特許第6061133号(P6061133)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6061133
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】テストチャート及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 11/02 20060101AFI20170106BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20170106BHJP
【FI】
   G01M11/02 A
   H04N5/225 F
【請求項の数】18
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-244379(P2012-244379)
(22)【出願日】2012年11月6日
(65)【公開番号】特開2014-92508(P2014-92508A)
(43)【公開日】2014年5月19日
【審査請求日】2015年10月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115603
【氏名又は名称】リーダー電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 修
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(72)【発明者】
【氏名】王 暁冬
【審査官】 横尾 雅一
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−237889(JP,A)
【文献】 特開2006−245891(JP,A)
【文献】 特開2011−101100(JP,A)
【文献】 吉田興夫、外2名,「ITEテストチャートを用いたテレビジョンシステムの評価(II)」,テレビジョン学会誌,1984年,第38巻第3号,第249頁−第257頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 11/00−11/08
H04N 5/222−5/257
H04N 13/00−17/06
G03B 3/00−43/02
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのチャートを含むテストチャートであって、
前記チャートが、
同心円状に配列された複数のリングであって、該複数のリングが、周辺から中心に向かう方向において増大する空間周波数を有する、複数のリングと、
該複数のリングの外に配置された少なくとも1つの1対のマークであって、該1対のマークが、前記複数のリングの中心を通る横方向または縦方向において配置された、少なくとも1つの1対のマークと、
を含
前記少なくとも1つの1対のマークの各対は、空間解像度の測定に使用する測定エリアを定め、該測定エリアの幅は、対応する対のマークの幅により定められる、テストチャート。
【請求項2】
請求項記載のテストチャートにおいて、前記チャートは、前記複数のリングの中心に前記黒の円形領域を含み、
該円形領域は、前記マークが配置された前記横方向または前記縦方向に直交する方向における前記マークの幅に関連する直径を有する、
テストチャート。
【請求項3】
請求項1記載のテストチャートにおいて、前記複数のリングの各々は、前記空間周波数を定める波形の一方のピークで第1の色となり他方のピークで第2の色となり、前記一方のピーク前記他方のピークとの間において前記第1の色と前記第2の色との間で色が変化する、テストチャート。
【請求項4】
請求項1記載のテストチャートにおいて、
前記テストチャートは、矩形の形状を有し、かつ複数の前記チャートを含み、
該複数の前記チャートは、
前記テストチャートの前記矩形の中央に配置された中心チャートと、
前記矩形の4隅の各々に配置された4つの周辺チャートと、
を含む、テストチャート。
【請求項5】
a)被測定対象の撮像装置からの、請求項1〜のいずれかに記載の前記テストチャートのデジタル撮像信号を受けるステップと、
b)前記デジタル撮像信号から、前記テストチャートの前記少なくとも1つのチャートのうちの1つのチャートの前記1対のマークを検出することにより、前記1つのチャートのある角度における測定エリアを定めるステップと、
c)前記測定エリア内において低い空間周波数から高い空間周波数に向かって複数の測定ラインを定めるステップと、
d)各前記測定ラインの各々において、前記デジタル撮像信号から、前記測定ラインに沿った一連のデジタル・データを取得し、該一連のデジタル・データが定める波形の周期および振幅の少なくとも1つに基づいて各前記測定ラインにおける空間解像度を求めるステップと、
e)複数の前記測定ラインにおいてそれぞれ求めた複数の空間解像度を使用して、前記被測定対象の撮像装置の、前記測定エリアにおける空間解像度を求めるステップと、
を含む、測定方法。
