみ溝の開口を覆っていることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載の洗濯機の排水濾過システム。
【請求項12】
前記上板に少なくとも一つの上下に通じている水漏口を設けて、前記水漏口の取水の周りが前記上板の上面より突出していることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載の洗濯機の排水濾過システム。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の排水濾過システムを備えた洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗濯機分野に関わったもので、具体的には洗濯機の濾過システムで、特に異物が入ることを防ぐ洗濯機の排水濾過システムおよび当該排水濾過システムを備えた洗濯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
先行技術のインペラ式洗濯機は通常は箱体と、箱体内にぶら下げた外槽と、外槽内に設けられて、外回転軸の動作で回転する内槽と、内回転軸で内槽の底部と接続する撹拌器を含んで、外槽の底部に排水弁を設けて、排水弁の取水口が外槽の底部に設けられた排水口と接続して、通常の内槽壁にフィルタを設けて、洗浄時の水の流れに頼って受動的に糸のくずの濾過を行って、外槽の底部にポンプを設けて、ポンプの取水口が外槽の底部の排水管路と接続して、ポンプの排水口が洗濯機の内槽への管路に接続されているのである。洗濯機で洗浄する時、電機で撹拌器の駆動によって衣服を動かされ回転されると同時に、循環ポンプの運行で外槽内の底部の洗浄水を吸引して内槽内に排出する。ポンプの接続管路の排水口にフィルタを設けて、洗浄排水の中の糸のくずやごみを濾過し、濾過した洗浄水が内槽に流れ戻り、洗浄水を清潔にする役割を果たす。このような濾過装置は普通にフレキシブルな濾過ネット袋や剛性の濾過枠で、しばらくの期間使用した後に、濾過装置内の糸のくず、ごみが手動で取り出さなければならない。そうしないと、濾過装置を止めさせ、そして細菌を繁殖させる。また、糸のくず、ごみがついた洗浄水がポンプに入った後にポンプの部品に巻き付くが、クリップ、ヘアピンや硬貨などの比較的に硬い異物がある場合、ポンプに故障が起きやすい。また、フィルタをポンプの出口に設けると、異物がポンプに与える損害を防ぐことができない。
【0003】
そのため、多くの製造メーカーは上記の構造に対し、改善を行ったが、特許文献1には内循環洗濯機の循環管路を開示したが、外槽の底部に設けられている外槽排水口と、外槽のトップに設けられて、濾過後の循環水を内槽に送って再利用することに用いられる内循環出口で、外槽の排水口と内循環の出口を接続する内循環パイプと、外槽の排水口と内循環出口の間に設けられて、外槽の排水口より排出された洗浄水を更に内槽に送ることに用いられる内槽の内循環ポンプを含んで、外槽の底部、内循環管路の内循環ポンプの入力端に少なくとも一つの循環水の中の綿ビロードと/あるいは紙のくずなどを収集して、解体洗浄できる濾過装置を設けている。しかしこの構造は比較的複雑で、内循環管路に対する改善要求がわりに高い。また、外槽の底部に設けられた内循環管路は外槽の振動で濾過装置と管路の間の接続を緩めさせ、濾過口の濾過効果を悪くならせるおそれがあり、極端には一部の異物が直接に濾過装置を経由するのによって、完全の濾過を実現することができず、ポンプを壊されるのに招いてくる。
【0004】
特許文献2には循環ポンプを備えた洗濯機を開示したが、それは箱体内にぶら下げられた外槽と、外槽で外回転軸に回転するように動かされる内槽と、箱外に外槽内の水を排出する通路と、ポンプの取水口の上流に外槽内の底部を接続して、その排水口の下流に洗濯機の内槽を接続する管路を含み、前記ポンプの取水口の上流に濾過装置を設けて、当該濾過装置の濾過面が前記の排水通路に位置して、排水弁の取水口の上流に隣り合っている。上記の構造は長時間使用されると、糸のくずにより濾過装置が止められやすい。
【0005】
