(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ゲームアプリケーションの配信が停止される場合に、前記配信の停止に係るゲームアプリケーションの既に配信されている部分を前記端末装置に対して削除するように指示する削除指示手段、
を更に備える請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報処理装置。
前記配信が完了した場合に、前記エミュレータ用プログラムが生成したプレイデータを、前記配信が完了したゲームアプリケーションにより実現されるゲームが引き継げるように、前記ゲームアプリケーションによって参照可能に設定する引継手段、
を更に備える請求項1乃至8の何れか1項に記載の情報処理装置。
一以上の端末装置と通信可能に構成され、前記端末装置にインストール可能なゲームアプリケーションが実現するゲームの少なくとも一部をゲームエミュレーションとして実現するエミュレータ用プログラムを記憶する記憶手段を備えるコンピュータに対して、
前記端末装置から所定の選択がされたことを示す選択情報を受信した場合に、前記エミュレータ用プログラムを実行して前記端末装置において前記ゲームエミュレーションがプレイできるように制御するエミュレータ実行機能と、
前記端末装置のユーザが前記ゲームエミュレーションをプレイすることにより得られるパラメータに基づき、前記ゲームエミュレーションに対する前記ユーザの興味度を判定する判定機能と、
前記選択情報を受信した後に、前記端末装置に対する前記ゲームアプリケーションの少なくとも一部の配信の開始を自動的に行う配信制御機能と、
を実現させ、
前記配信制御機能は、前記判定機能が判定した興味度に基づいて、前記配信の開始及び停止のうち少なくとも何れか一方を制御する、
プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0015】
―――第一実施形態―――
<全体構成>
図1は、本発明の第一実施形態に係るゲームシステムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、ゲームシステム1は、一以上の端末装置10と、アプリ提供サーバ12と、エミュレータサーバ14と、を備える。
【0017】
端末装置10は、ゲームをプレイするユーザが所持する装置である。端末装置10としては、ビデオゲーム機や携帯ゲーム機、アーケードゲーム機、携帯電話、タブレット、パーソナルコンピュータ等の様々なものが挙げられる。
【0018】
この端末装置10は、メモリやCPU(Central Processing Unit)を含む制御装置の他、例えばアプリ提供サーバ12やエミュレータサーバ14等と通信する通信手段と、画像を表示する表示手段と、音を出力する音出力手段と、ユーザの操作を受け付ける操作手段と、を備える。また、端末装置10は、アプリ提供サーバ12やエミュレータサーバ14を含むWebサーバからデータを取得して表示するためのブラウザ等のプラットフォームを有する。
【0019】
このように、通信手段を備えることにより、端末装置10では、後述するアプリ提供サーバ12からゲームアプリケーション12A(以下、「ゲームアプリ12A」と称す。)の提供を受けることが可能となる。また、制御装置を備えることにより、端末装置10は、ゲームアプリ12Aをインストール及び実行が可能となる。このゲームアプリ12Aが制御装置にて実行されると、端末装置10上でゲームが実現される。端末装置10のユーザは、この実現されたゲームを、操作手段を操作しながらプレイする。以下では、ゲームアプリ12Aで実現されるゲームを、適宜、ゲームアプリ12Aのゲームと称する場合がある。
【0020】
また、プラットフォームを備えることにより、端末装置10では、当該プラットフォームを介して、ゲームアプリ12Aのエミュレータ用プログラム14A(以下、「エミュレータ14A」と称す。)で実現されるゲームが出力される。このエミュレータ14Aは、ゲームアプリ12Aが実現するゲームの少なくとも一部を実現するプログラムである。本実施形態では、端末装置10の使用中に表示されるゲームアプリ12Aの広告をユーザが選択することで、エミュレータサーバ14上でエミュレータ14Aが実行され、エミュレータ14Aで実現されるゲームの出力情報が端末装置10に出力される。ユーザは、この実現されたゲームを、操作手段を操作しながらプレイする。以下では、エミュレータ14Aで実現されるゲームを、適宜、「ゲームエミュレーション」と称する場合がある。
【0021】
アプリ提供サーバ12は、ネットワークNTを介し、端末装置10に対してゲームアプリ12Aを提供(配信)するWebサーバである。本実施形態では、アプリ提供サーバ12は、端末装置10からインストール要求を受け付けなくても、例えば広告が選択されると、端末装置10に対してゲームアプリ12Aを自動的に提供(配信)する。これにより、ゲームアプリ12Aは、端末装置10にダウンロード(受信)されて、インストールされる。なお、ゲームアプリ12Aは、アプリ提供サーバ12ではなく、アプリストア等から配信されることとしてもよい。