【請求項6】
請求項記載の測定方法において、
各前記測定ラインにおける空間解像度を求めるステップは、
前記波形のピークの検出を、前記低い空間周波数から開始するステップと、
検出した前記ピークのうちの、前記波形の平均値を超えない一方の極性のピークを検出するステップと、
前記平均値を超えない一方の極性のピークの直前の、前記平均値を超える一方の極性のピークを有する波形位置に対応する前記空間周波数に基づいて、各前記測定ラインにおける空間解像度を定めるステップと、
を含む、測定方法。
【請求項7】
請求項記載の測定方法において、
前記測定エリアの空間解像度は、前記複数の測定ラインにおいて求めた前記複数の空間解像度の平均値によって定める、測定方法。
【請求項8】
請求項記載の測定方法において、
各前記測定ラインにおける空間解像度を求めるステップは、
前記波形の周期の検出を、前記低い空間周波数から開始するステップと、
検出した前記周期が、直前に検出した前記周期よりも長いかどうか判定するステップと、
検出した前記周期が直前に検出した周期よりも長いとき、前記直前に検出した周期を有する波形位置に対応する前記空間周波数に基づいて、各前記測定ラインにおける空間解像度を定めるステップと、
を含む、測定方法。
【請求項9】
請求項記載の測定方法において、
各前記測定ラインにおける空間解像度を求めるステップは、
前記波形の振幅の検出を、前記低い空間周波数から開始するステップと、
検出した前記振幅が、しきい値よりも小さいかどうか判定するステップと、
検出した前記振幅が前記しきい値より小さいとき、該検出した振幅の直前に検出した振幅を有する波形位置に対応する前記空間周波数に基づいて、各前記測定ラインにおける空間解像度を定めるステップと、
を含む、測定方法。
【請求項10】
請求項記載の測定方法において、
前記測定エリアを、前記1つのチャートの中心を中心としてある角度回転させて、回転後測定エリアを生成するステップと、
前記回転後測定エリアに関して、前記ステップc、d、eを実行するステップと、
をさらに含む、測定方法。
【請求項11】
請求項記載の測定方法において、
前記測定エリアにおいて求めた前記空間解像度を表す値を、前記測定エリアの角度と関連付けて表示するステップ、
をさらに含む、測定方法。
【請求項12】
請求項11記載の測定方法において、
前記空間解像度を表す値と前記測定エリアの角度とを極座標で表示する、測定方法。
【請求項13】
請求項12記載の測定方法において、
前記極座標における極からの距離は、前記複数のリングの中心と、該距離が表す空間周波数を有する前記チャートの前記複数のリング状の位置との間の距離に関係する、測定方法。
【請求項14】
請求項13記載の測定方法において、
前記極座標における極からの距離が、前記空間解像度に関係する、測定方法。
【請求項15】
請求項14記載の測定方法において、
前記極座標における中心からの距離が、前記空間解像度を表す値を表す、測定方法。
【請求項16】
請求項11記載の測定方法において、
前記空間解像度を表す値と前記測定エリアの角度とを直交座標で表示する、測定方法。
【請求項17】
請求項から16のいずれかに記載の方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ・プログラム。
【請求項18】
請求項から16のいずれかに記載の方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ読み取り可能命令を格納したコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラなどの撮像装置のためのテストチャート、並びにこれの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラの空間周波数を評価するために、サーキュラゾーンプレート(CZP: Circular Zone Plate)を使用することが知られている。この公知のCZPチャートを例えばビデオカメラで撮影してそのビデオカメラの映像信号を波形モニターなどの測定器で評価するとき、測定器の観測波形の変化が、ビデオカメラのレンズの特性によるものなのかあるいはビデオカメラ本体の特性によるものなのか区別することができない、という問題がある。この問題に対処するため、特開2011−101100号公報では、この公知のCZPチャートを用いて作成したテストチャートを開示している。この開示されたテストチャートとして、カメラ等の水平解像度を評価するものと垂直解像度を評価する2つのチャートがある。水平解像度評価用のテストチャート(上記公報の図2参照)は、公知のCZPチャートを中心部から左右に二等分する垂直線で切断し、切断された左側の左辺と他方の右辺とを接合して作成され、これによって、空間周波数特性が中心部において最も高く、水平方向周辺部へ向かうにつれて低くなるようにしている。