また、排水ポンプ付きのインペラ洗濯機は、排水ポンプの作用で洗濯機内の水を排出するが、効き目がある濾過装置がないため、長時間洗濯機を使用すると、大量の異物が排水弁や排水ポンプに入りやすく、その上、弁やポンプに入った異物を取り出すことができない。ひどい場合、排水装置が廃水を排出することができない事態を招き、ユーザーに不便を、ひいては経済的損失をもたらす恐れもある。上記に鑑み特に本発明を提出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】中国特許公報第200420120524.6号明細書
【特許文献2】中国特許公報第200610036929.5号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明で解決しようとする技術問題は、当面の技術の不足を克服して、構造が簡単で、据付が便利で、異物が洗濯機の排水弁や排水ポンプに入ることを効果的に防止して、排水弁や排水ポンプの損傷を避ける洗濯機の排水濾過システムを提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、前記排水濾過システムを備える洗濯機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の技術問題を解決するために、本発明で採用した技術案の具体的な構想は、外槽と濾過装置を含み、前記外槽の底部にへこみ溝を設けて、へこみ溝の底部に排水口を設けて、濾過装置がへこみ溝の中に据え付けられて、排水口の上方を覆うように据え付けられて、濾過装置に少なくとも一本の排水口に通じる濾過通路を設けて、濾過通路内に異物止め構造を設けている洗濯機の排水濾過システムである。
【0010】
更なる方案は、前記濾過装置にへこみ溝の開口形状に合わせる上板と上板の下表面に設けられた多数の止め戸とを含み、多数の止め板で前記の濾過通路の側壁と濾過通路内の異物止め構造を合わせて構成する。
【0011】
前記止め板は濾過通路の側壁を構成する側壁の止め板と濾過通路内に設けられる濾過止め板とを含み、前記の濾過止め板と側壁の止め板の間、あるいは二つずつの濾過止め板の間及び濾過止め板と側壁の止め板の間で濾過通路内の折曲げ水路を合わせて形成して、折曲げ水路と濾過止め板が合わせて前記の異物止め構造を構成する。当該異物止め構造はクリップ、ヘアピンや硬貨などの比較的に硬い異物を止めて、さらに糸のくずを水の流れに従って折曲げ水路を経由して排水口に流れ込ませることができる。
【0012】
前記折曲げ水路は、単独の「<」の形を呈したり連続的に折曲げたりして、すべての「<」形の折曲げ夾角が40°−90°であることが好ましい。
【0013】
前記上板の縁にへこみ溝の開口に対応して少なくとも一つの欠けを、好ましくは三つの欠けを設ける。この欠けで濾過通路の取水口を形成して、濾過通路の出口と排水口が通じて、濾過止め板が濾過通路の取水口から出口の方向に延びて、濾過止め板と側壁の止め板の取水口に近い端部が傾斜状であるが、糸のくずが通すように、平滑の構造が好ましい。
【0014】
前記濾過止め板の高さが側壁の止め板と同じか、またはそれより低い。濾過装置が側壁の止め板を経由してへこみ溝の内で支えられている。濾過止め板の下端面とへこみ溝の底部に隙間を残して、隙間の高さは3mm以下とすることが好ましい。この構造によって、濾過止め板の底部とへこみ溝の底部の間の隙間から排水でき、排水量を増やすことができる。また、取水口に対応する濾過止め板で止められた糸のくずが流れに従ってへこみ溝の底に行き隙間を経由して排水口に排出されて、しかもこの隙間の間隔は異物の出入を止めることができる。
【0015】
前記上板の下表面の排水口に対応する場所に環状の突出筋を設けて、環状の突出筋の高さが濾過止め板より低くて、その内部に中心から輻射状方向に沿って多数の引導羽根が分布して、引導羽根の環状の突出筋に対応する端が円弧的に移行している。この構造は水の流れが濾過通路を経由して排水口に入る時に渦巻きを形成して、排水の流れが不安定になることを防ぐことができる。
【0016】
前記引導羽根の高さは環状の突出筋より高くて、濾過止め板より低い。
【0017】