【0022】
エミュレータサーバ14は、ネットワークNTを介し、端末装置10に対してゲームエミュレーションを提供するWebサーバである。本実施形態では、エミュレータサーバ14は、エミュレータ14Aを実行することにより、端末装置10からの操作情報を受信し、ゲームアプリ12Aのゲームの少なくとも一部をエミュレートし、エミュレートしたものを端末装置10に出力してユーザに提供するように構成されている。
【0023】
上述したように、ゲームエミュレーションの出力情報は、プラットフォームを介し、端末装置10に出力される。すなわち、ユーザは、ゲームアプリ12Aをインストールすることなしに、端末装置10のプラットフォームを使用して、ゲームアプリ12Aで実現されるゲームの少なくとも一部をプレイ、すなわち当該ゲームと同様の或いは同じものをプレイすることが可能となっている。
【0024】
なお、ゲームエミュレーションがゲームアプリ12Aのゲームの一部を実現する場合、この一部としては、チュートリアル終了直後に始まる部分や、ゲーム中のユーザの操作が比較的簡単であったり、ゲーム中にユーザが操作するキャラクタの能力が高かったり等、ゲームの面白さを最も伝達可能なゲーム部分が挙げられる。
【0025】
<ハードウェア構成>
図2は、エミュレータサーバ14のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0026】
図2に示す例では、エミュレータサーバ14は、ハードウェア構成として、制御装置30、通信装置36、及び記憶装置38を主に備える。制御装置30は、CPU32及びメモリ34を主に備えて構成される。
【0027】
制御装置30では、CPU32がメモリ34或いは記憶装置38等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能実現手段として機能する。この機能実現手段の詳細については後述する。
【0028】
通信装置36は、外部の装置と通信するための通信インタフェース等で構成される。通信装置36は、例えば、端末装置10や、アプリ提供サーバ12との間で各種の情報を送受信する。
【0029】
記憶装置38は、ハードディスク等で構成される。記憶装置38は、制御装置30における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0030】
なお、エミュレータサーバ14は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。なお、エミュレータサーバ14は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。
【0031】
また、
図2は、エミュレータサーバ14が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、エミュレータサーバ14は、サーバ装置が一般的に備える他の構成を備えることができる。
【0032】
また、アプリ提供サーバ12も
図2に示すようなエミュレータサーバ14のハードウェア構成と同様の構成を主に備えた情報処理装置を用いて実現することができるため、アプリ提供サーバ12のハードウェア構成の詳細については説明を省略する。なお、本実施形態では、アプリ提供サーバ12とエミュレータサーバ14とは、別々の情報処理装置を用いて実現されるが、同一の情報処理装置を用いて実現されてもよい。
【0033】
<機能的な構成>
図3は、アプリ提供サーバ12とエミュレータサーバ14との機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0034】
まず、アプリ提供サーバ12について説明する。
【0035】
アプリ提供サーバ12は、記憶手段120と、配信手段122と、を備える。記憶手段120は、
図2に示すような一又は複数の記憶装置38で実現され、配信手段122は、
図2に示すような制御装置30が所定のプログラムを実行することによって実現される。
【0036】
記憶手段120には、上述のゲームアプリ12Aやプレイデータ12Bが記憶されている。
【0037】
プレイデータ12Bは、ユーザのユーザ識別情報に対応付けて一又は複数記憶されている。このプレイデータ12Bは、ゲームアプリ12Aが生成したゲームデータであって、ゲームアプリ12Aが実行されたときにおけるユーザによるゲームのプレイ状況を示すデータである。このプレイ状況には、ユーザがクリアしたゲームステージ数(ゲームの進行状況)、ユーザが操作するキャラクタのレベル、獲得ポイント、獲得アイテム、プレイ時間等の情報が含まれる。なお、ユーザ識別情報としては、ゲームをプレイする前にWebサイト上において予め登録するユーザIDや、端末装置10の端末ID等が挙げられる。なお、以下では、ユーザ識別情報が端末IDである場合を説明する。
