(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6061131
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】化粧料塗布体
(51)【国際特許分類】
A45D 33/32 20060101AFI20170106BHJP
A46B 15/00 20060101ALI20170106BHJP
【FI】
A45D33/32
A46B15/00 Z
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-219395(P2012-219395)
(22)【出願日】2012年10月1日
(65)【公開番号】特開2014-68983(P2014-68983A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2015年9月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000223986
【氏名又は名称】フィグラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141210
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100100767
【弁理士】
【氏名又は名称】湯浅 正彦
(72)【発明者】
【氏名】清水 順
(72)【発明者】
【氏名】高橋 布美子
【審査官】
伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭63−103519(JP,U)
【文献】
特開平05−103704(JP,A)
【文献】
特表2011−509113(JP,A)
【文献】
実開平03−113632(JP,U)
【文献】
特開2004−350834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 33/00−40/30
A46B 1/00−17/08
A46D 1/00−99/00
A61C 17/22−17/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と該本体部に保持される塗布部とから構成され、
該本体部は、保持部、光源部、電源部、及びスイッチ部とからなり、該保持部に塗布部を保持するとともに、該スイッチ部を介して光源部と電源部とを電気的に接続可能とし、 該塗布部は、塗布部分に対して直接光を照射するため光源部の光を塗布部の先端部分方向へ導出して先端部分を光り輝かせるように内部を透光可能とする繊維状の透光材料の方向を揃えて繊維束とした上で、
該本体部の光源部を、塗布部において形成するものであって、外部と連通し、該繊維束により外方向を閉塞自在とする孔内に位置させてなる
ことを特徴とする化粧料塗布体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、頬紅、白粉、ファンデーション、又はアイシャドウ等の粉状化粧料の塗布に使用する化粧料塗布体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粉状化粧料の塗布に使用する化粧料塗布体の一つである化粧筆は、馬や山羊等の獣毛や化学繊維を束ねたものが一般的である。そして、実際に粉状化粧料を塗布するにあたっては、照明等によって適度な明るさを確保する必要がある。
【0003】
ところが、化粧料を塗布するにあたって、常に照明等によって適度な明るさを確保することができるとは限らないものである。
そのため、内蔵する光源によって塗布に際して必要となる明るさを確保できるようにするものがある(特許文献1及び特許文献2参照)。すなわち、特許文献1である実開平2−142218号公報における棒状化粧品の容器は、容器底部内に電池とともに発光体を内装するとともに、容器内周面に一端に照明部に連接し、他端は発光体に近接するように配置される透明材料で光を通す部材を設け、該発光体の光を透明材料で光を通す部材を介して照明部から外部に光を出してなるものであり、また特許文献2である実用新案登録第3151513号公報における化粧装置は、本体内に電源ユニットとともにランプを収容し、スイッチの切り替えにより化粧具の根元の自由端を発光させてなるものである。