あるいは、前記の引導羽根が中心の交差部で最も高くて、中心部の高さが側壁止め板より高く、引導羽根の高さが中心から輻射状の方向に外へ向かって下がって、錐体形の構造を形成して、当該引導羽根の錐体形構造が排水口に入って、環状の突出筋の半径の三分の一から二分の一までの範囲内に直接に平坦部に下がって、当該引導羽根の平坦部の高さが濾過止め板と同じか、またはそれより低い。この錐体形の構造は更に排水口の近くに入った糸のくずが再び渦巻きの水の流れに従って濾過通路に入って止めることを避ける。
【0018】
前記濾過装置はねじでへこみ溝内に固定されて、へこみ溝内に濾過装置の上板を支えるねじ据付ピンを設けて、上板に対応するねじ孔を設けている。
【0019】
前記のへこみ溝の周壁は上から下まで坂形や階段形で、へこみ溝の周壁に近づける側壁の止め板の形はへこみ溝の周壁に合わせている。上板は、へこみ溝の開口を覆っていることが好ましい。
【0020】
前記の上板にまた少なくとも一つの上下に通じ合った水漏口を設けて、水漏口の取水の周りに上板の上面より突出して、その寸法がわりに小さくて、アーチ形の狭いすきまの形や孔の形とする。この構造によって、排水量を増やし、しかも異物を止めることができる。
【0021】
本発明における上記の濾過装置を備える洗濯機は、その排水システムが排水口と排水弁や排水ポンプを含み、排水口の上方に前記の濾過装置を設けている。洗濯機の排水時、排水システムが開けて、外槽の中の水が濾過装置の周りの濾過通路の取水口と上板の上方の水漏口から外槽の排水口に入る。水の排出中に、本発明の濾過装置は効き目にその濾過機能を発揮して、排水が濾過装置を通る過程で、ポンプで排出できない異物、例えばクリップ、ヘアピンや硬貨などの比較的に硬い異物が有効に濾過される。
【0022】
上記の技術案を採用すると、本発明は当面技術と比べて、下記の有利な効果を持つ。
【0023】
本発明は外槽の内側の排水口の有効な空間を利用して、巧みに濾過装置を設計して、当該濾過装置は構造が簡単で、据付が便利で、一体で成型して、生産コストが低い。水、糸のくずを有効に外槽から排出するだけではなく、異物が排水口を経由して排水弁や排水ポンプに入ることを有効に防ぎ、異物が排水装置に入って、排水弁や排水ポンプを壊して、洗濯機の排水の制御不能な問題を避けることができる。
【0024】
次に添付図を示し本発明の具体的な実施例を更に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明で述べた濾過装置を洗濯機の外槽の底部に据え付けた構造説明図である。
図2図2は、本発明で述べた濾過装置を洗濯機の外槽の底部に据え付けた断面説明図である。
図3図3は、本発明で述べた濾過装置の構造説明図である。
図4図4は、本発明で述べた濾過装置の上板の上表面の説明図である。
図5図5は、本発明で述べた濾過装置の上板の下表面の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1図5のように、本発明で述べた洗濯機は外槽底部1にへこみ溝2を設けて、排水口3がへこみ溝2の底部に設けられて、濾過装置4がへこみ溝2内に据え付けられて、排水口3の上方を覆うように据え付けて、濾過装置4が少なくとも一本の排水口3に通じる濾過通路5を設けて、濾過通路内に異物止め構造を設けている。
【0027】
図5のように、前記の濾過装置4は、へこみ溝2の開口形状に合わせる上板41と、上板41の下表面に設けられて濾過通路5の側壁を構成する側壁の止め板51と、濾過通路5内に設けられている濾過止め板52とを含んで、前記の濾過止め板52と側壁の止め板51の間、あるいは二つずつの濾過止め板52の間及び濾過止め板52と側壁の止め板51の間に外槽の内部と排水口の間を通じている折曲げ水路53を合わせて形成して、折曲げ水路53と濾過止め板52が合わせて前記の異物止め構造を構成して、この異物止め構造によってクリップ、ヘアピンや硬貨などの比較的に硬い異物を止められ、さらに糸のくずを水の流れに従って折曲げ水路から排水口に流れ込ませることができる。前記の折曲げ水路を単独の「<」の形を呈したり連続的に折曲げたりして、すべての「<」形の折曲げ夾角が40°−90°であることが好ましい。
【0028】