【0038】
配信手段122は、例えばエミュレータサーバ14による指示に応答して、通信装置36を介して、ゲームアプリ12Aの少なくとも一部を端末装置10に配信する。このゲームアプリ12Aの一部とは、一例として、ゲームアプリ12Aをソースコード等のプログラム部分とゲーム音や画像等のコンテンツ部分に分けたとき、プログラム部分又はコンテンツ部分である。
【0039】
次に、エミュレータサーバ14について説明する。
【0040】
エミュレータサーバ14は、記憶手段140と、エミュレータ実行手段142と、判定手段144と、配信制御手段146と、削除指示手段148と、問い合わせ手段150と、引継手段152と、報酬付与手段154と、を備える。記憶手段140は、
図2に示すような一又は複数の記憶装置38で実現され、引継手段152と報酬付与手段154は、
図2に示すような制御装置30が所定のプログラムを実行することによって実現される。
【0041】
記憶手段140には、上述のエミュレータ14Aやプレイデータ14Bが記憶されている。
【0042】
プレイデータ14Bは、ユーザのユーザ識別情報に対応付けて一又は複数記憶されている。このプレイデータ14Bは、エミュレータ14Aが生成したゲームデータであって、エミュレータ14Aが実行されたときにおけるユーザによるゲームのプレイ状況を示すデータである。
【0043】
エミュレータ実行手段142は、端末装置10から所定の選択がされたことを示す選択情報を受信した場合に、エミュレータ14を実行して端末装置10においてゲームエミュレーションがプレイできるように制御する。具体的には、エミュレータ実行手段142は、エミュレータ14Aを実行してゲームを開始するとともに当該ゲームの出力情報を生成する。なお、上記「所定の選択」とは、端末装置10において表示されるゲームアプリ12Aの広告が選択された場合や、一以上のゲームを紹介するサイト等において実行ボタンが選択された場合等が挙げられる。また、エミュレータ実行手段142は、ゲームエミュレーションを操作するための操作要求を端末装置10から受信した場合に、ゲームを進行するとともに当該操作による出力情報を生成する。そして、エミュレータ実行手段142は、通信装置36を介し、端末装置10に対して生成した出力情報を送信する。
【0044】
なお、エミュレータ実行手段142は、ゲーム開始後、随時、そのゲームのプレイ状況をユーザに対応するプレイデータ14Bに記憶する。
【0045】
判定手段144は、出力情報を受信した端末装置10のユーザがエミュレータ実行手段142により開始されているゲームをプレイすることにより得られるパラメータに基づき、ゲームアプリ12Aのゲームに対するユーザの興味度を判定する。このパラメータは、エミュレータ実行手段142により開始されているゲームのユーザによるプレイ時間、及び、エミュレータ実行手段142により開始されているゲームの進捗度のうち少なくとも何れか一方を含んでもよい。これらプレイ時間や進捗度は、プレイデータ14Bの参照により取得可能である。また、パラメータは、他にも、ゲームをプレイすることにより得られるスコア値や、ゲームのプレイ回数、ゲーム中或いはゲーム後にユーザに興味の程度を問い合わせることにより得られるアンケート結果等のうち少なくとも何れか1つを含んでもよい。
【0046】
配信制御手段146は、選択情報を受信した後に、端末装置10に対するゲームアプリ12Aの少なくとも一部の配信の開始を自動的に行う。また、配信制御手段146は、判定手段144が判定した興味度に基づいて、配信の開始及び停止のうち少なくとも何れか一方を制御する。本実施形態では、ゲームアプリ12Aの配信を実際に行うのは配信手段122であるので、配信制御手段146は、当該配信手段122に対して配信の開始指示或いは停止の指示を出力することで配信手段122の配信を制御する。
【0047】
削除指示手段148は、ゲームアプリ12Aの配信が停止されることに応答して、配信の停止に係るゲームアプリ12Aであって既に配信されている部分を端末装置10に対して削除するように指示する。
【0048】
問い合わせ手段150は、エミュレータ14Aの実行が停止されることに応答して、ゲームアプリ12Aの配信を継続するか否かを端末装置10に問い合わせる。この問い合わせの結果、継続しないという旨を受信した場合には、配信制御手段146は、ゲームアプリ12Aの配信の停止を制御する。
【0049】
引継手段152は、ゲームアプリ12Aの配信が完了した場合に、エミュレータ14Aが生成したプレイデータ14Bを、配信が完了したゲームアプリ12Aのゲームが引き継げるように、ゲームアプリ12Aによって参照可能に設定する。本実施形態では、引継手段152は、記憶手段140からプレイデータ14Bを取得して、プレイデータ14Bや対応する端末IDとともに引き継ぎ指示をアプリ提供サーバ12に送信することで、ゲームアプリ12Aによって参照可能に設定する。