一方、垂直解像度評価用のテストチャート(上記公報の図3参照)は、公知のCZPチャートを使用し、CZPチャートを中心部から上下に二等分する水平線で切断し、切断された上側の上辺と他方の下辺とを接合して作成され、これにより、空間周波数特性が中心部において最も高く、垂直方向周辺部へ向かうにつれて低くなるようにしている。これら水平解像度評価用と垂直解像度評価用のテストチャートにより、空間周波数が中心部において最も高く、水平方向周辺部あるいは垂直方向周辺部へ向かうにつれて低くなるようにすることにより、テストチャートの観測波形の変化が、ビデオカメラのレンズと本体のいずれによるものかの判別をしやすくしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特開2011−101100号公報に開示されたテストチャートでは、テストチャートの中心から水平方向に延びたラインと、中心から垂直方向に延びたラインの2つのラインにおいてしか、空間解像度を評価することができない。
【0004】
したがって、本発明の目的は、撮像装置の空間解像度を、撮像装置の視野内のより多くの部分において判定することができるテストチャートを提供することである。
また、本発明の目的は、上記テストチャートを使用して撮像装置の空間解像度を測定する測定方法を提供することである。
【0005】
本発明のさらに別の目的は、上記測定方法を実施するためのコンピュータ読み取り可能記憶媒体及びコンピュータ・プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1実施形態にしたがい提供するテストチャートは、少なくとも1つのチャートを含むテストチャートであって、前記チャートが、同心円状に配列された複数のリングであって、該複数のリングが、周辺から中心に向かう方向において増大する空間周波数を有する、複数のリングと、該複数のリングの外に配置された少なくとも1つの1対のマークであって、前記1対のマークが、前記複数のリングの中心を通る横方向または縦方向において配置された、少なくとも1つの1対のマークと、を含む。
【0007】
また、本発明の別の実施形態にしたがい提供する測定方法は、a)被測定対象の撮像装置からの、請求項1〜5のいずれかに記載の前記テストチャートのデジタル撮像信号を受けるステップと、b)前記デジタル撮像信号から、前記テストチャートの前記少なくとも1つのチャートのうちの1つのチャートの前記1対のマークを検出することにより、前記1つのチャートのある角度における測定エリアを定めるステップと、c)前記測定エリア内において低い空間周波数から高い空間周波数に向かって複数の測定ラインを定めるステップと、d)各前記測定ラインの各々において、前記デジタル撮像信号から、前記測定ラインに沿った一連のデジタル・データを取得し、該一連のデジタル・データが定める波形の周期および振幅の少なくとも1つに基づいて各前記測定ラインにおける空間解像度を求めるステップと、e)複数の前記測定ラインにおいてそれぞれ求めた複数の空間解像度を使用して、前記被測定対象の撮像装置の、前記測定エリアにおける空間解像度を求めるステップと、を含む。
【0008】
また、本発明のさらに別の実施形態にしたがって、上記のテストチャートおよび測定方法に関して種々のより具体的な特徴を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の1実施形態によるテストチャート100の全体を示す平面図である。
図2図2(A)は、図1のテストチャートのうちの中央チャートの上側半分を拡大して示す図であり、図2(B)は、中央チャートの一部をさらに拡大した図であり、図2(C)は、図2(B)の拡大部分が定める輝度の波形を示す図。
図3図3は、本発明の1実施形態のテストチャートを使用して撮像装置の空間解像度を評価する測定システムを示す図。
図4図4は、図3の測定装置で実行する、撮像装置の空間解像度を評価するための測定フローを示すフローチャート。
図5図5は、図4の測定フローのうちの空間解像度測定ステップを詳細に示す1実施形態の測定処理を示すフローチャート。
図6図6(A)は、静止画のうちの複数の測定ラインにおける画像を示し、図6(B)は、それら複数の測定ラインのうちの異なった2つの測定ラインの画像が定める輝度の波形を示す図。
図7図7は、図6の波形図をさらに詳細に示す図。
図8図8(A)は、図5の測定処理において得られるある測定ライン内のデジタル・データの値を示し、図8(B)は、この測定ライン内の一部のデジタル・データの値をより詳細に示す図。
図9図9(A)、(B)は、図4の測定フローの結果表示ステップにより表示される、指定角度間隔が5度の場合の測定結果の表示例を示す図。
図10図10(A)、(B)は、指定角度間隔が5度の場合のさらに別の測定結果表示例を示す図。
図11図11(A)、(B)は、指定角度間隔が1度の場合の図9(A)、(B)と同様の測定結果表示例を示す図である。
図12図12(A)、(B)は、指定角度間隔が1度の場合の図10(A)、(B)と同様の測定結果表示例を示す図である。
図13図13は、図4の解像度測定ステップの別の実施形態の測定処理を示すフローチャート。