また、上板41の縁にへこみ溝2の開口に対応して少なくとも一つの欠け42を設けて、当該欠け42で濾過通路の取水口6(図1を参照)を形成して、濾過通路の出口と排水口が通じて、濾過止め板が濾過通路の取水口から出口の方向に延びて、濾過止め板52と側壁の止め板51の取水口6に近い端部の縁521、511が傾斜状であるが(図3を参照)、糸のくずを通して、糸のくずが縁521、511に引っかからないように、平滑の構造が好ましい。
【実施例1】
【0029】
図3のように、本実施例の前記の濾過止め板52の高さが側壁の止め板51と同じで、またはそれより低く、濾過装置が側壁の止め板51を経由してへこみ溝2内で支えられている。濾過止め板52の下端面とへこみ溝2の底部に隙間7を残して、隙間7の高さを3mm以下とすることが好ましい。この構造によって濾過止め板の底部とへこみ溝の底部の間の隙間で排水して、排水量を増やし、また、取水口の濾過止め板52と側壁の止め板51の傾斜の縁521、511で止められた糸のくずが水の流れに従って隙間を経由して排水口に入って、しかもこの隙間が異物の出入りを止めることができる。
【実施例2】
【0030】
図3図5のように、本実施例に述べられた上板41の下表面に排水口に対応する場所に環状の突出筋43を設けて、環状の突出筋43の高さが濾過止め板52より低くて、その内部に中心から輻射状方向に沿って多数の引導羽根44が分布して、引導羽根44の環状の突出筋に対応端が円弧状で移行している。この構造は水の流れが濾過通路を経由して排水口に入る時に渦巻きを形成して、排水の流れが不安定になることを防ぐことができる。
【実施例3】
【0031】
図5のように、本実施例は実施例2に基づいて更に改善したものであるが、前記の羽根44の高さが環状の突出筋43より高くて、濾過止め板52より低い。
【実施例4】
【0032】
図3のように、本実施例と実施例3との区別として、前記の引導羽根44が中心の交差部で最も高くて、中心部の高さが側壁止め板51より高くて、引導羽根44の高さが中心から輻射状の方向に外へ向かって下がって、錐体形の構造45を形成して、当該引導羽根の錐体形構造45が排水口3に入って(図2を参照)、環状の突出筋43の半径の三分の一から二分の一までの範囲内に直接に平坦部46に下がって、当該引導羽根の平坦部46の高さが濾過止め板52と同じで、またはそれより低い。この錐体形の構造は更に排水口の近くに入った糸のくずが再び渦巻きの水の流れに従って濾過通路に入って止めることを避ける。
【実施例5】
【0033】
本実施例に述べられる濾過装置4がねじでへこみ溝2内に固定され、へこみ溝2内に濾過装置の上板41を支えるねじ据付ピン(未図示)を設けて、上板41に対応のねじ孔47(図1図4を参照)を設けている。本実施例に実施例1と組み合わせて使われることができる。
【実施例6】
【0034】
図2のように、本実施例に述べられるへこみ溝2の周壁21は上から下まで坂形にして、へこみ溝周壁に近づける側壁の止め板51の形はへこみ溝の周壁21の形に合わせている。上板41がへこみ溝2の開口を覆っている。あるいは、上板がへこみ溝の坂形周壁を覆って、その上表面が内槽の底面より高い。
【実施例7】
【0035】
図4のように、上記の実施例に基づき、本実施例に述べられる上板41は少なくともひとつの上下に通じ合った水漏口48を設けて、水漏口48の取水の周りが上板41の表面より出て、水漏口の寸法がわりに小さくて、アーチ形の狭いすきまの形でもよいし、細長い状や小さい楕円孔状でもよい。
【実施例8】
【0036】
本実施例に述べられる前記の洗濯機は、その排水システムが排水口と排水弁や排水ポンプを含み、排水口の上方に前記の濾過装置を設けている。洗濯機は排水時、排水システムが開けて、外槽の中の水が濾過装置の周りの濾過通路の取水口と上板の上方の水漏口から外槽の排水口に入る。水の排出中に、本発明の濾過装置は有効にその濾過機能を発揮することができる。
【0037】
上記の実施例の実施案は更に組み合わせたり交替したりすることができる。また実施例は本発明の好ましい実施例だけを説明したが、本発明の構想と範囲を限定するものではない。本発明の設計思想を逸脱していない前提で、本分野の専門技術者が本発明の技術案に対して行う各種類の変化と改善は全て本発明の保護範囲に属するものである。
図1
図2
図3
図4
図5