【0050】
報酬付与手段154は、エミュレータ実行手段142がエミュレータ14Aを実行した場合に、ゲームアプリ12Aが実現するゲームのユーザによる継続度合によって付与されるべき報酬をユーザに付与する。継続度合としては、ゲームアプリ12Aのゲームのログイン回数であってもよいし、ゲーム中のイベントへの参加回数、ゲーム中において課金を使用した回数等である。本実施形態では、継続度合はログイン回数である。したがって、報酬付与手段154は、エミュレータ実行手段142がエミュレータ14Aを実行した場合に、ゲームアプリ12Aを実行してログインされたときに付与されるべき報酬をユーザに付与する。
【0051】
<処理の流れ>
次に、端末装置10と、エミュレータサーバ14と、アプリ提供サーバ12と、の間で行われる処理の流れについて説明する。この処理は、ユーザにゲームエミュレーションをプレイさせるためのエミュレータルーチン(
図4参照。)と、当該エミュレータルーチンの間で実行される、ゲームアプリ12Aの配信の開始とその後の処理を自動的に行う開始ルーチン(
図6参照。)と、エミュレータルーチンの後に実行される、ゲームアプリ12Aの配信の停止を行う停止ルーチン(
図5参照。)と、を含む。
【0052】
図4は、端末装置10と、エミュレータサーバ14と、アプリ提供サーバ12と、の間で行われる、ユーザにゲームエミュレーションをプレイさせるためのエミュレータルーチンの流れの一例を示すフローチャートである。
【0053】
(ステップSP10)
エミュレータサーバ14は、ネットサーフィンやゲームアプリ12Aのゲーム以外のゲームプレイ等でユーザが端末装置10を使用しているときに、通信装置36を介し、ゲームアプリ12Aの広告を当該端末装置10に配信する。そして、処理がステップSP12の処理に移行する。
【0054】
(ステップSP12)
端末装置10は、通信手段を介し、エミュレータサーバ14から広告を受信する。これに応答して、端末装置10は、広告を表示する。そして、処理がステップSP14の処理に移行する。
【0055】
(ステップSP14)
端末装置10は、広告が選択された場合に、通信手段を介し、広告が選択されたことを示す選択情報をエミュレータサーバ14に送信する。そして、処理がステップSP16の処理に移行する。
【0056】
(ステップSP16)
エミュレータサーバ14は、通信装置36を介し、端末装置10から選択情報を受信する。これに応答して、エミュレータサーバ14のエミュレータ実行手段142は、エミュレータ14Aを実行してゲームを開始する。そして、処理がステップSP18の処理に移行する。
【0057】
(ステップSP18)
エミュレータサーバ14は、ユーザによるゲームエミュレーションのプレイ時間の計測を開始する。そして、処理がステップSP20の処理に移行する。なお、この計測しているプレイ時間は、ゲームの画面上に表示してもよい。この際、ゲームアプリ12Aが配信される時間もプレイ時間と共に表示することが好ましい。
【0058】
(ステップSP20)
エミュレータサーバ14の配信制御手段146は、ゲームアプリ12Aの配信の開始とその後の処理を自動的に行う配信ルーチンを実行する。配信ルーチンの具体的な処理内容は後述する。なお、この配信ルーチンは、
図4に示すエミュレータルーチンや
図5に示す停止ルーチンとは並行して処理が進められる(ただし、停止ルーチンによりゲームアプリ12Aの配信が停止された場合を除く)。これにより、選択情報の送信元である端末装置10にゲームアプリ12Aが自動的に配信され始める。そして、処理がステップSP22の処理に移行する。
【0059】
(ステップSP22)
エミュレータ実行手段142は、ゲームの出力情報としてゲーム開始後のゲーム画像やゲーム音等の出力データを生成する。そして、エミュレータ実行手段142は、通信装置36を介し、選択情報の送信元である端末装置10に対して生成した出力データを送信する。そして、処理がステップSP24の処理に移行する。
【0060】
(ステップSP24)
端末装置10は、通信手段を介し、エミュレータサーバ14から出力データを受信する。そして、端末装置10は、受信した出力データに基づいて、ゲーム画像やゲーム音を出力する。そして、処理がステップSP26の処理に移行する。
【0061】
(ステップSP26)
端末装置10は、ユーザによるゲームの操作要求を受付ける。そして、端末装置10は、実際にユーザから操作要求を受付けた場合に、通信手段を介し、当該操作要求をエミュレータサーバ14に送信する。そして、処理がステップSP28の処理に移行する。
【0062】
(ステップSP28)