図14図14は、図13の測定処理において利用する周期を説明するための波形図。
図15図15は、図4の解像度測定ステップのさらに別の実施形態の測定処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の種々の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施形態によるテストチャート100の全体を示す平面図である。図示の通り、テストチャート100は、矩形の形状を有し、16:9アスペクト比(HDTV用)を有している。尚、被測定対象の撮像装置のアスペクト比に合わせてその他のアスペクト比にすることも可能である。図示のように、テストチャート100は、矩形枠102の中心に配置した中央チャート110と、矩形枠102の4隅にそれぞれ配置した4つの周辺チャート120〜180とを有している。矩形枠2の縦のサイズと比べると、中央チャート110は、1/3程度のサイズであり、各周辺チャート120〜180は、1/5程度のサイズである。
【0011】
中央チャート110の上側半分を拡大した図2も参照して説明すると、図2(A)に示すように、中央チャート110は、中央に配置した同心円状の複数のリング111と、このリングの周囲に配置した4つの位置検出マーク112,113,114、115と、リング111の中央にある中心円形領域116とを有する。同心円状の複数のリング111は、黒と白の間で輝度が連続的に変化することにより、周辺から中心に向かって空間周波数が高くなる同心円状の模様を定める。空間周波数は、350TV本(外側)から1150TV本(中心側)へと変化し、変化率は10TV本/サイクルである。TV本とは画面の垂直方向の高さに等しい水平幅の中に、白黒の縦線が何本まで分離して見分けられるかを表す単位である。この際、白と黒の縦線をそれぞれ1本と数える。1本の走査線においては、白黒の縦線は輝度信号が矩形波(あるいは正弦波)の1サイクルに相当する。輝度信号の山が白、谷が黒として表示されるので、1サイクルはTV本で2本分の期間に相当する。図2(B)では、2サイクル分のリングをより詳細に示している。尚、図2(B)では、段階的にグレースケールが変化するように図示しているが、実際は、連続的に変化するグレースケールを使用している。図2(C)は、2サイクル分のリングが生成する輝度を、0〜1の値に正規化して示しており、輝度が関数sinxで連続的に変化している。
【0012】
中央チャート110に含まれた位置検出マーク112,113,114、115は、チャートの位置とその向きを自動で判定するために使用するマークである。また、マーク112と114はチャートの中心を通る水平方向(0度と180度の角度を示す)を示し(0度と180度の角度を示す)、そしてマーク113と115はチャートの中心を通る垂直方向を示す(90度と270度を示す)。また、図2(A)に示すように、中央チャート110に黒の中心円形領域116を含ませることによって、幅が2dの中央帯状部分118を定める。2dの幅は円形領域116の直径よりも小さくすることによって、中心側の端部を比較的直線に近い線にすることができ、これによって中心部でのリングの配置を回避して測定誤りの発生を減少させるようにする。この帯状部分118の領域からは、空間解像度を測定するための測定ラインとして使用する複数のラインを選択する。測定ラインとして複数のラインを使用する理由は、ライン毎の空間解像度の測定結果にバラツキが生ずるので、その影響を少なくするためである。
【0013】
周辺チャート120〜180は、互いに同じ構成のものであり、しかも中央チャート110と同様の構成を有している。各周辺チャートが中央チャートと異なる点は、周辺チャートの全体のサイズが小さく、また中心に配置された複数のリングが小さい点である。各周辺チャートの複数のリング(例えば周辺チャート120の複数のリング122)は、中央チャートと同じ350TV本(外側)〜1150TV本(中心側)の空間周波数を有するが、変化率は50TV本/サイクルで、中央チャートと比べ1サイクル当たりの変化率は高い。
【0014】
以上に説明したテストチャート1においては、中心が黒の白黒配置であるが、この配置を反転させることもできる。
尚、以上では、テストチャートは、白黒のチャート、すなわち、第1の色である黒と第2の色である白との2つの色の間で階調すなわちグレースケールが変化する模様を構成するものとして説明した。白黒のチャートでは、赤(R)、緑(G)、青(B)の各コンポーネント(「チャンネル」とも呼ぶ)値は同じ値になるため、RGBのどれか一つのチャンネルのデータを空間周波数を定める輝度データとして使用すればよい。また、テストチャートには、白黒以外のその他の色を使用することもできる。例えば、第1と第2の色として黒白以外の任意の2つの色を用いることができる。下記の表は、それぞれの色を表現するときの、代表的な8色のRGBチャンネルの各々の値(8ビット表現)を示している。
【0015】
【表1】
【0016】