【0004】
しかしながら、上記実開平2−142218号公報における棒状化粧品の容器及び実用新案登録第3151513号公報における化粧装置のいずれも塗布部分に対して離れた位置から光を照射するもの、すなわち塗布部分に近接して光を照射するものではないので、光の照射範囲は広くなる反面、該塗布部分では光が分散して明るさが低下してしまうものである。
【0005】
また、塗布部分に直接触れる塗布体のみが発光するものもあるが、光源の光を塗布体へ他の部品を介して送っているので構造が複雑になるとともに、光源と発光する塗布体とを分離することで光源が塗布部分に接近するため、塗布部分での光の明るさは十分に確保できる反面、光の照射範囲は狭くなってしまうものである。
【0006】
特に、粉状化粧料の塗布では、まず広範囲の塗布部分に対して塗布作業を行わなければならず、しかも暈かし等では塗布部分全体のバランスを考慮しながら化粧料の塗布に濃淡を付けることもあるので、暗所での粉状化粧料の塗布においては、塗布部分に対して広範囲にわたり、万遍なく、しかも強い光を照射する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平2−142218号公報
【特許文献2】実用新案登録第3151513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、暗所での粉状化粧料の塗布にあたって、簡単な構造により、塗布部分に対して広範囲にわたり、万遍なく、しかも強い光を照射することができない点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の特徴として、
本体部と該本体部に保持される塗布部とから構成され、
該本体部は、保持部、光源部、電源部、及びスイッチ部とからなり、該保持部に塗布部を保持するとともに、該スイッチ部を介して光源部と電源部とを電気的に接続可能とし、 該塗布部は、塗布部分に対して直接光を照射するため光源部の光を塗布部の先端部分方向へ導出して先端部分を光り輝かせるように内部を透光可能とする繊維状の透光材料の方向を揃えて繊維束とした上で、
該本体部の光源部を
、塗布部において形成する
ものであって、外部と連通し、該繊維束により外方向を閉塞自在とする孔内に位置させてなるものである。
【0010】
そのため、光源部の光は、光源部が位置する塗布部を透過し、及び該塗布部をなす繊維状の透光材料の表面に反射し、さらには塗布部をなす繊維状の透光材料の内部をも透過するものである。
その結果、光源部の光は塗布部の先端部分方向へ導出され、塗布部の先端部分は光り輝いて、塗布部分に対して直接光を照射するものとなる。そして、光源部の光は該塗布部の側面部分方向へも導出されるので、保持部より露出する塗布部の側面部分も光り輝いて、塗布部分の周囲に対して光を照射するものとなる。
以上のように、本体部の保持部より露出する塗布部の先端部分のみならず側面部分も光り輝いて光を照射することから、簡単な構造により、塗布部分に対して広範囲にわたり、万遍なく、しかも強い光を照射することができるものとなる。
【0011】
ここで、光源部における光源の個数、色及び配置の変化にあわせて、本体部の保持部より露出する塗布部全体の輝きが変化するので、化粧具としての意匠性を多様化させることもできるものである。
さらに、光源部には電球の他、別の用途との兼用を考慮して、例えばLEDも使用することができるものである。そのため、光源部に使用するLEDでは、紫外線を含まず、肌に有効な波長を特定して浴びせることができるので肌が持つ本来の再生力を復活させることができるものであって、特に青色LEDはアクネ菌の生成するポリフィリンに集光することからニキビ肌に対する殺菌効果があり、赤色LEDは血行を促進して新陳代謝を促し、コラーゲンの浸透を補助するものとなる。
その上、光源部には、光源部の光を透過させつつ光源部を保護させるために透明のカバー体を装着するものであるが、特に光源部にLEDを使用する場合では、該カバー体は直進性の高いLEDの光を拡散させ、またグラデーションなどの模様を描いて意匠性を向上させることもできるものである。
【0012】