エミュレータサーバ14は、通信装置36を介し、端末装置10から操作要求を受信する。これに応答して、エミュレータ実行手段142は、受信した操作要求に基づいて、ゲームに登場するキャラクタや物体等を操作する。そして、処理がステップSP30の処理に移行する。
【0063】
(ステップSP30)
エミュレータ実行手段142は、ゲームの出力情報としてゲームの操作を反映したゲーム画像や音等の出力データを生成する。そして、エミュレータ実行手段142は、通信装置36を介し、操作要求を行った端末装置10に対して生成した出力データを送信する。そして、処理がステップSP32の処理に移行する。
【0064】
(ステップSP32)
端末装置10は、エミュレータサーバ14から出力データを受信する。これに応答して、端末装置10は、受信した出力データに基づき、ゲーム画像やゲーム音を出力する。そして、処理がステップSP34の処理に移行する。
【0065】
(ステップSP34)
端末装置10は、ユーザによるゲームの終了操作があるか否か判定する。そして、肯定判定された場合に処理がステップSP36の処理に移行し、否定判定された場合に処理がステップSP26の処理に戻る。
【0066】
(ステップSP36)
端末装置10は、通信手段を介し、ゲームの終了要求をエミュレータサーバ14に送信する。そして、処理がステップSP38の処理に移行する。
【0067】
(ステップSP38)
エミュレータサーバ14は、通信装置36を介し、端末装置10から終了要求を受信する。これに応答して、エミュレータサーバ14のエミュレータ実行手段142は、エミュレータ14Aの実行を停止することでゲームを終了する。そして、処理がステップSP40の処理に移行する。
【0068】
(ステップSP40)
エミュレータ実行手段142は、これまでプレイしたユーザのプレイデータ14Bを生成し、記憶手段140に保存(記憶)する。なお、このステップSP40は、エミュレータ14Aが実行されている間に適宜行われてもよい。そして、処理がステップSP42の処理に移行する。
【0069】
以上により、一連のエミュレータルーチンが終了する。
【0070】
図5は、端末装置10と、エミュレータサーバ14と、アプリ提供サーバ12と、の間で行われる、ゲームアプリ配信の停止ルーチンの流れを説明するためのフローチャートである。本実施形態では、この停止ルーチンは、エミュレータルーチンの後に続いて実行される。
【0071】
(ステップSP42)
エミュレータサーバ14の判定手段144は、ユーザがゲームエミュレーションをプレイすることにより得られるパラメータとして、ステップSP18で計測を開始しているプレイ時間を取得する。そして、処理がステップSP44の処理に移行する。
【0072】
(ステップSP44)
判定手段144は、ゲームエミュレーションに対するユーザの興味、言い換えれば、ゲームアプリ12Aのゲームに対するユーザの興味度を判定する。具体的には、判定手段144は、取得したプレイ時間が予め定められた値の第1閾値(例えば10分や30分等)以上であるか否かを判定し、肯定判定した場合には興味度がゲームエミュレーションに興味が有ることを示すものとして判定し、否定判定した場合には興味度がゲームエミュレーションに興味が無いことを示すものとして判定する。そして、肯定判定された場合にはゲームアプリ12Aの配信が完了した後に一連の停止ルーチンが終了し、否定判定された場合には処理がステップSP46の処理に移行する。
【0073】
(ステップSP46)
エミュレータサーバ14の問い合わせ手段150は、ユーザがゲームアプリ12Aのゲームに興味が無いと判定した場合でも、実際にはユーザはそのゲームに興味がある場合も想定されるので、ステップSP38におけるエミュレータ14Aの実行が停止されることに応答して、ゲームアプリ12Aの配信を継続するか否かを、通信装置36を介して端末装置10に問い合わせる。そして、処理がステップSP48の処理に移行する。
【0074】
(ステップSP48)
端末装置10は、通信手段を介し、エミュレータサーバ14から問い合わせを受信する。この受信に応答して、端末装置10は、受信した問い合わせを表示する。この問い合わせを見たユーザは、操作手段を介して、その問い合わせに対して継続するか否かを回答する。端末装置10は、通信手段を介して、その回答をエミュレータサーバ14に送信する。そして、処理がステップSP50の処理に移行する。
【0075】
(ステップSP50)
エミュレータサーバ14は、通信装置36を介し、端末装置10から問い合わせ結果としての回答を受信する。この受信に応答して、問い合わせ手段150は、その回答が継続するという旨であるか否かを判定する。そして、肯定判定された場合にはゲームアプリ12Aの配信が完了した後に一連の停止ルーチンが終了し、否定判定された場合には処理がステップSP52の処理に移行する。
【0076】
(ステップSP52)