尚、表1は、上記代表的な8色を示しているに過ぎず、黒白以外の任意の2つの色として、その他の色を使用することも可能である。
黒白以外の任意の2つの色を用いるとき、正と負のピークの間ではそれら2つの色の間で色の階調を変化させる。これによって、色による解像度の分布の変化を解析することができる。また、階調の変化は、RGBチャンネルの3つのチャンネルの値を同時に変化させたり、3つのチャンネルのうちの2つのチャンネルを同時に変化させたり、あるいは1つのチャンネルのみを変化させたりすることができる。階調の変化のさせ方としては、例えばグラデーションが可能である。さらに、RGBチャンネルの3つのチャンネルを同相で変化させるだけでなく、互いに位相(例えば90度等)をずらして変化させることもできる。階調の変化に位相差をもたせることにより、空間解像度の測定精度を高めることができる。
【0017】
以上に説明したテストチャート100によれば、矩形枠2内に複数のチャート110,120〜180を配置することにより、視野内の異なった領域の空間解像度を互いに独立して評価することができる。また、各チャートが同心円状のリングを含むことにより、それら各領域において、複数の異なった方向の空間解像度を評価することができる。これにより、視野内の希望する任意の数の領域の空間解像度を、0度から360度の全ての方向において評価することができる。
【0018】
次に、図3を参照して、上記のテストチャート1を使用して撮像装置の空間解像度を評価する測定システム300について詳細に説明する。図示の通り、測定システム300は、図1に示したテストチャート100を撮影する、被測定対象の撮像装置310と、この撮像装置310からの撮像出力信号を受ける測定装置320とを含んでいる。被測定対象の撮像装置310の例としては、デジタルカメラ、ビデオカメラ、その他の任意のカメラ機構を有するデバイス、例えばスマートフォン、携帯電話や、それらカメラ機構のモジュール等が含まれる。測定装置320は、測定専用の機器で構成したり、あるいはコンピュータのような汎用性のある機器で実現することができる。以下の説明では、測定装置をパーソナル・コンピュータPCで実施した例で説明する。このPCは、プロセッサ、入力装置、コンピュータ・プログラムを格納した記憶装置、ディスプレイ等の出力装置という公知の要素を備えている。尚、コンピュータ・プログラムは、コンピュータ読み取り可能記憶媒体に格納することもできる。
【0019】
図4を参照して、撮像装置310の空間解像度を評価するための測定装置320で実行するコンピュータ・プログラムで実施される測定フローを説明する。まず、最初のステップ400で、撮像装置310から、テストチャート100を撮影した結果の出力信号を受けて、PC内のバッファに置く。この出力信号は、例えば、カメラ映像の静止画ファイルであり、JPEG,BITMAP,PNG,TIFFなどの任意のフォーマットが可能である。尚、静止画ファイルを受け取る方法としては、撮像装置310から直接受ける場合の他に、既に取得された静止画ファイルを、ネットワーク(例えばイーサネット)や、キャプチャボード及びUSBなど記憶媒体から受けることもできる。次に、ステップ402において、受けた静止画における空間周波数の測定範囲を定める。すなわち、例えば5つのチャート110,120〜180のうちの中央チャート110を選択し、さらにこの選択した中央チャート110の空間解像度を測定する方向を角度で指定する。例えば、チャートの中心から右水平方向を示す0度の角度を、測定開始角度として指定し、さらに、測定する角度間隔を、0.01度〜90度の範囲内で指定する。尚、本実施形態では、4方向同時に測定するので、0度を測定開始角度として指定した場合、90度、180度、270度での測定も指定したことになる。
【0020】
次に、ステップ404において、空間解像度の測定エリアを検出する。具体的には、上下左右4つの位置検出マーク112〜115を囲んでいる四角形の中で左から右までライン毎に走査し、白い四角形であるマーク112〜115の座標を確定する。次に、上の白い四角形すなわちマーク113の上側の左右の角の座標と、下の白い四角形すなわちマーク115の下側の左右の角の座標とで、縦方向の測定エリアを定める。同様に、左の白の四角形すなわちマーク114の左側の上下の角の座標と、右の四角形すなわちマーク112の右側の上下の角の座標とで、横方向の測定エリアを定める。次に、最初のリングのピークを求める。尚、空間解像度のより正確な測定のため、測定エリアは、複数の測定ラインを含むように定める。また、測定エリア内のどの測定ラインを使用するのかも定める。
【0021】
次に、ステップ406で、定めた測定ラインにおいて空間解像度の測定を行い、測定結果を格納する。この測定の詳細は、図5を参照して後述する。次に、ステップ408で、測定エリアでの測定が完了したかどうか判定し、完了していないときは、ステップ410で次の測定エリアを選択する。尚、ステップ410の処理の詳細については、後述する。次に、ステップ406の空間解像度測定を再開する。もしステップ408で測定が完了していると判定したとき、ステップ412で、格納された測定結果を表示し、このフローを終了する。