ところで、上記塗布部をなす繊維状の透光材料は、塗布部分に対して広範囲にわたって万遍なく、しかも強い光を照射することができるように、効率よく内部で光を透過させ、しかもその表面では光を反射させるものであることが必要である。そのため、塗布部である繊維束をなす繊維状の透光材料には、ナイロン、ポリエステル、PBT等が適当である。
【0013】
そして、上記塗布部の繊維束をなす繊維状の透光材料は、塗布部分である肌に直接接触するので、塗布作業時における塗布部分である肌への刺激性を緩和させる必要がある。そのため、該繊維状の透光材料においては、例えば先端を先細状としたり、またウェーブ処理を施して柔軟性を向上させても良いものである。特に、塗布部をなす繊維状の透光材料に対してウェーブ処理を施すことによって、上述のように柔軟性を向上させることができるとともに、塗布部を形成する繊維状の透光材料間にランダムな隙間が発生して光源部の光が該隙間を通して外部へ導出されることとなるので、塗布部の先端部分及び側面部分をより光り輝かせることができるものとなる。
【0014】
さらに、塗布部内に形成される孔によって塗布部をなす繊維状の透光材料はより容易に変形し易くなるものである。その結果、塗布部の変形に合わせて塗布部内に形成される孔内に位置される光源の光は、孔内では繊維状の透光材料によって乱反射が減って塗布部の先端部分及び側面部分へより強く導出されるので、塗布部の変形部分においてより強く光り輝くこととなって、塗布部分に対して広範囲にわたり、万遍なく、しかもより強い光を照射することができ、さらに塗布部における繊維状の透光材料の密度が低減することから塗布部自体の柔軟性がより高まって、塗布部分への密着性が非常に向上するものとなる。
【発明の効果】
【0015】
本願発明は、塗布部内に位置させる光源部の光によって、塗布部の先端部分及び側面部分を効率よく光り輝かせて塗布部分に対して広範囲にわたって万遍なく、強い光を照射することができるので、暗所においても簡易かつ正確に粉状化粧料を塗布することができる優れた効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本願発明の実施例である化粧料塗布体の正面図である。
【
図2】
図2は、本願発明の実施例である化粧料塗布体の斜視図である。
【
図3】
図3は、本願発明の実施例である化粧料塗布体の平面図である。
【
図4】
図4は、本願発明の実施例である化粧料塗布体のA−A断面図である。
【
図5】
図5は、本願発明の実施例である化粧料塗布体における光の照射範囲(矢印)を示すA−A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
簡単な構造で、暗所において、粉状化粧料を簡易かつ正確に塗布するために塗布部分に対して広範囲にわたって万遍なく、しかも強い光を照射できるように、光源部を塗布部内に位置させ、光源部の光を保持部より露出する塗布部の先端部分のみならず側面部分にも導出して光り輝かせることで実現した。
【実施例】
【0018】
図1において示すのは、本願発明の実施例である化粧料塗布体1である。そして、該化粧料塗布体1は、本体部2と該本体部2に保持される塗布部10とから構成されるものである。
【0019】
そして、該本体部2は、保持部3、光源部4、電源部5及びスイッチ部6からなるものである。
まず、該保持部3の内部には、中央に両端を開口した透明な円筒部3bを形成した受け部3aが固持されているものである。そして、該保持部3では後述する繊維状の透光材料10bからなる繊維束10aである塗布部10を一体に保持し、該円筒部3bでは後述する光源部4のLED4aを内部に収納する透明のカバー体4bを塗布部10方向へ突出させてなるものである。
そして、該光源部4は外周面の一部に雄ネジ部4cを螺設するとともに、一端に先端を湾曲面とする筒部4dを有し、光源部4のLED4aを保護すると共に、光を拡散させる透明のカバー体4bと、その内部に収納される光源であるLED4aからなるものである。
さらに、該電源部5は、前記カバー体4b内において直列に配置する複数の電池5a、及び後述するスイッチ部6により電気的に接続可能となるように前記LED4aに接続される配線5bとからなるものである。