エミュレータサーバ14の配信制御手段146は、ゲームアプリ12Aの配信の停止を制御する。具体的には、配信制御手段146は、通信装置36を介し、アプリ提供サーバ12の配信手段122に対して配信の停止指示を出力することで配信手段122の配信を制御する。そして、処理がステップSP54の処理に移行する。
【0077】
(ステップSP54)
アプリ提供サーバ12は、エミュレータサーバ14からの停止指示を受信する。この停止指示に応答して、配信手段122は、配信がまだ途中の場合にはその配信を停止する。そして、処理がステップSP56の処理に移行する。
【0078】
(ステップSP56)
エミュレータサーバ14の削除指示手段148は、ステップSP52におけるゲームアプリ12Aの配信の停止が制御されること、すなわちゲームアプリ12Aの配信が停止されることに応答して、通信装置36を介し、配信の停止に係るゲームアプリ12Aであって既に配信されている部分を端末装置10に対して削除するように指示する。なお、削除指示手段148は、ゲームアプリ12Aの配信が既に完了している場合には、配信が完了しているゲームアプリ12Aを端末装置10に対して削除するように指示する。
【0079】
(ステップSP58)
端末装置10は、通信手段を介し、エミュレータサーバ14から削除の指示を受信する。そして、処理はステップSP60の処理に移行する。
【0080】
(ステップSP60)
端末装置10は、上記指示の受信に応答して、配信の停止に係るゲームアプリ12Aであって既に配信されている部分を端末装置10に対して削除する。
【0081】
以上により、一連の停止ルーチンが終了する。
【0082】
図6は、
図4に示すステップSP20で実行される配信ルーチンを説明するためのフローチャートである。
【0083】
(ステップSP20A)
エミュレータサーバ14の配信制御手段146は、端末装置10に対するゲームアプリ12Aの少なくとも一部の配信の開始を自動的に行う。具体的には、配信制御手段146は、通信装置36を介し、アプリ提供サーバ12の配信手段122に対して配信開始の指示を出力することで配信手段122の配信を行う。そして、処理がステップSP20Bの処理に移行する。
【0084】
(ステップSP20B)
アプリ提供サーバ12は、エミュレータサーバ14から配信の開始指示を受信する。そして、処理がステップSP20Cの処理に移行する。
【0085】
(ステップSP20C)
アプリ提供サーバ12の配信手段122は、インストール要求元の端末装置10にゲームアプリ12Aの配信を開始する。そして、処理がステップSP20Dの処理に移行する。なお、上述したステップSP54で配信の停止が指示された場合には、その配信を停止し、一連の配信ルーチンが終了する。配信の進捗状況は、ゲームエミュレーションのプレイ中にもすぐに確認できるように、例えばゲーム画面の端に表示されていることが好ましい。また、配信開始の際に、配信手段122又は配信制御手段146は、ユーザに意表を突くことを抑制する等の理由から、自動的に配信開始した旨をユーザに通知するようにしてもよい。
【0086】
(ステップSP20D)
端末装置10は、アプリ提供サーバ12からゲームアプリ12Aを受信する(ダウンロードする。)。そして、ダウンロードが完了すると、端末装置10は、ゲームアプリ12Aをインストールする。インストールが完了すると、端末装置10は、端末IDを含むインストール完了通知をアプリ提供サーバ12に送信する。そして、処理がステップSP20Eの処理に移行する。なお、上記インストール完了通知は、エミュレータサーバ14に送信されてもよく、またアプリ提供サーバ12とエミュレータサーバ14の両方に送信されてもよい。
【0087】
(ステップSP20E)
アプリ提供サーバ12は、端末装置10からインストール完了通知を受信する。この受信に応答して、アプリ提供サーバ12は、当該インストール完了通知をエミュレータサーバ14に転送する。そして、処理がステップSP20Fの処理に移行する。
【0088】
(ステップSP20F)
エミュレータサーバ14は、アプリ提供サーバ12からインストール完了通知を受信する。これに応答して、エミュレータサーバ14の引継手段152は、ゲームエミュレーションが終了した後に、ユーザのプレイデータ14Bを、ゲームアプリ12Aのゲームが引き継げるように、ゲームアプリ12Aによって参照可能に設定する。
【0089】
具体的には、引継手段152は、インストール完了通知に含まれる端末IDに対応するプレイデータ14Bを記憶手段140から取得する。そして、引継手段152は、取得したプレイデータ14Bを端末IDとともにアプリ提供サーバ12に送信する。アプリ提供サーバ12は、端末IDとともにプレイデータ14Bを受信する。これに応答して、アプリ提供サーバ12は、受信したプレイデータ14Bを自身が参照するためのプレイデータ12Bとして記憶手段120に生成(記憶)し、当該プレイデータ12Bを受信した端末IDと対応付ける。そして、処理がステップSP20Gの処理に移行する。