【0022】
次に、図5を参照して、空間解像度測定ステップ406の1実施形態の測定処理の詳細について説明する。図5の測定処理では、波形における正と負のピークの発生における異常を利用する。まずステップ500において、測定バッファを初期化して、測定用パラメータ(ライン・カウンタ、検査データ・ポインタ、結果記録用バッファなど)を初期化する。次に、ステップ502において、4方向の測定エリアの各々内の測定ラインを選択する。測定エリア内での測定ラインの選択は、基本的には、左側から右側へ、上側から下側への順で行い、ライン・カウンタで記録する。各測定エリア内では、40個のラインを選択してその平均値を測定値とする。次に、ステップ504で、選択した測定ラインのデータの中の高周波ノイズを、例えばガウスフィルタを使って除去する。具体的には、測定画像がHD(1920x1080)の場合、最高解像度の1周期は2dot(その周波数は74.25MHzの半分)なので、1周期2dot以下の周波数成分はノイズとみなして除去する。
【0023】
図6は、このようにして得られた画像(図6(A))とその画像のデータの波形(図6(B))を示している。この図では、水平ライン535と水平ライン540を含む複数のラインの画像を示しており、下側の波形図には、水平ライン535と水平ライン540の輝度の変化を0〜1の範囲に正規化して示している。図7は、図6の波形図を拡大したものであり、水平ライン535と水平ライン540とでは、若干サンプリング点がずれていることが分かる。このため、上述した通り、本発明の1実施形態では、各測定エリア内において、複数の測定ラインで空間解像度を測定する。
【0024】
次に、ステップ506で、画像データの前処理を行うことによって、山と谷のピークのみをもつデータにする。具体的には、(1)画像データの波形のすべてのサイクルで山と谷のピークを特定し、(2)それぞれのサイクルで、山と谷の両ピークの間にあるデータのうち、立ち上がり途中のデータ、すなわち立ち上がり開始時の谷のピークから次の山のピークまでの間にあるデータは、すべてその立ち上がり開始時の谷のピークのデータ値に変換し、(3)それぞれのサイクルで、山と谷の両ピークの間にあるデータのうち、立ち下がり途中のデータ、すなわち、立ち下がり開始時の山のピークから次の谷のピークまでの間にあるデータは、すべてその立ち下がり開始時の山のピークのデータ値に変換する。次に、ステップ508において、前処理されたデータの平均値を求め、この平均値を、山と谷のピークを判定するためのしきい値と定め、またこのしきい値を「スライダ」の値とする。
【0025】
図8は、ステップ506と508の処理によって得られたデータを示している。詳細には、図8(A)は、一例として0度と180度の2つの測定ラインを含む1つのラインにおける輝度データ1〜560のデジタル値を示しており、図8(B)は、図8(A)において四角で囲んだ輝度データ157〜177を拡大して示している。尚、図中、本発明の理解のため、上記で求めた値をもつスライダを示している。図から分かるように、山と谷のピーク周辺以外のデータは含まれていない。
【0026】
次に、ステップ510において、測定ライン内の検査対象のデータをポイントする検査データ・ポインタの初期化して、検査を開始すべき最初のデータを指すようにする。具体的には、測定ラインの角度が0度の時は右端、90度の時は上端、180度の時は左端、270度の時は下端のデータを指すようにする。例えば、図8(A)の例では、検査データ・ポインタは、0度の測定ラインが選択されたときにはデジタル・データ560をポイントし、180度の測定ラインが選択されたときにはデジタル・データ1をポイントする。
【0027】
次に、ステップ512において、検査データ・ポインタが、チャートの中心、すなわち、選択された測定ラインの検査開始位置とは反対側に到達したかどうか判定する。この判定は、黒のデータがある一定数以上続くかどうかを検出することにより行う。到達したと判定したときには、選択された測定ラインでの検査が完了したと判断してステップ520に進む。到達していないと判定したときには、ステップ514に進む。
【0028】
ステップ514においては、ポインタが指したデータが波形の立下り部分に該当するかどうか判定する。立ち下がり部分の判定は、直前に検査したデータの値より小さいかどうか判定することにより行う。立ち下がり部分でない、すなわち直前に検査したデータと同じかあるいは大きい値であると判定したときには(図8(B)の例ではデータ800や801)、ステップ516に進んで、検査データ・ポインタを中心方向に1つシフトさせてステップ512に戻る。一方、ステップ514において、立ち下がり部分であると判定したときには(図8(B)の例ではデータ802や804)、次のステップ517において、検査中のデータの値が、スライダ(しきい値を示す)より上であるかどうか判定する。スライダより上であると判定したとき(図8(B)の例ではデータ804)、スライダを超える谷が現れないこと(白黒がつぶれて判別できない)から空間解像度の上限を超えたと判定し、直前に検査したデータ(図8(B)の例ではデータ801)の位置に対応する空間解像度を上限値として判断し、その直前検査データのポインタの値を記録する。