また、該スイッチ部6は、互いに回転自在となるよう一体に保持され、内周面に前記カバー体4bの外周面の雄ネジ部4cと螺合する雌ネジ部7aを螺設したネジ体7、その内周面にネジ8aを螺設したスイッチ本体8、及び該スイッチ本体8内において、ネジ8aに嵌合する杆体9aを一体に形成し、先端に前記配線5bと接触して電池5a及びLED4aを含めた閉回路を形成する一部を湾曲部9cとしたスイッチ板9bを固持してなるスイッチ棒9とからなるものである。従って、スイッチ本体8の回転により該スイッチ棒9は長手軸方向に沿って前進又は後退自在となるものである。
ここで、上記化粧料塗布体1を構成する、保持部3、光源部4、電源部5及びスイッチ部6において、保持部3と光源部4とは回転不能に一体に固持され、光源部4と電源部5とは光源部4内に電源部5が収納され、さらに光源部4とスイッチ部6とは光源部4のカバー体4bの外周面の雄ネジ部4cとネジ体7の内周面に螺設した雌ネジ部7aとが着脱自在に螺合してなるものである。
【0020】
一方、該塗布部10は、内部を透光可能となる繊維状の透光材料10bの方向を揃えて繊維束10aとして前記本体部2の保持部3内において保持されるとともに、該塗布部10内において外部と連通する孔10cを形成するものであって、前記光源部4のLED4aを該塗布部10の孔10c内に位置させてなるものである。
【0021】
本願発明の実施例である化粧料塗布体1は以上の構成を具えるので、該化粧料塗布体1の使用にあたって塗布部10全体を光り輝かせる場合には次のようにするものである。
まず、スイッチ部6のスイッチ本体8を回転させることで、スイッチ本体8内に螺設するネジ8aと嵌合する杆体9aを一体に形成したスイッチ棒9は前進する。
そして、前進した該スイッチ棒9は、その先端に固持するスイッチ板9bを変形させながら、カバー体4b内に収納された電池5aにその湾曲部9cを接触させるとともに配線5bを電気的に接続して、電源部4のLED4aへ通電することによって光り輝くものである。
ここで、塗布部10の孔10c内に位置しているので、該LED4aの光は、塗布部10の先端部分10dのみならず側面部分10eへも導出されるものである。
その結果、
図5において示すように、保持部3に保持される塗布部(斜線部に相当する。)のうち、保持部3より露出する塗布部10全体がLED4aの光によって光り輝く(黒矢印に相当する。)ので、塗布部分に対して広範囲にわたって万遍なく、しかも強い光を照射して、塗布部分に対して簡易かつ正確に粉状化粧料を塗布することができるとともに、化粧料塗布体1自体の意匠性を向上させることができるものである。
【0022】
その上、塗布部10に形成される孔10cによって塗布部10は容易に変形して塗布部10をなす繊維状の透光材料10bに疎密が生じ、該孔10c内に位置するLED4aの光が繊維状の透光材料10bの疎密に合わせて透過するので、塗布部10の変形部分においてより強く光り輝き、塗布部分に対してより強く照射することができ、さらに塗布部10における繊維状の透光材料10bの密度が低減することで塗布部10自体の柔軟性がより高まって、塗布部分への密着性が非常に向上し、確実に化粧料を塗布することができるものである。
【0023】
一方、使用後にLED4aを消灯する場合には、スイッチ部6のスイッチ本体8を逆回転させ、スイッチ本体8内で前進したスイッチ棒9が後退するとともに、変形していたスイッチ板9bは元の形状及び位置に復帰して、スイッチ板9bと電池5aとが分離するものとなる。その結果、カバー体4b内に収納される配線5bの通電は断たれ、LED4aは消灯するものとなる。
【0024】
なお、電源部5の電池5aを交換するためには、スイッチ部6のスイッチ本体8と一体となったネジ体7を回転させることで、カバー体4b内に収納され、直列に配置された複数の電池5aが露出するので、容易に電池5aを取り出して交換することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本願発明の化粧料塗布体は、暗所においても簡易且つ正確に粉状化粧料を塗布することができるので、多様な塗布体に適用することができる。
【符号の説明】
【0026】
1 化粧料塗布体
2 本体部
3 保持部
3a 受け部
3b 円筒部
4 光源部
4a LED
4b カバー体
4c 雄ネジ部
4d 筒部
5 電源部
5a 電池
5b 配線
6 スイッチ部
7 ネジ体
7a 雌ネジ部
8 スイッチ本体
8a ネジ
9 スイッチ棒
9a 杆体
9b スイッチ板
9c 湾曲部
10 塗布部
10a 繊維束
10b 繊維状の透光材料
10c 孔
10d 先端部分
10e 側面部分