【0090】
(ステップSP20G)
エミュレータサーバ14の報酬付与手段154は、報酬をユーザに付与する。具体的には、報酬付与手段154は、アプリ提供サーバ12に対して、ユーザの端末IDに対応するプレイデータ12Bに報酬を示すデータを追記するよう指示する。
【0091】
以上により、配信ルーチンが終了する。
【0092】
次に、ゲームアプリ12Aがインストールされた後の端末装置10の処理について簡単に説明する。
【0093】
端末装置10は、ユーザの操作に応答して、インストールされたゲームアプリ12Aを実行する。この際、端末装置10は、アプリ提供サーバ12に対して端末IDと共にアプリ実行の旨を送信する。アプリ提供サーバ12は、端末IDと共にアプリ実行の旨を端末装置10から受信する。これに応答して、アプリ提供サーバ12は、端末IDに対応するプレイデータ12Bを記憶手段120から取得する。そして、アプリ提供サーバ12は、端末装置10に対してプレイデータ12Bを送信する。端末装置10は、アプリ提供サーバ12からプレイデータ12Bを受信する。これに応答して、端末装置10は、受信したプレイデータ12Bに基づき、ゲームアプリ12Aのゲームを途中から開始する。すなわち、端末装置10は、ゲームアプリ12Aのゲームを、エミュレータ14Aでプレイされたゲームの続きから開始する。この開始後のゲームでは、ユーザは、ゲーム中に得られるアイテムだけでなく、ゲームアプリ12Aのインストールにより報酬として付与されたアイテム等も使用することができる。
【0094】
以上、本実施形態によれば、エミュレータサーバ14は、広告の選択情報を受信した後に、端末装置10に対するゲームアプリ12Aの配信の開始を自動的に行うので、端末装置10には、明示的なダウンロード指示を待たずに、ゲームアプリ12Aが配信される(端末装置10がダウンロードを開始する)。この結果、ゲームアプリ12Aのダウンロード完了を早めることができる。また、エミュレータサーバ14は、判定手段144が判定した興味度に基づいて、配信の開始及び停止のうち少なくとも何れか一方を制御するので、例えばゲームアプリ12Aのゲームに対するユーザの興味度が小さい場合には(本実施形態ではゼロ、すなわち興味が無い場合には)、配信の開始をしない、或いは配信の停止を制御することができる。これにより、ダウンロードを希望しないユーザの端末装置10の記憶容量が圧迫することを抑制することができる。
【0095】
また、エミュレータサーバ14は、ゲームアプリ12Aの配信の開始を、エミュレータ14Aが実行されている間に制御するので、ゲームアプリ12Aのダウンロード完了をより早めることができる。
【0096】
また、エミュレータサーバ14は、パラメータとしてのプレイ時間が予め定められた値の第1閾値未満である場合に、ユーザのゲームに対する興味が無いと判定し、この判定に応じて、配信の停止を制御する。これにより、配信の停止後は残りのゲームアプリ12Aが配信されない。したがって、残りのゲームアプリ12Aが配信されない分だけ、端末装置10の記憶容量が圧迫することを抑制することができる。
【0097】
また、エミュレータサーバ14は、ゲームアプリ12Aの配信が停止されることに応答して、配信の停止に係るゲームアプリ12Aであって既に配信されている部分を端末装置10に対して削除するように指示する。これにより、端末装置10の記憶容量が圧迫することをより抑制することができる。
【0098】
また、エミュレータサーバ14は、エミュレータ14Aの実行が停止されることに応答して、ゲームアプリ12Aの配信を継続するか否かを端末装置10に問い合わせ、問い合わせの結果、継続しないという旨を受信した場合には、ゲームアプリ12Aの配信の停止を制御する。これにより、配信の停止後は残りのゲームアプリ12Aが配信されない。したがって、残りのゲームアプリ12Aが配信されない分だけ、端末装置10の記憶容量が圧迫することを抑制することができる。
【0099】
また、エミュレータサーバ14は、配信が完了した場合に、エミュレータ14Aが生成したプレイデータ14Bを、配信が完了したゲームアプリ12Aのゲームが引き継げるように、ゲームアプリ12Aによって参照可能に設定する。これにより、ユーザは、今までプレイしたゲームエミュレーションの続きを、ゲームアプリ12Aのゲームでプレイすることができる。
【0100】
―――第二実施形態―――
次に、本発明の第二実施形態について説明する。第一実施形態では興味度に係らず、ゲームアプリ12Aの配信を自動的に行う場合を説明したが、第二実施形態では興味度に基づいてゲームアプリ12Aの配信を自動的に行うか否かを決定する点で、第二実施形態は第一実施形態と異なる。第二実施形態のその他の構成及び機能は、第一実施形態と同様である。
【0101】
具体的には、第一実施形態で説明した
図6に示す配信ルーチンの初めに興味度に関する処理を追加している。