【0029】
ステップ517でYesの場合に、それぞれ判定した空間解像度を、検査中の測定ラインでの測定結果として確定する。具体的には、ポインタの値をチャート上の位置に換算して、換算したチャート上位置に対応するTV本の本数を算出する。この算出したTV本が空間解像度を表す。次に、ステップ522においてこの測定結果を指定のバッファに保存する。
【0030】
尚、本実施形態では、ステップ514での立ち下がり検出と、ステップ517でのスライダより上か否かの判定の組み合わせを使用しているが、他の方法も可能である。例えば、ステップ514で、立ち上がりを検出し、ステップ517で、スライダよりも下か否かの判定を行うこともできる。
【0031】
次に、ステップ524において、4方向(0度、90度、180度、270度)の測定ライン全てについて測定を完了したかどうか判定し、完了していないときは、次の測定ラインを選択してステップ510に進み、その後ステップ512〜522のステップを繰り返す。一方、4方向の測定ライン全てに関して測定が完了したときには、ステップ526で、4つの測定エリアの各々内のすべての測定ラインでの測定を完了したかどうか判定し、完了していないときは、ステップ502に進んで、4つの測定エリア内の各々の次の測定ラインを選択する。例えば、図6の測定ライン535での測定が完了したが、測定ライン540の測定をしていないときには、測定ライン540を選択する。この後、上述のステップ504〜524を繰り返す。各測定エリア内の全ての測定ラインでの測定が完了したとき、ステップ528で、各測定エリア内の複数の測定エリアでの測定結果の平均値を求め、この平均値であるTV本値を、該当の測定エリアにおける最終的な空間解像度として決定し、結果バッファに保存する。これにより、4方向における最終的な空間解像度が得られる。
【0032】
この後、図4のステップ408に進み、全ての測定エリアにおける測定が完了していないときには、ステップ410で次の測定エリアを選択する。すなわち、例えば、0度、90度、180度、270度の測定エリアでの測定が完了したときには、指定された角度間隔だけ離れた次の4つの角度で測定エリアを選択する。例えば、指定された角度間隔が5度の場合には、5度、95度、185度、275度の測定エリアが選択される。指定された角度間隔が1度のときには、1度、91度、181度、271度の測定エリアが選択される。ここで、次の測定エリアの選択時には、測定エリアに対応する空間領域を定める座標を、チャートの中心を軸として指定角度間隔だけ空間的に回転させる演算を行い、そしてその結果としての回転後の空間領域の座標を次の測定エリアを定めるものとして得られる。尚、座標の空間回転は、良く知られて方法で可能であるが、例えば下記の式を使うことによって可能である。
【0033】
【数1】
【0034】
ここで、F(x、y)は元座標、F’(x’,y’)は目標座標、σは回転角度である。FとF’の原点は重なるので、F(0,0)=F‘(0,0)である。
次に、ステップ408で、全ての測定エリアで測定が完了すると、ステップ412に進み、結果バッファ内に格納された測定結果を表示する。測定結果の1例(指定角度間隔=5度)は下記の表に示す(中間の値は省略)。
【0035】
【表2】
【0036】
尚、x座標は、空間解像度の上限位置を示すチャート上の位置を表すx軸(横軸)の座標であり、y座標は、その位置のy軸(縦軸)の座標である。この測定結果は、上記の表形式で結果を表示する方法以外に、以下で説明するような種々の異なった形式で測定結果を表示することができる。
【0037】
図9(A)は、横軸が測定エリアの角度、縦軸が空間解像度を表すTV本の値を示す図である。図9(B)は、横軸が上記のx座標で、縦軸が上記のy座標である。したがって、図9(B)の結果表示は、その元となるチャートと空間的に対応している。
【0038】
次に、図10(A)は、極座標形式の表示であって、図9(B)の結果表示を「x」のプロットとしてテストチャートに重ねて表示しており、空間解像度がチャート上のどの位置にあるのかを示している。したがって、360度に渡る空間解像度を、チャートに関連付けて把握することができる。また、図10(B)も極座標形式での表示であって、ある角度でのTV本の値を、その角度での極からの距離によって示している。したがって、極からの線の長さが空間解像度の大きさを表しており、中心は0TV本、白い円の円周部(縁)が1150TV本を示す。この表示形式でも、360度に渡る空間解像度の分布を把握を要にすることができる。
【0039】
図11(A)、図11(B)、図12(A),図12(B)は、図9(A)、図9(B)、図10(A),図10(B)とそれぞれ同様の図であって、指定角度間隔をより細かな1度にしたときの結果を示している。
【0040】