【0102】
図7は、本発明の第二実施形態に係るフローチャートであって、
図6に示す配信ルーチンの変形例を説明するためのフローチャートである。なお、下記配信ルーチンの前に、端末装置10のユーザに対して所定時間経過後に自動的に配信してもよいかを問い合わせをして、その許可を得た場合にのみ配信ルーチンを実行してもよい。
【0103】
(ステップSP20X)
エミュレータサーバ14の判定手段144は、エミュレータルーチンにおいてエミュレータが停止したか否かを判定する。そして、肯定された場合には一連の配信ルーチンが終了され、否定判定された場合には処理がステップSP20Yの処理に移行する。
【0104】
(ステップSP20Y)
エミュレータサーバ14の判定手段144は、ユーザがゲームエミュレーションをプレイすることにより得られるパラメータとして、ステップSP18で計測を開始しているプレイ時間を取得する。そして、処理がステップSP20Zの処理に移行する。
【0105】
(ステップSP20Z)
判定手段144は、ゲームエミュレーションに対するユーザの興味、言い換えれば、ゲームアプリ12Aのゲームに対するユーザの興味度を判定する。具体的には、判定手段144は、取得したプレイ時間が予め定められた値の第2閾値以上であるか否かを判定し、肯定判定した場合には興味度がゲームエミュレーションに興味が有ることを示すものとして判定し、否定判定した場合には興味度がゲームエミュレーションに興味が無いことを示すものとして判定する。そして、肯定判定された場合には処理がステップSP20Aの処理に移行し、否定判定された場合には処理がステップSP20Xの処理に戻る。なお、上記第2閾値は第1閾値未満であり、例えば1分や5分などである。
【0106】
以上、本実施形態によれば、パラメータとしてのプレイ時間が第2閾値以上である場合に、ユーザのゲームに対する興味が有ると判定し、この判定に応じて、ゲームアプリ12Aの配信の開始を制御する。これにより、ゲームアプリ12Aが端末装置10に配信されないので、ゲームに興味が無く或いは低く、ダウンロードを希望しないユーザの端末装置10の記憶容量が圧迫することを抑制することができる。また、ユーザが広告を押し間違えたときに、ゲームアプリ12Aが端末装置10に自動的に配信されることを抑制できる。
【0107】
―――変形例―――
なお、本発明は上記の具体例に限定されるものではない。すなわち、上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、前述した実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0108】
例えば、上記実施形態によれば、興味度を、ゲームに興味が有るか否かの2つで判定したが、興味度を例えば「小」、「中」、「大」等の3つ以上で判定してもよい。そして、判定の結果、「小」の場合には配信を停止し、「中」の場合には配信スピードを遅くし、「大」の場合には配信を継続等するようにしてもよい。また、判定の結果、「中」の場合には配信スピードを遅くし、「大」の場合には配信スピードを早めるようにしてもよい。
【0109】
また、第2実施形態では、判定手段144が判定した興味度に基づいて、配信の開始及び停止の両方を制御する場合を説明したが、開始のみを制御するようにしてもよい。
【0110】
また、第1閾値と第2閾値は、予め定められた値である場合を説明したが、例えばエミュレータサーバ14は、実行するゲームエミュレーションの種類を判定し、判定した種類に応じて閾値を決定してもよい。
【0111】
また、ゲームアプリ12Aの配信の開始(配信ルーチン)を、エミュレータ14が実行されている間に行う場合を説明したが、エミュレータ14の実行が終わった後、すなわちゲームのプレイ終了後に行ってもよい。また、ゲームアプリ12Aの配信の停止(停止ルーチン)を、エミュレータ14が終了した後に行う場合を説明したが、エミュレータ14が実行されている間に行ってもよい。
【0112】
また、広告が選択された後、エミュレータ14が実行される前にゲームに関する動画を所定時間の間、端末装置10に配信する場合、その所定時間の間に、ゲームアプリ12Aの配信の開始を行ってもよい。
【解決手段】情報処理装置が、端末装置から所定の選択がされたことを示す選択情報を受信した場合に、エミュレータ用プログラムを実行して端末装置においてゲームエミュレーションがプレイできるように制御するエミュレータ実行手段142と、端末装置のユーザがゲームエミュレーションをプレイすることにより得られるパラメータに基づき、ゲームエミュレーションに対するユーザの興味度を判定する判定手段144と、選択情報を受信した後に、端末装置に対するゲームアプリケーションの少なくとも一部の配信の開始を自動的に行う配信制御手段146と、を備え、配信制御手段146は、興味度に基づいて、配信の開始及び停止のうち少なくとも何れか一方を制御する。