次に、図13を参照して、図4の解像度測定ステップ406の別の実施形態である測定処理を説明する。この実施形態は、空間解像度の判定に波形における周期の長さを利用する。図示のように図13の測定処理は、図5の測定処理と類似しており、異なっているのは、二値化ステップ1301を含み、また図5のステップ506とステップ512〜520の代わりに、ステップ1300とステップ1302〜1310を含む点である。
【0041】
詳細には、ステップ1300では、図5のステップ506の前処理に加え、山のピークから次の谷のピークまでは「谷データ」とし、谷のピークから次の山のピークまでは「山データ」とする。あるいは変わりの方法として、山のピークから次の谷のピークまでは「山データ」とし、谷のピークから次の山のピークまでを「谷データ」とすることもできる。いずれにしても、波形データを山データと谷データの2つに分ける。次に、ステップ1301で、この前処理されたデータに対し、スライダの値でスライスすることにより二値化し、これによって、図14に示すような二値化波形を生成する。尚、点線の部分は、波形の1周期部分である。
【0042】
このような処理をした後、ステップ1302で、1周期を検出したかどうか判定する。一例として、最初に「谷データ」を検出したときは、1周期ではないため、ステップ1304に進み、ここで、検査データ・ポインタを中心側に1つ進めてステップ1302に戻る。ここで、再度1周期を検出したかどうか判定する。例えば、「山データ」を今回検出したときに、「谷データ」を前回検出しているため、1周期を検出したと判定する。このとき、ステップ1306に進み、ここで、1周期の検出が初回かどうか判定し、初回のときは、ステップ1308でその1周期の周期長をバッファに記録し、その後ステップ1304に進む。一方、ステップ1306において初回でないと判定したときは、ステップ1310で、これまでに検出した1周期、すなわちバッファに格納された周期長よりも長いかどうか判定する。長くない場合、すなわち短いか同じ長さの場合、今回検出した周期長をバッファに記録して周期長を更新した後、ステップ1304に進み、次の検査に移る。一方、ステップ1310において長いと判定したとき、今回検出した周期は、黒白がつぶれて区別できなくなったと判定し、直前の検査データ・ポインタの値から、チャート上の座標とこの座標の位置におけるTV本の値を求める。この後、図5のステップ522以降のステップと同様のステップに進むことにより、最終的な測定値を生成することができる。
【0043】
また、図15を参照して、図4の解像度測定ステップ406のさらに別の実施形態である測定処理を説明する。この実施形態は、空間解像度の判定に波形における振幅を利用する。図示のように図15の測定処理は、図5の測定処理と類似しており、異なっているのは、図5のステップ508がなく、また、図5のステップ506及びステップ512〜520の代わりに、ステップ1500及びステップ1502〜1506を含む点である。
【0044】
詳細には、ステップ1500では、図5のステップ506の前処理に加え、図13の処理と同様に、山のピークから次の谷のピークまでは「谷データ」とし、谷のピークから次の山のピークまでは「山データ」とする。あるいは変わりの方法として、山のピークから次の谷のピークまでは「山データ」とし、谷のピークから次の山のピークまでを「谷データ」とすることもできる。いずれにしても、波形データを山データと谷データの2つに分ける。このような処理をした後、ステップ1502において、1周期を検出したかどうか判定する。一例として、最初に「谷データ」を検出したときは、1周期ではないため、ステップ1504に進み、ここで、検査データ・ポインタを中心側に1つ進めてステップ1502に戻る。ここで、再度1周期を検出したかどうか判定する。例えば、「山データ」を今回検出したときに、「谷データ」を前回検出しているため、1周期を検出したと判定する。このとき、ステップ1506に進み、ここで、検出した1周期の振幅が、予め定めたしきい値より小さいかどうか判定する。しきい値より小さくない場合、白黒がつぶれずに検出されたと判断し、そしてステップ1504に進んで、次のデータに対する検査に移る。一方、しきい値より小さい場合、白黒がつぶれたと判断し、直前の検査データ・ポインタの値からチャート上の座標とこの座標の位置におけるTV本の値を求める。この後、図5のステップ522以降のステップと同様のステップに進むことにより、最終的な測定値を生成することができる。
【0045】
以上に詳細に説明した本発明のテストチャートを使用すれば、空間的に異なった視野領域における空間解像度を各領域において360度内の異なった方向で評価することができ、これにより従来のものと比べ詳細な評価を可能にすることができる。また、本発明の測定方法によれば、上記テストチャートを使用して空間解像度を的確に評価し、その評価結果をユーザに分かりやすい形式で表示することができる。
図3
図4
図5
図7
図9
図11
図13
図14
図15
図1
図2
図6
図8
図10
図12